JPH07181508A - 液晶注入方法および液晶表示素子 - Google Patents

液晶注入方法および液晶表示素子

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JPH07181508A
JPH07181508A JP32830193A JP32830193A JPH07181508A JP H07181508 A JPH07181508 A JP H07181508A JP 32830193 A JP32830193 A JP 32830193A JP 32830193 A JP32830193 A JP 32830193A JP H07181508 A JPH07181508 A JP H07181508A
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injecting
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cell
positive
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JP32830193A
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Hiroo Shirane
浩朗 白根
Osami Inoue
長三 井上
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶材料中の不純物イオンが引き起こす電圧
保持率の低下によるコントラスト低下や強誘電性液晶に
おける焼き付きを防止するための不純物イオンの効率的
な除去方法と、不純物イオンを除去した液晶表示素子を
提供する。 【構成】 表面双極子の符号が正と負の2種類の吸着体
に液晶を接触せしめた後、液晶セルに注入するようにし
た方法およびその方法を用いた液晶表示素子。 【効果】 液晶中の不純物イオンが効率的に除去され、
不純物イオンに起因する種々の液晶表示素子の劣化現
象、例えば、アクティブマトリックス方式の液晶素子に
おける電圧保持率の低下によるコントラスト低下や、強
誘電性液晶における焼き付きを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、液晶表示素子
を製造するための液晶セルへの注入方法および液晶表示
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子に用いられる液晶材料とし
ては、高純度で比抵抗の高いものが必要とされる。しか
し実際には、液晶化合物単体の合成工程や液晶組成物を
作製するブレンド工程における不純物の混入、液晶材料
の長期保存時や取扱時における不純物や水分の混入、液
晶セルへの注入時における汚染、更には液晶セル内にお
ける配向膜や封止材からの不純物の溶出などの原因によ
り液晶材料の純度が低下する。
【0003】液晶材料中の不純物としては、イオン性の
ものが代表的であり、これらは液晶の比抵抗を低下させ
るため、駆動面からは高い電圧が必要となり、消費電力
が増加する。更に、アクティブマトリックス方式の液晶
素子の場合には、不純物イオンによる漏れ電流があるた
め、フレーム周期の間蓄積電荷を保持できず、いわゆる
電圧保持率が低下し、コントラスト低下を引き起こす。
また、強誘電性液晶の場合には、液晶と配向膜の界面に
不純物イオンが蓄積することによるスイッチング不良、
いわゆる焼き付きという現象を引き起こす。このよう
に、ネマティック液晶や強誘電性液晶といった液晶の種
類によらず、不純物イオンの存在は液晶素子のスイッチ
ングや表示性能に大きな影響を与え、素子劣化の原因と
なっている。この液晶材料中の不純物イオンを除く方法
としては、液晶注入の際、液晶溜にイオン交換樹脂やゼ
オライト等のイオン交換体を入れておいてセルへは不純
物イオンを含まない液晶を注入する方法(特開昭63-261
224 号公報)、液晶溜に一対の電極を設け、電圧を印加
して不純物イオンを電極部分にトラップしておいて液晶
を注入する方法(特開平4-171419号公報、特開平4-2885
20号公報)、液晶材料中に不純物イオンの吸着剤を混合
し、これを液晶セルに注入する方法(特開昭61-12787号
公報)、液晶セル内の注入口付近に設けた補助的な電極
に電圧印加しながら液晶を注入する方法(特開昭62-215
238 号公報、特開平3-140577号公報)、イオン吸着体で
ある無機酸化物を内面に有する導管を通して液晶を注入
する方法(特開昭63-259620 号公報)などが提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように液晶材料
中の不純物イオンを除去する方法は多々提案されている
ものの、実用的な観点からはいずれの方法にも欠点があ
る。すなわち、イオン交換樹脂やゼオライト等のイオン
交換体を用いる方法では、液晶中の不純物イオンはイオ
ン交換体に捕捉され一見イオン除去が行われたようであ
るが、代わりに予めイオン交換体に捕捉されていたイオ
ンが放出されるため、実際には液晶中のイオン濃度は変
化しない。また、水素イオンで置換した陽イオン交換体
と水酸イオンで置換した陰イオン交換体を混合して用い
る場合には液晶中の不純物である陽イオンと陰イオンは
確かに除去されイオン濃度は低下するが、代わりに水が
生じ、これが材料劣化を引き起こす。無機酸化物等のイ
オン吸着体を用いる方法では、Na+ 、K+等の陽イオンに
対しては吸着する力が働くが、陰イオンに対しては吸着
する力が働かないため、電気的中性の条件を保った両種
のイオンの同時除去という点からは除去能力は低い。更
に、電極に電圧を印加してイオンをトラップする方法で
は、電圧を印加していないときはイオンが再び拡散する
ため本質的な除去方法とは言えない。このように、液晶
中の不純物イオンを有効に除去する方法は未だ確立され
ていない。
【0005】そこで、本発明は、液晶材料中の不純物イ
オンが引き起こす電圧保持率の低下によるコントラスト
低下や強誘電性液晶における焼き付きを防止するための
不純物イオンの効率的な除去方法の提供と、不純物イオ
ンを除去した液晶表示素子の提供を目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、表面双極子の符号が正と負の2種類の
吸着体に液晶を接触せしめた後、液晶セルに注入するよ
うにした。
【0007】即ち、本発明は、(1)液晶セルの空隙に
液晶を注入する方法において、表面双極子の符号が正と
負の2種類の吸着体に液晶を接触せしめた後、液晶セル
に注入することを特徴とする液晶注入方法、(2)液晶
セルの空隙に液晶を注入する方法において、表面双極子
の符号が正と負の2種類の膜を内面に有し、2箇所の開
口部を有する中空管の一方の開口部を液晶セルの注入口
に接合させ、該中空管の他方の開口部を液晶溜の液晶に
浸漬させて注入することを特徴とする液晶注入方法、
(3)液晶セルの空隙に液晶を注入する方法において、
表面双極子の符号が正と負の2種類の膜を内面に有し、
2箇所の開口部を有する中空管中に一旦液晶を注入した
後に液晶セルに注入することを特徴とする液晶注入方
法、(4)液晶が強誘電性液晶組成物であることを特徴
とする上記(1)に記載の液晶注入方法、(5)液晶が
強誘電性液晶組成物であることを特徴とする上記(2)
に記載の液晶注入方法、(6)液晶が強誘電性液晶組成
物であることを特徴とする上記(3)に記載の液晶注入
方法、
【0008】(7)基板上に透明電極を形成すると共に
該電極を覆う状態に配向膜を形成した一対の透明電極板
を、それぞれの配向膜が所定ギャップを隔てて対峙する
ように配置し、両透明電極板間に液晶を封入してなる液
晶表示素子において、表面双極子の符号が正と負の2種
類の吸着体に液晶を接触せしめた後、液晶セルに注入し
たことを特徴とする液晶表示素子、(8)基板上に透明
電極を形成すると共に該電極を覆う状態に配向膜を形成
した一対の透明電極板を、それぞれの配向膜が所定ギャ
ップを隔てて対峙するように配置し、両透明電極板間に
液晶を封入してなる液晶表示素子において、表面双極子
の符号が正と負の2種類の膜を内面に有し、2箇所の開
口部を有する中空管の一方の開口部を液晶セルの注入口
に接合させ、該中空管の他方の開口部を液晶溜の液晶に
浸漬させて注入したことを特徴とする液晶表示素子、
(9)基板上に透明電極を形成すると共に該電極を覆う
状態に配向膜を形成した一対の透明電極板を、それぞれ
の配向膜が所定ギャップを隔てて対峙するように配置
し、両透明電極板間に液晶を封入してなる液晶表示素子
において、表面双極子の符号が正と負の2種類の膜を内
面に有し、2箇所の開口部を有する中空管の中に一旦液
晶を注入した後に液晶セルに注入したことを特徴とする
液晶表示素子、(10)液晶が強誘電性液晶組成物であ
ることを特徴とする上記(7)に記載の液晶表示素子、
(11)液晶が強誘電性液晶組成物であることを特徴と
する上記(8)に記載の液晶表示素子、および(12)
液晶が強誘電性液晶組成物であることを特徴とする上記
(9)に記載の液晶表示素子に関する。
【0009】
【作用】液晶を表面双極子の符号が正と負の2種類の吸
着体に接触せしめると、液晶中の陽イオンは表面双極子
が負の吸着体に吸着され、また液晶中の陰イオンは表面
双極子が正の吸着体に吸着され、これが同時に電気的中
性の条件を保ったまま行われるため、液晶中の不純物イ
オンは効率的に除去され、イオン濃度の低下した液晶が
液晶セル内に注入される。
【0010】
【実施例】次に、本発明に係る液晶注入方法および液晶
表示素子の実施例を添付図面に基づいて説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0011】[実施例1]図1は本発明の液晶注入方法
の第1の実施例を模式的に図示したものである。液晶セ
ル1と2箇所の開口部を有する中空管、例えばプレカラ
ム2はそれぞれの開口部の位置が合わさるようにパッキ
ン4を介して接合させられており、液晶溜5と共に真空
槽7の中に設置されている。ここで、プレカラム2の内
面は、表面双極子の符号が正の膜3aと負の膜3bで覆
われている。最初、液晶セルと接触していない側のプレ
カラム2の開口部を液晶溜5の液晶6の中に浸漬しない
状態で真空槽7の内部を真空に引き、次にプレカラム2
の開口部を液晶溜5の液晶6の中に浸漬し、真空槽7の
ガス導入口9のバルブを徐々に開けて清浄な窒素ガスま
たはアルゴンガスを注入して大気圧に戻しながら液晶セ
ル1内に液晶を注入する。
【0012】ここでは、中空管として、表面双極子の符
号が正の膜3aと負の膜3bで内面が覆われているプレ
カラム2を図示してあるが、中空管の形態としてはこれ
に限られる訳ではなく、表面双極子の符号が正と負の吸
着体が混在していればよい。従って、ここで図示したも
の以外に、例えば、粒状の吸着体で表面双極子が正のも
のと負のものを混合して中空管に充填したものや、繊維
状の吸着体で表面双極子の符号が正のものと負のものを
混合して中空管に充填したものなどが使用可能である。
【0013】尚、中空管の吸着体として使用することが
可能な表面双極子の符号が正の材料としては、メチルア
ミノプロピルトリメトキシシラン、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン69、ポリビニルアルコール、IT
O、ポリエチレン、ポリイソブテン、ポリブタジエン、
ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリシ
アノアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリキノ
キサリン、ポリベンズチアゾール、ポリベンズオキサゾ
ール、アセチルセルロース、トリアセチルセルロース、
ポリ(グリシドプロピルトリメトキシシラン)、ポリヘ
キサメチルシロキサン、シリコーンゴム、ポリメチルフ
ェニルシロキサン、ポリメチルシロキサン、ポリ−1,
3−ジメチルシクロヘキサン、尿素樹脂、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、クロマン−インデン樹脂、ポリビ
ニルピリジウム、ポリエステルシリコーン、カゼイン等
がある。
【0014】また、中空管の吸着体として使用すること
が可能な表面双極子の符号が負の材料としては、メチル
トリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、シクロ
ヘキシルジメチルクロロシラン、1,8−ビス(クロロ
ジメチルシリル)オクタン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフ
ッ化ビニリデン、SiO、SiO2 、ポリ塩化ビニル、
ポリパラキシリレン、ポリウレタン、ポリスルフォン、
メチルセルロース、ニトロセルロース、ポリテトラフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、ポリパーフルオロシクロヘキサ
ン、ポリパーフルオロジメチルシクロブタン、ポリアセ
チレン−1,3−ジメチルシクロヘキサン共重合体等が
ある。
【0015】尚、未だ知られていない材料における表面
双極子の符号の決定は、自発分極の符号が既知の強誘電
性液晶と表面双極子の符号が既知の材料を用いることで
行える(J.Dijon et al.: Ferroelectrics,85,47(198
8))。例えば、表面双極子の符号が既知の材料による配
向膜と未知の材料による配向膜とをそれぞれ用いた液晶
セルを作製し、この間に上記強誘電性液晶を注入し、双
安定性または捩れ状態を伴った単安定性が得られた場合
には、上下基板の配向膜表面の双極子の符号は同一であ
り、真の(捩れ状態を伴わない)単安定性が得られた場
合には、両方の配向膜表面の双極子の符号は反対か、も
しくは双極子モーメント値が大きく異なっているものと
判定できるのである。
【0016】次に、上記に示す第1の実施例の構成を用
いた第1実験例およびこれに対する比較例について示
す。第1実験例は、表面双極子の符号が正であるポリビ
ニルアルコールとこれが負であるポリイミドをそれぞれ
塗布した基板を所定ギャップを隔てて対峙させるように
配置して作製したプレカラムを用い、これを液晶セルの
注入口に接触させて液晶の注入を行うものである。先
ず、プレカラムの作製は以下のようにして行った。ポリ
ビニルアルコール膜基板の作製は、厚さ1.1mmのガ
ラス基板上にポリビニルアルコール(ナカライテスク株
式会社製の重合度約500のもの)の1%水溶液をスピ
ンナで塗布し(500rpmで30秒の後3500rp
mで40秒)、その後、80〜100℃で15分間乾燥
させて行った。また、ポリイミド膜基板の作製は、ガラ
ス基板上にポリイミド形成用塗布液(東レ株式会社製、
SP−710)を不揮発分が3.4%になるようにN−
メチルピロリドンで希釈した液をスピンナで塗布し(5
00rpmで10秒の後4500rpmで50秒)、そ
の後、120℃で30分、続いて200℃で30分、更
に350℃で30分焼成して行った。上記のようにして
作製した2枚のガラス基板を、それぞれポリマの塗布面
が対峙するように、ポリエチレンテレフタレートのフィ
ルムを挟んで貼り合わせ、開口部のギャップが10μ
m、開口部の幅が5mm、長さが15mmのプレカラム
を作製した。
【0017】また、液晶セルは、厚さ1.1mmのガラ
ス基板に膜厚1000AのITO電極パターン(電極面
積は0.15cm2 )を形成し、この透明電極付きガラ
ス基板上に前記と同じ方法でポリイミド膜を形成し、2
枚の基板のそれぞれのポリイミド塗布面が対峙するよう
に、ポリエチレンテレフタレートのフィルムを挟んで貼
り合わせ、セルギャップが1.8μmのセルを作製し
た。尚、開口部は1箇所とし、余分な開口部はシール剤
により封止した。上記のプレカラムと液晶セルを用い
て、市販のネマティック液晶ZLI−2293(E.M
erck社製)の注入を以下のようにして行った。先
ず、液晶セルの注入口とプレカラムの一方の開口部をパ
ッキンを介して接合させた状態で治具により固定し、プ
レカラムの他方の開口部を液晶溜の液晶に浸漬しない状
態で真空槽内を約3Torrまで減圧し、液晶溜の温度
を液晶の澄明点より5℃高い温度まで上昇させて等方液
体相の状態で10分間放置した後、プレカラムの開口部
を液晶中に浸漬し、真空槽のガス導入口のバルブを徐々
に開けて窒素ガスを注入して、真空槽の内圧を大気圧に
戻しながら液晶セルに液晶を注入した。上記液晶セルの
比抵抗を、JIS C2320に基づき、0.25V/
μmの電界を印加して1分後の抵抗値を測定することに
より求めた結果、7.4×1011Ωcmであった。ま
た、上記第1実験例に対する比較例1として、プレカラ
ムを使用しない以外は第1実験例と同様にしてネマティ
ック液晶ZLI−2293を注入し、この液晶セルの比
抵抗を前記と同様に測定したところ、2.1×1011Ω
cmであった。
【0018】次に、実施例1と同じ構成で強誘電性液晶
を注入した第2実験例とその比較例について示す。第2
実験例は、市販の強誘電性液晶ZLI−3654(E.
Merck社製)を用い、それ以外は第1実験例と同様
にして注入を行い、この液晶セルの比抵抗を前記と同様
に測定したところ、1.5×1012Ωcmであった。ま
た、上記第2実験例に対する比較例として、プレカラム
を使用しない以外は第1実験例と同様にして強誘電性液
晶ZLI−3654を注入し、この液晶セルの比抵抗を
前記と同様に測定したところ、4.2×1011Ωcmで
あった。
【0019】[実施例2]図2は本発明の液晶注入方法
の第2の実施例を模式的に図示したものである。ここで
は、実施例1と同じプレカラムを使用するが、先ず真空
槽7の内部を真空に引いた状態で、プレカラム2の一方
の開口部を液晶溜5の液晶6の中に浸漬して毛細管現象
により液晶をプレカラム内に液晶を注入する。次に、プ
レカラム2の他方の開口部と液晶セル1の注入口の位置
が合わさるようにパッキン4を介して接合させ、真空槽
7のガス導入口9のバルブを徐々に開けて窒素ガスまた
はアルゴンガスを注入して大気圧に戻しながら液晶セル
1内に液晶を注入する。
【0020】次に、上記に示す第2の実施例の構成を用
いた第3実験例およびこれに対する比較例について示
す。第3実験例では、上記第1実験例と同じプレカラム
と液晶セルを用い、液晶も同じネマティック液晶ZLI
−2293を以下のように注入した。先ず、プレカラム
の開口部および液晶セルの注入口のいずれもを液晶溜の
液晶に浸漬させない状態で真空槽内を約3Torrまで
減圧し、液晶溜の温度を液晶の澄明点より5℃高い温度
まで上昇させて等方液体相の状態で10分間放置した
後、プレカラムの下側の開口部を液晶中に浸漬し、毛細
管現象により液晶をプレカラムに注入した。次に、プレ
カラムを液晶溜から引き上げ、プレカラムの上側の開口
部と液晶セルの注入口をパッキンを介して接合させ、真
空槽のガス導入口のバルブを徐々に開けて窒素ガスを注
入して、真空槽の内圧を大気圧に戻しながら液晶セルに
液晶を注入した。また、上記液晶セルの比抵抗を、前記
と同様の方法で測定したところ、1.4×1012Ωcm
であった。上記第3実験例に対する比較例として、プレ
カラムを使用しない以外は第1実験例と同様にしてネマ
ティック液晶ZLI−2293を注入し、この液晶セル
の比抵抗を前記と同様に測定したところ、2.5×10
11Ωcmであった。
【0021】次に、実施例2と同じ構成で強誘電性液晶
を注入した第3実験例とその比較例について示す。第4
実験例は、市販の強誘電性液晶ZLI−3654(E.
Merck社製)を用い、それ以外は第3実験例と同様
にして注入を行い、この液晶セルの比抵抗を前記と同様
に測定したところ、1.5×1012Ωcmであった。ま
た、上記第4実験例に対する比較例として、プレカラム
を使用しない以外は第1実験例と同様にして強誘電性液
晶ZLI−3654を注入し、この液晶セルの比抵抗を
前記と同様に測定したところ、4.2×1011Ωcmで
あった。以上の実験例および比較例より明らかなよう
に、本発明の液晶注入方法を用いることにより、液晶の
比抵抗が増大しており、液晶中の不純物イオンが効率的
に除去されている。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液晶
注入方法によれば、表面双極子の符号が正と負の2種類
の吸着体に液晶を接合せしめた後、液晶セルに注入する
ことにより、液晶中の不純物イオンが効率的に除去さ
れ、不純物イオンに起因する種々の液晶表示素子の劣化
現象、例えば、アクティブマトリックス方式の液晶素子
における電圧保持率の低下によるコントラスト低下や、
強誘電性液晶における焼き付きなどが生じない液晶表示
素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注入方法の第1の構成例を示す模式図
である。
【図2】本発明の注入方法の第2の構成例を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 液晶セル 2 プレカラム 3a 表面双極子の符号が正の膜 3b 表面双極子の符号が負の膜 4 パッキン 5 液晶溜 6 液晶 7 真空槽 8 真空吸引口 9 ガス導入口 11 液晶セル 12 プレカラム 13a 表面双極子の符号が正の膜 13b 表面双極子の符号が負の膜 14 パッキン 15 液晶溜 16 液晶 17 真空槽 18 真空吸引口 19 ガス導入口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶セルの空隙に液晶を注入する方法に
    おいて、表面双極子の符号が正と負の2種類の吸着体に
    液晶を接触せしめた後、液晶セルに注入することを特徴
    とする液晶注入方法。
  2. 【請求項2】 液晶セルの空隙に液晶を注入する方法に
    おいて、表面双極子の符号が正と負の2種類の膜を内面
    に有し、2箇所の開口部を有する中空管の一方の開口部
    を液晶セルの注入口に接合させ、該中空管の他方の開口
    部を液晶溜の液晶に浸漬させて注入することを特徴とす
    る液晶注入方法。
  3. 【請求項3】 液晶セルの空隙に液晶を注入する方法に
    おいて、表面双極子の符号が正と負の2種類の膜を内面
    に有し、2箇所の開口部を有する中空管中に一旦液晶を
    注入した後に液晶セルに注入することを特徴とする液晶
    注入方法。
  4. 【請求項4】 液晶が強誘電性液晶組成物であることを
    特徴とする請求項1ないし3に記載の液晶注入方法。
  5. 【請求項5】 基板上に透明電極を形成すると共に該電
    極を覆う状態に配向膜を形成した一対の透明電極板を、
    それぞれの配向膜が所定ギャップを隔てて対峙するよう
    に配置し、両透明電極板間に液晶を封入してなる液晶表
    示素子において、請求項1ないし4に記載の方法によっ
    て、液晶が液晶セルに注入したことを特徴とする液晶表
    示素子。
JP32830193A 1993-12-24 1993-12-24 液晶注入方法および液晶表示素子 Pending JPH07181508A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6056892A (en) * 1997-03-06 2000-05-02 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Method for purifying liquid crystal
US6462796B1 (en) 1998-04-23 2002-10-08 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display element and manufacturing method thereof

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