JPH07187790A - 窒化珪素質焼結体 - Google Patents

窒化珪素質焼結体

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JPH07187790A
JPH07187790A JP5327522A JP32752293A JPH07187790A JP H07187790 A JPH07187790 A JP H07187790A JP 5327522 A JP5327522 A JP 5327522A JP 32752293 A JP32752293 A JP 32752293A JP H07187790 A JPH07187790 A JP H07187790A
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JP
Japan
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sintered body
silicon nitride
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less
ppm
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JP5327522A
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English (en)
Inventor
Hideki Uchimura
英樹 内村
Kenichi Tajima
健一 田島
Masahiro Sato
政宏 佐藤
Tomohiro Iwaida
智広 岩井田
Takehiro Oda
武廣 織田
Shoji Kosaka
祥二 高坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】窒化珪素を主成分とし、少なくともYまたは希
土類元素を酸化物換算で0.5〜10mol%含有し、
且つ不純物として重量比でFeを5ppm〜2000p
pm、Alを200ppm以下、Caを200ppm以
下の割合で含有する焼結体に対して、W化合物をW金属
換算で0.01重量%〜5重量%の割合で添加した成形
体を非酸化性雰囲気中で1600℃〜2000℃で焼成
する。 【効果】高温耐クリープ性を向上し、1500℃の耐酸
化性に優れるとともに、Feによる異常組織の生成を抑
制することにより異常組織による破壊を低減し、高強度
で特性のばらつきのない焼結体を作製することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービンなどの熱
機関用構造材料などに適した窒化珪素質焼結体に関し、
詳細には高温における耐酸化性、耐クリープ性の改善
と、特性のばらつきを低減するための改良に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】窒化珪素質焼結体は、従来より高温強度に
優れた材料として各種のエンジニアリングセラミックス
として高温用材料等への応用が進められている。
【0003】この窒化珪素は、それ自体難焼結性である
ことから、従来よりY2 3 などの周期律表第3a族元
素の酸化物やAl2 3 、MgO等の各種の金属酸化物
を添加し焼成することが行われている。
【0004】最近に至り、窒化珪素質焼結体の使用温度
が1400℃以上の高温域まで広がりつつあり、これに
伴い焼結体の高温特性の改善が望まれている。そこで、
高温特性が窒化珪素質焼結体の粒界の組成等やそれによ
る粒界の融点等により大きく変化するという観点から、
Al2 3 等の低融点物質の添加を抑制し、Y2 3
希土類元素の酸化物、あるいはこれに酸化珪素等を添加
した系の焼結体が提案され、さらに粒界相を結晶化させ
ることにより粒界の高融点化を図ることが提案されてい
る。
【0005】
【発明は解決しようとする問題点】しかしながら、上記
の焼結体は、従来品に比較して抗折強度(室温から14
00℃まで)は優れた特性を有するが、耐酸化性、及び
クリープ特性に劣り、また特性のばらつきがいまだ解決
されず、特性の安定した焼結体を得ることが困難である
という欠点を有していた。
【0006】そこで、この酸化特性、クリープ特性につ
いて調査を行った結果、これらのほとんどが不純物量に
大きく左右されることがわかった。この不純物は主にF
e、Ca、Al、Mn、Na、K等である。またばらつ
きの原因についてはそのほとんどが破壊源の組織内に異
常組織が存在することがわかった。さらに、この異常組
織部分について分析したところ、鉄(Fe)が存在し、
これがケイ素(Si)と共晶反応を生じ、その周囲に添
加した希土類元素が過剰に集まったものであることがわ
かった。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、かかる
問題点に対して検討を重ねた結果、焼結体中の不純物と
して特にAlとCaの量を所定の範囲まで低減するとと
もに、Feの存在による異常組織の発生に対してW化合
物を添加することにより、酸化特性、耐クリープ性に優
れるとともに、特性のばらつきの小さい焼結体が得られ
ることを見出し、本発明に至ったものである。
【0008】即ち、本発明の焼結体は、窒化珪素を主成
分とし、少なくともYまたは希土類元素を酸化物換算で
0.5〜10mol%含有し、且つ不純物として重量比
でFeを5ppm〜2000ppm、Alを200pp
m以下、Caを200ppm以下の割合で含有する焼結
体に対して、W化合物をW金属換算で0.01重量%〜
5重量%の割合で添加含有したことを特徴とするもので
ある。
【0009】以下、本発明を詳述する。本発明の焼結体
は、組成上、窒化珪素を主成分とし、さらに焼結助剤と
して少なくともYまたは希土類元素を0.5〜10mo
l%の含有するものであるが、純度の低い原料を用いた
り、あるいは製造過程において混合工程において系中に
不純物が混入する場合がある。この不純物は、その総量
が200ppm以下であれば、焼結体の酸化特性、クリ
ープ特性に影響を及ぼすことはない。しかしながら、F
eは5ppm以上の量で存在すると前述したように焼結
体中に破壊源となる異常組織を形成し、これにより焼結
体の特性を低下させ、特性にばらつきを発生させる。
【0010】このようなFeを含有するような系に対し
て、Wを金属換算で0.01〜5重量%、特に0.05
〜2重量%の割合で存在させることが重要である。この
Wの存在により、Feの焼結体中での挙動を固定化する
ことができるものである。よってWの量が0.01重量
%より少ないと、異常組織の発生を抑制することができ
ず、特性のばらつきが大きくなり、Wの量が5重量%を
超えるとW自体が凝集し、これが破壊源となり、焼結体
の強度を低下させる要因となる。しかしながら、Wの添
加効果は、系中の不純物として含まれるFe量が多い場
合にはその効果が充分に発揮されず、Fe量が重量比で
2000ppm、特に1000ppmが上限値である。
【0011】また、本発明によれば、焼結体の耐クリー
プ特性、耐酸化性の点から焼結体中の不純物として含ま
れるAl量およびCa量が極力少ないことがよく、特に
これら特定金属の不純物量がそれぞれ200ppmを越
えると、これらの特性が劣化することから、Al量、C
a量はいずれも200ppm以下、特に100ppm以
下であることが重要である。
【0012】なお、本発明においてYまたは希土類元素
の酸化物換算量を0.5〜10モル%に限定したのは、
0.5モル%より少ないと充分な緻密体が得られず、1
0モル%を超えると高温強度等の機械的特性が低下する
ためである。希土類元素としては、Er、Y、Sc、C
e、Yb、Lu、Dy、TbおよびHo等が挙げられ
る。
【0013】本発明の焼結体を製造する方法としては、
出発原料として窒化珪素粉末および焼結助剤として少な
くともYまたは希土類元素の例えば酸化物粉末を用い
る。また、本発明によれば、かかる系に対してFe量を
2000ppm以下、Al、Ca量を夫々200ppm
以下に抑制すると同時に、Wの化合物をW金属換算で
0.01〜5重量%の割合で添加することが重要であ
る。なお、用いられるW化合物としては、Wの酸化物、
炭化物、珪化物等が挙げられる。上記のように不純物量
を制御するためには、用いる原料として高純度品を用い
ることが最も好適であるが、その他、低純度品に対して
HClなどの酸により脱不純物処理を行い不純物量を低
減することもできる。
【0014】これらの出発原料は上記所定の割合で混合
した後、公知の方法で成形するが、Al、Ca、Feは
出発原料中に含有される以外に、混合工程などの成形工
程までの工程間で混入することも考えられる。本発明に
よれば、これらの混入量も考慮し、最終成形体中でのF
e量、Al量、Ca量を上記範囲に制御することが必要
である。なお、成形手段としてはプレス成形、押出成
形、射出成形、鋳込み成形、冷間静水圧成形等が挙げら
れる。
【0015】次に成形体を常圧焼成、窒素ガス圧力焼
成、ホットプレス焼成等の焼成手段により、窒素等の非
酸化性雰囲気中で1600〜2000℃で焼成する。ま
た、特殊な焼成方法として熱間静水圧焼成法では、上記
の方法にて対理論密度比95%以上に緻密化した後、1
000〜2000気圧の窒素を含有する雰囲気中で16
00〜2000℃で焼成する方法、また前記成形体の表
面にBNを塗布した後、ガラス粉末をその表面に塗布し
たり、ガラス製カプセル内に封入するか、または内部に
ガラス粉末が充填された耐熱容器内に埋めた後、高温下
でガラスを溶融しガラスシールを形成した後、1000
〜2000気圧下で1600〜2000℃で焼成する方
法等が採用される。
【0016】さらに、本発明によれば、Al量、Fe
量、Ca量およびW量が前記割合となるように調整され
ることを前提に、上記系に対して酸化珪素やTi、Z
r、Nb、Ta、Mo等の周期律表第4a、5a、6a
族金属の炭化物、酸化物、窒化物などを10重量%以下
の割合で添加してもよい。
【0017】
【作用】窒化珪素質焼結体において、Al2 3 、Ca
O等の物質は焼結性を助長する成分である反面、低融点
物質を形成することから高温特性を1400℃以上の高
温における特性の点からは、0.5重量%以下に低減す
ることが望ましいことは従来より知られているが、本発
明によれば、焼結体の高温での耐クリープ特性および耐
酸化性について検討した結果、Al、Caの存在がこれ
らの特性を決定する大きな要因であるとともに、Al、
Ca量を従来レベルよりさらに低減させ、Al、Ca量
をぞれぞれ200ppm以下という極めて微量となるよ
うに制御することにより、耐クリープ特性および耐酸化
性が向上できる。
【0018】しかし、Al、Ca量を上記範囲に制御す
るのみでは、高温において安定した機械的特性を得るこ
とができない。これは、この1つの原因は、Feの存在
にある。即ち、焼結過程において窒化珪素が分解される
ことにより発生したSiとFeとが共晶反応を生じ、こ
のFe−Si共晶反応生成物の周囲に、希土類元素が過
剰に集まり、通常とは異なる異常組織を形成するためで
ある。
【0019】そこで、本発明によれば、このような系に
対してWを共存させると、Wが焼結過程において珪化物
等の化合物を生成し、この化合物中にFeが積極的に固
溶されることにより、Fe元素が不活性状態となり、窒
化珪素の分解が抑制され、結果としてFe−Si共晶反
応生成物の生成が抑制される。
【0020】それにより、焼結体の破壊起点がFeの存
在による異常組織によるものから、常に焼結体表面とな
るために焼結体の特性が向上するとともにばらつきが低
減され、安定した特性を有する窒化珪素質焼結体を作製
することができる。
【0021】
【実施例】金属不純物量が異なる数種の窒化珪素原料
(酸素量1.0〜3.0%、BET比表面積2〜10m
2 /g、α率95〜99%)と焼結助剤として表1に示
すような各種周期律表第3a族元素酸化物(純度99%
以上)の各粉末を用いて、これらを表1、表2に示す割
合で秤量後、ポリポットに入れ、メタノールを溶媒とし
て用い窒化珪素ボールにより72時間混合した。得られ
た混合物を乾燥後、造粒し、80mm×45mm×5m
mにプレス成形した。得られた成形体に対して、Al、
Ca、Fe量をICP発光分光分析により測定した。そ
して、各成形体を窒素ガス圧力10気圧の雰囲気中で表
1、表2の温度で焼成した。なお、表中、試料No.18
については表2の組成からなる成形体の表面にBNを塗
布しガラス浴中にて1600℃の2000atmの圧力
下で焼成した。
【0022】得られた焼結体に対して、元素分析したと
ころ、焼結後の組成は成形体の組成と実質的に変わらな
いことを確認した。また、この焼結体より試験片を20
個切り出し、JISR1601により室温における抗折
強度を測定しその平均値を調べた。さらにその抗折片の
破断面より、破壊源を調べ、破壊源が鉄による異常組織
であるものの個数を調べた。また、上記焼結体を150
0℃で100時間大気中に保持した後の酸化重量増を測
定し、さらにJISR1601に基づく4点曲げ試験で
1400℃で60ksiの応力を付与した状態で保持し
破断に至るまでの時間を示し最高10時間保持した。結
果は表1、表2に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表1および表2から明らかなように、Wを
全く添加しなかった試料No.1では、破壊源の多くがF
e−Siの異常組織によるものであり、平均強度も低い
ものであった。これに対してW化合物を0.01重量%
の添加すると、試料No.2に示すように異常組織により
破壊する焼結体の割合が減少し、平均強度も向上し特性
のばらつきが改善された。しかしながら、Wの量が5重
量%を越える試料No.13ではWによる凝集が観察さ
れ、これにより強度が劣化した。また、Wの添加効果を
確認するために系中にFeを添加してFe量を増加させ
た系に対して評価したところ、Fe量が2000ppm
を越える試料No.11ではW添加効果が小さく、強度の
低下が認められた。
【0026】また、Wを適量添加した系において、Al
量、Ca量が200ppmを越える試料No.8,9,1
0,12では、いずれも高温クリープ特性において3時
間以下で破壊に至ったのに対して、Al量、Ca量を2
00ppm以下に制御することにより5時間以上の優れ
た耐クリープ性を有するとともに優れた酸化重量増が
0.3mg/cm2 以下の耐酸化性を有するものであっ
た。
【0027】さらに、焼結体中のY2 3 の添加量を変
化させたところ、添加量が0.5モル%より少ない試料
No.15では十分に緻密化が達成されず、10モル%を
越える試料No.17では強度の劣化が認められた。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、A
l、Ca量を低減するとともにFeを含む系に対してW
を添加することにより、焼結体の耐クリープ特性、15
00℃の高温での耐酸化性に優れるとともに、Feによ
る異常組織の生成を抑制することにより異常組織による
破壊を低減し、高強度で特性のばらつきのない焼結体を
作製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩井田 智広 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 織田 武廣 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 高坂 祥二 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化珪素を主成分とし、少なくともYまた
    は希土類元素を酸化物換算で0.5〜10mol%含有
    し、且つ不純物として重量比でFeを5ppm〜200
    0ppm、Alを200ppm以下、Caを200pp
    m以下の割合で含有する焼結体に対して、W化合物をW
    金属換算で0.01重量%〜5重量%の割合で添加含有
    したことを特徴とする窒化珪素質焼結体。
JP5327522A 1993-12-24 1993-12-24 窒化珪素質焼結体 Pending JPH07187790A (ja)

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