JPH07180033A - 傾斜組成膜およびその製造方法ならびに工具 - Google Patents

傾斜組成膜およびその製造方法ならびに工具

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JPH07180033A
JPH07180033A JP32702193A JP32702193A JPH07180033A JP H07180033 A JPH07180033 A JP H07180033A JP 32702193 A JP32702193 A JP 32702193A JP 32702193 A JP32702193 A JP 32702193A JP H07180033 A JPH07180033 A JP H07180033A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切削工具や耐摩耗工具の用途において、耐摩
耗性や表面保護の機能を向上させるため、硬質基材の表
面に形成される傾斜組成膜を提供する。 【構成】 傾斜組成膜は、鉄、コバルトおよびニッケル
からなる群から選択される金属元素M1と、周期律表の
IVa、VaおよびVIa族金属元素からなる群から選
択された金属元素M2と、炭素および窒素からなる群か
ら選択される元素Xとからなる。このような組成におい
て、この膜は、金属元素M2と元素Xとの化合物と、金
属元素M1とからなる複合材料で構成される。膜20に
おいて、M1の含有量は、基材10に接触する部分20
aから表面20bにいくに従って、ほぼ一定の割合で減
少または増加している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性および表面保
護機能向上のため、切削工具等の硬質基材表面に形成さ
れる膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、切削工具や耐摩耗工具におい
て、耐摩耗性および表面保護機能の改善のため、WC基
超硬合金、サーメット、セラミックス、高速度鋼等から
なる硬質基材の表面には、PVDやCVDによってTi
(チタン)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウ
ム)の炭化物、窒化物もしくは炭窒化物またはAlの酸
化物を単層または複層形成することがよく知られてい
る。
【0003】一方、金属とセラミックスの間では、物理
的および化学的特性が大きく異なるため、両者の十分な
密着力が得られないという現状がある。そこで、鉄と
鋼、第77年(1991)、第5号では、金属材料と馴
染みがよく、かつ種々の機能を有する被覆膜として、金
属−セラミックス複合被膜、すなわち金属成分とセラミ
ックス成分を適当に選んで組合わせることにより、両者
の特性を併せ持った多機能な被膜を形成できるのではな
いかと提案している。さらに、長崎県工業技術センター
研究報告、No.5(1990)、p75−80に示さ
れるように、被膜の基材に対する密着強度を改善する目
的で、TiNおよびTiCについて、被膜作製時の各雰
囲気ガスの圧力を連続的に変化させることにより、Ti
/TiNおよびTi/TiN/TiC傾斜組成膜を作製
し、その特性を検討している。
【0004】しかし、上記の従来の方法による硬質被覆
層では、いずれも被覆層自体は硬度が高く耐摩耗性を有
しているものの、基材との密着強度に課題があった。ま
た、逆に密着強度を重視する組成とした場合、硬度が低
下するという問題があった。さらに、100μm以上の
厚みを有する被覆層を基材につける場合、膜の内部応力
に起因した層の剥離が発生するという問題があった。こ
れらの被覆層を工具等に用いる場合、断続切削等の衝撃
的な力の作用に対して膜の靱性が低いため、使用中に膜
の剥離、欠けが起こるという問題も生じている。このよ
うに、従来の材料では、被膜に要求される種々の特性、
具体的には基材表面で要求される密着性、靱性、被膜表
面で要求される硬度および耐摩耗性を同時に付加するこ
とは難しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、切削
工具や耐摩耗性工具のため、耐摩耗性や硬度が高めら
れ、かつ大幅に靱性および基材との密着力が向上した被
膜を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の傾斜組成膜は、
金属およびセラミックスの少なくともいずれかからなる
基材の表面を覆って、基材よりも高い硬度または耐摩耗
性を付与するための膜である。本発明の膜は、鉄、コバ
ルトおよびニッケルからなる群から選択される少なくと
も1つの金属元素M1と、周期律表のIVa、Vaおよ
びVIa族金属元素からなる群から選択される少なくと
も1つの金属元素M2と、炭素および窒素からなる群か
ら選択される少なくとも1つの元素Xとからなる。また
本発明の膜は、金属元素M2と元素Xとの化合物と、金
属元素M1とからなる複合材料を主成分とする。本発明
の膜において、金属元素M1の含有量は、基材に接触す
る部分から表面にいくに従ってほぼ一定の割合で減少ま
たは増加している。
【0007】また、本発明に従って上記膜を備える工具
を提供することができる。本発明の工具は、金属および
セラミックスの少なくともいずれかからなる基材と、基
材の表面を覆って基材よりも高い硬度または耐摩耗性を
付与する膜とを備える。この膜は、上述した本発明の膜
の特性を備える。この工具において、基材は、たとえ
ば、WC基超硬合金、サーメット、セラミックス、高速
度鋼、またはそれらの組合わせから形成することができ
る。
【0008】本発明において、金属元素M2は、Ti、
Hf、Zr、Cr、V、Nb、W、Mo、Ta等を含
む。
【0009】図1を参照して、本発明に従い、基材10
上に傾斜組成膜20を形成したとする。基材10は、た
とえばWC基超硬合金、サーメット、セラミックス、高
速度鋼を用いることが好ましい。基材10上に形成され
る膜20の厚みDは、たとえば、100〜1000μm
とすることができる。膜20は、上述したように、金属
元素M1およびM2ならびに元素Xからなり、たとえ
ば、M1と化合物M2Xの複合材料(以降M1−M2X
と表わす)で構成することができる。この膜において、
M1の含有量は、膜が基材に接触する部分(基材との境
界にあたる部分)20aから膜の表面20bにいくに従
って減少または増加している。
【0010】M1含有量が膜の厚み方向において減少す
る場合、たとえば、図2に示すように減少させることが
できる。この図では、M1含有量が一定の割合で減少し
ている。なお、このような直線的な減少から多少ずれて
いるものも本発明の範囲内である。基材が超硬合金等の
金属からなる場合このようなM1の減少が好ましい。
【0011】M1含有量が膜の厚み方向において増加す
る場合、たとえば図3に示すように増加させることがで
きる。この図では、M1含有量が一定の割合で増加して
いる。このような直線的増加から多少ずれいるものも本
発明の範囲内である。基材がセラミックスからなる場
合、このようにM1を増加させていくことができる。
【0012】以上に示したようなM1含有量の傾斜に関
し、膜が基材に接触する部分のM1含有量と、膜表面の
M1含有量との差は、20atm%以上であることが望
ましい。
【0013】本発明に従って、金属およびセラミックス
の少なくともいずれかからなる基材の表面に、基材より
も高い硬度または耐摩耗性を付与する膜を堆積するため
の方法が提供される。この方法では、炭素および窒素か
らなる群から選択される少なくとも1つの元素Xの源を
含むガスが導入された真空容器内に、鉄、コバルトおよ
びニッケルからなる群から選択される少なくとも1つの
金属元素M1のための第1の蒸発源と、周期律表のIV
a、VaおよびVIa族金属元素からなる群から選択さ
れる少なくとも1つの金属元素M2のための第2の蒸発
源とを配置する。第1の蒸発源と第2の蒸発源とを結ぶ
直線にほぼ平行な直線に沿って基材を移動させながら、
陰極アーク放電を用いたPVDが行なわれる。このPV
Dにより、基材上に、M2とXとの化合物と、M1とか
らなる複合材料を主成分とし、かつM1の含有量が成膜
初期から成膜終期にかけてほぼ一定の割合で減少または
増加する膜を形成させる。
【0014】この方法において、たとえば、2個の蒸発
源を垂直または水平に設置し、その2個の蒸発源を含む
平面に平行な平面上において、基材を上下(鉛直方向)
または左右(水平方向)に移動させることができる。こ
の場合、傾斜組成の変化率(たとえば膜厚方向における
M1の減少率または増加率)は、基材の移動速度によっ
て調整することができる。
【0015】本発明の方法において、陰極アーク放電を
用いるPVDを採用したのは、融点や硬度が著しく高い
セラミックス被膜を500℃以下の温度で形成すること
が可能であり、基材の強度を容易に維持することができ
る点で傾斜組成膜の製法において好ましいからである。
【0016】
【作用】窒化物、炭化物の標準構成自由エネルギの関係
から、Fe、CoおよびNiは窒化物、炭化物、炭窒化
物を形成し難く、一方、周期律表IVa、Va、VIa
族金属元素は、窒化物、炭化物、炭窒化物を形成しやす
い。このような理由から、本発明に従って、周期律表の
IVa、Va、VIa族金属元素と、CおよびNの少な
くとも1種との組合わせからなる化合物と、Fe、C
o、Niまたはそれらの組合わせとからなる複合材料膜
を作製することができる。作製した膜は熱的にも安定で
ある。なお、本発明に従う膜は、未反応の金属元素M2
を若干含んでいてもよい。
【0017】本発明の膜において、金属元素M1の含有
量は、基材表面から膜厚方向に向かって一定の割合で変
化する。基材と接触する部分のM1含有量と膜表面のM
1含有量との差は、20atm%以上であることが望ま
しい。このようなM1の傾斜組成を用いるとき、たとえ
ば、基材表面およびそれに近い部分にセラミックスに比
べて靱性が優れるFe、CoまたはNiのリッチな層が
形成され、被膜の基材に対する密着性および靱性が向上
される。そして、被膜の表面にいくに従って、M2とC
および/またはNとの組合わせからなる化合物のリッチ
な層が形成され、被膜の硬度は高められる。このような
構成を取ることにより、均一な組成の膜では難しいとさ
れてきた多機能化、つまり、高い靱性と高い硬度とを兼
ね備えることが実現される。また、傾斜組成により膜中
の内部応力の制御が可能となる。膜と基材との界面での
応力を緩和することにより、膜の剥離を抑制することが
可能となる。
【0018】傾斜組成膜中のM1含有量を基材表面から
膜厚方向に向かってほぼ一定の割合で変化させているの
は、成膜途中において被膜中での組成変化が急激に起こ
った場合、その箇所で被膜に異常(たとえば亀裂など)
が発生し、成膜完了後そこから被膜が剥離してしまうこ
とを実験により突き止めたからである。本発明の方法で
は、膜中のM1含有量がほぼ一定の割合で変化するよ
う、基材の移動速度が制御される。
【0019】また、M1含有量について、基材と接触す
る膜の部分と膜表面との差を20atm%以上にするこ
とにより、以下の実施例で示すように、均一組成の金属
−セラミックス複合膜に比べて靱性などの特性の顕著な
向上を図ることができる。
【0020】さらに、本発明を従来の高速度工具鋼およ
び超硬合金に代わる材料としてバルク的に使用するた
め、硬質部材表面に100μm〜1000μmの厚みで
膜を形成することができる。厚みを100μm以上とす
ることで、基材の特性の影響を排除して優れた性能を膜
に発揮させることができる。なお、厚みは、形成に要す
る時間やコストの面から1000μmまでが望ましい。
【0021】本発明の材料の合成には、陰極アーク放電
を用いたイオンプレーティング法が用いられる。陰極ア
ーク放電により蒸発した材料には、原子またはイオンと
して放出されるものだけでなく、ナノメートルサイズの
クラスタとして放出されるものが多く含まれている。こ
のため、他のPVDやCVDに比べて超微粒子を分散さ
せた傾斜組成膜を容易に形成することができる。
【0022】以上述べてきたような膜の特性のため、た
とえば、切削工具や耐摩工具に本発明の被膜を用いた場
合、工具の摩耗寿命を長くすることができる。
【0023】
【実施例】以下に本発明の傾斜組成膜の効果について実
施例により具体的に説明する。
【0024】なお、以下の実施例において、表1、2お
よび3に示す傾斜組成膜中のM1含有量は、膜断面にお
けるエネルギ分散型X線分光(EDX)分析により測定
された。被膜において、M1以外の部分は、M2C、M
2N、またはM2CNであった。
【0025】実施例1 基材として、組成がJIS規格K10の平板状(20m
m×20mm×1mmt)の超硬合金を用意した。その
表面に、下記のように公知の陰極アーク放電を用いるイ
オンプレーティング法により、表1に記載する11種の
傾斜組成膜をそれぞれ形成した。
【0026】膜の形成において、図4に示すように、成
膜装置1内に2個の蒸発源2および3を鉛直方向に配置
し、蒸発源を含む平面に平行な前方平面上を移動可能な
保持具4に基材5を装着した。基材の上下移動速度(水
平方向に蒸発源を設置した場合は基材を左右に移動させ
る)と陰極アーク放電電流(蒸発源材料の蒸発量を制御
する)の一方または両方を調整することにより、傾斜組
成の変化率が一定となるよう制御した。成膜装置1内の
真空度を10-5Torrとし、次いでAr(アルゴン)
ガスを導入して10-2Torrの雰囲気に保持しなが
ら、500℃まで加熱し、基材に−1000Vの電圧を
かけて洗浄を行なった後、Arガスを排気した。次に、
成膜装置1内にN2 ガスおよびCH4 ガスのいずれか1
種類または両方を基材の移動に併わせて所定の圧力とな
るよう時間制御を行ないながら導入した。陰極アーク放
電により、Fe、CoまたはNiおよび周期律表IV
a、Va、VIa族の金属元素を蒸発、イオン化させる
ことにより、移動する基材上にM1−M2C、M1−M
2NまたはM1−M2CNからなる膜が形成された。基
材がM1蒸発源に近い場合、M1の含有量は多くなり、
遠ざかるに従ってM1の含有量は減少していった。一
方、基材をM2蒸発源に近づけていくに従って、M2
C、M2NまたはM2CNの含有量は増加していった。
【0027】また、比較のため表1に示す従来例(試料
12−14)のコーティング試料も用意した。試料12
−14は、通常のPVD成膜装置を使用し、陰極アーク
放電を用いたイオンプレーティング法により、基材の表
面に均一の組成を有する膜を形成したものである。
【0028】得られた膜の機械的特性を表1に示す。硬
度については、荷重25gfによるヌープ硬度を測定し
た。膜の靱性については、荷重1kgfでのビッカース
圧子による圧痕からの亀裂による評価を行なった。表1
からわかるように、本発明による材料は従来の均一組成
膜と同等の硬度を有し、さらに靱性に対しては明らかに
従来より優れているといえる。
【0029】さらに、靱性について検討するため、試料
表面に圧痕(100gf、500gf、1kgf)を打
ち、その部分の表面を顕微鏡により観察した。測定結果
を表2に示す。表2からわかるように、均一組成膜で
は、圧痕により亀裂が入り膜の剥離が起こっている。一
方、傾斜組成膜では、ほとんど亀裂が発生しておらず、
膜の剥離は起こっていない。以上の結果から、表面被覆
層として傾斜組成膜を用いることにより基材に対する密
着力および被膜の靱性が大きく向上することがわかる。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】実施例2 この実施例では、上記実施例と同様の基材を用い同様の
方法で、表3に示す試料1〜14を作製した。ここで、
試料12−14は比較のために作製した均一の組成を有
する膜であり、これらを除いたものが本発明の傾斜組成
膜である。
【0033】表3に傾斜組成膜の膜厚と残留応力の関係
を示す。残留応力は、被膜の形成前後の基材の反りによ
って求めた。表3より明らかなように、従来の均一組成
膜では、膜の内部応力に起因した剥離が発生するため、
50μm以上の厚い膜を形成することは困難であった。
しかし、本発明に従って、傾斜組成を有する膜を形成す
ることにより、膜中の内部応力の制御が可能となった。
膜の界面での応力を緩和することで、膜の剥離を抑制す
ることが可能となったため、硬質部材の表面に、100
μm〜1000μmの厚みの被膜を形成することが可能
となった。
【0034】
【表3】
【0035】実施例3 表1中の試料2、4、8、9、14の膜を超硬合金(8
0%WC−10%TiC−5%Co)の表面にコーティ
ングして工具を製作し、これを用いてSCM435を切
削速度150m/min、送り0.6mm/rev、切
り込み2.0mmで切削した。その結果、本発明の試料
2、4、8、9の膜を施したものは30分切削可能であ
った。一方、従来品の試料14の膜を施したものは1分
で欠損した。このことから、硬質部材の表面に傾斜組成
膜を被膜することで、切削工具の延命化を図ることがで
きる。
【0036】
【発明の効果】本発明の傾斜組成膜は、切削工具や耐摩
耗工具の基材の強度を維持するとともに、従来より優れ
た密着性、耐摩耗性を同時に有する。したがって、特に
高速切削の用途において、本発明の膜は工具の寿命を著
しく延長させることが予想できる。
【0037】また、傾斜組成により膜中の内部応力の制
御が可能となった。膜の界面での応力を緩和することに
より、剥離を抑制することができ、従来困難とされてき
た100μm〜1000μmの厚みの膜の形成が可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う膜の組成を説明するための断面図
である。
【図2】本発明に従う膜のM1含有量について、変化の
一例を示す図である。
【図3】本発明に従う膜のM1含有量について変化のも
う1つの例を示す図である。
【図4】本発明にかかる傾斜組成膜を形成するための装
置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 成膜装置 2、3 蒸発源 4 保持具(上下移動機構付) 5 基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 俊雄 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属およびセラミックスの少なくともい
    ずれかからなる基材の表面を覆って前記基材よりも高い
    硬度または耐摩耗性を付与するための膜であって、 鉄、コバルトおよびニッケルからなる群から選択される
    少なくとも1つの金属元素M1と、 周期律表のIVa、VaおよびVIa族金属元素からな
    る群から選択される少なくとも1つの金属元素M2と、 炭素および窒素からなる群から選択される少なくとも1
    つの元素Xとからなり、 金属元素M2と元素Xとの化合物と、金属元素M1とか
    らなる複合材料を主成分とし、かつ金属元素M1の含有
    量が、前記基材に接触する部分から表面にいくに従って
    ほぼ一定の割合で減少または増加していることを特徴と
    する、傾斜組成膜。
  2. 【請求項2】 基材と接触する部分における金属元素M
    1の含有量と膜表面における金属元素M1の含有量との
    差が、20atm%以上であることを特徴とする、請求
    項1記載の傾斜組成膜。
  3. 【請求項3】 100μm以上1000μm以下の厚み
    を有することを特徴とする、請求項1または2記載の傾
    斜組成膜。
  4. 【請求項4】 金属およびセラミックスの少なくともい
    ずれかからなる基材の表面に、前記基材よりも高い硬度
    または耐摩耗性を付与する膜を堆積するための方法であ
    って、 炭素および窒素からなる群から選択される少なくとも1
    つの元素Xの源を含むガスが導入された真空容器内に、
    鉄、コバルトおよびニッケルからなる群から選択される
    少なくとも1つの金属元素M1のための第1の蒸発源
    と、周期律表のIV、VaおよびVIa族金属元素から
    なる群から選択される少なくとも1つの金属元素M2の
    ための第2の蒸発源とを配置し、 前記第1の蒸発源と前記第2の蒸発源を結ぶ直線にほぼ
    平行な直線に沿って前記基材を移動させながら陰極アー
    ク放電を用いたPVDを行なうことにより、 前記基材上に、金属元素M2と元素Xとの化合物と、金
    属元素M1とからなる複合材料を主成分とし、かつ前記
    金属元素M1の含有量が、成膜初期から成膜終期にかけ
    てほぼ一定の割合で減少または増加する膜を形成するこ
    とを特徴とする、傾斜組成膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属およびセラミックスの少なくともい
    ずれかからなる基材と、 前記基材の表面を覆って前記基材よりも高い硬度または
    耐摩耗性を付与する膜とを備える工具であって、 前記膜が、 鉄、コバルトおよびニッケルからなる群から選択される
    少なくとも1つの金属元素M1と、 周期律表のIV、VaおよびVIa族金属元素からなる
    群から選択される少なくとも1つの金属元素M2と、 炭素および窒素からなる群から選択される少なくとも1
    つの元素Xとからなり、かつ金属元素M2と元素Xとの
    化合物と、金属元素M1とからなる複合材料を主成分と
    し、 前記膜において、金属元素M1の含有量が、前記基材に
    接触する部分から表面にいくに従ってほぼ一定の割合で
    減少または増加していることを特徴とする、工具。
  6. 【請求項6】 前記基材と接触する部分における金属元
    素M1の含有量と膜表面における金属元素M1の含有量
    との差が、20atm%以上であることを特徴とする、
    請求項5記載の工具。
  7. 【請求項7】 前記膜の厚みが、100μm以上100
    0μm以下であることを特徴とする、請求項5または6
    記載の工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4666241B2 (ja) * 1998-12-25 2011-04-06 住友電気工業株式会社 摺動部材
US7998600B2 (en) * 2005-10-07 2011-08-16 Siemens Aktiengesellschaft Dry composition, its use, layer system and coating process

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JP4666241B2 (ja) * 1998-12-25 2011-04-06 住友電気工業株式会社 摺動部材
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