JPH07187834A - 炭素材料接合体及びその製造方法 - Google Patents

炭素材料接合体及びその製造方法

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JPH07187834A
JPH07187834A JP7543694A JP7543694A JPH07187834A JP H07187834 A JPH07187834 A JP H07187834A JP 7543694 A JP7543694 A JP 7543694A JP 7543694 A JP7543694 A JP 7543694A JP H07187834 A JPH07187834 A JP H07187834A
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carbon
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JP7543694A
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Yuzo Sanada
雄三 真田
Haruo Kumagai
治夫 熊谷
Takashi Ueda
隆 上田
Tatsuo Morimoto
立男 森本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素材料接合体及びその製造方法に関する。 【構成】 炭素質基材の間に、加熱工程でピッチ状溶融
物を経由して炭素を生成するポリマーと揮発分を含まな
い炭素質との混合物(以下、接合剤Aという)、加熱工
程でピッチ状溶融物を経由せずに炭素を生成するポリマ
ーと揮発分を含まない炭素質との混合物(以下、接合剤
Bという)及び前記接合剤Aをこの順にはさみ込み、前
記接合剤Aに含まれるポリマーの溶融温度以上に加熱、
加圧し、さらに炭素化処理を施して炭素材料接合体を製
造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素材料接合体及びその
製造方法に関し、例えば断熱用炭素材料、炭素/炭素複
合材料等の炭素質基材を複数個接合した炭素材料複合体
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材料は耐熱性のある軽量材料として
断熱壁、炭素繊維使用の複合材料等に多く利用されてお
り、低熱膨張率、良熱伝導性、高電気伝導性等の物理的
特徴を生かした機能製品への用途も増加している。中で
も高温構造材料である炭素/炭素複合材料(以下C/C
コンポジットと略す)は金属では耐えられない温度領域
での材料として非常に注目されている。
【0003】このように炭素材料は数多くの長所を有し
ている反面、いくつかの短所がある。一つには空気等酸
化性ガス雰囲気下での酸化減肉があげられるが、これに
対しては、本発明者らの耐酸化防止法(特願平3−26
286号)や化学蒸着法(CVD法)等、種々の手段が
講じられている。炭素材料の短所としては、更に任意の
寸法に成形しにくい、複数の性質を一つの材料で発現し
にくい、製造コストが高い等があげられる。これらの短
所に対しては、同一又は異質の炭素材料を複数個接合す
る手法が非常に効果的であり、これまで種々の接合剤を
用いた接合手法が検討されてきた。例えば、家庭にも普
及している有機物を原料とした接着剤の使用、揮発成分
を含まない炭素質粉末を炭素質基材間にはさみ、高温、
高圧で処理する方法(特開平4−97960号公報)、
金属シリコンを炭素質基材間にはさみ、高温、高圧で処
理する方法(特開平4−97962号公報)等があげら
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】炭素材料は前述のよう
に高温領域で強度が低下しない点が長所であるが、複数
個の炭素材料を接合して使用する場合、接合部分にも応
力が加わる。しかしながら、従来の方法で有機物を使用
したものでは、高温にさらされるとかなりの部分が揮発
するため、非常に空隙が多く、接合剤として全く機能し
ない。また、金属シリコンの場合は炭素と熱膨張率が異
なるため、熱履歴を与えると接合界面部で剥離を生じ、
接合効果は期待できない。また、炭素質粉末の場合は基
材炭素と同質であるため金属の場合のように熱剥離は生
じないが、基材炭素と接合用炭素との間に化学結合がな
いため接合強度は弱く実用に耐えない。
【0005】本発明は上記技術水準に鑑み、炭素質基材
との接合強度が大きく熱剥離を生じない炭素材料接合体
及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は (1)接合しようとする相対的に黒鉛化率の高い炭素質
基材と、前記炭素質基材間に介装される相対的に黒鉛化
率の低い接合層と、前記炭素質基材と前記接合層との界
面に前記炭素質基材よりも黒鉛化率の高い界面層とを有
することを特徴とする炭素質材料接合体。 (2)炭素質基材の間に、加熱工程でピッチ状溶融物を
経由して炭素を生成するポリマーと揮発分を含まない炭
素質との混合物(以下、接合剤Aという)、加熱工程で
ピッチ状溶融物を経由せずに炭素を生成するポリマーと
揮発分を含まない炭素質との混合物(以下、接合剤Bと
いう)及び前記接合剤Aをこの順にはさみ込み、前記接
合剤Aに含まれるポリマーの溶融温度以上に加熱、加圧
し、さらに炭素化処理を施すことを特徴とする炭素材料
接合体の製造方法。である。 (3)前記接合材A及び接合剤Bの揮発分を含まない炭
素質が加熱工程でピッチ状溶融物を経由せずに炭素を生
成するポリマーを予め焼成して得た不定形炭素質である
ことを特徴とする上記(2)記載の炭素材料接合体の製
造方法。
【0007】本発明はこれまでの炭素材料の接合方法の
問題点を解決すべく、鋭意検討した結果、熱剥離防止の
ためには炭素質基材と同質の炭素を使用し、炭素質基材
との接合強度向上のためには、2種類の接合剤を組み合
わせ、加熱、加圧処理後炭化処理を施すことで炭素材料
の接合を可能とし、かつ接合強度の大な炭素材料接合体
を得ることを可能としたものである。具体的には以下の
通りである。
【0008】まず、表面の凹凸の少ない黒鉛、C/Cコ
ンポジット等の炭素質基材の上に、接合剤Aを塗布す
る。接合剤Aは加熱工程でピッチ状溶融物を経由して炭
素を生成するポリマーと揮発分を含まない炭素質との混
合物である。ここに用いられるポリマーとしてはポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル等があげられる。また揮発分
を含まない炭素質としてはコークス、黒鉛、カーボンブ
ラック等並びに加熱工程でピッチ状溶融物を経由せずに
炭素を生成するポリマーを予め焼成して得た不定形炭素
があげられる。接合剤Aのポリマーと炭素質は目的にあ
わせ適切な比率で混合する。一般的にはポリマー/炭素
質の重量比率は1/5〜10/1で、、高強度を要求す
る場合は炭素質の比率を上げ、弾性を要求する場合はポ
リマーの比率を上げるのがよい。なお、ポリマー/炭素
質比が1/5以上とすることにより形成炭素の脆性を著
しく改善でき、また10/1以下とすることによりフィ
ラーとしての炭素の効果が顕著となるので、この範囲が
好ましい。接合剤Aは有機溶媒で分散させて溶液状で炭
素質基材に塗布してもよいし、粉末状で塗布してもよ
い。
【0009】次にこの上に、接合剤Bを塗布する。接合
剤Bは加熱工程でピッチ状溶融物を経由せずに炭素を生
成するポリマーと揮発分を含まない炭素質との混合物で
ある。ここに用いられるポリマーとしてはフラン樹脂、
フェノール樹脂等があげられる。また揮発分を含まない
炭素質としては接合剤Aと同様の炭素質が用いられる。
接合剤Bのポリマーと炭素の混合比率は接合剤Aと同じ
範囲が好ましく、塗布の方法も接合剤Aと同様である。
【0010】さらに、接合剤Aを塗布し、最後にもう一
方の炭素質基材をのせる。以上述べた工程は何回繰り返
してもよく、任意の厚みの炭素材料接合体になるように
調整する。このようにして接合剤A、接合剤B及び接合
剤Aを中間層として含む2枚以上の炭素質基材を加熱、
加圧処理が施されるホットプレスにセットし、接合剤A
中のポリマーが溶融する温度以上に加熱し所定時間加圧
処理する。例えばポリマーが可塑剤を含まないポリ塩化
ビニルの場合は、200℃以上にする。
【0011】そして、最終的に炭素化処理を施すが加熱
により生成する炭素は原料の種類、加熱条件により性
状、特に黒鉛化性が異なるため、原料の選択、製造条件
を適宜選定することにより所望黒鉛化度の炭素を調製す
ることが可能である。
【0012】上記方法で製造した炭素材料接合体は炭素
質基材間に介装される接合剤の差異により、炭素質基材
間に介装される相対的に黒鉛化率の低い接合層と、前記
炭素質基材と前記接合層との界面に前記炭素質基材より
も黒鉛化率の高い界面層をする炭素質材料接合体とな
る。
【0013】
【作用】炭素質基材間の接合剤は炭化処理後は全て炭素
になり、基材と同質の物質であるため、熱膨張差が少な
く剥離や亀裂の発生が防止できる。
【0014】基材と接触する接合剤Aは接合剤の接合、
すなわち、接着の役割をはたすものであり、接合剤A中
に含まれるポリマーは熱分解によりピッチ状の溶融物に
なり、微細孔まで侵入し、基材表面全体を完全に覆い、
かつ基材との化学結合により密着性が向上する。例えば
ポリ塩化ビニルポリマーを使用する場合、ポリ塩化ビニ
ルは加熱により溶融し、さらに加熱すると脱塩化水素反
応を起こし、発生する塩化水素、塩素ラジカルおよびア
ルキルラジカルが炭素表面の含酸素官能基やベンゼン環
として反応して、ポリ塩化ビニルの熱分解で生じたポリ
エンや芳香環と炭素との結合に寄与するものと思われ
る。なお、ポリマーだけでは炭素化収率が低いため炭化
時に空隙が多くなり構造上非常に脆くなるため、揮発分
を含まない炭素質を混合することで接合面での接合強度
を増す。
【0015】次に、接合剤Bは接合剤自体の強度を維持
するためのものであり、これは接合剤Aだけの使用では
基材との界面接合強度は満足しても、接合剤自体の破壊
が起こるためである。そのため接合剤Bではポリマーと
して炭化後の炭素が比較的硬いフラン樹脂やフェノール
樹脂等が用いられる。これらは加熱してもピッチ状の溶
融物を経由せずに炭化することを特徴としており、硬質
炭素の代表的なものであるアモルファスカーボン(不定
形炭素)の原料である。なおこれらポリマーも接合剤A
と同様、単独では炭素化収率が低いためやはり揮発分を
含まない炭素質を混合することで空隙の発生箇所を減少
させる。
【0016】最後に、接合剤A,Bで各々のポリマーに
混合する炭素質であるが、黒鉛、カーボンブラック、コ
ークスのような黒鉛化度の高い、いわゆるソフトカーボ
ンを用いる場合には、これらは反応活性なため強固な炭
素−炭素結合が得られるが、形成される接合層はソフト
カーボンの性質を反映して強度の低い柔かな層になる。
一方、炭素質に不定形炭素のような、いわゆるハードカ
ーボンを用いると、反応不活性で炭素の強固な結合は得
られない。しかしながら、本発明におけるように、加熱
工程でピッチ状溶融物を経由せずに炭素を生成するポリ
マーを予め焼成して得た不定形炭素を用いると、これは
最終的には不定形炭素となるものの炭化終了温度付近で
は炭素の構造は完全に閉じてはおらず充分反応性であ
り、炭素ラジカルや炭素−炭素結合の形成も容易である
上、加熱処理によって硬い炭素となって強度の高い接合
層となる。
【0017】
【実施例】
(実施例1)接合の対象となる炭素質基材としては、X
線回析によるC軸方向の黒鉛層積層厚みが150Åの異
方性黒鉛とピッチ系炭素繊維/ピッチ原料マトリックス
炭素の二次元織C/Cコンポジット(Vf値50%)を
使用した。
【0018】接合剤Aの原料であるポリマーとしては、
分子量約3万のポリ塩化ビニル又は分子量約2万のポリ
酢酸ビニルを使用し、接合剤A中の炭素質としてはX線
回析によるC軸方向の黒鉛層積層厚みが450Åの異方
性黒鉛粉末を使用した。接合剤Aはまずポリマーをテト
ラヒドロフラン(THFと略す)に溶解し、この溶液に
黒鉛粉末をポリマーに対し重量で4倍量加え混合攪拌
し、この混合物を底部が平らな容器に移し、THFを蒸
発させることで均一なフィルムとして調製した。
【0019】また、接合剤Bの原料であるポリマーとし
ては、比重約1.2のフラン樹脂又は比重約1.3のフ
ェノール樹脂を使用し、接合剤B中の炭素質は接合剤A
中の炭素質と同様のものを使用した。接合剤Bはポリマ
ーと炭素質を重量比で1対4の割合で均一混合して調製
した。
【0020】まず、接合に際しては炭素質基材を表面研
磨し、平滑なものに仕上げ、接合剤A、接合剤B及び接
合剤Aをこの順にのせてゆき、最後に、もう一方の基材
で覆う。次に、これをホットプレスにセットし、200
℃で50kgf/cm2 ・Gの圧力を約1時間かけた。
冷却後、成形した接合基材をアルゴンガス雰囲気下で1
000℃、5時間熱処理を行った。
【0021】加熱後、試料断面を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、図1の例に見られるように基材との界面
の密着性が良好で接着層も緻密で頑丈な炭素になってい
ることがわかった。図1において、の部分は接合層を
示しており、は炭素質基材、この場合はC/Cコンポ
ジットである。
【0022】図1の試料断面を、顕微レーザーラマン分
光光度計NR−1800を使用し、Ar+ レーザー(4
88nm、出力100mW)ツエルニ・ターナ型トリプ
ルモノクロメーター分光器、レーザ照射範囲を光学顕微
鏡により1μmφに絞って顕微ラマン分光分析法を用い
5μmピッチで分析した平均的な結果を図2に示す。図
2において、縦軸は図1の縦方向の位置(炭素質基材
のある特定の位置からの距離)を示しており、横軸はラ
マン分析で得られる黒鉛化性の指標であるI1355/I
1580(1580cm-1のピーク強度に対する1355c
-1のピーク強度の比率)である。I1355/I1580の値
が小さい程、黒鉛化が進行していることを示している。
図2からは、接合層と炭素質基材では黒鉛化性は異な
り、接合層の存在が示されている。また、接合層も接合
剤Aに起因する部分(炭素質基材に接触する部分)と接
合剤Bに起因する部分(中間部分)で黒鉛化性の違いが
明らかに示されている。接合剤Aに起因する部分は加熱
によりピッチ状溶融物を経由して易黒鉛化性の炭素にな
るため、黒鉛化性は非常に進行することになる。一方、
接合剤Bに起因する部分は加熱によりピッチ状溶融物を
経由せずに難黒鉛化性の炭素になるため、I1355/I
1580の大きい低黒鉛化性炭素になることが示されてい
る。
【0023】次に接合試料は所定の大きさに切り出し、
三点曲げ試験機によりせん断剥離強度を測定した。結果
を表1にまとめた。この表では炭素質基材の強度に対す
る相対値として表している。
【0024】
【表1】 これよりいづれの場合も炭素質基材に近い強度を示して
おり、非常に強固な接合が行われていることが明らかと
なった。
【0025】(比較例1)実施例1において接合剤Aを
ポリマー単独に置き換え、他は実施例1と同様の操作を
行った結果、いづれの場合も接合力が弱く、容易に剥離
した。
【0026】(比較例2)実施例1において接合剤Bを
ポリマー単独に置き換え、他は実施例1と同様の操作を
行った結果、いづれの場合も、基材は剥離した。剥離し
た部分は接合層内であり、接合界面での密着性は丈夫で
あった。
【0027】(実施例2)接合の対象となる炭素質基材
としては、ピッチ系炭素繊維/ピッチ原料マトリックス
炭素の二次元織C/Cコンポジット(Vf 値50%)を
使用した。
【0028】接合剤Aの原料であるポリマーとしては、
分子量約3万のポリ塩化ビニル又は分子量約2万のポリ
酢酸ビニルを使用し、接合剤A中の炭素質としては、比
重約1.2のフラン樹脂又は比重約1.3のフェノール
樹脂を800℃〜1000℃まで炭化焼成して得た炭素
を粉砕し平均粒径約100μmとしたものを使用した。
また、この実施例2の比較材として実施例1において述
べたX線回折によるC軸方向の黒鉛層積層厚みが450
Åの異方性黒鉛粉末を使用した。接合剤Aは、まずポリ
マーをTHFに溶解し、この溶液に前記炭素又は黒鉛粉
末をポリマーに対し重量で4倍量加え混合攪拌し、この
混合物を底部が平らな容器に移し、THFを蒸発させる
ことで均一なフィルムとして調整した。
【0029】また、接合剤Bの原料であるポリマーとし
ては、比重約1.2のフラン樹脂又は比重約1.3のフ
ェノール樹脂を使用し、接合剤B中の炭素質は接合剤A
中の炭素質と同様、比重約1.2のフラン樹脂又は比重
約1.3のフェノール樹脂を800〜1000℃まで加
熱、炭化焼成して得た炭素を粉砕し、平均粒径100μ
mとしたものを使用した。接合剤Bはポリマーと炭素質
を重量比で1対4の割合で均一混合して調整した。
【0030】まず、接合に際しては炭素質基材を表面研
磨し、平滑なものに仕上げ、接合剤A、接合剤B及び接
合剤Aをこの順にのせてゆき、最後にもう一方の基材で
覆う。次に、これをホットプレスにセットし、200℃
で50 Kgf/cm2・Gの圧力を約1時間かけた。冷却後、
成形した接合基材をアルゴンガス雰囲気下で1000
℃、5時間熱処理を行った。その後、この実施例2の接
合剤と実施例1についてせん断剥離強度を測定した。結
果を表2にまとめた。この表では炭素質基材の強度に対
する相対値として表している。
【0031】
【表2】
【0032】この表2より、実施例2によって得られた
炭素接合体は実施例1のものより優れていることが判
る。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、これまでの炭素材料の
接合方法では問題のあった熱剥離や低接合強度といった
欠点を克服するため、炭素基材の間に界面接合用の接合
剤とそれ自身の強度向上を図るための接合剤を併用する
ことで熱剥離のない、丈夫な接合炭素材料に仕上げるこ
とが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で接合した炭素質材料複合体
の断面の黒鉛結晶構造を示す走査顕微鏡写真。
【図2】本発明の一実施例で接合した炭素質材料複合体
の断面の顕微ラマン分光分析法で測定した黒鉛化性分布
を示す図表。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 立男 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合しようとする相対的に黒鉛化率の高
    い炭素質基材と、前記炭素質基材間に介装される相対的
    に黒鉛化率の低い接合層と、前記炭素質基材と前記接合
    層との界面に前記炭素質基材よりも黒鉛化率の高い界面
    層とを有することを特徴とする炭素質材料接合体。
  2. 【請求項2】 炭素質基材の間に、加熱工程でピッチ状
    溶融物を経由して炭素を生成するポリマーと揮発分を含
    まない炭素質との混合物(以下、接合剤Aという)、加
    熱工程でピッチ状溶融物を経由せずに炭素を生成するポ
    リマーと揮発分を含まない炭素質との混合物(以下、接
    合剤Bという)及び前記接合剤Aをこの順にはさみ込
    み、前記接合剤Aに含まれるポリマーの溶融温度以上に
    加熱、加圧し、さらに炭素化処理を施すことを特徴とす
    る炭素材料接合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記接合材A及び接合剤Bの揮発分を含
    まない炭素質が加熱工程でピッチ状溶融物を経由せずに
    炭素を生成するポリマーを予め焼成して得た不定形炭素
    質であることを特徴とする請求項2記載の炭素材料接合
    体の製造方法。
JP7543694A 1993-11-09 1994-03-23 炭素材料接合体及びその製造方法 Withdrawn JPH07187834A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018095495A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 日本カーボン株式会社 炭素材料の接合剤及び接合方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018095495A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 日本カーボン株式会社 炭素材料の接合剤及び接合方法

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