JPH0718127A - ポリエチレン絶縁組成物 - Google Patents

ポリエチレン絶縁組成物

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JPH0718127A
JPH0718127A JP5094780A JP9478093A JPH0718127A JP H0718127 A JPH0718127 A JP H0718127A JP 5094780 A JP5094780 A JP 5094780A JP 9478093 A JP9478093 A JP 9478093A JP H0718127 A JPH0718127 A JP H0718127A
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chemical
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phr
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JP5094780A
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Koksal Tonyali
トニアリ コクサル
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 改良された酸化安定性をもつポリオレフィン
組成物を提供する。 【構成】 本発明の安定化組成物はエチレンのホモポリ
マーまたはコポリマーと、2価金属含有障害フェノール
酸化防止剤と、ヒドラゾ基またはオキザミド基に結合し
た1個以上の障害フェノール基をもつ金属失活剤とを含
む。この安定化ポリオレフィン組成物は電線およびケー
ブルの絶縁に有用であり、酸化に対して増大した抵抗を
もつことを特徴とする。この組成物はまた水ブロッキン
グ・ケーブル充てん剤に露出した際に高度の酸化安定性
を保持する。この組成物の好ましい態様は化合物ペンタ
エリサーチルテトラキス〔3(3′,5′−ジ−t−ブ
チル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕の
第3の安定剤を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電線およびケーブルの用
途に絶縁材として有用な改良された安定化ポリエチレン
組成物に関する。本発明のポリエチレン組成物は金属含
有フェノール性酸化防止剤およびヒドラゾまたはオキザ
ミド基を介して結合した1種以上の障害フェノール部分
をもつ金属失活剤を内分にくみ入れることによって安定
化される。任意に、第3の酸化防止剤が組成物中に含ま
れる。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン樹脂とくに高密度ポリエチ
レン(HDPE)は電線およびケーブルの主要な絶縁材
料として広く使用されている。それらは固体の又は発泡
させた被覆として銅伝導体に適用することができる。1
つの広く使用されている態様において、発泡絶縁材を銅
線にまず適用し、その後に固体絶縁物質の適用により被
覆が行われる。電話「シングル」は19、22、24ま
たは26AWG銅線を固体および/または発泡ポリエチ
レンを用いて押し出し被覆することによって製造され
る。絶縁層は約2〜13ミルの厚さでありうる。
【0003】電話通信ケーブルにおいては、適当に着色
されたシングルが、電気要件に合うことを保証するよう
に均一に対に撚られる。これらの対の50以上が金属ま
たはプラスチックの鞘の中に巻かれる。固体または発泡
スキンのHDPEがカバー材料として通常使用される。
外側の鞘もしくはジャケットは伝導体に機械的保護を与
えるが、絶縁材の著しい劣化(究極的にクラッキングを
生じ、ケーブルの取替えを必要とする)がいくつかの絶
縁材に着察された。環境上の因子、主として熱、光、酸
素および物理的応力、はこの劣化を加促することが知ら
れている。これらの因子によって生ずる劣化を阻止する
ために安定剤がポリエチレンに配合される。
【0004】フェノール型の一次酸化防止剤と金属失活
剤との組合せを使用して銅伝導体の絶縁に使用されるポ
リオレフィン組成物の酸化的劣化に対して適切な保護を
与えなければならないということが知られている。ペン
タエリスリチル・テトラキス〔3(3’,5’−ジ−t
−ブチル−4’−(ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕(lrganox 1010)とN,N’−ビス
〔3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン(lrgano
x MD 1024)との組合せが非常に有効であるこ
とが実証された。 ler編集、Hanser Publishers(1
987)刊行のPlastics Additives
Handbookの第2章ならびにInternat
ional Wire and Cable Symp
osium Proceedings 1987のpp
337〜343のG.D.Brownの報文中に見出す
ことができる。
【0005】「トリーイング」と呼ばれる第2の種類の
劣化も知られており、ポリオレフィン絶縁の電線および
ケーブルに起こる。この種の劣化は湿気によって起こ
る。この問題を阻止または最小にするために、種々の水
−ブロックング充填化合物を加圧下でケーブルのコアに
押し込めて内部の空所および割れ自を満たす。この水ブ
ロックング充填化合物は通常は重油またはロウ状の炭化
水素である。これらのケーブル充填剤は有効な水ブロッ
クであることが一般に証明されたけれども、それらは安
定剤を抽出し従って絶縁物質の酸化的安定性を減少させ
る傾向をもつ。絶縁材の酸化的安定性は始めには適切で
ありうるけれども、水ブロックング剤への長時間の露出
後には、安定剤保護の著しい減少があり、これが早まっ
たカタストロフィー的な失敗に導くことがある。
【0006】 リエチレン絶縁の安定性をペトロラタムとの接触を行っ
た場合と接触を行わなかった場合を比較する1つの研究
において(上記テキストの第85頁および第86頁参
照)、ペトロラタムの存在下での熟成は固体ポリエチレ
ンの酸化安定性を35%だけ、セル状ポリエチレンの酸
化的安定姓を10〜40%だけ、減少させることを示し
た。それ故、絶縁組成物に使用すべき安定剤のパッケー
ジの選択すなわち一次酸化防止剤と金属失活剤との選択
は、絶縁された伝導体を水ブロックング・ケーブル充填
剤との組合せにおいて使用する場合に遥かに重要であ
る。Brownは、多数の一次酸化防止剤/金属失活剤
の組合せを検討した後に、ペンタエリスリチル・テトラ
キス〔3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕に代わる有効な一次酸
化防止剤(ケーブル充填剤の露出後に良好なメルト加工
安定性と改良された性能を与える有効な一次酸化防止
剤)を同定することはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】水−ブロックング充填
剤への露出の際にすぐれた酸化安定置を与える改良され
た安定剤の組合せがえられるならば、それは非常に有利
なことである。また安定剤パッケージの成分のすべてが
容易に入手しうるものであるならば、それは更に有利な
ことである。これらの及びその他の利点は以下に詳細に
述べる本発明の組成物によって実現される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は水−ブロックン
グのケーブル充填剤に露出した際にすぐれた酸化安定性
と改良された酸化劣化耐性をもつ改良されたポリオレフ
ィン組成物を提供する。これらの組合せは主として電線
およびケーブルを絶縁するのに有用であるけれども、そ
れらはまた改良された酸化耐性の望まれる他の用途にお
いても有用である。
【0009】更に詳しくは、本発明の組成物はフェノー
ル性モノカルボン酸の2価金属塩、フェノール性ジカル
ボン酸の2価金属塩、およびフェノール性ホスホン酸の
2価金属塩またはそれらの混合物から成る群からえらば
れた0.01〜2phrの金属含有障害フェノール性酸
化防止剤、およびヒドラゾまたはオキザミド基に結合し
た且つ次の一般式に相当する1種以上の障害フェノール
性部分をもつ0.01〜2phrの金属失活剤を含むポ
リエチレンのブレンドから成る。
【0010】
【化29】
【0011】または
【0012】
【化30】
【0013】ただしR’およびR”は水素または下記の
基からえらばれた基である。
【0014】
【化31】
【0015】
【化32】
【0016】
【化33】
【0017】
【化34】
【0018】
【化35】
【0019】
【化36】
【0020】
【化37】
【0021】
【化38】
【0022】上記の式中、RはC1−8アルキル基であ
り、nは1〜6の整数である。ただし置換基R’または
R”は障害フェノール部分である。上記の金属失活剤の
2種以上の混合物を使用することもできる。
【0023】2価金属含有障害フェノールは次の一般式
に相当する。
【0024】
【化39】
【0025】 8個の炭素原子をもつアルキル基であり;Xは0または
1であり;Aは
【0026】
【化40】
【0027】
【化41】
【0028】および
【0029】
【化42】
【0030】からえらばれた2価の基(ただしnは1〜
6の整数であり、mは0〜6の整数である)であり;そ
してBは
【0031】
【化43】
【0032】
【化44】
【0033】および
【0034】
【化45】
【0035】(RはC1−8アルキル基であり、Yは
0または1である)からえらばれたカルボキシレートま
たはホスホネート基である。
【0036】上記の諸成分は代表的に0.92〜0.9
6の密度をもつポリオレフィン樹脂中に配合される。
0.935〜0.955の密度および0.1〜5のメル
トインデックスをもつポリエチレン樹脂は上記の障害フ
ェノールの組合せにより安定化され特に有用な電線およ
びケーブルの絶縁を与える。
【0037】別の好ましい態様において、ポリオレフィ
ン組成物は第3の酸化防止剤、ペンタエリスリチル・テ
トラキス〔3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕を0.01〜2p
hrの量で存在させて含む。
【0038】
【発明の詳細記述】本発明の新規な組成物は絶縁および
ジャケットの用途に好適な広い種類のポリオレフィンを
使用して調製することができる。これらのポリオレフィ
ンとしてα−オレフィンのホモポリマーおよびコポリマ
ーがあげられる。これらのポリマーは当業技術に周知の
通常の重合法によってえられる。主として本発明の組成
物は約0.92〜約0.96の範囲の密度をもつポリエ
チレン樹脂を使用して調製される。ここに使用するポリ
エチレンなる用語はエチレンのホモポリマーおよびエチ
レンと約3〜8個の炭素原子をもつα−オレフィンとの
コポリマーの両者を包含する。コモノマーがプロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、またはオクテン−1で
あるエチレンコポリマーは特に有利であり、これらには
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中および高密
度ポリエチレン(HDPE)が包含される。
【0039】ポリエチレン樹脂は約0.01〜約30以
上の範囲のメルトインデックスをもつことができるけれ
ども、電線およびケーブルの用途にとってメルトインデ
ックスは一般に約0.1〜約5の範囲にある。本発明の
特に有用な態様において、約0.935〜約0.955
の範囲の密度および約0.1〜約2のメルトインデック
スをもつ中および高密度ポリエチレンが使用される。別
の非常に有用な態様において、エチレンと少量のヘキセ
ン−1とを共重合させることによってえられるHDPE
樹脂が本発明により安定化される。
【0040】上記のポリオレフィンは約0.01〜約2
phrの金属含有障害フェノール性酸化防止剤と約0.
01〜約2phrの金属失活剤(ヒドラゾまたはオキザ
ミド基に結合した1個以上の障害フェノール部分をも
つ)とを用いて調製される。他の安定剤成分を所望なら
ば含有させることができ、ならびに他の通常の配合添加
物たとえば充填剤、補強剤、難燃剤、加工助剤、滑剤、
着色剤なども所望ならば組成物中に含有させることがで
きる。
【0041】上記の安定剤成分(複数)の組合せを使用
することによって、著しく改良された酸化的安定性をも
つポリオレフィン絶縁組成物がえられるということが予
想外にも発見された。その上、本発明により安定化され
た組成物は、水ブロッキング充填剤の存在下で熟成する
とき、それらのもとの高度の酸化的安定性を保持する。
【0042】使用することのできる金属含有障害フェノ
ール酸化防止剤は、障害フェノール置換基をもつモノ−
またはジカルボン酸およびホスホン酸の2価金属塩から
成る群からえらばれる。ジカルボン酸およびホスホン酸
については、対応する半エステルの金属塩も使用するこ
とができる。一般に、2価金属塩は亜鉛、ニッケル、ス
ズ、バリウム、カルシウムなどの塩類である。上記の種
類の2価金属塩はポリプロピレンの周知の安定剤成分で
ある。たとえば、モノ−およびジ−カルボン酸の2価金
属塩はTochacekらによってPolymer D
eyradation and Stability
27(1990)、pp297−307に記載されてい
る。ホスホン酸またはその半エステルの2価金属塩は米
国特許第3,310,575号および同第4,778,
840号に記載されている。
【0043】2価金属含有障害フェノール酸化防止剤は
次の一般式に一致する。
【0044】
【化46】
【0045】Meは2価金属Zn、Ni、Sn、Baま
たはCaを表し;Rは1〜8個の炭素原子をもつアルキ
ル基であり;Xは0または1であり;Aは次の群からえ
らばれた2価の基であり;
【0046】
【化47】
【0047】
【化48】
【0048】および
【0049】
【化49】
【0050】(式中のnは1〜6の整数であり、mは0
〜6の整数である)、そしてBは次の群からえらばれた
カルボキシレートまたはホスホネート基である。
【0051】
【化50】
【0052】
【化51】
【0053】および
【0054】
【化52】
【0055】(式中のRはC1−8アルキル基であ
り、Yは0または1である)
【0056】上記の一次酸化防止剤の2種以上の混合物
も所望ならば使用することができる。式Iの範囲内の障
害フェノールは一般に、アルキル置換基の性質に応じて
ヒドロキシ置換基に隣接するR基の少なくとも1つをも
つ。ヒドロキシ基に隣接して両方のR基をもつのが特に
有利である。
【0057】とくに有用な2価金属含有一次酸化防止剤
として下記の式の化合物類があげられる。
【0058】
【化53】
【0059】
【化54】
【0060】
【化55】
【0061】および
【0062】
【化56】
【0063】上記式中、Meは前記定義と同じであり、
とRはC1−4アルキル基であり、そしてpは1
〜6の整数である。特に有用な態様において、Rはt
−ブチルであり、Rはエチルであり、pは1または2
であり、そしてMeはカルシウムまたは亜鉛である。
【0064】特に有用であることがわかった上記定義内
の化合物の例として、3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオンのカルシウムまた
は亜鉛の塩(式IIに相当);6−〔3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンアミ
ド〕カプロン酸のカルシウムまたは亜鉛の塩(式III
に相当);2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパンアミド〕スクシン酸のカ
ルシウムまたは亜鉛の塩(式IVに相当);および3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル モノエ
チルホスホン酸の亜鉛またはカルシウムの塩(式Vに相
当)があげられる。この最後の化合物はチバ−ガイギー
コーポレーションから商業的に入手することができ、
商標名Irganox 1425で販売されており、そ
して別名はカルシウム・ビス〔モノエチル(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネー
ト〕またはカルシウム−(2−)モノエチル〔〔3,5
−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフ
ェニル〕メチル〕−ホスホネートである。
【0065】金属失活剤は必然的に上記の金属含有一次
酸化剤との組合せにおいて使用される。本発明に有用な
金属失活剤はヒドラゾ(−NHNH−)またはオキザミ
ド基
【0066】
【化57】
【0067】に結合した1個以上の障害フェノール基を
もつ。これらの金属失活剤は一般式
【0068】
【化58】
【0069】または
【0070】
【化59】
【0071】に相当する。ただし、R’およひR”は水
素であるか又は
【0072】
【化60】
【0073】
【化61】
【0074】
【化62】
【0075】
【化63】
【0076】
【化64】
【0077】
【化65】
【0078】
【化66】
【0079】
【化67】
【0080】から成る群からえらばれた基である。ここ
にRおよびnは前記定義と同じである。ただし置換基
R’またはR”の少なくとも1つは障害フェノール基を
含む基すなわち式viii、x、xiiまたはxivの
1つに相当する基である。本発明に使用しうる式VIに
相当する化合物は米国特許第3,660,438号およ
び同第3,773,722号に記載されている。
【0081】本発明の1つの態様において、環アルキル
置換基(R)の一方または双方はヒドロキシ基に隣接す
る。別の更に好ましい態様において、R基の双方はヒド
ロキシ置換基に隣接している。Rが1〜4個の炭素原子
を含むアルキル基である場合、Rがt−ブチル基である
障害フェノール金属失活剤が特に好ましい。本発明の特
に有用な態様において、R’とR”の双方は式vii
i、x、xiiまたはxivに相当する障害フェノール
基を含む基である。
【0082】上記の定義に入る特に注目すべき特定の金
属失活剤として次の構造をもつ化合物類があげられる。
【0083】
【化68】
【0084】
【化69】
【0085】
【化70】
【0086】
【化71】
【0087】および
【0088】
【化72】
【0089】式VIIIに相当する金属失活剤はチバ−
ガイギー コーポレーションから商業的に入手すること
ができ、商標Irganox MD 1024のもとで
販売されている。この化合物は1,2−ビス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)
ヒドラジンと呼ばれ、あるいは3,5−ビス(1,1−
ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン
酸 2−〔3〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチ
ル)−4−ヒドロキシフェニル〕−1−オキソプロピ
ル〕ヒドラジドまたはN,N’−ビス〔3’,5’−ジ
−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル〕ヒドラジドとも呼ばれる。式XIに相当する金属失
活剤はユニロイヤル ケミカル カンパニー インコー
ポレーテッドから商標Nauguard XL−1のも
とで入手しうる。この化合物の化学名は2,2’−オキ
ザミド ビス〔エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕である。
【0090】一次酸化防止剤と金属失活剤の合計量は5
phrを一般に越えない。よりふつうには金属含有障害
フェノール酸化防止剤は0.01〜2phrの量で0.
01〜2phrの金属失活剤と共に使用される。更に好
ましくは、金属含有障害フェノール酸化防止剤と金属失
活剤の双方はとくに0.05〜1.5phrで使用され
る。一次酸化防止剤と金属失活剤との重量比は通常は
2:1〜1:2の範囲にあるけれども、それは10:1
〜1:10にのばすことができる。
【0091】本発明のポリオレフィン組成物は絶縁もし
くはジャケットの組成物中に通常使用される他の添加物
を含むことができるけれども、このような添加物の合計
量は一般に約10phrを越えない。このような添加物
は当業技術において知られており、更に代表的には約5
phrより少ない量で存在させる。このような添加物と
して他の酸化防止剤または金属失活剤、UV安定剤、離
型剤、加工助剤、核剤、着色剤、顔料、充填剤、補強
剤、滑剤、などがあげられる。
【0092】本発明のポリオレフィン組成物の別の好ま
しい態様において、追加の障害フェノール安定剤成分を
存在させる。この障害フェノール化合物はペンタエリス
リチル テトラキス〔3(3’,5’−ジ−t−ブチル
−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕であ
る。この化合物は次の構造式をもつ。
【0093】
【化73】
【0094】上記の構造式XIIにおいて、および前記
の式VIII〜XIにおいて、符号「+」は第3級ブチ
ル基を表す。ペンタエリスリチル テトラキス〔3
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕はチバーガイギー コーポレー
ションから商標Irganox 1010の名前で入手
しうる商業的な酸化防止剤兼熱安定剤である。この化合
物は時としてテトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)〕メタン
なる別名で呼ばれることがある。
【0095】本発明の組成物は多数の方法で製造するこ
とができる。ただし一次酸化防止剤と金属失活剤(およ
び他の添加物)はポリオレフィン中にくまなく均一に分
布される。諸成分は乾式ブレンドまたは溶融ブレンドの
いずれかで混合される。添加物はポリマー溶融物中に直
接に加えて内部ミキサーたとえばバンバリー、ファレル
連続ミキサーを使用して、又は単一もしくは双子スクリ
ューの押出し機を使用して溶融物中に均一に分散させる
ことができる。あるいはまた、一次酸化防止剤と金属失
活剤(および他の添加物)は好適なキャリヤー樹脂また
は液体たとえばシリコーン油中に混合してマスターバッ
チを作り、次いでこのマスターバッチをポリオレフィン
に加えることもできる。キャリヤー樹脂は絶縁に使用す
るポリオレフィンと同じであってもよく、また異なって
いてもよい。それが異なっている場合には、それは絶縁
樹脂と相溶性でなければならない。マスターバッチ技術
を使用する場合、マスターバッチは50%程度の又はそ
れ以上の添加物を含むこともできる。Henschel
ミキサーまたはコーン・ブレンダーを使用してドライ・
ブレンドを行うことができる。
【0096】本発明により安定化されたポリマー組成物
は主として電線およびケーブルの絶縁として使用される
けれども、それらは他の用途に使用することもできる。
たとえば、それらは電気およびその他の用途の配管およ
び導管に押し出すことができる。これらの樹脂の粉末は
通常の粉末被覆法を使用して金属の内表面または外表面
への被覆として利用することができる。それらは、内張
りを必要とする金属部品によって代表的な回転鋳型を置
換するいわゆるロートライニング法を使用して金属物体
の内面に有効に適用することができる。この技術は熱水
タンク、燃料タンクなどの内張りに有用である。
【0097】
【実施例】本発明を以下の実施例によって更に具体的に
記述し説明するが、これらの実施例は本発明を限定する
ものと解すべきではない。これらの実施例において、す
べての部および%は他に特別の記載のない限り重量基準
である。
【0098】これらの実施例の安定化ポリオレフィン組
成物は酸化的絶縁時間試験(ASTM D−3895)
を使用して検査した。この方法は熱分析を使用して酸化
安定性を決定するものである。この試験は純酸素中20
0℃で始まる酸化的劣化の時間を決定する。酸化誘導時
間(OIT)は絶縁寿命を信頼性よく洞察するのに使用
することはできないけれども、それは試験される物質の
安定化の程度の迅速かつ便利な相対尺度を与える。OI
T試験はプレスまたは押出しフィルムを使用して行っ
た。OITの結果は分の単位で報告してある。
【0099】水−ブロックング・ケーブル充填剤への露
出の際のすぐれた酸化安定性を実証するために、いくつ
かの試料をケーブル充填剤中70℃で28日間までまず
熟成(0.5g試料/8gケーブル充填剤)し、次いで
OIT試験を行った。試料を特定の間隔(通常3、7、
14、21および28日の間隔)で除き、OIT値を決
定した。このようにして熟成した試料をきれいにふきと
って過剰のケーブル充填剤を除き、その後に試験を行っ
た。
【0100】実施例1 エチレン−ヘキセン−1のコポリマー粉末(密度 0.
947、メルトインデックス 0.7)を0.25ph
rの一次酸化防止剤(IRGANOX 1425)およ
び0.275phrの金属失活剤(NAUGUARD
XL−1)とHensfhelミキサー中で5分間ドラ
イブレンドした。えられたブレンドを次いで222℃お
よび250rpmに保持した双スクリュー押出機(LE
ISTRITZ LSM 30.34;L/D20)を
使用して20ポンド/時の速度で押し出し、そして水中
ペレタイザーを使用してペレット化した。押し出し、ペ
レット化した安定化ポリエチレン樹脂生成物は0.4の
メルトインデックスをもっていた。ペレット10gを鋳
型に入れて170℃および20,000psiでプレス
することによって5ミルの厚さをもつフィルム試料を得
た。上記のようにして製造したフィルムについてえられ
たOIT値は86.7分であった。酸化防止剤または金
属失活剤を含むポリエチレンの試料は0.5分のOIT
をもっていた。
【0101】比較例1 本発明により2価金属含有一次酸化防止剤を金属失活剤
と組み合わせて使用するときにえられる顕著な改良を実
証するために、実施例1のポリエチレン樹脂を同様に調
製した。ただしIRGANOX 1425を通常の障害
フェノール酸化防止剤であるIRGANOX 1010
に置き換えた。IRGANOX 1010は2価金属を
含まず、電話通信ケーブル絶縁の工業的標準であると一
般に認識されているものである。この試料のOITは僅
か37.0分、すなわち実施例1の生成物についてえら
れたOITの半分より小さかった。
【0102】実施例2 実施例1のポリエチレン樹脂を0.20phrのIRG
ANOX 1425および0.20phrの金属失活剤
とドライブレンドし、これを押し出して通常の方法の配
合生成物のペレットをえた。この実施例で使用した金属
失活剤はIRGANOX MD 1024であった。ス
リットダイを備えるブラベンダー実験室規模の押出機を
使用して200℃で押し出すことによってこのペレット
を20ミルの厚さのフィルムに押し出した。このように
して押し出したフィルムを次いでOIT試験を使用する
酸化安定性の検査に供した。この安定化処方物について
えられたOIT値は80.3分であった。
【0103】比較例2 安定化ポリエチレンフィルム試料を実施例2で述べたの
と同様にして製造した。ただし2価金属含有障害フェノ
ール酸化防止剤(IRGANOX 1425)を0.2
0phrのIRGANOX 1010に置き換えた。こ
の試料のOITは僅か64.8分であった。
【0104】実施例3 一次酸化防止剤と金属失活剤との比を変える能力を実証
するために、0.10phrのIRGANOX 142
5および0.20phrのIRGANOX MD 10
24を使用して実施例2をくりかえした。この結果を比
較例2についてえられた結果と比較して、2価金属含有
障害フェノール酸化防止剤を金属失活剤と組み合わせて
使用するとき、半分の量の一次酸化防止剤で匹敵する酸
化的安定性がえられることがわかる。
【0105】実施例4 実施例2で製造したものと同じ安定化処方物を製造し、
20ミルのフィルムに成形した。水ブロックング・ケー
ブル充填剤として常用される白色鉱油(DRAKEOL
35)中で70℃においてフィルム試料を熟成した。
ケーブル充填剤への露出後の熟成フィルム試料について
えられたOIT値は次のとおりであった。
【0106】
【表1】
【0107】比較例4 実施例4でえられたのと同様の処方物を製造した。ただ
しIRGANOX 1425を0.20phrのIRG
ANOX 1010に置き換えた。DRAKEOL 3
5中で70℃において熟成したこの処方物の20ミルの
フィルム試料についてえられたOITの結果は次のとお
りであった。
【0108】
【表2】
【0109】実施例4および比較例4に報告した結果の
比較から、2価金属含有障害フェノール酸化防止剤たと
えばIRGANOX 1425を金属失活剤との組合せ
において使用したとき、酸化的安定性の著しい改良がケ
ーブル充填化合物への露出の際にえられるということが
明らかである。
【0110】実施例5 実施例3と同様の処方物を白色鉱油(DRAKEOL
35)中で70℃において熟成し、酸化的安定性を検査
した。熟成試料についてえられたOIT値は次のとおり
であった。
【0111】
【表3】
【0112】実施例6 0.943の密度および1.1のメルトインデックスを
もつエチレンとへキセン−1とのコポリマーを0.10
phrのIRGANOX 1425および0.22ph
rのIRGANOX MD 1024とドライブレンド
した。このドライブレンド物質を次いで標準ダイを備え
るブラベンダー押出機を使用して押し出し、ペレット化
した。これらのペレット(メルトインデックス 0.6
5)を20ミルの厚さのフィルムに押し出し、安定性を
試験した。安定化ポリエチレンは79.5のOIT値を
もっていた。フィルムの試料はまたPENRECO P
E−PJケーブル充填剤の中で70℃において熟成した
(0.3gフィルム/8g充填剤)。PE−PJは13
0℃で約90SUSの代表粘度をもつ石油ゼリーであ
る。ケーブル充填剤化合物中で28日間熟成した後に、
OITは依然として許容しうる34.8分であった。
【0113】実施例7 本発明の安定化生成物についてえられる改良された結果
を更に実証するために、2つの処方物(生成物VIIA
およびVIIBと同じ)を実施例2の一般法に従って製
造した。使用した一次酸化防止剤と金属失活剤の量は表
Iに報告してあり、比較処方物の安定剤濃度はVII比
較として示してある。生成物のすべてについて初期OI
T値を決定し、フィルム試料を次いでPENRECO
FW ケーブル充填剤中で70℃において28日間熟成
した。このケーブル充填剤は商業的に入手しうる非石油
基材ケーブル充填剤であり、室温以下の温度柔軟性を保
持する。OITの結果をこの表に報告する。
【0114】これらのデータから、本発明により処方し
た生成物VIIBは従来技術の処方物に比べて改良され
た初期酸化安定性をもつことが明らかである。その上、
28日後に保持された酸化安定性はVII比較について
よりもVIIBについてずっと大きい。VIIAについ
てえられた結果は更に、従来技術の障害フェノールを2
価金属含有障害フェノールに置き換えることによって、
酸化安定性を犠牲にすることなしに著しく少ない一次酸
化剤を使用することができる、ということを示してい
る。
【0115】
【表4】
【0116】実施例8 エチレン−ヘキセン−1コポリマー粉末(密度0.94
7、メルトインデックス 0.7)を0.125phr
のペンタエリスリチル テトラキス〔3(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート(IRGANOX 1010)、0.125ph
rのカルシウム ビス〔モノエチル(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート〕(I
RGANOX 1425)、および0.275phrの
2,2’−オキザミドビス〔エチル−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕(NAUGUARD XL−1)とドライブレンド
した。ドライブレンドはHenschelミキサー中で
5分間混合することによって行った。安定化樹脂を次い
で20ポンド/時の速度で押し出し水中ペレタイザーを
使用してペレット化した。LEISTRITZ LSM
30.34(L/D20)双子スクリュー押出機を2
22℃および250rpmで使用して押し出しを行っ
た。生成ポリエチレンペレットは0 4のメルトインデ
ックスをもっていた。フィルム試料(5ミル)を、10
gのペレットを使用して170℃および20,000p
siにおいて成形した。生成フィルムについてえられた
OIT値は88.7分であった。安定剤を含まないポリ
エチレンコポリマーのフィルム試料は0.5分のOIT
値をもっていた。
【0117】比較例8 本発明の3成分安定剤系についてえられた改良を実証す
るために、IRGANOX 1010(0.250ph
r)およびNAUGUARD XL−0(0.275p
hr)のみを使用してエチレンコポリマーを処方した。
この処方からIRGANOX 1425を省略した。実
施例8で述べたようにして組成物を処理し、フィルムを
製造した。この比較組成物について僅か37.0分のO
IT値がえられたが、これは実施例8の処方物について
えられた値の半分より小さかった。使用した安定剤の合
計量は実施例8と同じであったけれども、3種のフェノ
ール性安定剤成分のすべては含んでいない比較例の組成
物は著しく劣った酸化安定性をもつことが明らかであ
る。
【0118】実施例9 本発明の酸化防止剤の組合せを含むポリオレフィン樹脂
組成物のすぐれた酸化的安定性を更に実証するために、
実施例8のポリエチレンコポリマー樹脂を使用して3種
の処方物を製造した。生成物IIと呼ぶ第1の組成物は
0.10phrのIRGANOX 1010、0.10
phrのIRGANOX 1425、および0.20p
hrのIRGANOX MD 1024(1,2−ビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシン
ナモイル)ヒドラジン)を含んでいた。比較の目的で製
造した且つ比較生成物IIAと呼ぶ第2の組成物は0.
20phrのIRGANOX 1425および0.20
phrのIRGANOX MD 1024を含んでい
た。従来技術の教示に従って製造した且つ比較生成物I
IBと呼ぶ別の比較組成物は0.20phrのIRGA
NOX 1010および0.20phrのIRGANO
X MD 1024を含んでいた。すべての処方物は諸
成分をまずドライブレンドし、次いでこれを押し出し及
びペレット化によって、実施例8に述べた方法を使用し
て製造した。ペレット化生成物のそれぞれから押出しフ
ィルムを製造し、OIT検査に供した。スリットダイを
備えるブラベンダー実験室押出機を使用して20ミルの
厚さのフィルムを製造した。押し出しは200℃で行っ
た。それぞれの生成物について初期OIT値を決定する
他に、それぞれのフィルム試料を鉱油(DRAKEOL
35)中において70℃で熟成した。この鉱物は水ブ
ロッキング・ケーブル充填剤組成物中の一成分として常
用されているものである。これら3つの組成物のそれぞ
れについて熟成していない及び熟成したフィルム試料に
ついてえられたOIT値は次の通りであった。
【0119】
【表5】
【0120】上記のデータから、IRGANOX 10
10とIRGANOX MD 1024のみを使用して
処方した比較生成物IIB(この酸化防止剤の組合せは
電話通信ケーブルの工業標準として一般に認識されてい
るものである)の酸化安定性はそれぞれに使用した酸化
防止剤の合計量が同じであってさえ、本発明の組成物
(生成物II)についてえられたものよりも著しく劣っ
ていることが明らかである。比較生成物IIBについて
の初期にえられた及びケーブル充填剤化合物中での熟成
後にえられたOIT値は、生成物IIについて又は比較
生成物IIAについてえられたOIT値よりも確実に且
つ著しく低い。熟成の際の比較生成物IIAの酸化安定
性は生成物IIのそれに匹敵するけれども、初期OIT
値は明らかに低い。3種の特定の障害フェノール類の混
合物を使用したときにのみ、改良された初期酸化安定性
と改良された鉱油露出後の酸化安定性の双方を得ること
が可能であった。
【0121】実施例10 諸成分の量を変える能力を実証するために、2つの成分
(XAおよびXB)を調製し、実施例9の方法に従って
酸化安定性を検査した。OITの決定は初期の(熟成し
ていない)生成物およびDRAKEOL 35 白色鉱
油中での熟成後の生成物について行った。それぞれの生
成物の組成上の区分およびそれぞれについてえられたO
IT値は下記の表に示すとおりである。
【0122】
【表6】
【0123】IRGANOX 1010およびIRGA
NOX 1425を金属失活剤(IRGANOX MD
1024)と組み合わせて使用した結果としてえられ
る相乗効果は、XAについてえられた初期OIT値を、
IRGANOX 1010(0.2phr)のみを金属
失活剤(0.2phr)と共に含む比較組成物について
えられたものと、又はIRGANOX 1425(0.
2phr)と金属失活剤のみを処方した比較組成物につ
いてえられたものと比較するとき明らかである。これら
の比較組成物(熟成していない試料)についてえられた
OIT値はそれぞれ66.8分および85.8分にすぎ
なかった。XAについてえられた値(166.4分)
は、たとえIRGANOX 1425の水準が僅か0.
1phrにすぎないとしても、2つの比較組成物の結果
の合計よりも著しく高い。IRGANOX 1425の
量を0.2phrに増大させたならば、遥に高いOIT
値がXAについてえられるであろうと予期される。
【0124】実施例11 本発明の組成物を商業用ケーブル充填剤化合物に露出さ
せたときの増大した酸化安定性を得る能力も実証され
た。この実験のために3種の安定化組成物(XIA、X
IBおよびXICと呼ぶ)を、室温下で柔軟性を保つ商
業的に入手しうる非石油基材のケーブル充填剤であるP
ENRECO FW ケーブル充填剤中で70℃におい
て熟成した。16日間および28日間の熟成後に決定し
た組成物の組成の詳細、ならびにOIT試験結果を次表
に示す。
【0125】
【表7】
【0126】比較のために、0.20のIRGANOX
1024および0.20phrのIRGANOX 1
010で安定化した組成物も同じ条件下で熟成させた。
16日間および28日間の熟成後のこの組成物について
決定されたOIT値はそれぞれ僅か13.7分および1
1.8分にすぎなかった。
【0127】実施例12 0.943の密度および1.1のメルトインデックスを
もつ、エチレンと少量のヘキセン−1とを共重合させる
ことによってえたポリエチレン樹脂を、0.10phr
のIRGANOX 1010、0.75phrのIRG
ANOX 1425および0.22phrのIRGAN
OX MD 1024とドライブレンドした。このドラ
イブレンドした物質をストランド・ダイを備えるブラベ
ンダーラボラトリー押出機を使用して押し出し、ペレッ
ト化した。これらのペレット(メルトインデックス
0.65)を次いで、スリットダイを備えるブラベンダ
ー押出機を使用して、200℃で押し出した。この安定
化ポリエチレンコポリマーフィルムは115.1分の初
期OITをもっていた。これらの試料を次いでPE−P
Jケーブル(130℃で約90SUSの代表的粘度をも
つ石油ゼリー)中で70℃で熟成した。8gの充填化合
物当り0.3gのフィルムを使用した。28日間の熟成
の後に、OITは依然として非常に許容しうる40分で
あった。
【0128】実施例13 本発明の有用性ならびに本発明の安定化組成物による同
伝導体を絶縁する能力を実証するために次の実験を行っ
た。この実験のために、エチレン−ヘキセン−1コポリ
マー(密度0.943;メルトインデックス 0.7)
に0.10phrのIRGANOX 1010、0.0
75phrのIRGANOX 1425および0.26
phrのIRGANOX MD 1024を配合した。
生成組成物を250℃で3000フィート/分の速度で
19AWG銅線上に押し出した。押出しラインは電線の
予備ヒーター、押出機(2.5インチのDavisスト
ランド;ダイ寸法 61.2ミル;ガイダー先端の寸法
37.5ミル)、水トラフ、及び自動二重巻取りから成
るものであった。絶縁の厚さは12ミルであった。絶縁
電線の試料の酸化安定性を検査して126.5分のOI
T値をもつことがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 3/44 P 9059−5G

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)0.01〜2phrの次式の2価
    金属含有障害フェノール化合物 【化1】 ただし式中のMeは2価金属Zn,Ni,Sn,Baま
    たはCaを表し、Rは1〜8個の炭素原子をもつアルキ
    ル基であり;Xは0または1であり、Aは 【化2】 【化3】 および 【化4】 (nは1〜6の整数であり、mは0〜6の整数である)
    の群からえらばれた2価の基であり、そしてBは 【化5】 【化6】 および 【化7】 (RはC1−8アルキル基であり、Yは0または1で
    ある)からえらばれたカルボキシレートまたはホスホネ
    ート基である;および(b)ヒドラゾまたはオキザミド
    基に結合した1種以上の障害フェノール基をもち、次式
    に相当する0.01〜2phrの金属失活剤 【化8】 または 【化9】 ただしR’およびR”は水素または下記のものからなる
    群からえらばれた基である、 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】 (上記式中、Rおよびnは前記定義と同じである;ただ
    し置換基R’およびR”の少なくとも1つは障害フェノ
    ール基を含む基である)、を含むことを特徴とするポリ
    オレフィン組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンがエチレンホモポリマー
    であるか、またはエチレンと3〜8個の炭素原子をもつ
    α−オレフィンとのコポリマーである請求項1の組成
    物。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンが0.92〜0.96の
    密度および0.01〜30のメルトインデックスをもつ
    請求項2の組成物。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンがエチレンと少量のプロ
    ピレン、ブテン−1、ヘキセン−1またはオクテン−1
    とのコポリマーである請求項3の組成物。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィンが0.935〜0.95
    5の密度および0.1〜5のメルトインデックスをもつ
    請求項4の組成物。
  6. 【請求項6】 ポリオレフインが0.1〜2のメルトイ
    ンデックスをもつ高密度ポリエチレンである請求項5の
    組成物。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィンがエチレンと少量のへキ
    セン−1とのコポリマーである請求項6の組成物。
  8. 【請求項8】 (a)が下記式の化合物であり、且つ
    (a)と(b)の重量比が2:1〜1:2である請求項
    1の組成物。 【化18】 【化19】 【化20】 【化21】 (Meは前記定義と同じであり、RおよびRはC
    1−4アルキル基であり、pは1〜6の整数である。)
  9. 【請求項9】 (a)についてRがt−ブチルであ
    り、Rがエチルであり、pが1または2であり、そし
    て(b)についてR’およびR”が両者とも障害フェノ
    ール(Rはt−ブチル)である請求項8の組成物。
  10. 【請求項10】 (a)がカルシウムまたは亜鉛の塩で
    ある請求項9の組成物。
  11. 【請求項11】 (a)が次式に相当する請求項10の
    組成物。 【化22】 (Meはカルシウムであり、Rはt−ブチルであり、
    はエチルである)
  12. 【請求項12】 (b)が次式に相当する請求項11の
    組成物。 【化23】
  13. 【請求項13】 (b)が次式に相当する請求項11の
    組成物。 【化24】
  14. 【請求項14】 絶縁被覆が請求項1のポリオレフィン
    組成物であることを特徴とする絶縁された銅伝導体。
  15. 【請求項15】 水ブロックングケーブル充填化合物と
    接触させた請求項14の絶縁された銅伝導体。
  16. 【請求項16】 絶縁材が、エチレンホモポリマーまた
    はエチレンとC3−8α−オレフィンとのコポリマーで
    あって0.935〜0.955の密度と0.1〜5のメ
    ルトインデックスをもつポリオレフィン、次式の2価金
    属含有障害フェノール性酸化防止剤 【化25】 および次式の金属失活剤 【化26】 を含むことを特徴とする請求項14の絶縁された銅伝導
    体。
  17. 【請求項17】 絶縁剤が、エチレンホモポリマーまた
    はエチレンとC3−8α−オレフィンとのコポリマーで
    あって0.935〜0.955の密度と0.1〜5のメ
    ルトインデックスをもつオレフィンポリマー、次式の2
    価金属含有障害フェノール性酸化防止剤 【化27】 および次式の金属失活剤 【化28】 を含むことを特徴とする請求項14の絶縁された銅伝導
    体。
  18. 【請求項18】 (c)0.01〜2phrのペンタエ
    リスリサーチル・テトラキス〔3(3’,5’−ジ−t
    −ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
    ト〕を含む請求項1〜17のいずれか1項の組成物。
  19. 【請求項19】 (a)、(b)および(c)の合計量
    が5phr未満である請求項18の組成物。
  20. 【請求項20】 (a)が0.05〜1.5phrの量
    で存在し、(b)が0.05〜1.5phrの量で存在
    し、そして(c)が0.05〜1.5phrの量で存在
    する請求項19の組成物。
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