JPH07188246A - テトラオキサスピロ化合物およびその利用 - Google Patents
テトラオキサスピロ化合物およびその利用Info
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- JPH07188246A JPH07188246A JP5348735A JP34873593A JPH07188246A JP H07188246 A JPH07188246 A JP H07188246A JP 5348735 A JP5348735 A JP 5348735A JP 34873593 A JP34873593 A JP 34873593A JP H07188246 A JPH07188246 A JP H07188246A
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- JP
- Japan
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- tetraoxaspiro
- bis
- undecane
- phenyl
- compound
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- Pending
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 β型結晶ポリプロピレンを形成させる能力が
高く、かつポリプロピレンを着色させない、新規化合物
を提供すること。 【構成】 下記の一般式〔I〕で示されることを特徴と
する、テトラオキサスピロ化合物。 【化1】 〔式中、R1およびR2は同一でも異なってもよくて、
水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリー
ル基を表すか、あるいはR1およびR2はそれぞれのω
‐端で相互に結合して共同してアルキレン基を表す〕 およびこの化合物を含んでなる結晶性プロピレン重合体
組成物。 【効果】 上記の目的が達成される。
高く、かつポリプロピレンを着色させない、新規化合物
を提供すること。 【構成】 下記の一般式〔I〕で示されることを特徴と
する、テトラオキサスピロ化合物。 【化1】 〔式中、R1およびR2は同一でも異なってもよくて、
水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリー
ル基を表すか、あるいはR1およびR2はそれぞれのω
‐端で相互に結合して共同してアルキレン基を表す〕 およびこの化合物を含んでなる結晶性プロピレン重合体
組成物。 【効果】 上記の目的が達成される。
Description
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、構造的に新規なテトラ
オキサスピロ化合物に関する。詳しくは、本発明は、結
晶性プロピレン重合体において有意量のβ型結晶構造を
生成させる能力の高いテトラオキサスピロ化合物に関す
る。
オキサスピロ化合物に関する。詳しくは、本発明は、結
晶性プロピレン重合体において有意量のβ型結晶構造を
生成させる能力の高いテトラオキサスピロ化合物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】結晶性プロピレン重合体は、α型、β
型、γ型等の種々の結晶形態をとることが知られてお
り、結晶性プロピレンがどの型の結晶を有するかは、重
合条件(触媒の種類、重合時添加剤の種類その他)およ
び(または)重合処理条件(混練条件、混練時添加剤の
種類その他)、その他に依存している。通常の方法で製
造された結晶性プロピレン重合体は、α型の結晶を主と
する構造を有しており、現在市販されている結晶性プロ
ピレン重合体は、ほとんどこれに属している。
型、γ型等の種々の結晶形態をとることが知られてお
り、結晶性プロピレンがどの型の結晶を有するかは、重
合条件(触媒の種類、重合時添加剤の種類その他)およ
び(または)重合処理条件(混練条件、混練時添加剤の
種類その他)、その他に依存している。通常の方法で製
造された結晶性プロピレン重合体は、α型の結晶を主と
する構造を有しており、現在市販されている結晶性プロ
ピレン重合体は、ほとんどこれに属している。
【0003】一方、β型の結晶構造をもつ結晶性プロピ
レン重合体は、α型結晶性プロピレン重合体に比較して
融点が低いので、この特性を生かして、例えば、延伸結
晶性プロピレン重合体フィルムの表面を粗くするなどの
試みが多く行われている(特公昭49−1781号公
報、特開昭52−35272号公報、特開昭52−13
9176号公報、特開昭53−42269号公報、特開
昭55−9806号公報および特開昭60−23023
号公報など)。
レン重合体は、α型結晶性プロピレン重合体に比較して
融点が低いので、この特性を生かして、例えば、延伸結
晶性プロピレン重合体フィルムの表面を粗くするなどの
試みが多く行われている(特公昭49−1781号公
報、特開昭52−35272号公報、特開昭52−13
9176号公報、特開昭53−42269号公報、特開
昭55−9806号公報および特開昭60−23023
号公報など)。
【0004】また、β型結晶構造を多く含有する結晶性
プロピレン重合体を得る方法としては、キナクリドンお
よびその誘導体を、プロピレンの重合時に重合触媒に添
加することにより得る方法(特公昭47−30297号
公報、特開昭57−170908号公報、特開昭57−
172943号公報および特開平3−140310号公
報など)、あるいは、キナクリドンおよびその誘導体
を、結晶性プロピレン重合体の造粒時に添加することに
より得る方法(特公昭47−31930号公報および特
公昭47−48890号公報など)などが知られてい
る。
プロピレン重合体を得る方法としては、キナクリドンお
よびその誘導体を、プロピレンの重合時に重合触媒に添
加することにより得る方法(特公昭47−30297号
公報、特開昭57−170908号公報、特開昭57−
172943号公報および特開平3−140310号公
報など)、あるいは、キナクリドンおよびその誘導体
を、結晶性プロピレン重合体の造粒時に添加することに
より得る方法(特公昭47−31930号公報および特
公昭47−48890号公報など)などが知られてい
る。
【0005】α型として結晶を結晶性プロピレン重合体
の混練時に事後的にβ型に変換させる方法は、β型結晶
のものを重合によって製造する場合に比べれば有利であ
るといえよう。現在市販されている結晶性プロピレン重
合体は、ほとんどがα型結晶のものであって、β型結晶
重合体製造原料としての手当てが容易だからである。
の混練時に事後的にβ型に変換させる方法は、β型結晶
のものを重合によって製造する場合に比べれば有利であ
るといえよう。現在市販されている結晶性プロピレン重
合体は、ほとんどがα型結晶のものであって、β型結晶
重合体製造原料としての手当てが容易だからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では添加されたキナクリドン類が原因で、得られ
たβ型結晶構造を多く含有する結晶性プロピレン重合体
が赤く着色するなどの問題が生じ、実用性に乏しいた
め、この点での改良が望まれていた。 〔発明の概要〕本発明者は、着色などの問題がなく、か
つ、β型結晶ポリプロピレンを形成させる能力の高い化
合物、すなわち、一般式〔I〕にて示される構造的に新
規なテトラオキサスピロ化合物、ならびにそれを含んで
なる結晶性プロピレン重合体組成物を提供しようとする
ものである。
の方法では添加されたキナクリドン類が原因で、得られ
たβ型結晶構造を多く含有する結晶性プロピレン重合体
が赤く着色するなどの問題が生じ、実用性に乏しいた
め、この点での改良が望まれていた。 〔発明の概要〕本発明者は、着色などの問題がなく、か
つ、β型結晶ポリプロピレンを形成させる能力の高い化
合物、すなわち、一般式〔I〕にて示される構造的に新
規なテトラオキサスピロ化合物、ならびにそれを含んで
なる結晶性プロピレン重合体組成物を提供しようとする
ものである。
【0007】
<要旨>本発明によるテトラオキサスピロ化合物は、下
記一般式〔I〕で示されること、を特徴とするものであ
る。
記一般式〔I〕で示されること、を特徴とするものであ
る。
【0008】
【化2】 〔式中、R1およびR2は同一でも異なってもよくて、
水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリー
ル基を表すか、あるいはR1およびR2はそれぞれのω
‐端で相互に結合して共同してアルキレン基を表す〕 また、本発明は、このテトラオキサスピロ化合物の利用
に関する。
水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリー
ル基を表すか、あるいはR1およびR2はそれぞれのω
‐端で相互に結合して共同してアルキレン基を表す〕 また、本発明は、このテトラオキサスピロ化合物の利用
に関する。
【0009】すなわち、本発明による結晶性プロピレン
重合体組成物は、結晶性プロピレン重合体と上記のテト
ラオキサスピロ化合物とを含んでなること、を特徴とす
るものである。 <効果>本発明による化合物は、β型結晶ポリプロピレ
ンを形成させる能力が高く、かつ、得られたポリプロピ
レンを着色しない効果を有する化合物である。
重合体組成物は、結晶性プロピレン重合体と上記のテト
ラオキサスピロ化合物とを含んでなること、を特徴とす
るものである。 <効果>本発明による化合物は、β型結晶ポリプロピレ
ンを形成させる能力が高く、かつ、得られたポリプロピ
レンを着色しない効果を有する化合物である。
【0010】本発明による化合物は、これをα型の結晶
性プロピレン重合体の溶融時あるいはプロピレンの重合
時に添加すると、β型の結晶性プロピレン重合体を形成
させる能力が高く、また、生成結晶性プロピレン重合体
は着色しない。
性プロピレン重合体の溶融時あるいはプロピレンの重合
時に添加すると、β型の結晶性プロピレン重合体を形成
させる能力が高く、また、生成結晶性プロピレン重合体
は着色しない。
【0011】結晶性プロピレン重合体の結晶型を制御す
る化合物としてキナクリドン化合物が知られていること
は前記したところであるが、キナクリドンとは全く構造
の異なる本発明によるテトラオキサスピロ化合物が同様
な結晶性変換能力を有することならびに着色の問題を伴
わないことは思いがけなかったことと思料される。 〔発明の具体的説明〕 <テトラオキサスピロ化合物>本発明化合物は、一般式
〔I〕で示されるテトラオキサスピロ化合物である。
る化合物としてキナクリドン化合物が知られていること
は前記したところであるが、キナクリドンとは全く構造
の異なる本発明によるテトラオキサスピロ化合物が同様
な結晶性変換能力を有することならびに着色の問題を伴
わないことは思いがけなかったことと思料される。 〔発明の具体的説明〕 <テトラオキサスピロ化合物>本発明化合物は、一般式
〔I〕で示されるテトラオキサスピロ化合物である。
【0012】
【化3】 式〔I〕において、R1およびR2は同一でも異なって
もよくて、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基ま
たはアリール基を表すか、あるいはR1およびR2はそ
れぞれのω‐端で相互に結合して共同してアルキレン基
を表す。
もよくて、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基ま
たはアリール基を表すか、あるいはR1およびR2はそ
れぞれのω‐端で相互に結合して共同してアルキレン基
を表す。
【0013】アルキル基としては、炭素数1〜20のも
の、特に炭素数1〜18のもの、が好ましい。具体的に
はメチル、エチル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ドデ
シル、オクタデシル基等がある。
の、特に炭素数1〜18のもの、が好ましい。具体的に
はメチル、エチル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ドデ
シル、オクタデシル基等がある。
【0014】シクロアルキル基としては、炭素数5〜2
0のもの、特に炭素数5〜14のもの、が好ましい。具
体的にはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオク
チル、4‐t‐ブチルシクロヘキシル、2,4‐ジ‐t
‐ブチルシクロヘキシル、1‐アダマンチル基等があ
る。
0のもの、特に炭素数5〜14のもの、が好ましい。具
体的にはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオク
チル、4‐t‐ブチルシクロヘキシル、2,4‐ジ‐t
‐ブチルシクロヘキシル、1‐アダマンチル基等があ
る。
【0015】アリール基としては、炭素数6〜20のも
の、特に炭素数6〜14のもの、が好ましい。具体的に
はフェニル、1‐ナフチル、4‐t‐ブチルフェニル、
2,4‐ジ(t‐ブチル)フェニル基等がある。
の、特に炭素数6〜14のもの、が好ましい。具体的に
はフェニル、1‐ナフチル、4‐t‐ブチルフェニル、
2,4‐ジ(t‐ブチル)フェニル基等がある。
【0016】R1およびR2がそれぞれω‐端で相互に
結合して共同してアルキレン基を表すときは、R1およ
びR2が結合している窒素原子と共に環が形成される訳
であるが、当該含窒素環は、環の大きさが5〜8のも
の、すなわちR1およびR2由来のアルキレン基が炭素
数4〜7のもの、が好ましい。具体的には、ピロリジ
ン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン等を例示するこ
とができる。
結合して共同してアルキレン基を表すときは、R1およ
びR2が結合している窒素原子と共に環が形成される訳
であるが、当該含窒素環は、環の大きさが5〜8のも
の、すなわちR1およびR2由来のアルキレン基が炭素
数4〜7のもの、が好ましい。具体的には、ピロリジ
ン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン等を例示するこ
とができる。
【0017】本発明の一般式〔I〕で示されるテトラオ
キサスピロ化合物の特に好ましい代表例は、次の通りで
ある。なお、これらの化合物は、以下において当該番号
で呼ぶものとする。 1) 3,9‐ビス[4‐(N‐シクロヘキシルカルバ
モイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号1)
キサスピロ化合物の特に好ましい代表例は、次の通りで
ある。なお、これらの化合物は、以下において当該番号
で呼ぶものとする。 1) 3,9‐ビス[4‐(N‐シクロヘキシルカルバ
モイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号1)
【0018】
【化4】 2) 3,9‐ビス{4‐[N‐(4‐t‐ブチルシク
ロヘキシル)カルバモイル]フェニル}‐2,4,8,
10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合
物番号2)
ロヘキシル)カルバモイル]フェニル}‐2,4,8,
10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合
物番号2)
【0019】
【化5】 3) 3,9‐ビス{4‐[N‐(2,4‐ジ‐t‐ブ
チルシクロヘキシル)カルバモイル]フェニル}‐2,
4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカ
ン(化合物番号3)
チルシクロヘキシル)カルバモイル]フェニル}‐2,
4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカ
ン(化合物番号3)
【0020】
【化6】 4) 3,9‐ビス{4‐[N‐(1‐アダマンチル)
カルバモイル]フェニル}‐2,4,8,10‐テトラ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号4)
カルバモイル]フェニル}‐2,4,8,10‐テトラ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号4)
【0021】
【化7】 5) 3,9‐ビス[4‐(N‐フェニルカルバモイ
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号5)
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号5)
【0022】
【化8】 6) 3,9‐ビス{4‐[N‐(4‐t‐ブチルフェ
ニル)カルバモイル]フェニル}‐2,4,8,10‐
テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号
6)
ニル)カルバモイル]フェニル}‐2,4,8,10‐
テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号
6)
【0023】
【化9】 7) 3,9‐ビス{4‐[N‐(2,4‐ジ‐t‐ブ
チルフェニル)カルバモイル)フェニル]‐2,4,
8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
(化合物番号7)
チルフェニル)カルバモイル)フェニル]‐2,4,
8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
(化合物番号7)
【0024】
【化10】 8) 3,9‐ビス{4‐[N‐(1‐ナフチル)カル
バモイル]フェニル}‐2,4,8,10‐テトラオキ
サスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号8)
バモイル]フェニル}‐2,4,8,10‐テトラオキ
サスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号8)
【0025】
【化11】 9) 3,9‐ビス[4‐(N‐n‐ブチルカルバモイ
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号9)
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号9)
【0026】
【化12】 10) 3,9‐ビス[4‐(N‐n‐ヘキシルカルバモ
イル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号10)
イル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号10)
【0027】
【化13】 11) 3,9‐ビス[4‐(N‐n‐ドデシルカルバモ
イル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号11)
イル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号11)
【0028】
【化14】 12) 3,9‐ビス[4‐(N‐n‐オクタデシルカル
バモイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキ
サスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号12)
バモイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキ
サスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号12)
【0029】
【化15】 13) 3,9‐ビス(4‐カルバモイルフェニル)‐
2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン(化合物番号13)
2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン(化合物番号13)
【0030】
【化16】 14) 3,9‐ビス[4‐(N,N‐ジシクロヘキシル
カルバモイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号14)
カルバモイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号14)
【0031】
【化17】 15) 3,9‐ビス[4‐(N,N‐ジフェニルカルバ
モイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号15)
モイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号15)
【0032】
【化18】 16) 3,9‐ビス[4‐(N‐n‐ブチル‐N‐シク
ロヘキシルカルバモイル)フェニル]‐2,4,8,1
0‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合物
番号16)
ロヘキシルカルバモイル)フェニル]‐2,4,8,1
0‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合物
番号16)
【0033】
【化19】 17) 3,9‐ビス[4‐(N‐n‐ブチル‐N‐フェ
ニルカルバモイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号1
7)、
ニルカルバモイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号1
7)、
【0034】
【化20】 18) 3,9‐ビス[4‐(1‐ピロリジニルカルボニ
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号18)
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号18)
【0035】
【化21】 19) 3,9‐ビス[4‐(1‐ピペリジニルカルボニ
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号19)
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号19)
【0036】
【化22】 <化合物の製造>本発明によるテトラオキサスピロ化合
物は、結合の形成および置換基の導入ないし形成に関し
て合目的的な任意の方法によって製造することができ
る。
物は、結合の形成および置換基の導入ないし形成に関し
て合目的的な任意の方法によって製造することができ
る。
【0037】適当な製造法の一つは、当該化合物がビス
アミド化合物であることに着目して、対応ビスカルボン
酸と対応アミンとをアミド生成条件下の反応に付すこと
からなる。この場合の「アミド生成条件下の反応」は、
直接反応による脱水縮合アミド化(共沸脱水形のものの
採用その他を含む)の外に、少なくとも一方の反応体を
その機能的誘導体に変換しておいて縮合を脱水以外の態
様で行なう方法、がある。後者の具体例としては、例え
ば、カルボン酸化合物を一旦、酸ハロゲン化合物のよう
な反応性に富んだ化合物に変換した後に、これをアミン
化合物と反応させることにより、脱ハロゲン化水素によ
って、より温和な条件で容易にアミド結合を形成するこ
とができる。
アミド化合物であることに着目して、対応ビスカルボン
酸と対応アミンとをアミド生成条件下の反応に付すこと
からなる。この場合の「アミド生成条件下の反応」は、
直接反応による脱水縮合アミド化(共沸脱水形のものの
採用その他を含む)の外に、少なくとも一方の反応体を
その機能的誘導体に変換しておいて縮合を脱水以外の態
様で行なう方法、がある。後者の具体例としては、例え
ば、カルボン酸化合物を一旦、酸ハロゲン化合物のよう
な反応性に富んだ化合物に変換した後に、これをアミン
化合物と反応させることにより、脱ハロゲン化水素によ
って、より温和な条件で容易にアミド結合を形成するこ
とができる。
【0038】具体的には、下記に示すように、カルボン
酸化合物(イ)から誘導した酸クロライド化合物(ロ)
とアミン化合物(ハ)との縮合反応により目的のテトラ
オキサスピロ化合物〔I〕を製造することができる。
酸化合物(イ)から誘導した酸クロライド化合物(ロ)
とアミン化合物(ハ)との縮合反応により目的のテトラ
オキサスピロ化合物〔I〕を製造することができる。
【0039】
【化23】 カルボン酸化合物(イ)から酸クロライド化合物(ロ)
への変換反応は、好ましくは無機ハロゲン化合物、例え
ば塩化チオニル、塩化ホスホリル、五塩化リン、三塩化
リン等、をカルボン酸化合物(イ)に対して1〜5モル
当量用いて反応させることにより行うことができる。こ
の脱ハロゲン化水素反応において溶媒は用いても、用い
なくてもよい。用いる場合には、炭化水素系溶媒、例え
ばトルエン、ベンゼン、ヘキサン等が好ましい。反応温
度は、0℃〜溶媒還流温度が好ましい。またこの時、常
法に従って、三級アミン、例えばトリエチルアミン、ピ
リジン等、をカルボン酸化合物(イ)に対して0.01
〜1モル当量用いることにより、反応を早く進行させる
ことができ、また、好ましいことでもある。
への変換反応は、好ましくは無機ハロゲン化合物、例え
ば塩化チオニル、塩化ホスホリル、五塩化リン、三塩化
リン等、をカルボン酸化合物(イ)に対して1〜5モル
当量用いて反応させることにより行うことができる。こ
の脱ハロゲン化水素反応において溶媒は用いても、用い
なくてもよい。用いる場合には、炭化水素系溶媒、例え
ばトルエン、ベンゼン、ヘキサン等が好ましい。反応温
度は、0℃〜溶媒還流温度が好ましい。またこの時、常
法に従って、三級アミン、例えばトリエチルアミン、ピ
リジン等、をカルボン酸化合物(イ)に対して0.01
〜1モル当量用いることにより、反応を早く進行させる
ことができ、また、好ましいことでもある。
【0040】酸クロライド化合物(ロ)とアミン化合物
(ハ)との縮合反応は、酸クロライド化合物(ロ)に対
してアミン化合物(ハ)を1〜10モル当量用いて行う
のが好ましい。溶媒としては、エーテル系溶媒、例えば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等、が好ましく、反応温度は、0℃〜溶媒還流温度が好
ましい。
(ハ)との縮合反応は、酸クロライド化合物(ロ)に対
してアミン化合物(ハ)を1〜10モル当量用いて行う
のが好ましい。溶媒としては、エーテル系溶媒、例えば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等、が好ましく、反応温度は、0℃〜溶媒還流温度が好
ましい。
【0041】この脱ハロゲン化水素反応も、常法に従っ
て、副成ハロゲン化水素を固定する塩基を共存させるこ
とによって促進させることができる。その場合の塩基と
しては、反応体(ハ)を利用することもできるが、その
ための塩基、例えば三級アミン、例えばトリエチルアミ
ン、ピリジン等を使用することが好ましく、これを例え
ば酸クロライド化合物(ロ)に対して1モル当量以上用
いることにより反応を早く進行させることができる。 <化合物の有用性>本発明による化合物〔I〕が、特に
結晶性ポリプロピレン重合体において、β型結晶構造の
ポリプロピレンを生成させる能力が高い物質であり、ま
た製造されたポリプロピレンの着色もなく、実用に適し
ていることは前記したところである。
て、副成ハロゲン化水素を固定する塩基を共存させるこ
とによって促進させることができる。その場合の塩基と
しては、反応体(ハ)を利用することもできるが、その
ための塩基、例えば三級アミン、例えばトリエチルアミ
ン、ピリジン等を使用することが好ましく、これを例え
ば酸クロライド化合物(ロ)に対して1モル当量以上用
いることにより反応を早く進行させることができる。 <化合物の有用性>本発明による化合物〔I〕が、特に
結晶性ポリプロピレン重合体において、β型結晶構造の
ポリプロピレンを生成させる能力が高い物質であり、ま
た製造されたポリプロピレンの着色もなく、実用に適し
ていることは前記したところである。
【0042】ここで、「β型結晶構造のポリプロピレン
を生成させる」とは、本発明化合物、すなわち式〔I〕
の化合物、の使用により少なくとも一部のポリプロピレ
ンが結晶型について変化が生じてβ型結晶構造のポリプ
ロピレンが生成する、すなわち、β型結晶構造のポリプ
ロピレンの含有量が該化合物を使用しないものに比べて
有意に増加している、ということである。
を生成させる」とは、本発明化合物、すなわち式〔I〕
の化合物、の使用により少なくとも一部のポリプロピレ
ンが結晶型について変化が生じてβ型結晶構造のポリプ
ロピレンが生成する、すなわち、β型結晶構造のポリプ
ロピレンの含有量が該化合物を使用しないものに比べて
有意に増加している、ということである。
【0043】本発明化合物を用いて有意量のβ型結晶を
持つポリプロピレンを形成させる方法としては種々の方
法があるが、例えば、結晶ポリプロピレンの造粒などの
加熱溶融混練時またはその前のブレンド工程時に本発明
化合物を添加する方法、あるいは、プロピレンの重合時
に重合触媒に本発明化合物を共存させる方法などの方法
をとることができる。
持つポリプロピレンを形成させる方法としては種々の方
法があるが、例えば、結晶ポリプロピレンの造粒などの
加熱溶融混練時またはその前のブレンド工程時に本発明
化合物を添加する方法、あるいは、プロピレンの重合時
に重合触媒に本発明化合物を共存させる方法などの方法
をとることができる。
【0044】本発明による結晶性プロピレン重合体組成
物は、これらの方法のいずれか一方または双方によって
導入されたテトラオキサスピロ化合物を含有してなり、
結晶性プロピレン重合体が有意量のβ型結晶をもつもの
であるもの、である。
物は、これらの方法のいずれか一方または双方によって
導入されたテトラオキサスピロ化合物を含有してなり、
結晶性プロピレン重合体が有意量のβ型結晶をもつもの
であるもの、である。
【0045】なお、本発明で採用されたプロピレン重合
体のβ晶含有率(面積%)は、示差走査熱量計(DS
C:セイコー電子工業(株)製RDC 220)を使用
して、次のようにして求めたときのものである。
体のβ晶含有率(面積%)は、示差走査熱量計(DS
C:セイコー電子工業(株)製RDC 220)を使用
して、次のようにして求めたときのものである。
【0046】サンプル5mgを窒素雰囲気下で、100
℃/分で50℃から200℃まで昇温し、5分間保持し
た後、200℃から40℃まで10℃/分で降温し、1
分間保持する。このサンプルを、10℃/分の昇温速度
で200℃まで昇温する。この時の融解ピークで165
℃±3℃のピークをα晶の融解ピーク、155℃±3℃
のピークをβ晶の融解ピークとして、100℃から18
0℃の範囲でそれぞれのピーク面積比を求め、β晶含有
率(面積%)を求める。
℃/分で50℃から200℃まで昇温し、5分間保持し
た後、200℃から40℃まで10℃/分で降温し、1
分間保持する。このサンプルを、10℃/分の昇温速度
で200℃まで昇温する。この時の融解ピークで165
℃±3℃のピークをα晶の融解ピーク、155℃±3℃
のピークをβ晶の融解ピークとして、100℃から18
0℃の範囲でそれぞれのピーク面積比を求め、β晶含有
率(面積%)を求める。
【0047】有意量のβ型結晶を持つものに変換させる
べき「結晶性プロピレン重合体」としては、ホモポリプ
ロピレンの他に、プロピレンとエチレン、プロピレンと
他のα‐オレフィン、好ましくは炭素数4〜8のα‐オ
レフィン、例えば1‐ブテン、1‐ペンテン、4‐メチ
ル‐1‐ペンテン等、との共重合体がある。これらの大
部分がα型結晶性のものであることは前記したところで
あり、本発明による組成物中ではこれらは有意量のβ型
結晶を持つものに変換されている。
べき「結晶性プロピレン重合体」としては、ホモポリプ
ロピレンの他に、プロピレンとエチレン、プロピレンと
他のα‐オレフィン、好ましくは炭素数4〜8のα‐オ
レフィン、例えば1‐ブテン、1‐ペンテン、4‐メチ
ル‐1‐ペンテン等、との共重合体がある。これらの大
部分がα型結晶性のものであることは前記したところで
あり、本発明による組成物中ではこれらは有意量のβ型
結晶を持つものに変換されている。
【0048】本発明で得られたの重合体組成物中には、
本発明の効果を損なわない範囲で、他の助剤を配合する
ことができる。配合することのできる好ましい助剤の具
体例としては、酸化防止剤、光安定剤、中和剤、滑剤、
帯電防止剤、過酸化物、分散剤、アンチブロッキング
剤、顔料、無機・有機充填剤等がある。
本発明の効果を損なわない範囲で、他の助剤を配合する
ことができる。配合することのできる好ましい助剤の具
体例としては、酸化防止剤、光安定剤、中和剤、滑剤、
帯電防止剤、過酸化物、分散剤、アンチブロッキング
剤、顔料、無機・有機充填剤等がある。
【0049】
【実施例】以下の実施例は、本発明による化合物を具体
的に説明するためのものである。 参考例13,9‐ビス(4‐カルボキシフェニル)‐2,4,
8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
(化合物(イ))の製造 ディーンスターク型分留管を装着した1Lのフラスコ
に、テレフタルアルデヒド酸37.5g(250ミリモ
ル)、ペンタエリスリトール16.3g(120ミリモ
ル)、p‐トルエンスルホン酸・1水和物1.1g(6
ミリモル)およびトルエン500mLを入れ、窒素雰囲
気下、共沸脱水しながら反応を行う。
的に説明するためのものである。 参考例13,9‐ビス(4‐カルボキシフェニル)‐2,4,
8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
(化合物(イ))の製造 ディーンスターク型分留管を装着した1Lのフラスコ
に、テレフタルアルデヒド酸37.5g(250ミリモ
ル)、ペンタエリスリトール16.3g(120ミリモ
ル)、p‐トルエンスルホン酸・1水和物1.1g(6
ミリモル)およびトルエン500mLを入れ、窒素雰囲
気下、共沸脱水しながら反応を行う。
【0050】反応終了後、白色スラリー状の反応物をろ
過し、得られた白色固体を水1Lにて洗浄する。さらに
エタノール1Lにて洗浄した後、乾燥して目的物の白色
固体45.5gを得た(収率95%)。
過し、得られた白色固体を水1Lにて洗浄する。さらに
エタノール1Lにて洗浄した後、乾燥して目的物の白色
固体45.5gを得た(収率95%)。
【0051】分析値は次の通りである。 (1)融 点 337.0℃(分解点) (2) 1H−NMR (CDCl3) δ[ppm] 3.71(d,2H)、3.84(d,2H)、3.9
5(d,2H)、4.60(d,2H)、5.59
(s,2H)、7.58(d,4H)、7.97(d,
4H)、13.03(bs,2H) 参考例23,9‐ビス(4‐クロロホルミルフェニル)‐2,
4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカ
ン(化合物(ロ))の製造 500mLのフラスコに、3,9‐ビス(4‐カルボキ
シフェニル)‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン(化合物(イ))20.0g(5
0ミリモル)、予め脱水処理したピリジン0.4g(5
ミリモル)および予め脱水処理したトルエン200mL
を入れ、窒素雰囲気下、室温にて撹拌した。ここに、塩
化チオニル17.9g(150ミリモル)を10分間か
けて滴下した後、70℃にてさらに6時間撹拌した。
5(d,2H)、4.60(d,2H)、5.59
(s,2H)、7.58(d,4H)、7.97(d,
4H)、13.03(bs,2H) 参考例23,9‐ビス(4‐クロロホルミルフェニル)‐2,
4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカ
ン(化合物(ロ))の製造 500mLのフラスコに、3,9‐ビス(4‐カルボキ
シフェニル)‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン(化合物(イ))20.0g(5
0ミリモル)、予め脱水処理したピリジン0.4g(5
ミリモル)および予め脱水処理したトルエン200mL
を入れ、窒素雰囲気下、室温にて撹拌した。ここに、塩
化チオニル17.9g(150ミリモル)を10分間か
けて滴下した後、70℃にてさらに6時間撹拌した。
【0052】反応後、加温を停止して反応液が50℃に
下がったところで、反応液をろ過し、ろ液に予め脱水処
理したヘキサン150mLを加え、窒素雰囲気下で一昼
夜、冷蔵庫内に静置した。析出した白色固体をろ過によ
り回収し、ヘキサン100mLにてリンスした後、乾燥
して、目的物の白色粉末19.2gを得た(収率88
%)。 実施例13,9‐ビス[4‐(N‐シクロヘキシルカルバモイ
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号1)の製造 200mLのフラスコに、参考例2にて製造した3,9
‐ビス(4‐クロロホルミルフェニル)‐2,4,8,
10‐テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(化合
物(ロ))13.1g(30ミリモル)および予め脱水
処理した1,4‐ジオキサン100mLを入れ、窒素雰
囲気下、室温にて撹拌した。反応液を水浴にて冷却しな
がら、シクロヘキシルアミン14.9g(150ミリモ
ル)を、15分間かけて滴下した。滴下終了後、水浴を
はずし、窒素雰囲気下、室温にて4時間撹拌した。
下がったところで、反応液をろ過し、ろ液に予め脱水処
理したヘキサン150mLを加え、窒素雰囲気下で一昼
夜、冷蔵庫内に静置した。析出した白色固体をろ過によ
り回収し、ヘキサン100mLにてリンスした後、乾燥
して、目的物の白色粉末19.2gを得た(収率88
%)。 実施例13,9‐ビス[4‐(N‐シクロヘキシルカルバモイ
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号1)の製造 200mLのフラスコに、参考例2にて製造した3,9
‐ビス(4‐クロロホルミルフェニル)‐2,4,8,
10‐テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(化合
物(ロ))13.1g(30ミリモル)および予め脱水
処理した1,4‐ジオキサン100mLを入れ、窒素雰
囲気下、室温にて撹拌した。反応液を水浴にて冷却しな
がら、シクロヘキシルアミン14.9g(150ミリモ
ル)を、15分間かけて滴下した。滴下終了後、水浴を
はずし、窒素雰囲気下、室温にて4時間撹拌した。
【0053】反応終了後、反応液を水200mLに注
ぎ、スラリー状態で室温にて30分間撹拌した。このス
ラリーから、ろ過により白色固体を取り出し、得られた
白色固体をエタノール200mL中に入れ、スラリー状
態で室温にて30分間撹拌した。ろ過により白色固体を
回収し、乾燥して、目的物の白色粉末16.4gを得た
(収率97%)。
ぎ、スラリー状態で室温にて30分間撹拌した。このス
ラリーから、ろ過により白色固体を取り出し、得られた
白色固体をエタノール200mL中に入れ、スラリー状
態で室温にて30分間撹拌した。ろ過により白色固体を
回収し、乾燥して、目的物の白色粉末16.4gを得た
(収率97%)。
【0054】分析値は次の通りである。 (1)融 点 305.7℃ (2) 1H−NMR (CDCl3) δ[ppm]
(図1参照) 1.15−1.80(m,16H)、1.97−2.0
9(m,4H)、3.67(d,2H)、3.85
(d,4H)、3.86−4.05(m,2H)、4.
84(d,2H)、5.49(s,2H)、5.93
(d,2H)、7.54(d,4H)、7.76(d,
4H) (3)IR (KBr) 波数[cm-1](図2参照) 3362、3296、2928、2852、1633、
1540、1505、1452、1383、1331、
1202、1161、1117、1074、853、7
60 実施例23,9‐ビス{4‐[N‐(1‐アダマンチル)カルバ
モイル]フェニル}‐2,4,8,10‐テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号4)の製造 実施例1において、シクロヘキシルアミンを滴下する代
わりに1‐アダマンチルアミン22.7g(150ミリ
モル)を固体のまま投入して反応に用い、実施例1と同
様の操作にて、目的物の白色粉末17.8gを得た(収
率89%)。
(図1参照) 1.15−1.80(m,16H)、1.97−2.0
9(m,4H)、3.67(d,2H)、3.85
(d,4H)、3.86−4.05(m,2H)、4.
84(d,2H)、5.49(s,2H)、5.93
(d,2H)、7.54(d,4H)、7.76(d,
4H) (3)IR (KBr) 波数[cm-1](図2参照) 3362、3296、2928、2852、1633、
1540、1505、1452、1383、1331、
1202、1161、1117、1074、853、7
60 実施例23,9‐ビス{4‐[N‐(1‐アダマンチル)カルバ
モイル]フェニル}‐2,4,8,10‐テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号4)の製造 実施例1において、シクロヘキシルアミンを滴下する代
わりに1‐アダマンチルアミン22.7g(150ミリ
モル)を固体のまま投入して反応に用い、実施例1と同
様の操作にて、目的物の白色粉末17.8gを得た(収
率89%)。
【0055】分析値は次の通りである。 (1)融 点 301.3℃ (2) 1H−NMR (CDCl3) δ[ppm] 1.73(s,12H)、2.13(s,18H)、
3.66(d,2H)、3.85(d,4H)、4.8
3(d,2H)、5.48(s,2H)、5.77
(s,2H)、7.52(d,2H)、7.72(d,
4H) 実施例33,9‐ビス[4‐(N‐フェニルカルバモイル)フェ
ニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン(化合物番号5)の製造 実施例1において、シクロヘキシルアミンの代わりにア
ニリン14.0g(150ミリモル)を用い、実施例1
と同様の操作にて、目的物の白色粉末15.4gを得た
(収率93%)。
3.66(d,2H)、3.85(d,4H)、4.8
3(d,2H)、5.48(s,2H)、5.77
(s,2H)、7.52(d,2H)、7.72(d,
4H) 実施例33,9‐ビス[4‐(N‐フェニルカルバモイル)フェ
ニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン(化合物番号5)の製造 実施例1において、シクロヘキシルアミンの代わりにア
ニリン14.0g(150ミリモル)を用い、実施例1
と同様の操作にて、目的物の白色粉末15.4gを得た
(収率93%)。
【0056】分析値は次の通りである。 (1)融 点 322.6℃ (2) 1H−NMR (CDCl3) δ[ppm] 3.73(d,2H)、3.86(d,2H)、3.9
7(d,2H)、4.62(d,2H)、5.61
(s,2H)、7.11(dd,2H)、7.36(d
d,4H)、7.60(d,4H)、7.80(d,4
H)、7.99(d,4H)、10.27(s,2H) 実施例43,9‐ビス[4‐(N‐n‐ヘキシルカルバモイル)
フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン(化合物番号10)の製造 実施例1において、シクロヘキシルアミンの代わりにn
‐ヘキシルアミン15.2g(150ミリモル)を用
い、実施例1と同様の操作にて、目的物の白色粉末1
3.6gを得た(収率80%)。
7(d,2H)、4.62(d,2H)、5.61
(s,2H)、7.11(dd,2H)、7.36(d
d,4H)、7.60(d,4H)、7.80(d,4
H)、7.99(d,4H)、10.27(s,2H) 実施例43,9‐ビス[4‐(N‐n‐ヘキシルカルバモイル)
フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン(化合物番号10)の製造 実施例1において、シクロヘキシルアミンの代わりにn
‐ヘキシルアミン15.2g(150ミリモル)を用
い、実施例1と同様の操作にて、目的物の白色粉末1
3.6gを得た(収率80%)。
【0057】分析値は次の通りである。 (1)融 点 270.0℃ (2) 1H−NMR (CDCl3) δ[ppm] 0.89(t,6H)、1.24−1.44(m,12
H)、1.54−1.67(m,4H)、3.45(d
t,4H)、3.67(d,2H)、3.85(d,4
H)、4.84(d,2H)、5.49(s,2H)、
6.07(t,2H)、7.55(d,4H)、7.7
7(d,4H) 実施例53,9‐ビス[4‐(N‐n‐オクタデシルカルバモイ
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号12)の製造 実施例1において、シクロヘキシルアミンを滴下する代
わりにn‐オクタデシルアミン40.4g(150ミリ
モル)を固体のまま投入して反応に用い、実施例1と同
様の操作にて、目的物の白色粉末22.0gを得た(収
率81%)。
H)、1.54−1.67(m,4H)、3.45(d
t,4H)、3.67(d,2H)、3.85(d,4
H)、4.84(d,2H)、5.49(s,2H)、
6.07(t,2H)、7.55(d,4H)、7.7
7(d,4H) 実施例53,9‐ビス[4‐(N‐n‐オクタデシルカルバモイ
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン(化合物番号12)の製造 実施例1において、シクロヘキシルアミンを滴下する代
わりにn‐オクタデシルアミン40.4g(150ミリ
モル)を固体のまま投入して反応に用い、実施例1と同
様の操作にて、目的物の白色粉末22.0gを得た(収
率81%)。
【0058】分析値は次の通りである。 (1)融 点 238.5℃ (2) 1H−NMR (CDCl3) δ[ppm] 0.88(t,6H)、1.26(bs,64H)、
3.41−3.50(m,4H)、3.66(d,2
H)、3.85(d,4H)、4.84(d,2H)、
5.49(s,2H)、6.04−6.08(m,2
H)、7.55(d,4H)、7.77(d,4H) 実施例63,9‐ビス(4‐カルバモイルフェニル)‐2,4,
8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
(化合物番号13)の製造 100mLのフラスコに、参考例2にて製造した3,9
‐ビス(4‐クロロホルミルフェニル)‐2,4,8,
10‐テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(化合
物(ロ))13.1g(30ミリモル)および28%ア
ンモニア水50mLを入れ、氷水浴下、30分間撹拌し
た。この後、氷水浴をはずし、室温にてさらに4時間撹
拌した。
3.41−3.50(m,4H)、3.66(d,2
H)、3.85(d,4H)、4.84(d,2H)、
5.49(s,2H)、6.04−6.08(m,2
H)、7.55(d,4H)、7.77(d,4H) 実施例63,9‐ビス(4‐カルバモイルフェニル)‐2,4,
8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
(化合物番号13)の製造 100mLのフラスコに、参考例2にて製造した3,9
‐ビス(4‐クロロホルミルフェニル)‐2,4,8,
10‐テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(化合
物(ロ))13.1g(30ミリモル)および28%ア
ンモニア水50mLを入れ、氷水浴下、30分間撹拌し
た。この後、氷水浴をはずし、室温にてさらに4時間撹
拌した。
【0059】反応終了後、反応液を水200mLに注
ぎ、スラリー状態で室温にて30分間撹拌した。このス
ラリーから、ろ過により白色固体を取り出し、得られた
白色固体をエタノール200mL中に入れ、スラリー状
態で室温にて30分間撹拌した。ろ過により白色固体を
回収し、乾燥して、目的物の白色粉末10.5gを得た
(収率88%)。
ぎ、スラリー状態で室温にて30分間撹拌した。このス
ラリーから、ろ過により白色固体を取り出し、得られた
白色固体をエタノール200mL中に入れ、スラリー状
態で室温にて30分間撹拌した。ろ過により白色固体を
回収し、乾燥して、目的物の白色粉末10.5gを得た
(収率88%)。
【0060】分析値は次の通りである。 (1)融 点 327.4℃ (2) 1H−NMR (DMSO−d6) δ[pp
m] 3.69(d,2H)、3.82(d,2H)、3.9
2(d,2H)、4.58(d,2H)、5.55
(s,2H)、7.36(bs,2H)、7.50
(d,4H)、7.87(d,4H)、7.98(b
s,2H) 実施例73,9‐ビス[4‐(N,N‐ジシクロヘキシルカルバ
モイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号14)の製造 200mLのフラスコに、参考例2にて製造した3,9
‐ビス(4‐クロロホルミルフェニル)‐2,4,8,
10‐テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(化合
物(ロ))13.1g(30ミリモル)および予め脱水
処理した1,4‐ジオキサン100mLを入れ、窒素雰
囲気下、室温にて撹拌した。反応液を水浴にて冷却しな
がら、ジシクロヘキシルアミン27.2g(150モリ
モル)を、15分間かけて滴下した。滴下終了後、水浴
をはずし、窒素雰囲気下、室温にて4時間撹拌した。
m] 3.69(d,2H)、3.82(d,2H)、3.9
2(d,2H)、4.58(d,2H)、5.55
(s,2H)、7.36(bs,2H)、7.50
(d,4H)、7.87(d,4H)、7.98(b
s,2H) 実施例73,9‐ビス[4‐(N,N‐ジシクロヘキシルカルバ
モイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン(化合物番号14)の製造 200mLのフラスコに、参考例2にて製造した3,9
‐ビス(4‐クロロホルミルフェニル)‐2,4,8,
10‐テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(化合
物(ロ))13.1g(30ミリモル)および予め脱水
処理した1,4‐ジオキサン100mLを入れ、窒素雰
囲気下、室温にて撹拌した。反応液を水浴にて冷却しな
がら、ジシクロヘキシルアミン27.2g(150モリ
モル)を、15分間かけて滴下した。滴下終了後、水浴
をはずし、窒素雰囲気下、室温にて4時間撹拌した。
【0061】反応終了後、反応液を水100mLに注
ぎ、これにクロロホルム300mLをくわえて抽出し
た。得られたクロロホルム溶液を、5%水酸化ナトリウ
ム水溶液300mL、5%塩酸水溶液100mLおよび
水200mLにて洗浄した。さらに無水硫酸マグネシウ
ムにて乾燥し、ろ過後、クロロホルム溶液を濃縮して目
的物の白色固体20.7gを得た(収率95%)。
ぎ、これにクロロホルム300mLをくわえて抽出し
た。得られたクロロホルム溶液を、5%水酸化ナトリウ
ム水溶液300mL、5%塩酸水溶液100mLおよび
水200mLにて洗浄した。さらに無水硫酸マグネシウ
ムにて乾燥し、ろ過後、クロロホルム溶液を濃縮して目
的物の白色固体20.7gを得た(収率95%)。
【0062】分析値は次の通りである。 (1)融 点 153.3℃ (2) 1H−NMR (CDCl3) δ[ppm] 1.15(bs,12H)、1.40−1.88(b
m,20H)、2.61(bs,4H)、2.95−
3.47(bm,4H)、3.64−3.68(m,4
H)、3.71(d,2H)、3.88(d,4H)、
4.88(d,2H)、5.48(s,2H)、7.2
7−7.36(m,4H) 7.47−7.54(m,4H) 実施例83,9‐ビス[4‐(1‐ピペリジニルカルボニル)フ
ェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン(化合物番号19)の製造 実施例1において、シクロヘキシルアミンの代わりにピ
ペリジン12.8g(150ミリモル)を用い、実施例
1と同様の操作にて、目的物の白色粉末11.4gを得
た(収率78%)。
m,20H)、2.61(bs,4H)、2.95−
3.47(bm,4H)、3.64−3.68(m,4
H)、3.71(d,2H)、3.88(d,4H)、
4.88(d,2H)、5.48(s,2H)、7.2
7−7.36(m,4H) 7.47−7.54(m,4H) 実施例83,9‐ビス[4‐(1‐ピペリジニルカルボニル)フ
ェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン(化合物番号19)の製造 実施例1において、シクロヘキシルアミンの代わりにピ
ペリジン12.8g(150ミリモル)を用い、実施例
1と同様の操作にて、目的物の白色粉末11.4gを得
た(収率78%)。
【0063】分析値は次の通りである。 (1)融 点 202.7℃ (2) 1H−NMR (CDCl3) δ[ppm] 1.39−1.89(bm,12H)、3.30(b
s,4H)、3.62−3.80(m,6H)、3.8
5(d,4H)、4.84(d,2H)、5.48
(s,2H)、7.40(d,4H)、7.52(d,
4H) 実施例9 MFR 11g/10分の結晶性プロピレン重合体10
0重量部に、表1に示す通りの本発明のテトラオキサス
ピロ化合物を配合し、ヘンシェルミキサーにて混合後、
30mm径の押出機(230℃)で混練、造粒してペレ
ットにした。
s,4H)、3.62−3.80(m,6H)、3.8
5(d,4H)、4.84(d,2H)、5.48
(s,2H)、7.40(d,4H)、7.52(d,
4H) 実施例9 MFR 11g/10分の結晶性プロピレン重合体10
0重量部に、表1に示す通りの本発明のテトラオキサス
ピロ化合物を配合し、ヘンシェルミキサーにて混合後、
30mm径の押出機(230℃)で混練、造粒してペレ
ットにした。
【0064】このペレットを用いて、示差走査熱量計
(DSC:セイコー電子工業(株)製RDC 220)
より、以下のようにしてβ晶含有率を求めた。
(DSC:セイコー電子工業(株)製RDC 220)
より、以下のようにしてβ晶含有率を求めた。
【0065】サンプル5mgを窒素雰囲気下で、100
℃/分で50℃から200℃まで昇温し、5分間保持し
た後、200℃から40℃まで10℃/分で降温し、1
分間保持した。このサンプルを、10℃/分の昇温速度
で200℃まで昇温した。この時の融解ピークで165
℃±3℃のピークをα晶の融解ピーク、155℃±3℃
のピークをβ晶の融解ピークとして、100℃から18
0℃の範囲でそれぞれのピーク面積比を求め、β晶含有
率(面積%)を求めた。
℃/分で50℃から200℃まで昇温し、5分間保持し
た後、200℃から40℃まで10℃/分で降温し、1
分間保持した。このサンプルを、10℃/分の昇温速度
で200℃まで昇温した。この時の融解ピークで165
℃±3℃のピークをα晶の融解ピーク、155℃±3℃
のピークをβ晶の融解ピークとして、100℃から18
0℃の範囲でそれぞれのピーク面積比を求め、β晶含有
率(面積%)を求めた。
【0066】また、上記ペレットを用いて射出成形機に
て240℃で長さ120mm、幅80mm、厚さ2mm
のシートを成形し、着色の有無を確認した。
て240℃で長さ120mm、幅80mm、厚さ2mm
のシートを成形し、着色の有無を確認した。
【0067】これらの評価結果は表1の通りである。
【0068】なお、上記造粒に際し、各例の組成物にお
いて、結晶性プロピレン重合体100重量部に対して、
安定剤としてテトラキス[メチレン‐3‐(3′,5′
‐ジ‐t‐ブチル‐4′‐ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン(商品名「IR 1010」)を0.
05重量部及びトリス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニ
ル)フォスファイト(商品名「IR 168」)を0.
1重量部配合して造粒した。 比較例1 実施例9において、テトラオキサスピロ化合物を添加せ
ずに、同様の方法にて行った評価結果は表1に示す通り
であった。 比較例2 実施例9において、テトラオキサスピロ化合物の代わり
に、フタルイミドを0.2部配合して、同様の方法にて
行った評価結果は表1に示す通りであった。 比較例3 実施例9において、テトラオキサスピロ化合物の代わり
に、γ‐キナクリドンを0.2部配合して、同様の方法
にて行った評価結果は表1に示す通りであった。
いて、結晶性プロピレン重合体100重量部に対して、
安定剤としてテトラキス[メチレン‐3‐(3′,5′
‐ジ‐t‐ブチル‐4′‐ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン(商品名「IR 1010」)を0.
05重量部及びトリス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニ
ル)フォスファイト(商品名「IR 168」)を0.
1重量部配合して造粒した。 比較例1 実施例9において、テトラオキサスピロ化合物を添加せ
ずに、同様の方法にて行った評価結果は表1に示す通り
であった。 比較例2 実施例9において、テトラオキサスピロ化合物の代わり
に、フタルイミドを0.2部配合して、同様の方法にて
行った評価結果は表1に示す通りであった。 比較例3 実施例9において、テトラオキサスピロ化合物の代わり
に、γ‐キナクリドンを0.2部配合して、同様の方法
にて行った評価結果は表1に示す通りであった。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明化合物は、結晶性プロピレン重合
体においてβ型結晶構造を多く含有するポリプロピレン
を形成する能力が高く、かつ、構造的に新規な化合物で
あることは、前記したところである。
体においてβ型結晶構造を多く含有するポリプロピレン
を形成する能力が高く、かつ、構造的に新規な化合物で
あることは、前記したところである。
【図1】実施例1にて製造した3,9‐ビス[4‐(N
‐シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]‐2,4,
8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
(化合物番号1)の 1H−NMRスペクトルである。な
お、δ=0.00(s)のピークは内部標準として用い
たテトラメチルシランのピーク、また、δ=1.57
(s)、3.70(s)、7.26(s)のピークは溶
媒に起因するピークである。
‐シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]‐2,4,
8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
(化合物番号1)の 1H−NMRスペクトルである。な
お、δ=0.00(s)のピークは内部標準として用い
たテトラメチルシランのピーク、また、δ=1.57
(s)、3.70(s)、7.26(s)のピークは溶
媒に起因するピークである。
【図2】同化合物のIR吸収スペクトルである。
フロントページの続き (72)発明者 小瀬垣 公 穂 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】下記の一般式〔I〕で示されることを特徴
とする、テトラオキサスピロ化合物。 【化1】 〔式中、R1およびR2は同一でも異なってもよくて、
水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリー
ル基を表すか、あるいはR1およびR2はそれぞれのω
‐端で相互に結合して共同してアルキレン基を表す〕 - 【請求項2】式〔I〕中のR1およびR2が下記のもの
である、請求項1に記載のテトラオキサスピロ化合物。
〔R1およびR2は同一であっても異なってもよくて、
水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜2
0のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基を
表すか、あるいはR1およびR2はそれぞれω‐端で相
互に結合して共同して炭素数4〜7のアルキレン基を表
す〕 - 【請求項3】下記の群から選ばれる、請求項1または2
に記載のテトラオキサスピロ化合物。(1)3,9‐ビ
ス[4‐(N‐シクロヘキシルカルバモイル)フェニ
ル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン、(2)3,9‐ビス{4‐[N‐(4
‐t‐ブチルシクロヘキシル)カルバモイル]フェニ
ル}‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン、(3)3,9‐ビス{4‐[N‐
(2,4‐ジ‐t‐ブチルシクロヘキシル)カルバモイ
ル]フェニル}‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン、(4)3,9‐ビス{4‐
[N‐(1‐アダマンチル)カルバモイル]フェニル}
‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウ
ンデカン、(5)3,9‐ビス[4‐(N‐フェニルカ
ルバモイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオ
キサスピロ[5.5]ウンデカン、(6)3,9‐ビス
{4‐[N‐(4‐t‐ブチルフェニル)カルバモイ
ル]フェニル}‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン、(7)3,9‐ビス{4‐
[N‐(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)カルバモイ
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン、(8)3,9‐ビス{4‐
[N‐(1‐ナフチル)カルバモイル]フェニル}‐
2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン、(9)3,9‐ビス[4‐(N‐n‐ブチルカ
ルバモイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオ
キサスピロ[5.5]ウンデカン、(10)3,9‐ビス
[4‐(N‐n‐ヘキシルカルバモイル)フェニル]‐
2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン、(11)3,9‐ビス[4‐(N‐n‐ドデシル
カルバモイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン、(12)3,9‐ビ
ス[4‐(N‐n‐オクタデシルカルバモイル)フェニ
ル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン、(13)3,9‐ビス(4‐カルバモイ
ルフェニル)‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、(14)3,9‐ビス[4‐
(N,N‐ジシクロヘキシルカルバモイル)フェニル]
‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウ
ンデカン、(15)3,9‐ビス[4‐(N,N‐ジフェ
ニルカルバモイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、(16)3,9
‐ビス[4‐(N‐n‐ブチル‐N‐シクロヘキシルカ
ルバモイル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオ
キサスピロ[5.5]ウンデカン、(17)3,9‐ビス
[4‐(N‐n‐ブチル‐N‐フェニルカルバモイル)
フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、(18)3,9‐ビス[4‐(1
‐ピロリジニルカルボニル)フェニル]‐2,4,8,
10‐テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、(1
9)3,9‐ビス[4‐(1‐ピペリジニルカルボニ
ル)フェニル]‐2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン。 - 【請求項4】結晶性プロピレン重合体と請求項1、2ま
たは3に記載のテトラオキサスピロ化合物とを含んでな
ることを特徴とする、結晶性プロピレン重合体組成物。 - 【請求項5】テトラオキサスピロ化合物が、当該結晶性
プロピレン重合体の製造時の重合時に添加したものに由
来する、請求項4に記載の結晶性プロピレン重合体組成
物。 - 【請求項6】テトラオキサスピロ化合物が、当該結晶性
プロピレン重合体の溶融混練またはその前のブレンド工
程時に添加したものに由来する、請求項4に記載の結晶
性プロピレン重合体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5348735A JPH07188246A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | テトラオキサスピロ化合物およびその利用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5348735A JPH07188246A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | テトラオキサスピロ化合物およびその利用 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07188246A true JPH07188246A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18399018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5348735A Pending JPH07188246A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | テトラオキサスピロ化合物およびその利用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07188246A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6624309B1 (en) * | 1997-02-21 | 2003-09-23 | Bristol-Myers Squibb Company | Benzoic acid derivatives and related compounds as antiarrhythmic agents |
WO2010131705A1 (ja) | 2009-05-13 | 2010-11-18 | 新日本理化株式会社 | アミド化合物の結晶成長速度を抑制する方法及びポリオレフィン系樹脂成形体の製造方法 |
WO2011086583A3 (en) * | 2010-01-15 | 2011-09-09 | Reliance Industries Limited | Nucleating agents for polyolefins based on acetal compounds |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP5348735A patent/JPH07188246A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6624309B1 (en) * | 1997-02-21 | 2003-09-23 | Bristol-Myers Squibb Company | Benzoic acid derivatives and related compounds as antiarrhythmic agents |
WO2010131705A1 (ja) | 2009-05-13 | 2010-11-18 | 新日本理化株式会社 | アミド化合物の結晶成長速度を抑制する方法及びポリオレフィン系樹脂成形体の製造方法 |
KR20120023778A (ko) | 2009-05-13 | 2012-03-13 | 신닛폰 리카 가부시키가이샤 | 아미드 화합물의 결정 성장 속도를 억제하는 방법 및 폴리올레핀계 수지 성형체의 제조 방법 |
US9023921B2 (en) | 2009-05-13 | 2015-05-05 | New Japan Chemical Co., Ltd. | Method for inhibiting crystal growth rate of amide compound and method for producing molded article of polyolefin-based resin |
WO2011086583A3 (en) * | 2010-01-15 | 2011-09-09 | Reliance Industries Limited | Nucleating agents for polyolefins based on acetal compounds |
CN102712787A (zh) * | 2010-01-15 | 2012-10-03 | 瑞来斯实业公司 | 基于缩醛化合物的用于聚烯烃的新型成核剂 |
US8962721B2 (en) | 2010-01-15 | 2015-02-24 | Reliance Industries Limited | Nucleating agents for polyolefins based on acetal compounds |
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