JPH07184926A - 手術用顕微鏡 - Google Patents

手術用顕微鏡

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Publication number
JPH07184926A
JPH07184926A JP5337389A JP33738993A JPH07184926A JP H07184926 A JPH07184926 A JP H07184926A JP 5337389 A JP5337389 A JP 5337389A JP 33738993 A JP33738993 A JP 33738993A JP H07184926 A JPH07184926 A JP H07184926A
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JP
Japan
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microscope
switch
arm
link
pressure receiving
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Application number
JP5337389A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Akiyama
宏 秋山
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Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バランスの調整が容易に行える手術用顕微鏡を
提供すること。 【構成】支柱2の上部に一端が枢着されて左右方向に回
動可能なアーム31と、このアームの先端に中間部が枢
支されて上下に回動可能なリンク機構58と、このリン
ク機構を上下方向の回動を任意の位置に固定する固定手
段(BR6)と、リンク機構の一端に連動して上下回動
する顕微鏡30と、この顕微鏡に加わる重力を相殺させ
る相殺力をリンク機構の他端側に加える受圧機構42と
を設けた手術用顕微鏡であって、リンク機構の回動状態
を検知するリミットスイッチA〜Dと、 この検知手段
からの所定信号によって前記固定手段を作動させてリン
ク機構を固定させる演算制御回路70と、リンク機構5
8の固定時に、顕微鏡をリンク機構に対して自由状態に
させて該顕微鏡を移動させて顕微鏡の重量と受圧機構4
2による相殺力との重量バランスを調整するロック装置
64とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回動可能なアームの
先端に中間部が枢支されて上下に回動可能なリンク機構
と、このリンク機構の上下方向の回動を任意の位置に固
定する固定手段と、前記リンク機構の一端に連動して上
下回動する手術用顕微鏡と、この手術用顕微鏡に加わる
重力を相殺させる相殺力をリンク機構の他端側に加える
相殺手段とを設けた手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】手術用顕微鏡は、手術中患者の術部を術
者が拡大観察するために用いられ、術部の各部分を観察
するために顕微鏡の位置決め操作は円滑に行なわれなけ
ればならない。
【0003】かかる手術用顕微鏡は、支柱の上部に水平
方向に回動可能に設けられた第1アームと、この第1ア
ームに水平方向および上下方向に回動可能に設けられた
第2アームと、この第2アームに取り付けられたリンク
機構からなる第3アームと、この第3アームの先端に取
り付けられた顕微鏡とを備え、顕微鏡はリンク機構から
なる第3アームによって3次元的に移動可能となってい
る。
【0004】手術用顕微鏡は、観察している際に術部が
ズレては手術の円滑な進行の妨げとなるので、第1,第
2,第3アームを固定する必要がある。また、手術用顕
微鏡の位置決め操作の際には第1,第2,第3アームは円
滑に動く必要がある。
【0005】そこで、固定,開放が容易に行える電磁ブ
レーキを設けて第1,第2,第3アームの固定や開放を行
っている。また、一つの全解除スイッチの操作で全ての
第1,第2,第3アームの固定や開放を同時に行なって手
術用顕微鏡の固定や移動操作が迅速に行えるようにして
ある。
【0006】全解除スイッチは、顕微鏡を移動操作する
ための操作グリップに設けられており、瞬時接点型で押
している間のみオンする。そして、スイッチを押してい
る間だけ第1,第2,第3アームの固定が解除されるよう
になっている。
【0007】第3アームには、ガススプリングにより顕
微鏡に加わる重力を相殺する相殺力が加えられており、
このガススプリングによる相殺力と顕微鏡に加わる重力
とのバランスを調整するために第3アームの他端にはバ
ランス調整用ハンドルが設けられている。このバランス
調整用ハンドルを操作するとガススプリングによって得
られる相殺力を変化させ、これによってバランスを調整
するものである。
【0008】バランスの調整は、全解除スイッチを操作
して第1,第2,第3アームの固定を解除するとともに、
顕微鏡を移動させて第3アームのバランスを見ながらバ
ランス調整用ハンドルを操作して行う。第3アームのバ
ランス調整は顕微鏡の付属品(TVカメラ,助手用顕微
鏡)を取り付け直す毎に行なうものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような手
術用顕微鏡にあっては、顕微鏡の重力モーメントを相殺
するだけでバランス調整を行うことが難しい。以下、そ
の理由を説明する。
【0010】図25は、1つの回転自由度において顕微
鏡500の重力モーメントとカウンターウエイト501
の重力モーメントのバランスが取れている状態を示す。
式で示すと、 a・W・sinθ=b・W1・sinθ …(1) である。ただし、aは顕微鏡500の重心から回転軸5
02までの距離、bはカウンターウエイト501の重心
から回転軸503までの距離、Wは顕微鏡の重量、W1
はカウンターウエイトの重量、θは顕微鏡500の移動
角度である。
【0011】そして、a・W=b・W1の関係が成立する
ようにbを調整すれば顕微鏡500の移動角度θがどの
ような角度でもバランス状態を維持することができる。
【0012】しかし、図26に示すように、顕微鏡50
0に付属品を取り付けると顕微鏡500の重量はWから
W´になり、重心はGの位置からG´の位置へ移動す
る。また、顕微鏡500の重心G´から回転軸502ま
での距離はaからa´に変化する。
【0013】バランスをとるためにカウンターウエイト
501の重心W1から回転軸503までの距離をbから
b´に変化させてカウンターウエイト501の重力モー
メントを変化させる。この状態を式で示すと、 a´・W´・sin(θ+φ)=b´・W1・sinθ …(2) ただし、φは重力加速度ベクトルと、顕微鏡500の重
心G´と回転軸502とを結ぶ仮想線とのなす角度であ
る。
【0014】(2)式をなり立たせる顕微鏡の移動角θ
は1つしかない。やじろべいが同じ位置でしかバランス
が取れないのと同じ理屈である。
【0015】この状態で顕微鏡500の移動角θがどん
な角度でもバランス状態を維持できるようにするために
は、図27に示すように、顕微鏡500にダミーウエイ
ト510を取り付けてφ=0にするか、あるいは図2
8,29に示すように、カウンターウエイト501を矢
印P方向に移動可能な機構を追加する必要がある。
【0016】図28,29の機構を追加した構成でバラ
ンス状態を式で示すと、 a´・W´・sin(θ+φ)=b´・W1・sin(θ+φ1) ただし、φ1は重力加速度ベクトルと、カウンターウエ
イト501の重心W1と回転軸503とを結ぶ仮想線と
のなす角度である。
【0017】φ=φ1を確保しながらa´・W´=b´・
W1になるようにb´を調整すれば、バランスは完全に
取れるわけである。相殺力が弾性体の場合は、カウンタ
ーウエイトの重心を弾性体による相殺力の力点におきか
えれば同じことである。
【0018】しかし、φ=φ1とa´・W´=b´・W1の
調整は別々に調整することができないので、バランス調
整は2つの要素を同時に調整しなければならず、その調
整は非常に難しく、調整作業は面倒なものになるという
問題があった。
【0019】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、バランスの調整が容易に行える手
術用顕微鏡を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、支柱の上部に一端が枢着され
て左右方向に回動可能なアームと、このアームの先端に
中間部が枢支されて上下に回動可能なリンク機構と、こ
のリンク機構を上下方向の回動を任意の位置に固定する
固定手段と、前記リンク機構の一端に連動して上下回動
する顕微鏡と、この顕微鏡に加わる重力を相殺させる相
殺力をリンク機構の他端側に加える相殺手段とを設けた
手術用顕微鏡であって、前記リンク機構の回動状態を検
知する検知手段と、この検知手段からの所定信号によっ
て前記固定手段を作動させてリンク機構を固定させる制
御手段と、前記リンク機構の固定時に、前記顕微鏡を前
記リンク機構に対して自由状態にさせて該顕微鏡を上下
動させて顕微鏡の重量と前記相殺手段による相殺力との
重量バランスを調整する調整手段とを設けたことを特徴
とする。
【0021】
【実施例】以下、この発明に係る手術用顕微鏡の実施例
を図面に基づいて説明する。
【0022】[第1実施例]図1〜図10は、本発明の手
術用顕微鏡装置の第1実施例を示したものである。
【0023】図1において、1はベース、2はベース1
と一体の支柱(支持ポスト)、3は支柱2に装着された
メインの電源スイッチ、4は支柱2に設けられた粗動用
の可動支柱(可動部)である。この可動支柱4は、支柱
2内に設けられた図示しない電動モータで昇降させられ
る様になっている。尚、この電動モータと可動支柱4は
上下粗動機構を構成している。
【0024】この可動支柱4の上端部には第1アーム6
が可動支柱4の鉛直軸線O1回りに水平回転自在に装着
されていると共に、この可動支柱4の上端部と第1アー
ム6との間には電磁クラッチBR4(固定手段)が介装
されている。この電磁クラッチBR4は、通常は第1ア
ーム6の水平回動をロックしていて、電圧が印加され作
動させられることにより、第1アーム6の水平回動のロ
ックを解除する。しかも、第1アーム6内には照明光源
としてのメタルハライドランプ7が装着されている。
尚、MLSはメタルハライドランプ7のON・OFF用のスイ
ッチである。
【0025】<第2アーム>この第1アーム6の自由端
部には平行リンク機構である第2アーム8が鉛直軸線O
2回りに水平回転自在に装着されている。この第2アー
ム8は、図2(a)に示した如く第1アーム6の自由端部
状に鉛直軸線O2回りに水平回転自在に装着された中空
の支持駒9と、支持駒9に水平軸10a,11aを介し
て上下回動自在に装着されたリンク10,11と、リン
ク10,11の自由端部に10b,11bを介して支持
駒12を有する。この水平軸10a,10b,11a,
11bは互いに平行に設けられ、リンク10,11は互
いに平行に設けられていて、支持駒9,12とリンク1
0,11は平行リンク機構を構成している。
【0026】この支持駒9と第1アーム6の自由端部と
の間には電磁クラッチBR3(固定手段)が介装されて
いる。この電磁クラッチBR3は、通常は第2アーム8
の水平回動をロックしていて、電圧の印加による作動に
より第2アーム8の水平回動ロックを解除する。
【0027】また、支持駒9にはリンク10,11が配
設された側に位置して開口9aが形成され、この支持駒
9には付勢力調整装置13が装着されている。この付勢
力調整装置13は、リンク10とは反対方向に斜め上方
に傾斜させて傾斜軸線O4回りに回転自在に支持駒9に
保持させた送りネジ14と、この送りネジ14の外端部
に装着された操作ツマミ15と、送りネジ14に回転自
在に螺着されたナット部材16を有する。
【0028】このナット部材16とリンク10の中間部
との間には、リンク10をガス圧で上方に回動付勢する
ガススプリング17が斜めに向けて介装されていてる。
17a,17bはガススプリング17をナット部材16
とリンク10にそれぞれ枢着している水平軸である。
【0029】また、リンク10,11間には電磁ロック
機構18が介装されている。この電磁ロック機構18
は、リンク10,11に両端が水平軸19a,19bで
枢着されたリンク19と、リンク10,11に両端が水
平軸20a,20bで枢着されたリンク20と、電磁ク
ラッチBR2(固定手段)を有する。
【0030】この電磁クラッチBR2は、リンク19,
20の中央部に水平軸21a,21bで枢着された第1
クラッチ板21と、水平軸19a,20a間の中央部お
よび19b,20b間の中央部に位置してリンク10,
11に水平軸22a,22bで枢着された第2クラッチ
板22と、第1クラッチ板21に装着されたソレノイド
23と、第1,第2クラッチ板21,22の中央を貫通
するアクチュエータロッド24と、アクチュエータロッ
ド24の先端に一体に設けられた端板25を有する。
【0031】そして、支持駒9に設けられたロック解除
スイッチSW1が設けられていて、このロック解除用の
スイッチSW1を操作する毎に、スイッチSW1からH
レベル信号とLレベル信号が交互に出力される。そし
て、このスイッチSW1を操作してHレベル信号を出力
させると、ソレノイド23に通電することでアクチュエ
ータロッド24がソレノイド23から突出して、端板2
5とソレノイド23とによる第1,第2クラッチ板2
1,22同士の挟持状態を解除するようになっている。
【0032】また、ロック解除スイッチSW1を操作し
てLレベル信号を出力させると、アクチュエータロッド
24がソレノイド23側に図示しないスプリングで変位
させられて、端板25とソレノイド23との間で第1,
第2クラッチ板21,22同士が挟持固定されるように
なっている。尚、図1中、26,27はリンク10,1
1等の部品を覆っているカバーで、カバー26,27は
互いに相対移動可能に重ねられている。
【0033】<第3アーム(支持部)>第2アーム8の
支持駒12には、支持軸28が上方に向けて一体に突設
されている。この支持駒12には第3アームとしての手
術用顕微鏡俯仰装置29を介して顕微鏡30(可動部)
が支持される。
【0034】この顕微鏡30の図示しない照明光学系に
は上述したメタルハライドランプ7からの照明光が光フ
ァイバーFを介して案内されるようになっている。
【0035】また、手術用顕微鏡俯仰装置29は、図
1,図3に示した様に、水平部31aと傾斜部31bか
ら「く」の字状に形成され且つ水平部31aに取付孔3
1cが形成された水平回動アーム31を有する。この水
平回動アーム31は、取付孔31cを支持軸13に嵌合
することにより、支持駒12上に鉛直軸線O3回りに水
平回動可能に保持される。この支持駒12の水平回動ア
ーム31との間には電磁クラッチBR1(固定手段)が
介装されている。この電磁クラッチBR1は、通常水平
回動アーム31の水平回動をロックしていて、電圧印加
による作動により水平回動アーム31の水平回動ロック
を解除する。
【0036】この水平部31aにはガススプリング32
が上方に向けて取り付けられている。このガススプリン
グ32は、シリンダ32a内の圧縮ガスの圧力によりピ
ストンロッド32bが進出する方向に付勢されている。
しかも、このピストンロッド32bの先端には圧力受用
のプレート33が一体に設けられている。
【0037】(スイング,チルト機構)水平回動アーム
31の傾斜部31bには傾斜面31dに対して垂直な支
持軸34が一体に設けられ、この支持軸34にはモータ
収納用のケース35が軸線O5の回りに回転自在に保持
されている。このケース35の内部に収納固定したスイ
ング用のパルスモータ36と支持軸34は電磁クラッチ
BR5を介して断続可能に設けられていると共に、この
ケース35は支持軸34の回りに回転駆動されるように
なっている。このケース35は、電磁クラッチBR5
(固定手段)により支持軸34に対して固定(ロック)
可能に設けられている。この電磁クラッチBR5は、電
圧を印加することによりロックを解除する。
【0038】また、ケース35内にはチルト用のパルス
モータ37が収納固定されている。このパルスモータ3
7には電磁クラッチBR6を介して回転軸38が連動し
ていて、この回転軸38は電磁クラッチBR6の作動に
よりパルスモータ37に対して固定(ロック)可能に設
けられている。この電磁クラッチBR6は、電圧を印加
することによりロックを解除する。
【0039】この電磁クラッチBR6の部分には回転軸
38と一体に回転するるカム38aが設けられ(図7参
照)、カム38aには大径部38cと小径部38dが設
けられている。しかも、ケース35内には、カム38a
の周面に対向させたリミットスイッチA,B,C,D
(検知手段)が固定されている。尚、このリミットスイ
ッチA,B,C,D及びカム38aと同様な構成が、支
持軸34とケース35との間にも設けられている。即
ち、リミットスイッチE,F,G,H(検知手段)とカ
ム38a´が支持軸34とケース35との間にも設けら
れていて、カム38a´はケース35と一体に回動させ
られるようになっている。
【0040】更に、ガススプリング32の軸線が受圧軸
54の軸線と一致している状態では、図7に示すよう
に、リミットスイッチB,C及びF,GがONしてリミッ
トスイッチA,D及びE,HがOFFするようになってい
る。
【0041】このケース35の正面には、図8に示した
様にLED1,LED2,LED3と、各LED1,L
ED2,LED3にそれぞれ対応するモードスイッチM
S1,チルトスイッチMS2,スイングスイッチMS3
と、チルト速度調整用のボリュームBS1と,スイング
調整用のボリュームBS2が装着されている。
【0042】(手術用顕微鏡上下微動機構)また、ケー
ス35の側部には傾斜するアーム板39が固定されてい
る。このアーム板39の上下端部には、互いに平行な回
転軸40,41がそれぞれ軸線O6,O7の回りに回転
自在に保持されている。
【0043】この回転軸40には受圧機構42が装着さ
れ、回転軸41には顕微鏡30を上下に微動させる微動
装置43のケース43aが固定されている。尚、ケース
43aには顕微鏡30の鏡筒30aが上下動自在に保持
されている。
【0044】微動装置43は、図4(b)に示した様に、
顕微鏡30の鏡筒に設けられたラック44と、ケース4
3a内に固定されたパルスモータ45と、パルスモータ
45に連動するギヤ減速機構46と、ギヤ減速機構46
に連動し且つラック44に噛合するピニオン47を有す
る。
【0045】顕微鏡30の鏡筒30aにはスイッチ押圧
用の突起48が図4(a)の如く設けられ、ケース43a
内には突起48の移動軌跡に沿ってリミットスイッチL
S1,LS2,LS3が配設されている。このリミット
スイッチLS1,LS2,LS3は、突起48に押圧さ
れたときに顕微鏡30の移動上限,中央,移動下限をそ
れぞれ検出するようになっている。
【0046】微動装置43のケース43aには、図9に
示した様に、ズーム用のボリュームBS3,可動体物用
のボリュームBS4,フオーカス用のボリュームBS5
が装着されている。また、鏡筒30aの左右には操作レ
バー30b,30bが取り付けられ、操作レバー30
b,30bには全電磁クラッチ固定解除用のスイッチS
W2(全解除スイッチ)と、イニシャルスイッチSW3
が装着されている。
【0047】(チルト,スイング用受圧機構)受圧機構
42は、回転軸40と一体に設けられ且つ回転軸40と
平行にガススプリング32の上方に突出する方形のフレ
ーム49と、回転軸40の軸線方向に移動可能にフレー
ム49のスリット49aに保持されたスライド駒50
と、回転軸40と平行に配設されると共にフレーム49
に回転自在に保持されてスライド駒50を回転軸40の
軸線方向に進退調整する調整ネジ51(図5参照)を有
する。
【0048】51aは調整ネジ51の操作ツマミであ
る。このスライド駒50には、上下に延びる保持孔52
が形成されていると共に、保持孔52の上端に位置して
ネジ保持用のフランジ53が設けられている。
【0049】また、受圧機構42は、上下動自在に且つ
軸回り方向に回転不能に保持孔52内に上部が嵌合され
た受圧軸54と、受圧軸54に螺合され且つフランジ5
3に回転自在に保持された調整ネジ55を有する。
【0050】この受圧軸54の下端には、ガススプリン
グ32のプレート33に当接する球状体54aが一体に
設けられている。また、55aは調整ネジ55の操作ツ
マミ、55bは調整ネジ55と一体のフランジ、55c
は調整ネジ55に設けられた段部、56は段部55cに
当接するフランジ、57はフランジ固定用のナットであ
る。
【0051】(連動機構)上述した回転軸40,41は
リンク機構58を介して連動させられている。
【0052】このリンク機構58では、回転軸40,4
1にリンク59,60の基部を固定し、回転軸38にリ
ンク61の中間部を固定し、リンク59,60の自由端
部にリンク62,63の一端部を回転可能に取り付け、
62,63の他端部をリンク61の両端部に回転自在に
取り付けている。
【0053】リンク63は、分割リンク部材63a,6
3bと、分割リンク部材63a,63bの対向端部間を
連結しているロック装置64(調整手段)を有する(図
6(b)参照)。
【0054】このロック装置64は分割リンク部材63
aとアーム板39に支持軸65a,65bを介して枢着
されたプレート65を有する。このプレート65には、
円弧状のガイドスリット66と、両面側に位置してガイ
ドスリット66内に設けられた溝66a,66bを有す
る。
【0055】また、ロック装置64は、ガイドスリット
66に挿通されたネジ68と、ネジ68に螺着されたロ
ックツマミ69と、ロックツマミ69とプレート65と
の間に配設されたスプリング受け80,81と、スプリ
ング受け80,81間に介装されたスプリング82と、
ネジ68に固定された支持軸67と、支持軸67にリン
ク部材63b回転自在に保持しているベアリング67a
を有する。
【0056】しかも、ネジ68の基部68aは溝66a
に係合させられ、スプリング受け81は溝66b内に配
設されている。そして、ロックツマミ69を操作して、
スプリング受け80とネジ68の基部フランジ68bと
の間でプレート65を挟持させることにより、支持軸6
7がプレート65に固定される。
【0057】<制御回路>上述したスイッチMLS、ス
イッチLS1〜LS3,SW1〜SW3,A〜H,MS
1〜MS3,ボリュームBS1〜BS5等からの信号は
制御部すなわち演算制御回路70(制御手段)に入力さ
れる(図10参照)。ボリュームBS1〜BS5はパル
スモータ37,36,73,74の回転速度を調整するも
のである。また、この演算制御回路70には図1に示し
たフットスイッチ71からの各種操作信号が入力される
ようになっている。
【0058】この演算制御回路70は、LED1,2,
3,電磁クラッチBR1〜BR6,メタルハライドラン
プ7,パルスモータ36,37,45を作動制御するよ
うになっている。また、演算制御回路70は、電動モー
タ72を作動制御して可動支柱4の支柱2に対する伸縮
制御を行うようになっている。
【0059】さらに、演算制御回路70は、顕微鏡30
の可動部である変倍光学系(図示せず)を駆動するパル
スモータ73,顕微鏡30の可動部である対物レンズ
(図示せず)を駆動制御するパルスモータ74等を作動
制御するようになっている。尚、このパルスモータ73
は図示しないスリップ機構を介して変倍光学系を駆動
し、パルスモータ74も図示しないスリップ機構を介し
て対物レンズを駆動するようになっている。
【0060】また、演算制御回路70は、収納用のスイ
ッチ75が操作されたとき、電動モータ72を作動制御
して支柱2に対する可動支柱4を最小に縮小させて、可
動支柱4に装着された第1,2,3アーム6,8,29
等からなる可動部の高さを最小に設定するとともに、微
動装置43のパルスモータ45を作動制御して顕微鏡3
0を最上部まで移動させて微動装置43から下方に突出
する量を最小にするようになっている。尚、この様な収
納用スイッチ75が操作されたときと同様な制御を、電
源スイッチ3がオフさせられたときに行うように設定す
ることもできる。
【0061】<作用>次に、この様な構成の演算制御回
路70による各部の制御動作を図11〜図15のフロー
図を用いて説明する。
【0062】図1に示した電源スイッチ3を投入してON
させた後、スイッチMLSをONさせると、演算制御回路
70はメタルハライドランプ7を点灯制御する。このメ
タルハライドランプ7からの照明光は、光ファイバーF
を介して顕微鏡30の図示しない照明光学系に案内さ
れ、照明光学系の対物レンズから被観察部位に向けて照
射投影される。
【0063】(1)全電磁クラッチのロック解除(図11
参照) ステップS1 また、操作レバー30bに設けたスイッチSW2は、押
圧操作されている間のみHレベル信号を制御回路70に
入力し、押されていないときにはLレベル信号を演算制
御回路70に入力する。この演算制御回路70は、図1
1のステップS1ではスイッチSW2からHレベル信号
が出力されているか否かを判断し、出力されていない場
合にはステップS4に移行し、出力されている場合に
は、ステップS2に移行する。
【0064】ステップS2 このステップS2では出力端子1,2,3,4に電圧を
印加して、ステップS3に移行する。このステップS2
では、電磁クラッチBR1〜BR4を作動させられると
共に電磁クラッチBR5,BR6が作動させられて、装
置各部(関節部分)のロックが解除される。すなわち、
全てのロックが解除される。
【0065】ステップS3 このステップS3では、スイッチSW2からのHレベル
信号があるか否かを判断し、ある場合にはステップS2
に戻ってループし、ない場合すなわちスイッチSW2か
らのLレベル信号があるにはステップs3−1で出力端
子1,2,3,4への電圧印加を停止しステップS1に
戻ってループする。
【0066】(2)第2アームの上下方向重量バランス調
整 また、ガススプリング17のガス圧は、第2アーム8を
上方に回動付勢していて、第2アーム8,第3アームと
しての手術用顕微鏡俯仰装置29及び顕微鏡30等の総
合重量と重力方向の重量バランスを取るように作用させ
るのに用いられている。
【0067】そして、ガススプリング17による付勢力
は図1のガススプリング17の下端部の支持位置すなわ
ちナット部材16の位置を変えることで調整できるよう
になっている。
【0068】ここで、第2アーム8,第3アームとして
の手術用顕微鏡俯仰装置29及び顕微鏡30等の総合重
量とガススプリング17による上方への付勢力とのバラ
ンスが取れていない場合には、そのバランスを取るよう
にする。
【0069】この場合、まず、演算制御回路70により
全ての電磁クラッチBR1〜BR6を作動させて各部に
クラッチ力が作用している状態にさせる。
【0070】ステップS4,5 この状態において、演算制御回路70は、図11のステ
ップS1からステップS4に移行すると、ステップS4
でロック解除用のスイッチSW1からHレベル信号が入
力されたか否かを判断し、スイッチSW1からのHレベ
ルの信号を受けるとステップS5に移行し、出力端子4
に電圧を印加し、ステップS6に移行する。
【0071】そして、ステップS5では、電磁クラッチ
BR2のソレノイド23に通電されて、アクチュエータ
ロッド24がソレノイド23から突出させられ、端板2
5とソレノイド23とによる第1,第2クラッチ板2
1,22同士の挟持状態が解除される。すなわち、第2
アーム8のロックのみが解除される。
【0072】これにより、第1,第2クラッチ板21,
22が相対回転可能となるので、平行リンク機構を構成
するリンク10,11は水平軸10a,11aを中心に
上下回動できる。
【0073】従って、この状態で一方の手で第2アーム
8を上下に回動操作して、重量バランスが取れているか
否かを確認しながら、他方の手で操作ツマミ15を回転
操作することによりナット部材16を送りネジ14に沿
って上下動させる。この際、ガススプリング17からリ
ンク10に作用する付勢力の作用ベクトルが変化して、
ガススプリング17による上下方向の重量バランスが変
化し、この重量バランスの変化が一方の手で確認され
る。
【0074】この様にして重量バランスが取れた後、ス
イッチSW1を操作してLレベル信号を演算制御回路7
0に入力すると、演算制御回路70は出力端子3,4へ
の電圧の印加を停止して、電磁クラッチBR2のソレノ
イド23への通電を停止する。これにより、アクチュエ
ータロッド24がソレノイド23側に図示しないスプリ
ングで変位させられて、端板25とソレノイド23との
間で第1,第2クラッチ板21,22同士が挟持固定さ
れる。すなわち、第2アーム8がロックされる。
【0075】この様に第2アーム8のロックのみが解除
されるので、第2アーム8のバランス調整は行い易く、
従来のように顕微鏡30が思わぬ方向へ移動してしまう
ことがない。
【0076】ステップS6 ステップS5からステップS6に移行すると、ステップ
S6ではHレベル信号の入力があるか否かを判断する。
そして、スイッチSW1からのHレベル信号の入力があ
る場合にステップS5に戻ってループし、Hレベル信号
の入力がない場合にステップS6−1で出力端子4への
電圧印加を停止しステップS1に戻ってループする。
【0077】この実施例では、電磁クラッチBR2のみ
が別個に作動されるが、各電磁クラッチBR1〜BR6
がそれぞれ別個に作動できるようにして、各アーム6,
8,29にそれぞれ別個にバランス調整が行われるよう
にすれば、そのバランス調整は行い易いものとなる。
【0078】(3)手術用顕微鏡のチルトバランス調整
(図12参照) また、顕微鏡30にチルトバランス調整について以下に
説明する。ここで、顕微鏡30の重心Gと回動軸41の
中心線を結ぶ仮想線をOa、回動軸41の中心を通る鉛
直線をOvとすると、後述する数式で用いる記号は、 Wg :顕微鏡30の重量 Wg´:付属品を顕微鏡30に装着したときの顕微鏡3
0と付属 品との総重量 Wf :ガススプリング32の相殺力 La :付属品が装着されていない顕微鏡30の重心G
から回動軸41の中心までの距離 La´:付属品と顕微鏡30の総重量Wg1による重心
G´から回動軸41の中心までの距離 Lb :付属品が顕微鏡30に装着されていない状態で
の回動軸40の中心から受圧軸54の球状部54a中心
までの距離 Lb´:受圧軸54を軸方向に移動調整してLbを変化
させたときの回動軸40の中心から球状部54a中心ま
での距離 θa:受圧軸54が回動軸40の中心を通る鉛直線に対
して傾斜している状態での仮想線OaとOvの為す移動
角度 φa:受圧軸54が鉛直になっている状態での仮想線O
aとOvの為す角度である。
【0079】[1]付属品が顕微鏡30に装着されていな
い場合 そして、付属品が顕微鏡30に装着されていない状態
で、顕微鏡30とガススプリング32とがバランスして
いるとすると、 La・Wg・sinθa=Lb・Wf・sinθa ………(a) の式で表すことができる。
【0080】この付属品が顕微鏡30に装着されていな
い状態では、 La・Wg=Lb・Wf ………(b) の関係が成り立つように、操作ツマミ55aを回動操作
して距離Lbを調整することにより、ガススプリング3
2による相殺力を調整すれば、移動角度θaがどの様に
変化しても、顕微鏡30とガススプリング32による相
殺力がバランスする。
【0081】[2]付属品が顕微鏡30に装着されている
場合 顕微鏡30に付属品を装着すると、顕微鏡30と付属品
による総重量はWgからWg´となり、この総重量Wg
´に基づく重心G´はGから移動することになる。
【0082】この状態で、操作ツマミ55aを回動操作
して距離LbをLb´に調整したとき、顕微鏡30と付
属品との総重量Wg´とガススプリング32による相殺
力との関係は、 La´・Wg´・sin(θa+φa) =Lb´・Wf・sinθa …(c) の式で表すことができる。
【0083】この式から分かるように、移動角度θがど
の様な角度となっても、顕微鏡30と付属品との総重量
Wg´とガススプリング32による相殺力とがバランス
するためには、φaをφa=0にするか、移動角度θa
を一定にした状態で、受圧軸54の鉛直線に対する傾斜
角度φcをφc=φaに調整させる必要がある。
【0084】そして、この調整により、顕微鏡30と付
属品との総重量Wg´とガススプリング32による相殺
力とがバランスしたとすると、 La´・Wg´・sin(θa+φa) =Lb´・Wf・sin(θa+φc) …(d) の式が成り立つことになる。
【0085】この(d)式に基づいて、顕微鏡30と付属
品との総重量Wg´とガススプリング32による相殺力
とのバランスを調整するには、先ず φa=φc ………(e) とした後に、 La´・Wg´=Lb´・Wf ………(f) となるように操作ツマミ55aを回動操作して距離Lb
´を調整すればよいことがわかる。
【0086】この様なバランス調整をするための作用を
以下のステップS10〜19で説明する。
【0087】ステップS10 図12のステップS10においては、モードスイッチM
S1がONされたか否かを判断し、ONされていない場合に
はループし、ONされている場合にはステップS10−1
に移行してLED1を点灯させステップ11に移行す
る。
【0088】ステップS11 このステップS11では、電磁クラッチBR6,BR5
に通電して、電磁クラッチBR6による回転軸38のロ
ックを解除し、回転軸38を自由回転状態にし、電磁ク
ラッチBR5による回転軸ケース35のロックを解除
し、ケース35を自由回転状態にして、ステップS12
に移行する。
【0089】ステップS12 この状態では、操作レバー30bを掴んで顕微鏡30を
上下に回動操作(チルト操作)することにより、回転軸
41が回動させられる。この回転軸41の回動はリンク
機構58のリンク60,63,61,62,59を介し
て回転軸40に伝達されて、受圧機構42が回動軸40
と一体に回動し、受圧機構42の受圧軸54に設けた球
状体54aがガススプリング32のプレート33上を摺
接移動する。この際、ガススプリング32の押圧力は、
受圧機構42及びリンク機構58等を介して顕微鏡30
に作用する。
【0090】また、顕微鏡30のチルト操作に際して、
回転軸38がリンク61と一体に回動して、カム38a
が回動する。
【0091】この回動に伴って、カム38aによりリミ
ットスイッチB,CがONさせられると共にリミットスイ
ッチA,DがOFFさせられると、ステップS13に移行
する。尚、リミットスイッチB,CがONさせられ、リミ
ットスイッチA,DがOFFさせられていない場合には、
ステップS12に戻ってループする。
【0092】ステップS13 ステップS13では、電磁クラッチBR6への通電が停
止されて、回転軸38が電磁クラッチBR6によりロッ
クされた後、ステップS13−1に移行する。この状態
では、受圧機構42の受圧軸54の軸線とガススプリン
グ32の軸線が側面から見て鉛直となる。
【0093】ステップS13−1 ステップS13−1では、操作レバー30bを掴んで顕
微鏡30を左右に回動操作(スイング操作)することに
より、ケース35が支持軸34の回りに回動させられ
る。このケース34の回動は、アーム板39,回転軸4
0を介して受圧機構42に伝達され、受圧機構42の受
圧軸54に設けた球状体54aがガススプリング32の
プレート33上を左右に摺接移動する。この際、ガスス
プリング32の押圧力は、受圧機構42及びリンク機構
58等を介して顕微鏡30に作用する。
【0094】また、顕微鏡30のスイング操作に際し
て、ケース35内のカム38a´がケース35と一体に
回動する。
【0095】この回動に伴って、カム38a´によりリ
ミットスイッチF,GがONさせられると共にリミットス
イッチE,HがOFFさせられると、ステップS13−2
に移行する。尚、リミットスイッチF,GがONさせら
れ、リミットスイッチE,HがOFFさせられていない場
合には、ステップS13−1に戻ってループする。
【0096】ステップS13−2 ステップS13−2では、電磁クラッチBR5への通電
が停止されて、ケース35が電磁クラッチBR5により
支持軸34に対してロックされた後、ステップS13−
3に移行する。この状態では、受圧機構42の受圧軸5
4の軸線とガススプリング32の軸線が正面から見て鉛
直となる。
【0097】ステップS13−3 このステップS13−3では、LED2を点滅させて、
受圧軸54が鉛直になってガススプリング32の軸線と
一致したことを使用者に知らせ、ステップS14に移行
する。
【0098】<上述したφa=φcの調整>この位置
で、リンク63のロックツマミ69を操作してネジ68
および支持軸67のプレート65への固定(ロック)を
解除すると、ネジ68および支持軸67がスリット66
の長手方向に移動させられると共に、顕微鏡30が回転
軸41を中心に自重で回動して、顕微鏡30の重心と回
転軸41の中心とを結ぶ線が鉛直方向を向いて受圧機構
42の受圧軸54の軸線とガススプリング32の軸線を
含む鉛直面と平行になり、上の式(d)におけるφaとφ
cが、(e)のφa=φcの関係を満たした状態となる。
【0099】この状態で、ロックツマミ69を操作して
ネジ68および支持軸67をプレート65に固定(ロッ
ク)することにより、移動角度θが変化してもφa=φ
cの関係が常時満たされる状態となる。
【0100】ステップS14 ステップS14では、チルトスイッチMS2が一定時間
ONされたか否かを判断し、一定時間ONされていない場合
にはループし、一定時間ONされている場合にはステップ
S15に移行する。
【0101】ステップS15 ステップS15では、電磁クラッチBR6に通電され
て、電磁クラッチBR6のロックが解除されるとともに
LED2が点灯させられ、LED3が点滅させられて、
ステップS16に移行する。
【0102】このステップS15の状態では、電磁クラ
ッチBR6によるロックが解除されて、回転軸38が自
由回転し得る状態となっているので、操作レバー30b
を掴んで顕微鏡30を回転軸41を中心に上下回動(チ
ルト操作)させると、この顕微鏡30の上下回動(チル
ト回動)がリンク機構58を介して受圧機構42に伝達
される。
【0103】この際、受圧機構42の受圧軸54に設け
た球状体54aがプレート33上を摺接移動する。この
際、ガススプリング32のガス圧がプレート33,受圧
機構42,リンク機構58等を介して操作レバー30b
に作用することになる。
【0104】ステップS16 このステップS16では、モードスイッチMS3が一定
時間ON操作されたか否かが判断され、一定時間ONされて
いればステップS17に移行し、一定時間ONされていな
ければループする。
【0105】 <上述したLa´・Wg´=Lb´・Wfの調整>この
ループ状態において、操作ツマミ55aを回転操作し
て、受圧軸54を上下に進退調整させると、ガススプリ
ング32の伸長状態が変化させられながら、ガススプリ
ング32から受圧軸54にガス圧が重量相殺力として作
用する。
【0106】従って、顕微鏡30をチルト操作すると共
に、操作ツマミ55aを回転操作しながら、操作レバー
30bの操作力が顕微鏡30の上方への移動操作時と下
方への移動操作時で同じか否かを確認することにより、
チルト方向のバランスが調整されることになる。
【0107】即ち、上述のステップS13−2,13−
3の如くφa=φcとなった状態で、操作ツマミ55a
を回動操作して距離Lb´を調整して、(f)式のLa´
・Wg´=Lb´・Wfの条件が満たされるようにする
ことにより、顕微鏡30と付属品との総重量Wg´とガ
ススプリング32の相殺力とのチルト方向の重量バラン
スが取れた状態となる。
【0108】この様な調整により2つの要素を同時に調
整する必要がないので、バランス調整は容易なものとな
る。
【0109】ステップS17 ステップS17では、先ず、電磁クラッチBR6への通
電が停止されて、回転軸38の回転が電磁クラッチ38
によりロックされると共に、LED2が消灯される。そ
の後、電磁クラッチBR5へ通電されて、電磁クラッチ
BR5によるケース35の支持軸34への固定が解除さ
れ、LED3が点灯させられると共に、LED1が点滅
させられて、ステップS18に移行する。
【0110】このステップS17の状態では、電磁クラ
ッチBR5によるロックが解除されて、ケース35が支
持軸34の回りを自由回転し得る状態となっているの
で、操作レバー30bを掴んで顕微鏡30を支持軸34
を中心に左右回動(スイング操作)させると、この顕微
鏡30の左右回動(スイング回動)がアーム板39介し
て受圧機構42に伝達される。
【0111】この際、受圧機構42の受圧軸54に設け
た球状体54aがプレート33上を左右に摺接移動す
る。この際、ガススプリング32のガス圧がプレート3
3,受圧機構42,リンク機構58等を介して操作レバ
ー30bに作用することになる。
【0112】ステップS18 ステップS18では、スイッチMS1がOFF(LOW)か否
かが判断され、OFFしていなければNOでループし、OFF
していればYESでステップS19に移行する。
【0113】<スイング方向バランス調整>このループ
状態において、操作ツマミ51aを回転操作して、受圧
軸54を左右に移動調整させると、球状体54aがガス
スプリング32のプレート33への当接位置が変更させ
られることになる。この操作は、顕微鏡30を支持軸3
4の回りに回動操作しながら、左右方向への回動操作力
(スイング力)が同じになるようにする。
【0114】上述したようにして、スイング方向及びチ
ルト方向のバランス調整がなされた後、スイッチMS1
を操作すると、上述したようにステップS19に移行す
ることになる。
【0115】ステップS19 ステップS19では、電磁クラッチBR5への通電が停
止されて、ケース35が電磁クラッチBR5により支持
軸34に対してロックされた後、LED3が消灯される
と共に、LED1が消灯されて、ステップS10に戻
る。
【0116】(4)ステップS18の手術用顕微鏡のスイ
ングバランス調整詳細 ステップS17では、電磁クラッチBR6への通電が停
止されて、電磁クラッチBR6により回転軸38がロッ
クされると共に、電磁クラッチBR5に通電されて、電
磁クラッチBR5によるケース35と支持軸34とのロ
ックが解除されて、ケース25が支持軸34を中心に回
動できるようになる。この際、LED3が点灯させられ
て、スイングバランス調整モードに入ったことを知ら
せ、ステップS18に移行してスイッチMS1がONされ
ていなければループするる。
【0117】この状態で、操作レバー30bを操作して
顕微鏡30を左右に回動操作すると、ケース35,アー
ム板39,リンク機構58,受圧機構42等が支持軸3
4を中心に回動(スイング)させられる。
【0118】一方、操作ツマミ51aを回転操作して、
スライド駒50を回転軸40の軸線方向に進退移動調整
することにより、受圧軸54に設けた球状体54aのプ
レート33への接触位置が変化させられて、ケース3
5,アーム板39,リンク機構58,受圧機構42等が
支持軸34を中心に回動(スイング)させときに、ガス
スプリング32から受ける重量相殺力が左方に回動(ス
イング)させたときと右方に回動(スイング)させたと
きで異なってくる。
【0119】従って、操作レバー30bを操作して顕微
鏡30を左右に回動操作しながら、操作ツマミ51aを
回転操作(スイング操作)して、スライド駒50を回転
軸40の軸線方向に進退移動調整し、左方に回動(スイ
ング)させたときと右方に回動(スイング)させたとき
で操作力が同じになるように設定する。
【0120】この設定後、モードスイッチMS1を操作
することで、電磁クラッチBR5への通電が停止され
て、電磁クラッチBR5により支持軸34とケース35
とのロックがなされる。
【0121】(5)イニシャライズ操作(図13参照) 図3(a),(b)における顕微鏡30の操作レバー30bに
は各可動部を初期位置に移動操作するためのイニシャラ
イズ用のスイッチSW3が設けられていて、このスイッ
チSW3の操作により図13のイニシャライズ動作が行
われるようになっている。
【0122】ステップS20,21 演算制御回路70には、リミットスイッチLS1,LS
2,LS3のうちの直前に突起48でON・OFFされたもの
のON・OFF状態を記憶させておく。そして、ステップS2
0でスイッチSW3が押されると、ステップS21へ移
行する。
【0123】このステップS21では、パルスモータ4
5の回転駆動制御を開始して、ピニオン47を減速機構
46を介して回転駆動させ、ステップS22へ移行す
る。
【0124】これにより、顕微鏡30がピニオン47と
ラック44により昇降駆動される。この際、演算制御回
路70は、リミットスイッチLS1,LS2,LS3の
状態から、突起48がリミットスイッチLS2をONする
方向に顕微鏡30を駆動制御させる様に、パルスモータ
45の回転方向を決定する。
【0125】ステップS22 そして、ステップS22では、顕微鏡30の突起48が
リミットスイッチLS2をONさせられたか否かを判断
し、ONさせられた場合にはYESでイニシャライズを終
了し、パルスモータ45を停止させ、ONさせられていな
い場合にはNOでステップS23に移行する。
【0126】ステップS23 ステップS23では、イニシャライズ用のスイッチSW
3が押されて、押された回数が2回目であるか否かを判
断する。このスイッチSW3が押されていなければNO
でステップS22に戻ってループし、顕微鏡30の初期
位置への駆動制御を継続し、スイッチSW3が押されて
ONしたときにはYESでステップS24に移行する。
【0127】ステップS24 ステップS24では、上下粗動のためのイニシャライズ
制御及び顕微鏡30内のズーム光学系のイニシャライズ
制御、可変対物のイニシャライズ制御、可変照明角度機
構(図示せず)制御を開始して、ステップS25に移行
する。
【0128】即ち、ステップS24では、電動モータ7
2を作動制御して可動支柱4の粗動伸縮調整を開始し、
パルスモータ73,74の作動制御を開始して、ステッ
プS25に移行する。
【0129】このモータ72の作動制御により第1アー
ム6から先の部分全体が上下に粗動操作される。
【0130】また、パルスモータ73の作動制御開始に
より顕微鏡30内のズーム光学系の変倍制御動作が行わ
れ、パルスモータ74の作動制御開始により対物レンズ
の移動制御が行われ、この対物レンズの移動制御に伴う
焦点位置(作動距離)すなわち観察位置の移動に連動し
て、可変照明角度機構(図示せず)が作動させられ、照
明装置からの照明光が観察位置を常時照明するようにな
っている。
【0131】尚、可変照明角度機構は、顕微鏡30内に
設けられた照明光源からの光軸の向きを対物レンズの移
動機構に連動させて変化させるようになっている。この
構成には周知の機構が用いられている。
【0132】ステップS25 このステップS25では、上下粗動のためのイニシャラ
イズ制御及び顕微鏡30内の光学系のイニシャライズ制
御が完了したか否かが判断され、完了していない場合に
はNOでステップS26に移行し、完了した場合にはY
ESでイニシャライズを終了する。このステップS25
での判断は以下の如く複数の動作で行われる。
【0133】即ち、このステップS25では、電動モー
タ72の作動制御による可動支柱4の粗動伸縮状態、即
ち、電動モータ72の伸長状態が最大伸長時の半分にな
ったか否かが判断される。
【0134】また、ステップS25では、顕微鏡30内
のズーム光学系が最小倍率までパルスモータ73より作
動制御させられたか否か、対物レンズがパルスモータ7
4により上端まで移動制御させられたか否か等が判断さ
れる。
【0135】この際、パルスモータ73,74が一定時
間(数秒)作動制御させられて停止させられたか否か
で、ズーム光学系が最小倍率になったか否か及び対物レ
ンズが上端まで移動させられたか否かが判断される。そ
して、ズーム光学系及び対物レンズの機械的移動が終端
に達したときにはパルスモータ73,74とズーム光学
系及び対物レンズとの間にそれぞれ介装されたスリップ
機構が作動スリップするようになっている。これによ
り、顕微鏡30内のズーム光学系及び対物レンズの初期
位置への移動制御のための構成がコンパクトになり、顕
微鏡30を大型化しないようになっている。
【0136】ステップS26 このステップS26では、イニシャライズ用のスイッチ
SW3が押されて、スイッチSW3の押された回数が3
回目になったか否かが判断され、YESであればイニシ
ャライズ途中でも終了し、NOであればステップS24
に戻って、イニシャライズ動作を継続し、YESであれ
ばステップS27に移行する。
【0137】イニシャライズ制御のときは、各パルスモ
ータ73,74は最大速度で回転して、各可動部を最大
速度で初期位置へ移動させるようになっている。
【0138】このように、イニシャライズ用のスイッチ
SW3の操作によって、顕微鏡30の照明位置,ズーム
光学系の倍率,対物レンズの移動位置等が初期位置に移
動されるので、従来のように術者がそれらを観察しやす
い位置へ移動させる操作を行う必要がなくなり、この結
果、手術を迅速に行うことが可能となり、使い勝手のよ
いものとなる。
【0139】上記実施例では、イニシャライズ用のスイ
ッチSW3を使用して各可動部を初期位置へ移動させて
いるが、電源スイッチを投入した際に各可動部を初期位
置へ移動させてもよい。また、ピストンロッド5,第1,
第2,第3アーム6,8,29も初期位置へ移動するよう
にしてもよい。
【0140】手術終了後に収納スイッチ75をオンにす
ると、演算制御回路70は、電動モータ72を作動制御
して支柱2の可動支柱4を最小に縮小させて、可動支柱
4に装着された第1,2,3アーム6,8,29等から
なる可動部の高さを最小にしするとともに、微動装置4
3のパルスモータ45を作動制御して顕微鏡30を最上
部まで移動させるので、微動装置43から下方に突出す
る量を最小にする。この結果、移動や収納する際に顕微
鏡30が邪魔とならない。
【0141】尚、手術終了後に電源スイッチをOFFした
ときに、電動モータ72を作動制御して支柱2の可動支
柱4を最小に縮小させて、可動支柱4に装着された第
1,2,3アーム6,8,29等からなる可動部の高さ
を最小にしするとともに、微動装置43のパルスモータ
45を作動制御して顕微鏡30を最上部まで移動させる
ので、微動装置43から下方に突出する量を最小にする
ように演算制御回路70により制御させることもでき
る。
【0142】ステップS27 このステップでは、電動モータ72を作動停止させて可
動支柱4の伸縮を停止させると共に、パルスモータ7
3,74の作動を停止させてイニシャライズを終了す
る。
【0143】尚、パルスモータ73の作動停止により顕
微鏡30内のズーム光学系の変倍制御動作が停止され、
パルスモータ74の作動停止により対物レンズの移動が
停止させられ、可変照明角度機構(図示せず)の作動が
停止させられる。
【0144】[第2実施例]図14,15は、第1実施例
における(5)のイニシャライズ制御の他の例を示したも
のである。
【0145】本実施例では、図3(a),(b)における顕微
鏡30の操作レバー30bに設けたスイッチSW3の操
作により図14,15のイニシャライズ動作が行われる
ようになっている。
【0146】ステップS30,31 演算制御回路70には、リミットスイッチLS1,LS
2,LS3のうちの直前に突起48でON・OFFされたもの
のON・OFF状態を記憶させておく。そして、ステップS3
0でスイッチSW1が押されると、ステップS31へ移
行する。
【0147】このステップS31では、パルスモータ4
5の回転駆動制御を開始して、ピニオン47を減速機構
46を介して回転駆動させ、ステップS32へ移行す
る。
【0148】これにより、顕微鏡30がピニオン47と
ラック44により昇降駆動される。この際、演算制御回
路70は、リミットスイッチLS1,LS2,LS3の
状態から、突起48がリミットスイッチLS2をONする
方向に顕微鏡30を駆動制御させる様に、パルスモータ
45の回転方向を決定する。
【0149】ステップS32 そして、ステップS32では、顕微鏡30の突起48が
リミットスイッチLS2をONさせられたか否かを判断
し、ONさせられた場合にはYESでイニシャライズを終
了し、パルスモータ45を停止させ、ONさせられていな
い場合にはNOでステップS33に移行する。
【0150】ステップS33 ステップS33では、イニシャライズ用のスイッチSW
3が押されて、押された回数が2回目であるか否かを判
断する。このスイッチSW3が押されていなければNO
でステップS32に戻ってループし、顕微鏡30の初期
位置への駆動制御を継続し、スイッチSW3が押されて
ONしたときにはYESでステップS34に移行する。
【0151】ステップS34 このステップS34では、パルスモータ73の作動制御
を開始して、顕微鏡30内のズーム光学系の変倍制御動
作をし、ステップS35に移行する。
【0152】ステップS35 このステップS35では、顕微鏡30内のズーム光学系
が最小倍率(初期位置)までパルスモータ73より作動
制御させられたか否か判断され、初期位置まで作動制御
されてYESであれば制御を終了し、初期位置まで制御
されていなければNOでステップS36に移行する。
【0153】この際、パルスモータ73が一定時間(数
秒)作動制御させられて停止させられたか否かで、ズー
ム光学系が最小倍率になったか否かが判断される。そし
て、ズーム光学系の機械的移動が終端に達したときには
パルスモータ73とズーム光学系との間に介装されたス
リップ機構が作動スリップする。
【0154】ステップS36 ステップS36では、イニシャライズ用のスイッチSW
3が押されて、押された回数が3回目であるか否かを判
断する。このスイッチSW3が押されていなければNO
でステップS35に戻ってループし、顕微鏡30のズー
ム光学系の初期位置への駆動制御を継続し、スイッチS
W3が押されてONしたときにはYESで図15のステッ
プS37に移行する。
【0155】ステップS37 ステップS37では、電動モータ72を作動制御して可
動支柱4の粗動伸縮調整を開始し、パルスモータ36,
37の作動制御を開始して、ステップS38に移行す
る。
【0156】この可動支柱4の作動制御により第1アー
ム6から先の部分全体が上下に粗動操作される。
【0157】また、パルスモータ36の作動制御によ
り、ケース35が支持軸34の回りに回動制御され、ア
ーム板35を介して顕微鏡30が左右にスイングさせら
れ、顕微鏡30の観察部位が左右に移動させられる。
【0158】更に、パルスモータ37の作動制御によ
り、回転軸38が回動制御されてリンク機構58が駆動
操作され、顕微鏡30がリンク機構58を介してパルス
モータ37により微動チルト操作され、顕微鏡30の観
察部位が前後に移動させられる。
【0159】ステップS38 ステップS38では、上下粗動のためのイニシャライズ
制御、スイング微動,チルト微動イニシャライズが完了
したか否かが判断され、完了していない場合にはNOで
ステップS39に移行し、完了した場合にはYESでイ
ニシャライズを終了する。このステップS38での判断
は以下の如く複数の動作で行われる。
【0160】即ち、このステップS38では、電動モー
タ72の作動制御による可動支柱4の粗動伸縮状態、即
ち、可動支柱4の伸長状態が最大伸長時の半分になった
か否かが判断される。
【0161】また、ステップS38では、顕微鏡30の
光学系観察部位が初期位置である左右の中央に移動させ
られたか否かが判断され、位置が初期位置である左右の
中央に移動させられたと判断したときにはパルスモータ
36が停止させられる。
【0162】この停止位置はカム38aとリミットスイ
ッチE〜Hで検出させる。即ち、電磁クラッチBR5の
回転部にカムを設けると共に、このカムによりON・OFFさ
せられるリミットスイッチをケース35内に設けておい
て、このカムによりリミットスイッチがONさせられる位
置を「顕微鏡30の光学系観察部位を初期位置である左
右の中央」となるように設定し、このリミットスイッチ
がONさせられたときにパルスモータ36を停止させる。
【0163】更に、ステップS38では、顕微鏡30の
光学系観察部位が初期位置である前後の中央に移動させ
られたか否かが判断され、位置が初期位置である前後の
中央に移動させられたと判断したときにはパルスモータ
37が停止させられる。
【0164】この停止位置はカムとリミットスイッチ等
で検出させる。即ち、電磁クラッチBR6のカム38a
とリミットスイッチA〜Dにより、「顕微鏡30の光学
系観察部位初期位置である前後の中央」を検出させる。
【0165】ステップS39 ステップS39では、イニシャライズ用のスイッチSW
3が押されて、押された回数が4回目であるか否かを判
断する。このスイッチSW3が押されていなければNO
でステップS38に戻ってループし、スイッチSW3が
押されてONしたときにはYESでステップS40に移行
する。
【0166】ステップS40 ステップS34では、顕微鏡30内の光学系の対物レン
ズのイニシャライズ制御を開始して、ステップS41に
移行する。即ち、ステップS24では、パルスモータ7
4の作動制御を開始して、ステップS41に移行する。
このパルスモータ74の作動制御開始により対物レンズ
の移動制御が行われる。
【0167】ステップS41 ステップS41では、顕微鏡30内の対物レンズがパル
スモータ74により上端まで移動制御させられたか否か
等が判断される。
【0168】この際、パルスモータ74が一定時間(数
秒)作動制御させられて停止させられたか否かで、対物
レンズが上端まで移動させられたか否かが判断される。
そして、対物レンズの機械的移動が終端に達したときに
はパルスモータ74と対物レンズとの間に介装されたス
リップ機構が作動スリップするようになっている。
【0169】ステップS42 ステップS42では、イニシャライズ用のスイッチSW
3が押されて、押された回数が5回目であるか否かを判
断する。このスイッチSW3が押されていなければNO
でステップS41に戻ってループし、顕微鏡30の対物
レンズの初期位置への駆動制御を継続し、スイッチSW
3が押されてONしたときにはYESでステップS43に
移行する。
【0170】ステップS43 このステップでは、電動モータ72を作動を停止して可
動支柱4の粗動伸縮調整を停止し、パルスモータ36,
37の作動を停止してイニシャライズを終了する。
【0171】また、パルスモータ36の作動停止、ケー
ス35が支持軸34の回りの回動が停止され、パルスモ
ータ37の作動停止により、回転軸38の回動が停止さ
れてリンク機構58の作動が停止され、顕微鏡30の回
転軸41回りの微動回動(微動チルト動作)が停止され
る。
【0172】上記実施例では、スイッチSW3を押す毎
に選択される可動部を1つづつ順番に切り替ているが、
例えば複数の可動部のうちいくつかを組み合わせた組を
順番に選択していくようにしてもよい。
【0173】[第3実施例]図16,17は、この発明の
他の実施例を示したものである。本実施例において第1
実施例と同じ部材または類似する部材には第1実施例と
同じ符号を付してその説明を省略する。
【0174】本実施例でも、第1実施例と同様に、第2
アーム8の支持駒12に支持軸100を水平回転自在に
保持させ、この支持駒12と支持軸100との間に電磁
クラッチBR1を介装している構成となる(図示略)。
【0175】この支持軸100には支持部材101が一
体に設けられている。この支持部材101は、一端部近
傍の部分に支持軸100が固着された水平支持部101
aと、水平部101aの略中央から下方に突出する垂直
支持部101bから略T字状に形成されている。
【0176】この水平支持部101aの他端部には、下
方に向けて上述したガススプリング32が装着されてい
る。
【0177】しかも、垂直支持部101bには、この垂
直支持部101bを貫通し、かつ、軸線Oをガススプリ
ング32の軸線と直交する支持軸102の中間部が固定
されている。この支持軸102の両端部には、ケース3
5のスイッチケース部35aとクラッチケース部35b
がそれぞれ回転自在に保持されている。
【0178】このケース35のスイッチケース部35a
とクラッチケース部35bには、中心線が支持軸102
の軸線Oと同軸の水平支持部材105,106の基端部
がそれぞれ固定されている。
【0179】支持軸102の一端部にはスイッチケース
部35a内に配設したカム板38a´が固定され、スイ
ッチケース部35a内には図7に示したカム板38a´
の周縁に対向してリミットスイッチE,F,G,Hが装
着されている。
【0180】また、支持軸102の他端部とクラッチケ
ース部35bとの間には電磁クラッチBR5が介装さ
れ、このクラッチケース部35bには回転軸38が第1
実施例と同様に装着されている。また、この回転軸38
とクラッチケース部35bとの間には電磁クラッチBR
6が介装されている。この回転軸38にはカム板38a
が固定され、クラッチケース部35bにはカム板38a
に対応してリミットスイッチA,B,C,Dが装着され
ている。このカム板38a,38a´リミットスイッチ
A〜Hの装着位置や作用は第1実施例と同じに設定して
ある。また、回転軸38にはリンク61が固定されてい
る。
【0181】水平支持部材105の先端部には第1実施
例における回転軸40が回転自在に保持され、この回転
軸40には受圧機構42及びリンク59が装着されてい
る。また、水平支持軸106の中間にはリンク107が
枢軸108を介して枢着され、水平支持軸106の他端
部には支持駒103が軸109を介して枢着されてい
る。
【0182】また、リンク59,107の自由端部には
リンク110が回動自在に連結され、リンク110の中
間部にはリンク61の自由端部が回転自在に連結され、
支持駒103にはリンク111の一端が枢軸111aに
より回動自在に装着され、リンク111の自由端部とリ
ンク107の他端部との間には第1実施例におけるロッ
ク装置64が介装されている。
【0183】支持駒103には図17(a),(b)に示した
如く水平支持部材106と同軸の支持軸104が固定さ
れ、支持軸104には微動装置43のケース43aがベ
アリング112を介して左右にスイング回動可能に装着
されている。また、このケース43aには、先端が支持
軸104の係合溝104aに係合する固定ネジ113が
螺着されている。
【0184】本実施例でも、先ず、電磁クラッチBR5
によるケース35の支持軸102に対するロックを解除
させると共に、電磁クラッチBR6による回転軸38の
ケース35に対するロックを解除させる。
【0185】この後、顕微鏡30を枢軸109回りに上
下回動(チルト回動)操作して、受圧軸54が側面から
見て鉛直になったのをカム板38aとリミットスイッチ
A〜Dで検出させ、電磁クラッチBR6により回転軸3
8をケース35に対してロックさせ、顕微鏡30を支持
軸102の回りに左右回動(スイング回動)操作して、
受圧軸54が正面から見て鉛直になったのをカム板38
a´とリミットスイッチE〜Hで検出させ、電磁クラッ
チBR5によりケース35を支持軸102に対してロッ
クさせる。
【0186】この状態で、ロック装置64(図6参照)
のネジ68,支持軸67のプレート65に対するロック
を解除することにより、ネジ68,支持軸67をスリッ
ト66に沿う方向にフリーにして、顕微鏡30を自重に
より下方(チルト方向)に回動させて、顕微鏡30の重
心と枢軸109の中心を結ぶ線を側面から見て受圧軸5
4の軸線と一致させる。この後、ロック装置64のロッ
クを行って、ネジ68,支持軸67をプレート65に対
してロックさせる。
【0187】一方、固定ネジ113による支持軸112
とケース43とのロックを解除して、顕微鏡30を自重
により支持軸112の回りに左右回動(スイング回動)
させて、顕微鏡30の重心と支持軸112の中心を結ぶ
線を正面から見て受圧軸54の軸線と一致させる。この
後、固定ネジ113によりケース43を支持軸112に
固定する。
【0188】この状態で、第1実施例と同様に、電磁ク
ラッチBR6のロックを解除して、受圧機構42の操作
ツマミ55aを回転操作しながら顕微鏡30を枢軸10
9回りに回動操作(チルト操作)して、回動操作力が一
定となるようにすることにより、チルト方向(枢軸10
9回り)の重量バランスを調整した後、電磁クラッチB
R6をロックする。この顕微鏡30のチルト操作に際し
て、顕微鏡30の回動は、支持駒103,リンク11
1,ロック装置64,リンク107,59を介して受圧
軸54に伝達され、受圧軸54の球状体54aがガスス
プリング32のプレート33に対して前後に摺接移動す
ることになる。
【0189】この様にして、顕微鏡30の重量とガスス
プリング32による相殺力とのバランスが取れた後は、
電磁クラッチBR5,BR6のロックを解除して、顕微
鏡30をチルト方向及びスイング方向に回動操作して
も、その回動角度にかかわらず一定の軽い操作力で顕微
鏡30を回動操作することができることになる。
【0190】尚、本実施例における支持軸112を第1
実施例の回転軸41に設けて、この支持軸112にケー
ス43を本実施例と同様に支持させることにより、第1
実施例でもスイング方向の自重による角度設定を行うこ
とができる。この際、受圧機構42の左右移動は不用と
なる。
【0191】[第4実施例]図18,19は、この発明の
第4実施例を示したものである。本実施例は、第3実施
例におけるロック装置64を省略して、微動装置43の
ケース43aとリンク59とをリンク110で直接連結
すると共に、受圧機構120を設けた例を示したもので
ある。
【0192】この受圧機構120は、リンク59´と一
体に設けられて調整機構121と、この調整機構121
に固定された第1実施例の受圧機構42から構成されて
いる。尚、水平支持軸105にはリンク59´が回動自
在に装着され、リンク59´の自由端部にはリンク11
0´の一端部が回転自在に保持され、リンク110´の
中間部にはリンク61の自由端部が回動可能に連結され
ている。
【0193】また、調整機構121は、、リンク110
´が延びる方向に水平に延び且つリンク59´に固定さ
れた方形のフレーム122と、フレーム122の長手方
向に延びるスリット122aと、フレーム122に回転
自在に保持され且つスリット122a内に水平に配設さ
れた調整ネジ123と、調整ネジの操作ツマミ123a
を有する。
【0194】そして、上述した第1実施例における受圧
機構42のフレーム49がスリット122aに沿って移
動可能にスリット122a保持されていると共に、受圧
機構42が操作ツマミ123aで回転操作される調整ネ
ジ123によりスリット122aの長手方向に移動調整
されるようになっている。
【0195】この構成では、電磁クラッチBR6による
回転軸38のロックのみを解除して、回転軸38をフリ
ーにする。この状態で顕微鏡30には、顕微鏡30の自
重による枢軸108回りの下向き回動モーメントと、リ
ンク110,支持駒103を介して顕微鏡30に作用す
るガススプリング32のガス圧による上向き回動モーメ
ント(相殺力)とが作用する。
【0196】そして、この状態で顕微鏡30を回転軸4
1の回りに上下回動(チルト操作)させて、上下方向で
の回動操作力(チルト操作力)が一定となるようにバラ
ンスを確認しながら、操作ツマミ55a及び操作ツマミ
123aを回動操作することにより、受圧軸54のプレ
ート33側への突出長さを調整すると共に受圧軸54の
球状体54aのプレート33への前後方向への当接位置
を調整する。
【0197】この後、電磁クラッチBR6への通電を停
止して電磁クラッチBR6をロックする一方、 電磁ク
ラッチBR5に通電して電磁クラッチBR5をフリーに
する。この状態で、操作ツマミ51aを回転操作して、
受圧軸54を左右に移動調整させると、球状体54aが
ガススプリング32のプレート33への当接位置が変更
させられることになる。この操作は、顕微鏡30を支持
軸34の回りに回動操作しながら、左右方向への回動操
作力(スイング力)が同じになるようにする。
【0198】この調整が終了後に、電磁クラッチBR5
への通電を停止して電磁クラッチBR5をロックし、バ
ランス調整を終了する。
【0199】[第5実施例]図20,21はこの発明の第
5実施例を示したものである。
【0200】<構成>本実施例は、各関節に電磁クラッ
チを設けた支持機構に手術用顕微鏡を支持させて、複数
の電磁クラッチの一つによる関節のロックをそれぞれ別
個に解除して、このフリーになった関節回りのバランス
調整をさせるようにした例を示したものである。
【0201】図20において、200はベース、201
はベース201に植立固定された筒状の固定支柱、20
2は下端部が支柱201内に上下動可能に嵌合された可
動支柱、201aは可動支柱202を固定支柱201に
固定する固定ネジである。
【0202】この可動支柱202には水平回動可能に支
持部材202aが装着され、この支持部材202aには
第1アーム203の中間部が水平軸線P1回りに回動可
能に装着され、第1アーム203の一端部には第1カウ
ンターウエイト204が長手方向に移動調整可能に装着
されている。
【0203】BA1は第1アーム203を可動支柱20
2に対して任意の角度でロックする第1の電磁クラッチ
(固定手段)、BA5は支持部材202aを可動支柱2
02に対して任意の角度ででロックする電磁クラッチ
(固定手段)である。
【0204】第1アーム203の他端部には支持部材2
03aが水平軸線P2回りに回動可能に装着され、支持
部材203aにはアーム205の中間部が軸線P3回り
に回動可能に保持され、第2アーム205の一端部には
第2カウンターウエイト206が長手方向に移動調整可
能に装着され、第2アーム205の他端部には平行リン
ク機構LKの一端側が装着されている。
【0205】そして、第1アーム203と支持部材20
3aとの間にはこれらを任意の角度でロックする第2の
電磁クラッチBA2(固定手段)が介装され、支持部材
203aと第2アーム205との間にはこれらを任意の
角度でロックする電磁クラッチBA3(固定手段)が介
装されている。
【0206】上述の平行リンク機構LKは、鉛直面内で
回動するように一端が第2アーム205の他端部に装着
されたリンク207,208と、鉛直面内で回動するよ
うに一端部側がリンク207,208の自由端部に回動
可能に装着されたリンク209と,鉛直面内で回動する
ように一端部がリンク208に回動可能に装着されたリ
ンク210と、鉛直面内で回動するようにリンク20
8,210の他端部に装着されたリンク211を有す
る。
【0207】このリンク207,208,211は互い
に平行に設けられ、リンク209,210は互いに平行
に設けられている。図中、Q1〜Q7は各リンク207
〜211を回動可能に結合している枢軸すなわち関節で
ある。そして、リンク207と第2アーム205との間
にはリンク207を第2アーム205に任意の角度でロ
ックする第3の電磁クラッチBA4(固定手段)であ
る。
【0208】上記平行リンク機構LKのリンク211の
下端部には第3カウンターウエイト212が上下移動調
整可能に装着され、この第3カウンターウエイト212
の下部には球継手212を介して顕微鏡30が装着され
ている。
【0209】この球継手213は、第3カウンターウエ
イト212と一体の支持軸214に設けられた球状体2
15と、顕微鏡30に一体に設けられた支持軸216
と、支持軸216の上端に設けられ且つ球状体215を
回動可能に保持する球ソケット217と、球ソケット2
17を球状体215に固定する固定ネジ218を有す
る。
【0210】上述した電磁クラッチBA1〜BA5(固
定手段)は、通電時にロックを解除するようになってい
て、演算制御回路70により制御されるようになってい
る。また、この演算制御回路70には、スイッチSW1
〜SW5からのON信号およ操作用全ロック解除スイッチ
AFSからのON信号が入力されるようになっている。
【0211】そして、この演算制御回路70は、スイッ
チSW1からのON信号を受けて、電磁クラッチBA1〜
BA5に通電して、電磁クラッチBA1〜BA5のロッ
クを解除する様になっている。
【0212】また、演算制御回路70は、スイッチSW
2からの操作信号を受けて電磁クラッチBA1〜BA4
のロックを個別に解除できるようになっている。しか
も、電磁クラッチBA1には可動支柱2に対するアーム
203の角度が45゜になったときONさせられる検出ス
イッチLSW1が設けられ、電磁クラッチBA2にはア
ーム203,205同士の角度が45゜になったときON
させられる検出スイッチLSW2が設けられ、電磁クラ
ッチBA3には枢軸Q1が水平になったときONさせられ
る検出スイッチLSW3が設けられ、電磁クラッチBA
4にはアーム205とリンク207が直角になったとき
ONさせられる検出スイッチLSW4が設けられている。
そして、検出スイッチLSW1〜LSW4からの信号は
演算制御回路70に入力される。
【0213】<作用>この演算制御回路70の制御動作
を図22,23を用いて説明する。
【0214】ステップS51 図示しない電源スイッチをONすると、ステップS51で
スイッチSW1がONさせられたか否かが判断され、ONさ
れていなければNOでループし、ONさせられていればY
ESでステップS52に移行する。
【0215】ステップS2 このステップS52では、電磁クラッチBA1〜BA5
をフリー(ロック解除状態)にして、ステップS53に
移行する。
【0216】ステップS53 ステップS53では、第2アーム205とリンク207
とが直角になったか否か、即ち検出スイッチLSW4か
らのON信号があるか否かを判断し、なければNOでルー
プし、あればONでステップS54に移行する。
【0217】従って、このステップでループしている間
に、顕微鏡30を上下に回動移動操作して、平行リンク
機構LKの各リンク207〜211同士を各関節すなわ
ち枢軸Q1〜Q7を中心に回動操作することにより、第
2アーム205とリンク207とが直角にすると、検出
スイッチLSW4からのON信号が演算制御回路70に入
力されて、ステップS54に移行する。
【0218】ステップS54 このステップS54では、電磁クラッチBA4をロック
して、ステップS55に移行する。
【0219】ステップS55 ステップS55では、枢軸Q1水平になったか否か、即
ち検出スイッチLSW3からのON信号があるか否かを判
断し、なければNOでループし、あればONでステップS
56に移行する。
【0220】従って、このステップでループしている間
に、顕微鏡30を第2アーム5の軸線回りに回動操作し
て、枢軸Q1を第2アーム205の軸線回りに回動操作
することにより、枢軸Q1を水平にすると、検出スイッ
チLSW3からのON信号が演算制御回路70に入力され
て、ステップS56に移行する。尚、この際、第2アー
ム205とリンク207が直角に固定された状態で操作
される。
【0221】ステップS56 このステップS56では、電磁クラッチBA3をロック
して、ステップS57に移行する。
【0222】ステップS57 ステップS57では、アーム203,205同士の角度
が45゜になったか否か、即ち検出スイッチLSW2か
らのON信号があるか否かを判断し、なければNOでルー
プし、あればONでステップS58に移行する。
【0223】従って、このステップでループしている間
に、顕微鏡30を上下操作して、第2アーム205を軸
線P2回りに回動操作して、枢軸Q1を第2アーム20
5の軸線回りに回動操作することにより、アーム20
3,205同士の角度が45゜になると、検出スイッチ
LSW2からのON信号が演算制御回路70に入力され
て、ステップS58に移行する。
【0224】ステップS58 このステップS58では、電磁クラッチBA2をロック
して、ステップS59に移行する。
【0225】ステップS59 ステップS59では、可動支柱202に対するアーム2
03の角度が45゜になったか否か、即ち検出スイッチ
LSW1からのON信号があるか否かを判断し、なければ
NOでループし、あればONでステップS60に移行す
る。
【0226】従って、このステップでループしている間
に、顕微鏡30を上下操作して、リンク機構LK,第1
アーム203,第2アーム205を軸線P1回りに回動
操作することにより、可動支柱202に対するアーム2
03の角度が45゜になると、検出スイッチLSW1か
らのON信号が演算制御回路70に入力されて、ステップ
S60に移行する。
【0227】ステップS60 このステップS60では、電磁クラッチBA1をロック
して、ステップS61に移行する。
【0228】ステップS61 ステップS61では、スイッチSW2が押されて1回目
にONさせられたか否かが判断され、押されていなければ
NOでループし、押されていればYESでステップS6
2に移行する。
【0229】従って、このステップS61でループして
いる間に、固定ネジ218を操作して、球ソケット21
7を球状体215に対して自由状態にして、付属品を取
り付けた顕微鏡30が球継手213を中心に回動させ
る。これにより、付属品と手術用顕微鏡とによる総重量
の重心Gが回転軸OxとOyの交点真下、即ち球状体2
15の中心の真下のG´に移動させられる。そして、こ
の位置で固定ネジ218により球ソケット217を球状
体215に対して固定する。この後、スイッチSW1を
押してONさせるとステップS62に移行する。
【0230】ステップS62 ステップS62では、電磁クラッチBA1〜BA3,B
A5をロックして、電磁クラッチBA4のみをフリーに
して、ステップS63に移行する。
【0231】ステップS63 ステップS63では、スイッチSW1が押されて2回目
にONさせられたか否かが判断され、押されていなければ
NOでループし、押されていればYESでステップS6
4に移行する。
【0232】従って、このステップS63でループして
いる間に、第3カウンターウエイト212を回動操作し
て上下方向に移動調整し、付属品と顕微鏡30の総重量
によるQ1と平行な回転軸についてのバランス調整を行
う。この後、スイッチSW1を押してONさせると、2回
目のON信号が演算制御回路70に入力されて、ステップ
S64に移行する。
【0233】ステップS64 ステップS64では、電磁クラッチBA1,BA3〜B
A5をロックして、電磁クラッチBA2のみをフリーに
して、ステップS65に移行する。
【0234】ステップS65 ステップS65では、スイッチSW1が押されて3回目
にONさせられたか否かが判断され、押されていなければ
NOでループし、押されていればYESでステップS6
6に移行する。
【0235】従って、このステップS65でループして
いる間に、第2カウンターウエイト206を第2アーム
205の長手方向に移動調整して、付属品と顕微鏡30
の総重量と第2カウンターウエイト206とのP2軸に
付いての重量バランスを調整する。この後、スイッチS
W1を押してONさせると、3回目のON信号が演算制御回
路70に入力されて、ステップS66に移行する。
【0236】ステップS66 ステップS66では、電磁クラッチBA2〜BA5をロ
ックして、電磁クラッチBA1のみをフリーにして、ス
テップS67に移行する。
【0237】ステップS67 ステップS67では、スイッチSW1がOFFさせられた
か否かが判断され、OFFされていなければNOでループ
し、OFFされていれば終了する。
【0238】従って、このステップS67でループして
いる間に、第1カウンターウエイト204を第1アーム
203の長手方向に移動調整して、付属品と顕微鏡30
の総重量と第1カウンターウエイト204による相殺力
とのp1軸についてのバランス調整をする。
【0239】この後、スイッチSW1を押してOFFさせ
ると調整が終了する。
【0240】[第6実施例]図24はこの発明の第5実施
例を示したものである。本実施例は、第5実施例におけ
るステップS61〜ステップS67の他の例を示したも
のである。上述した実施例では、スイッチSW2のON操
作回数を検知して、電磁クラッチBA1,3,4をそれ
ぞれ個々にフリーにさせるようにした例を示したが、必
ずしもこれに限定されるものではなく、以下のようにし
てもよい。
【0241】ステップS71 ステップS71では、スイッチSW2が押されてONさせ
られたか否かが判断され、押されていなければNOでル
ープし、押されていればYESでステップS72に移行
する。
【0242】従って、このステップS71でループして
いる間に、固定ネジ218を操作して、球ソケット21
7を球状体215に対して自由状態にして、付属品を取
り付けた顕微鏡30が球継手213を中心に回動させ
る。これにより、付属品と手術用顕微鏡とによる総重量
の重心Gが回転軸OxとOyの交点真下、即ち球状体2
15の中心の真下のG´に移動させられる。そして、こ
の位置で固定ネジ218により球ソケット217を球状
体215に対して固定する。この後、スイッチSW2を
押してONさせるとステップS72に移行する。
【0243】ステップS72 ステップS72では、電磁クラッチBA1〜BA3,B
A5をロックして、電磁クラッチBA4のみをフリーに
して、ステップS73に移行する。
【0244】ステップS73 ステップS73では、スイッチSW3が押されてONさせ
られたか否かが判断され、押されていなければNOでル
ープし、押されていればYESでステップS74に移行
する。
【0245】従って、このステップS73でループして
いる間に、第3カウンターウエイト212を回動操作し
て上下方向に移動調整し、付属品と顕微鏡30の総重量
によるQ1と平行な回動軸についてのバランス調整をす
る。この後、スイッチSW2を押してONさせると、ステ
ップS74に移行する。
【0246】ステップS74 ステップS74では、電磁クラッチBA1,BA3〜B
A5をロックして、電磁クラッチBA2のみをフリーに
して、ステップS75に移行する。
【0247】ステップS75 ステップS75では、スイッチSW3が押されてONさせ
られたか否かが判断され、押されていなければNOでル
ープし、押されていればYESでステップS76に移行
する。
【0248】従って、このステップS75でループして
いる間に、第2カウンターウエイト206を第2アーム
205の長手方向に移動調整して、付属品と顕微鏡30
の総重量と第2カウンターウエイト206とのP2軸に
ついてのバランス調整をする。この後、スイッチSW4
を押してONさせると、ステップS76に移行する。
【0249】ステップS76 ステップS76では、電磁クラッチBA2〜BA5をロ
ックして、電磁クラッチBA1のみをフリーにして、ス
テップS77に移行する。
【0250】ステップS77 ステップS77では、スイッチSW1がOFFさせられた
か否かが判断され、OFFされていなければNOでループ
し、OFFされていればYESで処理を終了する。
【0251】従って、このステップS77でループして
いる間に、第1カウンターウエイト204を第1アーム
203の長手方向に移動調整して、付属品と顕微鏡30
の総重量と第1カウンターウエイト204による相殺力
とのP1軸についてのバランス調整をする。
【0252】この後、スイッチSW1を押してOFFさせ
ると調整処理が終了する。
【0253】
【効果】この発明は、以上説明したように、従来のよう
に2つに要素を同時に調整する必要がなくなり、各要素
別に調整することによりバランスが正確に、しかも簡単
に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る手術用顕微鏡装置の概略説明図
である。
【図2】(a)は図1に示した第2アームの一部を破断す
ると共にカバーを外した状態の説明図、(b)は(a)のA−
A線に沿う断面図である。
【図3】(a)は図1の第3アームの部分の拡大説明図、
(b)は(a)の第3アームを右上方から見た平面図、(c)は
(a)のプレート65の説明図である。
【図4】(a)は手術用顕微鏡の上下微動位置検出構造の
説明図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図5】(a)は図3(b)の受圧機構の斜視図、(b)は(a)の
フレームに沿う方向の縦断面図、(c)は(a)のスライド駒
と受圧軸との関係を示す縦断面図、(d)は(a)のフレーム
とスライド駒に跨る縦断面図である。
【図6】(a)は図1に示したロック装置の拡大説明図、
(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。
【図7】図2に示したチルト固定用の電磁クラッチに連
動するカム板を用いた回動位置検出のための説明図であ
る。
【図8】図1に示したモータ収納用のケースの正面に設
けたスイッチの説明図である。
【図9】手術用顕微鏡に設けたボリュームの説明図であ
る。
【図10】図1に示した手術用顕微鏡装置の制御回路図
である。
【図11】図1に示した手術用顕微鏡装置の第2アーム
ロック解除説明用のフロー図である。
【図12】図1に示した手術用顕微鏡装置のチルト方向
バランス調整説明用のフロー図である。
【図13】図1に示した手術用顕微鏡装置のイニシャラ
イズ説明用のフロー図である。
【図14】図1に示した手術用顕微鏡装置のイニシャラ
イズの説明用の第2実施例を示すフロー図である。
【図15】図14に続く手術用顕微鏡装置のイニシャラ
イズの説明用のフロー図である。
【図16】この発明に係る手術用顕微鏡装置の第3実施
例を示す全体の概略説明図である。
【図17】(a)は図16の手術用顕微鏡支持用のリンク
機構の説明図、(b)は(a)の微動装置支持部の断面図であ
る。
【図18】この発明に係る手術用顕微鏡装置の第4実施
例を示すリンク機構の説明図である。
【図19】図18に示した受圧機構の説明図である。
【図20】この発明に係る手術用顕微鏡装置の第5実施
例を示す全体の概略説明図である。
【図21】図20に示した手術用顕微鏡装置の顕微鏡支
持部の説明図である。
【図22】図20に示した手術用顕微鏡装置の作用を示
すフロー図である。
【図23】図22に続く手術用顕微鏡装置のイニシャラ
イズの説明用のフロー図である。
【図24】図20に示した手術用顕微鏡装置の他の使用
例を説明する示すフロー図である。
【図25】従来の手術用顕微鏡装置の平行リンク機構に
よるバランス調整の説明図である。
【図26】従来の手術用顕微鏡装置の平行リンク機構に
よるバランス調整の説明図である。
【図27】従来の手術用顕微鏡と付属部品等との関係を
示す説明図である。
【図28】図22,23に示したカウンターウエイトの
位置調整構造の他の例を示す説明図である。
【図29】図28のカウンターウエイトの位置調整構造
の斜視図である。
【符号の説明】
2…支柱(支持ポスト) 3…電源スイッチ 4…油圧シリンダ(粗動昇降用アクチュエータ) 5…ピストンロッド 6…第1アーム BR4…電磁クラッチ MLS…スイッチ 8…第2アーム8 10,11…リンク BR3…電磁クラッチ 17…ガススプリング 18…電磁ロック機構 19,20…リンク BR2…電磁クラッチ 21…第1クラッチ板 22…第2クラッチ板 23…ソレノイド 24…アクチュエータロッド SW1…ロック解除スイッチ 28…支持軸 29…手術用顕微鏡俯仰装置 30…手術用顕微鏡 31…水平回動アーム BR1…電磁クラッチ 32…ガススプリング 34…支持軸 36…パルスモータ BR5…電磁クラッチ 37…パルスモータ BR6…電磁クラッチ 38…回転軸 A,B,C,D…リミットスイッチ MS1…モードスイッチ MS2…チルトスイッチ MS3…スイングスイッチ BS1,BS2…ボリューム 40,41…回転軸 42…受圧機構 43…微動装置 45…パルスモータ LS1,LS2,LS3…リミットスイッチ BS3,BS4,BS5…ボリューム 58…リンク機構 59,60,61,62,63…リンク 64…ロック装置 70…演算制御回路 71…フートスイッチ 73,74,75…パルスモータ 100…支持軸1 101…支持部材 105…水平支持軸 106,107,108…リンク 110…リンク 111…リンク LKC…リンク機構 120…受圧機構 121…調整機構 201…固定支柱 202…可動支柱 203…第1アーム 204…第1カウンターウエイト BA1…電磁クラッチ 205…第2アーム 206…第2カウンターウエイト 207,208,209,210,211…リンク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支柱の上部に一端が枢着されて左右方向
    に回動可能なアームと、このアームの先端に中間部が枢
    支されて上下に回動可能なリンク機構と、このリンク機
    構を上下方向の回動を任意の位置に固定する固定手段
    と、前記リンク機構の一端に連動して上下回動する顕微
    鏡と、この顕微鏡に加わる重力を相殺させる相殺力をリ
    ンク機構の他端側に加える相殺手段とを設けた手術用顕
    微鏡であって、 前記リンク機構の回動状態を検知する検知手段と、 この検知手段からの所定信号によって前記固定手段を作
    動させてリンク機構を固定させる制御手段と、 前記リンク機構の固定時に、前記顕微鏡を前記リンク機
    構に対して自由状態にさせて該顕微鏡を移動させて顕微
    鏡の重量と前記相殺手段による相殺力との重量バランス
    を調整する調整手段とを設けたことを特徴とする手術用
    顕微鏡。
  2. 【請求項2】前記調整手段は、前記相殺手段との連動状
    態から開放させて手術用顕微鏡を移動させてその回動支
    点の垂直直下に手術用顕微鏡の重心を位置させ、且つ、
    この位置で前記相殺手段と手術用顕微鏡とを連動させる
    ロック装置であることを特徴とする請求項1の手術用顕
    微鏡。
  3. 【請求項3】前記調整手段は、前記制御手段によって作
    動制御されるアクチュエータであることを特徴とする請
    求項1の手術用顕微鏡。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7207531B2 (en) * 2002-12-17 2007-04-24 Piontkowski Paul K Head manipulable binocular microscope support
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JP2017221414A (ja) * 2016-06-15 2017-12-21 株式会社デンソー 支持追従装置
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US11446115B2 (en) 2016-07-19 2022-09-20 Olympus Corporation Medical device holding apparatus

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