JPH07181323A - 反射板及び液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射率が高くてその維持性に優れ、反射光に
明暗のムラが少なくて指向性やギラギラした見栄えを伴
わない反射板を得ること。 【構成】 光透過性の支持フィルム（１）の片面に平均
粒径０．５〜５μmの微粒子を含有する表面微細凹凸構
造の透明樹脂層（２）を有し、その透明樹脂層の表面に
反射面が微細凹凸構造の金属反射層（３）を有する反射
板。 【効果】 入射光が反射面にて良好に拡散されて光度の
均一性に優れる反射光が得られ、金属からなる反射面の
酸化による反射率の低下が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、反射率に優れる偏光型
や位相差型等の反射板、及びそれを用いた液晶表示装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、軽量性や薄型性、低消費電力性等
に優れて携帯用のワープロやパソコン等のディスプレイ
に多用されている反射型の液晶表示装置における反射板
としては、アルミニウム箔の圧延シートをポリエステル
フィルムで補強したもの、マット処理したポリエステル
フィルム上にアルミニウムの蒸着膜を付設したものが知
られていた。

【０００３】しかしながら、アルミニウム箔の圧延シー
トを用いた反射板では、圧延処理による特有の痕跡が残
存して反射光に指向性が現れ、明暗のムラが発生する問
題点があった。またマット処理したポリエステルフィル
ムを用いた反射板では、処理面の粗さに基づいてギラギ
ラした見栄えの反射光となり、この場合にも明暗のムラ
が発生する問題点があった。

【０００４】また反射面となる金属面の酸化により反射
率が低下し、銀からなる反射面等の場合には酸化による
反射率の低下が大きくてその予防のために酸化防止層等
の保護層を設ける必要のある問題点もあった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、反射率が高
くてその維持性に優れ、反射光に明暗のムラが少なくて
指向性やギラギラした見栄えを伴わない反射板の開発を
課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、光透過性の支
持フィルムの片面に平均粒径０．５〜５μmの微粒子を
含有する表面微細凹凸構造の透明樹脂層を有し、その透
明樹脂層の表面に反射面が微細凹凸構造の金属反射層を
有することを特徴とする反射板を提供するものである。

【０００７】

【作用】上記の構成により微粒子含有の透明樹脂層によ
る微細凹凸構造を反映した反射面を有する金属反射層を
形成でき、その微細凹凸構造に基づいて入射光が良好に
乱反射されて拡散し、それにより指向性やギラギラした
見栄えが防止され、明暗のムラの少ない反射光が形成さ
れる。加えて光を支持フィルム側より入射させる使用形
態とした場合には入射光及びその反射光が微粒子含有の
透明樹脂層を透過する際に更に拡散されるため、より明
暗ムラの少ない反射光が形成される。一方、金属反射層
の反射面が透明樹脂層や偏光板等で被覆されているた
め、酸化による反射率の低下も防止されて初期の反射率
を長期に持続し、保護層を別途に付設する必要を回避す
ることができる。

【０００８】

【実施例】本発明の反射板は、光透過性の支持フィルム
の片面に平均粒径０．５〜５μmの微粒子を含有する表
面微細凹凸構造の透明樹脂層を有し、その透明樹脂層の
表面に反射面が微細凹凸構造の金属反射層を有するもの
である。その例を図１に示した。１が光透過性の支持フ
ィルム、２が透明樹脂層、３が金属反射層である。

【０００９】光透過性の支持フィルムとしては、偏光
板、位相差フィルム又は透明フィルムが用いられる。従
って支持フィルムに偏光板を用いた場合には偏光型の反
射板すなわち反射型偏光板が形成され、位相差フィルム
を用いた場合には位相差型の反射板すなわち反射型位相
差板が形成される。また透明フィルムを用いた場合には
無光学機能型の反射板が形成される。

【００１０】偏光板としては、偏光フィルムからなるも
のが用いられる。その偏光フィルムについては特に限定
はなく、例えばポリビニルアルコール系フィルム、部分
ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親
水性高分子フィルムにヨウ素及び／又は二色性染料を吸
着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処
理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配
向フィルムなどがあげられる。偏光フィルムの厚さは通
例５〜８０μmであるが、これに限定されない。

【００１１】偏光板は、偏光フィルムそのものであって
もよいし、偏光フィルムの片側又は両側に透明保護層を
設けたものであってもよい。透明保護層の形成には、後
記する透明フィルムで例示の如きプラスチックなどが用
いられ、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性な
どに優れるものが好ましく用いられる。

【００１２】位相差フィルムとしては、例えばポリカー
ボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリ
オレフィン、ポリアリレートの如き適宜なプラスチック
からなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性フィルム
などが用いられる。位相差フィルムは、２種以上の位相
差フィルムを積層して位相差等の光学特性を制御したも
のとして形成することもできる。なお前記の偏光板又は
位相差フィルムは、それらを積層してなる楕円偏光板と
して用いることもできる。

【００１３】透明フィルムとしては、例えばポリエステ
ル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルサルホン系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹
脂などの適宜なプラスチックからなるものを用いうる。
ポリエステルやトリアセチルセルロースからなるフィル
ムの如く光透過率や強度に優れるものが好ましい。厚さ
は適宜に決定でき、通例１mm以下、就中１０〜５００μ
mである。

【００１４】なお偏光板、位相差フィルム、透明フィル
ムは、例えばサリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェ
ノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノ
アクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外
線吸収剤で処理する方式などにより紫外線吸収能をもた
せたものであってもよい。

【００１５】透明樹脂層の形成には、上記に例示したプ
ラスチックや、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレ
タン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型ないし
紫外線硬化型などの適宜な樹脂を用いることができ、透
明性、支持フィルムとの密着性、微粒子の分散性などに
優れるものが好ましく用いうる。

【００１６】透明樹脂層に含有させる微粒子としては、
平均粒径が０．５〜５μmであり、透明樹脂層中で透明
性を示す適宜なものを用いうる。一般には、シリカ、ア
ルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウ
ム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等の導電性を有す
ることもある無機系の微粒子や、架橋又は未架橋ポリマ
ー等の有機系の微粒子などが用いられる。なお微粒子の
平均粒径が前記範囲外では反射光の拡散性に優れる微細
凹凸構造の表面ないし、それを反映した反射面を形成し
にくくなる。

【００１７】微粒子の使用量は、透明樹脂層の表面にも
たせる微細凹凸構造や反射光の拡散効果等に応じて適宜
に決定されるが、一般には透明樹脂１００重量部あたり
２〜２５重量部、就中５〜２０重量部である。また透明
樹脂層の厚さも、表面にもたせる微細凹凸構造や反射光
の拡散効果等に応じて適宜に決定されるが、一般には５
mm以下、好ましくは１mm以下、特に薄層化による柔軟な
反射板の形成の点より５００μm以下、就中２〜２００
μmとされる。

【００１８】透明樹脂層の形成は、例えば透明樹脂と所
定量の微粒子を必要に応じ溶媒を用いて混合し、その混
合分散液を支持フィルムの片面にワイヤーバー方式やド
クターブレード方式等の適宜な方式で塗布し、乾燥ない
し樹脂に応じた方式で硬化処理する方法などにより行う
ことができる。なお表面微細凹凸構造の透明樹脂層の形
成は、当該混合分散液の塗布厚を１００μm以下、就中
１〜５０μmとすることで効率よく形成でき、従って透
明樹脂層の表面を微細凹凸構造化するために重ね塗等の
方式を採ることもできる。

【００１９】透明樹脂層の表面に設ける金属反射層は、
例えば金属を蒸着ないしメッキする方式などの透明樹脂
層の表面微細凹凸構造を反映しうる適宜な方式で形成し
てよい。当該反映性や反射率等の点より好ましい金属反
射層は、金属を透明樹脂層の表面に真空蒸着方式、イオ
ンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方
式で直接付設形成したものである。

【００２０】反射層の形成に用いる金属は、目的とする
反射率等に応じて適宜に決定してよい。一般には銀やア
ルミニウムなどが用いられる。金属反射層の厚さは、光
が透過しない厚さであればよく、一般には５０nm以上、
就中１００nm以上とされる。金属反射層の反射面におけ
る好ましい微細凹凸構造は、隣接の凹部底を基準とした
高さが２０μm以下、就中０．２〜５μmの凸部を１０μ
m角あたり１個以上、就中２個以上、特に１０個以上有
するものである。なお本発明において支持フィルム側と
反対側の金属反射層面が反射面として利用されるときに
は、その反対側の面も微細凹凸構造となるように金属反
射層が形成される。

【００２１】上記において光透過性の支持フィルムに偏
光板又は位相差フィルムを用いた偏光型又は位相差型の
反射板を示したが、本発明においては支持フィルムに透
明フィルムを用いた無光学機能型の反射板を使用して偏
光型の反射板すなわち反射型偏光板又は位相差型の反射
板すなわち反射型位相差板を形成することもできる。

【００２２】図２、図３にかかる偏光型又は位相差型の
反射板を例示した。これらは、支持フィルムとしての透
明フィルム１１の片面に透明樹脂層２と金属反射層３を
設けてなる反射板４を、接着剤層５を介して偏光板６又
は位相差フィルム７と接着することにより形成したもの
である。その場合、偏光板又は位相差フィルムは、反射
板の片面に設けられるが、その付設側は図２又は図３の
例より明らかな如く透明フィルム側１１又は表面微細凹
凸構造の金属反射層側３のいずれであってもよい。

【００２３】なお前記の場合にも偏光板又は位相差フィ
ルムは、それらを積層してなる楕円偏光板として用いる
こともできる。その例を図４に示した。かかる楕円偏光
型の反射板は、偏光板と位相差フィルムの組合せとなる
ようにそれらを順次別個に接着積層することによっても
形成することができるが、予め楕円偏光板としたものを
用いる方式は、積層作業性に優れて製造効率に優れてい
る。

【００２４】接着剤層の形成には、例えばアクリル系粘
着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤や
ホットメルト系接着剤などの適宜なものを用いうる。透
明性や耐候性等に優れるものが好ましい。接着剤層の付
設は、塗工方式やセパレータ上に設けたものの移着方式
など適宜な方式で行ってよい。なお接着剤層が粘着層の
場合には、実用に供するまでの間その表面をセパレータ
等で保護しておくことが好ましい。なお接着剤層に上記
した微粒子を含有させて光拡散型のものとすることもで
き、これは透明フィルム使用の反射板における金属反射
層に偏光板、位相差フィルム又は楕円偏光板を接着する
際に特に好適である。

【００２５】本発明の反射板は、柔軟性を有して湾曲面
や大面積面等への適用が容易でありディスプレイ装置な
どの種々の装置に適用することができ、特に反射型の液
晶表示装置の形成などに好ましく用いることができる。
その場合、反射板は液晶セルの片側に金属反射層を外側
にして、あるいは偏光板等の光学機能層をセル側にして
配置される。図５に反射型の液晶表示装置を例示した。
８が液晶セルであり、その他の符号は上記に準じる。な
お反射板は接着剤層等を介して装置本体に固定すること
もできる。

【００２６】前記において位相差型の反射板は、着色防
止や視角範囲の拡大等を目的に液晶セルの位相差を補償
するために用いられるが、その場合、偏光板と積層して
なる楕円偏光板として用いることもできる。なお反射板
を適用する液晶セルは任意であり、例えば薄膜トランジ
スタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のも
の、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチッ
ク型に代表される単純マトリクス駆動型のものなどの適
宜なタイプの液晶セルに適用することができる。

【００２７】実施例１ 厚さ７０μmのポリカーボネートフィルムを１６０℃に
て一軸延伸してなる位相差フィルムの片面に、アクリル
ウレタン系樹脂に平均粒径１．５μmのシリカ系微粒子
を１０重量％分散含有させた混合液をワイヤーバーにて
塗布し高圧水銀ランプにて紫外線硬化処理して厚さが１
０μmで表面が微細凹凸構造の透明樹脂層を形成し、そ
の表面に真空蒸着方式にて厚さが１００nmの銀反射層を
形成し、隣接の凹部底を基準とした高さが０．２〜５μ
mの凸部を１０μm角あたり平均で５個有する微細凹凸構
造の反射面を有する位相差型の反射板を得た。

【００２８】実施例２ 位相差フィルムに代えて、偏光フィルム（日東電工社
製、ＮＰＦ−Ｇ１２２５ＤＵＮＡＧＳ１）を用いたほか
は実施例１に準じて偏光型の反射板を得た。

【００２９】実施例３ 位相差フィルムに代えて厚さ８０μmのトリアセテート
フィルムを用いて実施例１に準じて反射板を形成したの
ち、トリアセテートフィルムの他面に偏光フィルム（日
東電工社製、ＮＰＦ−Ｆ１２２５ＤＵＮ）をアクリル系
粘着層を介して接着し、偏光型の反射板を得た。

【００３０】実施例４ 偏光フィルムに代えて楕円偏光板（日東電工社製、ＮＲ
Ｆ−ＥＦ・Ｇ）をトリアセテートフィルムの他面に接着
したほかは実施例３に準じて楕円偏光型の反射板を得
た。

【００３１】実施例５ 偏光フィルムに代えて位相差フィルム（日東電工社製、
ＮＲＦ−ＲＦ）をトリアセテートフィルムの他面に接着
したほかは実施例３に準じて位相差型の反射板を得た。

【００３２】評価 前記の実施例１〜５で得た反射板は、いずれの場合にも
その反射光に指向性やギラギラした見栄えは認められ
ず、明暗ムラのない光度の均一性に優れる反射光であっ
た。

【００３３】

【発明の効果】本発明の反射板によれば、反射率に優れ
ると共に、入射光が良好に拡散されて指向性やギラギラ
した見栄えが防止され、明暗のムラの少ない光度の均一
性に優れる反射光を得ることができ、かつ金属反射層の
反射面が透明樹脂層等で被覆されて酸化による反射率の
低下も防止され、初期の反射率を長期に持続する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の断面図。

【図２】偏光型反射板の実施例の断面図。

【図３】位相差型反射板の実施例の断面図。

【図４】楕円偏光型反射板の実施例の断面図。

【図５】液晶表示装置の実施例の断面図。

【符号の説明】

４：反射板 １：光透過性の支持フィルム １１：透明フィルム ２：微粒子含有の透明樹脂層 ３：金属反射層 ５：接着剤層 ６：偏光板 ７：位相差フィルム ８：液晶セル

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光透過性の支持フィルムの片面に平均粒
   径０．５〜５μmの微粒子を含有する表面微細凹凸構造
   の透明樹脂層を有し、その透明樹脂層の表面に反射面が
   微細凹凸構造の金属反射層を有することを特徴とする反
   射板。
2. 【請求項２】 支持フィルムに偏光板を用いてなる偏光
   型、位相差フィルムを用いてなる位相差型、楕円偏光板
   を用いてなる楕円偏光型又は透明フィルムを用いてなる
   無光学機能型の請求項１に記載の反射板。
3. 【請求項３】 金属反射層が金属を透明樹脂層の表面に
   直接蒸着付設したものからなる請求項１に記載の反射
   板。
4. 【請求項４】 支持フィルムに透明フィルムを用いた請
   求項２に記載の反射板における透明フィルム側又は金属
   反射層側の表面に、接着剤層を介して偏光板又は／及び
   位相差フィルムを接着してなることを特徴とする偏光
   型、位相差型又は楕円偏光型の反射板。
5. 【請求項５】 請求項１〜４に記載の反射板を有するこ
   とを特徴とする液晶表示装置。