JPH07187898A - 酸化物単結晶の製造方法 - Google Patents
酸化物単結晶の製造方法Info
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- JPH07187898A JPH07187898A JP33056693A JP33056693A JPH07187898A JP H07187898 A JPH07187898 A JP H07187898A JP 33056693 A JP33056693 A JP 33056693A JP 33056693 A JP33056693 A JP 33056693A JP H07187898 A JPH07187898 A JP H07187898A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 引上げ法で育成したタンタル酸リチウムまた
はニオブ酸リチウムなどの酸化物単結晶を保持体上に、
この酸化物単結晶粉末を介して保持し、これを高温に熱
処理してアニーリングする方法における、加熱炉、保持
体の侵蝕を防止し、良質な単結晶を製造する、酸化物単
結晶の製造方法の提供を目的とするものである。 【構成】 本発明による酸化物単結晶の製造方法は、引
上げ法により育成したタンタル酸リチウムまたはニオブ
酸リチウムからなる酸化物単結晶を保持体上に、この酸
化物単結晶の粉末を介して保持し、これを高温で熱処理
する酸化物単結晶の製造方法において、この酸化物単結
晶の粉末をその組成物(Ta/LiまたはNb/Li=
X)が 1.2≦X≦1.5 のものとしてなることを特徴とす
るものである。
はニオブ酸リチウムなどの酸化物単結晶を保持体上に、
この酸化物単結晶粉末を介して保持し、これを高温に熱
処理してアニーリングする方法における、加熱炉、保持
体の侵蝕を防止し、良質な単結晶を製造する、酸化物単
結晶の製造方法の提供を目的とするものである。 【構成】 本発明による酸化物単結晶の製造方法は、引
上げ法により育成したタンタル酸リチウムまたはニオブ
酸リチウムからなる酸化物単結晶を保持体上に、この酸
化物単結晶の粉末を介して保持し、これを高温で熱処理
する酸化物単結晶の製造方法において、この酸化物単結
晶の粉末をその組成物(Ta/LiまたはNb/Li=
X)が 1.2≦X≦1.5 のものとしてなることを特徴とす
るものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタンタル酸リチウムまた
はニオブ酸リチウムからなる酸化物単結晶の製造方法、
特にはこの酸化物単結晶の育成中に生じた熱歪みを除去
する高温熱処理時における炉体、保持体の劣化を防止
し、品質のよい酸化物単結晶を製造する方法に関するも
のである。
はニオブ酸リチウムからなる酸化物単結晶の製造方法、
特にはこの酸化物単結晶の育成中に生じた熱歪みを除去
する高温熱処理時における炉体、保持体の劣化を防止
し、品質のよい酸化物単結晶を製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチ
ウムなどのような酸化物単結晶の製造は、従来からこれ
らの原料物質の融液に回転している種結晶を接触させ、
この種結晶を融液より引上げて育成する引上げ法(チョ
コラルスキー法)を用いて育成されているが、この方法
では結晶自体の熱伝導を利用して結晶化に伴なう熱など
が結晶界面から結晶上面へ、さらに雰囲気へと伝導する
ことで、成長界面が固化することにより結晶が育成され
る。このため、さきに育成された結晶部分と育成界面の
間には温度勾配があることより、この結晶内部に熱歪み
が発生し、この熱歪みによってその後の切断、加工工程
においてクラックが発生するという不利があるというこ
とから、この引上げ法で育成された単結晶についてはこ
れを高温でアニーリングして結晶内部の熱歪みを開放す
るという方法が取られている。
ウムなどのような酸化物単結晶の製造は、従来からこれ
らの原料物質の融液に回転している種結晶を接触させ、
この種結晶を融液より引上げて育成する引上げ法(チョ
コラルスキー法)を用いて育成されているが、この方法
では結晶自体の熱伝導を利用して結晶化に伴なう熱など
が結晶界面から結晶上面へ、さらに雰囲気へと伝導する
ことで、成長界面が固化することにより結晶が育成され
る。このため、さきに育成された結晶部分と育成界面の
間には温度勾配があることより、この結晶内部に熱歪み
が発生し、この熱歪みによってその後の切断、加工工程
においてクラックが発生するという不利があるというこ
とから、この引上げ法で育成された単結晶についてはこ
れを高温でアニーリングして結晶内部の熱歪みを開放す
るという方法が取られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このアニーリ
ングにおいてもこの酸化物単結晶をルツボなどの保持体
中で熱処理するとこの単結晶と保持体との接触でこの部
分にクラックが発生することから、この単結晶と保持体
との間にこの酸化物単結晶の粉末を介在させて高温処理
をするという方法が提案されている(特公昭56-36160
号、特開昭 59-227799号各公報参照)。すなわち、これ
によれば酸化物単結晶と保持体とが直接接触しなくなる
ので、クラック発生という不利は避けることができるけ
れども、この場合には酸化物単結晶としてのタンタル酸
リチウムまたはニオブ酸リチウムおよびこの粉末から高
温において酸化リチウム(Li2O)を主とするリチウム
(Li)分が揮散し、この高温処理用の高温炉およびア
ルミナなどのセラミックからなる保持体がアルカリ雰囲
気では激しく劣化し、これらの寿命が著しく短くなる
し、得られる単結晶も組成が不均一で品質のわるいもの
になるという不利の発生することが判った。
ングにおいてもこの酸化物単結晶をルツボなどの保持体
中で熱処理するとこの単結晶と保持体との接触でこの部
分にクラックが発生することから、この単結晶と保持体
との間にこの酸化物単結晶の粉末を介在させて高温処理
をするという方法が提案されている(特公昭56-36160
号、特開昭 59-227799号各公報参照)。すなわち、これ
によれば酸化物単結晶と保持体とが直接接触しなくなる
ので、クラック発生という不利は避けることができるけ
れども、この場合には酸化物単結晶としてのタンタル酸
リチウムまたはニオブ酸リチウムおよびこの粉末から高
温において酸化リチウム(Li2O)を主とするリチウム
(Li)分が揮散し、この高温処理用の高温炉およびア
ルミナなどのセラミックからなる保持体がアルカリ雰囲
気では激しく劣化し、これらの寿命が著しく短くなる
し、得られる単結晶も組成が不均一で品質のわるいもの
になるという不利の発生することが判った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決した酸化物単結晶の製造方法に関するものであ
り、これは引上げ法により育成したタンタル酸リチウム
単結晶またはニオブ酸リチウムからなる酸化物単結晶を
保持体上に、この酸化物単結晶の粉末を介して保持し、
これを高温で熱処理する酸化物単結晶の製造方法におい
て、この酸化物単結晶の粉末をその組成(Ta/Liま
たはTa/Nb=X)が 1.2≦X≦1.5 のものとしてな
ることを特徴とするものである。
を解決した酸化物単結晶の製造方法に関するものであ
り、これは引上げ法により育成したタンタル酸リチウム
単結晶またはニオブ酸リチウムからなる酸化物単結晶を
保持体上に、この酸化物単結晶の粉末を介して保持し、
これを高温で熱処理する酸化物単結晶の製造方法におい
て、この酸化物単結晶の粉末をその組成(Ta/Liま
たはTa/Nb=X)が 1.2≦X≦1.5 のものとしてな
ることを特徴とするものである。
【0005】すなわち、本発明者らはタンタル酸リチウ
ム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶からなる酸化物
単結晶の高温処理による不利を解決すべく種々検討した
結果、この高温処理時にこの酸化物単結晶と保持体との
直接接触を避けるために使用される酸化物単結晶粉末の
組成をそのTa/LiまたはTa/Nbの値(X)が1.
2≦X≦1.5 のものとしたところ、余剰の Ta2O5にLi
分がトラップされ、これからのLi分の揮散が減少する
ので、アルミナからなる保持体および炉体の劣化が見ら
れなくなるということを見出し、さらにこのLi分の揮
散防止法、揮散Li分の除去方法などについての研究を
進めて本発明を完成させた。以下にこれをさらに詳述す
る。
ム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶からなる酸化物
単結晶の高温処理による不利を解決すべく種々検討した
結果、この高温処理時にこの酸化物単結晶と保持体との
直接接触を避けるために使用される酸化物単結晶粉末の
組成をそのTa/LiまたはTa/Nbの値(X)が1.
2≦X≦1.5 のものとしたところ、余剰の Ta2O5にLi
分がトラップされ、これからのLi分の揮散が減少する
ので、アルミナからなる保持体および炉体の劣化が見ら
れなくなるということを見出し、さらにこのLi分の揮
散防止法、揮散Li分の除去方法などについての研究を
進めて本発明を完成させた。以下にこれをさらに詳述す
る。
【0006】
【作用】本発明はタンタル酸リチウム単結晶またはニオ
ブ酸リチウムからなる酸化物単結晶の製造方法に関する
ものであり、これは引上げ法で育成したこの種の酸化物
単結晶を保持体上に、この酸化物単結晶の粉末を介して
保持し、これを高温で熱処理する酸化物単結晶の製造方
法において、この酸化物単結晶の粉末をその組成(Ta
/LiまたはTa/Nb=X)が 1.2≦X≦1.5 のもの
としてなることを特徴とするものであるが、これによれ
ば高温での熱処理でもこの粉末からのリチウム(Li)
分の揮発が抑制されるので、この揮発したLi分による
高熱炉および保持体の劣化することが防止され、この寿
命が長くなり、得られる酸化物単結晶も品質のよいもの
になるという有利性が与えられる。
ブ酸リチウムからなる酸化物単結晶の製造方法に関する
ものであり、これは引上げ法で育成したこの種の酸化物
単結晶を保持体上に、この酸化物単結晶の粉末を介して
保持し、これを高温で熱処理する酸化物単結晶の製造方
法において、この酸化物単結晶の粉末をその組成(Ta
/LiまたはTa/Nb=X)が 1.2≦X≦1.5 のもの
としてなることを特徴とするものであるが、これによれ
ば高温での熱処理でもこの粉末からのリチウム(Li)
分の揮発が抑制されるので、この揮発したLi分による
高熱炉および保持体の劣化することが防止され、この寿
命が長くなり、得られる酸化物単結晶も品質のよいもの
になるという有利性が与えられる。
【0007】本発明で使用されるタンタル酸リチウム単
結晶またはニオブ酸リチウム単結晶からなる酸化物単結
晶はこれらの単結晶を育成する素材としての酸化タンタ
ルまたは酸化ニオブと炭酸リチウムとを融解した融液
に、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムからな
る種結晶を接触させ、この種結晶をこの融液から引上げ
て単結晶を育成するという、いわゆるチョコラルスキー
法で育成されるが、このタンタル酸リチウム単結晶は式
LiTaO3で示され、ニオブ酸リチウム単結晶は式LiNbO3で
示されるものであることから、これらはその組成Ta/
LiまたはNb/Li=Xが、X=1のものである。
結晶またはニオブ酸リチウム単結晶からなる酸化物単結
晶はこれらの単結晶を育成する素材としての酸化タンタ
ルまたは酸化ニオブと炭酸リチウムとを融解した融液
に、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムからな
る種結晶を接触させ、この種結晶をこの融液から引上げ
て単結晶を育成するという、いわゆるチョコラルスキー
法で育成されるが、このタンタル酸リチウム単結晶は式
LiTaO3で示され、ニオブ酸リチウム単結晶は式LiNbO3で
示されるものであることから、これらはその組成Ta/
LiまたはNb/Li=Xが、X=1のものである。
【0008】したがってこのLiTaO3またはLiNbO3ではこ
れが高温に加熱されるとこの中からLi分だけが揮発
し、これが加熱炉および保持体を侵蝕するのであるが、
本発明で使用される酸化物単結晶の粉末はこの組成Ta
/LiまたはNb/Li=Xが、X=1.2 未満ではまだ
Li分をトラップする余剰の Ta2O5量が少ないため、高
温加熱時におけるLi分の揮発が多くなり、X=1.5 よ
り大きくすると得られる酸化物単結晶が表面からのLi
分の解離が多くなり、不均一なものとなるので、これは
Xが 1.2≦X≦1.5 のものとすることが必要とされる
が、これらは通常のX=1であるLiTaO3またはLiNbO3に
比べてLiの含有量が少なく、余剰の Ta2O5にLi分が
トラップされ、このものは高温に加熱したときに揮発す
るLi分の量が抑制され、したがってこの揮発による侵
蝕が防止されるし、得られる単結晶は良質なものになる
という有利性が与えられる。
れが高温に加熱されるとこの中からLi分だけが揮発
し、これが加熱炉および保持体を侵蝕するのであるが、
本発明で使用される酸化物単結晶の粉末はこの組成Ta
/LiまたはNb/Li=Xが、X=1.2 未満ではまだ
Li分をトラップする余剰の Ta2O5量が少ないため、高
温加熱時におけるLi分の揮発が多くなり、X=1.5 よ
り大きくすると得られる酸化物単結晶が表面からのLi
分の解離が多くなり、不均一なものとなるので、これは
Xが 1.2≦X≦1.5 のものとすることが必要とされる
が、これらは通常のX=1であるLiTaO3またはLiNbO3に
比べてLiの含有量が少なく、余剰の Ta2O5にLi分が
トラップされ、このものは高温に加熱したときに揮発す
るLi分の量が抑制され、したがってこの揮発による侵
蝕が防止されるし、得られる単結晶は良質なものになる
という有利性が与えられる。
【0009】なお、この組成比Ta/LiまたはNb/
Li=Xが、X=1.2 〜1.5 であるタンタル酸リチウ
ム、ニオブ酸リチウムの粉末はタンタル酸化物またはニ
オブ酸化物と炭酸リチウムとをタンタルまたはニオブと
リチウムとの比が 1.2〜1.5 となるように調整したもの
を約 1,000℃で焼成すればよく、これによればX=1.2
〜1.5 である酸化物単結晶を容易に得ることができるの
で、これを粉砕すればよい。
Li=Xが、X=1.2 〜1.5 であるタンタル酸リチウ
ム、ニオブ酸リチウムの粉末はタンタル酸化物またはニ
オブ酸化物と炭酸リチウムとをタンタルまたはニオブと
リチウムとの比が 1.2〜1.5 となるように調整したもの
を約 1,000℃で焼成すればよく、これによればX=1.2
〜1.5 である酸化物単結晶を容易に得ることができるの
で、これを粉砕すればよい。
【0010】本発明によるタンタル酸リチウム単結晶ま
たはニオブ酸リチウム単結晶からなる酸化物単結晶の熱
処理による製造方法は図1に示した装置で行なわれる。
図1は本発明による酸化物単結晶熱処理装置の一例の縦
断面図を示したものであるが、これは引上げ法により育
成されたタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチ
ウム単結晶のような酸化物単結晶1をこれらの酸化物単
結晶の粉末2の上に載置したものを白金箔3を介してア
ルミナ製の保持体4に収納したものであり、この保持体
4は図示されていないこの保持体の外側に配置されてい
る加熱器で所定の温度、例えばLiTaO3単結晶では 1,300
〜 1,400℃に加熱されるようにされている。
たはニオブ酸リチウム単結晶からなる酸化物単結晶の熱
処理による製造方法は図1に示した装置で行なわれる。
図1は本発明による酸化物単結晶熱処理装置の一例の縦
断面図を示したものであるが、これは引上げ法により育
成されたタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチ
ウム単結晶のような酸化物単結晶1をこれらの酸化物単
結晶の粉末2の上に載置したものを白金箔3を介してア
ルミナ製の保持体4に収納したものであり、この保持体
4は図示されていないこの保持体の外側に配置されてい
る加熱器で所定の温度、例えばLiTaO3単結晶では 1,300
〜 1,400℃に加熱されるようにされている。
【0011】しかして、この場合この加熱器でこれを加
熱すると、この酸化物単結晶はこの加熱によりアニーリ
ングされて結晶育成時にこの単結晶に与えられた成長歪
み、熱歪みが解消されるし、この単結晶は単結晶粉末の
存在によって保持体と直接接触することがなく、したが
ってここにクラックが発生するということも回避される
けれども、ここに使用される単結晶粉末をその組成がT
a/LiまたはNb/Liの比が 1.0であるものとする
と、この加熱中にこの酸化物単結晶およびその粉末から
揮発するLi分によってこの高熱炉およびアルミナ製の
保持体が侵蝕されるという不利が発生する。
熱すると、この酸化物単結晶はこの加熱によりアニーリ
ングされて結晶育成時にこの単結晶に与えられた成長歪
み、熱歪みが解消されるし、この単結晶は単結晶粉末の
存在によって保持体と直接接触することがなく、したが
ってここにクラックが発生するということも回避される
けれども、ここに使用される単結晶粉末をその組成がT
a/LiまたはNb/Liの比が 1.0であるものとする
と、この加熱中にこの酸化物単結晶およびその粉末から
揮発するLi分によってこの高熱炉およびアルミナ製の
保持体が侵蝕されるという不利が発生する。
【0012】しかるに、本発明にしたがって、この酸化
物単結晶の粉末をその組成(Ta/LiまたはNb/L
i=X)がX=1.2 〜1.5 であるものとすると、このも
のはLiの含有量が従来公知の酸化物単結晶に比べて少
ないので、この揮発が抑制され、したがってこの高熱炉
および保持体の揮発Li分による侵蝕が軽減され、これ
が長寿命なものになるという有利性が与えられるが、こ
の場合でもこの保持体についてはこれを蓋付の箱体とす
ればこれを開放したものに比べてLi分の揮発を防止す
ることができるし、ここに揮発したLi分についてはこ
れを系内にトラップを設けてこれを回収するようにすれ
ばよりよい結果を得ることができる。
物単結晶の粉末をその組成(Ta/LiまたはNb/L
i=X)がX=1.2 〜1.5 であるものとすると、このも
のはLiの含有量が従来公知の酸化物単結晶に比べて少
ないので、この揮発が抑制され、したがってこの高熱炉
および保持体の揮発Li分による侵蝕が軽減され、これ
が長寿命なものになるという有利性が与えられるが、こ
の場合でもこの保持体についてはこれを蓋付の箱体とす
ればこれを開放したものに比べてLi分の揮発を防止す
ることができるし、ここに揮発したLi分についてはこ
れを系内にトラップを設けてこれを回収するようにすれ
ばよりよい結果を得ることができる。
【0013】
【実施例】つぎに本発明の実施例および比較例をあげ
る。 実施例、比較例 大きさが 250mm×400mm 、深さ 100mmのアルミナ製の蓋
付き箱型の保持体の床に厚さ 0.5mmの白金箔を配置し、
その上にタンタル酸リチウム単結晶の粉末を厚さ20mmに
敷き、ここにチョコラルスキー法で育成した直径80mm、
長さ 120mmのタンタル酸リチウム単結晶棒を配置し、こ
れを 1,400℃の高温で16時間熱処理したが、このときの
タンタル酸リチウム単結晶の粉末をその組成(Ta/L
i=X)が表1に示したようにX=1.0 、1.2 、1.5 、
1.7 である4種のものとしたところ、この炉体および保
持体の劣化、結晶の品質について表1に示したとおりの
結果が得られた。
る。 実施例、比較例 大きさが 250mm×400mm 、深さ 100mmのアルミナ製の蓋
付き箱型の保持体の床に厚さ 0.5mmの白金箔を配置し、
その上にタンタル酸リチウム単結晶の粉末を厚さ20mmに
敷き、ここにチョコラルスキー法で育成した直径80mm、
長さ 120mmのタンタル酸リチウム単結晶棒を配置し、こ
れを 1,400℃の高温で16時間熱処理したが、このときの
タンタル酸リチウム単結晶の粉末をその組成(Ta/L
i=X)が表1に示したようにX=1.0 、1.2 、1.5 、
1.7 である4種のものとしたところ、この炉体および保
持体の劣化、結晶の品質について表1に示したとおりの
結果が得られた。
【0014】すなわち、本発明に従ってこのタンタル酸
リチウム単結晶粉末をその組成(Ta/Li=1.2 〜1.
5 であるものとしたときには高温炉体および保持体に劣
化は見られず、得られた結晶も良質なものであったが、
比較のためにこれをその組成がTa/Li=1.0 とした
ものには得られた結晶は良質のものであったが、炉体お
よび保持体に劣化が見られ、この組成がTa/Li=1.
7 のものでは炉体および保持体に劣化はみられなかった
が得られる結晶表面からLi分が脱離したため、この結
晶から作成した3インチのウェーハの組成に不均一性が
生じ、このウェーハの格子定数を格子定数精密測定装置
で測ったところ、中央部と周辺部の4点とで格子定数の
差が大きくなるという不利が認められた。
リチウム単結晶粉末をその組成(Ta/Li=1.2 〜1.
5 であるものとしたときには高温炉体および保持体に劣
化は見られず、得られた結晶も良質なものであったが、
比較のためにこれをその組成がTa/Li=1.0 とした
ものには得られた結晶は良質のものであったが、炉体お
よび保持体に劣化が見られ、この組成がTa/Li=1.
7 のものでは炉体および保持体に劣化はみられなかった
が得られる結晶表面からLi分が脱離したため、この結
晶から作成した3インチのウェーハの組成に不均一性が
生じ、このウェーハの格子定数を格子定数精密測定装置
で測ったところ、中央部と周辺部の4点とで格子定数の
差が大きくなるという不利が認められた。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明は酸化物単結晶の製造方法に関す
るものであり、これは前記したように引上げ法により育
成したタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウ
ム単結晶からなる酸化物単結晶を保持体上に、この酸化
物単結晶の粉末を介して保持し、これを高温で熱処理す
る酸化物単結晶の製造方法において、この酸化物単結晶
の粉末をその組成(Ta/LiまたはNb/Li=X)
が 1.2≦X≦1.5 のものとしてなることを特徴とするも
のであるが、これによればこの酸化物単結晶粉末からの
Li分の揮発が抑制されるので炉体および保持体のLi
分による侵蝕が防止され、得られる酸化物単結晶が良質
なものになるという有利性が与えられる。
るものであり、これは前記したように引上げ法により育
成したタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウ
ム単結晶からなる酸化物単結晶を保持体上に、この酸化
物単結晶の粉末を介して保持し、これを高温で熱処理す
る酸化物単結晶の製造方法において、この酸化物単結晶
の粉末をその組成(Ta/LiまたはNb/Li=X)
が 1.2≦X≦1.5 のものとしてなることを特徴とするも
のであるが、これによればこの酸化物単結晶粉末からの
Li分の揮発が抑制されるので炉体および保持体のLi
分による侵蝕が防止され、得られる酸化物単結晶が良質
なものになるという有利性が与えられる。
【図1】本発明による酸化物単結晶熱処理装置の一例の
縦断面図を示したものである。
縦断面図を示したものである。
1 酸化物単結晶 2 酸化物単結晶粉末 3 白金箔 4 アルミナ製保持体
Claims (1)
- 【請求項1】 引上げ法により育成したタンタル酸リチ
ウムまたはニオブ酸リチウム単結晶からなる酸化物単結
晶を保持体上に、この酸化物単結晶の粉末を介して保持
し、これを高温で熱処理する酸化物単結晶の製造方法に
おいて、この酸化物単結晶の粉末をその組成(Ta/L
iまたはNb/Li=X)が 1.2≦X≦1.5 のものとし
てなることを特徴とするタンタル酸リチウムまたはニオ
ブ酸リチウムからなる酸化物単結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05330566A JP3132956B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 酸化物単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05330566A JP3132956B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 酸化物単結晶の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07187898A true JPH07187898A (ja) | 1995-07-25 |
JP3132956B2 JP3132956B2 (ja) | 2001-02-05 |
Family
ID=18234084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05330566A Expired - Fee Related JP3132956B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 酸化物単結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3132956B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005103343A1 (ja) * | 2004-04-27 | 2005-11-03 | Yamaju Ceramics Co., Ltd | 圧電性酸化物単結晶の帯電抑制処理方法、および帯電抑制処理装置 |
JP2019202915A (ja) * | 2018-05-24 | 2019-11-28 | 住友金属鉱山株式会社 | 酸化物単結晶の熱処理方法 |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP05330566A patent/JP3132956B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2005103343A1 (ja) * | 2004-04-27 | 2005-11-03 | Yamaju Ceramics Co., Ltd | 圧電性酸化物単結晶の帯電抑制処理方法、および帯電抑制処理装置 |
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