JPH07180595A - 内燃機関の燃焼状態判定方法並びに内燃機関の燃焼状態制御方法および燃焼状態制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼状態判定方法並びに内燃機関の燃焼状態制御方法および燃焼状態制御装置

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JPH07180595A
JPH07180595A JP5322212A JP32221293A JPH07180595A JP H07180595 A JPH07180595 A JP H07180595A JP 5322212 A JP5322212 A JP 5322212A JP 32221293 A JP32221293 A JP 32221293A JP H07180595 A JPH07180595 A JP H07180595A
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engine
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combustion engine
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、希薄燃焼式エンジンに用いて好適
なものであり、リーンバーン運転時に、燃焼変動の確率
・統計的性質を考慮し、確実な燃焼制御を行なえるよう
にすることを目的とする。 【構成】 エンジン1に駆動される回転軸の角加速度の
変動値を検出する変動検出手段107と、変動値をエン
ジン1の運転状態に応じて正規化して正規化変動値を求
める正規化変動値検出手段102と、正規化変動値と所
定の閾値とを比較して燃焼悪化判定値を求める燃焼悪化
判定値算出手段104と、燃焼悪化判定値を参照し所定
の基準値と比較し燃焼悪化判定値が上記基準値に近づく
ようにエンジン1の燃焼変動調整要素106を制御する
燃焼状態制御手段105とをそなえるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所要の運転条件下では
理論空燃比よりも希薄側空燃比での希薄燃焼運転を行な
う希薄燃焼式内燃機関(エンジン)に用いて好適な内燃
機関の燃焼状態判定方法並びに内燃機関の燃焼状態制御
方法および燃焼状態制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、所要の運転条件下では理論空燃比
(ストイキオ)よりも希薄側空燃比(リーン)での希薄
燃焼運転を行なう希薄燃焼式内燃機関(所謂リーンバー
ンエンジン)が提供されている。このようなリーンバー
ンエンジンでは、希薄燃焼運転(リーンバーン運転)時
は、NOx排出量低減のため空燃比を極力大きく(つま
り、混合気が極力希薄になるように)設定しており、そ
の空燃比の値は、混合気が安定した燃焼を行ないうる限
界(リーン限界)近くに設定されている。
【0003】そして、このようなリーンバーン運転を行
なうことにより、NOx排出を抑え燃費を大幅に向上さ
せることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リーンバー
ン運転を行なうため、制御装置により燃焼状態を制御す
ることが行なわれており、この制御において、クランク
軸の角加速度からエンジントルクを推定することが論文
等で発表されている。しかしながら、これらの推定は、
変化する瞬時値を用いて瞬間ごとに行なうものであり、
エンジントルクPiの確率・統計的性質を考慮し、所定
の期間ごとに安定した確実な制御を行なうことは考えら
れていない。
【0005】また、図12に示すように、エンジンにお
ける燃焼変動は、各気筒間でばらつきがあり、このばら
つきは、インジェクタや吸気管形状、バルブタイミング
等のずれによる空燃比ばらつきにより発生する。このた
め、リーンバーン運転では、最も燃焼変動の大きい気筒
の空燃比に対応するように燃焼状態を制御している。
【0006】しかしながら、このような手段では、比較
的に燃焼変動の小さい気筒では、限界空燃比での運転を
行なえないという課題がある。本発明は、このような課
題に鑑み創案されたもので、リーンバーン運転時に、燃
焼変動の確率・統計的性質を考慮し、確実な燃焼制御、
特に各気筒毎の確実な燃焼制御を行なえるようにした、
エンジンの燃焼状態判定方法並びにエンジンの燃焼状態
制御方法および燃焼状態制御装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のエン
ジンの燃焼状態判定方法は、エンジンに駆動される回転
軸の角加速度の変動値を検出する第1のステップと、該
変動値を上記エンジンの運転状態に応じて正規化して正
規化変動値を求める第2のステップと、上記正規化変動
値と所定の閾値とを比較して燃焼悪化状態を判定する第
3のステップとをそなえていることを特徴としている。
【0008】また、請求項2記載のエンジンの燃焼状態
判定方法は、上記所定の閾値が上記エンジンの運転状態
に対応して更新されるように構成されたことを特徴とし
ている。さらに、請求項3記載のエンジンの燃焼状態判
定方法は、上記燃焼悪化状態の判定を上記正規化変動値
が上記所定の閾値より下回る状態を検出して行なうよう
に構成されたことを特徴としている。
【0009】そして、請求項4記載のエンジンの燃焼状
態判定方法は、第1のステップが、回転軸の角加速度を
求めるステップと、該角加速度の平滑値を求めるステッ
プと、上記角加速度と上記平滑値との差から変動値を求
めるステップとをそなえて構成されたことを特徴として
いる。また、請求項5記載のエンジンの燃焼状態制御方
法は、エンジンに駆動される回転軸の角加速度の変動値
を検出する第1のステップと、該変動値を上記エンジン
の運転状態に応じて正規化して正規化変動値を求める第
2のステップと、上記正規化変動値と所定の閾値とを比
較して燃焼悪化判定値を設定する第3のステップと、上
記燃焼悪化判定値を所定の基準値と比較し該燃焼悪化判
定値が上記基準値に近づくように上記エンジンの燃焼変
動調整要素を制御する第4のステップとをそなえて構成
されたことを特徴としている。
【0010】さらに、請求項6記載のエンジンの燃焼状
態制御方法は、上記基準値として上限基準値と下限基準
値とをそなえるとともに、上記第4のステップが、上記
燃焼悪化判定値を上記上限基準値と上記下限基準値との
間に収めるべく、上記のエンジンの燃焼変動調整要素を
制御するように構成されたことを特徴としている。そし
て、請求項7記載のエンジンの燃焼状態制御方法は、上
記請求項5における所定の閾値が上記エンジンの運転状
態に対応して更新されるように構成されたことを特徴と
している。
【0011】また、請求項8記載のエンジンの燃焼状態
制御方法は、上記請求項5における燃焼悪化判定値を上
記正規化変動値が上記所定の閾値から下回る燃焼の悪化
量の累積により求めるように構成されたことを特徴とし
ている。さらに、請求項9記載のエンジンの燃焼状態制
御方法は、上記請求項5における燃焼悪化判定値が設定
された燃焼回数ごとに更新されるように構成されたこと
を特徴としている。
【0012】そして、請求項10記載のエンジンの燃焼
状態制御方法は、上記請求項5における上記基準値より
燃焼悪化側において失火判定基準値が設定されるととも
に、上記燃焼悪化判定値が上記失火判定基準値を燃焼悪
化側に超えることに基づき失火を判定する第5のステッ
プをそなえて構成されたことを特徴としている。また、
請求項11記載のエンジンの燃焼状態制御装置は、理論
空燃比より希薄側の空燃比で運転しうるエンジンにおい
て、該エンジンに駆動される回転軸の角加速度の変動値
を検出する変動検出手段と、該変動検出手段で検出され
た変動値を上記エンジンの運転状態に応じて正規化して
正規化変動値を求める正規化変動値検出手段と、上記正
規化変動値と所定の閾値とを比較して燃焼悪化判定値を
求める燃焼悪化判定値算出手段と、上記燃焼悪化判定値
を参照し所定の基準値と比較し、該燃焼悪化判定値が上
記基準値に近づくように、上記エンジンの燃焼変動調整
要素を制御する燃焼状態制御手段とをそなえて構成され
たことを特徴としている。
【0013】
【作用】上述の請求項1記載の本発明のエンジンの燃焼
状態判定方法では、エンジンに駆動される回転軸の角加
速度の変動値が検出され、該変動値をエンジンの運転状
態に応じて正規化した正規化変動値が求められて、該正
規化変動値と所定の閾値とを比較して燃焼悪化状態が判
定される。
【0014】また、請求項2記載のエンジンの燃焼状態
判定方法では、所定の閾値がエンジンの運転状態に対応
して更新される。さらに、請求項3記載のエンジンの燃
焼状態判定方法では、燃焼悪化状態の判定が正規化変動
値が所定の閾値より下回る状態を検出して行なわれる。
そして、請求項4記載のエンジンの燃焼状態判定方法で
は、回転軸の角加速度を求め、角加速度の平滑値を求
め、上記角加速度と上記平滑値との差から変動値を求め
ることにより、エンジンに駆動される回転軸の角加速度
の変動値が検出される。
【0015】また、請求項5記載のエンジンの燃焼状態
制御方法では、エンジンに駆動される回転軸の角加速度
の変動値が検出され、変動値をエンジンの運転状態に応
じて正規化した正規化変動値が求められて、正規化変動
値と所定の閾値との比較により燃焼悪化判定値が設定さ
れる。そして、燃焼悪化判定値を所定の基準値と比較し
燃焼悪化判定値が上記基準値に近づくようにエンジンの
燃焼変動調整要素を制御される。
【0016】さらに、請求項6記載のエンジンの燃焼状
態制御方法では、基準値として上限基準値と下限基準値
とがそなえられ、燃焼悪化判定値を上限基準値と下限基
準値との間に収めるべく、上記のエンジンの燃焼変動調
整要素を制御する。そして、この場合も、所定の閾値が
エンジンの運転状態に対応して更新される(請求項
7)。
【0017】また、燃焼悪化判定値を上記正規化変動値
が上記所定の閾値から下回る燃焼の悪化量の累積により
求められる(請求項8)。さらに、燃焼悪化判定値が設
定された燃焼回数ごとに更新される(請求項9)。そし
て、請求項10記載のエンジンの燃焼状態制御方法で
は、請求項5における基準値より燃焼悪化側において失
火判定基準値が設定され、燃焼悪化判定値が失火判定基
準値を燃焼悪化側に超えることに基づき失火が判定され
る。
【0018】また、請求項11記載のエンジンの燃焼状
態制御装置では、エンジンを理論空燃比よりリーン側の
空燃比で運転すべく、エンジンに駆動される回転軸の角
加速度の変動値が変動検出手段により検出され、変動値
が正規化変動値検出手段によりエンジンの運転状態に応
じて正規化されて正規化変動値が求められ、正規化変動
値と所定の閾値とを比較して燃焼悪化判定値算出手段に
より燃焼悪化判定値が求められ、燃焼状態制御手段によ
って、上記燃焼悪化判定値を参照し所定の基準値と比較
して、該燃焼悪化判定値が上記基準値に近づくように、
上記エンジンの燃焼変動調整要素が制御される。
【0019】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
のエンジンの燃焼状態判定方法並びにエンジンの燃焼状
態制御方法および燃焼状態制御装置について説明する
と、図1は本方法を実施するための装置の制御ブロック
図、図2は本装置を有するエンジンシステムの全体構成
図、図3は本装置を有するエンジンシステムの制御系を
示すハードブロック図、図4,5は本装置の動作を説明
するためのフローチャート、図6は本装置の動作を説明
するための波形図,図7は本装置の動作を説明するため
の補正特性マップ、図8は本装置の動作を説明するため
の摸式的グラフ、図9は本装置の動作を説明するための
摸式的グラフ、図10は本装置の動作を説明するための
正規化特性マップ、図11は本装置における回転変動検
出部を示す摸式的斜視図である。
【0020】さて、本装置を装備する自動車用のエンジ
ンは、所要の運転条件下では理論空燃比(ストイキオ)
よりも希薄側空燃比(リーン)での希薄燃焼運転(リー
ンバーン運転)を行なうリーンバーンエンジンとして構
成されているが、このエンジンシステムは、図2に示す
ようになる。すなわち、この図2において、エンジン
(内燃機関)1は、その燃焼室2に通じる吸気通路3お
よび排気通路4を有しており、吸気通路3と燃焼室2と
は吸気弁5によって連通制御されるとともに、排気通路
4と燃焼室2とは排気弁6によって連通制御されるよう
になっている。
【0021】また、吸気通路3には、その上流側から順
に、エアクリーナ7,スロットル弁8および電磁式燃料
噴射弁(インジェクタ)9が設けられており、排気通路
4には、その上流側から順に、三元触媒10および図示
しないマフラ(消音器)が設けられている。なお、イン
ジェクタ9は、エンジン1の各気筒毎に設けられてい
る。また、吸気通路3には、サージタンク3aが設けら
れている。
【0022】また、三元触媒10は、ストイキオ運転状
態で、CO,HC,NOxを浄化するもので、公知のも
のである。さらに、スロットル弁8は、ワイヤケーブル
を介してアクセルペダル(図示せず)に連結されてお
り、このアクセルペダルの踏込み量に応じて開度を調整
されるようになっている。
【0023】また、吸気通路3には、スロットル弁8を
バイパスする第1バイパス通路11Aが設けられ、この
第1バイパス通路11Aには、ISC弁として機能する
ステッパモータ弁(以下、STM弁という)12が介装
されている。なお、この第1バイパス通路11Aには、
エンジン冷却水温に応じて開度が調整されるワックスタ
イプのファーストアイドルエアバルブ13も設けられて
おり、STM弁12に併設されている。
【0024】ここで、STM弁12は、第1バイパス通
路11A中に形成された弁座部に当接しうる弁体12a
と、この弁体位置を調整するためのステッパモータ(I
SC用アクチュエータ)12bと、弁体を弁座部に押圧
する方向(第1バイパス通路11Aを塞ぐ方向)へ付勢
するバネ12cとから構成されている。そして、ステッ
パモータ12bにより、弁座部に対する弁体12aの位
置の段階的な調整(ステップ数による調整)を行なうこ
とで、弁座部と弁体12aとの開度つまりSTM弁12
の開度が調整されるようになっている。
【0025】従って、このSTM弁12の開度を後述す
るコントローラとしての電子制御ユニット(ECU)2
5にて制御することにより、運転者によるアクセルペダ
ルの操作とは関係なく、第1バイパス通路11Aを通し
て吸気をエンジン1に供給することができ、その開度を
変えることでスロットルバイパス吸気量を調整すること
ができるようになっている。
【0026】なお、ISC用アクチュエータとしては、
ステッパモータ12bの代わりに、DCモータを用いて
もよい。さらに、吸気通路3には、スロットル弁8をバ
イパスする第2バイパス通路11Bが設けられ、この第
2バイパス通路11Bには、エアバイパス弁14が介装
されている。
【0027】ここで、このエアバイパス弁14は、第2
バイパス通路11B中に形成された弁座部に当接しうる
弁体14aと、この弁体位置を調整するためのダイアフ
ラム式アクチュエータ14bとから構成されており、ダ
イアフラム式アクチュエータ14bのダイアフラム室に
は、スロットル弁下流側の吸気通路と連通するパイロッ
ト通路141が設けられており、このパイロット通路1
41に、エアバイパス弁制御用電磁弁142が介装され
ている。
【0028】従って、このエアバイパス弁制御用電磁弁
142の開度を後述するECU25にて制御することに
より、この場合も、運転者によるアクセルペダルの操作
とは関係なく、第2バイパス通路11Bを通して吸気を
エンジン1に供給することができ、その開度を変えるこ
とでスロットルバイパス吸気量を調整することができる
ようになっている。なお、このエアバイパス弁制御用電
磁弁142は、リーンバーン運転時には開状態にされ、
それ以外で閉状態にされるのが基本動作である。
【0029】また、排気通路4と吸気通路3との間に
は、排気を吸気系へ戻す排気再循環通路(EGR通路)
80が介装されていて、このEGR通路80には、EG
R弁81が介装されている。ここで、このEGR弁81
は、EGR通路80中に形成された弁座部に当接しうる
弁体81aと、この弁体位置を調整するためのダイアフ
ラム式アクチュエータ81bとから構成されており、ダ
イアフラム式アクチュエータ81bのダイアフラム室に
は、スロットル弁下流側の吸気通路と連通するパイロッ
ト通路82が設けられており、このパイロット通路82
に、ERG弁制御用電磁弁83が介装されている。
【0030】従って、このEGR弁制御用電磁弁83の
開度を後述するECU25にて制御することにより、E
GR通路80を通して、排気を吸気系へ戻すことができ
るようになっている。なお、図2において、15は燃料
圧調節器で、この燃料圧調節器15は、吸気通路3中の
負圧を受けて動作し、図示しないフュエルポンプからフ
ュエルタンクへ戻る燃料量を調節することにより、イン
ジェクタ9から噴射される燃料圧を調節するようになっ
ている。
【0031】また、このエンジンシステムを制御するた
めに、種々のセンサが設けられている。まず、図2に示
すように、エアクリーナ7を通過した吸気が吸気通路3
内に流入する部分には、吸入空気量をカルマン渦情報か
ら検出するエアフローセンサ(吸気量センサ)17や吸
入空気湿度パラメータ検出手段としての吸気温センサ1
8,大気圧センサ19がそなえられている。
【0032】この吸気温センサ18は、エンジン1の吸
入空気の温度を検出するものである。また、吸気通路3
におけるスロットル弁8の配設部分には、スロットル弁
8の開度を検出するポテンショメータ式のスロットルポ
ジションセンサ20のほかに、アイドルスイッチ21が
そなえられている。
【0033】さらに、排気通路4側には、排気ガス中の
酸素濃度(O2 濃度)を空燃比リーン側において線形に
検出するリニア酸素濃度センサ(以下、単に「リニアO
2 センサ」という)22がそなえられるほか、その他の
センサとして、エンジン1用の冷却水の温度を検出する
水温センサ23や、図3に示すクランク角度を検出する
クランク角センサ24(このクランク角センサ24はエ
ンジン回転数Neを検出する回転数センサとしての機能
も兼ねている)や車速センサ30などがそなえられてい
る。
【0034】そして、これらのセンサやスイッチからの
検出信号は、図3に示すようなECU25へ入力される
ようになっている。ここで、このECU25のハードウ
ェア構成は、図3に示すようになるが、このECU25
は、その主要部としてCPU(演算装置)26をそなえ
たコンピュータとして構成されており、CPU26に
は、吸気温センサ18,大気圧センサ19,スロットル
ポジションセンサ20,リニアO2 センサ22,水温セ
ンサ23等からの検出信号が、入力インタフェース28
およびアナログ/ディジタルコンバータ29を介して入
力されるようになっている。
【0035】また、CPU26には、エアフローセンサ
17,アイドルスイッチ21,クランク角センサ24,
車速センサ30等からの検出信号が、入力インタフェー
ス35を介して直接入力されるようになっている。さら
に、CPU26は、バスラインを介して、プログラムデ
ータや固定値データのほか各種データを記憶するROM
(記憶手段)36や更新して順次書き替えられるRAM
37との間でデータの授受を行なうようになっている。
【0036】また、CPU26による演算の結果、EC
U25からは、エンジン1の運転状態を制御するための
信号、例えば、燃料噴射制御信号,点火時期制御信号,
ISC制御信号,バイパスエア制御信号,EGR制御信
号等の各種制御信号が出力されるようになっている。こ
こで、燃料噴射制御(空燃比制御)信号は、CPU26
から噴射ドライバ39を介して、インジェクタ9を駆動
させるためのインジェクタソレノイド9a(正確にはイ
ンジェクタソレノイド9a用のトランジスタ)へ出力さ
れるようになっており、点火時期制御信号は、CPU2
6から点火ドライバ40を介して、パワートランジスタ
41へ出力され、このパワートランジスタ41から点火
コイル42を介しディストリビュータ43により各点火
プラグ16に順次火花を発生させるようになっている。
【0037】また、ISC制御信号は、CPU26から
ISCドライバ44を介して、ステッパモータ12bへ
出力され、バイパスエア制御信号は、CPU26からバ
イパスエア用ドライバ45を介して、エアバイパス弁制
御用電磁弁142のソレノイド142aへ出力されるよ
うになっている。さらに、EGR制御信号は、CPU2
6からEGRドライバ46を介して、ERG弁制御用電
磁弁83のソレノイド83aへ出力されるようになって
いる。
【0038】ところで、今、燃料噴射制御(空燃比制
御)に着目すると、この燃料噴射制御(インジェクタ駆
動時間制御)のために、ECU25は、図1に示すよう
に、変動検出手段101、正規化変動値検出手段10
2、燃焼悪化判定値算出手段104、燃焼状態制御手段
105、燃焼変動調整要素106、角加速度検出手段1
07、平滑化手段108、閾値更新手段110および失
火判定基準値111の機能をそなえている。
【0039】ここで、燃焼変動調整要素106は、燃焼
状態制御手段105からの制御信号により燃料噴射パル
ス幅Tinjを所望の状態に調整して、実現すべき空燃
比のリーンバーン運転を行なうもので、インジェクタ9
が燃焼変動調整要素106として機能する。なお、燃料
噴射パルス幅Tinjは次式で表される。
【0040】Tinj(j)=TB・KAC(j)・K
・KAFL+Td この式におけるTBは、インジェクタ9の基本駆動時間
であり、エアフローセンサ17からの吸入空気量A情報
とクランク角センサ(エンジン回転数センサ)24から
のエンジン回転数N情報とからエンジン1回転あたりの
吸入空気量A/N情報を求め、この情報に基づき基本駆
動時間TBを決定するようになっている。
【0041】また、KAFLはリーン化補正係数で、マ
ップに記憶された特性からエンジンの運転状態に対応し
て決定され、運転状態に応じて空燃比をリーンまたはス
トイキオにすることができるようになっている。そし
て、KAC(j)は、後述のように、燃焼変動に対応し
た燃焼状態制御を行なうための補正係数である。
【0042】さらに、エンジン冷却水温,吸気温,大気
圧等に応じた補正係数Kが設定され、デッドタイム(無
効時間)Tdにより、バッテリ電圧に応じて駆動時間が
補正されるように構成されている。また、リーンバーン
運転は、所定の条件が成立したと、リーン運転条件判定
手段において判定された場合に行なわれるように構成さ
れている。
【0043】これにより、このECU25は、所要の運
転条件下では理論空燃比よりも希薄側空燃比となるよう
に空燃比を制御する空燃比制御手段の機能を有している
ことになる。ところで、本実施例の燃焼状態制御装置
は、エンジンに駆動される回転軸(クランク軸)の角加
速度を検出する角加速度検出手段107をそなえてお
り、角加速度検出手段107は次のように構成されてい
る。
【0044】すなわち、図11に示すように、角加速度
検出手段107は、クランク角センサ24、気筒判別セ
ンサ230およびコントローラとしてのECU25を主
要要素としてそなえており、クランク角センサ24は、
エンジンのクランク軸201と一体に回転する回転部材
221をそなえている。回転部材221の周縁には、半
径方向へ突出する第1,第2および第3のベーン221
A,221B,221Cが形成されており、このベーン
221A,221B,221Cに対し両面から対向する
ように装備された検出部222が、回転部材221の回
動に伴うベーン221A,221B,221Cの通過
を、光学的にもしくは電磁気的に検出し、対応するパル
ス出力を行なうように構成されている。
【0045】そして、ベーン221A,221B,22
1Cは、各々が一定角度のクランク軸回転角度に対応す
る周方向長さをそなえており、所定角度間隔ごとに周方
向に離隔して配設されている。すなわち、隣合うベーン
の対向縁は相互に120度の角度間隔をもって配設され
ている。
【0046】ところで、気筒判別センサ230は、図示
しないカムシャフトに固着されており、クランク軸20
1が2回転してカムシャフトが1回転する間に、カムシ
ャフトが1つの気筒に対応する特定の回転位置をとるご
とに、パルス出力を発生するようになっている。そし
て、点火動作が気筒番号順に行なわれる6気筒エンジン
に搭載される本実施例の装置は、例えば、第3ベーン2
21Cの端縁(前端221C’または後端)が検出部2
22を通過したときに、第1気筒グループをなす第1気
筒および第4気筒のいずれか一方(好ましくは、当該一
方の気筒での主に膨張行程)に対応する第1クランク軸
回転角度領域にクランク軸が突入するとともに、第1ベ
ーン221Aの端縁が検出部222を通過したときに、
クランク軸が第1回転角度領域から離脱するようになっ
ている。
【0047】同様に、第1ベーン221Aの端縁の通過
時に、第2気筒グループを構成する第2および第5気筒
のいずれか一方に対応する第2クランク軸回転角度領域
に突入し、ついで、第2ベーン221Bの端縁の通過時
に同領域からの離脱が行なわれるようになっている。さ
らに、第2ベーン221Bの端縁の通過時に、第3気筒
グループを構成する第3および第6気筒のいずれか一方
に対応する第3クランク軸回転角度領域に突入し、つい
で、第3ベーン221Cの端縁の通過時に同領域からの
離脱が行なわれるようになっている。
【0048】そして、第1気筒と第4気筒との識別、第
2気筒と第5気筒との識別および第3気筒と第6気筒と
の識別は、気筒判別センサ230の出力に基づいて行な
われるように構成されている。このような構成により、
角加速度の検出は次のように行なわれる。すなわち、エ
ンジン運転中、ECU25はクランク角センサ24から
のパルス出力と気筒判別センサ230の検出信号とを逐
次入力され、演算を周期的に繰り返し実行する。
【0049】また、ECU25は、クランク角センサ2
4からのパルス出力が、気筒判別センサ230からのパ
ルス出力の入力時点以降に順次入力したもののうちの何
番目のものであるかを判別する。これにより、入力され
たクランク角センサ24からのパルス出力が、何番目の
気筒に対応するものであるかを識別され、好ましくは、
主に膨張行程(出力行程:BTDC75°)を現時点で実行中
の気筒が識別気筒として識別される。
【0050】そして、ECU25は、クランク角センサ
24からのパルス入力に応じて、識別気筒グループm
(mは1,2または3)に対応するクランク軸回転角度
領域への突入を判別すると、周期計測用タイマ(図示
略)をスタートさせる。ついで、クランク角センサ22
0から次のパルス出力を入力すると、ECU25は、識
別気筒グループmに対応するクランク軸回転角度領域か
らの離脱を判別し、周期計測用タイマの計時動作を停止
させて計時結果を読み取る。
【0051】この計時結果は、識別気筒グループmに対
応するクランク軸回転角度領域への突入時点から当該領
域からの離脱時点までの時間間隔TN(n)、すなわ
ち、識別気筒グループに対応する2つの所定クランク角
によって定まる周期TN(n)を表している。ここで、
周期TN(n)における添字nは、当該周期が識別気筒
におけるn回目(今回)の点火動作に対応することを表
す。
【0052】また、周期TN(n)は、6気筒エンジン
では識別気筒グループの120度クランク角間周期(隣
合う気筒における運転状態BTDC75°相互の時間間隔)に
なり、より一般的には、N気筒エンジンでの(720/
N)度クランク角間周期になる。なお、今回の識別気筒
に対応するクランク軸回転角度領域からの離脱を表す上
記パルス出力は、次の識別気筒に対応するクランク軸回
転角度領域への突入をも表す。
【0053】したがって、このパルス出力に応じて、次
の識別気筒についての気筒識別ステップが実行されると
ともに、当該次の識別気筒に係る周期計測を開始すべ
く、周期計測用タイマがリスタートされる。このような
動作により、ECU25は120度クランク間周期TN
(n)を検出するが、#1気筒から#6気筒に至る一連
の状態を図示すると、図5に示すようになり、120度
クランク間周期は、TN(n−5)からTN(n)で表
される。これらの検出値を用いて当該周期におけるクラ
ンク軸の角加速度ACC(n)を次式により算出する。
【0054】 ACC(n)=1/TN(n) ・{KL(m)/TN(n)-KL(m-1)/TN(n
-1) } ここで、KL(m) はセグメント補正値であり、今回の識別
気筒に関連して、ベーン製造上および取り付け上のベー
ン角度間隔のばらつきによる周期測定誤差を除去するた
めの補正を行なうべく、ECU25により次式でセグメ
ント補正値KL(m)が算出される。
【0055】 KL(m)= {KL(m-3)*(1-XMFDKFG)+KR(n)*(XMFDKFD) } ただし、XMFDKFG はセグメント補正値ゲインを示してい
る。また、 KL(m)におけるm は対応する気筒グループご
とに設定されるもので、気筒グループ#1,#4に対し
m=1,気筒グループ#2,#5に対しm=2,気筒グ
ループ#3,#6に対しm=3がそれぞれ対応し、図6
に示すように KL(1)〜 KL(3)が繰り返される。
【0056】そして、KL(m-1) におけるm−1は、対応
するmの直前のものを意味しているため、 KL(m)= KL
(1)のときKL(m-1) =KL(3), KL(m)= KL(2)のときKL(m-
1) =KL(1), KL(m)= KL(3)のときKL(m-1) =KL(2) を
示している。さらに、上式におけるKL(m-3) は、同一気
筒グループにおける前の回の KL(m)を示しており、#4
気筒の演算時におけるKL(m-3) は前の#1気筒における
KL(1)が用いられ、#1 気筒の演算時におけるKL(m-3)
は前の#4気筒における KL(1)が用いられる。#5気筒
の演算時におけるKL(m-3) は前の#2気筒における KL
(2)が用いられ、#2気筒の演算時におけるKL(m-3) は
前の#5気筒における KL(2)が用いられる。#6気筒の
演算時におけるKL(m-3) は前の#3気筒におけるKL(3)
が用いられ、#3気筒の演算時におけるKL(m-3) は前の
#6気筒におけるKL(3)が用いられる。
【0057】一方、上式におけるKR(n) は次式で求めら
れる。 KR(n) =3 ・TN(n) /{TN(n) +TN(n-1) +TN(n-2) } これは、2回前の計測時間TN(n-2) から今回の計測時間
TN(n) までの平均計測時間に対応した計測値であり、セ
グメント補正値KL(m)の算出に際し、KR(n) に対し
て、セグメント補正値ゲインXMFDKFG による一次フィル
タ処理が前述の式を用いて行なわれる。
【0058】ところで、本実施例のエンジンの燃焼状態
制御装置は、角加速度検出手段107の検出信号を用い
て角加速度の変動値を検出する変動検出手段101をそ
なえている。そして、変動検出手段101の演算は、検
出された角速度を平滑化手段108により平滑化した平
滑値と、角加速度検出手段107から出力された角加速
度との差を求めることにより行なわれるように構成され
ている。
【0059】すなわち、変動検出手段101において
は、加速度変動値ΔACC(n)が次式により算出され
る。 ΔACC(n)=ACC(n)−ACCAV(n) ここで、ACCAV(n)は、検出された角速度を平滑
化手段108により平滑化した平滑値であり、次式によ
る一次フィルタ処理を行なうことにより算出される。
【0060】 ACCAV(n)=α・ACCAV(n−1)+(1−
α)・ACC(n) ここで、αは一次フィルタ処理における更新ゲインであ
り、0.95程度の値が採られる。また、変動検出手段
101から出力される変動値ΔACC(n)をエンジン
の運転状態に応じて正規化し、正規化変動値IAC
(n)を求める正規化変動値検出手段102が設けられ
ている。
【0061】すなわち、正規化変動値検出手段102に
おける正規化変動値IAC(n)の算出は次式により行
なわれる。 IAC(n)=ΔACC(n)・Kte(Ev,Ne) ここで、Kte(Ev,Ne)は出力補正係数であり、
図10に示す特性により設定されるようになっている。
【0062】図10の特性は、横軸に体積効率Evをと
り、この体積効率Evに対する出力補正係数Kte(E
v,Ne)を縦軸にとって示されており、エンジン回転
数Neが大きくなるほど右上側の線の特性を採用するよ
うに構成されている。したがって、図10の特性がマッ
プとして記憶されており、クランク角センサ24等の検
出信号から算出されるエンジン回転数Neと体積効率E
vとから、出力補正係数Kte(Ev,Ne)がECU
25において設定され、エンジン出力に対応した補正に
よる正規化が行なわれるように構成されている。
【0063】そして、正規化変動値IAC(n)と所定
の閾値IACTHとを比較して燃焼悪化判定値VAC
(j)を求める燃焼悪化判定値算出手段104が設けら
れおり、燃焼悪化判定値VAC(j)は、正規化変動値
IAC(n)が閾値IACTHを下回る悪化量を累積し
て求めるように構成されている。すなわち、燃焼悪化判
定値VAC(j)は、次式により算出される。
【0064】VAC(j)=Σ{ IAC(J) < IACTH }
* { IACTH - IAC(J) } ここで、上式の{ IAC(J) < IACTH }は、 IAC(J) <
IACTH が成立しているとき「1」をとり、成立していな
いとき「0」をとる関数であり、正規化変動値IAC
(n)が所定の閾値IACTHを下回っているとき、こ
の下回った量を悪化量として累積するように構成されて
いる。
【0065】したがって、燃焼悪化判定値VAC(j)
は、閾値 IACTHと正規化変動値IAC(j)との差を重
みとした悪化量を累積して求められ、閾値付近の数値の
影響を小さくして、悪化の状態を正確に反映しうるよう
に構成されている。そして、燃焼悪化判定値算出手段1
04における所定の閾値 IACTHは、閾値更新手段110
により、エンジンの運転状態に対応して更新されるよう
に構成されている。
【0066】なお、上述の添字jは、気筒番号を示して
いる。また、燃焼悪化判定値VAC(j)としてはより
簡単なプログラムを用いて正規化変動値IAC(n)が
閾値IACTHを下回る回数を累積して求めてもよい
(即ちVAC(j)=Σ{ IAC(j) < IACTH })。上
述のような燃焼悪化判定値算出手段104からの演算結
果は、燃焼状態制御手段105で用いられるように構成
されている。
【0067】すなわち、燃焼状態制御手段105は、燃
焼悪化判定値算出手段104により算出された燃焼悪化
判定値VAC(j)を参照し、基準値設定手段112か
らの所定の基準値についてエンジンの燃焼変動調整要素
106を制御するように構成されている。燃焼状態制御
手段105による燃焼変動調整要素106の制御につい
ての基準値として、上限基準値設定手段112Uで設定
される上限基準値(VACTH1)と上限基準値設定手段112
Lで設定される下限基準値(VACTH2)とが設けられてい
る。
【0068】そして、燃焼変動調整要素106による制
御は、燃焼悪化判定値VAC(j)を上限基準値(VACTH
1)と下限基準値(VACTH2)との間に収めるべく行なわれる
ように構成されている。すなわち、燃焼変動調整要素1
06による制御は、前述のように、燃料噴射に際しての
基本噴射パルス幅の補正により行なわれるように構成さ
れており、噴射パルス幅Tinj(j) は、次式で算出される
ように構成されている。
【0069】Tinj(j)=TB×KAC(j)×K ×KAFL + Td そして、上式における補正係数KAC(j)が次のように調整
されるようになっている。まず、燃焼悪化判定値VAC
(j)が上限基準値VACTH1を超えている場合には、所定
以上に燃焼変動値が悪化している場合であるとして、燃
料噴射量を増加させるリッチ化の補正が次式による補正
係数KAC(j)の算出により行なわれるようになっている。
【0070】 KAC(j) = KAC(j) + KAR・{ VAC(j) − VACTH1 } これは、図7に示す補正特性のうちリッチ側右上特性の
補正値を算出するもので、 KARは特性の傾きを示す係数
である。そして、右辺のKAC(j)は、番号j 気筒につい
て、前の演算サイクル(n-1) において算出された補正係
数を示しており、上式により更新が行なわれる。
【0071】なお、図7は横軸に燃焼悪化判定値VAC
をとり、縦軸に補正係数KACをとって補正特性を示し
ている。一方、燃焼悪化判定値VAC(j)が下限基準
値VACTH2を下回っている場合には、さらにリーン化を行
ないうる余裕をそなえた場合であるとして、燃料噴射量
を減少させるリーン化の補正が次式による補正係数KAC
(j)の算出により行なわれるようになっている。
【0072】 KAC(j) = KAC(j) - KAL・{ VAC(j) − VACTH2 } これは、図7に示すリーン側左下特性の補正値を算出す
るもので、 KALは特性の傾きを示す係数である。さら
に、燃焼悪化判定値VAC(j)が、下限基準値VACTH2
以上で、上限基準値VACTH1以下である場合には、適正な
運転状態であるとして、燃料噴射量を前の状態に保つた
め、補正係数KAC(j)の変更を行なわないようになってい
る。
【0073】これは、図7に示すリーン側左下特性とリ
ッチ側右上特性との間の平坦な特性に対応するもので、
補正に関しての不感帯を構成している。ここで、下限基
準値VACTH2と上限基準値VACTH1とは、燃焼変動目標値VA
C0を中心とし、下限基準値VACTH2を(VAC0-ΔVAC)の値
に、上限基準値VACTH1を(VAC0+ΔVAC)の値に設定されて
いる。
【0074】燃焼変動目標値VAC0は、COV(Coefficie
nt of variance) の目標値(10 %程度) に対応した値で
あり、燃焼変動目標値VAC0の両側におけるΔVAC の範囲
における燃料補正をしないようにすることにより、回転
変動を有限期間(128サイクル) で評価したり、閾値以下
のもので演算していることに起因した誤差によるリミッ
トサイクルを防止するようになっている。
【0075】そして、上述の補正係数KAC(j)は、上下限
値でクリップされるように構成されており、例えば、
0.9<KAC(j)<1.1の範囲内に収まるように
設定され、急速な補正を行なわず、徐々に補正を行なう
ことにより、ショック等の発生を防止し、安定した制御
が行なわれるように構成されている。さらに、燃焼悪化
判定値VAC(j)は、設定された燃焼回数、例えば1
28(あるいは256)サイクルごとに更新されるよう
になっており、比較的長い期間を対象とした燃焼状態の
把握による制御を行なうことにより、統計的な特性を反
映する安定した確実な制御が行なわれるように構成され
ている。
【0076】そして、失火判定基準値が基準値設定手段
112で設定された基準値より燃焼悪化側において設定
されており、正規化変動値IAC(n)が失火判定基準
値を燃焼悪化側に超えることに基づき失火が判定され、
現気筒の失火情報アドレス(j)に失火情報が格納され
て、失火に対する制御が行なわれるように構成されてい
る。
【0077】本発明の一実施例としてのエンジンの燃焼
状態判定方法および燃焼状態制御装置は上述のように構
成されているので、リーンバーン運転時において、図
4,5のフローチャートに示す作動が順次行なわれる。
まず、ステップS1 において、角加速度検出手段107
により角加速度ACC(n)が検出される。
【0078】ここで、検出に用いられる演算は次式によ
る。 ACC(n)=1/TN(n) ・{KL(m)/TN(n)-KL(m-1)/TN(n
-1) } なお、KL(m) はセグメント補正値であり、今回の識別気
筒に関連して、ベーン製造上および取り付け上のベーン
角度間隔のばらつきによる周期測定誤差を除去するため
の補正を行なうべく、次式でセグメント補正値KL
(m)が算出される。
【0079】 KL(m)= {KL(m-3)*(1-XMFDKFG)+KR(n)*(XMFDKFD) } ただし、XMFDKFG はセグメント補正値ゲインを示してい
る。一方、上式におけるKR(n) は次式で求められる。 KR(n) =3 ・TN(n) /{TN(n) +TN(n-1) +TN(n-2) } これは、2回前の計測時間TN(n-2) から今回の計測時間
TN(n) までの平均計測時間に対応した計測値であり、セ
グメント補正値KL(m)の算出に際し、セグメント補
正値ゲインXMFDKFG による一次フィルタ処理が前述の式
を用いて行なわれる。
【0080】そして、ステップS2において平均加速度
ACCAV(n)が算出される。ここで、ACCAV
(n)は、検出された角速度ACC(n)を平滑化手段
108により平滑化した平滑値であり、次式による一次
フィルタ処理を行なうことにより算出される。 ACCAV(n)=α・ACCAV(n−1)+(1−
α)・ACC(n) ここで、αは一次フィルタ処理における更新ゲインであ
り、0.95程度の値が採られる。
【0081】次いで、ステップS3において、変動検出
手段101により、加速度変動値ΔACC(n)が検出
される。すなわち、角加速度検出手段107により検出
された角速度ACC(n)と、平滑化手段108により
平滑化した平滑値としての平均加速度ACCAV(n)
との差を求めることにより、加速度変動値ΔACC
(n)が次式で算出される。
【0082】 ΔACC(n)=ACC(n)−ACCAV(n) また、ステップS4において、正規化変動値検出手段1
02により、変動検出手段101から出力される変動値
ΔACC(n)をエンジンの運転状態に応じて正規化し
た正規化変動値IAC(n)が次式により算出される。 IAC(n)=ΔACC(n)・Kte(Ev,Ne) ここで、Kte(Ev,Ne)は出力補正係数であり、
図10に示す特性により設定される。
【0083】図10の特性は、横軸に体積効率Evをと
り、この体積効率Evに対する出力補正係数Kte(E
v,Ne)を縦軸にとって示されており、エンジン回転
数Neが大きくなるほど右上側の線の特性が採用され
る。すなわち、マップとして記憶された図10の特性に
おいて、クランク角センサ220等の検出信号から算出
されるエンジン回転数Neと体積効率Evとから、出力
補正係数Kte(Ev,Ne)がECU25において設
定され、エンジン出力に対応した補正による正規化が行
なわれる。
【0084】ここで、上述のような、エンジン出力に対
応する正規化をした場合における制御特性について説明
する。すなわち、角加速度ω’は次式のように示され
る。 ω’=1/Ie・(Te−Tl) ・・・・ ここで、Te:エンジントルク Tl:負荷トルク Ie:慣性モーメント 一方、ω’=ω0 ’+Δω’ ・・・・・・・・・・ ここで、ω0 ’:平均角加速度 ,式より、 ω0 ’+Δω’= 1/Ie・(Te−Tl) = 1/Ie・(Te0 −Tl)+ΔTe/Ie よって、 Δω’= ΔTe/Ie ・・・・・・・ ところで、前述したステップS1における角加速度AC
C(n)の検出手法では、エンジントルク情報が、負荷
外乱のない場合に比較的良く保存される。そして、式
に示すように、平均角加速度ω0 ’からの変動Δω’
〔加速度変動値ΔACC(n)〕を用いるとともに、慣
性モーメントIeを考慮した正規化出力〔正規化変動値
IAC(n)〕として制御を行なうことにより、燃焼変
動の統計的性質を考慮し、燃焼変動を確実に反映させた
制御が行なわれる。
【0085】ステップS4の動作が行なわれると、次い
でステップS5において、失火の判定が行なわれる。す
なわち、失火判定基準値設定手段111で設定された失
火判定基準値が、燃焼悪化判定値算出手段104に用い
られる基準値設定手段112で設定された基準値より燃
焼悪化側において設定されており、正規化変動値IAC
(n)が失火判定基準値を燃焼悪化側に超えているかど
うかを判断され、超えている場合には、失火が発生した
と判定される。
【0086】そして、この判定が行なわれた場合には、
ステップS6が実行され、現気筒の失火情報アドレス
(j)に失火情報が格納されて、失火に対する制御が行
なわれる。一方、失火の判定が行なわれなかった場合、
もしくは失火の判定が行なわれてステップS6が実行さ
れた後には、ステップS7〜ステップS10における燃
焼悪化判定値算出手段104の動作が実行され、正規化
変動値IAC(n)と所定の閾値IACTHとを比較し
て、次式により燃焼悪化判定値VAC(j)が算出され
る。
【0087】VAC(j)=Σ{ IAC(J) < IACTH }
* { IACTH - IAC(J) } まず、ステップS7において、正規化変動値IAC
(n)と所定の閾値IACTHとの差ΔIAC(n)が
算出され、次いで、ステップS8において、差ΔIAC
(n)が負であるかどうかが判断される。この判断は、
上式における関数{ IAC(J) < IACTH }に対応するも
ので、 IAC(J) < IACTH が成立しているとき「1」をと
り、成立していないとき「0」をとる動作を行なう。
【0088】すなわち、 IAC(J) < IACTH が成立してい
るときΔIAC(n)が正であるため、「NO」ルート
を通じて、ステップS10における燃焼悪化判定値VA
C(j)の累積が行なわれ、上記の関数が「1」をとっ
た状態になる。一方、 IAC(J) < IACTH が成立していな
いときΔIAC(n)が負であるため、「YES」ルー
トを通じてステップS9によりΔIAC(n)=0が実
行される。これにより、ステップS10では、燃焼悪化
判定値VAC(j)の累積は行なわれない状態となり、
上記の関数が「0」をとった状態になる。
【0089】これにより、図8で点A〜Dに示すよう
な、正規化変動値IAC(n)が所定の閾値IACTH
を下回っているとき、この下回った量を悪化量として累
積されることになる。したがって、燃焼悪化判定値VA
C(j)は、閾値 IACTHと正規化変動値IAC(j)と
の差を重みとした悪化量を累積して求められ、閾値付近
の数値の影響を小さくして、悪化の状態が燃焼悪化判定
値VAC(j)に正確に反映される。
【0090】そして、燃焼悪化判定値算出手段104に
おける所定の閾値 IACTHは、閾値更新手段110によ
り、エンジンの運転状態に対応して更新されるように構
成されており、よりリーン限界に近い運転状態を実現し
うるようになっている。なお、上述の添字jは、気筒番
号を示しており、気筒jごとに燃焼悪化判定値VAC
(j)が累積される。
【0091】次いで、ステップS11が実行され、サン
プリングの回数を示すnが128を超えたかどうかが判
断される。すなわち、図7に示す積算区間を経過したか
どうかが判断され、経過していない場合は「NO」ルー
トをとって、ステップS13を実行し、回数nを「1」
増加させて燃料補正を行なわないままステップS20が
実行される。これにより、128サイクルの積算区間内
について、噴射パルス幅Tinjにおける補正係数KA
C(j)に関する補正は行なわれず、もっぱら燃焼悪化
判定値VAC(j)の累積が行なわれる。
【0092】したがって、悪化判定値VAC(j)は、
設定された燃焼回数、例えば128サイクルごとに更新
されるようになっており、比較的長い期間を対象とした
燃焼状態の把握による制御を行なうことにより、統計的
な特性を反映する安定した確実な制御が行なわれる。そ
して、積算区間が経過すると、ステップS11の「YE
S」ルートを通じ、ステップS12〜ステップS18が
実行される。
【0093】まず、ステップS12において、回数nが
「1」にリセットされ、次いで、ステップS14とステ
ップS15とにおいて、燃焼悪化判定値VAC(j)を
参照して、基準値設定手段112で設定された所定の基
準値との比較が行なわれる。まず、燃焼悪化判定値VA
C(j)と上限基準値(VACTH1)との比較が行なわれ、燃
焼悪化判定値VAC(j)が上限基準値VACTH1を超えて
いる場合、すなわち、図9に示すように、燃焼変動の悪
化量が限界である上限基準値VACTH1を超えている場合
は、ステップS15において、次式による補正係数KAC
(j)の算出が行なわれる。
【0094】 KAC(j) = KAC(j) + KAR・{ VAC(j) − VACTH1 } これは、図7に示すリッチ側右上特性の補正値を算出す
るもので、所定以上に燃焼変動値が悪化している場合で
あるとして、燃料噴射量を増加させるリッチ化の補正が
補正係数KAC(j)の算出により行なわれるようになってい
る。ここで、 KARは特性の傾きを示す係数であり、右辺
のKAC(j)は、番号j 気筒について、前の演算サイクル(n
-1) において算出された補正係数を示しており、上式に
より更新が行なわれる。
【0095】また、燃焼悪化判定値VAC(j)が下限
基準値VACTH2を下回っている場合には、ステップS16
において「YES」ルートをとり、さらにリーン化を行
ないうる余裕をそなえた場合であるとして、燃料噴射量
を減少させるリーン化の補正が次式による補正係数KAC
(j)の算出により行なわれる。 KAC(j) = KAC(j) - KAL・{ VAC(j) − VACTH2 } これは、図7に示すリーン側左下特性の補正値を算出す
るもので、 KALは特性の傾きを示す係数である。
【0096】さらに、燃焼悪化判定値VAC(j)が、
下限基準値VACTH2以上で、上限基準値VACTH1以下である
場合には、ステップS14およびステップS15におい
ていずれも「NO」ルートをとり、適正な運転状態であ
るとして、燃料噴射量を前の状態に保つため、補正係数
KAC(j)の変更を行なわない。これは、図7に示すリーン
側左下特性とリッチ側右上特性との間の平坦な特性に対
応するもので、補正に関しての不感帯を構成している。
【0097】ここで、下限基準値VACTH2と上限基準値VA
CTH1とは、燃焼変動目標値VAC0を中心とし、下限基準値
VACTH2を(VAC0-ΔVAC)の値に、上限基準値VACTH1を(VAC
0+ΔVAC)の値に設定されている。燃焼変動目標値VAC0
は、COV(Coefficient of variance) の目標値(10 %
程度) に対応した値であり、燃焼変動目標値VAC0の両側
におけるΔVAC の範囲における燃料補正をしないように
することにより、回転変動を有限期間(128サイクル) で
評価したり、閾値以下のもので演算していることに起因
した誤差によるリミットサイクルが防止される。
【0098】そして、ステップS18が実行され、燃焼
悪化判定値VAC(j)が「0」にリセットされる。さ
らに、ステップS19において、補正係数KAC(j)が上下
限値を超えた場合には、超えた側の限界値にクリップさ
れる。例えば、0.9<KAC(j)<1.1の範囲内
に収まるように設定された場合、ステップS15におけ
る算出値が1.1を超えると1.1に設定され、ステッ
プS16における算出値が0.9を下回ると0.9に設
定される。
【0099】これにより、急速な補正を行なわず、徐々
に補正を行なうことにより、ショック等の発生を防止
し、安定した制御が行なわれる。そして、ステップS2
0において、上述のようにして決定された補正係数KAC
(j)による燃料噴射に際しての基本噴射パルス幅の補正
が行なわれる。すなわち、噴射パルス幅Tinj(j) は、次
式で算出される。
【0100】Tinj(j)=TB×KAC(j)×K ×KAFL + Td この基本噴射パルス幅の補正により、燃焼状態制御手段
105による燃焼変動調整要素106の制御が行なわ
れ、エンジンは、所望のリーン限界運転状態にたもたれ
る。なお、燃焼調整要素としてはERG量の制御も考え
られる。このように動作が行なわれるが、本実施例によ
れば、次のような効果ないし利点がある。 (1)エンジントルクの確率的特性を考慮した、燃焼変
動の推定およびこの推定を用いた空燃比制御を行なえる
ようになる。 (2)燃焼変動の統計的性質を考慮したエンジンの燃焼
状態制御を、実時間で、また車載コンピュータで行なえ
るようになる。 (3)インジェクタや吸気管形状、バルブタイミングの
ずれによる空燃比のばらつきに起因した燃焼変動限界の
気筒管差を確実に補正できるようになり、各気筒のそれ
ぞれをすべて燃焼限界に設定できるようになる。 (4)前項により、NOxの排出を最小にすることがで
きるようになる。 (5)各気筒ごとの回転変動の検出および制御を、1個
のクランク角センサで行なえるようになり、低コストで
より確実なリーンバーン制御を行なえるようになる。
【0101】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のエンジンの燃焼状態判定方法によれば、エンジン
に駆動される回転軸の角加速度の変動値を検出する第1
のステップと、該変動値を上記エンジンの運転状態に応
じて正規化して正規化変動値を求める第2のステップ
と、上記正規化変動値と所定の閾値とを比較して燃焼悪
化状態を判定する第3のステップとをそなえて構成され
るという簡素な構成で、エンジンの運転状態に対応した
燃焼状態の制御を行ないうるようになり、リーン限界運
転をより広い運転域において行ないうるようになる利点
がある。
【0102】また、請求項2記載のエンジンの燃焼状態
判定方法によれば、上記所定の閾値が上記エンジンの運
転状態に対応して更新されるという簡素な構成で、エン
ジンの運転状態に対応した燃焼状態の制御を行ないうる
ようになり、リーン限界運転をより広い運転域において
行ないうるようになる利点がある。さらに、請求項3記
載のエンジンの燃焼状態判定方法によれば、上記燃焼悪
化状態の判定を上記正規化変動値が所定の閾値より下回
る状態を検出して行なうように構成されるという簡素な
構成で、エンジンの運転状態に対応した燃焼状態の制御
を行ないうるようになり、リーン限界運転をより広い運
転域において行ないうるようになる利点がある。
【0103】そして、請求項4記載のエンジンの燃焼状
態判定方法によれば、第1のステップが、回転軸の角加
速度を求めるステップと、該角加速度の平滑値を求める
ステップと、上記角加速度と上記平滑値との差から変動
値を求めるステップとをそなえて構成されるという簡素
な構成で、エンジンの運転状態の統計的特性に対応した
燃焼状態の制御を行ないうるようになり、リーン限界運
転をより広い運転域において確実に行ないうるようにな
る利点がある。
【0104】また、請求項5記載のエンジンの燃焼状態
制御方法によれば、エンジンに駆動される回転軸の角加
速度の変動値を検出する第1のステップと、該変動値を
上記エンジンの運転状態に応じて正規化した正規化変動
値を求める第2のステップと、上記正規化変動値と所定
の閾値とを比較して燃焼悪化判定値を設定する第3のス
テップと、上記燃焼悪化判定値を所定の基準値と比較し
該燃焼悪化判定値が上記基準値に近づくように上記内燃
機関の燃焼変動調整要素を制御する第4のステップとを
そなえて構成されるという簡素な構成で、エンジンの運
転状態の統計的特性に対応した燃焼状態の制御を行ない
うるようになり、リーン限界運転をより広い運転域にお
いて確実に行ないうるようになる利点がある。
【0105】さらに、請求項6記載のエンジンの燃焼状
態制御方法によれば、上記基準値として上限基準値と下
限基準値とをそなえるとともに、上記第4のステップ
が、上記燃焼悪化判定値を上記上限基準値と上記下限基
準値との間に収めるべく、上記の内燃機関の燃焼変動調
整要素を制御するように構成されるという簡素な構成
で、エンジンの運転状態の統計的特性に対応した燃焼状
態の制御を行ないうるようになり、リーン限界運転をよ
り広い運転域において確実に行ないうるようになる利点
がある。また、演算誤差等により発生しうるリミットサ
イクルを確実に回避できるようになる利点もある。
【0106】そして、請求項7記載のエンジンの燃焼状
態制御方法によれば、上記請求項5における所定の閾値
が上記エンジンの運転状態に対応して更新されるように
構成されるという簡素な構成で、エンジンの運転状態の
統計的特性に対応した燃焼状態の制御を行ないうるよう
になり、リーン限界運転をより広い運転域において確実
に行ないうるようになる利点がある。
【0107】また、請求項8記載のエンジンの燃焼状態
制御方法によれば、上記請求項5における燃焼悪化判定
値を上記正規化変動値が上記所定の閾値から下回る燃焼
の悪化量の累積により求めるように構成されるという簡
素な構成で、エンジンの運転状態の統計的特性に対応し
た燃焼状態の制御を行ないうるようになり、リーン限界
運転をより広い運転域において確実に行ないうるように
なるとともに、燃焼悪化状態を量的に確実に把握できる
ようになり、さらに確実な燃焼状態制御を行なえるよう
になる利点もある。
【0108】さらに、請求項9記載のエンジンの燃焼状
態制御方法によれば、上記請求項5における燃焼悪化判
定値が設定された燃焼回数ごとに更新されるように構成
されるという簡素な構成で、エンジンの運転状態の統計
的特性に対応した燃焼状態の制御を行ないうるようにな
り、リーン限界運転をより広い運転域において確実に行
ないうるようになるとともに、燃焼悪化状態を量的に確
実に把握できるようになり、さらに確実な燃焼状態制御
を行なえるようになる利点もある。
【0109】そして、請求項10記載のエンジンの燃焼
状態制御方法によれば、上記請求項5における上記基準
値より燃焼悪化側において失火判定基準値が設定される
とともに、上記燃焼悪化判定値が失火判定基準値を燃焼
悪化側に超えることに基づき失火を判定する第5のステ
ップをそなえて構成されるという簡素な構成で、エンジ
ンの運転状態の統計的特性に対応した燃焼状態の制御を
行ないうるようになり、リーン限界運転をより広い運転
域において確実に行ないうるようになるとともに、失火
を防止できるようになり、さらに確実な燃焼状態制御を
行なえるようになる利点もある。
【0110】また、請求項11記載のエンジンの燃焼状
態制御装置によれば、理論空燃比より希薄側の空燃比で
運転しうるエンジンにおいて、該エンジンに駆動される
回転軸の角加速度の変動値を検出する変動検出手段と、
該変動検出手段で検出された変動値を上記エンジンの運
転状態に応じて正規化して正規化変動値を求める正規化
変動値検出手段と、上記正規化変動値と所定の閾値とを
比較して燃焼悪化判定値を求める燃焼悪化判定値算出手
段と、上記燃焼悪化判定値を参照し所定の基準値と比較
し、該燃焼悪化判定値が上記基準値に近づくように、上
記内燃機関の燃焼変動調整要素を制御する燃焼状態制御
手段とをそなえて構成されるという簡素な構成で、エン
ジンの運転状態の統計的特性に対応した燃焼状態の制御
を行ないうるようになり、リーン限界運転をより広い運
転域において確実に行ないうるようになる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての内燃機関の燃焼状態
判定方法並びに内燃機関の燃焼状態制御方法および燃焼
状態制御装置の制御ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例としての燃焼状態制御装置を
有するエンジンシステムの全体構成図である。
【図3】本発明の一実施例としての燃焼状態制御装置を
有するエンジンシステムの制御系を示すハードブロック
図である。
【図4】本発明の一実施例としてのエンジンの燃焼状態
制御装置の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図5】本発明の一実施例としてのエンジンの燃焼状態
制御装置の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図6】本発明の一実施例としてのエンジンの燃焼状態
制御装置の動作を説明するための波形図である。
【図7】本発明の一実施例としてのエンジンの燃焼状態
制御装置の動作を説明するための補正特性マップであ
る。
【図8】本発明の一実施例としてのエンジンの燃焼状態
制御装置の動作を説明するための摸式的グラフである。
【図9】本発明の一実施例としてのエンジンの燃焼状態
制御装置の動作を説明するための摸式的グラフである。
【図10】本発明の一実施例としてのエンジンの燃焼状
態制御装置の動作を説明するための正規化特性マップで
ある。
【図11】本発明の一実施例としてのエンジンの燃焼状
態制御装置における回転変動検出部を示す摸式的斜視図
である。
【図12】リーンバーンエンジンにおける燃焼変動特性
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 2 燃焼室 3 吸気通路 3a サージタンク 4 排気通路 5 吸気弁 6 排気弁 7 エアクリーナ 8 スロットル弁 9 電磁式燃料噴射弁(インジェクタ) 9a インジェクタソレノイド 10 三元触媒 11A 第1バイパス通路 11B 第2バイパス通路 12 ステッパモータ弁(STM弁) 12a 弁体 12b ステッパモータ(ISC用アクチュエータ) 12c バネ 13 ファーストアイドルエアバルブ 14 エアバイパス弁 14a 弁体 14b ダイアフラム式アクチュエータ 15 燃料圧調節器 16 点火プラグ 17 エアフローセンサ(吸気量センサ) 18 吸入空気湿度パラメータ検出手段としての吸気温
センサ 19 大気圧センサ 20 スロットルポジションセンサ 21 アイドルスイッチ 22 リニアO2 センサ 23 水温センサ 24 クランク角センサ(エンジン回転数センサ) 25 空燃比制御手段としてのECU 26 CPU(演算装置) 28 入力インタフェース 29 アナログ/ディジタルコンバータ 30 車速センサ 35 入力インタフェース 36 ROM(記憶手段) 37 RAM 39 噴射ドライバ 40 点火ドライバ 41 パワートランジスタ 42 点火コイル 43 ディストリビュータ 44 ISCドライバ 45 バイパスエア用ドライバ 46 EGRドライバ 80 排気再循環通路(EGR通路) 81 EGR弁 81a 弁体 81b ダイアフラム式アクチュエータ 82 パイロット通路 83 ERG弁制御用電磁弁 83a ソレノイド 101 変動検出手段 102 正規化変動値検出手段 103 累積手段 104 燃焼悪化判定値算出手段 105 燃焼状態制御手段 106 燃焼変動調整要素 107 角加速度検出手段 108 平滑化手段 109 燃焼回数 110 閾値更新手段 111 失火判定基準値設定手段 112 基準値設定手段 112U 上限基準値設定手段 112L 下限基準値設定手段 141 パイロット通路 142 エアバイパス弁制御用電磁弁 142a ソレノイド 221 プロセッサ 221A 第1のベーン 221B 第2のベーン 221C 第3のベーン 222 検出部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に駆動される回転軸の角加速度
    の変動値を検出する第1のステップと、 該変動値を上記内燃機関の運転状態に応じて正規化して
    正規化変動値を求める第2のステップと、 上記正規化変動値と所定の閾値とを比較して燃焼悪化状
    態を判定する第3のステップとをそなえていることを特
    徴とする、内燃機関の燃焼状態判定方法。
  2. 【請求項2】 上記所定の閾値が上記内燃機関の運転状
    態に対応して更新されることを特徴とする請求項1記載
    の内燃機関の燃焼状態判定方法。
  3. 【請求項3】 上記燃焼悪化状態の判定を上記正規化変
    動値が上記の所定の閾値より下回る状態を検出して行な
    うことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃焼状態
    判定方法。
  4. 【請求項4】 上記第1のステップが、 回転軸の角加速度を求めるステップと、 該角加速度の平滑値を求めるステップと、 上記角加速度と上記平滑値との差から変動値を求めるス
    テップとをそなえて構成されたことを特徴とする請求項
    1記載の内燃機関の燃焼状態判定方法。
  5. 【請求項5】 内燃機関に駆動される回転軸の角加速度
    の変動値を検出する第1のステップと、 該変動値を上記内燃機関の運転状態に応じて正規化して
    正規化変動値を求める第2のステップと、 上記正規化変動値と所定の閾値とを比較して燃焼悪化判
    定値を設定する第3のステップと、 上記燃焼悪化判定値を所定の基準値と比較し該燃焼悪化
    判定値が上記基準値に近づくように上記内燃機関の燃焼
    変動調整要素を制御する第4のステップとをそなえて構
    成されたことを特徴とする、内燃機関の燃焼状態制御方
    法。
  6. 【請求項6】 上記基準値として上限基準値と下限基準
    値とをそなえるとともに、 上記第4のステップが、 上記燃焼悪化判定値を上記上限基準値と上記下限基準値
    との間に収めるべく、上記の内燃機関の燃焼変動調整要
    素を制御するように構成されたことを特徴とする請求項
    5記載の内燃機関の燃焼状態制御方法。
  7. 【請求項7】 上記所定の閾値が上記内燃機関の運転状
    態に対応して更新されるように構成されたことを特徴と
    する請求項5記載の内燃機関の燃焼状態制御方法。
  8. 【請求項8】 上記燃焼悪化判定値を上記正規化変動値
    が上記所定の閾値から下回る燃焼の悪化量の累積により
    求めることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の燃焼
    状態制御方法。
  9. 【請求項9】 上記燃焼悪化判定値が設定された燃焼回
    数ごとに更新されることを特徴とする請求項8記載の内
    燃機関の燃焼状態制御方法。
  10. 【請求項10】 上記基準値より燃焼悪化側において失
    火判定基準値が設定されるとともに、 上記燃焼悪化判定値が上記失火判定基準値を燃焼悪化側
    に超えることに基づき失火を判定する第5のステップを
    そなえて構成されたことを特徴とする請求項5記載の内
    燃機関の燃焼状態制御方法。
  11. 【請求項11】 理論空燃比より希薄側の空燃比で運転
    しうる内燃機関において、 該内燃機関に駆動される回転軸の角加速度の変動値を検
    出する変動検出手段と、 該変動検出手段で検出された変動値を上記内燃機関の運
    転状態に応じて正規化して正規化変動値を求める正規化
    変動値検出手段と、 上記正規化変動値と所定の閾値とを比較して燃焼悪化判
    定値を求める燃焼悪化判定値算出手段と、 上記燃焼悪化判定値を参照し所定の基準値と比較し、該
    燃焼悪化判定値が上記基準値に近づくように、上記内燃
    機関の燃焼変動調整要素を制御する燃焼状態制御手段と
    をそなえて構成されたことを特徴とする、内燃機関の燃
    焼状態制御装置。
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DE4480111A DE4480111C2 (de) 1993-12-21 1994-12-20 Verfahren zur Bestimmung des Verbrennungszustandes einer Verbrennungskraftmaschine sowie Verfahren und System zur Steuerung des Verbrennungszustandes einer Verbrennungskraftmaschine
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