JPH0718617Y2 - ハーフトレイシユリンク包装体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、清涼飲料、ジユース、ビール等の飲料の缶
を多数まとめて包装するのに使用される、ハーフトレイ
シユリンク包装についての改善策に関するものである。

〔従来の技術〕

段ボール等の厚紙から成るトレイ状の容器本体用に、清
涼飲料、ジユース、ビール等の飲料缶を多数並べ、前記
容器本体の側面に、ホツトメルトを線状に塗布しシユリ
ンクフイルム辺縁部を圧接着した上で、前記シユリンク
フイルムに熱を与えて収縮させ、前記飲料缶を包装する
ことは行なわれている。

ところで従来のハーフトレイシユリンク包装製品につい
ては、シユリンクフイルムが厚紙から成る容器本体から
完全に剥離しにくくて困つているという苦情が、市場か
ら提起されており、このように容器本体にシユリンクフ
イルムが残つていると、この容器本体を構成する厚紙の
再生利用の際に手間がかかるため、再生業者が引き取り
を渋つたり、ごみとして出した場合に不燃物扱いとなつ
て、塵芥収集車が持つて行かないという問題が生じてい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕 上述のような事態に対処して、シユリンク包装の市場へ
のなお一層の浸透を図り、ローコスト生産の一助とすべ
く、現行の包装強度を犠牲にすることなく、廃棄の際に
おけるシユリンクフイルムの剥離のみを容易にする手段
を開発することが、この考案の課題である。

〔課題を解決するための手段〕

上述の課題を解決すべくこの考案は、上述したような段
ボール等の厚紙から成るトレイ状の容器本体上に、被包
装体を、この容器本体の側面に接着縁を形成するシユリ
ンクフイルムで包装するものにおいて、前記容器本体の
長手方向の側面の隅角部の近傍に、前記シユリンクフイ
ルムの接着縁に一部かかるように、剥離案内用の切込み
を設けてなるハーフトレイシユリンク包装体を提案する
ものである。

〔作用〕

前記容器本体の長手方向の側面の隅角部の近傍に設けた
切込みにホツトメルトを線状に塗布し、シユリンクフイ
ルム辺縁部を圧接着し接着縁を構成することにより、こ
のシユリンクフイルムを剥離する際に、前記切込み箇所
を起点となるようシユリンクフイルムをそのまゝ引張る
か、又は切込みを内側から指で押し抜きシユリンクフイ
ルムを引張つて剥離させると、厚紙の表皮部分がシユリ
ンクフイルムに移行して順次剥がれ、容器本体にはシユ
リンクフイルムは残らない。

〔実施例〕

次にこの考案を図示の実施例について説明する。

先ず第１図は段ボール等の厚紙によつてトレイ状に構成
した容器本体１を示し、この考案ではこの容器本体１の
長手方向の側面２の各隅角部３の近傍において、剥離案
内用の切込み４を設けるのであつて、この切込み４の形
状は、この図に示したようなＵ字形のほかに、第２図
（ａ）ないし（ｆ）に示すように横Ｖ字形、馬蹄形、横
コの字形、波形、Ｘ字形、横Ｗ字形をはじめとして種々
考慮される。

次に第３図に示すように、前記容器本体１に適宜被包装
体としての多数の飲料缶５を並べて収容した後、各々の
長手方向側面片側２の切込み４から４へ、一部かかるよ
うにホツトメルトを線状に塗布し、シユリンクフイルム
６を圧接着して接着縁７を形成し（第４図）、その後、
前記シユリンクフイルム６に熱を与えて収縮させ、前記
飲料缶５を、このシユリンクフイルム６によつて、容器
本体１上に位置固定するのである（第５図）。

かようにして得られた包装製品について、飲料缶５を取
り出すために、前記シユリンクフイルム６を剥離させる
際は、前記切込み４の近くでシユリンクフイルム６を引
張るか（第６図（ａ）に矢印Ｆで示す）、又はこのシユ
リンクフイルム６の一部を裂いて内側から前記切込み４
を指で押し出すようにして（第６図（ｂ）に矢印Ｆ′で
示す）シユリンクフイルム６を剥離させると、前記切込
み４の部分がシユリンクフイルム６に付着して厚紙の表
皮部分が剥れ、その後順次この表皮部分がシユリンクフ
イルム６とホツトメルトの圧接着により形成された接着
縁７に付着して、剥離するため、容器本体１にはシユリ
ンクフイルム６が残ることがない。実用上前記接着縁７
は第６図（ａ）（ｂ）に示すように前記切込み４の途中
で終り、この切込み４より隅角部３の方へ延長しないよ
うに形成することが望ましい。なお第４図ないし第６図
において、８は短手方向側面に形成される熱溶着部を示
す。

〔考案の効果〕

この考案によれば、従来の構造にわずかな加工を施こす
のみで、厚紙から成る容器本体からシユリンクフイルム
を残らず剥離させることができるため、再生や廃棄処分
に際して従来問題とされていた点はすべて解決可能であ
り、しかも前記切込みを設けたことによる容器本体の強
度低下は、考慮に価しない程度であるから、この種ハー
フトレイシユリンク包装の使用目的の増進に寄与すると
ころ多大なものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は容器本体の斜視図、第２図（ａ）〜（ｆ）は切
込み種々の形状を例示する図、第３図ないし第５図はシ
ユリンク包装の各段階を示し、第６図（ａ），（ｂ）は
シユリンクフイルム剥離の二つの方法を示す説明図であ
る。 なお図において、 １……容器本体 ２……側面 ３……隅角部 ４……切込み ６……シユリンクフイルム ７……接着縁 ８……熱溶着部 である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】段ボール等の厚紙から成るトレイ状の容器
   本体上に、被包装体を、この容器本体の側面に接着縁を
   形成するシユリンクフイルムで包装するものにおいて、
   前記容器本体の長手方向の側面の隅角部の近傍に、前記
   シユリンクフイルムの接着縁に一部かかるように、剥離
   案内用の切込みを設けてなるハーフトレイシユリンク包
   装体。