JPH07181303A - 光学デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

光学デバイスおよびその製造方法

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JPH07181303A
JPH07181303A JP32652793A JP32652793A JPH07181303A JP H07181303 A JPH07181303 A JP H07181303A JP 32652793 A JP32652793 A JP 32652793A JP 32652793 A JP32652793 A JP 32652793A JP H07181303 A JPH07181303 A JP H07181303A
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和博 梅木
Masanori Satou
昌仙 佐藤
Shoichi Akiyama
省一 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製造の歩留まりが良く、対応する屈折面相互の
位置合わせの精度が良く、耐環境性に優れた新規な光学
デバイスを製造する方法を実現する。 【構成】片面に所望の面形状11Aを形成された第1の
透明基板10と、片面に所望の面形状21Aを形成され
た第2の透明基板とを、平滑な他方の面同志で接合さ
せ、一体化してなる光学デバイスを製造する方法であっ
て、第1の透明基板10として相対的に低アルカリのガ
ラス基板を用い、第2の透明基板20として相対的に高
アルカリのガラス基板を用い、これら第1および第2の
透明基板を、対応する面形状同志の位置合わせを行った
のち、アノーディック・ボンディングにより接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光学デバイスおよび
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズ等の光学デバイスとして、従来の
研磨法によるのでなく、種々の物理的・化学的な方法で
製造されるものが提案され、実用化されつつある。例え
ば、透明なガラス基板上にフォトレジスト層を設け、こ
れにフォトリソグラフィ法により円形状や楕円形状をパ
ターニングし、パターニングされたフォトレジスト層を
ガラス転移点以上に加熱し、フォトレジスト層の熱流動
と表面張力の作用で、凸曲面形状に形成し、この凸曲面
形状を「屈折面」として利用するようにした光学デバイ
スが知られているし、上記凸曲面形状に形成されたフォ
トレジストと透明基板とに対してエッチングを行い、フ
ォトレジストの表面形状としての凸曲面形状を透明基板
に彫り写すことにより、透明基板自体の表面形状として
屈折面を形成することも提案されている(特開平5−1
73003号公報)。
【0003】上記のような屈折面は、透明基板の片面の
みならず、両面に形成でき、透明基板の両面に形成され
る屈折面を組み合わせて1単位のレンズとすることによ
り、より広範なレンズ機能を実現することができる。
【0004】しかし、透明基板の両面に、互いに対応す
る屈折面を形成してレンズ機能を実現する場合、透明基
板の一方の面に形成される屈折面と他方の面に形成され
る屈折面との位置的な対応関係、即ち、屈折面相互の
「光軸合わせ」が精度良く行われないと、目的とする光
学性能を持ったレンズを実現出来ない。
【0005】透明基板の両面に屈折面を形成する場合、
各面に形成された屈折面相互の位置合わせを精度良く行
うことは必ずしも容易でない。また、透明基板の片面に
良好な屈折面を形成できても、他方の面に良好な屈折面
を形成できなければ、光学デバイスとしては「欠陥品」
となってしまう。このような理由で、両面に屈折面を持
つ光学デバイスの製造の歩留まりの向上が困難であっ
た。
【0006】このような問題を解決する方法の一つとし
て、透明基板を2つに分け、それぞれの透明基板の一方
の面に屈折面を形成し、これら2つの透明基板を、互い
の屈折面を位置合わせし、「接着」により一体化する方
法が考えられる。
【0007】この方法によれば、良好な屈折面同志を組
み合わせられるし、両面の屈折面相互の位置合わせも良
好に実現できるが、接着部に介在される接着剤が、光学
デバイスの光学性能に悪影響を与える虞れがあり、また
光学デバイスの使用環境によっては、接着部の劣化によ
り透明基板相互が剥離する等の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した事
情に鑑みてなされたものであって、製造の歩留まりが良
く、対応する屈折面相互の位置合わせの精度が良く、耐
環境性に優れた新規な光学デバイスの提供を目的とする
(請求項4〜7)。この発明の別の目的は、上記光学デ
バイスを製造する方法の提供にある(請求項1〜3)。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の「光学デバイ
ス製造方法」は、「片面に所望の面形状を形成された第
1の透明基板と、片面に所望の面形状を形成された第2
の透明基板とを、平滑な他方の面同志で接合させ、一体
化してなる光学デバイスを製造する方法」である。第1
の透明基板に形成される「所望の面形状」と、第2の透
明基板に形成される「所望の面形状」とは、互いに同じ
でも良いし、異なっても良い。
【0010】請求項1記載の光学デバイス製造方法は、
第1の透明基板として「相対的に低アルカリもしくは無
アルカリのガラス基板」を用い、第2の透明基板として
「相対的に高アルカリのガラス基板」を用い、これら第
1および第2の透明基板を、対応する面形状同志の位置
合わせを行ったのち、「アノーディック・ボンディン
グ」により接合することを特徴とする。
【0011】この場合、第1または第2の透明基板の、
接合を行うべき平滑な面に、アノーディック・ボンディ
ングに適当なアルカリ可動イオンを含む材料の薄膜、も
しくはSiO2膜または、Si膜のウエット酸化膜を形
成して接合を行うことができる(請求項2)。
【0012】請求項3記載の光学デバイス製造方法は、
「第1および第2の透明基板として、SiO2を含む基
板」を用い、これら第1および第2の透明基板を、その
接合部に「単分子層」のH2Oを介在させ、対応する面
形状同志の位置合わせを行ったのち、「高温ボンディン
グ」により接合することを特徴とする。
【0013】この発明の「光学デバイス」は、上記請求
項1または2または3記載の光学デバイス製造方法によ
り、製造される光学デバイスである(請求項4)。請求
項1,2記載の発明の光学デバイスにおいては、第1お
よび/または第2の透明基板に形成された面形状は、例
えば前述した従来技術のように、「フォトレジストの表
面形状」等、透明基板と別材料の表面形状として形成さ
れてもよいが、「第1および/または第2の透明基板自
体の表面形状として形成され」ていてもよい(請求項
5)。
【0014】請求項4または5記載の光学デバイスは、
第1および第2の透明基板に形成される所望の面形状を
「凸もしくは凹の屈折面」とし、第1の透明基板の屈折
面と第2の透明基板の屈折面の光軸を合わせた構成の
「マイクロレンズ」として実現することもできるし(請
求項6)、さらに、第1および第2の透明基板に形成さ
れる屈折面を複数且つアレイ配列とすることにより、
「マイクロレンズアレイ」として実現することもできる
(請求項7)。
【0015】勿論、この発明の光学デバイスを構成する
上で、第1および/または第2の透明基板に形成する所
望の面形状は、上記屈折面に限らず、1次元または2次
元のフレネルレンズやグレーテイングを実現するような
形状でもよいし、マイクロプリズム等を実現するような
形状でもよい。
【0016】
【作用】上記のように、この発明の光学デバイス製造方
法では、それぞれ、「片面に適正に所望の面形状を形成
された透明基板」同志を位置合わせして接合させる。請
求項1記載の製造方法に於ける「アノーディック・ボン
ディング」は、接合する第1および第2の透明基板を構
成するガラス板の、アルカリ含有量の差を利用し、内部
の可動イオンの移動によって界面に空間電荷層を生じさ
せ、これによって大きな静電引力を発生せしめ、その結
果、界面で生成する化学結合を利用した接合方法であ
る。
【0017】第1の透明基板として「相対的に低アルカ
リもしくは無アルカリ」のガラス基板を用い、第2の透
明基板として「相対的に高アルカリ」のガラス基板を用
いると、第2の透明基板は、第1の透明基板に対し、例
えばNaの+イオンのような「アルカリイオン」の量が
相対的に高い。
【0018】そこで、第1及び第2の透明基板を、互い
に平滑な面で接触させた状態で、第2の透明基板の側か
ら第1の透明基板の側に向かう強い電界を作用させつ
つ、第1及び第2の透明基板を400度程度の高温に加
熱すると、熱エネルギーと電界の作用により、第2の透
明基板から第1の透明基板への「アルカリイオン」の移
動が起こり、移動したイオンが、第1の透明基板内に固
定的に受容される。
【0019】このように「アルカリイオンの移動」が生
じると、第1の透明基板と第2の透明基板との界面部に
おいて、第1の透明基板では通常状態より「イオン豊
富」の状態が生じ、第2の透明基板では通常状態より
「イオン欠乏」の状態が生ずる。このため、第1の透明
基板は受容したアルカリイオンによる正電荷を基板内部
に有し、第2の透明基板は「アルカリイオン欠乏による
負電荷」を基板内部に有することになり、第1および第
2の透明基板は、空間電荷層による「静電引力」で極め
て強固に化学結合するのである。
【0020】請求項2記載の光学デバイス製造方法のよ
うに、上記請求項1記載の光学デバイス製造方法を実施
するに当たり、「第1または第2の透明基板の、接合を
行うべき平滑な面に、アノーディック・ボンディングに
適当なアルカリ可動イオンを含む材料の薄膜、もしくは
SiO2膜または、Si膜のウエット酸化膜を形成して
接合を行う」ことにより、アノーディック・ボンディン
グを助長して行うことができる。
【0021】請求項3記載の製造方法の発明に於ける、
「高温ボンディング」は、オプチカルコンタクトと化学
反応を利用した接合方法である。清浄なガラス表面は極
めて活性であり、これら清浄な「鏡面状」のガラス表面
同志を接触させると、室温で強く接着する。この現象を
オプチカルコンタクトと呼んでいる。このオプチカルコ
ンタクトは、熱処理によりその接着強度が増大する。こ
の熱処理の効果は、以下の如き化学反応で説明される。
【0022】即ち、第1・第2の透明基板は、ガラス
等、SiO2を含んだものであり、これらの互いに平滑
な面を、「単分子層」のH2Oを介在させて加熱する
と、高温条件下では、基板表面の酸素結合層が軟化し、
溶融状態となるため、単分子層の「H2O」が「H」と
「O−H」とに分極し、「H」が「−Si−O−」と結
合して「Si−OH」が生成する。このとき、「−Si
−O−Si−」からダングリングボンドが生じる。
【0023】次に、「O−H」が「Si−O−H」と反
応し、脱水反応で「−Si−O」のダングリングボンド
が生成する。そして「−Si−」と「−Si−O」が結
合して「Si−O−Si」の結合ができる。更に、「S
i−OH」と「HO−Si」から、同様に脱水反応で
「H2O」が除去され、「Si−O−Si」の結合が出
来る。このとき脱水反応で生じた「H2O」は、界面を
拡散により接合部から散逸する。このようにして、第1
および第2の透明基板が接合される。
【0024】なお、請求項3記載の光学デバイス製造方
法において、上記の「高温ボンディング」後に、適当な
高温度下で、アノーディック・ボンディングと同様に、
接合部に強い電界を作用させてもよい。このようにする
と、H+イオンの移動により、ボンディング強度を更に
強くできる。
【0025】
【実施例】以下、具体的な実施例を説明する。図1は、
請求項1記載の光学デバイス製造方法の1実施例を説明
するための図である。図1(a)に示す、第1の透明基
板10は「低アルカリガラスもしくは無アルカリガラ
ス」であって、一方の面(図で下側の面)が平滑な面
で、他方の面には、位置合わせ用のマーク11と、一連
の凸の曲面形状11A,11B,..が形成されてい
る。凸面形状11A,11B,..は、この例において
2次元にアレイ配列されている。
【0026】図1(b)に示す、第2の透明基板20は
「高アルカリガラス」であり、一方の面(図で下側の
面)が平滑な面で、他方の面には、位置合わせ用のマー
ク21と、一連の凸の曲面形状21A,21B,...
が形成されている。凸面形状21A,21B,..は、
2次元にアレイ配列されており、配列状態は、第1の透
明基板10における凸面形状11A等の配列状態と対応
している。凸面形状11A,11B,..,21A,2
2B,..の大きさは、マイクロレンズの大きさ(径:
1mm程度以下)である。
【0027】図1(c)は、第1の透明基板10と第2
の透明基板20を、互いの平滑な面で合わせ、位置合わ
せした状態を示している。「位置合わせ」は、位置合わ
せ用のマーク11,21を利用して行う。即ち、位置合
わせ用のマーク11は、図1(d)に示すように「十字
型のマーク」で、金属薄膜で形成されている。マーク2
1は、十字マーク11よりも一回り大きい「十字型のマ
ークを抜いた」マークとなっており、金属薄膜で形成さ
れている。これらのマーク11,21は、俗に「トン
ボ」と呼ばれる公知のものである。
【0028】位置合わせは、マーク11がマーク21の
「十字型の抜き部分」内に収まるようにすることにより
行われる。このような位置合わせが、透明基板10,2
0の2ヵ所(例えば対角線上の対点)以上で行われるこ
とにより、凸面形状11A,11B,..と、対応する
凸面形状21A,21B,..の相互の位置合わせが実
現される。
【0029】凸面形状11A,11B,..,21A,
21B,...は、それぞれが正の屈折力を持つ屈折面
であり、凸面形状11Aと21A,11Bと21
B,..のように、互いに対応する屈折面同志が対にな
って凸レンズを形成する。上記位置合わせは、このよう
な凸レンズを構成する「互いに対応する屈折面同志」の
光軸合わせを実現することである。
【0030】位置合わせが実現されたら、図1(e)に
示すように、互いに重ねられた透明基板10,20に、
高圧直流電源3により電界を作用させる。第1,第2の
透明基板10,20には、その片側の面(屈折面を形成
されている面)の端部に、メタライズを施し(スパッタ
膜とAu鍍金膜)、このメタライズ部に電極を形成し、
高圧直流電源3に接続して電界を作用させた。電源電圧
は750〜1000Vが適当であった。
【0031】このとき電界は、その殆どが接合部の、厚
さ:数10μmの部分に作用し、電界強度としては10
7〜108V/mである。因に、第1および第2の透明基
板10,20は、共に厚さが0.5mmのものと、一方
が1mm,他方が0.5mmのものを用いて実験を行っ
た。電界は、第2の透明基板20の側から、第1の透明
基板10の側へ向くように、即ち、アルカリイオン濃度
が高い側から低い側へ向かうように作用させる。
【0032】この状態で、第1,第2の透明基板10,
20を400度程度に加熱すると、前述のアノーディッ
ク・ボンディングにより、第1,第2の透明基板10,
20が強固に接合され、一体化される。電界の作用時間
は、数分間程度で十分であった。また、第1または第2
の透明基板の接合すべき面に、SiO2膜を2000Å
以下の厚さにスパッタリング形成した場合は、電源によ
り印加する電圧を30〜50Vに低減出来た。
【0033】かくして、両面の対応する屈折面同志が凸
レンズをなすマイクロレンズアレイが得られる。このマ
イクロレンズアレイは、両面に形成されている屈折面同
志が良く光軸合わせされ、尚且つ、接合性が強固で耐環
境性が強く、接合部が光学的な悪影響を与えず、製造の
歩留まりが良い。第1の透明基板10は低アルカリガラ
スとして、アルカリを含まないSiO2ガラスを用いて
も良い。
【0034】第2の透明基板20は、高アルカリガラス
として、イオン半径の小さい、Li,Na,K等の1価
のプラスイオンや、Pb,Mg,Ca,Cd,等の2価
のプラスイオンを含むアルミノ珪酸塩系や低融点ガラス
系のガラス組成を有する材料等が好ましい。
【0035】さらに、第1,第2の透明基板は、熱膨張
係数が広い温度範囲に渡って略等しい材料であること、
第2の透明基板は、アルカリ成分を有した体積低効率の
小さい材料であることが望ましい。勿論アノーディック
ボンディング後の「歪み」を防ぐためには、材料自体に
内在する「歪」を除去することが重要である。
【0036】図2は、請求項3記載の光学デバイス製造
方法の1実施例を説明するための図である。図2は、第
1の透明基板100と第2の透明基板200を、平滑な
面同志を合わせて、位置合わせ(位置合わせ用のマーク
101,201(図1の例と同じく「トンボ」である)
を用いて行う)を行った状態を示している。
【0037】第1,第2の透明基板100,200は、
共にSiO2を含むものであって、その片面には、凸面
形状101A,101B,..,201A,201
B,..による屈折面のアレイが、対応的に形成されて
おり、平滑な面同志の接合部には、H2Oの単分子層3
00が介在させられる。この状態で、透明基板100,
200を200〜400度Cのオーブンに入れて、20
〜60分加熱すると、前述の「高温ボンディング」によ
り、透明基板100,200が接合されて一体化する。
【0038】かくして、両面の対応する屈折面同志が凸
レンズをなす、マイクロレンズアレイが得られる。この
マイクロレンズアレイは、両面に形成されている屈折面
同志が良く光軸合わせされ、尚且つ、接合性が強固で耐
環境性が強く、接合部が光学的な悪影響を与えず、製造
の歩留まりが良い。上記高温ボンディングのあとに、上
記オーブン内で、接合部に電界を作用させることによ
り、接合をより強固にすることができる。
【0039】上に説明した、アノーディック・ボンディ
ング、高温ボンディングは、第1および第2の透明基板
の接合のみならず、この発明により得られる光学デバイ
スを支持体や保持体に固定する方法としても使用でき
る。
【0040】例えば図3において、符号30は、図1に
即して説明した方法で製造されたマイクロレンズアレイ
を保持する鏡筒を示しているが、この鏡筒30を、低ア
ルカリガラスで形成することにより、高アルカリガラス
である透明基板20との間をアノーディック・ボンディ
ングで固定することができる。また、鏡筒30をSiO
2を含む材質で製造し、図2に即して説明した方法で製
造された光学デバイスを「高温ボンディング」で、鏡筒
に固定することも可能である。
【0041】上に説明した実施例では、第1および第2
の透明基板は、それぞれ、片面に所望の凸面形状を屈折
面として形成されていた。以下には、透明基板の表面に
凸面形状を形成する具体的な方法を説明する。
【0042】図4に示す方法は以下の通りである。符号
15で示す基板は、低アルカリガラスもしくは無アルカ
リガラス、あるいは高アルカリガラス、あるいはSiO
2を含む透明基板である。この基板15の平滑な表面に
フォトレジスト16の層を形成する。この層を、形成し
ようとする屈折面のパターンに応じて、フォトリソグラ
フィ法によりパターニングした状態が、図4(a)に示
す状態である。
【0043】この状態で、パターニングされたフォトレ
ジスト16の層をガラス転移点以上に加熱すると、フォ
トレジスト16は、熱流動と表面張力の作用で表面が曲
面化する(図4(b))。フォトレジストが透明である
ならば、この状態をもって、「透明基板15の片面に所
望の面形状を形成された」状態とすることもできる。
【0044】さらに、図4(b)の状態において、表面
が曲面化したフォトレジスト16と基板15とに対して
ドライエッチングを行って、フォトレジスト16の表面
の凸面形状を、基板15の表面形状として「彫り写す」
ことにより、片面に所望の凸面形状を持った基板15を
得ることも出来る(図4(c))。
【0045】図5に示す方法は以下の通りである。符号
15で示す基板は、図4におけると同じく、低アルカリ
ガラス、あるいは高アルカリガラス、あるいはSiO2
を含む透明基板である。基板15の平滑な表面に、レジ
スト等の熱可塑性材料の層17を形成し、層17の上
に、中間層18と、フォトレジスト19の薄膜とを積層
する。中間層18は、CuやAl等の「金属材料」を真
空蒸着等で2000〜10000Åの厚みに形成したも
の、あるいはSi等の「非金属材料」を真空蒸着やスパ
ッタリング等で2000〜5000Åの厚みに形成した
ものである。
【0046】この状態において、最上層のフォトレジス
ト19の薄膜を、形成しようとする屈折面のパターンに
応じて、フォトリソグラフィ法によりパターニングす
る。図5(a)は、パターニング後の状態を示す。
【0047】続いて、パターニングされたフォトレジス
ト19の薄膜をマスクとしてエッチングを行い、剥き出
し状態の中間層18を除去すると図5(b)に示すよう
に、パターニングされたフォトレジスト19のパターン
が中間層18に写される。このとき行うエッチングは、
中間層が金属材料によるものであるときウエットエッチ
ング」であり、Si等の「非金属材料」で中間層が形成
されているときは、ウエットエッチングもしくはドライ
エッチングで行うことができる。
【0048】この状態でドライエッチングを行い、熱可
塑性材料17の層を厚み方向へ彫り込み(図5
(c))、続いて、中間層18とフォトレジスト19の
薄層を除去した後、熱可塑性材料17の層をガラス転移
点以上に加熱すると、図5(d)に示すように熱可塑性
材料17の表面が曲面化する。
【0049】さらに、表面が曲面化した熱可塑性材料1
7と基板15とに対して「異方性」のドライエッチング
を行って、熱可塑性材料17の表面の凸面形状を基板1
5の表面形状として「彫り写す」ことにより、片面に所
望の凸面形状を持った基板15を得ることが出来る(図
5(e))。
【0050】図4、図5の方法において、フォトレジス
ト16、熱可塑性材料17の表面を曲面化を行うのに、
上記の如き加熱による方法のほか、高圧力を等方的に作
用させたり、高圧力を等方的に作用させつつ加熱したり
する方法が可能である。また、図4の方法でフォトレジ
スト16の表面を曲面化する際や、図5の方法で熱可塑
性材料17の表面を曲面化する際、フォトレジストの層
や、熱可塑性材料の層に「所定の光強度分布の光」を照
射して、これら物質の流動性に内部的な分布を与えるこ
とにより、形成される曲面形状を制御して、所望の非球
面形状を実現することもできる。
【0051】さらにまた、図4の方法では、基板15と
フォトレジスト16の層との間、図5の方法では、基板
15と熱可塑性材料17の層との間に、「基板とは異な
る屈折率を持つ材料」を蒸着等で層状に形成してもよ
く、このようにすると、所望の面形状を、上記基板15
とは異なる屈折率を持つ材料を持つ層の表面形状として
形成することもできる。
【0052】上には、透明基板に形成される「所望の面
形状」が、凸の曲面である場合を説明したが、これに限
らず、透明基板上には、所望の面形状として、凹の曲面
が形成されてもよい。透明基板の片側に「凹の曲面」を
形成する方法には種々の方法が考えられるが、図6に1
例を示す。
【0053】透明基板15上に、光硬化性の透明樹脂5
0を塗布し、「所望の凹面形状に対応する凸面形状」を
有する型60(例えば、図4や図5に即して説明した方
法で作成できる)により、透明樹脂50に凹面形状を形
成し、透明基板15の側から紫外線等を照射して樹脂層
50を硬化させる。その後、型60を除去すれば、透明
基板15の片側に、所望の凹面形状をもった状態を実現
できる。さらに、この状態からドライエッチングを行っ
て、透明樹脂50の凹面形状を透明基板15に彫り写し
ても良い。
【0054】また、図4(a)の状態または図5(c)
の状態からエッチングを行えば、透明基板15の表面形
状として、側面部の切り立った「断面矩形状の面形状」
を形成できるので、これを利用して、透明基板の表面形
状としてグレーテイングを形成することもできる。ある
いは、図4の方法で、フォトレジスト16の層をパター
ニングする際、透過光強度分布が直線的に変化するマス
クを利用すると、側面部が斜面になった面形状を形成で
きるので、これを利用して、透明基板の表面にマイクロ
プリズムやフレネルレンズの形状を形成できるし、断面
形状が台形状の形状(光学的ローパスフィルターとして
使用できる)を形成することもできる。
【0055】なお、図1,図2の実施例で、マイクロレ
ンズアレイの実施例を説明したが、このようにして得ら
れるマイクロレンズアレイを、凸レンズごとに分離し
て、マイクロレンズとすることもできるし、透明基板に
最初から単一の面形状を形成して、マイクロレンズとす
ることもできる。
【0056】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば新規
な、光学デバイスおよびその製造方法を提供できる。請
求項1〜3記載の発明は、所望の面形状が良好に形成さ
れた第1,第2の透明基板を位置合わせして接合するの
で、製造の歩留まりが良く、製造コストの低減化が可能
である。また、接合に接着剤を用いないため、位置合わ
せが容易で作業性が良い。請求項2記載の発明では、ア
ノーディック・ボンディングを有効に助長して行うこと
が出来る。
【0057】また請求項3記載の発明では、接合に高温
ボンディングを利用するが、高温ボンディングは、請求
項1,2記載の発明で利用するアノーディック・ボンデ
ィングに比して、透明基板の接合部に強い電界を作用さ
せる必要がなく、手軽で量産性に富んでいる。
【0058】請求項4〜7記載の光学デバイスは、上記
製造方法で製造されるため、安価に製造出来、接着剤に
よる光学的な悪影響がなく、接合力が強いので耐環境性
に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の1実施例を説明するため
の図である。
【図2】請求項3記載の発明の1実施例を説明するため
の図である。
【図3】請求項1〜3記載の発明における接合方法が、
光学デバイスと支持部材との接合に使用できることを説
明するための図である。
【図4】透明基板の片面に所望の面形状を凸面として形
成する方法の1例を説明するための図である。
【図5】透明基板の片面に所望の面形状を凸面として形
成する方法の別例を説明するための図である。
【図6】透明基板の片面に所望の面形状を凹面として形
成する方法の1例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 第1の透明基板 20 第2の透明基板 11,21 位置袷用のマーク 11A,21A 所望の面形状 3 高圧直流電圧

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】片面に所望の面形状を形成された第1の透
    明基板と、片面に所望の面形状を形成された第2の透明
    基板とを、平滑な他方の面同志で接合させ、一体化して
    なる光学デバイスを製造する方法であって、 第1の透明基板として、相対的に低アルカリもしくは無
    アルカリのガラス基板を用い、 第2の透明基板として、相対的に高アルカリのガラス基
    板を用い、 これら第1および第2の透明基板を、対応する面形状同
    志の位置合わせを行ったのち、アノーディック・ボンデ
    ィングにより接合することを特徴とする、光学デバイス
    製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光学デバイス製造方法にお
    いて、 第1または第2の透明基板の、接合を行うべき平滑な面
    に、アノーディック・ボンディングに適当なアルカリ可
    動イオンを含む材料の薄膜、もしくはSiO2膜また
    は、Si膜のウエット酸化膜を形成して接合を行うこと
    を特徴とする光学デバイス製造方法。
  3. 【請求項3】片面に所望の面形状を形成された第1の透
    明基板と、片面に所望の面形状を形成された第2の透明
    基板とを、平滑な他方の面同志で接合させ、一体化して
    なる光学デバイスを製造する方法であって、 第1および第2の透明基板として、SiO2を含む基板
    を用い、 これら第1および第2の透明基板を、その接合部に単分
    子層のH2Oを介在させ、対応する面形状同志の位置合
    わせを行ったのち、高温ボンディングにより接合するこ
    とを特徴とする、光学デバイス製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2または3記載の光学デバ
    イス製造方法により製造される、光学デバイス。
  5. 【請求項5】請求項4記載の光学デバイスにおいて、 第1および/または第2の透明基板に形成された面形状
    が、第1および/または第2の透明基板自体の表面形状
    として形成されていることを特徴とする、光学デバイ
    ス。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の光学デバイスにお
    いて、第1および第2の透明基板に形成される所望の面
    形状が、凸もしくは凹の屈折面であり、第1の透明基板
    の屈折面と、第2の透明基板の屈折面の光軸が合わせら
    れていることを特徴とする、マイクロレンズである光学
    デバイス。
  7. 【請求項7】請求項6記載の光学デバイスにおいて、第
    1および第2の透明基板に形成される屈折面が複数であ
    って、その配列がアレイ配列であることを特徴とする、
    マイクロレンズアレイである光学デバイス。
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