JP3872934B2 - 摩擦ダンパー及びこれを使用した壁体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、摩擦接合した部材間の滑りにより生じる摩擦抵抗によって振動エネルギーを吸収する摩擦ダンパー及びこれを使用した壁体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建物の耐震性や耐風性を向上させるために色々な種類の制震ダンパーが用いられている。例えば、所定の大きさの荷重がかかると鋼材を塑性変形させて振動エネルギーを吸収するタイプや、オイルダンパーに代表される粘弾性体の粘性抵抗によって振動エネルギーを吸収するタイプや、摩擦接合した接合プレート間の滑りすなわち相対的な位置ずれにより生じる摩擦抵抗によって振動エネルギーを吸収するタイプがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鋼材の塑性変形を利用するものには、繰り返し変形を受けたときの疲労破壊に対する信頼性に不安が残り、また粘弾性体を利用するものは、粘弾性体自体に温度依存性があるため、使用条件が制限されるといった問題があった。
【0004】
これに対し、接合プレートの摩擦を利用するものは、繰り返し変形時の疲労破壊や温度依存性の問題もなく、また構造も簡単である。しかし、摩擦時の音の発生を抑えたり、安定した滑り荷重を得るために、接合プレートの摩擦面に特殊な処理が必要になり、1個当たり10万円程度とプレハブ住宅に採用するには非常に高価なものとなっていた。
【0005】
また、特許公報(登録第2756997号)には、滑り荷重の安定性、摩擦時の音の低減や摩耗防止等を目的として、接合プレート間に挟み材を介在させて、これらを高力ボルトで締め付けて摩擦接合した摩擦ダンパーが開示されている。具体的には、挟み材として、鉛若しくはゴム又は軟質合成樹脂のシートの表面を薄鋼板で被覆して補強した構造のものが用いられており、製造コストを比較的安価に抑えることができる。しかし、この場合でも、滑り荷重は十分に安定したものとは言えず、また長期使用によって挟み材表面に錆が発生して滑り荷重が変化することもあり、信頼性に乏しかった。
【0006】
この発明は、上記の不具合を解消して、プレハブ住宅に採用することができる程に安価で、しかも安定した滑り荷重を得ることができ、摩擦時の音の発生も十分に低減することができる信頼性の高い摩擦ダンパー及びこれを使用した壁体を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明の摩擦ダンパーは、第1の部材又は第2の部材の少なくとも一方に亜鉛メッキを施すとともに、これら第1の部材と第2の部材との間にステンレス材を介在させ、所定の大きさ以上の荷重がかかると、亜鉛メッキを施した前記部材のメッキ面とステンレス材との間に滑りが生じるように、これら各部材を接合ボルトによって摩擦接合したことを特徴とする。
【0008】
また、上記摩擦ダンパーにおいて、ステンレス材の代わりにアルミニウム材を用いて、このアルミニウム材と亜鉛メッキ面との間に滑りが生じるようにしたり、或いは、これらステンレス材やアルミニウム材を用いることなく、一方の部材に施した亜鉛メッキ面と他方の部材に施した硬質クロムメッキ面との間に滑りが生じるようにしている。
【0009】
別の摩擦ダンパーは、一対の第1の部材又は第2の部材の少なくとも一方に亜鉛メッキを施すとともに、一対の第1の部材と、これら第1の部材間に差し込まれる第2の部材との間にステンレス材を介在させ、所定の大きさ以上の荷重がかかると、亜鉛メッキを施した前記部材のメッキ面とステンレス材との間に滑りが生じるように、これら各部材を接合ボルトによって摩擦接合したことを特徴とする。
【0010】
また、この別の摩擦ダンパーにおいて、ステンレス材の代わりにアルミニウム材を用いて、このアルミニウム材と亜鉛メッキ面との間に滑りが生じるようにしたり、或いは、これらステンレス材やアルミニウム材を用いることなく、一方の部材に施した亜鉛メッキ面と他方の部材に施した硬質クロムメッキ面との間に滑りが生じるようにしている。
【0011】
この発明の壁体は、上記の摩擦ダンパーにおける第1の部材又は第2の部材のうちの一方を、柱や梁等の構造材に連結するとともに、他方をブレース材に連結して、前記構造材とブレース材とを前記摩擦ダンパーを介して接続するようにしたことを特徴とする。
【0012】
さらに、別の壁体は、上記の摩擦ダンパーにおける第1の部材又は第2の部材のうちの一方を、分割した一側のブレース材に連結するとともに、他方を分割した他側のブレース材に連結して、分割したブレース材同士を前記摩擦ダンパーを介して接続するようにしたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明の一実施形態に係る摩擦ダンパーの分解斜視図、図2は壁体の軸組構造を示す正面図、図3は軸組構造の摩擦ダンパー部分の拡大正面図、図4は同じくその縦断面図、図5は部材間に滑りが生じたときの状態を示す縦断面図である。
【0014】
本実施形態に係る摩擦ダンパー(1)は、図2に示すように、建物の壁体を構成する軸組において、H形鋼からなる梁(50)と角形鋼管からなるブレース材(51)の一端側との間に介装されている。図中、(52)は、角形鋼管からなる柱であり、この柱(52)の上端は柱頭部材(53)を介して梁(50)に連結され、柱(52)の下端は柱脚部材(54)を介してH形鋼からなる梁又は土台(55)に連結されている。そして、ブレース材(51)の下端が柱脚部材(54)に連結されている。
【0015】
この摩擦ダンパー(1)は、一対の第1の部材(以下、「第1プレート」と称す。)(6)(6)と、これら第1プレート(6)(6)間に差し込まれる第2の部材(以下、「第2プレート」と称す。)(7)と、第1プレート(6)(6)と第2プレート(7)との間に介在される一対の厚さ1mm〜2mm程度のステンレス材(以下、「ステンレスプレート」と称す。)(8)(8)とを備えている。
【0016】
第1プレート(6)(6)は、ブレース材(51)の一端側に形成された縦溝(9)に挿入した状態で溶接された鋼板からなり、その表面には一般的な防錆用の塗装が施されている。第2プレート(7)は、梁(50)の下部フランジ(12)に連結ボルト(13)(13)を介して取り付けられた取付板(14)から一体的に延出された鋼板からなり、その表面には亜鉛メッキが施されている。そして、第1プレート(6)(6)及びステンレスプレート(8)(8)には、一対のボルト挿入用の円孔(11)(11)が夫々形成され、第2プレート(7)には、ブレース材(51)方向に延びる一対のボルト挿入用の長孔(15)(15)が形成されている。
【0017】
そして、第1プレート(6)(6)と第2プレート(7)との間にステンレスプレート(8)(8)を介在させるようにして、第1プレート(6)(6)間に第2プレート(7)を差し込み、さらに第1プレート(6)(6)の外側にボルト挿入用の円孔(20)(20)付き板状ワッシャー(21)(21)を合わせて、互いに一致させた第1プレート(6)(6)の円孔(11)(11)…、第2プレート(7)の長孔(15)(15)及びワッシャー(21)(21)の円孔(20)(20)…へ高力ボルトである接合ボルト(22)(22)を夫々挿入して、それら先端にナット(23)(23)を螺合して締め付けることによって、これら各プレートが摩擦接合されている。
【0018】
このように構成された摩擦ダンパー(1)では、第2プレート(7)の長孔(15)(15)の範囲内で接合ボルト(22)(22)のブレース材(51)方向への移動を許容しているので、所定の大きさ以上の荷重がかかると、図5に示すように、ステンレスプレート(8)(8)と第2プレート(7)との間にブレース材(51)方向への滑りすなわち位置ずれが生じ、このときの摩擦抵抗によって振動エネルギーを吸収するようになっている。すなわち、第1プレート(6)(6)とステンレスプレート(8)(8)とは一体的に動くためこれらの間で滑りが生じることはなく、第2プレート(7)の亜鉛メッキ面とステンレスプレート(8)(8)の表面とによって摩擦面が構成されて、これらの間で滑りが生じるようになっている。
【0019】
ここで、上記摩擦ダンパー(1)において、摩擦面を亜鉛メッキ面とステンレスプレート面とから構成した理由について説明する。図6は、上記摩擦ダンパー(1)の振動実験結果を示している。この実験では、摩擦面における位置ずれ量(変位)を段階的に増大させたときの滑り荷重を測定したが、いずれの変位においても、滑り荷重は安定し、また履歴も平滑で、摩擦時の音もほとんど発生しなかった。
【0020】
また、図7は、摩擦面における変位を一定にして、振動回数を増大させていったときの滑り荷重を測定した実験結果を示しているが、この場合も、上記実験のときと同様の良好な特性が得られた。特に、地震発生時に相当する振動回数1〜10回のときにも滑り荷重は安定した。
【0021】
なお、ステンレス同士、パーカライジングによる一般的な被膜とステンレス、テフロン同士、フッ素加工面同士、滑り助長テープとごく一般的な電着塗装面、電着塗装面同士、クロムメッキ同士等を組み合わせて摩擦面を構成し、上記と同様の振動実験を行ったが、塗装やメッキの剥がれや摩擦熱での焼き付けにより、滑り荷重が安定しなかったり、摩擦時に大きな音が発生するなどして、亜鉛メッキ面とステンレスプレート面とを組み合わせて摩擦面としたときよりも良好な特性を得ることができなかった。
【0022】
例えば、図8は、パーカライジングによる一般的な被膜とステンレスとを組み合わせて、図7のときと同様の振動実験を行ったときの実験結果を示しているが、全体として滑り荷重は安定せず、特に、地震発生時に相当する振動回数1〜10回のときの滑り荷重は大きく変化した。
【0023】
従って、このような実験結果をふまえて、摩擦面として亜鉛メッキ面とステンレスプレート面との組み合わせを採用するようにしている。これにより、摩擦時の音の発生をほとんどなくすことができ、また安定した滑り荷重を得ることができる。しかも、摩擦部分での錆の発生を防止することができ、これによって長期使用によっても安定した滑り荷重を確保することができる。
【0024】
このようにして構成された摩擦ダンパー(1)において、接合ボルト(22)(22)の本数や締め付け力を適宜調整して、地震等の振動エネルギーによって梁(50)等の構造材やブレース材(51)が座屈や塑性変形する前に、摩擦ダンパー(1)が上記のように機能して振動エネルギーを吸収するように滑り荷重を設定しておくと、建物全体として安定した履歴性状を得ることができ、大地震被災後の復旧の際にも、接合ボルト(22)(22)を外して摩擦ダンパー(1)を交換するだけで済み、摩擦ダンパー(1)の損傷が軽微であれば、建ち調整後に継続使用することも可能となる。
【0025】
図9及び図10は、ステンレスプレート(8)(8)の代わりにアルミニウム材(アルミニウムプレート)を用いて、アルミニウムプレート面と亜鉛メッキ面とを組み合わせて摩擦面を構成したときの振動実験結果を示している。この場合にも、ステンレスプレート(8)(8)を用いたときと同様に、滑り荷重の安定した良好な特性を得ることができた。
【0026】
従って、上記摩擦ダンパー(1)において、ステンレスプレート(8)(8)の代わりに、第1プレート(6)(6)と第2プレート(7)との間にアルミニウムプレートを介在するようにして、第2プレート(7)の亜鉛メッキ面とアルミニウムプレートの表面との間に滑りが生じるようにしても良い。この場合、ステンレスプレート(8)(8)を用いたときと同様の効果を得ることができる。
【0027】
図11及び図12は、亜鉛メッキ面と硬質クロムメッキ面とから摩擦面を構成したときの振動実験結果を示している。この場合にも、亜鉛メッキ面とステンレスプレート面、亜鉛メッキ面とアルミニウムプレート面を組み合わせてなる摩擦面と同様に、滑り荷重の安定した良好な特性を得ることができた。
【0028】
なお、図13は、パーカライジングによる一般的な被膜と硬質クロムメッキ面とを組み合わせて、振動実験を行ったときの実験結果を示しているが、全体として滑り荷重は安定せず、特に、地震発生時に相当する振動回数1〜10回のときの滑り荷重は大きく変化した。
【0029】
従って、上記摩擦ダンパー(1)において、図14に示すように、ステンレスプレート(8)(8)やアルミニウムプレートを介在せずに、第1プレート(6)(6)に対して、一般的な塗装を施す代わりに硬質クロムメッキを施すようにして、この第1プレート(6)(6)の硬質クロムメッキ面と第2プレート(7)の亜鉛メッキ面との間で滑りが生じるようにしても良い。この場合、ステンレスプレート(8)(8)やアルミニウムプレートを用いたときと同様の効果を得ることができ、しかもプレートを必要としないので、部品点数の削減及び組立工程の簡素化を図ることができる。
【0030】
図15は、他の実施形態に係る摩擦ダンパー(30)を示している。この摩擦ダンパー(30)は、一般的な防錆用の塗装を施した鋼板からなる円孔(31)付きの第1プレート(32)と、亜鉛メッキを施した鋼板からなる長孔(33)付きの第2プレート(34)との間にステンレスプレート(35)を介在させ、所定の大きさ以上の荷重がかかると、第2プレート(34)の亜鉛メッキ面とステンレスプレート(35)(35)の表面との間で滑りが生じるように、接合ボルト(22)(22)で締め付けて摩擦接合したものである。この摩擦ダンパー(30)においては、一対の第1プレート(6)(6)間に第2プレート(7)を差し込む上記の摩擦ダンパー(1)に比べて、部品点数が少なくて済み、簡素な構造となっている。なお、その他の構成及び作用効果は、上記の摩擦ダンパー(1)と同様である。
【0031】
また、この摩擦ダンパー(30)において、ステンレスプレート(35)(35)の代わりにアルミニウムプレートを用いることによって、アルミニウムプレート面と亜鉛メッキ面との間で滑りが生じるようにしても良い。この場合にも、上述したように滑り荷重の安定した良好な特性を得ることができる。
【0032】
さらに、摩擦ダンパー(30)において、図16に示すように、ステンレスプレート(35)(35)やアルミニウムプレートを介在せずに、第1プレート(32)に対して、一般的な塗装を施す代わりに硬質クロムメッキを施して、この第1プレート(32)の硬質クロムメッキ面と第2プレート(34)の亜鉛メッキ面との間で滑りが生じるようにしても良い。この場合にも、上述したように滑り荷重の安定した良好な特性を得ることができ、しかもプレートを必要としないので、部品点数の削減及び組立工程の簡素化を図ることができる。
【0033】
図17は、摩擦ダンパー(30)を使用した壁体の軸組構造の一例を示している。この壁体においては、上記のような斜め方向のブレース材を使用せず、略三角形の一対のブレース材(41)(41)を使用して、これらブレース材(41)(41)を柱(42)(42)、梁(43)及び土台(44)によって囲まれた部分に配置している。そして、一側のブレース材(41)の角部分には第1プレート(32)が溶接され、また分割した他側のブレース材(41)の角部分には第2プレート(34)が溶接されており、これら第1プレート(32)と第2プレート(34)の間にステンレスプレート(35)を介在させた状態で、これら各プレートを接合ボルト(22)(22)によって摩擦接合することで、分割したブレース材(41)(41)同士が摩擦ダンパー(30)を介して接続されている。なお、図中、(45)は、ブレース材(41)の上端部分を梁(43)に固定する長ボルト、(46)は、ブレース材(41)の下端部分を土台(44)に固定するアンカーボルト、(47)は、ブレース材(41)を柱(42)に固定するためのラグスクリューである。
【0034】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、第2の部材に亜鉛メッキを施していたが、第1の部材或いは第1及び第2の部材の双方に亜鉛メッキを施して、これら亜鉛メッキ面を摩擦面として利用しても良い。
【0035】
また、上記実施形態では、ステンレス材やアルミニウム材を第1の部材や第2の部材とは別体のものとしていたが、第1の部材と第2の部材との間に介在される限りは、例えば第1の部材又は第2の部材に一体的に埋め込むようにしたり、或いは第1の部材又は第2の部材の一部として構成しても良い。また、第1の部材を梁等の構造材側に連結し、第2の部材をブレース材側に連結して壁体の軸組を構成するようにしても良い。さらにまた、摩擦ダンパー(1)をブレース材同士の接続に、摩擦ダンパー(30)を構造材とブレース材の接続に用いて壁体の軸組を構成しても良い。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、この発明の摩擦ダンパーは、第1の部材と第2の部材との間にステンレス材やアルミニウム材を介在させて、これらステンレス材やアルミニウム材と亜鉛メッキが施された部材のメッキ面との間に滑りが生じるように構成されているので、従来のような摩擦面に対しての特殊な処理を必要とせずに、安定した滑り荷重を得ることができ、摩擦時の音の発生も格段に低減することができる。しかも、非常に安価で、プレハブ住宅にも十分に採用することができる。さらに、ステンレス材やアルミニウム材を用いることによって、摩擦部分の錆の発生を防止することができ、長期にわたって安定した滑り荷重を確保して、信頼性をより向上することができる。
【0037】
また、部材間にステンレス材やアルミニウム材を介在させることなく、一方の部材に施した亜鉛メッキ面と他方の部材に施した硬質クロムメッキ面との間に滑りが生じるように構成することによっても、上記のステンレス材やアルミニウム材を用いるときと同様の効果を得ることができ、しかもこれら部材を必要としないので、部品点数の削減及び組立工程の簡素化を図ることができる。
【0038】
さらに、この摩擦ダンパーを介して構造材とブレース材とを接続したり、分割したブレース材同士を接続することによって構成した壁体を用いることで、優れた耐震性能を発揮する建物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る摩擦ダンパーの分解斜視図である。
【図2】壁体の軸組構造を示す正面図である。
【図3】軸組構造の摩擦ダンパー部分の拡大正面図である。
【図4】同じくその縦断面図である。
【図5】部材間に滑りが生じたときの状態を示す縦断面図である。
【図6】亜鉛メッキ面とステンレスプレート面とから摩擦面を構成したときの振動実験結果を示す図である。
【図7】亜鉛メッキ面とステンレスプレート面とから摩擦面を構成したときの振動実験結果を示す図である。
【図8】パーカライジングの被膜面とステンレスプレート面とから摩擦面を構成したときの振動実験結果を示す図である。
【図9】亜鉛メッキ面とアルミニウムプレート面とから摩擦面を構成したときの振動実験結果を示す図である。
【図10】亜鉛メッキ面とアルミニウムプレート面とから摩擦面を構成したときの振動実験結果を示す図である。
【図11】亜鉛メッキ面と硬質クロムメッキ面とから摩擦面を構成したときの振動実験結果を示す図である。
【図12】亜鉛メッキ面と硬質クロムメッキ面とから摩擦面を構成したときの振動実験結果を示す図である。
【図13】パーカライジングの被膜面と硬質クロムメッキ面とから摩擦面を構成したときの振動実験結果を示す図である。
【図14】亜鉛メッキ面と硬質クロムメッキ面とから摩擦面を構成したときの摩擦ダンパーの縦断面図である。
【図15】他の摩擦ダンパーの縦断面図である。
【図16】同じくその亜鉛メッキ面と硬質クロムメッキ面とから摩擦面を構成したときの縦断面図である。
【図17】ブレース材同士を他の摩擦ダンパーによって接続することによって構成した壁体の軸組構造を示す正面図である。
【符号の説明】
(1)(30) 摩擦ダンパー
(6)(32) 第1の部材(第1プレート)
(7)(34) 第2の部材(第2プレート)
(8)(35) ステンレス材(ステンレスプレート)
(22) 接合ボルト
(41)(51) ブレース材
(50) 梁
Claims (8)
- 第1の部材又は第2の部材の少なくとも一方に亜鉛メッキを施すとともに、これら第1の部材と第2の部材との間にステンレス材を介在させ、所定の大きさ以上の荷重がかかると、亜鉛メッキを施した前記部材のメッキ面とステンレス材との間に滑りが生じるように、これら各部材を接合ボルトによって摩擦接合したことを特徴とする摩擦ダンパー。
- 第1の部材又は第2の部材の少なくとも一方に亜鉛メッキを施すとともに、これら第1の部材と第2の部材との間にアルミニウム材を介在させ、所定の大きさ以上の荷重がかかると、亜鉛メッキを施した前記部材のメッキ面とアルミニウム材との間に滑りが生じるように、これら各部材を接合ボルトによって摩擦接合したことを特徴とする摩擦ダンパー。
- 第1の部材又は第2の部材のうちの一方に亜鉛メッキを施すとともに、第1の部材又は第2の部材のうちの他方に硬質クロムメッキを施し、所定の大きさ以上の荷重がかかると、第1の部材のメッキ面と第2の部材のメッキ面との間に滑りが生じるように、これら各部材を接合ボルトによって摩擦接合したことを特徴とする摩擦ダンパー。
- 一対の第1の部材又は第2の部材の少なくとも一方に亜鉛メッキを施すとともに、一対の第1の部材と、これら第1の部材間に差し込まれる第2の部材との間にステンレス材を介在させ、所定の大きさ以上の荷重がかかると、亜鉛メッキを施した前記部材のメッキ面とステンレス材との間に滑りが生じるように、これら各部材を接合ボルトによって摩擦接合したことを特徴とする摩擦ダンパー。
- 一対の第1の部材又は第2の部材の少なくとも一方に亜鉛メッキを施すとともに、一対の第1の部材と、これら第1の部材間に差し込まれる第2の部材との間にアルミニウム材を介在させ、所定の大きさ以上の荷重がかかると、亜鉛メッキを施した前記部材のメッキ面とアルミニウム材との間に滑りが生じるように、これら各部材を接合ボルトによって摩擦接合したことを特徴とする摩擦ダンパー。
- 一対の第1の部材又は第2の部材のうちの一方に亜鉛メッキを施すとともに、一対の第1の部材又は第2の部材のうちの他方に硬質クロムメッキを施し、第1の部材間に第2の部材を差し込んで、所定の大きさ以上の荷重がかかると、第1の部材のメッキ面と第2の部材のメッキ面との間に滑りが生じるように、これら各部材を接合ボルトによって摩擦接合したことを特徴とする摩擦ダンパー。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の摩擦ダンパーにおける第1の部材又は第2の部材のうちの一方を、柱や梁等の構造材に連結するとともに、他方をブレース材に連結して、前記構造材とブレース材とを前記摩擦ダンパーを介して接続するようにしたことを特徴とする壁体。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の摩擦ダンパーにおける第1の部材又は第2の部材のうちの一方を、分割した一側のブレース材に連結するとともに、他方を分割した他側のブレース材に連結して、分割したブレース材同士を前記摩擦ダンパーを介して接続するようにしたことを特徴とする壁体。
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