JPH0718151Y2 - 空気調和機のヒ−タ−取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は空気調和機に係り、特にその風路内に収納す
る暖房用補助ヒーターの取付装置に関するものである。

［従来の技術］ 第９図及び第10図は、例えば実開昭55−153519号公報に
示された従来の空気調和機の断面図及びそのヒーター取
付装置の斜視図である。第９図において、（１）は空気
調和機の室内ユニットで、中央部には吸込グリル（２）
が、上部及び下部には、上部吹出口（３）と下部吹出口
（４）がそれぞれ形成されている。（５）はこの吸込グ
リル（２）の背面側に配置された熱交換器である。
（６）はこの熱交換器（５）の上部後方に配置された上
部横流れファン、（７）は上記熱交換器（５）の下部後
方に配置された下部横流れファンで、これらの横流れフ
ァン（６）（７）の間の熱交換器（５）の背面風路上に
暖房運転時の補助電気ヒーター（８）（以下単にヒータ
ーという）が収納されている。（９）は熱遮蔽板、（1
0）はこの熱遮蔽板（９）に溶接等で固定されたヒータ
ー取付台で、ヒーター（８）を固定している。

このように固定されたヒーター（８）は熱遮蔽板（９）
ごと風路上に配置され、熱遮蔽板（９）をネジ（11）に
より風路上に固定することによりヒーター（８）が設置
されていた。

以上のように構成された従来のヒーター取付装置では、
ヒーター（８）を点検修理する場合には熱交換器（５）
から導出され、室外機へ接続されている冷媒配管の接続
を切り離し、熱交換器（５）を取り外しヒーター（８）
の点検修理をしていた。

［考案が解決しようとする課題］ 従来のヒーター取付装置は以上のように構成されている
ので、ヒーターの点検修理は、室内側の熱交換器を取り
外して行わなければならず、又、フレア配管接続方式の
空気調和機の場合は、冷媒ガスを放出してしまわなけれ
ばならないという大きな問題点があった。

この考案は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、ヒーターの点検修理などサービス時間の短縮
を図り、かつ熱交換器の取り外しもないサービス性のよ
い空気調和機のヒーター取付装置を得ることを目的とす
るものである。

［課題を解決するための手段］ この考案に係る空気調和機ヒーター取付装置は、断面コ
字状に形成され、固定面及び固定面に切り欠きを有する
固定具と、先端を傾斜して曲げ形成し、ネジ穴を有する
ネジ受具とを備えた熱遮蔽板と、両側壁及び底部よりコ
字状に形成され、かつ両側壁の先端を曲げ形成してヒー
ター取付面を形成すると共に、底部の一方曲げ部近傍に
は上記固定具の切り欠きに挿入し、固定面の内側に当接
する挿入面を有し、他方曲げ部近傍には上記ネジ受具に
当接する固定部を曲げ形成してヒーター取り付け面を備
えたヒーター取付具とを設けたものである。

［作用］ この考案におけるヒーター取付装置は上述のように構成
されているので、熱交換器配管側の引掛けを軸として他
方を手前に引き出して外し、ヒーター取付具の止めネジ
を外すだけでヒーター及びヒーター取付具の脱着作業の
作業性が向上する。

［考案の実施例］ 以下、この考案の一実施例を第１図、第２図、第３図に
より説明する。図において（１）は分離形空気調和機の
室内ユニットで、中央部には吸込グリル（２）が上部及
び下部には上部吹出口（３）と下部吹出口（４）がそれ
ぞれ形成されている。（５）は吸込グリル（２）の背面
側に配置された熱交換器で、室外ユニット（図示されて
いない）と接続される冷媒配管接続側とは反対側を取り
外し自在にネジ等で固定してある。（６）はこの熱交換
器（５）の上部後方に配置された上部横流れファン、
（７）は上記熱交換器（５）の下部後方に配置された下
部横流れファンで、これらの横流れファンの間の熱交換
器（５）の背面風路上に、暖房運転時の補助暖房に供せ
られるヒーター（８）が装着されている。（9a）は固定
ネジで、熱遮蔽板（９）を室内ユニット背面板（12）に
配設された固定板（13）へ、断熱材よりなる背面風路壁
（14）を介し密着状態に締付け固定されている。

第２図及び第３図はヒーター取付装置の分解斜視図及び
取付け状態図を示すもので、（15）は上記熱遮蔽板
（９）に溶接等により固定された固定具で、断面コ字状
に形成され、かつ切り欠き（16）を形成した固定面（1
7）を有している。（18）は上記熱遮蔽板（９）に溶接
により固定されたネジ受具で、上記熱遮蔽板（９）と所
定角度傾斜して外向きに形成された受け面（19）を有し
ている。（20）はこの受け面に設けたネジ穴である。
（21）は従来のヒーター取付台（10）に相当するヒータ
ー取付具で、両側壁（21a）及び底部（21b）から成りコ
字状に形成され、底部（21b）の一端側壁（21a）曲げ部
（21c）は上記固定具（15）の切り欠き（16）幅に嵌合
可能な形状で、固定具（15）の固定面（16）の内側に挿
入し当接される底部（21b）先端面である挿入面（22）
を有している。（23）は上記ネジ受具（18）の受け面
（19）に当接するよう所定角度に起立されているヒータ
ー取付具固定部で、上記受け面（19）のネジ穴（20）に
対向する固定穴（24）を有している。（25）はヒーター
取付面で、上記ヒーター取付具（21）の両側壁（21a）
先端をそれぞれ内方に直角に折り曲げてそれぞれヒータ
ー取付穴（26）を有している。（27）はゴムブッシュ
で、上記ヒーター（８）の両端に装着されている。（2
8）は押え金具で、上記ヒーター（８）をヒーター取付
面（25）にゴムブッシュ（27）を介して取付ネジ（29）
により取り付けている。

次に、この実施例によるヒーター取付装置の組立手順に
ついて説明する。固定具（15）及びネジ受具（18）を取
付けた熱遮蔽板（９）を室内ユニット（１）の背面風路
壁（14）を介して背面板（12）に固定する。次いで、ヒ
ーター（８）の両端にゴムブッシュ（27）を挿入し、こ
のヒーター（８）をヒーター取付面（25）にゴムブッシ
ュ（27）を介して押え金具（28）で取付ネジ（29）によ
り固定する。このように組立られたヒーター取付具（2
1）を、第７図に示すように熱遮蔽板（９）に当てスラ
イドさせて取付具（21）の一端を、熱遮蔽板（９）の固
定具（15）の固定面（17）の切り欠き（16）に挟持さ
せ、さらに、ヒーター取付具（21）の挿入面（22）が固
定具（15）の固定面（17）の内側に当接するようにして
挿入固定される。

この時、ヒーター取付具（21）の固定部（23）は熱遮蔽
板（９）のネジ受具（18）の受け面（19）に当接し、取
付ネジ（29）でヒーター取付具（21）のヒーター取付面
（25）の固定穴（24）を介してネジ受具（18）の受け面
（19）に固定され、ヒーター取付具（21）は熱遮蔽板
（９）に固定されることになる。

次に、ヒーター（８）故障等のサービス時には第８図に
示すように熱交換器（５）の片側の固定ネジの締め付け
を外し、手前に任意の角度で引き出し前方斜めよりドラ
イバー等の工具を挿入し、ヒーター取付具（21）の取付
ネジ（29）を外しスライドさせれば、ヒーター取付具
（21）ごと熱遮蔽板（９）と熱交換器（５）との隙間か
ら引き出すことができる。

次に、この考案による他の実施例を第４図、第５図、第
６図について説明する。（30）は断面コ字状に形成した
引掛具で、溶接により上記熱遮蔽板（９）に固定されて
いる。（31）は上記ヒーター取付具（21）の底部（21
b）に、上記引掛具（30）に対応して設けた引掛面であ
る。

次に、この考案の他の実施例の動作を第６図により説明
する。第６図に示すように、熱遮蔽板（９）に固定され
た引掛具（30）にヒーター取付具（21）の底部（21b）
の引掛面（31）が引掛っておりサービス時、熱遮蔽板
（９）の固定具（15）に挿入されているヒーター取付具
（21）の一端の挿入面（22）を外しても、下方へ落下し
ようとせず安全に引き出すことができる。

なお、上記実施例では熱遮蔽板（９）に固定具（15）、
引掛具（30）及びネジ受具（18）を別体で固定したが一
体で成形しても同様の効果を得るものである。

［考案の効果］ 以上のように、この考案によれば断面コ字状に形成さ
れ、固定面及び固定面に切り欠きを有する固定具と、先
端を傾斜して曲げ形成し、ネジ穴を有するネジ受具とを
備えた熱遮蔽板と、両側壁と底部とからコ字状に形成さ
れ、かつ両側壁の先端を曲げ形成してヒーター取付面を
形成すると共に、底部の一方曲げ部近傍には上記固定具
の切り欠きに挿入し、固定面の内側に当接する挿入面を
有し、他方曲げ部近傍には上記ネジ受具に当接しネジ締
め固定する固定部を曲げ形成したヒーター取付面を備え
たヒーター取付具とを設けた構成としたから、ヒーター
取付具の一端固定部のネジを取り外すのみで熱交換器を
任意の角度に回転させるだけで、熱交換器の配管を取り
外すこともなく、ガスを放出することもなくヒーター及
びその取付具を引き出し、サービス性を向上させる効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の室内ユニットの断面図、第２図はこ
の考案の一実施例によるヒーター取付装置の分解斜視
図、第３図は第２図の斜視図、第４図はこの考案の他の
実施例を示すヒーター取付装置の分解斜視図、第５図は
第４図の斜視図、第６図はこの考案の他の実施例を示す
ヒーター取付装置の断面図、第７図はこの考案の実施例
のヒーター取付装置の取付方法図、第８図はこの考案の
ヒーター取付装置のサービス方法図、第９図は従来の室
内ユニットの断面図、第10図は従来のヒーター取付装置
の斜視図である。 図中、（８）はヒーター、（９）は熱遮蔽板、（15）は
固定具、（16）は切り欠き、（17）は固定面、（18）は
ネジ受具、（19）は受け面、（21）はヒータートリツケ
具、（22）は挿入面、（23）は固定部、（24）は固定
穴、（25）はヒーター取付面である。 なお、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】風路内に暖房用補助ヒーターを装着した分
   離形空気調和機において、断面コ字状に形成され、固定
   面及び固定面に切り欠きを有する固定具と、先端を傾斜
   して曲げ形成し、ネジ穴を有するネジ受具とを備えた熱
   遮蔽板と、両側壁及び底部よりコ字状に形成され、かつ
   両側壁の先端を曲げ形成してヒーター取付面を形成する
   と共に、底部の一方曲げ部近傍には上記固定具の切り欠
   きに挿入し、固定面の内側に当接する挿入面を有し、他
   方曲げ部近傍には上記ネジ受具に当接し固定する固定部
   を曲げ形成して備えたヒーター取付具とを設けたことを
   特徴とする空気調和機のヒーター取付装置。