JPH01299293A - 白金グリーン錯体の製造方法 - Google Patents

白金グリーン錯体の製造方法

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JPH01299293A
JPH01299293A JP63129376A JP12937688A JPH01299293A JP H01299293 A JPH01299293 A JP H01299293A JP 63129376 A JP63129376 A JP 63129376A JP 12937688 A JP12937688 A JP 12937688A JP H01299293 A JPH01299293 A JP H01299293A
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志村 武彦
Takenori Tomohiro
岳則 友廣
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、抗腫瘍剤活性を有し、医薬として有用な白金
グリーン錯体を選択的に製造する方法に関する。
(従来の技術〕 ローゼンベルグらにより抗腫瘍活性を有することが証明
〔ネイチャー (Na ture)第222巻、385
ページ(1969年)〕されたシスプラチンは、そのす
ぐれた作用により前立腺癌、卵巣癌、胃癌などの治療に
広く用いられている。しかしながら、腎毒性や悪心・嘔
吐などの副作用があり、大きな問題となっている。この
副作用軽減のため投与法などの改良が行われているほか
に、シスプラチンよりも抗腫瘍活性がすぐれ、かつ副作
用が低減された白金錯体化合物の合成研究が盛んに行わ
れてきている。
米国特許第4.419,351号明細書には、2,4−
ジオキソピリミジン化合物とシス−シアコシアンミン白
金(II)とを反応させて、抗腫瘍、抗細菌および抗ウ
ィルス作用を有する白金−〔2,4−ジオキソピリミジ
ン化合物〕ブルーまたはグリーン錯体またはその混合物
が得られることが記載されている。
また、ジャーナル・オプ・ジ・アメリカン・ケミカル・
ソサイエティ(J、Am、Chem、Soc、)第10
6巻、2049〜2054ページ(1984年)にはシ
ス−ジアンミンジクロロ白金(II) とα−ピロリド
ンとのグリーン錯体の構造について報告されている。
ところで、前記米国特許明細書によると、ウラシル、チ
ミン、ピリミジン、ポリウラシルなどの塩基およびウリ
ジン誘導体またはチミジン誘導体などとの白金錯体が得
られている。塩基との錯体については白金ブルー錯体が
主成分として得られ、白金グリーン錯体は第二沈澱物と
して得られている。また白金ブルー錯体については、元
素分析、可視部吸収スペクトルなどにより同定が行われ
、かつ、生物学的活性の検討がなされている。しかしな
がら、白金グリーン錯体については、その物理化学的諸
性質は不明瞭であり、特に、沈澱物として析出しない水
溶性白金グリーン錯体については、その精製法、理化学
的性質、抗腫瘍活性などに関し、何ら報告されていない
。一方、ウリジン誘導体またはチミジン誘導体との錯体
については、ブルー錯体のみが得られており、しかも、
若干の抗腫瘍活性が記載されているに過ぎない。ウリジ
ン誘導体またはチミジン誘導体のグリーン錯体について
はその製造法も抗腫瘍活性も何ら記載されていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、抗腫瘍剤として有用な白金グリーン錯
体を効率よく得ることにある。
(本頁以下余白) 〔課題を解決するための手段〕 本発明は、−数式 (式中、XはCI、又は■であり、YはNH3゜で表わ
される化合物とウリジン、チミジン、ウラシル、チミン
、2′−デオキシウリジン、ウリジン−5′−モノフォ
スフエイト、5−フルオロウラシル、又は1.2−ジア
ミノシクロヘキサンを銀塩及び過酸化水素の存在下に反
応させることを特徴とする白金グリーン錯体の製造方法
である。
本発明方法により得られる白金グリーン錯体は、ウリジ
ン、チミジン、ウラシル、チミン、2′−デオキシウリ
ジン、ウリジン−5′ −モノフォスフエイト、5−フ
ルオロウラシル又は1,2−ジアミノシクロヘキサンが
白金に配位した白金グリーン錯体であり、白金数は3〜
18、特に6〜15の場合に抗腫瘍活性が高い。
反応は適当な溶媒(水、メタノール、エタノール、第3
級ブタノールなどのアルコール系溶媒、ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系
溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
ヘキサメチレンホスホノアミド、酢酸、ピリジンなど、
またはそれらの混合溶媒)中、pH1〜8、好ましくは
pH2〜6で、0−100″C1好ましくは1〜75°
Cの温度下、30分から2ケ月程度、好ましくは45分
〜1ケ月で進行する。
一般式(1)の化合物と、上記塩基又は塩基誘導体との
反応モル比は1:l〜1:4の範囲でよいが、一般には
1:l付近が最適である。
銀塩としてはAgzSO4,AgN0z、 AgClO
4等反応によって銀塩化物を生成するものであればよい
が、好ましくは硫酸塩である。
用いられる過酸化水素は好ましくは0.1〜10%過酸
化水素水である。
このようにして得られた白金グリーン錯体は、常法によ
り分離精製することができる。すなわち、反応混合物を
溶媒抽出、沈澱およびイオン交換、分配、ゲル濾過、ア
フィニティなどの各種クロマトグラフィーなどにより分
離することができる。
本発明方法においては、特にゲル濾過が好適であり、担
体として、セファデックス、セファアクリル、セファロ
ース、バイオゲル、トヨパール、フラクトゲル、セルロ
ファインなどいずれも使用することができる。これらの
操作は好ましくは窒素気流下など嫌気下で行う。
こうして分離された白金錯体は、それ自身の特異的な可
視部吸収スペクトルを用いて同定される。
たとえば、ウリジンを配位子とした白金グリーン錯体は
730r+n+領域に特徴的な吸収を有している。
紫外部は260〜270nm付近で強いπ→π“吸収を
示す。
赤外吸収スペクトル(I R)でC=O伸縮振動が16
45cl’にシフトしていること(ウリジンでは169
0cm”に現れる)、及び13C−nmr(核磁気共鳴
)スペクトルでウリジンのC−4及びC−2に対応する
カーボンが非常に大きな(前者で11〜8 ppL後者
で6〜4 ppm)低磁場シフトを示すことがら、白金
(2価又は3価)にウリジンのC−4位あるいはC−2
位が配位していることを強く示唆している。このグリー
ン錯体に於いて、Pt (III)の常磁性共鳴スペク
トル(E S R)が観察された。このスペクトルは典
型的な軸対称パターンを示し、g、、=1.991. 
 g工=2.413であった。超微細構造の検討から、
不対電子は1つの白金に局在化はせず、いくつかの白金
に非局在化していることが判明した。
式(1)の化合物としてY=NH*、X・■の化合物を
用い、ウリジンと種々の条件下において反応させ白金グ
リーン錯体を合成し、その条件及び結果を表1に示した
(本頁以下余白) 表1 白金ウリジングリーン錯体の合成(1)    
 2    A   0.1  2hk   43.8
(2)     2    A   O,14hk  
 51.0(3)    25    A   O,1
24hr   46.1(4)    40    A
   O,13hr   33.4(5)    75
    A   O,013hr(6)    75 
   A   0.1  45m1n   74.4(
7)(ブルー)60       B      O,
12hr      40.7a ) A : Agz
SOaおよび1%過酸化水素水使用B:空気による酸化 b)基質濃度 C)白金4核錯体、平均白金価数2.25として計算こ
れらの化合物の各々の元素分析値は以下の通りである。
化合物(1) 測定値: C,15,47i  H,3,29;  N
、 9.31 ;Pt、” 42.6 * ashから求めた。以下ptについては同様である
化合物(2) 測定値:C,15,39;  H,3,25;  N、
 9.78;pt、 41.8 化合物(3) 測定値:C,16,74i  H,3,11;  N、
 9.37;Pt、 40.5 化合物(4) 測定値:C,9,67;  H,2,72;  III
、 9.29;pt、 47.7 化合物(5) 測定値:C,16,31; H,2,68; N、 9
.35;Pt、 40.7 化合物(6) 測定値:C,15,37;  H,3,09;  N、
 9.38;Pt、 41.5 化合物(7)(ブルー) 測定値:C+ 20.55;  H,3,02;  N
、 8.20;pt、 38.0 同様に化合物(1) (Y=NHz、 X=I)及び表
2に示す基質を用いた他の化合物の合成条件と元素分析
値を以下に示す。
表2   白金グリーン類の合成8) 化合物  基 質    温度  時間  収率b′(
”C)       (χ) (8)   ウラシル               
37      3h     38.8(9)5−フ
ルオロウラシル         75    45m
1n     34.0GO)c)ジ7ミ/シクoへ$
”J:z         so      1  d
     69.3(11)”グアノシン      
        75      2d      4
7.9(J2J”4/’iy            
    75     2  d     94.30
J  ウリジン−5゛−モノフォスフエイト  25 
     1d      13.904  チミジン
               75    30m1
n     22.4a)基質濃度0.1M、  1%
nzo□を用いて合成したb)白金4核錯体、平均白金
価数2.25として計算した C)黄色錯体 d)茶色錯体 e)無色錯体 元素分析値(測定値) 化合物(8) 測定値:C,3,37;  H,2,03;  N、 
9.15;Pt、 58.2 化合物(9) 測定値:(:、 6.09  i  H,2,22; 
 N、 10.84  ;Pt、 52.9 化合物Go) 測定値:C,24,23i  H,4,11;  N、
 8.05;Pt、 36.3 化合物(II) 測定値:C,19,94;  H,3,29;  N、
 16.06  ;Pt、 32.1 化合物021 測定値:C,19,32;  tt、 3.00;  
N、 14.12 ;Pt、 29.2 化合物G■ 測定値:C,14,18;  H,2,89;  N、
 8.86;Pt、 49.4 化合物04) 測定値: C,10,81;  H,2,81;  N
、 8.51 ;Pt、48.1 本発明製造方法で得られる白金グリーン錯体は、以下の
実験例から明らかな通り、強い抗腫瘍活性を示して制癌
剤として有効である。
実験例: L1210に対する抗腫瘍活性本発明の白金
グリーン錯体の抗腫瘍活性は、L1210培養細胞を用
いて、その生育阻害率を求めることにより測定した。す
なわち、1d当りlXl0’の細胞数をもつ液に、テス
トサンプル(最終濃度1μg/−あるいは10μg/r
Ii)を注入し、通常4日間、37°Cで培養した。培
地にはGIBCORPMI 1640゜カナマイシン及
び10%FBS(Fetal Bovin Serum
)を含むものを用いた。コントロール(通常1.4×1
06細胞数/−に増殖)との生育比から阻害率を算出し
た。それらの結果を表3に示す。
(本頁以下余白) 表3 白金グリーン誘導体の生理活性3)(1)   
   59.1      99.8(2)     
 55.8      99.4(3)      6
3.7      99.1(4)      80.
2      99.7(5)      26,4 
     98.1(6)      25,5   
   99.1(7)              −
1,9(8)      86.3     100(
9)      46.4      99.7(In
)      31.5      97.8(II)
      7,1      20.4面     
−0,71,9 03)      12.5      99.004
)      58.3     100a)  L 
L210培養細胞を用いた。
b)活性試験に用いた試料の濃度。
表3より、白金グリーン体はL 1210に対して高い
活性を示すがブル一体は全く不活性であり、著しい相違
がみられた。さらに、詳細に検討してみると、グリーン
体の分子サイズと活性の相関が認められ、小さいサイズ
の分子の方が、大きなものより活性が高い。即ち、白金
数3〜18のもの、特に6〜15のものが高活性である
また、通常のL 1210細胞に比べ、約2倍の直径を
もつ巨大細胞の生成が見い出され、活性の高いグリーン
体の場合はど、巨大細胞の割合が高いことが判明した。
本発明製造方法によって得られる化合物を医薬として用
いる場合には、薬理学上許容され得る適宜の賦形剤、担
体、希釈剤などの医薬製剤用添加物と混合して、錠剤、
顆粒、粉末、カプセル荊、注射剤、軟膏および坐剤など
の形態で、経口または非経口的に投与することができる
。投与量は、腫瘍の種類、症状、投与形態、患者の年齢
、体重などにより変化し得るが、一般に有効投与量は0
.1〜5 、000mg/ kg 、好ましくは0.1
〜1.000mg/kg。
さらに好ましくは1〜500mg/kgであり、これを
1日1〜6回に分けて投与することができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれ
らの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例 シス−ショートジアンミン白金145■と硫酸銀93.
5■に水3−を加え、さらにウリジン73.2mg(0
,3mmol)を加えた後、1%過酸化水素溶液336
μ2を加えた。アルゴン気流下40″Cにて撹拌し、3
時間反応させた。得られた反応液を濾別し、濾液をゲル
濾過(担体:トヨパール)にて精製すると、緑色のウリ
ジンを配位子とする白金グリーン錯体53.4■が得ら
れた。以上の操作は窒素あるいはアルゴン下で行った。
可視部吸収:λmax 730nm IR(KBr)   : 1645(C=O)、 87
0.815.585(Pt−N)cm−’ 融    点: > 300°C 円偏光二色性(CDスペクトル): 〔θ〕(λIIIax nm)H37,800(272
)。
−37,800(219) I3C−Nmr(DzO; DSS標準):ppm63
.5.72.1.76.3.86.9.92.8゜10
4.7.143.6.160.2.158.5゜179
.8及び176.7 〔発明の効果〕 本発明によれば、抗腫瘍剤として有用な白金グリーン錯
体を簡便に効率よく製造しうる。
特許出願人 工業技術院長 飯塚幸三

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼ (式中、XはCl又はIであり、YはNH_3、C_n
    _3H_2_n_+_1NH_2、(n=1〜12)、
    NH_2−C_mH_2_m−NH_2、(m=2〜1
    0)、▲数式、化学式、表等があります▼を示す) で表わされる化合物とウリジン、チミジン、ウラシル、
    チミン、2′−デオキシウリジン、ウリジン−5′−モ
    ノフォスフェイト、5−フルオロウラシル、又は1,2
    −ジアミノシクロヘキサンを銀塩及び過酸化水素の存在
    下に反応させることを特徴とする、白金グリーン錯体の
    製造方法。 2、分子中の白金数が3〜18であることを特徴とする
    請求項1記載の製造方法。 3、分子中の白金数が6〜15であることを特徴とする
    請求項2記載の製造方法。
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