JPH07188270A - 白金(ii)錯体から白金(iv)錯体への酸化法 - Google Patents
白金(ii)錯体から白金(iv)錯体への酸化法Info
- Publication number
- JPH07188270A JPH07188270A JP34842693A JP34842693A JPH07188270A JP H07188270 A JPH07188270 A JP H07188270A JP 34842693 A JP34842693 A JP 34842693A JP 34842693 A JP34842693 A JP 34842693A JP H07188270 A JPH07188270 A JP H07188270A
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- complex
- iodine
- oxidizing
- oxidation
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 一般式
【化1】
〔A1 、A2 ;白金に窒素配位し得るアミン類、B1 、
B2 ;塩素、臭素、ヨウ素あるいは白金に酸素配位し得
るカルボン酸類、溶媒;双極性非プロトン性溶媒〕で表
わされ、ヨウ素を酸化剤として用いることにより、双極
性非プロトン性溶媒によって配位子の置換反応が抑えら
れてヨウ素による酸化が行われる。 【効果】 従来に比して注意を不要として安全であると
共に、穏やかな条件下で白金(II)錯体から白金(IV)錯体
へと酸化できる。
B2 ;塩素、臭素、ヨウ素あるいは白金に酸素配位し得
るカルボン酸類、溶媒;双極性非プロトン性溶媒〕で表
わされ、ヨウ素を酸化剤として用いることにより、双極
性非プロトン性溶媒によって配位子の置換反応が抑えら
れてヨウ素による酸化が行われる。 【効果】 従来に比して注意を不要として安全であると
共に、穏やかな条件下で白金(II)錯体から白金(IV)錯体
へと酸化できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、白金(II)錯体(錯化合
物、配位化合物)から白金(IV)錯体への酸化法に関す
る。
物、配位化合物)から白金(IV)錯体への酸化法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シスジクロロアンミン白金(II)錯体(一
般名:シスプラチン)やカルボプラチンの抗腫瘍性が発
見されて以来、より低毒性、高い抗腫瘍性を備えた白金
(II)錯体の研究がされているが、最近では抗腫瘍活性の
ある白金(IV)錯体も注目され、白金制癌剤としての開発
が進められている。従来、白金(II)錯体から白金(IV)錯
体への酸化は、酸化剤として専ら過酸化水素(H
2 O2 )や塩素ガス(Cl2 )を用いて行われている。
般名:シスプラチン)やカルボプラチンの抗腫瘍性が発
見されて以来、より低毒性、高い抗腫瘍性を備えた白金
(II)錯体の研究がされているが、最近では抗腫瘍活性の
ある白金(IV)錯体も注目され、白金制癌剤としての開発
が進められている。従来、白金(II)錯体から白金(IV)錯
体への酸化は、酸化剤として専ら過酸化水素(H
2 O2 )や塩素ガス(Cl2 )を用いて行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の白金(I
I)錯体から白金(IV)錯体への酸化法では、酸化剤として
過酸化水素や塩素ガスを用いているため、いずれの酸化
剤も取り扱いには注意が必要であるという不具合があ
る。そこで、本発明は、取り扱いが安全で、穏やかな条
件下で酸化し得る白金(II)錯体から白金(IV)錯体への酸
化法を提供することを目的とする。
I)錯体から白金(IV)錯体への酸化法では、酸化剤として
過酸化水素や塩素ガスを用いているため、いずれの酸化
剤も取り扱いには注意が必要であるという不具合があ
る。そこで、本発明は、取り扱いが安全で、穏やかな条
件下で酸化し得る白金(II)錯体から白金(IV)錯体への酸
化法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の白金(II)錯体から白金(IV)錯体への酸化法
は、極性非プロント溶媒中にて、ヨウ素を酸化剤として
用い、
め、本発明の白金(II)錯体から白金(IV)錯体への酸化法
は、極性非プロント溶媒中にて、ヨウ素を酸化剤として
用い、
【化2】 〔A1 、A2 は白金に窒素配位し得るアミン類、B1 、
B2 は塩素、臭素、ヨウ素又は白金に酸素配位し得るカ
ルボン酸類である。〕なる反応を起こさせることを特徴
とするものである。
B2 は塩素、臭素、ヨウ素又は白金に酸素配位し得るカ
ルボン酸類である。〕なる反応を起こさせることを特徴
とするものである。
【0005】
【作用】上記手段においては、極性非プロント性溶媒に
よって配位子の置換反応が抑えられてヨウ素による酸化
が行われる。極性非プロント性溶媒としては、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
が好ましい。
よって配位子の置換反応が抑えられてヨウ素による酸化
が行われる。極性非プロント性溶媒としては、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
が好ましい。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 実施例1;Pt(oxalato)I2 (l−dac
h)の合成。 N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10ml、オキサ
ラト(l−dach)白金(II) 1.000gの懸濁液にヨウ
素 640mgを加え、70℃の温度で約1時間撹拌した。つい
で、上記反応混合物にDMF10mlを加えて溶解後に濾過
した。濾液に酢酸エチルを加えて生成した結晶を濾取
し、酢酸エチルで洗浄してPt(oxalato)I2
(l−dach)を1.52g (76%) 得た。得られたPt
(oxalato)I2 (l−dach)の構造式は、
以下に示すようになり、1分子中に2個のDMFを含ん
でいた。
る。 実施例1;Pt(oxalato)I2 (l−dac
h)の合成。 N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10ml、オキサ
ラト(l−dach)白金(II) 1.000gの懸濁液にヨウ
素 640mgを加え、70℃の温度で約1時間撹拌した。つい
で、上記反応混合物にDMF10mlを加えて溶解後に濾過
した。濾液に酢酸エチルを加えて生成した結晶を濾取
し、酢酸エチルで洗浄してPt(oxalato)I2
(l−dach)を1.52g (76%) 得た。得られたPt
(oxalato)I2 (l−dach)の構造式は、
以下に示すようになり、1分子中に2個のDMFを含ん
でいた。
【0007】
【化3】
【0008】実施例2;Pt(oxalato)I
2 (d−dach)の合成 DMF10ml、オキサラト(d−dach)白金(II) 1.0
00gの懸濁液にヨウ素640mgを加え、70℃の温度で約1
時間撹拌した。ついで、上記反応混合物にDMF10mlを
加えて溶解後に濾過した。濾液に酢酸エチルを加えて生
成した結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄してPt(ox
alato)I2 (d−dach)を1.52g(76%)を
得た。得られたPt(oxalato)I2 (d−da
ch)の構造式は、以下に示すようになり、1分子中に
2個のDMFを含んでいた。
2 (d−dach)の合成 DMF10ml、オキサラト(d−dach)白金(II) 1.0
00gの懸濁液にヨウ素640mgを加え、70℃の温度で約1
時間撹拌した。ついで、上記反応混合物にDMF10mlを
加えて溶解後に濾過した。濾液に酢酸エチルを加えて生
成した結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄してPt(ox
alato)I2 (d−dach)を1.52g(76%)を
得た。得られたPt(oxalato)I2 (d−da
ch)の構造式は、以下に示すようになり、1分子中に
2個のDMFを含んでいた。
【0009】
【化4】
【0010】ここで、上述した実施例1、実施例2で合
成した化合物の分析データは、表1、表2に示すように
なった。各表中の化合物番号は、実施例1、2の化合物
に対応する。
成した化合物の分析データは、表1、表2に示すように
なった。各表中の化合物番号は、実施例1、2の化合物
に対応する。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】又、実施例1、2で合成した化合物を白金
制癌剤として用い、マウスの実験腫瘍L1210に対す
る抗腫瘍性を調べた。CDF1 マウスにL1210(移
植細胞数はマウス当り105 個)を腹腔内に移植後、第1
日目、第5日目及び第9日目に上記白金制癌剤を表3に
示す投与量で腹腔内に投与した。効果判定は、平均生存
期間T/C(%)(薬剤投与群の平均生存日数/対照群
の平均生存日数×100)でみた。L1210では、 125%
以上を有効とし、その結果を表3に示す。一群は6匹で
ある。なお、表中のカッコ内の数字は、一群中の治癒し
たマウスの数を示す。
制癌剤として用い、マウスの実験腫瘍L1210に対す
る抗腫瘍性を調べた。CDF1 マウスにL1210(移
植細胞数はマウス当り105 個)を腹腔内に移植後、第1
日目、第5日目及び第9日目に上記白金制癌剤を表3に
示す投与量で腹腔内に投与した。効果判定は、平均生存
期間T/C(%)(薬剤投与群の平均生存日数/対照群
の平均生存日数×100)でみた。L1210では、 125%
以上を有効とし、その結果を表3に示す。一群は6匹で
ある。なお、表中のカッコ内の数字は、一群中の治癒し
たマウスの数を示す。
【0014】
【表3】
【0015】表3から、投与量を 100〜25mg/kg とする
と有効であることがわかる。
と有効であることがわかる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の白金(II)
錯体から白金(IV)錯体への酸化法によれば、極性非プロ
トン性溶媒によって配位子の置換反応が抑えられてヨウ
素による酸化が行われるので、従来に比して取り扱いが
注意を不要として安全であると共に、穏やかな条件下で
白金(II)錯体から白金(IV)錯体への酸化できる。
錯体から白金(IV)錯体への酸化法によれば、極性非プロ
トン性溶媒によって配位子の置換反応が抑えられてヨウ
素による酸化が行われるので、従来に比して取り扱いが
注意を不要として安全であると共に、穏やかな条件下で
白金(II)錯体から白金(IV)錯体への酸化できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 極性非プロトン溶媒中にて、ヨウ素を酸
化剤として用い、 【化1】 〔A1 、A2 は白金に窒素配位し得るアミン類、B1 、
B2 は塩素、臭素、ヨウ素又は白金に酸素配位し得るカ
ルボン酸類である。〕なる反応を起こさせることを特徴
とする白金(II)錯体から白金(IV)錯体への酸化法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34842693A JPH07188270A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 白金(ii)錯体から白金(iv)錯体への酸化法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34842693A JPH07188270A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 白金(ii)錯体から白金(iv)錯体への酸化法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07188270A true JPH07188270A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18396931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34842693A Pending JPH07188270A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 白金(ii)錯体から白金(iv)錯体への酸化法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07188270A (ja) |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP34842693A patent/JPH07188270A/ja active Pending
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