JPH07180397A - 摩擦ダンパとそれを用いた建物の制振構造 - Google Patents

摩擦ダンパとそれを用いた建物の制振構造

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JPH07180397A
JPH07180397A JP32144693A JP32144693A JPH07180397A JP H07180397 A JPH07180397 A JP H07180397A JP 32144693 A JP32144693 A JP 32144693A JP 32144693 A JP32144693 A JP 32144693A JP H07180397 A JPH07180397 A JP H07180397A
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friction
building
joint
friction damper
sliding
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Toshiyuki Tanaka
利幸 田中
Ichiro Inoue
一朗 井上
Teruo Segawa
輝夫 瀬川
Nobuyoshi Uno
暢芳 宇野
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Nippon Steel Corp
Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Takenaka Komuten Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造簡単な摩擦ダンパ及び設備し易い制振構
造を提供する。 【構成】 それぞれ外力の入力部2a,2bを備えた2
つの摩擦部材2A,2Bを相対摺動自在に設け、それら
摩擦部材2A,2Bの摺動面間に摩擦力を付与する摩擦
力付与手段を設け、前記摩擦部材2A,2Bのうちの一
方の摺動面を、部材本体3を被覆する金属の溶射被膜4
から形成し、前記摩擦力付与手段として、摩擦部材2
A,2B同士を設定圧力で相互に押し付け合わせる滑り
荷重調整ボルト6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物の制振などに用い
られる摩擦ダンパ、詳しくは、それぞれ外力の入力部を
備えた2つの摩擦部材を摺動自在に設け、それら摩擦部
材の摺動面間に摩擦力を付与する摩擦力付与手段を設け
てあるものと、摩擦ダンパを用いた建物の制振構造、詳
しくは、建物の躯体に耐震壁やブレース、制振用錘など
の建築用部材を、躯体の変位に伴ってその躯体に対する
変位を許容する状態に可動継手を介して接合し、躯体と
建築用部材との相対変位に抵抗を付与する摩擦ダンパを
設けてある制振構造とに関する。
【0002】
【従来の技術】摩擦ダンパとしては、図19に示すよう
なものが知られている。すなわち、入力部02aを備え
た筒状の第1の摩擦部材02Aを設け、入力部02bを
備えたロッド状の第2の摩擦部材02Bを第1の摩擦部
材02A内に移動自在に挿入させ、その第2の摩擦部材
02Bを、本体03と、第1の摩擦部材02Aの内周面
に摺動自在な筒状の摩擦部品04とから構成し、両摩擦
部材02A,02Bの摺動面間に摩擦力を付与する摩擦
力付与手段として、摩擦部品04を第1の摩擦部材02
Aの内周面に押し付ける皿バネDSを設けたもの01で
ある。
【0003】また、摩擦ダンパを用いた制振構造として
は、図20に示すように、躯体8に建築用部材9の一例
である耐震壁9Aを可動継手010を介して相対変位自
在に支持させ、可動継手010とは別に、躯体8と耐震
壁9との間に前記の摩擦ダンパ01を介装したものや、
或いは、図21に示すように、躯体8側の継手部材01
1Aと建築用部材9の一例であるブレース9B側の継手
部材011Bとを接合ボルト13、或いは、ピンを介し
て相対移動自在に接合する一方、その継手010とは別
に前記の摩擦ダンパ01を設けたものが知られている。
つまり、第1の摩擦部材02Aの入力部02aを躯体8
に連結し、第2の摩擦部材02Bの入力部02bを耐震
壁9Aやブレース9Bに連結したものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の摩
擦ダンパによるときは次のような欠点があった。すなわ
ち、皿バネのバネ圧で摩擦部材同士を設定圧力で押し付
け合わせて摩擦力を得るのであって、所定の滑り荷重を
得るには所定のバネ圧を保証する必要があり、皿バネの
製造誤差などに起因してバネ圧調整なしで所定のバネ圧
を得ることは困難であるから、バネ圧調整手段を組み込
む必要があり、構造が複雑なものになっていた。
【0005】また、上記従来の建物の制振装置によると
きは次のような欠点があった。すなわち、建築用部材の
躯体への連結構造とは別途に摩擦ダンパを設置していた
から、摩擦ダンパの設置空間及び設置作業空間を、建築
用部材の躯体への連結とは別途用意する必要があって、
スペース的に設備しにくい。
【0006】本発明の目的は、構造簡単な摩擦ダンパ及
び設備し易い制振構造を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による摩擦ダンパ
の特徴は、前記摩擦部材のうちの一方の摺動面を、部材
本体を被覆する金属の溶射被膜から形成し、前記摩擦力
付与手段として、摩擦部材同士を設定圧力で相互に押し
付け合わせる滑り荷重調整ボルトを設けてある点にあ
る。
【0008】本発明による建物の制振構造の特徴は、前
記躯体側の継手部材と建築用部材側の継手部材とを相対
変位方向に対して直交する姿勢の接合ボルトを介して両
者の相対摺動を許容する状態に接合して前記可動継手を
構成し、前記摩擦ダンパを構成するに、継手部材のうち
の一方の摺動面を、部材本体を被覆する金属の溶射被膜
から形成し、前記接合ボルトを、継手部材の摺動面同士
を設定圧力で相互に押し付け合わせる状態に設けてある
点にある。
【0009】
【作用】本発明者等は、実験及び研究を行った結果、摩
擦ダンパにおいて、一方の摩擦部材の摺動面をアルミニ
ウムなどの金属の溶射被膜から形成すると、バネを用い
ることなく、ボルトによる締めつけで摩擦部材同士を設
定圧力で押し付け合わせることにより、所定の滑り荷重
を得ることができるとともに、その滑り荷重を安定維持
することができて、摩擦ダンパとしての機能を得ること
ができることを知見した。
【0010】本発明の摩擦ダンパは上記知見に基づいた
ものであるから、滑り荷重調整ボルトの締めつけ力を調
整することにより、摩擦部材同士を設定圧力で押し付け
合わせて所定の滑り荷重を得ることができるとともに、
その滑り荷重を安定維持することができ、バネを用いる
ことなく摩擦ダンパの機能を発揮することができる。
【0011】本発明の建物の制振構造によるときは、上
記の知見に基づき、かつ、建物では耐震壁やブレースな
どの建築用部材を躯体に接合ボルトを介して取り付ける
継手形態が多用されており、この継手では躯体側や建築
用部材側の継手部材のボルト挿通孔を長孔に形成するこ
とにより容易に躯体に対する建築用部材の相対変位を許
容する可動継手に改良できる点に着目して、建築用部材
を躯体に取り付けるための可動継手を構成する継手部材
のうち躯体側や建築用部材側の一方の摺動面をアルミニ
ウムなどの金属の溶射被膜から形成することにより、継
手部材及び接合ボルトをそれぞれ摩擦ダンパの摩擦部材
及び滑り荷重調整ボルトに兼用させて摩擦ダンパを構成
してあるから、可動継手と摩擦ダンパとの間で、部材の
兼用化による構成部材数の削減を図り、かつ、設置空間
の共用化を図ることができる。
【0012】
【発明の効果】従って、本発明によれば、構成部材数が
少なくて構造簡単な摩擦ダンパを提供でき、しかも、そ
の摩擦ダンパを利用した建物の制振構造として、摩擦ダ
ンパの設置空間が不要で、かつ、構成部材数が少なく構
造簡単・安価で設備し易い制振構造を提供できるように
なった。
【0013】
【実施例】摩擦ダンパ1の基本構造は、図1・図2に示
すように、それぞれ外力の入力部2a,2bを備えた2
つの板状の摩擦部材2A,2Bをそれらの板面に沿った
方向に相対摺動自在に設け、それら摩擦部材2A,2B
の摺動面間に摩擦力を付与する摩擦力付与手段を設けて
構成されている。
【0014】前記摩擦部材2A,2Bのうちの一方の摺
動面は、部材本体3を被覆する金属の溶射被膜4から形
成されており、他方の摺動面は鏡面仕上げされている。
金属はアルミニウムであり、溶射被膜4の厚さは、10
0μ程度である。なお、他方の摺動面の仕上げは、平面
仕上げであっても良い。かつ、摺動面の摺動方向の端部
は、摺動に伴う溶射被膜4の剥離及び削りを防止するた
めに面取りされている。この面取りの面は平面であって
も良いが、図示するような湾曲面であっても良い。
【0015】前記摩擦力付与手段は、ナット5に螺合し
てそのナット5とで摩擦部材2A,2Bを厚さ方向から
挟み付けることにより、摺動面同士を設定圧力で相互に
押し付け合わせる滑り荷重調整ボルト6である。つま
り、滑り荷重調整ボルト6・ナット5の締めつけ力を調
整することにより、設定圧力を調整して摩擦力、つま
り、滑り荷重を変更できるようになっている。滑り荷重
調整ボルト6・ナット5は、摩擦部材2A,2B同士を
連結する部材を兼用している。前記摩擦部材2A,2B
を相対摺動自在にする手段は、摩擦部材2A,2Bのう
ちの一方のボルト挿通孔7を相対摺動方向に沿った姿勢
の長孔に構成する手段である。
【0016】次に、摩擦ダンパ1を用いた建物の制振構
造の基本例を挙げる。 〈基本例1〉図3に示すように、建物の躯体8に建築用
部材9を、躯体8の変位に伴ってその躯体8に対する変
位を許容する状態に可動継手10を介して接合し、躯体
8と建築用部材9との相対変位に抵抗を付与する摩擦ダ
ンパ1を可動継手10とは別途設けて構成されている。
前記摩擦ダンパ1は、上述した構造のものである。
【0017】〈基本例2〉図4・図5・図6に示すよう
に、建物の躯体8に建築用部材9を、躯体8の変位に伴
ってその躯体8に対して変位する状態に可動継手10を
介して接合し、躯体8と建築用部材9との相対変位に抵
抗を付与する摩擦ダンパ1を可動継手10とのあいだで
構成部材を兼用する状態に設けて構成されている。
【0018】詳述すると、可動継手10は、躯体8側の
板状の一つの継手部材11Aと建築用部材9側の板状の
継手部材11Bとを相対変位方向に相対摺動自在に配置
し、相対変位方向に直交する厚さ方向に沿った姿勢で接
合ナット12に螺合して両継手部材11A,11B同士
を接合する接合ボルト13を設け、継手部材11A,1
1Bのうち一方のもののボルト挿通孔14を相対変位方
向に沿った姿勢の長孔に形成して構成されている。つま
り、ボルト挿通孔14の長さの範囲において継手部材1
1A,11B同士の相対摺動を許容するように構成され
ている。そして、継手部材11A,11Bのうちの一方
の摺動面(図では継手部材11Aを示すが継手部材11
Bでも良い。)を、部材本体15を被覆するアルミニウ
ムなどの金属の溶射被膜4から形成する一方、他方の摺
動面を鏡面仕上げ又は平面仕上げし、前記接合ボルト1
3を、継手部材11A,11Bの摺動面同士を設定圧力
で相互に押し付け合わせる状態に設けてある。つまり、
継手部材11A,11B及び接合ボルト13を、摩擦部
材2A,2B及び滑り荷重調整ボルト6に兼用させて摩
擦ダンパ1を構成してあり、継手部材11A,11Bの
対応する躯体8及び建築用部材9への連結部が入力部2
a,2bとなっている。
【0019】なお、溶射被膜4から形成される一方の摺
動面は、他方の摺動面よりも摺動方向の長さが小さいも
のに構成されており、溶射被膜4から形成される一方の
摺動面の摺動方向の端部は、摺動に伴う溶射被膜4の端
からの剥離を防止するように前述のように面取りされて
いる。
【0020】次に制振構造の具体例を挙げる。 〈具体例1〉図7・図8・図9に示すように、躯体8に
建築用部材9の一例である複数の耐震壁9Aを壁面面内
方向に並べて取り付けてある建物への適用を示す。
【0021】耐震壁9Aは、建物の振動のうち層間変位
に伴って躯体8に対してその面内水平方向に移動しよう
とする。つまり、躯体8と耐震壁9Aとは、建物の層間
変位に伴って相対移動力を受ける。前記耐震壁9Aは、
上下の四隅で躯体8に継手を介して接合されている。
【0022】そして、制振構造は、継手のうちの下の二
つを、躯体8に耐震壁9Aを固定支持させる固定継手1
6に構成する一方、上の二つを、躯体8に対して耐震壁
9Aの壁面面内水平方向に移動自在に支持させる摩擦ダ
ンパ1兼用の可動継手10に構成することにより構成さ
れている。可動継手10は、基本的には前記基本例2で
示したものと同じであるが、耐震壁9B側の継手部材1
1Bを、躯体8側の継手部材11Aを厚さ方向から挟み
込むように一対設けてある。
【0023】〈具体例2〉図10に示すように、躯体8
に建築用部材9の一例である複数のブレース9Bを取り
付けてある建物への適用を示す。
【0024】ブレース9Bは、建物の振動のうちそのブ
レースを含む面に沿っての振動に伴って躯体8に対して
その振動方向に移動しようとする。つまり、躯体8とブ
レース9Bとは、建物の振動に伴って相対移動力を受け
る。前記ブレース9Bは、その長手方向の両端で躯体8
に継手を介して接合されている。
【0025】そして、制振構造は、継手のうちの一方
を、躯体8にブレース9Bを固定接合させる固定継手1
6に構成する一方、他方を、躯体8に対してブレース9
Bをブレース長手方向に移動自在に接合させる基本例2
や具体例1で示した摩擦ダンパ1兼用の可動継手10に
構成することにより構成されている。
【0026】17は座金である。
【0027】次に本発明者等が行った摩擦ダンパに関す
る実験を説明する。試験体として、No1〜No6の六
つを用意した。各試験体の構造は、同一であり、上記基
本例2で示したものとほぼ同様な構造、つまり、図11
・図12に示すように、アルミニウムの溶射被膜4から
形成された100×100(mm)の大きさの摺動面A
を有する一対の外側の摩擦部材2Aと、それに挟まれて
高力ボルト利用の滑り荷重調整ボルト6で接合された一
つの内側の摩擦部材2Bとから構成されている。各試験
体のうち、No1〜No4の摺動面は、鏡面仕上げ(R
max1.5以下)による表面仕上げが施されており、
No5及びNo6の摺動面は、平面仕上げ(Rmax
1.2以下)による表面仕上げが施されている。また、
各試験体の摩擦部材2A,2B同士の押し付け合う力、
つまり、滑り荷重調整ボルト6の初期張力は、それぞ
れ、No1及びNo2が10トン、No3〜No6が1
5トンである。
【0028】試験には、図13に示すように、固定フレ
ームFと、荷重付与用のオイルジャッキJと、荷重検出
用のロードセルLSを備えた加力装置を用いた。
【0029】試験は、試験体の外側の摩擦部材2Aを固
定フレームFの固定座FSにボルトを介して固定し、内
側の摩擦部材2BをロードセルLSを介してオイルジャ
ッキJに連結する可動座MSにボルトを介して固定し、
その状態で、オイルジャッキJを作動させて試験体の摩
擦部材2A,2Bに滑りを発生させる方向の静的荷重を
繰り返し載荷し、変位計により摩擦部材2A,2Bの相
対変位量を測定し、かつ、滑り荷重調整ボルト6の頭に
添付した歪みゲージにより滑り荷重調整ボルト6の軸力
を測定した。なお、No1・No3・No5の試験体に
対しては、図14(a)に示すような漸増載荷パターン
で載荷し、No2・No4・No6の試験体に対して
は、図14(b)に示すような漸減載荷パターンで載荷
した。
【0030】結果のうち、水平荷重Qと滑りδとの関係
を図15の(a)〜(f)に示す。水平荷重Qは、ロー
ドセルLSにおける押しを正荷重とし、引きを負荷重と
し、滑りδは、両摩擦部材2A,2Bの間に生じた相対
変位量である。(a)がNo1の結果を、(b)がNo
2の結果を、(c)がNo3の結果を、(d)がNo4
の結果を、(e)がNo5の結果を、(f)がNo6の
結果をそれぞれ示す。正荷重側及び負荷重側の各サイク
ルにおける平均滑り荷重を図16の(a)(b)に示
し、滑り荷重の平均及び変動係数を表1に示す。平均滑
り荷重は、対象としている履歴ループの面積を対応する
変位振幅で除したものである。
【0031】
【表1】
【0032】また、各試験体の正荷重側の平均滑り荷重
を負荷重側の平均滑り荷重で除したものを図17に示
し、各試験体のボルト軸力の平均と変動係数と滑り係数
の平均とを表2に示し、試験体のうちNo2・No3・
No5のボルト軸力Bと摺動面(摩擦面)の滑りδとの
関係を図18に示す。
【0033】
【表2】
【0034】図15の(a)〜(f)に示される結果か
ら、内側の摩擦部材2Bの摺動面の仕上げが鏡面仕上げ
の試験体では、滑り荷重調整ボルト6の初期張力に関係
なく比較的安定した履歴性状を示し、平面仕上げの試験
体では、初期サイクルに比較して最終的には1〜2割程
度耐力が低下しているが、内側の摩擦部材2Bの摺動面
の仕上げによる履歴性状の差異はほとんど見られないこ
とが判明した。
【0035】図16の(a)(b)から、正荷重側及び
負荷重側のいずれにおいても、滑り荷重が安定している
ことが判明し、図17から、正荷重側と負荷重側とで滑
り荷重の差異がほとんど見られないことが判明した。
【0036】表2から、初期張力の大きい試験体の方が
変動が少ないことが判明し、図18の(a)(b)
(c)から、滑り荷重調整ボルト6の軸力の変動は少な
いことが判明した。
【0037】以上、本発明の摩擦ダンパ1は、載荷方法
に関係なく高い滑り係数を維持して荷重が比較的安定し
ており、また、載荷方向(正負)による滑り荷重の差異
はほとんど認められず、摩擦ダンパとしての機能を有し
ていることが判明した。
【0038】上記実施例では、摩擦部材2A,2B(継
手部材11A,11B)の一方の摺動面を溶射被膜4か
ら形成し、他方の摺動面を鏡面仕上げや平面仕上げとし
たものを示したが、本発明は、両摺動面をともに溶射被
膜4から形成して実施しても良い。
【0039】上記実施例では、溶射被膜4を形成する金
属としてアルミニウムを示したが、金属としては、銅を
含むアルミニウム合金などアルミニウム以外の金属であ
っても良い。
【0040】上記実施例では、滑り荷重調整ボルト6が
1本の場合を示してあるが、滑り荷重調整ボルト6の数
は適宜変更可能で、複数本の滑り荷重調整ボルト6を設
けて実施しても良い。すなわち、設計上必要な摩擦力を
付与する目的で複数本の滑り荷重調整ボルト6を用いて
も良い。
【0041】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦ダンパの基本構造を示す正面図
【図2】摩擦ダンパの基本構造を示す切り欠き平面図
【図3】摩擦ダンパを用いた建物の制振構造の基本例を
示す要部の概略正面図
【図4】摩擦ダンパを用いた建物の制振構造の基本例を
示す要部の概略正面図
【図5】摩擦ダンパを用いた建物の制振構造の基本例を
示す要部の概略縦断側面図
【図6】摩擦ダンパを用いた建物の制振構造の基本例を
示す要部の概略縦断側面図
【図7】耐震壁を利用した建物の制振構造例を示す要部
の正面図
【図8】耐震壁を利用した建物の制振構造例を示す要部
の拡大正面図
【図9】耐震壁を利用した建物の制振構造例を示す要部
の拡大横断平面図
【図10】ブレースを利用した建物の制振構造例を示す
要部の正面図
【図11】摩擦ダンパの試験体を示す切り欠き平面図
【図12】摩擦ダンパの試験体を構成する各摩擦部材の
正面図
【図13】試験に用いた加力装置の正面図
【図14】試験体へに荷重の掛け方を示す載荷パターン
【図15】各試験体に対する試験結果のうち水平荷重と
滑りとの関係を示すグラフ
【図16】各試験体に対する試験結果のうち平均滑り荷
重を示すグラフ
【図17】各試験体に対する試験結果のうち正荷重側の
平均滑り荷重に対する負荷重側の平均滑り荷重の比を示
すグラフ
【図18】試験結果のうちボルト軸力と滑りとの関係を
示すグラフ
【図19】従来の摩擦ダンパを示す縦断正面図
【図20】従来の耐震壁及び摩擦ダンパを用いた制振構
造を示す要部の正面図
【図21】従来のブレース及び摩擦ダンパを用いた制振
構造を示す要部の正面図
【符号の説明】
2a 入力部 2b 入力部 2A 摩擦部材 2B 摩擦部材 3 部材本体 4 溶射被膜 8 躯体 9 建築用部材 1 摩擦ダンパ 10 可動継手 11A 継手部材 11B 継手部材 13 接合ボルト 15 部材本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬川 輝夫 大阪府大阪市中央区本町四丁目1番13号 株式会社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 宇野 暢芳 千葉県富津市新富20―1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ外力の入力部(2a),(2
    b)を備えた2つの摩擦部材(2A),(2B)を相対
    摺動自在に設け、それら摩擦部材(2A),(2B)の
    摺動面間に摩擦力を付与する摩擦力付与手段を設けてあ
    る摩擦ダンパであって、前記摩擦部材(2A),(2
    B)のうちの一方の摺動面を、部材本体(3)を被覆す
    る金属の溶射被膜(4)から形成し、前記摩擦力付与手
    段として、摩擦部材(2A),(2B)同士を設定圧力
    で相互に押し付け合わせる滑り荷重調整ボルト(6)を
    設けてある摩擦ダンパ。
  2. 【請求項2】 建物の躯体(8)に建築用部材(9)
    を、躯体(8)の変位に伴ってその躯体(8)に対する
    変位を許容する状態に可動継手(10)を介して接合
    し、躯体(8)と建築用部材(9)との相対変位に抵抗
    を付与する摩擦ダンパ(1)を設けてある建物の制振構
    造であって、前記躯体(8)側の継手部材(11A)と
    建築用部材(9)側の継手部材(11B)とを相対変位
    方向に対して直交する姿勢の接合ボルト(13)を介し
    て相対摺動自在な状態に接合して前記可動継手(10)
    を構成し、前記摩擦ダンパ(1)を構成するに、継手部
    材(11A),(11B)のうちの一方の摺動面を、部
    材本体(15)を被覆する金属の溶射被膜(4)から形
    成し、前記接合ボルト(13)を、継手部材(11
    A),(11B)の摺動面同士を設定圧力で相互に押し
    付け合わせる状態に設けてある建物の制振構造。
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JP (1) JPH07180397A (ja)

Cited By (6)

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