JPH07179670A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及び空気入りタイヤ

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JPH07179670A
JPH07179670A JP5326400A JP32640093A JPH07179670A JP H07179670 A JPH07179670 A JP H07179670A JP 5326400 A JP5326400 A JP 5326400A JP 32640093 A JP32640093 A JP 32640093A JP H07179670 A JPH07179670 A JP H07179670A
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Hideaki Yokoyama
英明 横山
Tatsuro Hamada
達郎 濱田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウェットスキッド抵抗性を損うことなく、破
壊特性、耐摩耗性及び低ヒステリシスロス性に優れたゴ
ム組成物を提供し、低燃費性及び安全性に優れたタイヤ
を提供する。 【構成】 2つの重合体末端が三級アミンであり且つス
ズ−炭素結合を含有し、ビニル芳香族炭化水素が高含量
である、ブタジエンのような共役ジエン及びスチレンの
ようなビニル芳香族炭化水素からなる共重合体を70重
量部並びに天然ゴム30重量部からなるゴム成分100
重量部と、35重量部であるDBPが150ml/10
0g以上の、所謂、高ストラクチャのカーボンブラック
と、を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム組成物及び空気入
りタイヤに関し、特に、破壊特性、耐摩耗性及び低発熱
性に優れたタイヤトレッド用ゴム組成物と、該ゴム組成
物を用いた低燃費性及び安全性に優れた空気入りタイヤ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車に安全性と低燃費性が求め
られるため、タイヤ材料用ゴムとして転がり摩擦抵抗性
即ちヒステリシスロスが小さく、耐摩耗性、破壊特性及
びウェットスキッド抵抗性に優れたゴムが望まれてい
る。
【0003】そこで、ヒステリシスロスの小さいゴム材
料として知られている天然ゴム、ポリイソプレンゴム又
はポリブタジエンゴム等が利用されているが、その反
面、ウェットスキッド抵抗性が十分であるとは言えな
い。
【0004】また、低ヒステリシスロスを著しく改良し
た合成ゴムに、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を
開始剤として重合した重合体末端をハロゲン化スズ化合
物でカップリングした重合体がある(特開昭57−55
912等)。この重合体は優れた物性を有する重合体で
あり、低転がり摩擦抵抗性延いては低燃費性タイヤ用の
ゴム組成物に使用されているが、耐摩耗性及び破壊特性
の点で満足できるものとは言えない。
【0005】一方、低ヒステリシスロス性を上げるため
の他の手段として、末端が三級アミンである分子構造の
重合体に着目した重合体も開発されている(特開昭50
−79590号、特開昭52−22484号等)。これ
らによると、リチウムジプロピルアミド等のアルカリ金
属アミド化合物やリチウムピペリジド等のリチウム環状
イミド化合物のリチウムアミド化合物を開始剤として用
いて、重合体が製造される。しかし、この重合体は、低
ヒステリシスロス性に優れたものであるが、上記同様、
耐摩耗性及び破壊特性において、十分なものではない。
【0006】更に、スズ化合物によるカップリングと重
合体末端への三級アミノ基の導入を組み合わせて、低ヒ
ステリシスロス性を向上させるだけでなく、加工性、引
張強度、耐摩耗性及び反撥弾性にも優れた重合体を得る
こともできる(特開昭59−38209号)が、現状に
おける要請に対して、これらの特性のレベル及びバラン
スは、満足されるものではない。
【0007】また他の手段としては、上述された重合体
に配合されるカーボンブラックの配合量を減少させる及
び/又はカーボンブラックの比表面積を小さくすること
によって、前述のスズ化合物のカップリングと同様の低
ヒステリシスロス効果を得ることができる。しかし、カ
ーボンブラックの配合量の減少、比表面積の減少に伴っ
て、耐摩耗性及び破壊特性が低下し、更に比表面積の減
少は、ウェットスキッド抵抗性をも低下させてしまうこ
とが知られている。このことからカーボンブラックの種
々の特性を調節することによって、耐摩耗性及び反撥弾
性を兼備したゴム組成物も提案された(特開平3−50
249号)が、依然として満足されるレベルに達してい
ない。
【0008】更に、上述した重合体を用いたゴム組成物
では、広い範囲の動的歪みにおいて、低ヒステリシスロ
ス性を初めとする諸特性をバランスよく得ることは困難
であり、従って、これらのゴム組成物を用いた空気入り
タイヤにおいても、要請されている諸特性を十分に満足
することはできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ウェ
ットスキッド抵抗性を損うことなく、破壊特性、耐摩耗
性及び低ヒステリシスロス性に優れたゴム組成物と、該
ゴム組成物をタイヤトレッド用に用いて、低燃費性及び
安全性に優れた空気入りタイヤとを提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のゴム組成
物は、共役ジエン単位又は共役ジエン単位/ビニル芳香
族炭化水素単位の混合単位からなり且つ結合ビニル芳香
族炭化水素含量が20〜45重量%である重合体であっ
て、重合体末端の少なくとも1つが三級アミンであり且
つスズ−炭素結合を含有する該重合体を30〜100重
量部含むゴム成分100重量部と、該ゴム成分100重
量部に対して、15〜45重量部である150ml/ 100
g以上のジブチルフタレート吸油量(DBP)を有する
カーボンブラックと、を含むことを特徴とする。
【0011】請求項2記載のゴム組成物は、請求項1に
おいて、前記重合体の2つの重合体末端が三級アミンで
あることを特徴とする。
【0012】請求項3記載のゴム組成物は、請求項1又
は2において、前記重合体のスズ−炭素結合含有の重合
体が全重合体の20重量%以上であることを特徴とす
る。
【0013】請求項4記載の空気入りタイヤは、共役ジ
エン単位又は共役ジエン単位/ビニル芳香族炭化水素単
位の混合単位からなり且つ結合ビニル芳香族炭化水素含
量が20〜45重量%である重合体であって、重合体末
端の少なくとも1つが三級アミンであり且つスズ−炭素
結合を含有する該重合体を30〜100重量部含むゴム
成分100重量部と、該ゴム成分100重量部に対し
て、15〜45重量部である150ml/ 100g以上のジ
ブチルフタレート吸油量(DBP)を有するカーボンブ
ラックと、を含むゴム組成物を用いたことを特徴とす
る。
【0014】本発明者らは、前記課題を解決するため
に、ゴム組成物を構成する重合体の組成及びその物性と
配合剤特にカーボンブラックのコロイダル特性とに着目
し、鋭意検討を重ねた結果、少なくとも1つの末端が三
級アミンであり且つスズ−炭素結合を含有する重合体
に、特定の物性を有するカーボンブラックを特定量で配
合することによって、低ヒステリシスロス性(低転がり
摩擦抵抗性)と耐摩耗性とを高いレベルで両立できるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0015】即ち、低ヒステリシスロス性を著しく向上
させるために、重合体連鎖中へのスズ−炭素結合の導入
と重合体末端への三級アミノ基の導入とカーボンブラッ
クの配合量の減量化とを行い、且つカーボンブラックの
配合量の減量化を行っても破壊特性及び耐摩耗性を向上
させるために、重合体中の例えばスチレン含量を増加さ
せること及び、所謂、高ストラクチャの範囲に属する特
定のカーボンブラックを低ヒステリシスロス性と耐摩耗
性等との好適なバランスを損なわない特定の量で配合す
ることによって、ウェットスキッド抵抗性を損うことな
く、低ヒステリシスロス性と破壊特性及び耐摩耗性に優
れたゴム組成物を得ることができた。特にこのゴム組成
物は、広い範囲の動的歪みにおけるヒステリシスロスが
著しく低いため、状況が変化しても低ヒステリシスロス
性を維持することができる。更に、このゴム組成物をタ
イヤトレッドに用いることによって、低燃費性と安全性
とを兼ね備えた空気入りタイヤを得ることができた。
【0016】以下の本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる重合体は、共役ジエン単位又は共役ジエン単
位/ビニル芳香族炭化水素単位の混合単位からなり且つ
ビニル芳香族炭化水素単位含量が20〜45重量%であ
る重合体であって、少なくとも1つの重合末端が三級ア
ミンであり且つスズ−炭素結合を含有する重合体であ
る。少なくとも1端が三級アミンであれば上述した効果
を得ることができるが、より著しい効果を得るために
は、2以上の重合体末端が三級アミンである複数官能の
重合体が好ましく、最も著しい効果が得られるのは、2
つの重合体末端が三級アミンである2官能の重合体であ
る。また、スズ−炭素結合を含有する重合体の全重合体
中の割合(カップリング効率)に関しては、低ヒステリ
シスロス性の観点から、20重量%以上が好ましく、4
0重量%以上が更に好ましい。
【0017】本発明の重合体におけるビニル芳香族炭化
水素の含量は、20〜45重量%、好ましくは30〜4
5重量%である。20重量%未満では、破壊強度が劣り
好ましくなく、45重量%を越えると、ヒステリシスロ
スが大きくなり、またガラス転移温度が高くなり過ぎて
耐摩耗性及び低温特性が劣り好ましくない。更に上記重
合体の共役ジエン部例えばブタジエン部におけるビニル
結合含量は、20〜60重量%であり、好ましくは40
重量%以下である。60重量%を越えると、同様にヒス
テリシスロスが大きくなり、またガラス転移温度及び弾
性率が高くなり、耐摩耗性及び低温特性が劣り、好まし
くない。
【0018】本発明に用いられる重合体の構成要素であ
る共役ジエン単位又は共役ジエン単位/ビニル芳香族炭
化水素単位の混合単位は、各々、重合体の製造において
用いられる共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマー
/ビニル芳香族炭化水素モノマーの混合物を重合して得
られた単位を意味するものである。
【0019】また、本発明に用いられる重合体の構成要
素となる重合体末端の三級アミンは、重合体の製造にお
いて用いられるアミン化合物、アミド化合物等のアミノ
基が三級アミンの形で重合体の末端に結合したものを意
味するものである。例えば、重合開始剤として、二級ア
ミンと有機リチウム化合物との反応物又はリチウムアミ
ド化合物を用いた場合には、これらのアミノ基が三級ア
ミンとして重合体の末端に結合するため、得られた重合
体の三級アミンのアミノ基は、開始剤に用いられた化合
物のアミノ基と同一となる。
【0020】また、本発明の重合体のムーニー粘度(M
1+4 、100℃)は、20〜150、好ましくは40
〜90であり、20未満では、引張特性、反撥弾性が低
下して好ましくなく、一方、150を越えると加工性の
点で劣り、好ましくない。
【0021】このような本発明の重合体を得るために
は、種々の製造方法が用いられる。例えば、炭化水素溶
媒中で、二級アミン化合物と有機リチウム化合物との反
応物又はリチウムアミド化合物を開始剤とし、必要に応
じてエーテル又は三級アミン化合物の存在下で、上記モ
ノマーを重合した後、スズ化合物によってカップリング
反応させる方法がある。以下に、本発明の重合体を得る
ための例示製造方法について説明する。
【0022】使用可能な炭化水素溶媒としては、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ブタン、n−
ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、メチルシ
クロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒
及びこれらの混合物が使用できる。
【0023】本発明の重合体を得るために用いられるモ
ノマーは、共役ジエン又は共役ジエン/ビニル芳香族炭
化水素であり、この共役ジエンモノマーは、1分子当た
り炭素原子4〜12個、好ましくは4〜8個を含有する
共役ジエン炭化水素である。例えば、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、オクタジエン等が挙げられ
る。これらは単独でも2種以上混合しても良く、特に
1,3−ブタジエンが好ましい。
【0024】また、前記ビニル芳香族炭化水素モノマー
としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、o−メチルスチレン、p−ブチルスチレン、
ビニルナフタリン及びこれらの同様物が包含され、特に
スチレンが好ましい。
【0025】また有機リチウム化合物には、一般に知ら
れている化合物が全て含まれ、例えば、メチルリチウ
ム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリ
チウム、 sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、ヘキシルリチウム、オクチルリチウム等に代表され
るアルキルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウ
ム、リチウムナフチリド等に代表されるアリールリチウ
ム、ビニルリチウム、プロペニルリチウム等に代表され
るアルケニルリチウム、テトラメチレンジリチウム、ペ
ンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、
テオラメチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウ
ム、ヘキサメチレンジリチウム、デカメチレンジリチウ
ム等に代表されるアルキレンジリチウム等を挙げること
ができるが、好ましくは、n−ブチルリチウム及び sec
−ブチルリチウムである。これらのリチウム開始剤は、
単独で用いても2種以上混合して用いても良い。これら
のリチウム化合物の使用量は、モノマー100g当た
り、0.2〜30mmolの範囲で用いることができる。
【0026】前記重合体の製造方法において用いられる
二級アミン化合物又はアミド化合物のアミド部の二級ア
ミン化合物は、一般式R1 2 NHで表すことができ、
ここで、R1 及びR2 は、炭素数1〜20の炭化水素基
又は、酸素原子及び/又は窒素原子を有する炭化水素基
を表し、共に、互いに結合して環を形成するものも含
む。上記のような二級アミン化合物には、例えば、ジメ
チルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブ
チルアミン、ジイソブチルアミン、ジペンチルアミン、
ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミ
ン、ジアリルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ブチル
イソプロピルアミン、ジベンジルアミン、メチルベンジ
ルアミン、メチルヘキシルアミン、エチルヘキシルアミ
ン、トリメチレンイミン、ピロリジン、2,5−ジメチ
ルピロリジン、ピペリジン、2−メチルピペリジン、3
−メチルピペリジン、4−メチルピペリジン、3,3−
ジメチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、
3,5−ジメチルピペリジン、2−エチルピペリジン、
1−メチル−4−(メチルアミン)ピペリジン、2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、ヘキサメチレン
イミン、ヘプタメチレンイミン、モルホリン、ピペラジ
ン、2,6−ジメチルモルホリン、2,6−ジメチルピ
ペラジン、2−メチルピペラジン、N−メチルピペラジ
ン、N−エチルピペラジン、1−ベンジルピペラジン、
N−メチルイミダゾリジン、N−エチルイミダゾリジ
ン、オキサジン、ピロリン、2,5−ジメチル−3−ピ
ロリン、ピロール、アゼピン、5−ペンジルオキシイン
ドール、3−アズスピロ〔5,5〕ウンデカン、3−ア
ザビシクロ〔3,2,2〕ノナン、カルバゾール等を挙
げることができる。この中でも、ジメチルアミン、ジブ
チルアミン、ジヘキシルアミン、ブチルイソプロピルア
ミン、トリメチレンイミン、ピロリジン、ヘキサメチレ
ンイミン、ドデカメチレンイミン等がより好ましい。
【0027】また、これらの二級アミンの添加量は、有
機リチウム化合物1モル当量に対して0.01〜20モ
ル当量であり、好ましくは、0.1〜5.0モル当量で
ある。0.01モル当量未満では、窒素原子を含有しな
いリチウム開始剤が重合開始点となり、得られた重合体
において、重合体末端が三級アミンでない重合体の含有
率が高くなるため、低ヒステリシスロス性が劣り好まし
くなく、一方20モル当量を越えると、開始剤に含まれ
ない窒素原子が増加し、好ましくない。
【0028】更に、開始剤として、上記の二級アミン化
合物と有機リチウム化合物との反応物又はリチウムアミ
ド化合物に加えて、アルコール及び有機リチウム又はリ
チウムアルコキシドを併用する方法も好ましく用いられ
る。
【0029】この場合に、前記二級アミン化合物と有機
リチウム化合物との反応物を用いる場合、並びにアルコ
ール及び有機リチウムを用いる場合には、各々の添加量
は、破壊特性、耐摩耗性及び低ヒステリシスロス性等の
物性を考慮して決定され、二級アミン化合物と有機リチ
ウム化合物とのモル比は、1:0.2〜5.0、好まし
くは1:1であり、アルコールと有機リチウムとのモル
比は、1:0.8〜5.0、好ましくは1:1である。
【0030】上記のアルコール及びリチウムアルコキシ
ドにおけるアルコールには、t−ブタノール、 sec−ブ
タノール、シクロヘキサノール、オクタノール、2−エ
チルヘキサノール、p−クレゾール、m−クレゾール、
ノニルフェノール、ヘキシルフェノール、テトラヒドロ
フルフリルアルコール、フルフリルアルコール、3−エ
チル−テトラヒドロフルフリルアルコール、テトラヒド
ロフルフリルアルコールのオリゴマー、エチレングリコ
ールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、N,N−ジメチルエタノールアミン、
N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチル
エタノールアミン、N,N−ジフェニルエタノールアミ
ン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタ
ノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−フ
ェニルジエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノ
ールアミン、N,N−ジブチルプロパノールアミン、N
−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジプロパノ
ールアミン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ン、2−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリ
ジン、2−メチル−1−(3−ヒドロキシプロピル)ピ
ロリジン、1−ピペリジンエタノール、2−フェニル−
1−ピペリジンエタノール、2−エチル−N−β−ヒド
ロキシエチルモルホリン、1−ピペラジンエタノール、
1−ピペラジンプロパノール、N,N′−ビス(β−ヒ
ドロキシエチル)ピペラジン、N,N′−ビス(γ−ヒ
ドロキシプロピル)ピペラジン、2−(β−ヒドロキシ
エチル)ピリジン、2−(γ−ヒドロキシプロピル)ピ
リジン等が挙げられるが、好ましくは、テトラヒドロフ
ルフリルアルコール、N,N−ジメチルエタノールアミ
ン、N,N−ジエチルエタノールアミン、1−ピペリジ
ンエタノールである。
【0031】前記重合体の製造方法における前記スズ化
合物は、例えばテトラクロロスズ、テトラブロムスズ、
トリクロロブチルスズ、トリクロロメチルスズ、トリク
ロロオクチルスズ、ジブロムジメチルスズ、ジクロロジ
メチルスズ、ジクロロジブチルスズ、ジクロロスズ、
1,2ビス(トリクロロスタニル)エタン、1,2ビス
(メルジクロロスタジルエタン)、1,4ビス(トリク
ロロスタニル)ブタン、1,4ビス(メチルジクロロス
タジル)ブタン、エチルスズトリステアレート、ブチル
スズトリスオクタノエートブチルスズトリスステアレー
ト、ブチルスズトリスラウレート、ジブチルスズビスオ
クタノエート、ジブチルスズビスステアレート、ジブチ
ルスズビスラウレート等を挙げることができるが、好ま
しくは、2官能以上の重合体を得ることができるジクロ
ロジメチルスズ、ジブロムジメチルスズ、ジクロロジブ
チル、ジクロロスズ、トリクロロブチルスズ、トリクロ
ロメチルスズ、テトラクロロスズ、テトラブロムスズ等
であり、この中でも、2官能の重合体を得ることができ
るスズ化合物が最も好ましい。更にこれらのケイ素化合
物の添加量は、重合体における所望の三級アミンの数を
決定する上で重要である。重合体末端リチウム原子1個
とケイ素化合物のハロゲン原子1個が化学量論的に反応
するとして、三級アミンを有する重合体末端リチウム原
子1モル当量に対して、所望の三級アミン数に応じたケ
イ素化合物のモル当量を添加する。例えば、重合体末端
リチウム原子1モル当量に対して、四塩化ケイ素0.2
5モル当量を添加すれば、三級アミンが4つの重合体を
得ることができ、四塩化ケイ素0.125モル当量又ジ
クロロジメチルシラン0.5モル当量を添加すれば三級
アミンが2つの重合体を得ることができることとなる。
前述したように化学量論的に求められた範囲のケイ素化
合物のモル当量未満では、重合体に含有されるケイ素−
炭素結合鎖含有重合体の含量が十分でないため、得られ
た重合体の耐摩耗性及び破壊特性が劣り好ましくない。
一方、該ケイ素化合物のモル当量を越えると、重合体に
含有されないケイ素化合物が増加し、好ましくない。
【0032】選択的にスズ−炭素結合鎖を含む重合体
は、重合反応後、リビング重合体末端がブタジエニルリ
チウムになるように、典型的には、重合系に1,3−ブ
タジエンを開始剤のリチウム原子1モル当量当たり0.
5〜100モル、好ましくは1〜20モルを添加してか
ら、スズ化合物と反応を行うことによって得られる。
【0033】前記重合体の重合反応系に、重合活性の向
上及び/又は用途に応じた分子量、ミクロ構造、組成分
布(共重合体の場合)等の所望の分子構造を調節するた
め、この目的に使用される通常の添加剤、例えばエーテ
ル化合物、第3級アミン化合物等のルイス塩基を加える
ことができる。エーテル化合物及び第3級アミン化合物
の使用量は有機リチウム化合物1モル当たり0.05〜
1000モルの範囲で用いられる。
【0034】重合温度及びスズ化合物との反応は、通
常、−20〜150℃、好ましくは0〜120℃の範囲
で行われ、昇温条件下でも上昇温度条件下でもよい。重
合方式としては、バッチ重合方式又は連続重合方式のい
ずれでもよい。
【0035】上述された本発明における重合体の製造方
法は、一例であって、これに限定されるものではない。
【0036】本発明のゴム組成物のゴム成分としては、
実用上、前記の重合体と、天然ゴム又は他の合成ゴムと
をブレンドして使用することができる。ブレンドする場
合、前記重合体をゴム成分100重量部中に30重量部
以上含有させることが必要で、好ましくは、50重量部
以上である。例えば天然ゴムとのブレンドにおいて、本
発明における重合体が30重量部未満では、上述の重合
体の効果を十分に発現することができず、好ましくな
い。
【0037】ブレンドして用いられる前記合成ゴムとし
ては、シス−1,4−ポリイソプレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、低シス−1,4−ポリブタジエン、高
シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体、クロロプレン、ハロゲン化ブチルゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等を
挙げることができる。
【0038】本発明のゴム組成物に用いられるカーボン
ブラックは、所謂、高ストラクチャのカーボンブラック
である。即ち、150ml/100g以上、好ましく
は、160〜200ml/100gのジブチルフタレー
ト吸油量(DBP)を有するカーボンブラックである。
DBPが150ml/100g未満では、破壊特性、耐
摩耗性が劣り、低ヒステリシスロス性とのバランスが取
れた本発明のゴム組成物を得ることができない。また、
比表面積は、窒素吸着比表面積(N2 SA)として70
〜145m2 /gのものが好ましい。この比表面積が小
さ過ぎると、耐摩耗性、破壊特性が劣り、更にウェット
スキッド抵抗性も低下する傾向にあるので、好ましくな
い。
【0039】このような高ストラクチャのカーボンブラ
ックは、例えば、一般的に、円筒形状の高温の燃焼ガス
発生用可燃性流体及び酸素含有ガス流体の導入室、この
導入室の下流側に同軸的に連結され、且つそれよりも直
径の小さい酸素含有ガス導入用円筒、該円筒の外周に設
けられた複数の放射状整流板、上流端が前記導入室に連
結し、且つ下流側に向かって穏やかに収斂する燃焼ガス
収斂室、該収斂室の下流側にあり、複数個の原料油噴霧
装置を備えた少なくとも1つの平面を有する原料油導入
室、前記原料油導入室の下流端に接し、且つ下流端の直
径よりも大きな直径の円筒状の反応室、前記反応室に連
結し、且つ挿入−引出し自在の冷却水圧入噴霧装置を複
数個設置した反応継続兼急速冷却室、前記反応継続兼急
速冷却室の後端部に連結された煙道部とからなる全体が
耐火物で被覆されたカーボンブラック製造装置を用い
て、主として原料油の導入位置、即ち、複数個設置され
た原料油導入平面の使用位置によりDBP給油量の調整
を行い、収斂室の上流側即ち導入室に近い位置において
原料油を導入して所望の値にまでDBPを上昇させるこ
とによって、製造される。また、N2 SAについては、
原燃料導入量と空気導入量の比により行うことができ、
空気導入量を大きくすることにより表面積を増加するこ
とができる。
【0040】本発明におけるカーボンブラックの配合量
は、前記ゴム成分に対して15〜45重量部であり、好
ましくは20〜40重量部である。15重量部未満で
は、加硫物の耐摩耗性、破壊特性等が十分でなく、また
45重量部を越えると、低ヒステリシスロス性等におい
て好ましくない。
【0041】本発明で使用できる加硫剤としては、硫黄
等が挙げられ、これらの使用量は、ゴム成分100重量
部に対して0.1〜5重量部、好ましくは1〜2重量部
である。0.1重量部未満では加硫ゴムの破壊特性、耐
摩耗性、ヒステリシスロスが低下し、5重量部を越える
とゴム弾性が失われる。
【0042】本発明で使用できるプロセス油としては、
例えばパラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を
挙げることができる。破壊特性、耐摩耗性を重視する用
途にはアロマチック系が、低ヒステリシスロス性、低温
特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が
用いられ、その使用量は、ゴム成分100重量部に対し
て0〜100重量部であり、100重量部を越えると加
硫ゴムの破壊特性、低ヒステリシスロス性が著しく悪化
する。
【0043】本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限
定されるものではないが、好ましくはM(2−メルカプ
トベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジサル
ファイド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチ
アジルスルフェナミド)等のチアゾール系の、DPG
(ジフェニルグアニジン)等のグアジニン系の加硫促進
剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分10
0重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2
〜3重量部である。
【0044】本発明では、これら以外にもゴム工業で通
常使用されている老化防止剤、カーボンブラック以外の
例えばシリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の充填
剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、酸化防止剤、オゾン劣化
防止剤等の添加剤を配合することもできる。
【0045】本発明のゴム組成物は、ロール、インター
ナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによ
って得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッ
ド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビ
ード部分等のタイヤ用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホ
ースその他工業品等の用途にも用いることができるが、
特にタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本実施例
に限定されるものではない。
【0047】なお、実施例において、部及び%は特に断
らない限り、重量部及び重量%を意味する。
【0048】各種の測定は下記の方法によった。重合体
のミクロ構造は、赤外吸収スペクトル法(モレロ法)に
より求めた。結合スチレン量は、赤外吸収スペクトル法
により、検量線を作成して求めた。
【0049】カップリング効率は、スズ−炭素結合を有
する重合体の全重合体中の割合を示すものであり、これ
はゲルろ過クロマトグラフィー(GPC;東ソー製HL
C−8020、カラム;東ソー製GMH−XL(2本直
列))による測定曲線における高分子量分と低分子量分
との面積比から求めた。
【0050】破壊特性は、JIS K−6301に従っ
て、測定した。低ヒステリシスロス性の指標として60
℃でのtanδを測定し、評価した。tanδ(60
℃)は、米国レオメトリックス社製の動的スペクトロメ
ータを使用し、温度60℃、引張の動的歪み1%、周波
数10Hzの条件で測定し、その逆数の値を用いて、比
較例8における値を100とした指数で表示した。従っ
て、数値が大きい程、ヒステリシスロスが小さく、良好
であることを表す。また、ウェットスキッド抵抗性の指
標として0℃でのtanδを測定し、評価した。tan
δ(0℃)は、同機器を用いて、温度0℃、引張の動的
歪み0.1%、周波数10Hzの条件で測定し、比較例
8における値を100とした指数で表示した。数値が大
きい程、ウェットスキッド抵抗が大きく、良好であるこ
とを表す。
【0051】耐摩耗性は、ランボーン型摩耗試験機を用
い、室温におけるスリップ率25%の摩耗量を測定し、
その逆数の値を用いて、比較例8における値を100と
した指数で表示した。数値が大きい程、耐摩耗性は良好
である。
【0052】〔実施例1〕300mlの耐圧ビンにシク
ロヘキサン25g、リチウムアルコキシドであるリチウ
ムジエチルアミノエトキシド3.7mmol、二級アミ
ン化合物であるジ−n−ブチルアミン7.4mmol、
及び有機リチウムであるn−ブチルリチウム7.4mm
olをこの順に加え、27℃で15分間反応させた後、
1,3−ブタジエン37mmolを添加し、更に15分
間反応させ、開始剤を作製した。
【0053】次に窒素置換された、内容積5リットルの
反応器にシクロヘキサン200g、スチレン240g、
1,3−ブタジエン324g、テトラヒドロフラン1.
68gを仕込んだ。重合開始温度60℃に調整した後、
前記の開始剤溶液全量を添加して重合を行った。重合添
加率が100%に達した時点で、1,3−ブタジエン3
6gを添加して、重合体末端をブタジエニルリチウムに
した後、カップリング剤としてジブチルジクロロスズ
1.03g(3.38mmol)を加え、10分間反応
させた。
【0054】この重合体含有液に2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾールを添加後、スチームストリッピング
により脱溶媒を行い、110℃熱ロールで乾燥すること
によって、重合体の2末端に三級アミン〔(n−C4
9 )2N−〕を有するゴム状ポリマーである重合体Aを得
た。重合体Aの特性は表1に示した。
【0055】重合体Aは、表2に示されているカーボン
ブラックaと共に、表3に示された配合に従って、25
0mlのラボプラストミル及び3インチロールで混練配
合を行った。得られた重合体Aは、配合において、天然
ゴム(NR)及び重合体Aとのブレンド比を,各々30
重量部及び70重量部としてブレンドした。配合ゴムを
145℃で30分間加硫した後、加硫物の物性を評価
し、結果を表4に示した。
【0056】〔実施例2〕実施例2は、下記開始剤を用
いた以外は、実施例1と同様にして重合体B及びその加
硫物を得た。重合体Bの特性及び得られた加硫物の物性
を表1及び4に示した。
【0057】重合体Bに用いられた開始剤は、二級アミ
ン化合物としてジ−n−ブチルアミンを7.4mmo
l、有機リチウムとしてn−ブチルリチウム7.4mm
ol、リチウムアルコキシドとしてリチウム−t−エト
キシド3.7mmolを用いた以外は、重合体Aの開始
剤と同様に作製された。
【0058】〔実施例3〕実施例3は、ジブチルジクロ
ロスズの代わりにテトラクロロスズを0.39g(1.
50mmol)で用いた以外は実施例1と同様にして、
重合体の4末端に三級アミンを有する重合体C及びその
加硫物を得た。重合体Cの特性及び得られた加硫物の物
性を表1及び4に示した。
【0059】〔実施例4〕実施例4は、ゴム成分におい
て、天然ゴムと重合体Aとのブレンド比を、各々60重
量部及び40重量部とした以外は、実施例1と同様に行
った。得られた加硫物の物性を表4に示した。
【0060】〔実施例5〕実施例5は、カーボンブラッ
クaの代わりにカーボンブラックbを用いた以外は、実
施例1と同様に行った。得られた加硫物の物性を表4に
示した。
【0061】〔実施例6〕実施例6は、カーボンブラッ
クの配合量を表4に示された量に変えた以外は、実施例
1と同様に行った。得られた加硫物の物性を表4に示し
た。
【0062】〔比較例1〕比較例1は、開始剤としてn
−ブチルリチウムのみを使用して、二級アミン化合物及
びリチウムアルコキシドを使用しない以外は実施例1と
同様にして、重合体D及びその加硫物を得た。この重合
体Dは重合体末端に三級アミンを有しない重合体であ
る。重合体Dの特性及び得られた加硫物の物性を表1及
び4に示した。
【0063】〔比較例2〕比較例2は、開始剤としてn
−ブチルリチウムのみを使用し、ジブチルジクロロスズ
の代わりにテトラクロロスズを0.39g(1.50m
mol)で用いた以外は実施例1と同様にしてE及びそ
の加硫物を得た。この重合体Eは重合体末端に三級アミ
ンを有しない重合体である。重合体Eの特性及び得られ
た加硫物の物性を表1及び4に示した。
【0064】〔比較例3及び4〕比較例3及び4は、カ
ーボンブラックの配合量を、各々50重量部及び10重
量部とした以外は、実施例1と同様に行った。得られた
加硫物の物性を表4に示した。
【0065】〔比較例5〕比較例5は、配合されるカー
ボンブラックを、カーボンブラックaの代わりにcを用
いた以外は、実施例1と同様に行った。得られた加硫物
の物性を表4に示した。
【0066】〔比較例6〕比較例6は、配合されるカー
ボンブラックを、カーボンブラックaの代わりにcと
し、且つ配合量を50重量部とした以外は、実施例1と
同様に行った。得られた加硫物の物性を表4に示した。
【0067】〔比較例7〕比較例7は、ゴム成分として
配合される天然ゴムと重合体Aとのブレンド比を、各々
80重量部及び20重量部とした以外は、実施例1と同
様に行った。得られた加硫物の物性を表4に示した。
【0068】〔比較例8〕比較例8は、重合体Aの代わ
りに重合体Dを用い、且つカーボンブラックaの代わり
にcとし、更に配合量を50重量部とした以外は、実施
例1と同様に行った。得られた加硫物の物性を表4に示
した。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】表4に示されるように、本発明のゴム組成
物は、ウェットスキッド抵抗性を損なうことなく、破壊
特性、耐摩耗性及び低ヒステリシスロス性に優れたゴム
組成物であった。
【0074】本発明の実施例において、二級アミン化合
物、有機リチウム化合物及びリチウムアルコキシドを用
いた開始剤とスズカップリング剤とによる重合体A、B
及びCは、重合末端に三級アミノ基を有し且つスズ−炭
素結合を含有する高スチレン含量のスチレン−ブタジエ
ンランダム共重合体である。これらの共重合体を用いる
ことによって、tanδ(0℃)即ちウェットスキッド
抵抗性を損うことなく、破壊特性、tanδ(60℃)
即ち低ヒステリシスロス性、及びランボーン摩耗指数即
ち耐摩耗性は、顕著に向上された(実施例1〜6)。
【0075】また、この効果は、重合体における開始剤
の種類(実施例1、2及び3)及びカップリング剤であ
るスズ化合物の種類(実施例1及び3)、並びに高スト
ラクチャであるカーボンブラックの種類(実施例1及び
5)に拘らず得ることができ、更に、ゴム成分における
上記共重合体のブレンド比が30重量%以上(実施例1
及び4)及び上記カーボンブラックの配合量が15重量
部以上(実施例6等)で得られることが示された。
【0076】このような著しい効果は、上記の分子構造
を有する重合体でなければ得ることはできないことが明
らかに認められた(比較例1及び2)。
【0077】更に、該共重合体を用いても、ゴム成分中
におけるブレンド割合が30重量%未満では、種々の物
性が劣るだけでなく、ウェットスキッド抵抗性を維持す
ることもできず、バランスのとれたゴム組成物が得られ
なかった(比較例7)。同様に、該共重合体を使用して
も本発明における高ストラクチャのカーボンブラックを
用いなければ、破壊特性及び耐摩耗性を著しく損い(比
較例5)、この様な場合に、カーボンブラックの配合量
を増量すれば、低ヒステリシスロス性を損なってしまう
ことも確認された(比較例6)。
【0078】その上、高ストラクチャのカーボンブラッ
クを用いても、その配合量が多いと低ヒステリシスロス
性を著しく損ない(比較例3)、一方少ないと破壊特性
及び耐摩耗性を著しく損う(比較例4)ことも明らかと
なった。
【0079】
【発明の効果】本発明は、上記構成としたので、ウェッ
トスキッド抵抗性を損なうことなく、破壊特性、耐摩耗
性及び低ヒステリシスロス性(転がり摩擦抵抗性)に優
れたゴム組成物を提供することができ、このゴム組成物
をタイヤトレッド用に用いることによって、低燃費性及
び安全性に優れた空気入りタイヤを提供することができ
るという、優れた効果を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン単位又は共役ジエン単位/ビ
    ニル芳香族炭化水素単位の混合単位からなり且つ結合ビ
    ニル芳香族炭化水素含量が20〜45重量%である重合
    体であって、重合体末端の少なくとも1つが三級アミン
    であり且つスズ−炭素結合を含有する該重合体を30〜
    100重量部含むゴム成分100重量部と、 該ゴム成分100重量部に対して、15〜45重量部で
    ある150ml/ 100g以上のジブチルフタレート吸油量
    (DBP)を有するカーボンブラックと、 を含むことを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記重合体の2つの重合体末端が三級ア
    ミンであることを特徴とする請求項1記載のゴム組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記重合体のスズ−炭素結合含有の重合
    体が全重合体の20重量%以上であることを特徴とする
    請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 共役ジエン単位又は共役ジエン単位/ビ
    ニル芳香族炭化水素単位の混合単位からなり且つ結合ビ
    ニル芳香族炭化水素含量が20〜45重量%である重合
    体であって、重合体末端の少なくとも1つが三級アミン
    であり且つスズ−炭素結合を含有する該重合体を30〜
    100重量部含むゴム成分100重量部と、 該ゴム成分100重量部に対して、15〜45重量部で
    ある150ml/ 100g以上のジブチルフタレート吸油量
    (DBP)を有するカーボンブラックと、 を含むゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタ
    イヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100447666B1 (ko) * 2002-06-18 2004-09-08 한국타이어 주식회사 트럭버스용 타이어 트레드 고무 조성물
EP1803586A1 (en) * 2005-12-22 2007-07-04 The Goodyear Tire & Rubber Company Pneumatic tire
JP2008297358A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Bridgestone Corp ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ

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