JPH07184789A - 調理用ホットプレート - Google Patents

調理用ホットプレート

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JPH07184789A
JPH07184789A JP33182593A JP33182593A JPH07184789A JP H07184789 A JPH07184789 A JP H07184789A JP 33182593 A JP33182593 A JP 33182593A JP 33182593 A JP33182593 A JP 33182593A JP H07184789 A JPH07184789 A JP H07184789A
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義明 小倉
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一郎 大島
Tetsuo Moriyama
徹夫 森山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で調理板の部分加熱を可能にす
る。 【構成】 導電性の面状発熱体からなる調理板20の裏
面に、7本の電極部26a〜26gを形成する。ホット
プレート本体21に、調理板20の各電極部26a〜2
6gに対応する電極31a〜31gを形成する。各電極
部26a〜26gに通電することにより、調理板20が
複数の発熱面A,B,Cに区分けされて発熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家庭用及び業務用の調
理用ホットプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の調理用ホットプレートは、図8−
(a)に示すようにシーズヒータ1を直接鋳込んだ調理
板2をホットプレート本体3に装着したものや、図8−
(b)に示すようにホットプレート本体4側に固定した
シーズヒータ5上に調理板6を載置するものがあった。
【0003】このような調理用ホットプレートにおいて
は、図9ー(a),(b)に示すように、調理板10の
右半面だけまたは左半面だけを加熱、あるいは全面を加
熱することができるものがある。この種のホットプレー
トは、右半面に対応したヒータ11と左半面に対応した
ヒータ12とが夫々取り付けられており、左右どちらか
一方の面を加熱する場合にはどちらか一方、全面を加熱
する場合には左右両方のヒータ11,12に規定の電圧
を印加するようになっている。このようなホットプレー
トは、実開昭57−99644号公報にも開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の右半面と左半面
とを別々に加熱できる方式の調理用ホットプレートにお
いては、右半面および左半面に対応して別々のヒータが
取り付けられているため、ヒータが2個必要であった。
そして、3箇所以上の部分加熱を行うためには3個以上
のヒータを必要とした。
【0005】このため、シーズヒータを調理板に鋳込む
方式のものでは、調理板の裏面形状が複雑になり金型費
用が高く、ヒータの端子とホットプレート本体との接続
が複雑であった。また、シーズヒータをホットプレート
本体に固定する方式のものでは、ヒータをホットプレー
ト本体に取り付けるための部品が多くコスト高となり、
取付け作業も煩雑であった。いずれの場合でも、ヒータ
数が増えると、構造は複雑になり、製造費用も高くなっ
ていた。
【0006】また、実開昭60−195638号公報に
は、鍋の裏面に発熱体を配設し、鍋の一部が集中加熱さ
れるように発熱体の一部を鍋の一部に蛇曲集中させた調
理器が開示されている。この調理器では、1つの発熱体
で異なる温度域を得ることができるが、上述のような右
半面だけまたは左半面だけを加熱することができない。
【0007】一方、従来の調理用ホットプレートでは、
調理板の裏面に接触させた温度検知器により、予熱され
た調理板上に調理物を載置したときの調理板の温度低下
を検知して、調理板が所定の温度になるまでヒータに通
電して加熱を行っていた。したがって、温度検知器を周
囲の雰囲気に影響されないように取り付ける必要があ
り、温度検知器の取付け作業が煩雑であった。しかも、
ヒータ数を増やして部分加熱箇所を増やせば、その数だ
け温度検知器が必要になるため、構造が複雑化し、製造
費用が高くなっていた。
【0008】また、温度検知器を備えた調理用ホットプ
レートにおけるヒータへの通電方法は、温度検出器によ
って検出した調理板の温度が所定の温度よりも低い場合
には一定の電圧を印加し、所定の温度よりも高い場合に
は通電を停止していた。すなわち、一定の電圧を開閉し
てヒータへ通電し、調理板を加熱していた。このため、
調理物の種類や量によっては調理物を調理するに値する
加熱が行えないこともあった。
【0009】さらに、ホットプレート等を使用した調理
においては、調理板等を適温になるまで予熱した後に調
理を開始するのが一般的である。近年、調理物をよりお
いしく焼き上げる要求が高まり、調理板をより厚くして
熱容量のアップを図っているが、熱容量がアップしたた
め調理板の立ち上がりの予熱時間が長くなることがあ
る。対応策として、必要以上の電力アップや20分前後
の予熱が行われているが、家庭内の電源コンセントの電
力容量等の限界により使用できる消費電力が限定されて
いるため、これまでの加熱方式では対応しずらかった。
【0010】本発明は上記に鑑み、温度センサ等を廃止
し、部分的加熱、予熱の時間短縮、調理物の効率的な加
熱、調理完了検知等を可能とする調理用ホットプレート
の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明請求項1による課
題解決手段は、図1,3の如く、調理板20が導電性の
面状発熱体とされ、調理板20の裏面の少なくとも3箇
所以上(例えば7箇所)に電極部26a〜26gが設け
られ、電極部26a〜26g間に通電することにより調
理板20が複数の発熱面A,B,Cに区分けされたもの
である。
【0012】請求項2による課題解決手段は、調理板2
0の予熱時に発熱面A,B,Cにおける消費電力を定格
電力の範囲内で増やして予熱時間を短縮するものであ
る。
【0013】請求項3による課題解決手段は、調理板2
0が負特性面状発熱体とされ、発熱面A,B,Cの温度
低下による抵抗値の増加あるいは電流値の減少の特性を
利用して発熱面A,B,C上の調理物の有無を検知する
ものである。
【0014】請求項4による課題解決手段は、調理物が
ある発熱面A,B,Cにおける消費電力を調理物検知以
前の消費電力以上とするものである。
【0015】請求項5による課題解決手段は、調理物の
ない発熱面A,B,Cにおける消費電力を減らして調理
物がある発熱面A,B,Cにおける消費電力を増やすも
のである。
【0016】請求項6による課題解決手段は、調理物が
ある発熱面A,B,Cにおける電流値の変化から調理物
の調理度合いを判別し、調理完了と判別されると報知す
るものである。
【0017】
【作用】上記課題解決手段において、電極部26a〜2
6gのうちの2箇所の電極部26a〜26gを選んでそ
の電極部26a〜26g間に通電すると、これら2箇所
の電極部26a〜26gに挟まれた区間のみ発熱する。
よって、調理板20の裏面に3箇所以上の電極部26a
〜26gを設けることで、調理板20を複数の発熱面
A,B,Cに区分けすることができ、通電する発熱面
A,B,Cを選択することによって調理板20における
部分加熱が可能となる。また、各発熱面A,B,Cにお
ける消費電力を異なるようにすると、各発熱面A,B,
Cごとに発熱量を変えることができる。
【0018】急な予熱が必要な場合には、定格電力の範
囲内で複数の発熱面A,B,Cのうち例えば一つの発熱
面A,B,Cにおける消費電力を増やして全消費電力を
集中させて急速に予熱する。
【0019】また、調理板20が負特性発熱体のとき、
発熱面A,B,Cに調理物が載置されると、発熱面A,
B,Cの温度が下がって、抵抗値が増加あるいは電流値
が減少する。このときの、電流値(抵抗値)およびその
変化を検出することによって発熱面A,B,C上の調理
物の有無検知、発熱面A,B,Cの温度検知、調理度合
いの判別を行なうことができる。調理完了と判別した場
合には、報知する。
【0020】発熱面A,B,Cに調理物を載置すると、
発熱面A,B,Cにおける消費電力も下がってしまう。
このとき、発熱面A,B,Cの消費電力を調理物を載置
する前の安定した消費電力以上として、発熱面A,B,
Cの発熱量を上げて加熱を強化する。
【0021】さらに、使用できる消費電力が限られてい
る場合には、調理物が載置されていない発熱面A,B,
Cでは調理物を加熱する必要がないので消費電力を減ら
し、調理物が載置されている発熱面A,B,Cにおける
消費電力を発熱面A,B,Cで減らした消費電力分だけ
増やして発熱量を上げて、限られた消費電力の範囲内で
効率的な加熱を行なう。
【0022】
【実施例】
(第一実施例)本発明の第一実施例の調理用ホットプレ
ートは、図2の如く、調理物を載置して加熱する調理板
20と、該調理板20を着脱自在に装着するホットプレ
ート本体21と、前記調理板20の上面開口部を覆う蓋
22と、前記ホットプレート本体21のコネクタ21a
に装着可能な電源プラグコード23とを備えている。な
お、図2中、24はホットプレート本体21に設けられ
た操作パネルである。
【0023】前記調理板20は、図3,4の如く、長方
形の底部と、該底部の外周縁から立設された側部とが一
体成形されてなり、炭化珪素を主成分とする導電性セラ
ミックスで成型された面状発熱体25と、該面状発熱体
25の裏面にアルミニウムを溶射して形成された7本の
電極部26a〜26gと、該電極部26a〜26gが配
された部分を除いて面状発熱体25をコーティングする
非導電性セラミックス27とから構成されている。前記
電極部26a〜26gは、夫々一定間隔を空けて幅方向
に互いに平行に形成されている。そして、調理板20の
調理物載置面(表面)は、焦げ等がこびりつかないよう
にフッ素樹脂28でコーティングされている。
【0024】前記ホットプレート本体21には、図2,
5の如く、調理板20を装着するための凹部30が形成
され、該凹部30に調理板20の各電極部26a〜26
gに対応する電極31a〜31gが突出して絶縁体を介
して取付けられている。この電極31a〜31gは、調
理板20を凹部30に装着したときに各電極部26a〜
26gの両端部に夫々接触され、図1に示すように、ホ
ットプレート本体21の内部配線で電極31a,31
c,31e,31gが結線されており、電極31b,3
1d,31fが結線されている。これにより、調理板2
0の表面が発熱面A,B,Cに区分けされて並列に結線
された状態となっている。発熱面Aは電極部26bを中
心に左右の電極部26a,26cに囲まれた領域であ
り、発熱面Bは電極部26dを中心に左右の電極部26
c,26eに囲まれた領域であり、発熱面Cは電極部2
6fを中心に左右の電極部26e,26gに囲まれた領
域である。
【0025】また、電極31b,31d,31fには、
発熱面A,B,Cに電圧を別々に印加できるようにする
ために、電源部32a,32b,32cが接続されてい
る。これら電源部32a,32b,32cから発熱面
A,B,Cに印加する電圧は、マイクロコンピュータか
らなる総出力制御部35により制御される。また、総出
力制御部35は、調理板20の予熱時に電源部32a,
32b,32cからの電圧を制御して定格電力(使用で
きる最大消費電力)の範囲内で一つの発熱面A,B,C
における消費電力を最大限に増やして予熱時間を短縮す
る予熱時間短縮機能を有している。
【0026】上記構成において、ホットプレート本体2
1のコネクタ21aに装着された電源プラグコード23
を電源コンセントに接続し、ホットプレート本体21の
凹部30に調理板20を装着する。このとき、調理板2
0の電極部26a〜26gと凹部30の電極31a〜3
1gとが接触する。ここで、発熱面Aを加熱するには電
源部32aからホットプレート本体21側の電極31b
に電圧を印加して電極部26a,26b間および26
b,26c間に通電すればよい。同様に発熱面Bを加熱
するには電源部32bから電極31dに電圧を印加して
電極部26c,26d間および26d,26e間に通電
し、発熱面Cを加熱するには電源部32cから電極31
fに電圧を印加して電極部26e,26f間および26
f,26g間に通電すればよい。
【0027】図6は、電極部26a,26b間および電
極部26b,26c間、電極部26e,26f間および
26f,26g間に夫々通電して調理板20の発熱面A
と発熱面Cを発熱させ、発熱面Bを発熱させない状態を
示す。このとき、電極31dに電圧を印加しない限り、
調理板20の電極部26c,26eは同電位のため発熱
面Bには電気は流れず、電圧が印加された電極部26
b,26fによって発熱面Aおよび発熱面Cが発熱す
る。このように、調理板20の発熱面A,B,Cのうち
加熱したい面だけを加熱することができる。
【0028】通常の使用においては、電源部32a,3
2b,32cから電極31b,31d,31fに電圧を
印加して、全ての発熱面A,B,Cを同時に発熱させ、
調理板20の表面温度が調理に適した所定の温度になる
まで予熱を行う。調理板20が所定の温度に達すると、
調理物を調理板20上に載置して調理を行う。
【0029】ところが、発熱面A,B,Cを同時に加熱
して調理板20の予熱を行うと、調理板20の温度が安
定するまでに時間がかかる。また、一般家庭において
は、一つの電源コンセントで使用できる消費電力は限定
されており、発熱面A,B,Cにおける消費電力をむや
みに増やすこともできない。そこで、急な予熱を必要と
する場合には、発熱面A,B,Cのうちのいずれか一面
に全消費電力がかかるように電源部32a,32b,3
2cからの電圧を制御する。そして、第一面目の予熱が
完了すると、第一面目に続いて第二面目、第三面目と順
次予熱を行う。例えば、電源コンセントの容量が150
0Wとすると、発熱面A,B,Cの三面で等分すると各
面500Wずつになるが、発熱面Aにおける消費電力を
1500Wにして予熱を行い、発熱面Aにおける予熱時
間を短縮する。発熱面Aの予熱が完了すると、発熱面A
を所定の予熱温度を維持するのに必要な消費電力(例え
ば400W)を発熱面Aに残し、発熱面Bにおける消費
電力を残りの1100Wにして発熱面Bの予熱を行うと
いうように順次予熱する。したがって、調理板20の予
熱が完了するまで待つことなく、予熱が完了した面から
調理物を順次載置して調理を行うことができる。
【0030】このように、調理板20に複数の電極部2
6a〜26gを設けて電極部26a〜26g間に通電す
ることで、調理板20を複数の発熱面A,B,Cに区分
けして部分的な加熱および異なる発熱量での加熱が可能
となり、従来複数のヒータを必要としたものを、一つの
発熱体に置き換えることができた。このため、部品点数
の減少によるコストダウンを実現でき、清掃時に邪魔に
なるヒータが無いため清掃性が向上する。
【0031】また、急な予熱が必要な場合には、定格電
力の範囲内で発熱面A,B,Cのうちのいずれか一面に
全消費電力を集中させて急速に予熱することができるた
め、使い勝手が向上し、熱容量をアップした調理板にお
いても予熱時間を短縮して柔軟に対応できる。
【0032】(第二実施例)第二実施例の調理用ホット
プレートは、調理板20に負特性面状発熱体が用いられ
ている。そして、総出力制御部35に、発熱面A,B,
C上に調理物を載置したときの発熱面A,B,Cの温度
低下による電流値の減少の特性を利用して発熱面A,
B,C上の調理物の有無を検知する調理物検知機能と、
発熱面A,B,C上に調理物があるとき電源部32a,
32b,32cからの電圧を制御して調理物が検知され
た発熱面A,B,Cにおける消費電力を検知以前の消費
電力以上とする加熱強化機能と、発熱面A,B,C上に
調理物があるとき電源部32a,32b,32cからの
電圧を制御して調理物のない発熱面A,B,Cにおける
消費電力を減らして調理物がある発熱面A,B,Cにお
ける消費電力を増やす有効加熱機能と、発熱面A,B,
C上に調理物があるとき発熱面A,B,Cにおける電流
値の変化から調理物の調理度合いを判別する調理度合い
判別機能と、調理完了と判別されるとホットプレート本
体21の操作パネル24に表示あるいはブザー等で報知
する報知機能とを有している。その他の構成は、第一実
施例と同様である。
【0033】負特性面状発熱体が用いられた調理板20
においては、予熱時に発熱面A,B,Cに通電すると、
調理板20の発熱量と調理板20からの放熱量とが釣り
合うまで温度上昇を続ける。したがって、負特性面状発
熱体の初期抵抗値および発熱面A,B,Cに印加する電
圧値を適宜設定することによって、調理板20を所定の
温度に保持させることができる。
【0034】そして、調理物が調理板20上の例えば発
熱面Bに載置されると、発熱面Bの温度が下がる。この
とき、調理板20には負特性面状発熱体が用いられてい
るので、発熱面Bにおける抵抗値が上がり、そのため発
熱面Bにおける電流値が減少する。このときの電流値の
減少を各電源部32a,32b,32cにより検出する
ことによって、調理板20の発熱面B上の調理物を検知
する。
【0035】ここで、発熱面Bにおける電流値の変化を
説明する。図7は、調理板20の発熱面Bにおける表面
温度と時間および電流値と時間との関係を示す。図7に
示す区間(I)は予熱時であって、発熱面Bの表面温度
の上昇に伴い電流値も上昇を続け、発熱面Bの表面温度
が安定してくると電流値も安定してくる。区間(II)は
発熱面Bに調理物を載置した時の状態を示し、調理物を
載置して発熱面Bの表面温度が下がると、これに伴って
発熱面Bの抵抗値が上がり、このため発熱面Bにおける
電流値が下がる。この状態は、調理物の調理が完了に近
づくまで続く。区間(III)は調理物が調理完了間際で
ある状態を示し、調理物に含まれる水分が減少して調理
物の温度が上昇し始め、発熱面Bの表面温度が上昇を開
始して調理物載置前の安定した温度まで復帰していき、
これに伴って発熱面Bにおける電流値も調理物載置前の
安定した状態に戻る。区間(IV)は発熱面Bの表面温度
が再び安定し、発熱面Bを流れる電流も安定した状態を
示す。したがって、区間(I)と区間(II)の電流値を
検出することによって発熱面Bの調理物の有無を判別す
ることができる。
【0036】また、図7における区間(II)で示されて
いるように、調理板20の発熱面Bに調理物を載置する
と、発熱面Bの表面温度が下がると共に電流値が下が
り、その結果発熱面Bにおける消費電力も下がってしま
う。このとき、発熱面A,B,Cに電圧を別々に印加す
る各発熱面A,B,Cに対応した電源部32a,32
b,32cが設けられているため、電源部32bから印
加される電圧を上げて発熱面Bの消費電力を調理物を載
置する前の安定した消費電力と同じかあるいはそれより
も大とする。これにより、発熱面Bの発熱量が上がり、
調理物の加熱を強化して調理時間を短くすることができ
る。
【0037】さらに、一般家庭においては、一つの電源
コンセントで使用できる消費電力量は限定されており、
例えば消費電力が1500Wに限定されている場合、予
熱安定時の発熱面A,B,Cにおける消費電力が各面5
00Wとなるように予熱しておく。ここで、発熱面Bに
調理物が載置されたときに、調理物が載置されていない
発熱面A,Cでは調理物を加熱する必要がないので、電
源部32a,32cから印加される電圧を下げて発熱面
A,Cにおける消費電力を300Wづつ減らして夫々2
00Wにする。そして、電源部32bから印加される電
圧を上げて発熱面Bにおける消費電力を発熱面A,Cで
減らした消費電力分だけ増やして1100Wにする。こ
れにより、発熱面Bの発熱量が上がり、限られた消費電
力の範囲内で調理物の加熱を有効に行って調理時間を短
くすることができる。
【0038】また、図7に示す区間(III)での調理物
が載置された発熱面Bにおける電流値の変化から調理物
が調理完了に近い状態にあると判断し、その後の発熱面
Bの発熱量を制御し、経過時間、電流変化等を測定して
調理が完了したことを判別し、ホットプレート本体21
の操作パネル24に設けられた調理完了お知らせランプ
あるいはブザー等で調理完了を報知する。
【0039】このように、調理板20に負特性面状発熱
体が用いられているので、各発熱面A,B,C上の調理
物を発熱面A,B,Cにおける抵抗値の増加あるいは電
流値の減少により検知することができ、発熱面A,B,
Cの調理物の有無に応じた発熱面A,B,Cの温度制御
が可能となる。また、発熱面A,B,Cの抵抗値あるい
は電流値から発熱面A,B,Cの温度を知ることができ
るので、従来ヒータの温度制御において必要とした温度
センサを廃止でき、構造を簡略化して製造費用も低減で
きる。
【0040】また、調理板20の発熱面A,B,Cに調
理物を載置すると、発熱面A,B,Cの消費電力も下が
ってしまうが、発熱面A,B,Cにおける消費電力を調
理物を載置する前の消費電力以上とするため、発熱面
A,B,Cの発熱量が上がり、調理物の加熱を強化して
調理時間を短くすることができる。
【0041】さらに、調理物が載置されていない発熱面
A,B,Cでは調理物を加熱する必要がないので、発熱
面A,B,Cにおける消費電力を減らして、調理物が載
置されている発熱面A,B,Cにおける消費電力を減ら
した消費電力分だけ増やす。これにより、調理物が載置
されている発熱面A,B,Cの発熱量が上がり、限られ
た消費電力の範囲内で調理物の加熱を有効に行って調理
時間を短くすることができる。
【0042】また、調理物が載置されている発熱面A,
B,Cにおける電流値の変化を検出して調理物の載置さ
れた発熱面A,B,Cの温度を検知でき、しかも調理度
合いを判別することができる。したがって、調理完了ま
での発熱面A,B,Cの温度制御が可能になり、調理完
了を報知することによって使用者の利便性を向上させ
る。
【0043】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。例えば、電
極部は7本に限らず調理板20の裏面に3箇所以上に設
ければよく、ホットプレート本体21側の電極も同様で
ある。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明請
求項1によると、調理板が導電性の面状発熱体とされ、
調理板の裏面の少なくとも3箇所以上に電極部が設けて
いるため、電極部間に通電することで、調理板を複数の
発熱面に区分けして部分的な加熱および異なる発熱量で
の加熱が可能となり、従来複数のヒータを必要としたも
のを、一つの発熱体に置き換えることができた。このた
め、部品点数の減少によるコストダウンを実現でき、清
掃時に邪魔になるヒータが無いため清掃性が向上する。
【0045】請求項2によると、定格電力の範囲内で複
数の発熱面のうちの一部の発熱面における消費電力を増
やして急速に予熱することができるため、使い勝手が向
上し、熱容量をアップした調理板においても予熱時間を
短縮して柔軟に対応できる。
【0046】請求項3によると、調理板が負特性面状発
熱体とされているので、各発熱面上の調理物を発熱面に
おける抵抗値の増加あるいは電流値の減少により検知す
ることができ、発熱面上の調理物の有無に応じた発熱面
の温度制御が可能となる。また、発熱面の抵抗値あるい
は電流値から発熱面の温度を知ることができるので、従
来ヒータの温度制御において必要とした温度センサを廃
止でき、構造を簡略化して製造費用も低減できる。
【0047】請求項4によると、調理板の発熱面に調理
物を載置すると、発熱面の消費電力も下がってしまう
が、発熱面の消費電力を調理物を載置する前の消費電力
以上とするため、発熱面の発熱量が上がり、調理物の加
熱を強化して調理時間を短くすることができる。
【0048】請求項5によると、調理物が載置されてい
ない発熱面では調理物を加熱する必要がないので、発熱
面における消費電力を減らして、調理物が載置されてい
る発熱面における消費電力を減らした消費電力分だけ増
やす。これにより、調理物が載置されている発熱面の発
熱量が上がり、限られた消費電力の範囲内で調理物の加
熱を有効に行って調理時間を短くすることができる。
【0049】請求項6によると、調理物が載置されてい
る発熱面における電流値の変化を検出して調理物の載置
された発熱面の温度を検知でき、しかも調理度合いを判
別することができる。したがって、調理完了までの発熱
面の温度制御が可能になり、調理完了を報知することに
よって使用者の利便性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の調理用ホットプレートの
結線状態を示す図
【図2】調理用ホットプレートの分解斜視図
【図3】調理板を示すもので、(a)は平面図,(b)
は側断面図,(c)は背面図
【図4】調理板の詳細な構造を示す断面図
【図5】調理用ホットプレートを示すもので、(a)は
平面図,(b)は側断面図
【図6】発熱面Aおよび発熱面Cに夫々通電したときの
調理板の平面図
【図7】第二実施例の調理用ホットプレートにおける調
理度合い応じた発熱面における表面温度および電圧値を
示す図
【図8】従来のホットプレートを示すもので、(a)は
調理板にシーズヒータを鋳込んだタイプのホットプレー
トの平面図,(b)はプレート本体にシーズヒータを固
定したタイプのホットプレートの断面図
【図9】従来の左右面が別々に加熱可能なホットプレー
トを示すもので、(a)は平面図,(b)はプレート本
体の平面図
【符号の説明】
20 調理板 25 面状発熱体 26a〜26g 電極部 A,B,C 発熱面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調理物を載置して加熱する調理板を有す
    る調理用ホットプレートにおいて、前記調理板が導電性
    の面状発熱体とされ、前記調理板の裏面の少なくとも3
    箇所以上に電極部が設けられ、該電極部間に通電するこ
    とにより前記調理板が複数の発熱面に区分けされたこと
    を特徴とする調理用ホットプレート。
  2. 【請求項2】 調理板の予熱時に発熱面の消費電力を定
    格電力の範囲内で増やして予熱時間を短縮する予熱時間
    短縮手段が設けられたことを特徴とする請求項1記載の
    調理用ホットプレート。
  3. 【請求項3】 調理板が負特性面状発熱体とされ、発熱
    面の温度低下による抵抗値の増加あるいは電流値の減少
    の特性を利用して前記発熱面上の調理物の有無を検知す
    る調理物検知手段が設けられたことを特徴とする請求項
    1または2記載の調理用ホットプレート。
  4. 【請求項4】 調理物がある発熱面における消費電力を
    調理物検知以前の消費電力以上とする加熱強化手段が設
    けられたことを特徴とする請求項3記載の調理用ホット
    プレート。
  5. 【請求項5】 調理物のない発熱面における消費電力を
    減らして調理物がある発熱面における消費電力を増やす
    有効加熱手段が設けられたことを特徴とする請求項3記
    載の調理用ホットプレート。
  6. 【請求項6】 調理物がある発熱面における電流値の変
    化から調理物の調理度合いを判別する調理度合い判別手
    段と、調理完了と判別されると報知する報知手段とが設
    けられことを特徴とする請求項3記載の調理用ホットプ
    レート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100411743B1 (ko) * 2001-02-15 2003-12-18 박선규 다종류 음식 구이용 대형 번철
JP2023502127A (ja) * 2019-11-18 2023-01-20 バイオニア コーポレーション 発熱塗料を用いた電気グリル

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KR100411743B1 (ko) * 2001-02-15 2003-12-18 박선규 다종류 음식 구이용 대형 번철
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