JP2629772B2 - 炭素フィルムの製造方法 - Google Patents

炭素フィルムの製造方法

Info

Publication number
JP2629772B2
JP2629772B2 JP63027026A JP2702688A JP2629772B2 JP 2629772 B2 JP2629772 B2 JP 2629772B2 JP 63027026 A JP63027026 A JP 63027026A JP 2702688 A JP2702688 A JP 2702688A JP 2629772 B2 JP2629772 B2 JP 2629772B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
film
carbon film
substrate
treated product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63027026A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01203210A (ja
Inventor
巌 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP63027026A priority Critical patent/JP2629772B2/ja
Publication of JPH01203210A publication Critical patent/JPH01203210A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2629772B2 publication Critical patent/JP2629772B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は炭素フィルムを製造する方法に関し、更に詳
しくは光学的異方性相を含有する熱処理炭素質物質から
2次元的に高配向した炭素フィルムを製造する方法に関
するものである。
(従来の技術) 従来より、コールタールピッチ、石油ピッチ等の炭素
質原料から炭素繊維等の繊維状の炭素成型品を製造する
方法は種々検討され、また実用化されてきたが、極薄平
面状のフィルム等の形状のものへの成型については未だ
十分には検討されておらず、最近になり、フッ化ピッチ
を真空蒸着処理によりフィルムを形成する方法が報告さ
れている程度である。
(発明が解決する問題点) しかしながら、かかる報告もフッ化ピッチという特殊
な化合物を用い真空蒸着処理によりフィルム化するもの
であることから、高価格となると予想され、かつ大面積
フィルム化する方法については未だ検討段階にすぎず、
炭素フィルムを工業的有利に製造する方法は今後の検討
に待たれるというのが現状である。
一方炭化水素雰囲気中で黒鉛基材を高温に加熱し基材
表面に熱分解炭素を沈積させて作るパイロリティックグ
ラファイトや、PODの様な特殊な芳香族系の化合物の重
合体のフィルム状のものを焼成し2次元的に配合した黒
鉛のフィルムは知られているが、出発原料が高価であっ
たり、又はフィルム形成炭素の収率が低い為にコストパ
ーフォーマンスの点で問題がある。
(問題点を解決するための手段) そこで本発明者等は炭素フィルムを工業的有利に製造
する方法について鋭意検討した結果、光学的に異方性の
ピッチを溶融状態で平滑な面例えばガラス板上に展開す
ると本ピッチがガラス面近傍具体的にはガラス面から1
〜100μ位までの部分で異方性ピッチがガラス面に平行
に配向することを見い出し、これをもとにガラス上に光
学的に異方性相を含むピッチを薄膜状にして展開ししか
るのちに焼成することにより高度に2次元に配向し電気
的、熱的特性の優れた炭素質フィルムを工業的に有利に
製造する方法を発明するに至った。
つまり炭素質原料を加熱処理して得られる光学的異方
性相が少なくとも30%以上含有する軟化点280〜350℃の
熱処理物を溶融状態で基板上に薄膜上に展開し、これを
酸化性雰囲気下で不融化処理し次いて非酸化性雰囲気下
で炭化処理、更に必要に応じて黒鉛化処理することを特
徴とする炭素フィルムの製造方法により容易に達成され
る。
以下、本発明の説明するに本発明方法において用いる
炭素質原料としては、例えば石炭系のコールタール、コ
ールタールピッチ、石炭液化物や、石油系の重質油、タ
ール、ピッチなどが挙げられる。これらの炭素質原料に
は、通常フリーカーボン、未溶解石炭、灰分などの不純
物が含まれており、これら不純物はろ過、遠心分離、あ
るいは溶剤を用いる静置沈降分離などの周知の方法によ
って、予め除去しておくことが望ましい。
そして、前記炭素質原料は、例えば次に示すような方
法によって予備処理を施しておくのが望ましい。かゝる
予備処理を行うことにより、後記する光学的異方性相を
得るための熱処理物の加熱処理に於いて、熱処理物の軟
化点の上昇率を抑制することが出来る。
すなわち、(1)該炭素質原料を温度350〜500℃、圧
力常圧〜10kg/cm2Gで0.5〜20時間程度加熱処理して光学
的異方性部分を含むような予備熱処理物を得、次いでこ
の予備熱処理物と、150℃以上の沸点又は初留点を有す
るアントラセン油などの芳香族油とを、該熱処理物1重
量部当り該芳香族油0.1〜3重量部の割合で接触させ、
該芳香族油可溶分を得る方法、(2)該炭素質原料又は
前記(1)における芳香族油可溶分を、例えばテトラリ
ン、デカリン、テトラヒドロキノリン、水添した芳香族
油などの水素供与性溶剤とともに処理するか、あるいは
該炭素質原料又は該芳香族油可溶分に、水素供与性溶剤
に容易に転換しうるキノリン、ナフタリン油、アントラ
セン油などの溶剤、鉄系、モリブデン系、ニッケル系、
クロム系、亜鉛系又は硫黄系等の触媒とを添加し、10〜
500kg/cm2G、好ましくは20〜300kg/cm2Gの水素ガス加圧
下、360〜500℃の温度で1〜24時間水添処理したのち、
必要に応じてろ過などにより固形物を除去し、さらに必
要に応じ蒸留などにより溶媒を除いて残渣物を得る方法
などによって、予備処理を行っておく。
本発明方法においては、前記炭素質原料又は予備処理
を施した炭素質原料を、不活性ガスの存在下、通常350
〜500℃、好ましくは380〜450℃の範囲の温度におい
て、2分〜50時間、好ましくは5分〜5時間加熱処理し
て光学的異方性相を含む熱処理物を得る。
その際、不活性ガスの吹込みや撹拌を行なってもよ
い。
本発明においては、ピッチの軟化点が280〜350℃好ま
しくは300〜320℃であって光学的異方性相の割合が30%
以上、好ましくは90%以上の熱処理物を得るように前記
の前処理条件及び加熱処理条件の選定、あるいは軟化点
の調整を行う必要がある。その際熱処理物のトルエン不
溶分は90%以上、好ましくは94〜98%かつキノリン不溶
分が40%以下、好ましくは15〜35%であることが望まし
い。
ピッチの軟化点はメトラー法にて測定した値である。
また光学的異方性相はピッチ試料を数mm角に粉砕したも
のを常法に従って約2cm直径の樹脂の表面のほぼ全面に
埋め込み、表面を研磨後、表面全体をくまなく偏光顕微
鏡(100倍率)下で観察し、試料の全表面積に占める光
学的異方性部分の面積割合を測定することによって求め
る。
この様にして得られた熱処理を溶融状態で基板上に腹
膜状例えば厚さ1μ〜100μ、好ましくは5μ〜30μ程
度に展開する。展開させるための基板としては、平滑な
面を有し、かつ熱処理物が展開するに十分程度の濡れ性
を有するものであれば特に限定されるものではなく、具
体的にはアルミナ板、石英板、ステンレス板黒鉛板、金
泊、アルミ板、炭素フィルム等が挙げられる。
更に、基板上の表面に400〜600℃で熱分解もしくは焼
失する物質からなる層を設け、その層の上に上記の熱処
理物を展開すると炭化処理あるいは黒鉛化処理等の後の
工程で加熱による熱処理物の収縮に起因するひび割れ等
を防止できるので好ましい。ここで用いる400〜600℃で
熱分解もしくは焼失する物質としては具体的にはセロハ
ン、紙、ナイロン、軟質ガラス等が挙げられる。またそ
の層厚としては特に限定されるものではないが通常10μ
m〜1mm程度のものであればよい。
又光学的異方性ピッチを基板上に展開するにあたって
は、そのピッチの軟化点以上で通常行ない別の平板状の
もので引き伸ばしながら且厚さを制御しながら薄膜状に
展開することが出来る。
次に、この様にして展開された薄膜状物は酸化性雰囲
気下、例えば空気中で通常100〜400℃、好ましくは150
〜350℃程度、10分から10時間で加熱して不融化処理を
行なう。そして、不融化処理された薄膜状物を非酸化性
雰囲気下、例えば窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下、
もしくは不活性気流下で炭化処理、更には黒鉛化処理す
ることにより、目的の炭素フィルムを得ることができ
る。
炭化処理の条件としては通常600℃〜1800℃、10分〜1
0時間、好ましくは1200゜〜1800℃、30分〜6時間であ
り、また黒鉛化処理は1800℃〜3000℃、10分〜50時間、
好ましくは2000〜2800℃、1〜10時間である。
更に、炭化処理に際し、基板上に展開した状態で少な
くとも500℃、通常550〜650℃まで加熱・炭化し、次い
で得られた炭素フィルムを基板から剥離した後、これを
緊張下再度少なくとも1200℃、好ましくは1600℃まで加
熱・炭化すると、表面にしわ等のない平滑な炭素フィル
ムが得られるので好ましい。
この様にして得られた炭素フィルムは2次元的に高度
に配向したものであり、電気比抵抗等の電気的特性ある
いは良好な熱伝導率等の熱的特性の優れたものである。
(実施例) 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1 誘導撹拌式の内容積5のオートクレーブにコールタ
ールピッチ(T140%、0.0%)100部、クレオソート油10
0部、酸化鉄5部及び硫黄2.4部を仕込み、水素圧150kg/
cm2温度450℃、60分間水素処理した。この反応液を過
して鉄触媒を除去後減圧蒸留により溶媒を留去して水添
ピッチを得た。このピッチ100gに窒素ガスをバブリング
しながら430℃で3時間加熱処理した。
得られたピッチの異方性割合は100%であった。この
ピッチを窒素雰囲気下340℃で溶融し平滑な表面を有す
るアルミナ板上に薄膜状に展開した。
これを150℃までゆっくりと降温し、このまま空気中
で310℃まで1℃/分で昇温しながら不融化処理を行な
った。
次にAr雰囲気中で550℃まで焼成し冷却後アルミナ板
状の炭素質フィルムをはがしとり厚さを測定したところ
14μmであった。
さらにこれをアルミナ板でその両端のみをはさみ込み
この両端の板を引っ張る方法で若干の張力をかけた状態
で1400℃までAr雰囲気下で焼成し薄膜状の炭素質フィル
ムを得た。
実施例2 実施例1で用いた光学的異方性割合が100%のピッチ
をN2雰囲気下340℃で市販の薬包紙上に薄膜状に展開し
た。これを150℃までゆっくり降温しこのまま空気中で3
10℃まで1℃/分で昇温しながら不融化処理を行なっ
た。
次にAr雰囲気で1400℃で焼成したところ、ポリイミド
フィルムは消失しており、薄膜状の炭素質フィルムを得
た。厚さは18μmであった。
実施例3 実施例1で得た薄膜状の炭素質フィルムをAr雰囲気中
で2200℃まで焼成し厚さ11μmの黒鉛フィルムを得た。
これをX−線回折計で調べたところd(002)=3.41
Å、Lc=140Åをあった。
(効果) 本発明によれば、高度に二次元的配向した炭素フィル
ムを工業的有利な方法により得られる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素質原料を加熱処理して得られる光学的
    異方性相を少なくとも30%以上含有する軟化点280〜350
    ℃の熱処理物を溶融状態で基板上に薄膜状に展開し、こ
    れを、酸化性雰囲気下で不融化処理し次いで非酸化性雰
    囲気下で炭化処理、更に必要に応じて黒鉛化処理するこ
    とを特徴とする炭素フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】熱処理物が光学的異方性を90%以上含有
    し、かつ炭素含有量が90wt%以上であることを特徴とす
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】熱処理物を薄膜状に展開するに際し、300
    ゜〜600℃で熱分解もしくは消失する物質からなる層を
    表面に設けた基板上又は熱分解もしくは消失する物質か
    らなる平滑な板又はフィルム上で展開することを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】炭化処理するに際し、基板上に展開した状
    態で少なくとも500℃まで加熱処理し、次いで基板から
    炭素フィルムを剥離し、これを緊張下再度1200℃以上の
    温度まで加熱処理することを特徴とする請求項1記載の
    方法。
JP63027026A 1988-02-08 1988-02-08 炭素フィルムの製造方法 Expired - Lifetime JP2629772B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63027026A JP2629772B2 (ja) 1988-02-08 1988-02-08 炭素フィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63027026A JP2629772B2 (ja) 1988-02-08 1988-02-08 炭素フィルムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01203210A JPH01203210A (ja) 1989-08-16
JP2629772B2 true JP2629772B2 (ja) 1997-07-16

Family

ID=12209565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63027026A Expired - Lifetime JP2629772B2 (ja) 1988-02-08 1988-02-08 炭素フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2629772B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170010604A (ko) * 2015-07-20 2017-02-01 에스케이씨 주식회사 공압출을 이용한 열전도 이방성 필름의 제조 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170010604A (ko) * 2015-07-20 2017-02-01 에스케이씨 주식회사 공압출을 이용한 열전도 이방성 필름의 제조 방법
KR101705222B1 (ko) 2015-07-20 2017-02-09 에스케이씨 주식회사 공압출을 이용한 열전도 이방성 필름의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01203210A (ja) 1989-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0205970B1 (en) Process for producing graphite films
US6689336B2 (en) Carbon foam, graphite foam and production processes of these
US3919387A (en) Process for producing high mesophase content pitch fibers
US4863708A (en) Process for producing carbon fibers and the carbon fibers produced by the process
EP0296396B1 (en) Mesophase pitch-based carbon fibres
Mikociak et al. Effect of nanosilicon carbide on the carbonisation process of coal tar pitch
JP2608515B2 (ja) フッ化ピッチ
JP2629772B2 (ja) 炭素フィルムの製造方法
JPH03212489A (ja) 炭素繊維製造用の精製ピッチおよび/またはメソフェーズピッチの製造方法
US3811927A (en) Process for vapor deposition on glassy-carbon substrate
EP0449312A2 (en) Process for preparing a graphite film or block from polyamido acid films
JPH0662285B2 (ja) 弾性黒鉛体の製造方法
JP2780231B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
JP2985455B2 (ja) 炭素繊維およびその製造方法
JP2000319664A (ja) 炭素材料用メソフェーズピッチ及び炭素繊維の製造法
KR102207835B1 (ko) 콜타르의 증류 유분을 이용한 탄소소재용 핏치의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 탄소소재용 핏치
KR100340593B1 (ko) 고수율로 침상코크스를 제조하는 방법
JP2817232B2 (ja) 高特性炭素繊維の製造方法
KR100368206B1 (ko) 메조카본 마이크로비즈의 제조방법
JP2533487B2 (ja) 炭素繊維の製造法
JPH0633530B2 (ja) 炭素繊維及びその製造方法
JP2792749B2 (ja) 耐酸化性炭素材料及びその製造方法
JPH03159962A (ja) 炭素材料の製造法
JP2004307298A (ja) 易黒鉛化性物質の製造方法
KR920000199B1 (ko) 이방성 액정핏치의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term