JPH07179461A - 12−ヘテロ置換6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム塩類、それらの組成物および製造方法 - Google Patents

12−ヘテロ置換6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム塩類、それらの組成物および製造方法

Info

Publication number
JPH07179461A
JPH07179461A JP6217103A JP21710394A JPH07179461A JP H07179461 A JPH07179461 A JP H07179461A JP 6217103 A JP6217103 A JP 6217103A JP 21710394 A JP21710394 A JP 21710394A JP H07179461 A JPH07179461 A JP H07179461A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
quinolidinium
ethano
lower alkyl
dihydrobenzo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6217103A
Other languages
English (en)
Inventor
Diane L Dehaven-Hudkins
ルイーズ デヘイブン−ハドキンス ダイアン
William G Earley
ジョージ アーリー ウィリアム
Virendra Kumar
カマー ビレンドラ
John P Mallamo
ピーター マラーモ ジョン
Matthew S Miller
スティーブン ミラー マシュー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
STWB Inc
Original Assignee
Sterling Winthrop Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sterling Winthrop Inc filed Critical Sterling Winthrop Inc
Publication of JPH07179461A publication Critical patent/JPH07179461A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/12Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains three hetero rings
    • C07D471/18Bridged systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 12−ヘテロ置換6,11−エタノ−6,1
1−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム塩類を提供す
る。 【構成】 一般式Iで表される化合物または医薬的に許
容されるその酸付加塩,またはその立体異性体,これら
化合物を含有する医薬組成物,およびこれらの化合物の
製造方法。 〔Rは,1〜4個の水素,低級アルコキシ,低級アル
キル,ハロゲンから選ばれた置換基,Rは,1〜4個
の水素,低級アルキル,低級アルカノイルオキシ,ハロ
ゲン,NO,OH等から選ばれた置換基,R,R
は低級アルキル,R,Rは水素,低級アルコキシ,
ジ低級アルキルアミノ等,Rは水素またはアルキル,
はアニオン,である〕 【効果】 式Iの化合物は,神経変性疾患もしくは神経
毒損傷の治療または予防に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、12−ヘテロ置換6,
11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリ
ジニウム塩類、これらの化合物を含有する組成物、神経
変性疾患または神経毒損傷の治療と予防を行う際のこれ
ら化合物の使用方法、およびこれら化合物の中間体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1970年6月23日に発行されたFiel
dsの米国特許第3,517,073号明細書には、下記
式:
【化9】 〔上式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は各々、別個に
分離している場合は、水素、低級アルキル、低級アリー
ル、低級アシルオキシ、低級アルコキシ、ニトロ、ハロ
ゲン、低級アシルアミノまたはジ(低級アルキル)アミ
ノであり;R1 とR2 、R2 とR3 、およびR3 とR4
の三つの群の中の一つの群、好ましくはR 1 とR2 およ
びR3 とR4 のうちの一つの群は、一体となっている場
合、6員炭素環および6員窒素含有複素環の中から選ば
れた環を3個まで含有する縮合環系を表し、この縮合環
系中の環の少なくとも一つの環は芳香環であり、いずれ
の環も2個を超える核窒素を有することはなく、かつ未
置換であるかまたはR1 ,R 2 ,R3 およびR4 で定義
される1つ以上の置換基で置換され;R5 とR6 は各
々、別個に分離している場合は水素、低級アルキルまた
は低級アリールであり;R7 とR8 は各々、別個に分離
している場合水素であり;R7 とR8 は一体になってい
る場合、本明細書に先に定義された縮合環系を表し;R
9 は別個になっている場合、メチレンであるか、または
低級アルキル、低級アリール、低級アルケニル、ハロゲ
ンもしくはシアノで置換されたメチレンであり、R10
別個になっている場合、保護されたカルボニル基であ
り;R9 とR10は一体になっている場合、芳香族の炭素
環もしくは複素環の縮合環系を表し、その原子価結合は
隣接炭素由来の結合であり、この系は6員炭素環および
6員窒素含有複素環の中から選ばれた環を3個まで有
し、いずれの環も2個を超える窒素を含有せず、かつR
1,R2 ,R3 およびR4 で定義される1つ以上の置換
基で置換されてもよい)〕で表される化合物が開示され
ている。具体的に開示されている化合物のなかに12,
12−ジエトキシ−11−メチル−9,10−エタノ−
9,10−ジヒドロ−4a−アゾニアアントラセン ペ
ルクロラートおよび9,10−(O−ベンゼノ)−9,
10−ジヒドロ−5−メチル−4a−アゾニアアントラ
セン ペルクロラートがある。また下記式
【化10】 (上式中、R1 〜R10は上記定義に同じであり、そして
mは1から5までの値の奇数の整数である)で表される
化合物も開示されている。具体的に開示される化合物の
中に、12,12−ジエトキシ−11−メチル−9,1
0−エタノ−4a−アザ−1,2,3,4,4a,9,
9a,10−オクタヒドロアントラセンペルクロラート
酸性塩;9,10−(O−ベンゼノ)−5−メチル−4
a−アザ−1,2,3,4,4a,9,9a,10−オ
クタヒドロアントラセン;および12,12−ジエトキ
シ−9,10−エタノ−11−ブロモ−4a−アザ−
1,2,3,4,4a,9,9a,10−オクタヒドロ
アントラセンがある。上記の化合物類は、2−ナフトー
ル誘導体類および各種のアントラセン誘導体類を合成す
る場合の中間体として開示されている。
【0003】Fieldsら、J. Org. Chem., 33 (1) 巻、 3
90〜395 頁、1968年には、4a−アゾニアアントラセン
イオンと各種のジェノフィル類から製造された16個の
一連のディールス−アルダー付加生成物が開示されてい
る。具体的に開示されている化合物の中には、12−エ
チル−、12−ヒドロキシメチル−および12−エチレ
ン−の9,10−ジヒドロ−4a−アゾニア−9,10
−エタノアントラセンブロミド;12−フェニル−12
−(4−モルホリニル)−、12,−メチル−12−
(1−メチル−エチレン)−、12,12−ジエトキシ
−11−ブロモ−、および12−ジエチルアミノ−11
−フェニル−の9,10−ジヒドロ−4a−アゾニア−
9,10−エタノアントラセン ペルクロラート類;な
らびに9,10〔1′,2′〕シクロペンチル−および
9,10〔2′,3′〕テトラヒドロピラニルの9,1
0−ジヒドロ−4a−アゾニアアントラセン ペルクロ
ラート類が開示されている。これらの化合物の用途は開
示されていない。
【0004】FieldsおよびRegan, J. Org. Chem., 36
(20) 巻、2986〜2990頁、1971年には、下記式:
【化11】 (上式中、RはH,BrまたはOAcである)で表され
る化合物が、置換8−tert−ブチル−1−(2−ピ
リジル)ナフタレン類を合成する場合の中間体として開
示されている。
【0005】FieldsおよびRegan, J. Org. Chem., 36
(20) 巻、2991〜2994頁、1971年には、下記式:
【化12】 (上式中、RはH,CH3 ,C6 5 またはBrであ
る)で表される化合物が2−ピリジルナフトール類を合
成する場合の中間体として開示されている。
【0006】Fields, J. Org. Chem., 36 (20)巻、3002
〜3005頁、1971年には、一連の置換12,12−ジエト
キシ−9,10−エタノ−9,10−ジヒドロ−4a−
アゾニアアントラセン類と、そのピリジニウム部分が部
分的にまたは完全に還元された対応する誘導体が、置換
2−ナフトール類合成時の中間体として開示されてい
る。具体的に開示されている化合物の中に、12,12
−ジエトキシ−5,11−ジメチル−9,10−エタノ
−9,10−ジヒドロ−4a−アゾニアアントラセン
ペルクロラートがある。また一連の置換9,10−(O
−ベンゼノ)−9,10−ジヒドロ−4a−アゾニアア
ントラセン類およびそのピリジニウム部分を部分的にま
たは完全に還元された対応する誘導体も置換アントラセ
ン類を合成する際の中間体として開示されている。具体
的に開示されている化合物中に9,10−(O−ベンゼ
ノ)−9,10−ジヒドロ−4a−アゾニアアントラセ
ンペルクロラートがある。
【0007】Westerman およびBradsher, J. Org. Che
m., 36 (7) 巻、 969〜970 頁、1971年には、下記式:
【化13】 (上式中、RはCH3 ,CH(CH3 2 ,H,F,
I,Cl,Br,CO2 H,CO2 CH3 またはN
2 )で表される化合物が開示されている。これらの化
合物の用途は開示されていない。
【0008】BradsherおよびDay, J. Het. Chem., 10
巻、1031〜1033頁、1973年には、アクリジジニウム ペ
ルクロラートと、シクロペンタジエン、メチルビニルエ
ーテル、ノルボルナジエンおよび無水マレイン酸とから
製造した4種のディールス−アルダー付加生成物が開示
されている。これらの化合物の用途は開示されていな
い。
【0009】FieldsおよびRegan, J. Org. Chem., 35
(6)巻、1870〜1875頁、1970年には、下記式:
【化14】 (上式中、RはH,CH3 またはC6 5 である)で表
される化合物が開示されている。また、9,10−ジヒ
ドロ−12,12−ジメトキシ−11,11−ジメチル
−4a−アゾニア−9,10−エタノアントラセン ペ
ルクロラートおよび9,10−ジヒドロ−9,11−ジ
メチル−12,12−ジエトキシ−4a−アゾニア−
9,10−エタノアントラセン ペルクロラートが具体
的に開示されている。これらの化合物は、9,10−ジ
ヒドロ−12−オキソ−4a−アゾニア−9,10−エ
タノアントラセン類合成時の中間体であると述べられて
いる。
【0010】Fieldsら、J. Org. Chem., 36 (20)巻、29
95〜3001頁、1971年には、各種の9−(2−ピリジル)
アントラセン類を合成する際の中間体として、9,10
−ジヒドロ−4a−アゾニア−9,10−O−ベンゼノ
アントラセン ペルクロラートといくつもの類似体が開
示されている。
【0011】FieldsおよびMiller, J. Het. Chem., 7
巻、91〜97頁、1970年には、下記式:
【化15】 で表される化合物が、対応する5,8−ジオン塩を合成
する際の中間体として開示されている。
【0012】BradsherおよびStone, J. Org. Chem., 33
(2)巻、 519〜523 頁、1968年には、アクリジジニウム
イオンと、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類、フ
マル酸エステル類およびパラ置換基がH,CH3 ,OC
3 またはNO2 である各種のパラ置換スチレン類とか
ら製造された一連のディールス−アルダー付加生成物が
開示されている。これらの化合物の用途については何も
開示されていない。アクリジジニウムブロミドと、無水
マレイン酸、マレイン酸エステル類またはフマル酸エス
テル類とからのディールス−アルダー付加生成物の製造
について実質的に類似する開示がBradsherおよび Solom
ons, J. Am. Chem. Soc., 80巻、 933〜934 頁、1958年
に見られる。
【0013】BradsherおよびStone, J. Org. Chem., 34
(6)巻、1700〜1702頁、1969年には、下記式:
【化16】 (上式中、RはHまたはCH3 であり;R′はHまたは
CH3 であり;R″はOCH3 ,CH3 ,HまたはNO
2 であり;およびX- はペルクロラート(過塩素酸)イ
オンである)で表される化合物が開示されているが用途
については記載されていない。また、アクリジジニウム
ペルクロラートと、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジ
エチルまたはマレイン酸ジメチルとから得たディールス
−アルダー付加物も記載されているが用途についての記
載はない。
【0014】Burnham およびBradsher, J. Org. Chem.,
37 (3) 巻、 355〜358 頁、1972年には、下記式:
【化17】 (上式中、R1 はphでありかつR2 はOEtである
か、またはR1 はHでありかつR2 はOEt,OBu,
OAc,N−カルバゾリルもしくは1−ピロリジン−2
−オンである)で表される化合物が開示されている。た
だし用途は記載されていない。
【0015】Parhamら、J. Org. Chem., 37 (3) 巻、 3
58〜362 頁、1972年には下記式:
【化18】 (上式中、RはH2 ,(CH2 3 ,C(O)NHC
(O),C(O)N(CH 3 )C(O),C(O)OC
(O),CH2 OCH2 またはCH2 NH2 +CH 2
ある)で表される化合物が開示されているが用途は記載
されていない。
【0016】Bradsherら、J. Am. Chem. Soc., 99 (8)
巻、2588〜2591頁、1977年には、下記式:
【化19】 (上式中、R1 =R2 =R4 =R5 =H;R1 =Meで
かつR2 =R4 =R5 =H;R1 =R4 =R5 =Rでか
つR2 =Me;ならびにR1 =HでかつR2 =R 4 =R
5 =Me)で表される化合物が開示されている。これら
の化合物の用途は開示されていない。
【0017】Bradsherら、J. Org. Chem., 43 (5) 巻、
822〜827 頁、1978年には下記式:
【化20】 〔上式中、R1 はOEtでありかつRはMe,H,F,
Cl,CO2 MeまたはNO2 であり;R1 はO−Ph
−p−Xであり(式中、XはCH3 ,OCH3 ,H,C
(O)CH3 、またはNO2 である)かつRは水素であ
り;ならびにR1はN−カルバゾリルでありかつRは水
素である〕で表される化合物が開示されている。これら
の化合物の用途については何も記載されていない。
【0018】Westerman およびBradsher, J. Org. Che
m., 43 (15)巻、3002〜3006頁、1978年には、アクリジ
ジニウムイオンと各種非対称アルケン類とから製造され
た一連のディールス−アルダー付加物が開示されている
がこれら化合物の用途は記載されていない。具体的に開
示されている化合物の中に、6,11〔2′,3′〕イ
ンダニル−6,11−ジヒドロアクリジジニウムテトラ
フルオロボラート、および12−フェニル−13−(2
−ピリジル)−6,11−ジヒドロ−6,11−エタノ
アクリジジニウムテトラフルオロボラートがある。
【0019】Westerman およびBradsher, J. Org. Che
m., 44 (5) 巻、 727〜733 頁、1979年には、置換もし
くは未置換のアクリジジニウムカチオンと各種の分極性
アルケン類とから製造された一連のディールス−アルダ
ー付加物が開示されている。ただしその用途については
記載されていない。具体的に開示されている化合物のな
かに、12,12−ジフェニル−6,11−ジヒドロ−
6,11−エタノアクリジジニウムのペルクロラートま
たはブロミド;9−メチル−6,11〔2′,3′〕イ
ンダニル−6,11−ジヒドロアクリジジニウムテトラ
フルオロボレート;ならびに7,10−ジメチル−12
−フェニル−12−(4−モルホリニル)−、9−メチ
ル−12−フェニル−12−(4−モルホリニル)−、
12−(2−ピリジル)−、および9−メチル−12−
(2−ピリジニル)−6,11−ジヒドロ−6,11−
エタノアクリジジニウムテトラフルオロボレート類があ
る。
【0020】Bradsherら、J. Org. Chem., 44 (8) 巻、
1199〜1201頁、1979年には、置換もしくは未置換のアク
リジジニウムイオンと、シクロプロペンもしくは1−メ
チルシクロプロペンとから製造された一連のディールス
−アルダー付加物が開示されているが用途の記載はな
い。
【0021】Hartら、Tetrahedron Letters, 52 巻、46
39〜4642頁、1975年には、下記式:
【化21】 で表される化合物が、1,4,5,8,9−ペンタメチ
ルアントラセンの合成を行う際の中間体として開示され
ている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明の化合物は、神
経変性疾患および神経毒損傷の治療と予防に有用であ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は下記式I:
【化22】 〔上式中、R1 は、水素、または低級アルコキシ、低級
アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1
−,2−,3−もしくは4−位のいずれかにおける1〜
4個の同一もしくは異なる置換基であり;R2 は、水
素、または低級アルキル、低級アルカノイルオキシ、ハ
ロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、メチレ
ンジオキシ、ポリフルオロ低級アルキルおよびポリクロ
ロ低級アルキルからなる群から選択される7−,8−,
9−もしくは10−位のいずれかにおける1〜4個の同
一もしくは異なる置換基であり;R3 とR4 は、同一も
しくは異なる低級アルキルであり;R5 とR6 は、水
素、低級アルコキシ、トリ低級アルキルシリルオキシお
よびジ低級アルキルアミノからなる群から独立して選択
されるか;またはR5 とR6は、一体となって−O−C
HR8 −(CH2 n CHR9 −O−(式中、nはゼロ
または1であり、そしてR8 とR9 は、独立して水素、
低級アルキルまたはフェニル低級アルコキシ低級アルキ
ルである)を表し;R7 は、水素または低級アルキルで
あり;そしてX- は、アニオンであり;但し、R1 ,R
2 およびR7 が水素であり、R3 とR4 がメチルであり
かつX - がClO4 - の場合は、R5 とR6 が一体とな
って−O−CH(CH3 )CH(CH3 )−O−である
ことはなく;さらにR5 とR6 は両者が同時に水素であ
ることはなく;さらにR1 ,R2 およびR7 が水素であ
り、R3 とR4 がメチルでありかつX- がClO4 -
場合には、R5 とR6 が同時にメトキシであることはな
い〕で表される化合物、その塩基性部分の医薬的に許容
される酸付加塩;またはその水和物;またはその立体異
性体に関する。
【0024】本発明はさらに下記式II:
【化23】 (上式中、R3 とR4 は、独立して水素、低級アルコキ
シまたは塩素であり;R5 とR6 は、同一もしくは異な
る低級アルコキシであり;そしてX- は、アニオンであ
り;但しR3 とR4 は両者が同時に水素であることはな
い)で表される化合物;またはその立体異性体に関す
る。
【0025】本発明は、さらに下記式III :
【化24】 (上式中、R3 とR4 は、独立して水素または低級アル
キルであり;R5 とR6 は、独立して水素またはジ低級
アルキルアミノであり;そしてX- は、アニオンであ
り;但し、R3 とR4 は同時に低級アルキルであること
はなく;さらにR5 とR6は同時に水素であることはな
い)で表される化合物;またはその塩基性部分の医薬的
に許容される酸付加塩またはその立体異性体に関する。
式I,IIおよびIII で表される化合物は、PCP受容体
(receptor)に結合するので、神経変性疾患ま
たは神経毒損傷の治療と予防に有用である。
【0026】上記式Iで表される好ましい化合物は、式
中のR1 が、水素、1−低級アルコキシまたは4−低級
アルキルであり;R2 が、水素、または低級アルキル、
アセトキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アル
コキシ、メチレンジオキシおよびトリフルオロメチルか
らなる群から選択される7−,8−,9−もしくは10
−位のいずれかにおける1〜2個の同一もしくは異なる
置換基であり;R3 とR4 が、同一の低級アルキルであ
り;かつR5 ,R6 ,R7 およびX- が、上記意味を有
する;式Iの化合物である。
【0027】上記式Iで表される特に好ましい化合物
は、式中のR1 が、水素、1−メトキシまたは4−メチ
ルであり;R2 が、水素、またはメチル、tert−ブ
チル、アセトキシ、臭素、塩素、フッ素、ニトロ、ヒド
ロキシ、メトキシ、イソプロポキシ、メチレンジオキシ
およびトリフルオロメチルからなる群から選択される7
−,8−,9−もしくは10−位のいずれかにおける1
〜2個の同一もしくは異なる置換基であり;R3 とR4
が、両者ともメチルまたはエチルであり;R5 ,R
6 が、水素、低級アルコキシ、トリメチルシリルオキシ
およびジエチルアミノからなる群から独立して選択さ
れ;またはR5 とR6 が一体になって−OCHR8 (C
2 n CHR9 O−(式中、nはゼロまたは1であ
り、そしてR8 とR9 は同時に水素、低級アルキルまた
はフェニル低級アルコキシ低級アルキルである)を表
し;R7 が、水素またはメチルであり;かつX- が、ア
ニオンである;式Iの化合物である。
【0028】上記式IIで表される好ましい化合物は、式
中、R3 とR4 が独立して水素、エトキシまたは塩素で
あり;R5 とR6 が同一の低級アルコキシであり;かつ
-がアニオンである;式IIの化合物である。上記式III
で表される好ましい化合物は、式中、R3 とR4 が独
立して水素またはメチルであり;R5 とR6 が独立して
水素またはジエチルアミノであり;かつX- がアニオン
である;式III の化合物である。
【0029】本発明はさらに、下記式I:
【化25】 〔上式中、R1 は、水素、または低級アルコキシ、低級
アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1
−,2−,3−もしくは4−位のいずれかにおける1〜
4個の同一もしくは異なる置換基であり;R2 は、水
素、または低級アルキル、低級アルカノイルオキシ、ハ
ロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、メチレ
ンジオキシ、ポリフルオロ低級アルキルおよびポリクロ
ロ低級アルキルからなる群から選択される7−,8−,
9−もしくは10−位のいずれかにおける1〜4個の同
一もしくは異なる置換基であり;R3 とR4 は、水素、
低級アルコキシ、ハロゲン、低級アルキルおよびフェニ
ルからなる群から独立して選択され;R5 とR6 は、水
素、低級アルコキシ、トリ低級アルキルシリルオキシお
よびジ低級アルキルアミノからなる群から独立して選択
され;またはR5 とR6 は、一体となって−O−CHR
8 (CH2 n CHR9 −O−(式中、nはゼロまたは
1であり、そしてR8 とR9 は独立して水素、低級アル
キルまたはフェニル低級アルコキシ低級アルキルであ
る)を表し;R7 は、水素または低級アルキルであり;
そしてX- は、アニオンであり;但し、R1 ,R3 ,R
4 およびR7 が水素であり、R5 とR6 がエトキシであ
り、かつX- がClO4 - の場合は、R2 は7,10−
ジアセトキシまたは7−アセトキシ−10−tert−
ブチルであることはなく;さらにR1 ,R2 およびR7
が水素であり、R3 とR4 がメチルでありかつX- がC
lO4 - の場合は、R5 とR6 は一体となって−O−C
H(CH3 )CH(CH3 )−O−であることはなく;
さらにR1 ,R4 ,R5 およびR7 が水素であり;R3
とR6 がエトキシであり、かつX- がClO4 - の場合
はR2 は7−NO2 であることはなく;さらにR5 とR
6 は両者が同時に水素であることはない〕で表される化
合物;またはその塩基性部分の医薬的に許容される酸付
加塩;またはその水和物;またはその立体異性体;なら
びに医薬的に許容される担体、佐剤、希釈剤または賦形
剤を含んでなる医薬組成物に関する。
【0030】本発明はさらに、下記式I:
【化26】 〔上式中、R1 は、水素、または低級アルコキシ、低級
アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1
−,2−,3−もしくは4−位のいずれかにおける1〜
4個の同一もしくは異なる置換基であり;R2 は、水
素、または低級アルキル、低級アルカノイルオキシ、ハ
ロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、メチレ
ンジオキシ、ポリフルオロ低級アルキルおよびポリクロ
ロ低級アルキルからなる群から選択される7−,8−,
9−もしくは10−位のいずれかにおける1〜4個の同
一もしくは異なる置換基であり;R3 とR4 は、水素、
低級アルコキシ、ハロゲン、低級アルキルおよびフェニ
ルからなる群から独立して選択され;R5 とR6 は、水
素、低級アルコキシ、トリ低級アルキルシリルオキシお
よびジ低級アルキルアミノからなる群から独立して選択
され;またはR5 とR6 は、一体となって−O−CHR
8 (CH2 n CHR9 −O−(式中、nはゼロまたは
1であり、そしてR8 とR9 は独立して水素、低級アル
キルまたはフェニル低級アルコキシ低級アルキルであ
る)を表し;R7 は、水素または低級アルキルであり;
そしてX- は、アニオンであり;但し、R1 ,R3 ,R
4 およびR7 が水素であり、R5 とR6 がエトキシであ
りかつX- がClO4 - である場合は、R2 は7,10
−ジアセトキシまたは7−アセトキシ−10−tert
−ブチルであることはなく;さらにR1 ,R2 およびR
7 が水素であり、R3 とR4 がメチルでありかつX-
ClO4 - である場合は、R5 とR6 は一体となって−
O−CH(CH3 )CH(CH3 )−O−になることは
なく;さらにR1 ,R4 ,R5 およびR7 が水素であ
り;R3 とR 6 がエトキシでありかつX- がClO4 -
である場合には、R2 は7−NO2 であることはなく;
さらにR5 とR6 は両者が同時に水素であることはな
い〕で表される化合物;またはその塩基性部分の医薬的
に許容される酸付加塩;またはその水和物;またはその
立体異性体の有効量を、治療を要する患者に投与するこ
とを含んでなる、神経変性疾患または神経毒損傷の治療
または予防に用いる式Iの化合物の使用方法に関する。
【0031】本発明は、さらに中間体として有用な下記
式IV:
【化27】 で表される化合物の製造方法であって、 (a)下記式:
【化28】 (上式中、Yは、水素またはハロゲンである)で表され
る化合物を、少なくとも2モル当量の低級アルキルアル
カリ金属と、任意に少なくとも1モルのテトラメチルエ
チレンジアミンの存在下、有機溶媒中で反応させ、次い
で過剰量の下記式:
【化29】 で表される化合物で、室温以下の温度にて処理して、下
記式:
【化30】 で表されるジオールを製造する工程、および (b)前記ジオールを、a)有機溶媒中、室温以上の温
度にて、過剰量の無水トリフルオロメタンスルホン酸で
処理するか;またはb)室温以上の温度にて、過剰量の
酸で処理するか;あるいはc)室温以上の温度にて、少
なくとも1モル当量のオキシハロゲン化リンで処理し
て;前記式IVの化合物を製造する工程を含んでなる製造
方法に関する。
【0032】低級アルキルという用語は、本明細書中で
用いられる場合、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖ま
たは分枝鎖の炭化水素鎖を意味し、したがって、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s
ec−ブチルなどが挙げられる。
【0033】低級アルコキシという用語は、本明細書中
で用いられる場合、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖
もしくは分枝鎖のアルキルオキシ置換基を意味し、した
がってメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、sec−ブトキシなどが挙げられる。
【0034】ハロゲンまたはハロゲン化物という用語
は、本明細書中で用いられる場合、臭素、塩素、ヨウ素
またはフッ素を意味する。
【0035】低級アルカノイルオキシという用語は、本
明細書中で用いられる場合、2〜約4個の炭素原子を有
する直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖を意味し、したが
ってアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、イソブチリ
ルオキシなどが挙げられる。
【0036】トリ低級アルキルシリルオキシという用語
は、本明細書中で用いられる場合、そのシリル基が3個
の低級アルキル基で置換されかつその低級アルキルが上
記の意味を有するシリルオキシ基を意味する。したがっ
て、この用語にはトリメチルシリルオキシ、トリエチル
シリルオキシ、トリプロピルシリルオキシ、トリイソプ
ロピルシリルオキシ、トリ−n−ブチルシリルオキシ、
トリイソブチルシリルオキシなどが含まれる。
【0037】アニオン(X- )という用語は、本明細書
中で用いる場合、少なくとも酢酸と同じイオン強度を有
する有機酸のアニオン(有機の一塩基酸のアニオンなら
びに有機二塩基酸のモノアニオンを含む)を意味し、し
たがって、以下のような酸、例えば酢酸、メタンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、(1S)−(−)−カンファン酸〔そのアニオン
は以下本明細書では、(1S)−(−)−C10134
- と記載する〕、(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸
〔(−)−DBT〕、(+)−ジベンゾイル−D−酒石
酸〔(+)−DBT〕、(S)−(+)−2−ヒドロキ
シ−2−フェニルプロピオン酸などのような酸のアニオ
ンが挙げられ;またはこの用語は、塩化物、臭化物、ペ
ルクロラート(perchlorate)、PF6 -
どのイオンのような無機酸のアニオンを意味する。
【0038】本願明細書全体を通じて用いられるナンバ
リングシステムを下記の環系に示す。この環系は、通
常、化学文献では6,11−エタノ−6,11−ジヒド
ロベンゾ〔b〕キノリジニウムまたは6,11−ジヒド
ロ−6,11−エタノアクリジジニウムと呼ばれてい
る。
【化31】 しかしながら、さきに引用したいくつかの化学文献
(「従来の技術」の項で引用した文献を参照されたい)
では、この環系は下記のように番号が付けられており、
9,10−エタノ−9,10−ジヒドロ−4a−アゾニ
アアントラセンまたは9,10−ジヒドロ−4a−アゾ
ニア−9,10−エタノアントラセンと呼ばれているこ
とに留意しなければならない。
【化32】 しかしながら、本明細書では前者のナンバリング系を使
用し、これらの化合物を、6,11−エタノ−6,11
−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム塩類と命名す
る。
【0039】本発明の化合物の合成を下記図式Aに示
す。
【化33】 適切な有機溶媒好ましくはアセトニトリル中の適切に置
換されたベンゾ〔b〕キノリジニウム塩(IV)を、約2
5℃から使用溶媒の沸点までの範囲の温度下にて、過剰
量の適切に置換さたオレフィン(V)で処理して式Iの
化合物を得る。式IIおよび IIIで表される化合物は、R
1 ,R2 およびR7 が水素である式IVの化合物と、式V
で表される適当に置換されたオレフィンとから類似の方
法で製造することができる。
【0040】式I,IIおよび IIIで表される化合物は、
下記のようにして各種の異なるアニオン基X- を有する
式I,IIおよび IIIで表される他の化合物に変換するこ
とができる。すなわち、(a)式中X- が無機酸アニオ
ンである式I,IIまたはIIIで表される化合物を、水、
アルコール性溶媒例えばメタノールまたはその混合物に
溶解し、次いで、その式I,IIまたはIII で表される化
合物を、無機酸アニオンのアルカリ金属塩であるM+
- (ここで使用される塩の酸は最初の酸アニオン
(X- )の対応する酸よりも強度が大きく、かつM+
アルカリ金属、好ましくはカリウムもしくはナトリウム
である)の少なくとも1モル当量の水溶液で、ほゞ室温
から使用される溶媒の沸点までの範囲の温度にて処理す
るか、または該溶液に添加して、X- が各種の無機酸ア
ニオンである式I,IIまたはIII で表される化合物を製
造するか;もしくは(b)式中X- が無機酸アニオンで
ある式I,IIまたはIII で表される化合物を、アルコー
ル性溶媒、例えば、メタノールまたはイソプロパノール
に溶解し、次にその式I,IIまたはIII で表される化合
物を、有機の一塩基酸のカリウム塩または有機二塩基酸
のモノカリウム塩(ここで使用される塩の酸は最初の酸
アニオン(X- )の対応する酸よりも強度が大きい)の
少なくとも1モル当量の、アルコール性溶媒、例えば、
メタノールもしくはイソプロパノールまたは前記アルコ
ール性溶媒と水の混合物に溶解した溶液で、ほゞ室温か
ら使用溶媒の沸点までの範囲の温度で処理するか、また
は該溶液に添加して、X- が各種の有機酸のアニオンで
ある式I,IIまたはIII で表される化合物を製造する
か;または(c)式中X- が有機酸アニオンである式
I,IIまたはIII で表される化合物をアルコール性溶
媒、例えば、メタノールに溶解し、次にこの溶液を、過
剰量の塩基、好ましくは重炭酸ナトリウムおよび過剰量
の無機酸アニオンのアルカリ金属塩であるM+ - (こ
こで使用される塩の酸は、最初の酸アニオン(X- )の
対応する酸よりも強度が大である)の混合物の水溶液
に、ほぼ室温から使用される溶媒の沸点までの温度で添
加して、X- が無機酸アニオンである式I,IIまたはII
I で表される化合物を製造するか;あるいは(d)X-
が塩化物イオン(Cl- )である式I,IIまたはIII で
表される化合物が所望の場合は、X- が塩化物イオン以
外の有機酸アニオンまたは無機酸アニオンである式I,
IIまたはIII で表される化合物を、適当な有機溶媒、例
えば、アセトニトリルや酢酸エチル、メタノールのよう
なアルコール性溶媒または前記溶媒の混合物に溶解し、
次いでその溶液をDOWEX(商標)1X2−100イ
オン交換樹脂(DOWEX(商標)−1−chlori
de)を通過させ、水で溶離して対応する塩化物アニオ
ンを生成させることが好ましく;または(e)式I,II
またはIII で表される化合物を、適切なイオン交換樹脂
のカラム(例えばDOWEX(商標)1X2−200イ
オン交換樹脂を適切な有機酸または無機酸で処理するこ
とによって製造される)を通過させて、X- がCl-
ClO4 - またはPF6 - 以外のイオンである式I,II
またはIII で表される各種の化合物を提供する。
【0041】一般式I,IIおよび IIIで表される化合物
は、1個以上の不斉炭素原子をもっているので、多数の
立体異性体形例えば鏡像異性体、ジアステレオマーおよ
び幾何異性体で存在することができる。本明細書中で特
にことわらない限り、本発明はこれらの各立体異性体形
およびラセミ体を含むその混合物まで拡大するものであ
る。各種の立体異性体形を、以下に述べる方法によって
一つの異性体を他の異性体から分離することができる。
【0042】ジアステレオマー/幾何異性体は、クロマ
トグラフィー、分別結晶法などのような化学の技術分野
で公知である通常の方法で分離することができる。鏡像
異性体の分離は、次のようにして達成することができ
る。すなわちa)キラル・クロマトグラフィーを利用す
るか;もしくはb)式I,IIまたはIII で表される化合
物のラセミ混合物を、(+)−ジベンゾイル−D−酒石
酸のカリウム塩(K+ 〔(+)−DBT〕)で処理して
式I,IIまたはIII で表される化合物を〔(+)−DB
T〕- 塩として得て、その〔(+)−DBT〕- 塩を分
別結晶して〔(+)−DBT〕- 塩の単一ジアステレオ
マーを得て、次いで式I,IIおよびIII で表される化合
物を、各種の異なるアニオン(X- )を有する式I,II
およびIIIの他の化合物に変換する上記手順にしたがっ
て、その〔(+)−DBT〕- 塩の単一のジアステレオ
マーを各種の他の非キラルアニオン(X- )に変換し
て、単一鏡像異性体として式I,IIまたはIII の化合物
を製造するか;またはc)式I,IIまたはIII の化合物
のラセミ混合物を(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸の
カリウム塩(K+ 〔(−)−DBT〕)で処理して、式
I,IIまたはIII の化合物を -〔(−)−DBT〕塩と
して得て、次いで本明細書中の(b)の項で先に述べた
ように処理して式I,IIまたはIII の化合物を他の鏡像
異性体として得る。
【0043】あるいは、R5 とR6 が同じ低級アルコキ
シ基である鏡像異性体は、図式Bに示すようにして製造
することができる。
【化34】 式中、R5 とR6 が一体となって−O−CH(CH3
CH2 CH(CH3 )−O−になっている式Iの化合
物、またはその対応するジアステレオマーは、各々個々
に過剰量の酸、好ましくは濃塩酸で、約25℃から約8
0℃までの範囲の温度下にて処理して、式VIで表される
ケトン類を(+)−鏡像異性体または(−)−鏡像異性
体として得ることができる。次にこの個々の鏡像体を次
のようにしてケタールに変換することができる。すなわ
ち(a)式VIで表される鏡像異性体を、過剰量のテトラ
低級アルコキシシラン(Si(OR)4 )(式中ORは
低級アルコキシ基例えばメトキシまたはエトキシであ
る)で、残留水分を共沸除去するのに適切な有機溶媒好
ましくはクロロホルムを過剰量、式VIの化合物が可溶性
である第二の有機溶媒、好ましくはニトロメタンを過剰
量、およびアルコール性溶媒(ROH)、例えば、メタ
ノールまたはエタノール(そのアルコールのRO部分は
上記テトラ低級アルコキシシランの低級アルコキシ部分
と同じである)を過剰量含んでなる混合溶媒中、共沸溶
媒の沸点にて、共沸溶媒といずれかの残留水分を留去す
るのに充分な時間処理し;そして(b)反応混合物を約
25℃まで冷却し、少なくとも1モル当量のトリフリッ
クアシッド(tri−flic acid)を添加し、
次いでその混合物を約10キロバールの高圧容器中に入
れて、R5 とR6 が同じ低級アルコキシ基である式Iの
化合物を、個々の(+)または(−)の鏡像異性体とし
て得る。
【0044】上記の鏡像異性体を上記のように分割する
ときに、鏡像異性体の一方が、他方の鏡像異性体または
ラセミ体と比較すると効力が大でかつ副作用が少ないと
いう利点をもっていることが見出された。そしてこのよ
うな利点は当該技術分野の当業者は容易に確認すること
ができる。具体的な実施例として、実施例2の化合物を
分割してその個々の鏡像異性体を得たが、(−)−鏡像
異性体(実施例12(c))が、(+)−鏡像異性体
(実施例13(c))またはラセミ体(実施例2)と比
べたところ効力が大で副作用が少ないので、このような
化合物は本発明の好ましい種であることが見出された。
【0045】式I,II、またはIII の化合物を合成する
のに必要な、式IVで表される適切に置換されたベンゾ
〔b〕キノリジニウム塩類は図式Cに示すようにして製
造することができる。
【化35】 少なくとも1モル当量の適切に置換されたハロゲン化ベ
ンジル(VII)(式中2はハロゲンであり、好ましくは塩
素または臭素である)を、適切な有機溶媒、好ましくは
スルホランの存在下もしくは不存在下、ほぼ室温から約
146℃までの範囲の温度で、過剰量の適切に置換され
た2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ピリジン
(VIII)と混合してピリジニウム塩(IX)を生成させ
る。所望により、このピリジニウム塩(IX)は、各種の
アニオン(X- )を有する式I,IIおよびIII の化合物
を製造するための上記の方法に類似の方法を利用するこ
とによって、X- が上記の意味を有する式Xで表される
他のピリジニウム塩に変換することができる。ピリジニ
ウム塩(X)、または各種のアニオンX- への変換がな
されなかった場合、次いでピリジニウム塩(IX)を、過
剰量の酸、例えばポリリン酸、48%臭化水素酸、濃塩
酸、またはポリリン酸とメタンスルホン酸の混合物で、
ほゞ室温から約115℃までの範囲の温度にて処理し
て、式IVで表されるベンゾ〔b〕キノリジニウム塩類を
得ることができる。
【0046】あるいは、式IVで表されるベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム塩類は図式Dに示すようにして製造するこ
とができる。
【化36】 適切に置換されたベンジルアルコール(XI)(式中、Y
は水素、またはハロゲン、特に水素もしくは臭素であ
る)を、少なくとも2モル当量の低級アルキルアルカリ
金属、好ましくはn−BuLiで、任意に少なくとも1
モルの第二の塩基、例えばテトラメチルエチレンジアミ
ンの存在下で処理し、次いでエーテルのような有機溶媒
中、過剰量の適切なピリジン誘導体(XII)を、室温以下
の好ましくはほゞ室温から約−30℃までの範囲の温度
下で添加してジオール(XIII)を得る。次にこのジオー
ル(XIII)を、(a)適切な溶媒例えばベンゼン中、過
剰量の無水トリフルオロメタンスルホン酸((TF)2
O)で、ほぼ室温以上、好ましくはほゞ室温から約90
℃までの範囲の温度にて処理すると、X- -OTFで
ある式IVの化合物が得られ;または(b)過剰量の酸、
例えば、酢酸中の45%臭化水素酸で、ほぼ室温以上好
ましくはほゞ室温から約100℃までの範囲の温度にて
処理すると式IVの化合物が得られ;あるいは(c)少な
くとも1モル当量のオキシハロゲン化リン、好ましくは
オキシ塩化リンで、ほぼ室温以上好ましくはほゞ室温か
らオキシハロゲン化リンの沸点までの範囲の温度下にて
処理すると、X- がハロゲンである式IVの化合物が得ら
れる。図式Dでさきに説明した方法は、10位および/
または11位に置換基を有する式IVのベンゾ〔b〕キノ
リジニウム塩類を製造したい場合に好ましい方法である
ことは分かるであろう。
【0047】所望により、式IVで表されるベンゾ〔b〕
キノリジニウム塩類は、式I,IIおよびIII の化合物
を、種々の他のアニオン基に変換させるための上記の方
法に類似の方法にしたがって、各種の異なるアニオン基
- を有する式IVの他の化合物に変換することができ
る。
【0048】通常の、化学技術分野の当業者にとって公
知の簡単な化学的変換法が、式I,II, III およびIVで
表される化合物の官能基を変化させるのに使用できる。
例えば、エーテル類を脱アルキル化させて対応するアル
コール類を製造する方法、アルコール類をアセチル化し
て対応する酢酸エステルを製造する方法、酢酸エステル
を加水分解して対応するアルコール類を製造する方法、
およびアリール環をハロゲン化して対応するハロゲン化
アリールを製造する方法がある。
【0049】適切に置換されたオレフィン(V)、無機
酸アニオンもしくは有機酸アニオンのアルカリ金属塩、
ハロゲン化ベンジル(VII)、2−(1,3−ジオキソラ
ン−2−イル)ピリジン(VIII) 、ベンジルアルコール
誘導体(XI) 、およびピリジン (XII)は市販されてお
り、またはこれらの化合物は当該技術分野で公知方法も
しくは以下に述べる方法で製造することができる。
【0050】塩基性置換基を有する式I,IIおよびIII
の化合物は、遊離塩基の形態および酸付加塩の形態の両
方とも有用であり、両形態ともに本発明の適用範囲に含
まれる。酸付加塩は、使用するのにより便利な形態であ
ることが多く、実際に、酸付加塩の形態の使用量は塩基
の形態の使用量とほゞ等しい。酸付加塩を製造するのに
使用することができる酸としては、好ましくは、遊離塩
基と混合したときに、医薬的に許容される塩、すなわち
その塩を医薬として投与した場合、そのアニオンが動物
生体に対して比較的無害な塩を生成し、その結果、遊離
塩基に固有の有利な特性がそのアニオンに起因する副作
用によって損われない酸が挙げられる。本発明を実施す
る場合、遊離塩基形態、または塩酸塩、フマル酸塩、ト
ルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩もしくはマレ
イン酸塩を使用するのが便利である。しかしながら、本
発明の適用範囲内にある他の適切な医薬的に許容される
塩は、他の鉱酸および有機酸から誘導される塩である。
塩基性化合物の酸付加塩は、当該技術分野で公知の標準
方法で製造され、その方法としては限定されるものでは
ないが、適当な酸を含有する水性アルコール溶液に遊離
塩基を溶解し、溶液を蒸発させることによって塩を単離
する方法があり、または該付加塩は遊離塩基と酸とを有
機溶媒中で反応させることによって製造する方法があ
り、この場合には、生成した塩を直接分離するか、また
は第二の有機溶媒で沈澱させるか、あるいは溶液を濃縮
することによってそれを得ることができる。医薬的に許
容される塩基性化合物の塩が好ましいとはいえ、酸付加
塩はすべて本発明の適用範囲内にある。例えば、酸付加
塩が精製もしくは同定を目的として製造されるとき、ま
たは酸付加塩が例えばイオン交換法によって医薬的に許
容される塩を製造する場合の中間体として使用されると
きのように、たとえ特定の酸付加塩自体が中間体製品と
してしか所望されていなくても、酸付加塩はすべて遊離
塩基形の起源として有用である。
【0051】式I,IIおよびIII で表される化合物はキ
ノリジニウム塩であり、これらの塩は医薬的に許容され
る塩であること、すなわち、これらの塩のアニオン(X
- )は、医薬として投与した場合動物生体に対して比較
的無害でありその結果、式I,IIおよびIII で表される
化合物に特有の有利な特性がアニオン(X- )に起因す
る副作用によって損われないことが好ましい。本発明を
実施する際には、メタンスルホン酸およびトルエンスル
ホン酸のような有機酸のアニオン(X- )、または臭化
水素酸および塩酸のような無機酸のアニオン(X- )を
用いるのが便利である。しかしながら、本発明の適用範
囲内にある他の適当な医薬的に許容される塩は、他の有
機酸、有機二塩基酸または無機酸のアニオン(X- )か
ら誘導される塩である。
【0052】本発明の化合物の構造は、合成方法ならび
に一つ以上の元素分析法、ならびに赤外線、核磁気共鳴
およびマススペクトルの分光法によって確立される。反
応の行程および生成物の同一性と物質性は、一種以上の
薄層クロマトグラフィー(TLC)、高圧液体クロマト
グラフィー(HPLC)、または気−液クロマトグラフ
ィー(GLC)によって評価される。
【0053】以下に示す実施例は、本発明をさらに具体
的に示すものであるが、本発明を限定するものではな
い。融点(m.p.)はすべて摂氏度(℃)で示し修正して
いない(uncorrected)。本願で用いる略語
E/PAWはピリジン/酢酸/水(55/20/25)
中の酢酸エチルを意味し、TEAはトリエチルアミンを
意味する。
【0054】
【実施例】
出発物質の製造例 製造例1 1−ベンジル−2−(1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)ピリジニウム ブロミド(2.43モル(mol ))
を48%HBr6000mLに添加して得た混合物を、機
械的撹拌機を備えた12Lの三つ口フラスコに入れ、次
いでその反応混合物を一夜室温で撹拌した。反応混合物
を蒸気浴上で3時間加熱し、減圧下で濃縮し、次いで淡
黄色の固体を濾過し、THFで洗浄して固体生成物41
5gを得た。得られた臭化物を減圧デシケータで乾燥し
て、351g(収率56%)のベンゾ〔b〕キノリジニ
ウム ブロミド(式IV:R1 =R2 =R7 =H;X-
Br - )を淡黄色固体として得た。m.p.222−225
℃。
【0055】製造例2 (a)1,1−ジメチル−2−アセトキシエチレン7
4.2g(0.65mol )をテトラクロロメタン300
mLに溶解して得た溶液を0〜5℃に冷却し、この溶液
に、臭素103g(0.65mmol)を含むテトラクロロ
メタン200mLを、内部温度を0〜10℃に保持する速
度で少しずつ添加した。添加(約2時間)を終ってか
ら、反応混合物にメタノール300mLを添加し、得られ
た混合物を、乾燥管を備えた反応フラスコ中で46時間
撹拌した。その反応混合物を水1L中に注入し、有機層
を分離して乾燥し、有機溶媒を除去し(大気圧)、次い
で残留物を蒸留して100g(収率78.1%)の1,
1−ジメトキシ−2−ブロモ−2−メチルプロパン(b.
p.62〜67℃)を得た。
【0056】(b)メタノール40mLにL−酒石酸10
1g(0.67mol )および2−ジメトキシプロパン1
60g(1.53mol )を添加し次いでp−トルエンス
ルホン酸400mgを添加して得た混合物を、油浴中10
0℃まで加熱し、得られた混合物を1.5時間反応させ
た。生成した暗赤色の溶液に、2,2−ジメトキシプロ
パン80g(0.77mol )とシクロヘキサン450mL
を添加し、次いでその混合物を、13時間還流させ(浴
温約95℃)、その間有機溶媒(メタノール−シクロヘ
キサン、アセトン−シクロヘキサン)590mLを蒸留し
た。反応混合物を室温まで冷却し、炭酸カリウム1gを
添加し次いで減圧で濃縮した。残留物を蒸留して、12
2g(収率82.4%)の2,2−ジメチル−4
(R),5(R)−(ジカルボメトキシ)−1,3−ジ
オキソラン(b.p.92〜95℃/0.04mm)を得た。
【0057】(c)水素化リチウムアルミニウム46g
(1.21mol )をエーテル500mL中に懸濁させた懸
濁液を10分間還流させ、次いで室温まで冷却した。上
記混合物に、2,2−ジメチル−4(R),5(R)−
(ジカルボメトキシ)−1,3−ジオキソラン122g
(0.599mol )をエーテル500mLに溶解して得た
溶液を、激しく撹拌しながら少しずつゆるやかな還流を
維持する速度で添加した。添加(約2時間)を終ってか
ら、反応混合物を3時間還流させ、ドライアイス/アセ
トン浴中で冷却し、酢酸エチル50mLを注意深く添加
し、続いて水46mL、4N水酸化ナトリウム(NaO
H)溶液(46mL)および水(130mL)を慎重に添加
した。
【0058】得られた反応混合物を15分間撹拌した。
沈澱した固体を濾過して取出し、エーテル(500m
L)、酢酸エチル(750mL)、塩化メチレン(750m
L)およびエーテル(500mL)で連続して洗浄した。
合せた濾液を減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチル(5
00mL)に溶解し、次に飽和塩化アンモニウム水溶液1
00mLで洗浄した。有機層を乾燥し、減圧で濃縮し、次
いで残留物を蒸留して(kugelrohr)、29.
1g(収率32.1%)の2,2−ジメチル−4
(R),5(R)−(−ジヒドロキシ−メチル)−1,
3−ジオキソラン〔b.p.120℃(kugelroh
r)〕を得た。
【0059】(d)水素化ナトリウム(油中60%分散
液16.8g;0.36mol )を、ヘキサン(2×10
0mL)とともに撹拌して油分を除き、カニューレを用い
て上澄み液を除去した。水酸化ナトリウムは蒸発によっ
てヘキサンを除いた。水酸化ナトリウム(油分なし)と
THF150mLの混合物中に、2,2−ジメチル−4
(R),5(R)−(−ジヒドロキシ−メチル)−1,
3−ジオキソラン29g(0.18mol )のTHF(1
00mL)溶液を30分間かけて添加した。反応混合物を
1時間撹拌し、臭化ベンジル68g(0.36mol )の
THF(50mL)溶液を15分間かけて添加し、得られ
た混合物を窒素雰囲気下で一夜撹拌した。
【0060】その反応混合物を2時間還流させ、室温ま
で冷却し、水50mLで希釈し、次いで減圧で濃縮した。
残留物をトルエン50mLで抽出し、得られた有機層を硫
酸ナトリウムで乾燥し次いで減圧で濃縮した。残留物を
6インチ(15.24cm)シリカパッドを通過させ、1
0%塩化メチレン含有ヘキサン次いで15%酢酸エチル
含有ヘキサンによって溶離した。後者の画分を濃縮して
42g(収率68.6%)の2,2−ジメチル−4
(R),5(R)−(−ジベンジルオキシ−メチル)−
1,3−ジオキソランを得た。
【0061】(e)メタノール(100mL)に2,2−
ジメチル−4(R),5(R)−(−ジベンジルオキシ
−メチル)−1,3−ジオキソラン42g(0.122
mol )を含む溶液に0.5N HCl溶液10mLを添加
し、そして得られた混合物を75℃まで加熱し、アセト
ン/メタノールをゆっくり5時間かけて蒸留した。反応
混合物を室温まで冷却し、0.5N HCl溶液5mLと
メタノール25mLを添加し、次いでその混合物を減圧濃
縮した。残留物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性に
し、ベンゼン500mLで抽出し次いで有機層を乾燥し、
濾過し、減圧濃縮を行った。残留物をクロマトグラフィ
ーで精製して、7.5g(収率20.3%)の1,4−
ジベンジルオキシ−2(R),3(R)−(ジヒドロキ
シ)ブタンを得た。
【0062】(f)トルエン250mL中に1,4−ジベ
ンジルオキシ−2(R),3(R)−(ジヒドロキシ)
−ブタン7.5g(24.8mmol)と1,1−ジメトキ
シ−2−ブロモ−2−メチルプロパン4.1g(20.
8mmol)を含むもの、およびPPTS0.5gの反応混
合物を、窒素雰囲気下、ディーン・スタークのトラップ
を用いて1時間還流しながら、生成したメタノールを共
沸させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、飽和
重炭酸ナトリウム溶液、水およびブラインで続けて洗浄
し、乾燥し次いで減圧濃縮を行った。残留物を6インチ
(15.24cm)のシリカパッドを通過させ、ヘキサン
/酢酸エチル(7:2)1000mLで溶離した。溶出液
を減圧濃縮して、8.9g(収率82.4%)の2−
〔2′−ブロモ−2−メチルプロピル〕−4(R),5
(R)−(トランス−ジベンジルオキシ−メチル)−
1,3−ジオキソランを得た。
【0063】(g)カリウムtert−ブトキシド
(0.8g;7.13mmol)をTHF(15mL)に含む
懸濁液に、2−〔2′−ブロモ−2−メチルプロピル〕
−4(R),5(R)−(トランス−ジベンジルオキシ
−メチル)−1,3−ジオキソラン2.12g(4.8
mmol)のTHF(5mL)溶液を15分間かけて添加し
た。反応混合物を窒素雰囲気下室温で2時間撹拌し、
3″シリカパッドを通過させエーテル300mLで溶離し
た。溶出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧で濃
縮して、1.7g(収率98.3%)の2−プロピリデ
ン−4(R),5(R)−(トランス−ジベンジルオキ
シ−メチル)−1,3−ジオキソラン〔式V:R3 =R
4 =CH3 ;そしてR5 とR6 は一体となって(R,
R)−O−CH(CH2 OCH2 Ph)CH(CH2
CH2 −Ph)O−である〕を粘稠な油状物として得
た。
【0064】製造例3 (a)メタノール35.5g(1.1mol )を無水エー
テル(400mL)に含む溶液を−5℃まで冷却し、これ
をHClガスで飽和した(発熱反応が終るまで)。上記
溶液にイソブチロニトリル69.1g(1mol )を添加
し、得られた混合物を入れた容器に栓をし、冷蔵庫に2
4時間貯蔵した。沈澱した固体を濾過し、無水エーテル
(750mL)で洗浄し、減圧オーブン内で40時間乾燥
して、125g(収率90.8%)の1−イミノ−1−
メトキシイソブタン塩酸塩を得た。
【0065】(b)乾燥メタノール(3°Aシーブ(s
ieves)で乾燥した)200mLに溶解した1−イミ
ノ−1−メトキシイソブタン塩酸塩(67g、0.48
7mol )に、無水エーテル900mLを添加し、得られた
反応混合物を窒素雰囲気下45℃で18時間加熱した。
反応混合物を氷浴中で冷却し、濾過し、次いで濾液に固
体のナトリウムメトキシドを添加することによって塩基
性(pH=8.6)にした。溶媒を蒸気浴上で除去し、次
いで残留物を蒸留すると、10gの1,1,1−トリメ
トキシイソブタンが得られ、この生成物をNaH上で再
び蒸留して9g(収率13%)の1,1,1−トリメト
キシイソブタン(b.p.134〜136℃)を得た。
【0066】(c)1,1,1−トリメトキシイソブタ
ン3.8g(25.6mmol)および2(R),4(R)
−ジヒドロキシペンタン3g(28.8mmol)をトルエ
ン(100mL)に含む混合物に、PPTS200mgを添
加し、得られた反応混合物を、窒素雰囲気下、ディーン
−スタークトラップを用いて20時間還流させながら、
生成したメタノールを共沸させた。反応混合物を冷却
し、飽和重炭酸ナトリウム溶液、水およびブラインで続
けて洗浄した。得られたトルエン層を乾燥し、溶媒を窒
素雰囲気下で濃縮し、残留物を蒸留して、2.1g(収
率52.5%)の2−イソプロピリデン−4(R),6
(R)−ジメチル−1,3−ジオキサン(式V:R3
4 =CH3 ;R5 とR6 は一体になって(R,R)−
O−CH(CH3)CH2 CH(CH3 )O−を形成し
ている)(b.p.95〜100℃/10mm)を得た。
【0067】(d)トルエン(3°Aシーブで乾燥)1
50mL中に1,1,1−トリメトキシイソブタン15.
6g(0.105mol )、2(S),4(S)−ジヒド
ロキシペンタン10g(0.0962mol )およびPP
TS251mgを含む混合物を、アルゴン雰囲気下、ディ
ーン−スタークトラップを用いて、1.5時間還流させ
ながら、生成した水を共沸させた。反応混合物を冷却
し、カリウムtert−ブトキシド1.2gを添加し、
次いで溶媒を蒸留した。残留物にエーテル(100mL)
を添加し、スーパーセルパッド(supercel pad)を通過
させ、エーテル300mLで溶離し次いで合わせた溶媒を
減圧蒸留した(<40℃)。残留物を蒸留して、14.
3g(収率79.4%)の2−イソプロピル−2−メト
キシ−4(R),6(R)−ジメチル−1,3−ジオキ
サン(b.p.78〜82℃/15mm)を得た。
【0068】(e)2−イソプロピル−2−メトキシ−
4(R),6(R)−ジメチル−1,3−ジオキサン
3.8g(20.2mmol)に、アルミニウムter−ブ
トキシド4.97g(20.2mmol)を添加し、生成し
た混合物を窒素雰囲気下180℃まで加熱し(30分間
かけて)、次いでこの温度を1時間維持して、生成した
ter−ブタノールを蒸留した。残留物を冷却しそして
蒸留して(反応フラスコから直接蒸留)、2.05g
(収率65%)の2−イソプロピリデン−4(R),6
(R)−ジメチル−1,3−ジオキサン(式V:R3
4 =CH3 ;R5 とR6は一体となって(R,R)−
O−CH(CH3 )CH2 CH(CH3 )O−を形成し
ている)(b.p.75〜78℃/アスピレータによる減
圧)を得た。
【0069】製造例4 (a)イソブチロニトリル138.2g(2mol )をエ
タノール(101.2g、2.2mol )に含む溶液を0
℃まで冷却し、この溶液を、1.5L/min の速度で3
5分間無水HClガスで飽和した(HClの総容量=
1.5L:2.2mol )。得られた混合物を容器に入れ
しっかりと栓をし、冷蔵庫(−5℃)に5日間貯蔵し、
次いで室温にて18時間撹拌した。生成した固体を濾過
によって除去し、濾液を、2Lの無水エーテル中に撹拌
しながら注入し、そして得られた反応混合物を0〜5℃
で30分間撹拌した。沈澱した固体を濾過し、無水エー
テルで洗浄し次いで減圧オーブン中で乾燥して(KOH
上)、150g(収率98.9%)の1−イミノ−1−
エトキシイソブタン塩酸塩を得た。
【0070】(b)無水エーテル(3.5L)中に1−
イミノ−1−エトキシイソブタン塩酸塩(150g、
0.989mol )およびエタノール550g(11.9
mol )を含む混合物をアルゴン雰囲気下で72時間還流
させた(38〜39℃)。反応混合物を室温まで冷却
し、室温で2日間放置し次いで濾過した。濾液を10%
炭酸ナトリウム溶液で洗浄し(2×1L)続いて飽和炭
酸ナトリウム溶液で洗浄した(1×1L)。有機層を乾
燥し(炭酸カリウム)、次いで溶媒を減圧で濃縮した
(浴温度<30℃)。残留物をエーテル300mLに溶解
し、濾過し、そして濾液を、10%NaOH水溶液およ
び水で連続して洗浄し次いで乾燥した(炭酸カリウ
ム)。
【0071】溶媒を減圧で除去し(浴温<30℃)、残
留液体をヘキサン250mLで希釈し、氷浴で冷却し(1
時間)次いで濾過した。濾液を減圧で濃縮し(<30
℃)、残留物を蒸留して、55.2g(収率28%)の
1,1,1−トリエトキシイソブタン(b.p.70〜72
℃/27mm)を得た。
【0072】(c)12″のビグリュー(Vigreu
x)蒸留カラムを備えた反応フラスコに入れた1,1,
1−トリエトキシイソブタン55g(0.289mol )
とアルミニウムtert−ブトキシド60g(0.24
4mol )の反応混合物を170℃まで30分間かけて加
熱し、この温度を1時間維持し、生成したtert−ブ
タノールを蒸留した。t−ブタノールの蒸留が完了した
とき、ビグリューカラムを短経路(short path)蒸留装
置と取替えて蒸留を続けて、31g(収率74.5%)
1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン(式
V:R3 =R4 =CH 3 ;R5 =R6 =OC2 5
(b.p.90〜120℃)を得た。
【0073】製造例5 (a)m−メトキシベンジルアルコール50g(0.3
26mol )を無水エーテル(1.1L)に含む溶液を−
20℃まで冷却し、これに、10M n−ブチルリチウ
ムのヘキサン溶液76mL(0.76mol )を、少しず
つ、内部温度を−10℃より低い温度に維持する速度で
添加した。得られた混合物を室温まで昇温させ次いで2
時間撹拌した。
【0074】上記反応混合物を0℃まで冷却し、TME
DA(42g;0.362mol )を添加した。得られた
反応混合物を−30℃まで冷却し、次にピリジン−4−
カルボキシアルデヒド58g(0.542mol )を5分
間かけて添加し(−10℃)、次にその混合物を30分
間かけて0℃まで昇温させた。
【0075】反応混合物に、30分間撹拌しながら水5
00mLを加えることによってクエンチし次いでその混合
物を一夜冷蔵庫で冷却した。沈澱したジオールを濾過に
よって分離し、エーテルで洗浄し、乾燥し、次いでエタ
ノールから結晶化して、30g(33.8%)の2−
〔1−ヒドロキシ−(2′−メトキシ−6′−ヒドロキ
シメチル)−ベンジル〕ピリジン(式XIII:R1 =R7
=H;R2 =2′−OCH3 )を得た。濾液を濃縮し、
エーテルで希釈して、追加のジオール13.1g(収率
14.7%)を得た。
【0076】(b)45%HBr(75mL)を含む酢酸
中に2−〔1−ヒドロキシ−(2′−メトキシ−6′−
ヒドロキシメチル)−ベンジル〕ピリジン13.1g
(53.4mmol)を含む混合物を20時間還流させ、得
られた反応混合物を室温まで冷却した。蒸留によって酢
酸の部分を除いた後、その混合物に45%HBr25mL
を添加しさらに4時間還流させた。その反応混合物を室
温まで冷却し、塩化メチレン700mL中に撹拌しながら
注入し、沈澱した固体を濾過によって単離して、9g
(収率61.2%)の10−ヒドロキシベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ブロミド(式IV:R1 =R7 =H;R2
=10−OH;X- =Br- )を得た。
【0077】上記濾液を減圧濃縮して、4g(収率2
5.8%)の10−メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウ
ム ブロミド(式IV:R1 =R7 =H;R2 =10−O
CH3;X- =Br- )を得た。上記の10−ヒドロキ
シベンゾ〔b〕キノリジニウム ブロミド(9g)を、
アセトニトリル600mLに溶解し、その溶液を還流し、
次いで得られた混合物を熱いうちに濾過することによっ
て精製した。固体生成物を濾過し、次いでエーテルで洗
浄して、5gの10−ヒドロキシベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム ブロミドを得た。
【0078】(c)10−ヒドロシキベンゾ〔b〕キノ
リジニウム ブロミド6.5g(23.6mmol)を塩化
メチレン/ピリジン(1:1)400mLに含む溶液に、
DMAP100mgおよび無水酢酸50mLを添加し、得ら
れた反応混合物をアルゴン雰囲気下室温で2時間撹拌し
た。反応混合物を減圧濃縮した。残留物を10%NaC
lO 4 /CH2 Cl2 (2:1)(300mL)に懸濁さ
せ次いで超音波処理を行った。濾過を行って固体を集め
て、4.3g(収率55.9%)の10−アセトキシベ
ンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラートを得た。
【0079】上記の10−アセトキシベンゾ〔b〕キノ
リジニウム ペルクロラート(3.3g)を水500mL
に溶解し、その溶液を沸騰させて濾過した。濾液に30
%過塩素酸ナトリウム溶液100mLを添加しその混合物
を冷却した。沈澱した固体を濾過して単離し次いで減圧
乾燥して、1.9gの10−アセトキシベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ペルクロラート(式IV:R1 =R7
H;R2 =10−OAC;X- =ClO4 - )を得た。
濾液を塩化メチレン(3×100mL)で抽出し、有機層
を乾燥し次いで濃縮してさらに0.32gの所望のアセ
テート ペルクロラートを得た。
【0080】製造例6 (a)o−メトキシベンジル クロリド9.4g(60
mmol)および2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)
ピリジンをスルホラン(6mL)中に入れた混合物を80
℃で5時間加熱し、室温まで冷却し、次いで一夜放置し
た。得られた混合物を酢酸エチル100mL中に注入し反
応混合物を30分間撹拌した。酢酸エチルをデカントす
ることによってガム状の沈澱を単離し、次いでその沈澱
を酢酸エチル(2×)で研和した。ガム状生成物を水1
00mLに溶解し、濾過し、次いでヘキサフルオロリン酸
カリウムの熱水溶液150mLで処理した。固体の塩を濾
過によって単離し、熱水およびエーテルで続けて洗浄
し、次いで乾燥して、7.4g(収率29.6%)の
−(o−メトキシベンジル)−2(1,3−ジオキソラ
ン−2−イル)ピリジニウム ヘキサフルオロホスフェ
ート(式X:R1 =R7 =H;R2 =2′−OCH3
- =PF6 - )を得た。
【0081】(b)油浴中で95℃まで加熱したポリリ
ン酸50gに、撹拌しながら、1−(o−メトキシベン
ジル)−2(1,3−ジオキソラン−2−イル)ピリジ
ニウム・ヘキサフルオロホスフェート5g(12mmol)
を添加し、得られた反応混合物を、95℃の温度で窒素
雰囲気下撹拌しながら5時間加熱した。得られた反応混
合物を、40℃まで冷却し、水125mLを添加し、さら
に追加の水125mLを添加した。得られた混合物を室温
まで冷却し、ヘキサフルオロリン酸カリウム(5g、2
7mmol)を添加し、沈澱した固体を濾過で単離し、次に
所望の塩を水とエーテルで続けて洗浄し次いで乾燥し
て、3.2g(収率74.9%)の7−メトキシベンゾ
〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオロホスフェート
(式IV:R1 =R7=H;R2 =7−OCH3 ;X-
PF6 - )を得た。
【0082】製造例7 (a)アセトン500mL中に2−エチル酪酸116g
(1mol )、硫酸ジメチル135g(1.05mol )お
よび炭酸カリウム155g(1.12mol )を入れた混
合物を、室温で窒素雰囲気下一夜撹拌し次いで窒素雰囲
気下で1時間還流させた。反応混合物を室温まで冷却
し、濾過し、次に残留固形物をエーテル500mLで洗浄
した。濾液を集めて減圧濃縮を行い、残留物をエーテル
に再溶解し、そのエーテル溶液を、水とブラインで続け
て洗浄し、次いで乾燥した。溶媒を濃縮し、次に残留液
を蒸留して、70g(収率53.8%)の2−エチル酪
酸メチル(b.p.135〜137℃)を得た。
【0083】(b)ジイソプロピルアミン10.1g
(0.1mol )をTHF(75mL)に含む溶液を0℃に
冷却し、この溶液に、10M n−ブチルリチウムのヘ
キサン溶液10mL(0.1mol )を添加し、混合物を5
分間撹拌した。反応混合物を−78℃に冷却し、2−エ
チル酪酸メチル13g(0.1mol )を含むTHF(1
5mL)を10分間かけて添加した。得られた混合物を−
78℃で1.5時間撹拌し、次いでトリメチルシリル
クロリド(キノリン上で新たに蒸留したもの)21.8
g(0.2mol )を10分間かけて添加し、続いてさら
に−78℃で15分間撹拌した。反応混合物を室温まで
昇温させ、30分間撹拌し、溶媒を減圧で濃縮し、次い
で残留物をペンタン100mLに再溶解し濾過した。濾液
を減圧濃縮し、残留液を蒸留して、15.5g(収率7
6.7%)の2,2−ジエチル−1−(トリメチルシリ
ルオキシ)−1−メトキシエチレン(式V:R3 =R4
=C2 5 ;R5=OSi(CH3 3 ;R6 =OCH
3 )(b.p.94〜97℃/55mm)を得た。
【0084】製造例8 (a)テトラクロロエタン25mLにN−ホルミルピロリ
ジン塩酸塩9.3g(69mmol)を含む混合物に、混合
物の色が黄色に変わるまで塩素ガスを通過させた。上記
混合物に、塩素ガスをゆっくり通過させながら、イソブ
チルアルデヒド50g(0.693mol )を、内部温度
を55℃に維持する速度で少しずつ添加した。イソブチ
ルアルデヒドを添加した後、混合物を20分間撹拌し
(55℃)、<50℃/25mmで蒸留した(イソブチル
アルデヒドを50%回収した)。追加のイソブチルアル
デヒドを、少しずつ(注射器によって)2時間かけて上
記混合物に添加し、次いで55℃で1時間撹拌した。生
成物を蒸留して45g(収率61.6%)の2−クロロ
−2−メチルプロパナール(b.p.<40℃/25mm)を
得た。
【0085】(b)2−クロロ−2−メチルプロパナー
ル45g(0.424mol )、エタノール99.6mL
(1.69mol )およびオルトギ酸トリエチル81.6
g(0.55mol )を塩化メチレン100mLに含む混合
物に、p−トルエンスルホン酸800mg(4.2mmol)
を添加し、室温で撹拌した。上記混合物に炭酸カリウム
2gを添加した後、反応混合物を(2分間)撹拌し次い
で濾過した。濾液を濃縮して(80℃)塩化メチレンを
除去し、次いで残留物を蒸留して(2×)、52g(収
率68.2%)の2−クロロ−2−メチルプロパナール
ジエチルアセタール(b.p.55〜65℃/25mm)を
得た。
【0086】(c)2−クロロ−2−メチルプロパナー
ル ジエチルアセタール12g(66.6mol )、およ
びエチレングリコール15g(0.24mol )をトルエ
ン200mLに含む混合物に、PPTS500mgを添加
し、得られた混合物を、ディーン−スタークのトラップ
を用い、16時間にわたって、生成した水を共沸させな
がら窒素雰囲気下で還流させた。混合物を室温まで冷却
し、有機層を分離し、その有機層を飽和重炭酸ナトリウ
ム溶液、水、次にブラインで洗浄し、Na2 SO4 で乾
燥し、そして溶媒を減圧で除去することによって、所望
のジオキソランを単離した。生成物を、蒸留して、7g
(収率69.7%)の2−〔2′−(2′−クロロ)プ
ロピル〕−1,3,−ジオキソラン(b.p.55〜60℃
/アスピレータ)を得た。
【0087】(d)カリウムt−ブトキシド7.15
(63.7mmol)をTHF(100mL)に含む懸濁液
に、2−〔2′−(2′−クロロ)プロピル〕−1,
3,−ジオキソラン6.4g(42.5mmol)を含むT
HF(10mL)を少しずつ15分間かけて添加した。そ
の発熱反応混合物を15分間撹拌し、次に有機溶媒を蒸
留した。残留液体は2−イソプロピリデン−1,3−ジ
オキソラン(式V:R3 =R4 =CH3 ;R5 とR6
一体となって−OCH2 CH2 O−を形成している)で
あった。
【0088】製造例9 (a)o−メトキシベンジルアルコール63.55g
(0.46mol )をエーテル1.5Lに添加して得た混
合物を−40℃に冷却し、これに、10M n−ブチル
リチウム(100mL)を2回に分けて30分かけて添加
し、その反応混合物を(浴を外して)徐々に室温まで昇
温させて30分間撹拌した。
【0089】上記反応混合物を−20℃まで冷却し、こ
れに2−ピリジンカルボキシアルデヒド69.7g
(0.651mol )を添加し、得られた反応混合物を室
温まで昇温させた。1時間後、塩化アンモニウム溶液を
上記混合物に添加した。生成したジオールを酢酸エチル
で抽出し硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧で除去し
た。残渣を酢酸エチル/エーテルから再結晶して(2
×)、68.5g(収率60.7%)の2−〔1−ヒド
ロキシ−(2′−メトキシ−6′−ヒドロキシメチル)
−ベンジル〕ピリジン(式XIII:R1 =R7 =H;R2
=2′−OCH3 )を得た。
【0090】(b)2−〔1−ヒドロキシ−(2′−メ
トキシ−6′−ヒドロキシメチル)ベンジル〕−ピリジ
ン25g(0.102mol )にPOCl3 30mLを撹拌
しながら迅速に添加し、得られた混合物を、110℃に
予め加熱した油浴中に入れた。上記発熱反応混合物(H
Clガスを発生している)を冷却し、塩化メチレン25
0mLを添加し、溶媒をデカントして油状物を得た。この
油状物を水に溶解し、過塩素酸ナトリウム5gで処理
し、そして沈澱したペルクロラート(perchlor
ate)を濾過によって単離した。
【0091】上記のデカントした有機溶媒を濃縮し、残
留塩化物を塩化メチレン100mLで研和し、沈澱した固
体を濾過し、次いで過塩素酸ナトリウム溶液で処理して
ペルクロラートに変換した。合わせたペルクロラートを
メタノールから結晶化して、12.2g(収率38.7
%)の10−メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ペ
ルクロラート(式IV:R1 =R7 =H;R2 =10−O
CH3 ;X- =ClO4 - )を得た。
【0092】製造例10 (a)250mLの反応フラスコに入れた、ピリジン−2
−カルボキシアルデヒド エチレンアセタール(20
g;0.13mol )、4−メトキシベンジル クロリド
(21.2g;0.13mol )およびスルホラン(5m
L)の混合物を、窒素雰囲気下、撹拌しながら95℃ま
で4時間加熱し、次いでその混合物を室温で一夜反応さ
せた。有機溶媒をデカントし、生成したガム状沈澱を酢
酸エチル:ヘキサン(2:8)で研和し、撹拌しながら
還流し次いで冷却した。溶媒をデカントして、1−(p
−メトキシベンジル)ピリジン−2−カルボキシアルデ
ヒド エチレンアセタール クロリド(式IX:R1 =R
7 =H;R2 =4′−OCH3 ;Z-=Cl- )を得
た。
【0093】(b)ポリリン酸(100g)およびメタ
ンスルホン酸10mLを撹拌しながら95℃まで加熱し、
次いで1−(p−メトキシベンジル)ピリジン−2−カ
ルボキシアルデヒド エチレンアセタール クロリド1
2g(28mmol)を少しずつ10分間かけて添加し、3
時間反応させた。その反応混合物を室温で一夜放置し
た。
【0094】その反応混合物を氷水中に注入し、ヘキサ
フルオロリン酸カリウムを添加し、沈澱した塩を濾過し
た。固体生成物をアセトニトリル/水から再結晶させ
て、9−メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキサ
フルオロホスフェート(式IV:R1 =R7 =H;R2
9−OCH3 ;X- =PF6 - )を得た。あるいは9−
メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオロ
ホスフェートを以下のようにして製造した。
【0095】(c)1−(p−メトキシベンジル)ピリ
ジン−2−カルボキシアルデヒド エチレンアセタール
クロリド(10.0g)を水(100mL)に溶解し、
次いでヘキサフルオロリン酸カリウム(10.0g)で
処理した。生成した沈澱を濾過して集め、60℃で減圧
乾燥して、9gの1−(p−メトキシベンジル)ピリジ
ン−2−カルボキシアルデヒド エチレンアセタール
ヘキサフルオロホスフェート(式X:R1 =R7 =H;
2 =4′−OCH3 ;X- =PF6 - )を得た。
【0096】(d)ポリリン酸(100g)およびメタ
ンスルホン酸(10mL)の混合物を95℃に加熱し、次
いで1−(p−メトキシベンジル)ピリジン−2−カル
ボキシアルデヒド エチレンアセタール ヘキサフルオ
ロホスフェート(5.0g)を少しずつ添加した。その
混合物を1時間加熱し次いで一夜放置した。反応混合物
に水(200mL)を添加し、続いてヘキサフルオロリン
酸カリウム(5.0g)を添加し、次にその混合物を追
加の水(200mL)で希釈した。生成した沈澱を濾過に
よって集め、5.4gの9−メトキシベンゾ〔b〕キノ
リジニウム ヘキサフルオロホスフェート(式IV:R1
=R7 =H;R2 =9−OCH3 ;X- =PF 6 - )を
得た。
【0097】製造例11 (a)3−メトキシベンジルアルコール(50.0g)
をエーテル(1.1L)に含む溶液(−20℃)に、n
−BuLi(76.0mL、10.0Mヘキサン溶液)
を、内部反応温度を−10℃より低く維持するような速
度で添加した。その反応混合物を室温まで昇温させ、2
時間撹拌し、0℃まで冷却してテトラメチルエチレンジ
アミン(42.0g)を添加した。混合物を−30℃に
冷却し次いで2−ピリジンカルボキシアルデヒド(5
8.0g)を5分間かけて添加した。反応混合物を0℃
まで昇温させ、水(500mL)でクエンチし次いで一夜
冷却した。生成した沈澱を濾過して集め、エーテルで洗
浄し、エタノールから再結晶して、30.0gのα−
〔2−(ヒドロキシメチル)−6−メトキシフェニル〕
−2−ピリジンメタノール(式XIII:R1 =R7 =H;
2 =6−OCH3 )を得た。
【0098】(b)2−〔2−(ヒドロキシメチル)−
6−メトキシフェニル〕−2−ピリジンメタノール(2
0.0g)および45%臭化水素酸の酢酸(100mL)
溶液の混合物を100℃で9時間加熱し、次いで室温下
で一夜放置した。反応混合物を減圧濃縮し、次いで残留
物を25% NaClO4 水(400mL)溶液で処理
し、15分間撹拌した。その混合物をジクロロメタン
(6×200mL)で抽出し、有機層を合わせ、Na2
4 で乾燥し、次いで減圧濃縮した。残留物にエーテル
を添加し、その混合物を超音波で処理した。生成物を濾
過して集めジクロロメタンで洗浄して、5.6gの10
−メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラー
(式IV:R1 =R7 =H;R2 =10−OCH3 ;X
- =ClO4 - )を得た。
【0099】製造例12 α−〔2−(ヒドロキシメチル)−6−メトキシフェニ
ル〕−2−ピリジンメタノール(1.6g)を含むベン
ゼン(70mL)(90℃)に、無水トリフルオロメタン
スルホン酸(6.47g)を添加した。混合物を30分
間撹拌し次いで溶媒を減圧で濃縮した。残留物を、9%
〜10%メタノール/CH2 Cl2 で溶離するシリカの
カラムクロマトグラフィーで精製し、次いでクロマトグ
ラフィーの溶媒を減圧で除去した。残渣を水(30mL)
に溶解し、NaClO4 (3.0g)で処理した。生成
した沈澱を濾過して集めて、0.86gの10−メトキ
シベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I
V:R1 =R7 =H;R3 =10−OCH3 ;X- =C
lO4 - )を得た。
【0100】製造例13 ベンゾ〔b〕キノリジニウム ブロミド(508.5
g、1.95mol )(Bradsherおよび Parham, J. Org.
Chem., 28巻、83〜85頁、1963年の実施例 VIIa)を、
加熱しながら蒸留水(5L)に溶解し、次にヘキサフル
オロリン酸カリウム(367.2g、1.95mol )を
含む水(1.1L)を少しずつ添加した。添加を完了し
た後、混合物を周囲温度下で3時間撹拌し、次いで0℃
で1時間撹拌した。混合物を濾過し冷水で洗浄して、6
01g(収率94.8%)のベンゾ〔b〕キノリジニウ
ム ヘキサフルオロホスフェート(式IV:R1 =R2
7=H;X- =PF6 - )を得た。
【0101】製造例14 (a)製造例18(a)〜18(b)に記載されている
方法と類似の方法にしたがって、p−トリクロロメチル
ベンジル ブロミドと2−(1,3−ジオキソラン−2
−イル)ピリジンとから9−トリクロロメチルベンゾ
〔b〕キノリジニウムヘキサフルオロホスフェートを製
造できると考えられる。
【0102】(b)製造例21(a)〜21(b)に記
載されている方法と類似の方法にしたがって、o−ブロ
モベンジルアルコールと6−ブロモ−2−ピリジンカル
ボキシアルデヒドから4−ブロモベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム ペルクロラートを製造できると考えられる。
【0103】製造例15 (a)o−ブロモベンジルアルコール38.6g(0.
206mol )をTHF(400mL)に含む溶液(−78
℃)に、10M n−ブチルリチウムのヘキサン溶液4
2mL(0.42mol )を滴下して加え、次いでその混合
物を−78℃で60分間撹拌した。内部温度を−50℃
より低い温度に保ちながら、上記混合物に、2−アセチ
ルピリジン(25g;0.206mol )を含むTHF
(50mL)を添加し、反応混合物を上記の温度で30分
間撹拌し、次いで得られた混合物を室温まで上昇させ
た。
【0104】撹拌しながら、反応混合物に飽和塩化アン
モニウム溶液400mLを添加してクエンチし次いで減圧
で濃縮した。残留物をクロロホルム(3×)で抽出し、
硫酸ナトリウムで乾燥し、残っている液体を濾過し減圧
濃縮して、21.3gの2−〔1−ヒドロキシ−1−メ
チル−(2′−ヒドロキシメチル)−ベンジル〕ピリジ
(式XIII:R1 =R2 =H;R7 =CH3 )をm.p.1
72〜174℃の白色固体として得た。
【0105】(b)150mL(1.6mol )のPOCl
3 に2−〔1−ヒドロキシ−1−メチル−(2′−ヒド
ロキシメチル)−ベンジル〕ピリジン(9.1g(39
mmol)を添加して得た混合物を、激しく撹拌しながら1
05℃で6時間加熱し、次いで反応混合物を室温まで冷
却した。不均質な溶液を氷水(1000mL)中に、はげ
しく撹拌しながら注入し、次いで過塩素酸ナトリウム5
0gを撹拌しながら(10分間)添加した。固体の生成
物を濾過し、水、エーテル、酢酸エチルで洗浄し、次い
で乾燥して、4.5g(収率38.8%)の11−メチ
ルベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I
V:R1 =R2 =H;R7 =CH3 ;X- =Cl
4 - )を得た。
【0106】製造例16 (a)製造例3(d)に記載されている方法と類似の方
法にしたがって、1,1,1−トリメトキシ−イソプロ
パン(21.7g;0.146mol )とプロパン−1,
3−ジオール(10.1g;0.132mol )とから、
2−メトキシ−2−イソプロピル−1,3−ジオキサン
を製造した。生成物を蒸留によって精製して、17.1
g(収率81%)の2−メトキシ−2−イソプロピル−
1,3−ジオキサンをb.p.78〜80℃/30mmの油状
物として得た。
【0107】(b)製造例3(e)に記載した方法と類
似の方法にしたがって、2−メトキシ−2−イソプロピ
ル−1,3−ジオキサン(17.1g;0.106mol
)とアルミニウムトリt−ブトキシド(26.2g、
0.106mol )から2−イソプロピリデン−1,3−
ジオキサンを製造した。生成物を蒸留によって精製し
て、6.5g(収率47.4%)の2−イソプロピリデ
ン−1,3−ジオキサン(式V:R3 =R4 =CH3
5 とR6 は一体となって−O(CH2 3 O−を形成
している)を、b.p.70〜72℃/30mmの油状物とし
て得た。
【0108】製造例17 1,1,1−トリエトキシ−イソプロパン(32.2
g、0.144mol )とアルミニウムトリt−ブトキシ
ド(35.6g、0.144mol )の混合物を、撹拌し
ながら100℃まですばやく加熱し、続いて170℃〜
180℃まで徐々に加熱し、次いでt−ブタノールの流
出が完了するまで170〜180℃に維持した。分別蒸
留ヘッドを外して短経路蒸留ヘッドに替えて蒸留して、
11.67gの1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチル
エチレン(式V:R3 =R4 =CH 3 ;R5 =R6 =O
2 5 )(10〜20%の2−メチルプロピオン酸エ
チルを含有)を得た。
【0109】製造例18 (a)p−トリフルオロメチルベンジル ブロミド4.
8g(0.02mol )および2−(1,3−ジオキソラ
ン−2−イル)ピリジン3g(0.019mol )の混合
物を室温で撹拌し、次いで濾過した。固体の残留物をエ
ーテルで洗浄し、次いで減圧乾燥を行って、6g(収率
76.9%)の1−(p−トリフルオロメチルベンジ
ル)−2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−ピリ
ジニウムブロミド(式IX:R1 =R7 =H;R2 =4−
CF3 ;Z- =Br- )を得た。
【0110】(b)1−(p−トリフルオロメチルベン
ジル−2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−ピリ
ジニウム ブロミド(5g;0.0128mol )、ポリ
リン酸(50g)およびメタンスルホン酸(5g;0.
052mol )の混合物を110℃まで加熱した。得られ
た混合物を冷却し、水で希釈し、次いでその反応混合物
に、ヘキサフルオロリン酸カリウム6gの水溶液を添加
した。得られた固体生成物を濾過し次いで乾燥して、
3.05g(収率61%)の9−トリフルオロメチルベ
ンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオロホスフェー
(式IV:R1 =R7 =H;R2 =9−CF3 ;X-
PF6 - )を得た。
【0111】製造例19 (a)3,5−ジフルオロベンジル ブロミド5g
(0.024mol )と2−(2′−ピリジル)−1,3
−ジオキソラン3.6g(0.024mol )の混合物を
室温で48時間撹拌し次いで濾過した。反応混合物を水
とエーテル間に分配し、水性相を分離し、ヘキサフルオ
ロリン酸カリウム水溶液で処理した。固定残留物を濾過
し、次いで減圧乾燥して、9g(収率76.9%)の
−(3,5−ジフルオロベンジル)−2−(1,3−ジ
オキソラン−2−イル)−ピリジニウム ヘキサフルオ
ロホスフェートを得た。
【0112】(b)1−(3,5−ジフルオロベンジ
ル)−2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−ピリ
ジニウム ヘキサフルオロホスフェート(9g;0.0
21mol )、ポリリン酸(90g)およびメタンスルホ
ン酸9mLの混合物を110℃で7時間加熱し、次いで室
温で一夜撹拌した。その反応混合物を水200mLに注入
し、次いで撹拌しながら、ヘキサフルオロリン酸カリウ
ム9gの温水溶液を添加した。得られた淡黄色の固体生
成物を濾過し次に乾燥して、6.5g(収率86%)の
8,10−ジフルオロベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘ
キサフルオロホスフェート(式IV:R1 =R7 =H;R
2 =8,10−F2 ;X- =PF6 - )を得た。
【0113】製造例20 (a)スルホラン30mL中にp−クロロベンジル クロ
リド47.6g(0.289mol )と2−(1,3−ジ
オキソラン−2−イル)−ピリジン45g(0.298
mol )を含む混合物を、蒸気浴上で4時間加熱した。追
加のp−クロロベンジル クロリド4gを添加した後、
反応混合物を蒸気浴上で12時間加熱し、酢酸エチル3
00mL中に注入した。酢酸エチルをデカントし、残留物
に撹拌しながら(20分間)追加の酢酸エチル200mL
を加え、次いでデカントして過剰の2−(1,3−ジオ
キソラン−2−イル)−ピリジンおよびp−クロロベン
ジル クロリドを除去した。酢酸エチルによる洗浄を繰
返し、次いで褐色の残留物をエーテル300mLで洗浄し
て、92gの1−(p−クロロベンジル)−2−(1,
3−ジオキソラン−2−イル)−ピリジニウム クロリ
(式IX:R1 =R7 =H;R2 =4−Cl:Z- =C
- )を得た。
【0114】(b)1−(p−クロロベンジル)−2−
(1,3−ジオキソラン−2−イル)−ピリジニウム
クロリドと48% HBr 300mLの混合物を100
℃で24時間加熱し、冷却し、減圧濃縮し次いで氷50
g中に注入した。得られた黄褐色の固体を濾過して7.
9gの9−クロロベンゾ〔b〕キノリジニウム クロリ
(式IV:R1 =R7 =H;R2 =9−Cl:X- =C
- )を得た。
【0115】水性層を過塩素酸ナトリウム水溶液で処理
し、生成した固体を冷却し、次いで濾過して、7.9g
(収率9%)の9−クロロベンゾ〔b〕キノリジニウム
ペルクロラート(式IV:R1 =R7 =H;R2 =9−
Cl:X- =ClO4 - )を得た。
【0116】製造例21 (a)エーテル1Lにo−ブロモベンジルアルコール2
8.3g(0.15mol )を添加して得た混合物を−2
0℃に冷却し、これに、10M n−ブチルリチウムの
ヘキサン溶液32.5mL(0.32mol )を少しずつ2
0分間かけて添加し、そしてその反応混合物を1時間撹
拌した。上記の反応混合物を−20℃に冷却し、その混
合物に6−メチル−2−ピリジンカルボキシアルデヒド
19.9g(0.165mol )を添加し、得られた反応
混合物を室温まで上昇させた。1時間後、この混合物に
塩化アンモニウム溶液を添加した。生成したジオールを
酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、酢酸エチル相
を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧で除去し
て、21.9g(収率70.5%)の2−〔1−ヒドロ
キシ−(2′−ヒドロキシメチル)−ベンジル〕−6−
メチル−ピリジン(式XIII:R1 =6−CH3 ;R2
7 =H)を得た。
【0117】(b)2−〔1−ヒドロキシ−(2′−ヒ
ドロキシメチル)−ベンジル〕−6−メチル−ピリジン
10.34g(0.05mol )をベンゼン200mLに添
加して調製した混合物を80℃まで加熱し、これに、無
水トリフルオロメタンスルホン酸50g(0.176mo
l )を一度に添加し、次いでその反応混合物を60℃で
10分間反応させ、次に室温まで冷却させた。反応混合
物を減圧濃縮し、残留物を、9%メタノール/クロロホ
ルムで溶離するシリカのクロマトグラフィーで精製し
て、淡黄色の固体を得た。この固体を水に溶解し、過剰
の過塩素酸ナトリウムと反応させた。固体生成物を濾過
し、水で洗浄し次いで乾燥して、5.54g(総合収率
37%)の4−メチルベンゾ〔b〕キノリジニウム ペ
ルクロラート(式IV:R1 =4−CH3 ;R2 =R7
H;X- =ClO4 - )をm.p.160〜165℃の黄色
固体として得た。
【0118】製造例22 カリウムt−ブトキシド89.3g(0.796mol )
をTHF300mLに加えて調製した混合物(室温)に、
1−ブロモ−2,2−ジエトキシエタン131g(0.
664mol )を30分かけて滴下して加え、そしてその
反応混合物を1時間還流させ次いで冷却した。溶媒を減
圧で除去し、次いで生成物を蒸留して、47.8g(収
率62%)の1,1−ジエトキシエチレン(式V:R3
=R4 =H;R5 =R6 =OC2 5 )をb.p.65〜7
5℃/100mmの無色の油状物として得た。
【0119】製造例23 ベンゾ〔b〕キノリジニウム ブロミド8.22g
(0.0316mol )に、氷浴中で冷却しながら臭素2
4.4mL(0.474mol )を添加し、その反応混合物
を室温で24時間放置した。反応混合物を酢酸エチル中
に注入し、−15℃で24時間で冷凍し、生成した固体
を濾過した。その固体生成物を酢酸エチルで洗浄し、沸
騰メタノール/アセトン(1:1)に溶解し、15分間
還流し、次いで溶液を減圧で濃縮して白色の固体を得
た。この固体を水400mLおよび酢酸ナトリウムととも
に室温下24時間撹拌し、次いで濾過した。得られた赤
色の濾液を過塩素酸ナトリウム(15g)で処理し、生
成した黄色固体を濾過した。この固体生成物を塩化メチ
レン/酢酸エチル(1:1)に溶解し、次いで塩化メチ
レンを減圧下で蒸留した(最初の容積の1/2)。反応
混合物を冷却し次いで固体生成物を濾過して、3.6g
(収率32.3%)の10−ブロモベンゾ〔b〕キノリ
ジニウム ペルクロラート(式IV=R1 =R7 =H;R
2 =10−Br;X - =ClO4 - )(m.p.112〜1
15℃)を得た。
【0120】製造例24 (a)3,4−メチレンジオキシベンジルアルコール1
5.0g(0.098mol )をエーテル250mLに添加
して調製した混合物を−20℃に冷却し、これに、10
M n−ブチルリチウムのヘキサン溶液21.1mL
(0.211mol )を10分間かけて少しずつ添加し、
その反応混合物を室温まで昇温させ1時間撹拌した。上
記の反応混合物を−20℃に冷却し、その混合物に2−
ピリジンカルボキシアルデヒド11.18mL(0.11
7mol )を添加し、得られた反応混合物を室温まで昇温
させた。混合物に塩化アンモニウム溶液(70mL)を加
え、生成した混合物を塩化メチレンで抽出した(3×1
50mL)。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム
で乾燥し、次いで濃縮した。生成したジオールを、酢酸
エチル/ヘキサン(9:1)で溶離するシリカのクロマ
トグラフィーで精製した。そのジオールをエーテルで研
和し、次いで濾過して、8.8g(収率34.7%)の
2−〔1−ヒドロキシ−(6′−ヒドロキシメチル−
2′,3′−メチレンジオキシ)−ベンジルピリジン
(式XIII:R1 =R7 =H;R2 =2′,3′(−OC
2 O−))をm.p.98〜101℃の白色固体として得
た。
【0121】(b)2−〔1−ヒドロキシ−(6′−ヒ
ドロキシメチル−2′,3′−メチレンジオキシ)ベン
ジル〕ピリジン2g(0.0077mol )をベンゼン8
0mLに加え50℃まで加熱して調製した混合物に、無水
トリフルオロメタンスルホン酸7.64g(0.027
mol )を一度に添加し、その混合物を室温まで冷却し、
次いで30分間撹拌した。得られた反応混合物を減圧で
濃縮し、次いで残留物を10%メタノール/塩化メチレ
ンで溶離するシリカのクロマトグラフィーで精製して赤
色の固体を得た。この固体を水に溶解し過剰の過塩素酸
ナトリウムと反応させた。固体の生成物を濾過し、水で
洗浄し、次に乾燥して、0.069g(収率2.4%)
9,10−メチレンジオキシベンゾ〔b〕キノリジニ
ウム ペルクロラート(式IV:R1 =R7 =H;R2
2′,3′(−OCH2 O−);X- =ClO4 - )を
m.p.220〜224℃の橙色固体として得た。
【0122】製造例25 (a)3−メトキシベンジルアルコール5g(0.03
61mol )をエーテル150mLに加えて−20℃まで冷
却して得た混合物に、10M n−ブチルリチウムのヘ
キサン溶液7.7mL(0.077mol )を少しずつ8分
間かけて添加し、その反応混合物を室温まで昇温させて
1時間撹拌した。上記反応混合物を−20℃まで冷却
し、その混合物に2−アセチルピリジン4.8mL(0.
043mol )を添加し、得られた反応混合物を室温まで
昇温させて1時間撹拌した。その混合物に塩化アンモニ
ウム溶液(50mL)を添加し、次にその混合物を酢酸エ
チルで抽出した(3×100mL)。有機層をブラインで
洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。得
られたジオールを、酢酸エチル/ヘキサン(8:2)で
溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、
3.2g(収率34.4%)の2−〔1−ヒドロキシ−
1−メチル(6′−ヒドロキシメチル−2′−メトキ
シ)ベンジル〕ピリジン(式XIII:R1 =H;R2
2′−OCH3 ;R7 =CH3 )を黄色油状物として得
た。
【0123】(b)2−〔1−ヒドロキシ−1−メチル
(6′−ヒドロキシメチル−2′−メトキシ)ベンジ
ル〕ピリジン2g(0.0077mol )をベンゼン60
mLに加えて50℃まで加熱して得た混合物に、無水トリ
フルオロメタンスルホン酸4.89g(0.027mol
)を一度に添加し、次いでその混合物を室温まで冷却
して30分間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、次い
で残留物を、5%メタノール/塩化メチレンおよび10
%メタノール/塩化メチレンで溶離するシリカゲルのク
ロマトグラフィーで精製した。第二番の画分を減圧で濃
縮し、残留物を水に溶解し、加熱還流し、次いで過剰の
過塩素酸ナトリウムと反応させた。固体の生成物を濾過
し、次いで乾燥して0.1g(収率6.3%)の10−
メトキシ−11−メチルベンゾ〔b〕キノリジニウム
ペルクロラート(式IV:R1 =H;R2 =10−OCH
3 ;R7 =CH3 ;X- =ClO4 - )をm.p.208〜
212℃の橙色固体として得た。
【0124】製造例26 (a)o−ブロモベンジルアルコール3.59g(0.
019mol )をエーテル100mLに添加し−20℃に冷
却して得た混合物に、10M n−ブチルリチウムのヘ
キサン溶液4.1mL(0.0412mol )を6分間かけ
て少しずつ添加し、次いでその反応混合物を20分間撹
拌した。上記の反応混合物を−20℃に冷却し、その混
合物に、3−メトキシ−ピリジン−2−カルボキシアル
デヒド3g(0.021mol )を含むTHF 5mLを一
度に添加し、そして得られた反応混合物を室温まで昇温
させて20分間撹拌した。その混合物に塩化アンモニウ
ム溶液(30mL)を添加して、酢酸エチルで抽出した
(3×50mL)。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナト
リウムで乾燥し、次いで濃縮した。得られたジオールを
エーテル100mLで研和し、濾過し、次に4%メタノー
ル/ヘキサンで溶離するシリカゲルのクロマトグラフィ
ーで精製した。溶媒を減圧で濃縮して、0.68g(収
率14.5%)の2−〔1−ヒドロキシ−(2′−ヒド
ロキシメチル)ベンジル〕−3−メトキシピリジン(式
XIII:R1 =3−OCH3 ;R2 =R7 =H)をm.p.1
38〜140℃の白色固体として得た。
【0125】(b)2−〔1−ヒドロキシ−(2′−ヒ
ドロキシメチル)−ベンジル〕−3−メトキシピリジン
0.61g(0.00248mol )をベンゼン50mLに
添加して50℃に加熱して得た混合物に、無水トリフル
オロメタンスルホン酸2.11g(0.0074mol )
を一度に添加し、その混合物を室温まで冷却し30分間
撹拌した。その反応混合物を減圧で濃縮し、残留物を5
%メタノール/塩化メチレンおよび10%メタノール/
塩化メチレンで溶離するシリカゲルのクロマトグラフィ
ーで精製した。第二番の画分を減圧濃縮し、残留物を熱
湯(20mL)に溶解し、加熱還流し、そして過剰の過塩
素酸ナトリウムで処理した。固体生成物を濾過し、水で
洗浄し、乾燥して、0.27g(収率18.2%)の
−メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラー
(式IV:R1 =1−OCH3 ;R2 =R7 =H;X-
=ClO4 - )をm.p.143〜145℃の黄色固体とし
て得た。
【0126】製造例27 (a)3−イソプロポキシベンジルアルコール30g
(0.18mol )をエーテル600mLに添加し−20℃
に冷却して得た混合物に、10M n−ブチルリチウム
のヘキサン溶液38.7mL(0.387mol )を20分
間かけて少しずつ添加し、そしてその反応混合物を室温
まで昇温させて2時間撹拌した。上記反応混合物を−2
0℃まで冷却し、この混合物にピリジン−2−カルボキ
シアルデヒド23.1g(0.216mol )を一度に添
加し、得られた反応混合物を室温まで昇温させ1時間撹
拌した。その混合物に、塩化アンモニウム水溶液(20
0mL)および酢酸エチル100mLを添加した。得られた
混合物を分離し、その水性層を塩化メチレン(2×20
0mL)で抽出し、集めた有機層をブラインで洗浄し、硫
酸ナトリウムで乾燥しそして濃縮した。生成したジオー
ルを、酢酸エチル/ヘキサン(9:1および0.05%
TEA)で溶離するシリカゲルのクロマトグラフィー
によって精製した。溶媒を減圧で濃縮し、得られた褐色
油状物を塩化メチレン/ヘキサンに溶解し、次いで塩化
メチレンを減圧で除去してその容量を1/2にして、1
1.1g(収率22.6%)の2−〔1−ヒドロキシ−
(6′−ヒドロキシメチル−2′−イソプロポキシ)ベ
ンジル〕ピリジン(式XIII:R1 =R7=H;R2
2′−OCH(CH3 2 )を淡褐色の固体として得
た。
【0127】(b)2−〔1−ヒドロキシ−(6′−ヒ
ドロキシメチル−2′−イソプロポキシ)−ベンジル〕
ピリジン11.1g(0.0406mol )に、POCl
3 25mLを1分間以内に添加し、その混合物を110
℃で5分間にわたって加熱し、次いで冷却した。得られ
た反応混合物を減圧で濃縮し、トルエン100mLを添加
し、濃縮して油状物を得たがその油状物は塩化メチレン
に溶解しなかった。この油状物に水および過塩素酸ナト
リウムを添加し、水をデカントし、残留物を減圧下で乾
燥して泡状物を得た。この泡状物をメタノール/水に溶
解し、ヘキサフルオロリン酸カリウムを添加し、次にそ
の混合物を蒸気浴上で加熱し、次いで冷却した。生成し
た水性混合物を減圧下で濃縮し、残留物を塩化メチレン
/メタノールに溶解し、冷却しそして濾過した。過塩素
酸カリウムを濾過によって除去し、濾液を減圧で濃縮し
てその容量を10mLにし、次いで酢酸エチルを添加し、
混合物を冷却した。生成物を濾過して、5.32g(収
率34.3%)の10−イソプロポキシベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ヘキサフルオロホスフェート(式IV:R
1=R7 =H;R2 =10−OCH(CH3 2 ;X-
=PF6 - )を橙色固体として得た。
【0128】製造例28 (a)スルホラン60mL中に2−(1,3−ジオキソラ
ン−2−イル)−ピリジン(48.7g、0.322mo
l )およびp−ブロモベンジル ブロミド(80.52
g、0.322mol )を含む混合物を蒸気浴上で3時間
加熱した(1時間経過後に赤色沈澱が生成)。冷却後、
混合物に酢酸エチル300mLを添加し、30分間超音波
処理を行い、濾過し、次いで固体を乾燥して、110g
(収率85.2%)の1−(p−ブロモベンジル)−2
−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ピリジニウムブ
ロミド(式IX:R1 =R7 =H;R2 =4−Br;Z-
=Br-)を得た。
【0129】(b)1−(p−ブロモベンジル)−2−
(1,3−ジオキソラン−2−イル)ピリジニウムブロ
ミド55g(0.137mol )および48% HBr
300gの混合物を100℃で24時間加熱し次いで冷
却した。この反応混合物を氷250g中に注入し、得ら
れた黄色の沈澱を濾過し次に減圧乾燥(45℃)を行っ
て、32.85g(収率70.8%)の9−ブロモベン
ゾ〔b〕キノリジニウムブロミド(式IV:R1 =R7
H;R2 =9−Br;X- =Br- )を得た。
【0130】製造例29 −40℃のアンモニア500mLに、塩化第二鉄・6H2
O(100mg)およびカリウム12.5g(0.32mo
l )(ヘキサンで洗浄)を少量ずつ添加し、次に2−プ
ロペニル−カルボキシアルデヒド−ジエチルアセタール
100g(0.768mol )を含むエーテル(100m
L)を滴下して加え、−40℃で2.5時間撹拌した。
混合物を昇温させ、アンモニアを蒸発させた。混合物に
エーテル(100mL)を添加し、濾過し(固体残留物は
ヘキサン中でイソプロパノールによりクエンチした)、
濾液を濃縮し次いで分別蒸留して、46.05g(収率
42%)の2−メチル−1,1−ジエトキシエチレン
(式V:R3 =CH3 ;R4 =H;R5 =R6 =−OC
2 5 )をb.p.65〜68℃/55mmの透明液体として
得た。
【0131】製造例30 −35℃のアンモニア300mLに、カリウム3gおよび
塩化第二鉄・6H2 O(50mg)を添加し、次にイソプ
ロペニル−カルボキシアルデヒド−ジプロピルアセター
ル15g(0.087mol )を含むエーテル(75mL)
を添加し、−35℃で120時間撹拌した。ドライアイ
ス冷却器とドライアイス浴を徐々に昇温して(29℃ま
で)、アンモニアの1/2を蒸発させた。反応混合物を
−35℃まで冷却しエーテルを加え、次に混合物を室温
まで昇温させ、次いで1時間撹拌した。混合物を濾過し
(残留物はヘキサン中でイソプロパノールによってクエ
ンチした)、濾液を濃縮し次いで蒸留して、11g(収
率73.3%)の2,2−ジメチル−1,1−ジプロポ
キシエチレン(式V:R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6
=OC3 7 )をb.p.71〜85℃/26mmの透明液体
として得た。
【0132】製造例31 ジクロロアセトアルデヒドジエチルアセタール(25
g、0.1336mol )を含むTHF(150mL)溶液
を0℃に冷却し、これにカリウムt−ブトキシド17.
99g(0.16mol )を含むTHF 50mLを添加し
た。ドライアイス浴を外し、反応混合物を16時間還流
させ次いで冷却した。反応混合物を濾過し(セライトに
よる)、淡黄色溶液を30℃にて減圧下で濃縮した。残
留物を蒸留して、18.1g(収率90%)の2−クロ
ロ−1,1−ジエトキシエチレン(式V:R3 =Cl;
4 =H;R5 =R6 =−OC2 5 )をb.p.70〜7
6℃/20〜25mmの無色液体として得た。
【0133】製造例32 (a)2−(ジフェニルホスフィニル)−4R,6R−
ジメチル−1,3−ジオキサン(3.15g、0.01
mol )を含むTHF/エーテル(3/1、200mL)溶
液(100℃)に、ジイソプロピルアミン(1.54m
L)とn−BuLi(2Mペンタン溶液、5.5mL)次
いでアセトン(0.734mL、0.01mol )を用いて
製造したリチウムジイソプロピルアミドを添加した。得
られた混合物を5分間撹拌し、水(40mL)を添加し、
混合物を室温まで昇温させた。K2 CO3を添加し、有
機層を分離し、水性層をエーテルで抽出し、合わせた有
機層をブラインで洗浄し、Na2 SO4 で乾燥した。溶
媒を減圧で除去し、次いで残渣を、酢酸エチルで溶離す
るシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製して、
1.29gの2−(ジフェニルホスフィニル)−2−
(1,1−ジメチル−1−ヒドロキシメチル)4R,6
R−ジメチル−1,3−ジオキサンを得た。
【0134】(b)2−(ジフェニルホスフィニル)−
2−(1,1−ジメチル−1−ヒドロキシメチル)−4
R,6R−ジメチル−1,3−ジオキサン1.28g
(0.0034mol )をTHF 40mLに添加して得た
室温の混合物に、カリウムt−ブトキシド410mg
(0.0037mol )を含むTHF(10mL)を添加し
た。得られた淡黄色混合物を5分間超音波処理を行い、
次いで1時間撹拌した。反応混合物を減圧で濃縮し、残
留物にヘキサンを加え、その混合物を遠心分離した。固
体残留物を再びヘキサンで洗い、次いで混合物を遠心分
離した。合わせたヘキサン溶液を濾過し(セライトによ
る)、次いで濃縮して、0.45g(収率84%)の
−イソプロピリデン−4R,6R−ジメチル−1,3−
ジオキサン(式V:R 3 =R4 =CH3 ;R5 とR6
一体になって(R,R)−OCH(CH3 )CH2 CH
(CH3 )O−を形成している)を無色の液体として得
た。
【0135】製造例33 (a)2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ピリジ
ン(36.4g、0.24mol )、4−ニトロベンジル
ブロミド(51.84g、0.24mol )およびスル
ホラン(50mL)の混合物を蒸気浴上で10時間加熱し
た。混合物を冷却し、酢酸エチル(300mL)を添加
し、次いでその混合物を60℃まで加熱した。生成した
沈澱を濾過によって集めて、1−(p−ニトロベンジ
ル)−2−1,3−ジオキソラン−2−イル)ピリジニ
ウムブロミド(式IX:R1 =R7 =H;R2=4−NO
2 ;Z- =Br- )を得た。
【0136】(b)ポリリン酸(250mL)とメタンス
ルホン酸(55mL)の混合物を撹拌しながら100℃に
加熱し、これに、1−(p−ニトロベンジル)−2−
(2′−1′,3′−ジオキソラン)ピリジニウム ブ
ロミド71g(0.193mol )を加え、得られた混合
物を110℃まで加熱して4時間保持し、次いで冷却し
た。その反応混合物を氷500g中に注入し、その混合
物に活性炭を添加し、濾過し、次いで過塩素酸ナトリウ
ム溶液を添加した。混合物を塩化メチレンで抽出し(2
×500mL)、次いで有機層を濃縮して、5.2g(収
率8.3%)の9−ニトロベンゾ〔b〕キノリジニウム
ペルクロラート(式IV:R1 =R7 =H;R2=9−
NO2 ;X- =ClO4 - )を褐色固体として得た。
【0137】製造例34 (a)o−ブロモ−m−メチルベンジルアルコール1
2.49g(0.0621mol)をエーテル400mLに
添加し−20℃に冷却した混合物に、10M n−ブチ
ルリチウムのヘキサン溶液13.3mL(0.1335mo
l )を、20分間かけて少しずつ添加し、その反応混合
物を室温まで昇温させ次いで1時間撹拌した。上記反応
混合物を−20℃に冷却し、その混合物にピリジン−2
−カルボキシアルデヒド14.63g(0.136mol
)を含むエーテル(50mL)を1時間かけて添加し
(混合物は紫色に変色した)、得られた反応混合物を室
温まで昇温させ次いで1時間撹拌した。混合物に、塩化
アンモニウム溶液(100mL)および酢酸エチル200
mLを撹拌しながら添加し、次いでその混合物を酢酸エチ
ル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブラ
インで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し次に濃縮した。
生成したジオールをエーテル100mLで研和し、濾過
し、次いで固体生成物をヘキサンで洗浄して、6.6g
(収率46%)の2−〔1−ヒドロキシ−(2′−ヒド
ロキシメチル−6′−メチル)−ベンジル〕−ピリジン
(式XIII:R1 =R7 =H;R2 =6′−CH3 )をm.
p.129〜132℃の淡黄色固体として得た。
【0138】(b)2−〔1−ヒドロキシ−(2′−ヒ
ドロキシメチル−6′−メチル)−ベンジル〕−ピリジ
ン3g(0.013mol )をベンゼン100mLに添加し
40℃まで加熱して得た混合物に、無水トリフルオロメ
タンスルホン酸12.96g(0.0458mol )を一
度に添加し、次いで混合物を室温まで冷却し次いで30
分間撹拌した。その反応混合物を減圧濃縮し、残留物
(赤色油状物)を、9%メタノール/塩化メチレンで溶
離するシリカのクロマトグラフィーで精製した。溶出液
を減圧濃縮し、残留物を水(60mL)に溶解し、加熱還
流し、次いで撹拌しながら過塩素酸ナトリウム3gと反
応させた。黄色の固体生成物を濾過し、水で洗い次いで
乾燥して、0.926g(収率24.4%)の10−メ
チルベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式
IV:R1 =R7 =H;R2 =10−CH3;X- =Cl
4 - )をm.p.163〜166℃の淡黄色固体として得
た。
【0139】製造例35 1,1−ジメチル−2,2−ジエトキシエタン40.2
7g(0.275mol)および85% H3 PO4
0.2gの混合物を、ビグリュー蒸留カラムを取付けて
そのカラムヘッドの温度を72〜84℃に維持しながら
113〜150℃で加熱した。蒸留生成物を、5%炭酸
カリウム溶液50mL(2×)で洗浄し、炭酸カリウムで
乾燥し、濾過し、次いで蒸留して、8.15g(収率2
9.5%)の2,2−ジメチル−1−エトキシエチレン
(式V:R3 =R4 =CH3 ;R5=−OC2 5 ;R
6 =H)をb.p.89〜95℃の透明無色の液体として得
た。
【0140】製造例36 (a)2,5−ジメトキシベンジルアルコール10g
(0.059mol )をエーテル250mLに添加して−2
0℃まで冷却して得た混合物に、10M n−ブチルリ
チウムのヘキサン溶液12.75mL(0.127mol )
を10分間かけて少しずつ添加し、その反応混合物を室
温まで昇温し1時間撹拌した。上記反応混合物を−20
℃まで冷却し、その混合物にピリジン−2−カルボキシ
アルデヒド7.58g(0.07mol )を添加し、得ら
れた反応混合物を室温まで昇温させ(褐色の沈澱が生成
した)次いで1時間撹拌した。塩化アンモニウム溶液
(60mL)を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出し、合
わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾
燥し、次いで濃縮した。生成したジオールを、酢酸エチ
ル/ヘキサン(9:1)で溶離するシリカのクロマトグ
ラフィーで精製して、1.7g(収率10.5%)の
−〔(2′,5′−ジメトキシ−6′−ヒドロキシメチ
ル)ベンジル〕ピリジン(式XIII:R1 =R7 =H;R
2 =2′,5′−(OCH3 2 )をm.p.102〜10
4℃の白色固体として得た。
【0141】(b)2−〔(2′,5′−ジメトキシ−
6′−ヒドロキシメチル)−ベンジル〕ピリジン1.2
5g(0.045mol )をベンゼン60mLに添加し50
℃まで加熱して得た混合物に、無水トリフルオロメタン
スルホン酸4.5g(0.0159mol )を一度に添加
し、その混合物を室温まで冷却し次いで30分間撹拌し
た。その反応混合物を減圧濃縮し、残留物(油状物)を
10%メタノール/塩化メチレンで溶離するシリカゲル
のクロマトグラフィーで精製した。溶出液を減圧濃縮
し、残留物を水(30mL)に溶解し、加熱還流させ、次
いで撹拌しながら過剰の過塩素酸ナトリウムと反応さ
せ、次いで冷却した(超音波と氷を使用した)。生成し
た橙色の固体生成物を濾過し、水(4mL)で洗浄し、そ
して減圧乾燥して、0.42g(収率27.6%)の
7,10−ジメトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ペ
ルクロラート(式IV:R1 =R7 =H;R2 =7,10
−(OCH3 2 ;X- =ClO4 - )をm.p.235〜
240℃の橙色固体として得た。
【0142】製造例37 (a)1,1−ジメトキシ−2−ブロモ−イソブタン1
0.2g(0.052mol )とブタン−2R,3R−ジ
オール5g(0.55mol )の混合物に、PPTSA1
00mgおよびトルエンを添加し、その混合物を(ディー
ン−スタークのトラップを取付けて)トルエン(120
mL)を蒸留しながら16時間還流させた。その反応混合
物を冷却し、10%炭酸カリウム溶液30mLを加え、そ
の混合物をエーテルで抽出した(3×75mL)。有機層
をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し次いで濾
過した。濾液を濃縮し、油状物を蒸留して、7.6g
(収率65%)の2−〔(2−ブロモイソプロピル)〕
−(4R,5R−ジメチル)−1,3−ジオキソラン
b.p.73〜77℃/14mmの無色の液体として得た。
【0143】(b)2−〔(2−ブロモイソプロピ
ル)〕−(4R,5R−ジメチル)−1,3−ジオキソ
ラン1.5g(0.0067mol )をTHF 40mLに
含む室温の溶液に、撹拌しながらカリウムt−ブトキシ
ド1.35g(0.0121mol )を添加し、その混合
物を室温で16時間撹拌した。混合物を、セライトを介
してエーテルで濾過し、濾液を減圧濃縮し(<30
℃)、得られた2−イソプロピリデン−4R,5R−ジ
メチル−1,3−ジオキソラン(式V:R3 =R4 =C
3 ;R5 とR6 は一体となって(R,R)−OCH
(CH3 )CH(CH3 )O−を形成している)はそれ
以上精製することなしに使用した。
【0144】製造例38 エーテル250mL、3Å分子シーブ(sieves)1
00g、硫酸ナトリウム50gおよびN,N−ジエチル
アミン125.9g(1.72mol )の−10℃に冷却
した混合物に、撹拌しながら、プロピオンアルデヒド5
0g(0.86mol )を(−5℃より低い温度で)滴下
して加えた。その反応混合物を冷凍器中に12時間放置
した。生成した淡黄褐色の溶液を濾過し、濾液を濃縮し
てエーテルを除去し、残留物をビグリュー蒸留カラムを
介して蒸留し、次いで加熱してジエチルアミンを除去し
かつ40〜100℃/10〜30mm−アスピレーターで
留出する液体を集めた。その液体を再蒸留して、46.
1g(収率47%)の1−ジエチルアミノプロパン(式
V:R3 =CH3 ;R4 =H;R5 =N(C
2 52 ;R6 =H)をb.p.40℃/25mmの透明な
液体として得た。
【0145】製造例39 3−メトキシベンジルクロリド(5.0g、0.032
mol )および2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)
ピリジン(5.0g、0.032mol )の混合物を室温
で5日間撹拌し、次いで1日間還流させた。HCl(5
0mL)を添加し、その混合物をさらに3日間加熱した。
混合物を冷却し、溶媒を減圧で除去し、次いで残留物を
水で希釈し、次に水中でKPF6 (7.0g)で処理し
た。沈澱が生成し、これを濾過して集めた。固体生成物
を、アセトニトリル/CH2 Cl 2 (1/3)で溶離す
るシリカのカラムクロマトグラフィーで精製し、続いて
生成物を熱メタノールでスラリー化し、次いで生成物を
濾過によって集めて、1.0gの8−メトキシベンゾ
〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオロホスフェート
(式IV:R1 =R7 =H;R2 =8−OCH3 ;X-
PF6 - )を得た。
【0146】製造例40 (a)p−トルエンスルホン酸(1.14g、0.00
6mol )を、メタクロレイン(42.35g、0.06
mol )、エタノール(141.9mL)、CH2 Cl
2(120mL)およびオルトギ酸トリエチル(130.
6mL、0.785mol )の混合物に添加した。その混合
物を室温で3日間撹拌してから、K2 CO3 (2g)を
添加した。混合物を10分間撹拌し、濾過し、濾液を減
圧濃縮した。残留物をビグリューカラムによって130
℃で蒸留して精製してメタクロレインジエチルアセター
ル35gを得た。
【0147】(b)−35℃のアンモニア(500mL)
に、FeCl3 ・6H2 O(0.1g)、次いで金属カ
リウム(24.26g)を添加し、次にエーテル(15
0mL)中のメタクロレインジエチルアセタール(109
g、0.756mol )を添加した。得られた混合物を−
35℃で3日間撹拌し、次いでアンモニアを蒸発させ、
追加のエーテル(100mL)を加え、撹拌をもう一日続
けた。混合物を濾過し、濾液を65℃/55mmHgで蒸留
して、46.05gの1,1−ジエトキシ−2,2−ジ
メチルエチレン(式V:R3 =R4 =CH3 ;R5 =R
6 =OC2 5 )を得た。
【0148】製造例41 (a)オルトギ酸トリエチル(162.1mL、0.97
4mol )に、反応温度を70℃より低く維持しながら、
クロロジフェニルホスフィン(175mL、0.974mo
l )を1.5時間かけて滴下して加えた。上記添加を終
えると、温度を110℃まで上昇させ、110℃を3時
間維持した。混合物を冷却し、ヘキサンを添加し、混合
物を濾過し、次いで濾液を減圧で濃縮した。残留物を水
中に入れ、CH 2 Cl2 で抽出し次いでMgSO4 で乾
燥した。溶媒を700mLまで濃縮し、その混合物を冷却
し、濾過し、濾液をヘキサンで処理した。CH2 Cl2
を除き次いでヘキサン層を冷却した。沈澱が生成し、こ
れを濾過して集めて、133gの1−(ジフェニルホス
フィニル)−1,1−ジエトキシメタンを得た。
【0149】(b)THF(600mL)/エーテル(2
00mL)中に1−(ジフェニルホスフィニル)−1,1
−ジエトキシメタン(20g)を含むもの(−95℃)
に、リチウムジイソプロピルアミド(ジイソプロピルア
ミン(11.5mL)とn−BuLi(7.8mL、0.0
788mol )から製造した)を添加し、次いでアセトン
(9.6mL)を添加した。その混合物を30分間撹拌
し、水(100mL)を添加し次に混合物を室温まで昇温
させた後、K2 CO3 (4g)を添加した。混合物を酢
酸エチルで抽出し(2×200mL)、合わせた有機層を
ブラインで洗浄し、Na 2 SO4 で乾燥した。溶媒を減
圧で除き、残留物を、酢酸エチル/0.5%トリエチル
アミンで溶離するシリカゲルのカラムクロマトグラフィ
ーで精製して、1−(ジフェニルホスフィニル)−1−
(1,1−ジメチル−1−ヒドロキシメチル)−1,1
−ジエトキシメタンを得た。
【0150】(c)製造例41(b)の化合物(2.3
g、0.02mol )をTHF(50mL)に含む溶液にカ
リウムt−ブトキシド(2.3g、0.02mol )を添
加した。その混合物を室温で1時間撹拌し、次いでヘキ
サン(20mL)を添加した。混合物をセライトを介して
濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物を50mmHgで蒸留し
て、2.1gの1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチル
エチレン(式V:R3 =R4=CH3 ;R5 =R6 =O
2 5 )を得た。
【0151】製造例42 (a)4−メチル−2−ピリジン−カルボキシアルデヒ
ド(1.0g、8.26mmol)、スルホラン(10mL)
およびベンジルブロミド(0.98mL、8.3mmol)の
混合物を室温で16時間撹拌し、次いで蒸気浴上で16
時間加熱した。酢酸エチルを数回、反応混合物に添加
し、続いてデカントしてガム状残留物を得た。このガム
状物を水に溶解し、エーテルで洗浄し次いで蒸発乾固し
て、粗製の1−ベンジル−2−ホルミル−4−メチルピ
リジニウムブロミドを得た。
【0152】(b)1−ベンジル−2−ホルミル−4−
メチルピリジニウムブロミドと48% HBr(50m
L)の混合物を100℃で16時間加熱した。溶媒を減
圧で除去し、水(20mL)を加え、その混合物を、Na
ClO4 (6.0g)の水(100mL)溶液中に注入し
た。沈澱が生成し、これを濾過で集め、CH2 Cl2
メタノール(1:1)で溶離するシリカゲルのカラムク
ロマトグラフィーで精製して2−メチルベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ペルクロラートを得た。
【0153】最終生成物の製造例実施例1 (a)ベンゾ〔b〕キノリジニウムブロミド(1.0
g、3.8mmol)、1,1−ジエトキシ−2,2−ジメ
チルエチレン(15.0mL、メタクロレインジエチルア
セタールとの50%混合物として)およびアセトニトリ
ル(30mL)の混合物を室温で72時間撹拌した。反応
混合物を濾過し次いで溶媒を減圧で除去した。残渣をア
セトニトリル中に入れ、木炭で処理し、濾過し次に減圧
で濃縮した。残留物に水を加え次に過塩素酸ナトリウム
(0.3g、4.8mmol)を添加した。沈澱が生成しこ
れを濾過して収集し、高真空下40℃で乾燥して、
2,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,1
1−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7
H,R3=R4 =CH3 ,R5 =R6 =OC2 5 およ
びX- =ClO4 - )をm.p.67.0〜72.0℃の白
色固体として得た。
【0154】(b)代わりに上記反応を下記のようにし
て実施した。ベンゾ〔b〕キノリジニウムペルクロラー
ト(78g、0.279mol )、1,1−ジエトキシ−
2,2−ジメチルエチレン(93g、0.47mol )お
よびアセトニトリル(780mL)の混合物を6時間還流
させた。混合物を室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で
除去し、残留物質を酢酸エチル(2L)に溶解し次いで
木炭(150g)で処理した。この木炭を濾過によって
除き、濾液を水(1L)で洗浄し、有機溶媒をMgSO
4 で乾燥し次いで減圧で除去した。このようにして得ら
れた粗生成物(111g、収率93.9%)を熱イソプ
ロパノール(800mL)から再結晶して、100g(収
率84.6%)の12,12−ジエトキシ−13,13
−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベ
ンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I:R
1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6
=OC 2 5 ;およびX- =ClO4 - )を得た。
【0155】実施例2 Dowex(商標)1×2−200イオン交換樹脂のカ
ラムを、溶出液が透明になるまで0.5N HClで溶
離し、次いで約6.5〜7.5のpHが得られるまで蒸留
水で洗浄した。12,12−ジエトキシ−13,13−
ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベン
ゾ〔b〕−キノリジニウム ペルクロラート(1.4
g、3.3mmol)を酢酸エチル(60mL)に溶解し、上
記イオン交換カラムに注入した。カラムを水(3L)で
溶離し、溶媒を減圧で除去して、12,12−ジエトキ
シ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,1
1−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウムクロリド・3
/4H2 (式I:R1 =R 2 =R7 =H;R3 =R4
=CH3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;およびX- =Cl
- )を灰白色の固体として得た。それぞれ4.44gと
4.0gの二つの追加のイオン交換樹脂のカラムによっ
て合計5.53gの所望の生成物を得た。
【0156】実施例3 ベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオロホスフェ
ート(460g、1.4mol )をアセトニトリル(1.
84L)に添加して得た混合物を、溶液が生成するまで
蒸気浴上で加熱し、次いで1,1−ジエトキシ−2,2
−ジメチルエチレン(46.2g、2.12mol )を添
加した。混合物を加熱して4時間還流させ、次いで室温
で16時間撹拌した。溶媒を減圧で除去し、残留物を酢
酸エチル(14L)に溶解し水(5L)とともに撹拌し
た。得られた溶液を木炭で脱色し、MgSO4 で乾燥し
次いで減圧で濃縮して灰白色の固体を得た。得られた固
体をイソプロパノール(5.5L)でスラリー化し、加
熱還流し、次いで室温で16時間撹拌した。得られた溶
液を氷浴で冷却し、生成物を濾過して収集し、高真空下
で乾燥して、627g(収率94.5%)の12,12
−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタ
ノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム・
ヘキサフルオロホスフェート(式I:R1 =R2 =R7
=H;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC2 5
およびX- =PF6 - )を、イソプロパノールから再結
晶させた場合のm.p.が165〜167℃の白色固体とし
て得た。
【0157】実施例4 (1S)−(−)−カンファン酸のカリウム塩(1.1
1g、4.7mmol)をイソプロパノール(70mL)に加
熱しながら溶解し、次いで12,12−ジエトキシ−1
3,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジ
ヒドロベンゾ〔b〕−キノリジニウムクロリド(1.6
9g、4.7mmol)のイソプロパノール(20mL)溶液
を3分間かけて添加した。その反応混合物を2時間撹拌
し、生成した沈澱を濾過によって除去し、そして濾液を
減圧で濃縮して、2.5gの粗製12,12−ジエトキ
シ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,1
1−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム カンファナ
ート(式I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH
3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;およびX- =(1S)−
(−)−C10134 - )を得た。この粗生成物をCH
2 Cl2 (200mL)に溶解し、水で洗浄し、次いで有
機層を減圧で濃縮した。得られた残留物を酢酸イソプロ
ピル(20mL)から再結晶して、0.67g(収率27
%)の精製生成物をm.p.144〜145℃の白色固体と
して得た。
【0158】実施例5 S−(+)−2−ヒドロキシ−2−フェニルプロピオン
酸のカリウム塩(1.19g、5.64mmol)を、イソ
プロパノール(50mL)に加熱しながら溶解し、次に1
2,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,1
1−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム クロリド(1.8g、5mmol)をイソプロパノ
ール(20mL)に含む溶液を3分間かけて添加した。混
合物を室温で2時間撹拌し、生成した無機塩を濾過して
除去し、濾液を減圧で濃縮した。残留物をCH2 Cl2
(100mL)に溶解し、水で洗浄し、次いで有機層を減
圧で濃縮した。残留物を酢酸イソプロピルから再結晶
し、次いで酢酸イソプロピル/イソプロパノールから再
結晶して、1.46g(収率60%)の12,12−ジ
エトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム・S−
(+)−CH3 C(Ph)(OH)CO2 - (式I:R
1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6
=OC2 5 ;およびX- =(S)−(+)−CH3
(Ph)(OH)CO2 - )を、m.p.115〜116℃
の白色固体として得た。
【0159】実施例6 (a)(+)−ジベンゾイル−D−酒石酸〔(+)−D
BT〕(143g、0.399mol )をメタノール(5
00mL)に溶解し、次にKHCO3 (40.04g、
0.40mol )を水(150mL)に含む水溶液をゆっく
り添加した。この添加が終ってから、追加のメタノール
(275mL)と水(300mL)を添加し、混合物を4時
間撹拌した。生成した白色沈澱を濾過して収集し、メタ
ノール(3×50mL)で洗浄して、130g(収率82
%)の(+)−ジベンゾイル−D−酒石酸のモノカリウ
ム塩を得た。
【0160】(b)(+)−ジベンゾイル−D−酒石酸
のモノカリウム塩(33.63g、0.086mol )と
メタノール(300mL)の混合物を加熱還流し、水(3
00mL)を徐々に添加した。その熱溶液を、12,12
−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタ
ノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム
クロリド(30.03g、0.0835mol )をメタノ
ール(500mL)に含む溶液に添加した。その反応混合
物を室温で16時間撹拌し、生成したあらゆる固体を濾
過して除去した。濾液をCH2 Cl2 で抽出し(1×1
000mLおよび2×500mL)、有機層を合して減圧濃
縮した。残留物をメタノールで2回共沸させて残留水分
を除き、溶媒を減圧で除き、残渣をCH2 Cl2 (20
0mL)に溶解して濾過した。濾液を減圧濃縮し、残留物
をメタノール(300mL)に再溶解し次いで再濃縮し
て、51.1g(収率90%)の12,12−ジエトキ
シ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,1
1−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム〔(+)−D
BT〕- (式I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =R4
CH 3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;およびX-
〔(+)−DBT〕- ;ジアステレオマーの1:1混合
物として)を、〔α〕D 25=+58.8°、1% Me
OHの灰白色固体として得た。
【0161】(c)12,12−ジエトキシ−13,1
3−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロ
ベンゾ〔b〕キノリジニウム〔(+)−DBT〕- (4
9.24g、0.072mol )を、アセトニトリル(5
00mL)に加熱しながら溶解し、少し冷却させた。次い
でt−ブチルメチルエーテル(725mL)を添加し、混
合物を4分間温め、次いで室温まで冷却した。反応混合
物を6.5時間撹拌し、沈澱した生成物を濾過によって
集め、tert−ブチルメチルエーテル(2×500m
L)で洗浄し、減圧下45℃で乾燥して、31.2g
(収率63%)の12,12−ジエトキシ−13,13
−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベ
ンゾ〔b〕キノリジニウム〔(+)−DBT〕- (式
I:R1 =R2 =R7=H;R3 =R4 =CH3 ;R5
=R6 =OC2 5 ;およびX- =〔(+)−DBT〕
- )を、〔α〕D 25=+53.6°、1% MeOHの
ジアステレオマーの約2:1混合物として得た。他の3
回の類似の実験から追加の52.6gの生成物が得られ
合計83.8g得られた。
【0162】(d)実施例6(c)のジアステレオマー
の2:1混合物(83.8g、0.123mol )に、
1,2−ジクロロエタン(500mL)を添加し、その混
合物を、すべての物質が溶解するまで加熱還流させた。
その溶液を、Solka Floc(商標)を用いて濾
過し、その濾液を蒸気浴上で5分間温め、次いで室温ま
で徐々に冷却した。その溶液に結晶種を入れ、結晶を6
時間かけて生成させた。生成した結晶を濾過して集め、
冷ジクロロエタンで洗浄し(2×40mL)、次いで減圧
下45℃で乾燥して、37.4g(収率45%)の
2,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,1
1−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム〔(+)−DBT〕- (式I:R1 =R2 =R7
=H;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC2 5
およびX- =〔(+)−DBT〕- )を、〔α〕D 25
+32.9°、1% MeOHの単一のジアステレオマ
ー(HPLCによる純度>99.8%)として得た。
【0163】(e)実施例6(d)の単一ジアステレオ
マー(10.02g、0.0147mol )を温メタノー
ル(50mL)に含む溶液を、過塩素酸ナトリウム(1
1.94g、0.0976mol )、NaHCO3 (3.
55g、0.0423mol )および水(1L)からなる
撹拌された水溶液にすばやく添加した。その反応混合物
を室温で16時間撹拌し、沈澱した白色固体を濾過して
単離し、水(20mL)で洗浄した。その固体を減圧下4
5℃で乾燥して、5.21g(収率84%)の(−)−
12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,
11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリ
ジニウム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7
H;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;お
よびX- =ClO 4 - 、(−)−異性体)を、〔α〕D
25=−46.0°、1%メタノールの化合物として得
た。
【0164】(f)実施例2に記載されている方法とほ
ゞ同じ方法にしたがって、但し、過塩素酸塩を、酢酸エ
チルではなくメタノールに溶解して、(−)−12,1
2−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エ
タノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム
ペルクロラート(21.6g、0.051mol )およ
びDowex(商標)イオン交換樹脂(1650g)か
ら、19.2gの粗製(−)−12,12−ジエトキシ
−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11
−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウムクロリド(式
I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5
=R6 =OC2 5 ;およびX- =Cl- 、(−)−異
性体)を得た。上記生成物を、10%メタノール/CH
2 Cl2 で溶離するシリカのカラムクロマトグラフィー
で精製して、11.38g(収率59%)の(−)−異
性体(HPLCによって100%純度の鏡像異性体)
を、〔α〕D 25=−47.3°で1%メタノールの化合
物として得た。
【0165】実施例7 (a)(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸のモノカリウ
ム塩(99.1g、0.25mol 、実施例6(a)に記
載した方法と実質的に同じ方法によって、(−)−ジベ
ンゾイル−L−酒石酸〔(−)−DBT〕から製造し
た)を、イソプロパノール(4.8L)および水(2.
4L)に、蒸気浴上で加熱しながら溶解した。12,1
2−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エ
タノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム
クロリド(60.0g、0.167mol )をイソプロパ
ノール(600mL)に含む溶液を添加し、その反応混合
物を室温まで冷却し16時間撹拌した。反応混合物を蒸
気浴上で温め、次に溶媒を減圧で除去した。残渣にジク
ロロメタン(6L)を添加し、16時間後に溶液を濾過
してあらゆる無機塩を除いた。濾液を水(3L)で洗浄
し、MgSO4 で乾燥し、次いで減圧で濃縮して、10
5.9g(収率93.2%)の12,12−ジエトキシ
−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11
−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム・〔(−)−D
BT〕- (式I:R1 =R2 =R7 =H;R3=R4
CH3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;およびX-
〔(−)−DBT〕-)をジアステレオマーの1:1混
合物として得た。
【0166】(b)12,12−ジエトキシ−13,1
3−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロ
ベンゾ〔b〕キノリジニウム〔(−)−DBT〕- (1
05.9g)を、蒸気浴上でゆるやかに加熱しながら
1,2−ジクロロエタン(1060mL)に溶解した。そ
の混合物を室温まで冷却し、40時間放置した。溶液か
ら白色固体が沈澱し、これを濾過によって集め、1,2
−ジクロロエタン(2×25mL)で洗浄して、29.6
2g(収率28%)の12,12−ジエトキシ−13,
13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒド
ロベンゾ〔b〕キノリジニウム〔(−)−DBT〕
- (式I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =C
3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;およびX- =〔(−)
−DBT〕- )を、〔α〕 D 25=32.5°、1%メタ
ノールの単一ジアステレオマーとして得た。生成物を白
色固体として単離したがm.p.は124〜125℃であっ
た。
【0167】(c)Dowex(商標)1×2−200
イオン交換樹脂のカラムを、溶出液が透明になるまで
0.5N HClで溶離し、次いで、pHが約4.2にな
るまで蒸留水で洗浄した。12,12−ジエトキシ−1
3,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジ
ヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム〔(−)−DBT〕
- (34.18g、50.1mmol)を含むメタノール
(75mL)を上記カラムに注入し、メタノール(20m
L)、水/メタノール(1:1、20mL)次いで水で溶
離した。生成物の画分をプールし、飽和KHCO3 水溶
液(6mL)で中和し次に溶媒を減圧下で除去した。残渣
にジクロロメタン(1.5L)を添加し、次に6NHC
l(17滴)を添加することによって、溶液のpHを7に
調節した。溶液をMgSO4 で乾燥し、次に溶媒を減圧
下で除去し18.2gの粗生成物を得た。2.21g
(3.24mmol)規模の類似の実験操作によって、合計
の18.2gに対して追加の1.17gの粗生成物が製
造された。合わせた生成物の画分をメタノール(40m
L)に溶解し、次いで上記のようなDowex(商標)
1×2−200イオン交換樹脂の第二カラムを通過させ
て、19gの粗生成物を得た。その粗生成物を10%メ
タノール/CH2 Cl2 で溶離するカラムクロマトグラ
フィーで精製して、12.41gの(+)−12,12
−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタ
ノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウムク
ロリド・1/2H2 (式I:R1 =R2 =R7 =H;
3 =R4 =CH3;R5 =R6 =OC2 5 ;および
- =Cl- ;(+)−異性体)を、高真空下で5日間
乾燥したとき、〔α〕D 25=+51.5°、1%メタノ
ール、m.p.=100〜110℃の化合物として得た。
【0168】実施例8 ベンゾ〔b〕キノリジニウム ブロミド(1.8g、
6.9mmol)、テトラエトキシエチレン(15mL、69
mmol)およびアセトニトリル(25mL)の混合物を室温
で16時間撹拌した。その混合物を濃縮して小容量にし
エーテルと水で希釈した。水性層を分離し、過塩素酸ナ
トリウム水溶液で処理した。沈澱が生成し、これを濾過
で集め、60℃/0.1mmHgで20時間乾燥して、2.
6g(収率97.7%)の12,12,13,13−テ
トラエトキシ−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロ
ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I:
1=R2 =R7 =H;R3 =R4 =R5 =R6 =OC
2 5 ;およびX- =ClO 4 - )を、m.p.202〜2
03℃の灰白色固体として得た。
【0169】実施例9 ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(0.0
9g、0.32mmol)、2−イソプロピリデン−4R,
5R−(ジベンジルオキシメチル−1,3−ジオキソラ
ン(式V:R3 =R4 =CH3 ;R5 とR6 は一体とな
って(R,R)−OCH(CH2 OCH2 Ph)CH
(CH2 OCH2 Ph)−O−を形成している)(0.
52g、1.46mmol)、およびアセトニトリル(10
mL)の混合物を、窒素雰囲気下室温で1時間撹拌した。
溶媒を減圧下で除去し、残渣をエーテル(100%)〜
10%メタノール/CH2 Cl2 で溶離するシリカゲル
のカラムクロマトグラフィーによって精製して、0.1
6g(収率78%)の12,12−(1R,2R−ジベ
ンジルオキシメチル−エタンジオールケタール)−1
3,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジ
ヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート
(式I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH 3
5 =R6 は一体になって(R,R)−O−CH(CH
2 OCH2 Ph)CH(CH2 OCH2 Ph)−O−を
形成している;およびX- =ClO4 - )を白色固体と
して得た。
【0170】実施例10 a,bおよびc ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(0.8
8g、3.15mmol)、2−イソプロピリデン−4R,
5R−ジメチル−1,3−ジオキサン(式V:R3 =R
4 =CH3 ;R5 とR6 は一体となって(R,R)−O
−CH(CH3)CH2 CH(CH3 )−O−を形成し
ている)(0.7g、4.48mmol)およびアセトニト
リル(10mL)の混合物を、窒素雰囲気下室温で30分
間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をエーテルで
研和し、次いで生成物を濾過によって集めて、1.05
g(収率78%)の12,12−(2R,4R−ペンタ
ンジオールケタール)−13,13−ジメチル−16,
11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリ
ジニウム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R 7
H;R3 =R4 =CH3 ;R5 とR6 は一体となって
(R,R)−O−CH(CH3 )CH2 CH(CH3
−O−を形成している;およびX- =ClO4 - )を、
ジアステレオマーの混合物として得た(実施例10
(a))。この実験で得た1.05gを、2回の類似の
実験で得た生成物11.95gと混合し、その混合合計
13.0gを、2本のデルターパックC−18(商標)
カラムを使い0.05N酢酸アンモニウム/メタノール
で溶離する高速液体クロマトグラフィーによって、その
成分のジアステレオマーに分離した。適切なクロマトグ
ラフィー画分をプールし、減圧下で濃縮し、水中に入
れ、次いで10%過塩素酸ナトリウム水溶液で処理し
た。固体が生成し、これを濾過によって集め、続けて
水、ヘキサン次いでエーテルで洗浄して、1.9gの
2,12−(2R,4R−ペンタンジオールケタール)
−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11
−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラー
(式I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =C
3 ;R5 とR6 は一体になって(R,R)−O−CH
(CH3 )CH2 CH−(CH3 )−O−を形成してい
る;およびX- =ClO4 - )が一方のジアステレオマ
ーとして得られ(以後実施例10(b)と呼ぶ);なら
びに0.7gの12,12−(2R,4R−ペンタンジ
オールケタール)−13,13−ジメチル−6,11−
エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウ
ム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7 =H;R
3 =R4=CH3 ;R5 とR6 は一体になって(R,
R)−O−CH(CH3 )−CH2CH(CH3 )−O
−を形成している;およびX- =ClO4 - )が他方の
ジアステレオマーとして得られた(以後実施例10
(c)と呼ぶ)。実施例10(b)のジアステレオマー
の画分0.1gをエタノールから再結晶させて、0.0
64gの精製生成物を、m.p.=191〜192℃、
〔α〕D 25=+3.5°(c=0.25,CHCl3
の白色固体として得た。実施例10(c)のジアステレ
オマーの画分0.06gをエタノールから再結晶させ
て、0.028gの精製生成物を、m.p.=192〜19
3℃、〔α〕D 25=−78°(C=0.25,CHCl
3 )の白色固体として得た。
【0171】実施例11 実施例10(a)の12,12−(2R,4R−ペンタ
ンジオールケタール)−13,13−ジメチル−6,1
1−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム ペルクロラート(2.0g、4.59mmol)を
アセトニトリル(20mL)に溶解して得た溶液を、Do
wex(商標)1×2−200イオン交換樹脂カラム
(100g、実施例2ですでに述べたようにして精製し
た)に注入し、次に水で溶離した。プールした生成物の
画分を減圧下で濃縮し、次に高真空下で16時間乾燥し
て、1.2g(70.6%)の12,12−(2R,4
R−ペンタンジオールケタール)−13,13−ジメチ
ル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム クロリド・1/2H2 (式
I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5
とR6 は一体となって(R,R)−O−CH(CH3
CH2 CH(CH3 )−O−を形成している;およびX
- =Cl- )をジアステレオマーの混合物として得た。
【0172】実施例12 (a)実施例10(c)の12,12−(2R,4R−
ペンタンジオールケタール)−13,13−ジメチル−
6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ペルクロラート(0.46g、1.05
mmolを濃塩酸(10mL)に添加して得た混合物を80℃
で1.5時間加熱した。その混合物を室温まで冷却し、
水で希釈し、次いで10%過塩素酸ナトリウム水溶液で
処理した。混合物を冷却し、生成した固体を濾過によっ
て集め、次に、水、ヘキサン次いでエーテルで洗浄し
た。得られた化合物を乾燥して0.33g(収率89
%)の(−)12−オキソ−13,13−ジメチル−
6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R
7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5 とR6 は一体となっ
て=Oを形成している;およびX - =ClO4 -
(−)−異性体として)を、m.p.=282〜284℃
(分解)、〔α〕D 25=−1.36°、1%メタノール
の白色結晶として得た。
【0173】(b)実施例12(a)の(−)−12−
オキソ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペル
クロラート(0.3g、0.86mmol)を、テトラエト
キシシラン(1.65g、8.6mmol)、ニトロメタン
(4mL)およびエタノール(0.5mL、8.6mmol)に
含む溶液に、クロロホルム(約95mL)を添加した。そ
の反応混合物を加熱還流し、大部分のクロロホルムをデ
ィーン−スタークの装置を用いて除去した。得られた反
応混合物を室温まで冷却し、トリフリック・アシッド
(triflic acid)(0.13g、0.07
mL、0.86mmol)を添加した。その反応混合物を10
mLのプラスチック製注射器に入れ、この注射器によっ
て、10キロバールの高圧装置中に24時間入れた。ピ
リジン(1.0mL)を含有するCH2 Cl2 (20mL)
(0℃)中にその反応混合物を注入した。反応混合物を
減圧で蒸発させ、残渣をヘキサンで研和し、そのヘキサ
ンをデカントして、0.8gの粗製(−)−12,12
−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタ
ノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム
ペルクロラート(式I:R1 =R 2 =R7 =H;R3
4 =CH3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;およびX-
ClO4 - ;(−)−異性体として)を得た。
【0174】(c)実施例12(b)の粗製(−)−異
性体をメタノール/酢酸エチル(2mL、1/1)に溶解
し、Dowex(商標)1×2−200イオン交換樹脂
カラム(実施例2に記載されているようにして精製し
た)に注入し、次いで水で溶離した。生成物の画分をプ
ールし、減圧下で濃縮し、残留物を、CH2 Cl2 /メ
タノール(9/1)で溶離するシリカのカラムクロマト
グラフィーで精製して、0.22g(収率71%)の
(−)−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチ
ル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウムクロリド・1/2〜7/4H2
(式I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3
5 =R6 =OC2 5 ;およびX- =Cl- ;(−)
−異性体として)を得た。この生成物をCH2 Cl2
エーテル/ヘキサンから再結晶させて、0.17g(収
率55%)のこの生成物を、〔α〕D 25=−42.3
°、1% CHCl 2 の白色粉末として得た。
【0175】実施例13 (a)実施例12(a)に記載した方法と実質的に同じ
方法にしたがって、実施例10(b)の12,12−
(2R,4R−ペンタンジオールケタール)−13,1
3−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロ
ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(0.7
g、1.6mmol)および濃塩酸(15mL)から、0.5
2g(収率93%)の(+)−12−オキソ−13,1
3−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロ
ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I:
1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5 とR
6 は一体になって=Oを形成している;およびX- =C
lO4 - 、(+)−異性体として)を、m.p.=281〜
283℃、〔α〕D 25=+1.1°、1% CH3 CN
の化合物として得た。
【0176】(b)実施例12(b)に記載されている
方法と実質的に同じ方法にしたがって、(+)−12−
オキソ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペル
クロラート(0.349g、1mmol)、テトラエトキシ
シラン(2.1mL、10mmol)、エタノール(0.6m
L、10mmol)、ニトロメタン(4mL)およびトリフリ
ック・アシッド(0.1mL、1mmol)から、0.51g
の粗製(+)−12,12−ジエトキシ−13,13−
ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベン
ゾ〔b〕キノリジニウムペルクロラート(式I:R1
2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R 6 =O
2 5 ;およびX- =ClO4 - 、(+)−異性体と
して)を得た。
【0177】(c)実施例12(c)に記載されている
方法と実質的に同じ方法にしたがって、(+)−12,
12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−
エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウ
ム ペルクロラート(0.71g)を原料に用い、Do
wex(商標)1×2−200イオン交換樹脂で処理
し、その生成物を、CH2 Cl2 /エーテル(4:1)
〜CH2 Cl2 /エーテル/メタノール(8/1/1)
で溶離するシリカのカラムクロマトグラフィーによって
精製し、そしてCH2 Cl2 /エーテル/ヘキサンから
再結晶化させることによって、0.23gの(+)−1
2,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,1
1−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム クロリド・1/2〜3/4H2 (式I:R1
=R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6
OC2 5 ;およびX- =Cl- ;(+)−異性体とし
て)を、m.p.=120〜121℃、〔α〕589 25 =+4
3.8°、1% CHCl3 の化合物として得た。
【0178】実施例15 (a)10−アセトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム
ペルクロラート(1.9g、5.6mmol)、1,1−ジ
エトキシ−2,2−ジメチルエチレン(2.8g、60
%純度の物質11.6mmol)をアセトニトリル(35m
L)に添加して得た混合物をアルゴン雰囲気下60℃で
8時間加熱し、次に室温で16時間撹拌した。溶媒を減
圧下で除去し、残渣をエーテルで処理し、その混合物を
超音波で処理した。固体が生成し、その固体を濾過によ
って集め、続けて水、ヘキサン次いでエーテルで洗浄
し、次に乾燥して2.6gの粗生成物を得た。その粗生
成物をイソプロパノールから再結晶させ、高真空下40
℃で乾燥して、1.9g(収率70%)の10−アセト
キシ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル
−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕
キノリジニウム ペルクロラート(式I:R1 =R7
H;R2 =10−OAc;R3 =R4 =CH3 ;R5
6 =OC2 5 ;およびX- =ClO4 - )を、m.p.
135〜137℃の灰白色の粉末として得た。
【0179】(b)10−アセトキシ−12,12−ジ
エトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペル
クロラート(0.5g、1mmol)をメタノール(25m
L)に溶解して得た室温の溶液に、NaOH(0.12
g、3当量)を添加した。この溶液を15分間撹拌し、
メタノールに酢酸を含むもの(2.25mL、1.5M溶
液)を添加し、その混合物を5分間撹拌した。溶媒を減
圧下で除去し、10%過塩素酸ナトリウム水(15mL)
溶液を加えた。混合物をCH2 Cl2 で抽出し(2×5
0mL)、有機相を合わせ、乾燥し、減圧下で濃縮した。
固体残留物を水から再結晶させて、0.24g(収率5
2%)の10−ヒドロキシ−12,12−ジエトキシ−
13,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−
ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート
(式I:R1 =R7 =H;R2 =10−OH;R3 =R
4 =CH3;R5 =R6 =OC2 5 ;およびX- =C
lO4 - )を白色固体として得た。
【0180】(c)Dowex(商標)1×2−200
イオン交換樹脂カラム(100gの樹脂)を、透明な溶
液が得られるまで0.5N HCl(1.5L)で溶離
し、次いでpHが約6.0になるまで水(4L)で洗浄し
た。10−ヒドロキシ−12,12−ジエトキシ−1
3,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジ
ヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート
(1.4g、3.2mmol)をアセトニトリルに溶解して
得た溶液を、上記の樹脂カラムに注入し、次いで水で溶
離した。その生成物の画分をプールし、次に減圧濃縮し
て、0.85g(収率70.8%)の10−ヒドロキシ
−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−
6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム クロリド(式I:R1 =R7 =H;R2
=10−OH;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R 6 =OC
2 5 ;およびX- =Cl- )を、m.p.151℃(分
解)の白色固体として得た。
【0181】実施例16 7−メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキサフル
オロホスフェート(0.66g、1.85mmol)および
1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン(2.
05g、60%純度の物質)をアセトニトリル(25m
L)に添加して得た混合物をアルゴン雰囲気下75℃で
12時間加熱した。溶媒を減圧下で除き、残渣を、ジク
ロロメタン/メタノール(9/1)で溶離するシリカの
カラムクロマトグラフィーで精製して泡状固体を得た。
その固体を水中に入れ超音波処理を行い、このようにし
て得られた固体を濾過によって集めて風乾して、0.3
6g(収率39%)の7−メトキシ−12,12−ジエ
トキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキ
サフルオロホスフェート(式I:R1 =R7 =H;R2
=7−OCH3 ;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =O
2 5 ;およびX- =PF6 - )を褐色固体として得
た。
【0182】実施例17 (a)ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート
(3.8g、13.6mmol)、式Vの化合物(R3 =O
CH3 ;R4 =OSi(CH3 3 ;R5 =R6 =C2
5 )(6.3g、0.031mol )およびアセトニト
リル(100mL)の混合物を、窒素雰囲気下、室温で1
8時間撹拌した。溶媒を減圧で除去し、残渣をエーテル
に入れ、このようにして得られた固体を濾過によって集
めて、6.3g(収率97%)の12−メトキシ−12
−トリメチルシリルオキシ−13,13−ジエチル−
6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウムペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7
=H;R3 =R4 =Et;R5 =OCH3 ;R6 =OS
i(CH3 3 ;およびX- =ClO4 - )を得た。
【0183】(b)12−メトキシ−12−トリメチル
シリルオキシ−13,13−ジエチル−6,11−エタ
ノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム
ペルクロラート(4.8g、0.01mol )および濃塩
酸(80mL)の混合物をN2 雰囲気下80℃で1時間加
熱した。その混合物を室温まで冷却し、水(300mL)
で希釈し、次いで10%過塩素酸ナトリウム水溶液(2
00mL)で処理した。混合物を冷却し、沈澱した固体を
濾過によって集め、次に続けて水、エーテル次いでヘキ
サンで洗浄して、3.72g(収率99%)の12−オ
キソ−13,13−ジエチル−6,11−エタノ−6,
11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウムペルクロラ
ート(式I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =−E
t;R5 とR 6 は一体になってOを形成している;およ
びX- =ClO4 - )を得た。
【0184】(c)12−オキソ−13,13−ジエチ
ル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(1.0g、
2.6mmol)を、ニトロメタン(8mL)、テトラエトキ
シシラン(5.52g、26.5mmol)およびエタノー
ル(1.2g、26.5mmol)に含む溶液に、クロロホ
ルム(150mL)を添加した。この反応混合物を還流さ
せ、大部分のクロロホルムをディーン−スタークの装置
で除去した。反応混合物を室温まで冷却し次いでトリフ
リックアシッド(0.39g、2.6mmol)を添加し
た。反応混合物を20mLのプラスチック製注射器に採取
し、150,000psi の高圧装置の中に2.5日間入
れた。その反応混合物を飽和NaHCO3 溶液を含有す
る氷水中に注入し、CH 2 Cl2 (2×100mL)で抽
出し、次いで有機層を合わせてNa2 SO4 で乾燥し、
次いで減圧濃縮を行った。残留物をヘキサン(50mL)
中に入れ、超音波処理を行い、固体を濾過して集め、そ
してヘキサンで洗浄した。その固体を酢酸エチル(10
mL)中に入れ、CH2 Cl2 (0.5mL)で処理して放
置した。生成した固体を濾過して集め、酢酸エチルで洗
浄して、0.5gの出発物質を回収した。濾液をシリカ
ゲルカラムに注入し、酢酸エチル/PAW〔6/4;P
AW=ピリジン/酢酸/水(55/25/20)〕で溶
離して、0.21g(収率17.5%)の粗製12,1
2−ジエトキシ−13,13−ジエチル−6,11−エ
タノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム
ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7 =H;R3
=R4 =Et;R5 =R6 =OC2 5 ;およびX-
ClO4 - )を得た。この粗製生成物をDowex(商
標)1×2−200イオン交換樹脂(30g、樹脂は実
施例15(c)にさきに記載したようにして精製した)
を通過させ次いで水で溶離し、生成物の画分をプールし
て減圧濃縮した。残留物を水(5mL)中に入れ、10%
過塩素酸ナトリウム水溶液で処理し、沈澱した固体を濾
過して集め、水で洗い、次いで風乾して、0.11gの
ペルクロラートとしての精製生成物を、m.p.121℃
(分解)の白色固体として単離した。
【0185】実施例18 ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(2.5
5g、1.96mmol)、1,1−ジエトキシ−2,2−
ジメチルエチレン(THF/t−BuOHに溶解して得
た15%溶液2.0g)およびアセトニトリルの混合物
を50℃で6時間加熱した。その混合物を室温まで冷却
し、溶媒を減圧下で除去し、次いで残渣をCHCl3
いれて濾過した。溶媒を減圧で除去し、次いで残渣を、
CH2 Cl2 /酢酸エチル/メタノール(5/4/1)
で溶離するシリカのカラムクロマトグラフィーで精製し
て、0.12g(収率15.6%)の12,12−
(1,2−エタンジオールケタール)−13,13−ジ
メチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I:R1
2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5 とR6 は一
体となって−O(CH22 O−を形成している;およ
びX- =ClO4 - )をm.p.240〜242℃(分解)
の白色固体として得た。
【0186】実施例19 (a)10−メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ペ
ルクロラート(8.0g、25.8mmol)、1,1−ジ
エトキシ−2,2−ジメチルエチレン(12.5g、6
0%純度の物質)およびアセトニトリル(75mL)の混
合物を、、アルゴン雰囲気下60℃で16時間加熱し
た。反応混合物を冷却し、次いで溶媒を減圧で除去し
た。残渣を、10%過塩素酸ナトリウム水溶液(200
mL)中に入れ、次いでその混合物をCH2 Cl2 (2×
250mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2 SO4
で乾燥し、減圧で濃縮した。残留物をメタノール/CH
2 Cl2 (5/95)で溶離するシリカのカラムクロマ
トグラフィーで精製してガム状残渣を得た。その残渣を
イソプロパノール(200mL)中に入れ、木炭(5.0
g)で処理し、沸騰させ次いで濾過した。濾液を減圧で
濃縮して、5.0g(収率43.9%)の粗製10−メ
トキシ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチ
ル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I:R1
H;R2 =10−OCH3 ;R7 =H;R3 =R4 =C
3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;およびX- =ClO4
- )を黄色泡状物として得た。
【0187】(b)代わりに、上記の反応を下記のよう
に実施した。アセトニトリル(5.0mL)に、10−メ
トキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート
(0.08g、0.2mmol)を添加し、次いで、1,1
−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン(0.081
g、0.38mmol、68%純度の物質。なお不純物はイ
ソ酪酸エチルである)を添加した。混合物を室温で1時
間撹拌し次いで60℃で10時間加熱した。溶媒を減圧
で除去し、残渣にトルエンを加え、次いでその溶媒を減
圧で除去した。得られた残渣を水/メタノール(4/
1)中に入れ、次いで過塩素酸ナトリウム(0.5g)
を添加した。メタノールを減圧で除去し、次いでその混
合物を濾過して、0.021g(収率23%)の10−
メトキシ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメ
チル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラートを、m.p.85〜
95℃の橙褐色の固体として得た。
【0188】(c)実施例19(a)の10−メトキシ
−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−
6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウムペルクロラート(5.0g、11.2mmo
l)をメタノール/酢酸エチル(1:1、20mL)に溶
解し、次いでDowex(商標)1×2−200イオン
交換樹脂カラム(150g、樹脂は、水溶出液のpHが約
5になるまで実施例15(c)に記載した方法と類似の
方法で精製した)に注入した。カラムを水で溶離し、次
に生成物の画分をプールし減圧濃縮を行った。残留物を
温水(200mL)に溶解し、熱水(100mL)に入れた
ヘキサフルオロリン酸カリウム(2.3g)を添加し
た。その混合物を10分間撹拌し、生成した沈澱を濾過
で集め、温水で洗浄して、5.5g(収率98%)の
0−メトキシ−12,12−ジエトキシ−13,13−
ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベン
ゾ〔b〕キノリジニウム・ヘキサフルオロホスフェート
(式I:R1 =H;R2 =10−OCH3 ;R7 =H;
3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;および
- =PF6 - )を淡黄色の固体として得た。
【0189】(d)実施例15(c)に記載した方法と
類似の方法にしたがって、但しアセトニトリルではなく
てメタノール/CH3 CN(9/1)に前記化合物を入
れて、実施例19(c)のヘキサフルオロホスフェート
(5.1g)およびDowex(商標)1×2−200
イオン交換樹脂(150g)を用いて、2.7g(収率
64%)の10−メトキシ−12,12−ジエトキシ−
13,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−
ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム クロリド・3/
2H2 (式I:R1 =H;R2 =10−OCH3 ;R
7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC
2 5 ;およびX- =Cl- )を黄色固体として得た。
【0190】実施例20 (a)9−メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ペル
クロラート/ヘキサフルオロホスフェート(1.33
g、0.004mol 、ペルクロラート:ヘキサフルオロ
ホスフェートの比率は4.8 /1)およびアセトニトリ
ルの混合物に、1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチル
エチレン(1.17g、0.081mol )を添加した。
混合物を60℃で12時間加熱し、追加の1,1−ジエ
トキシ−2,2−ジメチルエチレン(1.0g)を添加
し、その混合物を18時間加熱還流を行った。混合物を
冷却し、溶媒を減圧で除去し、残渣を8%エタノール/
0.5%トリエチルアミン/CH2 Cl2 中に入れた。
その混合物を濾過し、濾液を8%エタノール/0.5%
トリエチルアミン/CH2 Cl2 で溶離するシリカのカ
ラムクロマトグラフィーで精製した。生成物の画分をプ
ールし、減圧で濃縮し、得られた残留物をメタノール
(0.5mL)中に入れ、ヘキサフルオロリン酸カリウム
(1.47g)の熱水(50mL)溶液(60℃)に添加
した。メタノールを濾過で除き、水をデカントし、残留
物をメタノール中に入れ次いで水で処理した。メタノー
ルを除去し水をデカントして、0.62g(収率31.
2%)の9−メトキシ−12,12−ジエトキシ−1
3,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジ
ヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオロホ
スフェート(式I:R1 =H;R2 =9−OCH3 ;R
7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC
2 5 ;およびX- =PF6 - )を、高真空下で40℃
にて乾燥して、m.p.76〜81℃の淡褐色粉末として得
た。
【0191】(b)実施例20(a)で先に述べた方法
と実質的に同じ方法にしたがって、但し出発物質として
9−メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキサフル
オロホスフェートを用いて、9−メトキシベンゾ〔b〕
キノリジニウム ヘキサフルオロホスフェート(4.5
g、0.013mol )、アセトニトリル(50mL)およ
び1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン
(4.75g、0.033mol )から、9−メトキシ−
12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,
11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリ
ジニウム ヘキサフルオロホスフェートを直接得た。
【0192】(c)実施例15(c)に記載した方法と
実質的に同じ方法にしたがって、実施例20(b)の9
−メトキシ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジ
メチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
Dowex(商標)1×2−200イオン交換樹脂(1
50g)およびアセトニトリル(20mL)から、3.5
gの粗製9−メトキシ−12,12−ジエトキシ−1
3,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジ
ヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム クロリド(式I:
1 =H;R2 =9−OCH3 ;R7 =H;R3 =R4
=CH3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;およびX-=Cl
- )を得た。この粗生成物を過塩素酸ナトリウムの水溶
液で処理し、生成した沈澱を濾過して集め、アセトニト
リル/CH2 Cl2 (1/3)で溶離するシリカのカラ
ムクロマトグラフィーで精製して、生成物をペルクロラ
ートアニオンとして得た。このペルクロラートを先に述
べたDowex(商標)1×2−200イオン交換カラ
ムに注入し、水で溶離し、次いで生成物の画分を集めて
減圧濃縮して、精製9−メトキシ−12,12−ジエト
キシ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,
11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム クロリド
を淡褐色の固体として得た。
【0193】実施例21 (a)アセトニトリル100mL中に11−メチル−ベン
ゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート2g(6.8
mmol)と1,1−ジメチル−2,2−ジエトキシエチレ
ン3.2gを含む反応混合物を、窒素雰囲気下80℃で
16時間加熱した。この混合物に追加の2,2−ジメチ
ル−1,1−ジエトキシエチレン(1.0g)を添加
し、その反応混合物を80℃で1時間加熱し、次いで室
温まで冷却した。反応混合物を減圧で濃縮し、残留物を
エーテルで研和し、次いで固体を濾過によって単離し乾
燥した。得られた固体生成物をイソプロパノールから再
結晶させ(活性炭を用いる)、1.98g(収率66
%)の6,11−エタノ−12,12−ジエトキシ−1
3,13−ジメチル−11−メチル−6,11−ジヒド
ロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式
I:R1 =R2 =H;R3 =R4=CH3 ;R5 =R6
=OC2 5 ;R7 =CH3 ;X- =ClO4 - )を得
た。
【0194】(b)上記の精製したペルクロラートを、
0.5N HClで予め処理したDowex(商標)1
×2−200(75g)を通過させて対応する塩化物塩
(chloride salt)に変換して、0.52
g(収率51%)の6,11−エタノ−12,12−ジ
エトキシ−13,13−ジメチル−11−メチル−6,
11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム クロリド
(式I:R1 =R2 =H;R 3 =R4 =CH3 ;R5
6 =OC2 5 ;R7 =CH3 ;X- =Cl- )を得
た。
【0195】実施例22 (a)実施例21に記載した方法と類似の方法にしたが
って、ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート
6.5g(23.3mmol)および2−イソプロピリデン
−1,3−ジオキサン6.5g(50.7mmol)をアセ
トニトリル100mL中に入れた反応混合物を、窒素雰囲
気下、室温で2時間撹拌した。その混合物を減圧で濃縮
し、残留物をエーテルで研和し、次いで固体生成物を濾
過し乾燥して、9.2g(収率97%)の6,11−エ
タノ−12,12−(1,3−プロパンジオールケター
ル)−13,13−ジメチル−6,11−ジヒドロベン
ゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I:R1
=R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5 とR6
一体となって−O(CH2 3 O−を形成している;X
- =ClO4 - )を得た。
【0196】(b)最少量のアセトニトリル中に入れた
実施例22(a)のペルクロラート(9.2g)を、水
で溶離するDowex(商標)1×2−200 280
gを通過させることによって対応する塩化物塩に変換し
て、7.2g(収率85.7%)の6,11−エタノ−
12,12−(1,3−プロパンジオールケタール)−
13,13−ジメチル−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム クロリド(式I:R1 =R2
7 =H;R3 =R4 =CH3 ;R5 とR6 は一体にな
って−O(CH2 3 O−を形成している;X- =Cl
- )を得た。
【0197】実施例23 (a)実施例21に記載した方法と類似の方法にしたが
って、10mLのアセトニトリル中に9−トリフルオロメ
チルベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオロホス
フェート1g(2.5mmol)および1,1−ジエトキシ
−2,2−ジメチルエチレン1.08g(7.5mmol)
を含む反応混合物を、窒素雰囲気下10日間還流させ
た。その混合物を冷却し、アセトニトリル150mLを用
い、シリカを介して濾過した。濾液を減圧濃縮し、得ら
れた残留物を水で研和し濾過して、固体の6,11−エ
タノ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル
−9−トリフルオロメチル−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオロホスフェート
(式I:R1 =R7 =H;R2 =9−CF3 ;R3 =R
4 =CH3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;X- =P
6 - )を得た。
【0198】(b)上記ヘキサフルオロホスフェートを
アセトニトリル10mLに入れたものを、0.5N HC
lで予め処理されたDowex(商標)1×2−200
(60g)を通過させ、次に水で溶離することによっ
て、該ヘキサフルオロホスフェートを対応する塩化物塩
に変換した。溶出液を活性炭1gで処理して濾過した。
濾液をエーテルで抽出し(2×240mL)、水性層を減
圧濃縮して、0.48g(収率48%)の6,11−エ
タノ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル
−9−トリフルオロメチル−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウムクロリド(式I:R1 =R7
H;R2 =9−CF3 ;R3 =R4 =CH3 ;R 5 =R
6 =OC2 5 ;X- =Cl- )を泡状物として得た。
【0199】実施例24 (a)実施例21に記載した方法と類似の方法にしたが
って、8,10−ジフルオロベンゾ〔b〕キノリジニウ
ム ヘキサフルオロホスフェート2g(5.5mmol)お
よび1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン
2.4g(7.5mmol)をアセトニトリル20mLに入れ
た反応混合物を窒素雰囲気下撹拌しながら3日間還流さ
せた。その混合物を冷却し、アセトニトリル150mLを
用いシリカを通じて濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物
を水で研和し、濾過して、固体のヘキサフルオロホスフ
ェートをガラス状物として得た。この塩を、アセトニト
リル/塩化メチレン(1:3)で溶離するシリカのクロ
マトグラフィーで精製した。
【0200】(b)上記ヘキサフルオロホスフェートを
最少量のアセトニトリル中に入れ、0.5N HClで
予め処理されたDowex(商標)1×2−200を通
過させ次いで水で溶離することによって、該ヘキサフル
オロホスフェートを対応する塩化物塩に変換した。得ら
れた水性層を減圧で濃縮して、1.10g(収率51
%)の6,11−エタノ−12,12−ジエトキシ−1
3,13−ジメチル−8,10−ジフルオロ−6,11
−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム クロリド(式
I:R1 =R7 =H;R2 =8,10−F2 ;R3 =R
4 =CH3 ;R5 =R6=OC2 5 ;X- =Cl-
を得た。
【0201】実施例25 (a)実施例21に記載した方法と類似の方法にしたが
って、8−メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキ
サフルオロホスフェート0.5g(1.4mmol)および
1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン0.4
3g(3.0mmol)をアセトニトリル15mLに入れた反
応混合物を65℃で20時間加熱した。追加の1,1−
ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン(0.43g)
を添加し、その反応混合物を12時間加熱し次いで室温
で14時間放置した。その混合物をアセトニトリル20
0mLを使ってシリカを介して濾過し、濾液を減圧濃縮
し、残留物を、塩化メチレン/アセトニトリル(9:
1)で溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製
し、次いで溶出液を減圧下で濃縮することによって生成
物を単離して、固体の6,11−エタノ−12,12−
ジエトキシ−13,13−ジメチル−8−メトキシ−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキ
サフルオロホスフェート(式I:R1 =R7 =H;R2
=8−OCH3 ;R3 =R4=CH3 ;R5 =R6 =O
2 5 ;X- =PF6 - )を得た。
【0202】(b)上記ヘキサフルオロホスフェートを
アセトニトリル3mLに入れたものを、0.5N HCl
で予め処理されたDowex(商標)1×2−200を
通過させ、次いで水によって溶離することによって、該
ヘキサフルオロホスフェートを対応する塩化物塩に変換
した。その水性層を減圧濃縮し乾燥して、237mg(収
率48.8%)の6,11−エタノ−12,12−ジエ
トキシ−13,13−ジメチル−8−メトキシ−6,1
1−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム クロリド
(式I:R1 =R7 =H;R2 =8−OCH3 ;R3
4 =CH3 ;R5 =R 6 =OC2 5 ;X- =C
- )を無定形固体として得た。
【0203】実施例26 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがい、9
−クロロベンゾ〔b〕キノリジニウム クロリド2.8
7g(9.7mmol)および1,1−ジエトキシ−2,2
−ジメチルエチレン2.1g(14.6mmol)をアセト
ニトリル30mLに入れた反応混合物を室温で4時間反応
させ、次に50℃で24時間加熱した。追加の2,2−
ジエトキシ−1,1−ジメチルエチレン(1g)を加
え、反応混合物を50℃で24時間加熱し次いで70℃
で24時間加熱した。混合物を冷却し、アセトニトリル
200mLを用いてシリカを介して濾過し、濾液を減圧で
濃縮し、残留物を、9%メタノール含有塩化メチレン
(0.5%TEA)で溶離するシリカのクロマトグラフ
ィーによって精製した。溶出液から得た残渣を水/メタ
ノールに溶解し、過塩素酸ナトリウム水溶液で処理し、
メタノールを減圧下で留出させ次いで混合物を冷却し濾
過した。単離された生成物を酢酸エチルに溶解し、エー
テルで希釈し、冷却し、濾過して単離した。所望の塩を
酢酸エチル/メタノールに溶解し、活性炭で処理し、濾
過し、濃縮して、0.137g(収率3%)の6,11
−エタノ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメ
チル−9−クロロ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ペルクロラートを淡褐色粉末として得
た。
【0204】実施例27 (a)実施例21に記載した方法と類似の方法にしたが
って、4−メチルベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルク
ロラート2.28g(7.8mmol)および1,1−ジエ
トキシ−2,2−ジメチルエチレン1.68g(11.
6mmol)をアセトニトリル25mLに入れた反応混合物を
室温で4時間撹拌し次いで50℃で12時間加熱した。
追加の1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン
(1g)を添加し、その反応混合物を50℃で36時間
加熱し次いで冷却した。反応混合物を濾過し、濾液を減
圧で濃縮し、次いで残留物を9%メタノール/塩化メチ
レン(0.5%TEA)で溶離するシリカのクロマトグ
ラフィーで精製した。溶出液を減圧で濃縮して、2.6
g(収率76.6%)の6,11−エタノ−12,12
−ジエトキシ−13,13−ジメチル−4−メチル−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペル
クロラート(式I:R1 =4−CH3 ;R2 =R7
H;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;X
- =ClO4 - )を淡褐色の泡状物として得た。
【0205】(b)アセトニトリル3mL中に上記ペルク
ロラートを入れ、これを、0.5N HClで予め処理
されたDowex(商標)1×2−200を通過させ次
いで水で溶離することによって対応する塩化物塩に変換
した。水性層を減圧で濃縮し、残留物をトルエン100
mLで研和し、次いで有機溶媒を減圧で濃縮して、1.7
7g(収率80.4%)の6,11−エタノ−12,1
2−ジエトキシ−13,13−ジメチル−4−メチル−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム クロ
リド(式I:R1 =4−CH3 ;R2 =R7 =H;R3
=R4 =CH3 ;R5=R6 =OC2 5 ;X- =Cl
- )を、m.p.60〜65℃の淡褐色の粉末として得た。
【0206】実施例28 (a)実施例21に記載した方法と類似の方法にしたが
って、ベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオロホ
スフェート17g(52.3mmol)と1,1−ジエトキ
シエチレン12.1g(0.104mol )をアセトニト
リル250mLに入れて調製した反応混合物を室温で12
時間撹拌した。その反応混合物を減圧で濃縮し、残留物
を熱エタノールから結晶化させて、21.6g(収率9
1.5%)の6,11−エタノ−12,12−ジエトキ
シ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム
ヘキサフルオロホスフェート(式I:R1 =R2 =R7
=R3 =R4 =H;R5 =R6 =OC2 5 ;X- =P
6 - )を得た。
【0207】(b)上記ヘキサフルオロホスフェートを
最少量のアセトニトリル中に入れたものを、0.5N
HClで予め処理されたDowex(商標)1×2−2
00を通過させ次いで水で溶離することによって、対応
する塩化物塩に変換した。その水性層を減圧で濃縮し
(400mLから50mLまで)、残留混合物をトルエンで
希釈し、得られた混合物を減圧で濃縮した(<60
℃)。白色の固体を塩化メチレン/酢酸エチルから結晶
化させて、8.49g(収率52.7%)の6,11−
エタノ−12,12−ジエトキシ−6,11−ジヒドロ
ベンゾ〔b〕キノリジニウムクロリド(式I:R1 =R
2 =R7 =R3 =R4 =H;R5 =R6 =OC2 5
- =Cl- )を、m.p.124〜126.5℃の白色粉
末として得た。
【0208】実施例29 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
10−ブロモベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラ
ート0.26g(1mmol)と1,1−ジエトキシ−2,
2−ジメチルエチレン0.28g(2mmol)をアセトニ
トリル70mLに入れた反応混合物を、室温で48時間撹
拌した。その反応混合物を濾過し、濾液を減圧で濃縮
し、残留物を9%メタノール/塩化メチレン/0.05
%トリエチルアミンで溶離するシリカのカラムクロマト
グラフィーで精製した。得られた溶出液を減圧で濃縮
し、次いで残留物にメタノール(5mL)、水(5mL)お
よび過塩素酸ナトリウム1gを添加した。固体生成物を
濾過し、固体残留物を冷水で洗浄し次いで乾燥(減圧)
して、0.201g(収率39%)の6,11−エタノ
−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−1
0−ブロモ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム ペルクロラート(式I:R1 =R7 =H;R2
=10−Br;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =−O
2 5 ;X- =ClO4 - )を、m.p.188〜194
℃の白色固体として得た。
【0209】実施例30 実施例29のペルクロラートを最少量のアセトニトリル
に入れ、これを、0.5N HClで予め処理したDo
wex(商標)1×2−200を通過させ次いで水で溶
離することによって対応する塩化物塩に変換した。水性
層を減圧で濃縮し、残留物をトルエンで希釈し、次いで
有機溶媒を減圧下で濃縮した。固体残留物をエーテルで
研和し次いで濾過して、1.68g(収率93.8%)
6,11−エタノ−12,12−ジエトキシ−13,
13−ジメチル−10−ブロモ−6,11−ジヒドロベ
ンゾ〔b〕キノリジニウム クロリド(式I:R1 =R
7=H;R2 =10−Br;R3 =R4 =CH3 ;R5
=R6 =OC2 5 ;X-=Cl- )をm.p.82〜88
℃の化合物として得た。
【0210】実施例31 実施例21に記載されている方法と類似の方法にしたが
って、9,10−メチレンジオキシベンゾ〔b〕キノリ
ジニウム ペルクロラート15.7mg(0.048mmo
l)と1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン
13.9mg(0.09mmol)をアセトニトリル10mLに
入れて調製した反応混合物を室温で48時間撹拌した。
その反応混合物を減圧で濃縮し、残留物を9%メタノー
ル/塩化メチレン(0.05%TEA)で溶離するシリ
カのクロマトグラフィーで精製した。溶出液を減圧で濃
縮し、残留物にメタノール(15mL)、水(5mL)およ
び過塩素酸ナトリウム(1g)を添加した。固体生成物
を濾過し、水で洗い、乾燥して、4mg(収率18.1
%)の6,11−エタノ−12,12−ジエトキシ−1
3,13−ジメチル−9,10−メチレンジオキシ−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペル
クロラート(式I:R1 =R7 =H;R2 =9,10
(−OCH2 O−);R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6
=OC2 5 ;X- =ClO4 - )を得た。
【0211】実施例32 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
10−メトキシ−11−メチルベンゾ〔b〕キノリジニ
ウム ペルクロラート55mg(0.15mmol)と1,1
−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン44mg(0.
3mmol)をアセトニトリル10mLに入れて調製した反応
混合物を、4時間還流し次いで室温で48時間撹拌し
た。追加の1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチ
レン(50mg)を添加し、その反応混合物を12時間還
流させ次いで冷却した。得られた反応混合物を減圧で濃
縮し、残留物を、9%メタノール/塩化メチレン(0.
05%TEA)で溶離するシリカのクロマトグラフィー
で精製した。溶出液を減圧で濃縮し、残留物にメタノー
ル(5mL)、水(5mL)および過塩素酸ナトリウム1g
を添加した。固体生成物を濾過し、水で洗浄し乾燥し
て、12.4mg(収率17.4%)の6,11−エタノ
−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−1
0−メトキシ−11−メチル−6,11−ジヒドロベン
ゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I:R1
=H;R2 =10−OCH3 ;R7 =CH 3 ;R3 =R
4 =CH3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;X- =ClO4
- )を、m.p.189〜193℃の白色粉末として得た。
【0212】実施例33 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
1−メトキシベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラ
ート0.1g(0.32mmol)と1,1−ジエトキシ−
2,2−ジメチルエチレン0.6mg(0.6mmol)をア
セトニトリル10mLに入れた反応混合物を、室温で48
時間撹拌し、次いで4時間還流させた。その反応混合物
を減圧濃縮し、残留物を9%メタノール/塩化メチレン
(0.05%TEA)で溶離するシリカのクロマトグラ
フィーで精製した。溶出液を減圧濃縮し、残留物をメタ
ノール0.5mLおよび水10mLに溶解し、次いで過塩素
酸ナトリウム1gを添加した。メタノールを減圧下で除
去し、得られた水溶液を冷却し、次いでパークロレート
を濾過し乾燥して、0.053g(収率36%)の6,
11−エタノ−12,12−ジエトキシ−13,13−
ジメチル−1−メトキシ−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I:R1
1−OCH3 ;R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3
5 =R6 =OC2 5 ;X- =ClO4 - )を、m.p.
172〜174℃の白色固体として得た。
【0213】実施例34 (a)実施例21に記載した方法と類似の方法にしたが
って、10−イソプロポキシベンゾ〔b〕キノリジニウ
ム ヘキサフルオロホスフェート3g(7.8mmol)お
よび1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン
1.69g(11.7mmol)をアセトニトリル50mLに
入れて調製した反応混合物を、80℃で18時間加熱し
た。その反応混合物を冷却し、濾過し、次いで濾液を減
圧濃縮に付して、4.1g(収率91.3%)の6,1
1−エタノ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジ
メチル−10−イソプロポキシ−6,11−ジヒドロベ
ンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオロホスフェー
(式I:R1 =R7 =H;R2 =10−OCH(CH
3 2 ;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC
2 5 ;X - =PF6 - )を黄色泡状物として得た。
【0214】(b)実施例34(a)のヘキサフルオロ
ホスフェート(4g、6.9mmol)を最少量のアセトニ
トリル中に入れ、これを、0.5N HClで予め処理
されたDowex(商標)1×2−200を通過させ次
いで水で溶離することによって、上記ホスフェートを対
応する塩化物塩に変換した。その水性層を減圧濃縮し
て、1.4g(収率47.8%)の6,11−エタノ−
12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−10
−イソプロポキシ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム クロリド(式I:R1 =R7 =H;R2
=10−OCH(CH32 ;R3 =R4 =CH3 ;R
5 =R6 =OC2 5 ;X- =Cl- )を、m.p.74〜
80℃の黄色粉末として得た。
【0215】実施例35 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
9−ブロモベンゾ〔b〕キノリジニウム ブロミド4g
(11.7mmol)および1,1−ジエトキシ−2,2−
ジメチルエチレン1.24g(17.6mmol)をアセト
ニトリル50mLに入れて調製した反応混合物を、室温で
1時間撹拌し、次いで55℃で3時間加熱した。追加の
1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン(1
g)を添加し、次いでその反応混合物を55℃で26時
間加熱し次に冷却した。反応混合物を減圧濃縮し、残留
物をエーテルで研和し、次いで有機層をデカントした。
【0216】上記残留物をニトロメタンに溶解し、その
溶液を冷却し、濾過し、次いでその濾液を減圧で濃縮し
た。残留生成物を、10%エタノール/塩化メチレンで
溶離するシリカのクロマトグラフィーで精製し、溶出液
を濃縮した。残留固体に、水(200mL)、メタノール
(10mL)および過塩素酸ナトリウムを添加し、生成し
た溶液を冷却し、次いで白色固体を濾過し、続けてメタ
ノール(5mL)および温水で研和した。白色固体を濾過
し乾燥して、1.91g(収率31.7%)の6,11
−エタノ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメ
チル−9−ブロモ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ペルクロラート(式I:R1 =R7
H;R2 =9−Br;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6
=OC2 5 ;X- =ClO4 - )を、m.p.163〜1
65℃の化合物として得た。
【0217】実施例36 さきに記載したのと類似の手順にしたがって、下記の公
知の化合物:6,11−エタノ−12,12−ジエトキ
シ−13−ブロモ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R
7 =H;R3 =Br;R4 =H;R5 =R6 =OC2
5 ;X- =ClO4 - )(m.p.191〜194℃)を製
造した。
【0218】実施例37および38 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
1,1−ジエトキシ−2−メチルエチレン(10.9
g、0.084mol )を100mLのアセトニトリルに溶
解して得た溶液を、ベンゾ〔b〕キノリジニウム ブロ
ミド17.35g(0.07mol )の混合物に、窒素雰
囲気下、滴下して加え、次にその反応混合物を室温で1
2時間撹拌し次いで濾過した。濾液を減圧濃縮し、次い
で残留物を塩化メチレン300mLに溶解し、30℃まで
加熱し次に0℃まで冷却した。固体のベンゾ〔b〕キノ
リジニウムを濾過によって除去し、濾液を濃縮して、2
2g(収率87.8%)の6,11−エタノ−12,1
2−ジエトキシ−13−メチル−6,11−ジヒドロベ
ンゾ〔b〕キノリジニウム ブロミド(幾何異性体の混
合物として)を泡状物として得た。
【0219】上記ブロミド(混合物)を、ピリジン/酢
酸/水(55/20/25)/酢酸エチル(1.5/
1)で溶離するシリカのクロマトグラフィーで精製し、
画分1と画分2を得た。各画分を減圧濃縮し、残留物に
水(20mL)と過塩素酸ナトリウムを添加し、生成した
各塩を濾過した。
【0220】単離された各残留固体を熱水/メタノール
に溶解し、濾過し、沈澱した固体を単離し、水から再結
晶させて、6,11−エタノ−12,12−ジエトキシ
−13−メチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノ
リジニウム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7
=H;R3 =CH3 ;R4 =H;R5 =R6 =OC2
5 ;X- =ClO4 - )(m.p.159〜162℃の白色
固体)(実施例37)、および6,11−エタノ−1
2,12−ジエトキシ−13−メチル−6,11−ジヒ
ドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式
I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =H;R4 =CH3
5 =R6 =OC2 5 ;X- =ClO4 - )(m.p.1
77〜180℃の白色固体)(実施例38)を得た。
【0221】実施例39 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
1,1−ジプロポキシ−2,2−ジメチルエチレン
(3.69g、0.0214mol )を、ベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ペルクロラート(2g、0.0716mo
l )をアセトニトリル(25mL)に加えて調製した混合
物に加え、その反応混合物を50℃で2時間加熱した。
反応混合物を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し
冷却し、次いで濾過した。濾液を酢酸エチルで希釈し、
活性炭で処理し、supercel(商標)を介して濾
過し、次いで濾液を減圧濃縮し、白色粉末を乾燥して
(40℃、減圧)、1.77g(収率54.8%)の
6,11−エタノ−12,12−ジプロポキシ−13,
13−ジメチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノ
リジニウム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7
=H;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC3 7
- =ClO4 - )を、m.p.150〜155℃の白色粉
末として得た。
【0222】実施例40 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
1−メトキシ−1−トリメチルシリルオキシ−2,2−
ジメチルエチレン(1.24g、7.1mmol)を、ベン
ゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(1g、3.
58mmol)をアセトニトリル(20mL)に含む混合物に
添加し、その反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応
混合物を減圧下(60℃)で濃縮し、残留物(橙色泡状
物)を水20mLおよびメタノール1mLに溶解し、次いで
その溶液を短時間で50℃まで加熱した。
【0223】上記の溶液を冷却し、濾過して、1.42
g(収率87.7%)の6,11−エタノ−12−メト
キシ−12−トリメチルシリルオキシ−13,13−ジ
メチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウ
ム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7 =H;R
3 =R4 =CH3 ;R5 =OCH3 ;R6 =OSi(C
3 3 ;X- =ClO4 - )を、m.p.158〜164
℃の淡褐色の固体として得た。
【0224】実施例41および42 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
1,1−ジエトキシ−2−クロロエチレン(3.6g、
24mmol)を、ベンゾ〔b〕キノリジニウムブロミド
(4g、16.1mmol)を、アセトニトリル(40mL)
に加えて調製した混合物に添加し、その反応混合物を室
温で14時間撹拌し、次いで2,2−ジエトキシ−1−
クロロエチレンを加えながら(2×1g)45℃で2日
間加熱した。その反応混合物を冷却し、濾過して、4.
1g(収率59.4%)の6,11−エタノ−12,1
2−ジエトキシ−13−クロロ−6,11−ジヒドロベ
ンゾ〔b〕キノリジニウム ブロミド(式I:R1 =R
2 =R7 =H;R3 =Cl;R4 =H;R5 =R6 =O
2 5 ;X- =Br- )(m.p.220〜230℃)を
得た(実施例41)。上記濾液を減圧下で濃縮し、残留
物をシリカのクロマトグラフィー(E/PAW(1:
1))で精製して画分Aと画分Bを得た。
【0225】画分Aを濃縮して、追加の40mgの6,1
1−エタノ−12,12−ジエトキシ−13−クロロ−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ブロ
ミド(実施例41、異性体A)を得た。画分Bを濃縮し
て、800mg(収率11.6%)の6,11−エタノ−
12,12−ジエトキシ−13−クロロ−6,11−ジ
ヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ブロミド(異性体
B)を単離した。上記異性体B(ブロミド)を水20mL
に溶解し、そのブロミドの溶液に過塩素酸ナトリウムを
添加し、沈澱した白色固体を濾過し、水で洗い次いで乾
燥して(減圧下40℃で12時間)、6,11−エタノ
−12,12−ジエトキシ−13−クロロ−6,11−
ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート
(式I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =H;R4 =C
l;R5 =R6 =OC2 5 ;X-=ClO4 - )(実
施例42、異性体B)を、m.p.184〜188℃の白色
固体として得た。
【0226】実施例44 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
1−(ジエチル)アミノ−2,2−ジメチルエチレン
(4g、31mmol)をアセトニトリル(20mL)に加え
て得た混合物を、0℃で、アクリジジニウム ブロミド
(acridizinium bromide)(6
g、24mmol)をアセトニトリル100mLに添加して得
た混合物に滴下した。その反応混合物を撹拌しながら室
温まで昇温させた。その反応混合物を減圧下で濃縮し、
残留物を水に溶解し、得られた水溶液にHClO4 を添
加した。白色固体の沈澱を濾過し、水とTHFで洗浄し
て、6.2g(収率51%)の6,11−エタノ−12
−(ジエチル)アミノ−13,13−ジメチル−6,1
1−ジヒドロ〔b〕キノリジニウム ジペルクロラート
(式I:R1 =R2 =R7 =H;R3 =R4 =CH3
5 =N(C2 5 2;R6 =H;X- =Cl
4 - )を、m.p.143〜146℃の白色固体として得
た。
【0227】実施例45 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート804mg
(2.5mmol)および2−イソプロピリデン−4
(R),6(R)−(ジメチル)−1,3−ジオキサン
450mg(2.88mmol)をアセトニトリル50mLに添
加して得た反応混合物を、室温で4時間撹拌した。その
混合物を濾過し、得られた白色の固体を9%メタノール
/塩化メチレンで溶離するシリカのクロマトグラフィー
で精製した。溶媒を減圧下で濃縮して、770mg(収率
63.6%)の6,11−エタノ−12,12−(2
R,4R−ペンタンジオールケタール)−13,13−
ジメチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニ
ウム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7 =H;
3=R4 =CH3 ;R5 とR6 は一体となって(R,
R)−OCH(CH3 )CH 2 CH(CH3 )O−を形
成している;X- =ClO4 - )をm.p.193〜196
℃の白色固体として得た。
【0228】実施例46 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン(1.
29g、18.4mmol)を、アセトニトリル(50mL)
に9−ニトロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラ
ート4g(12.3mmol)を入れた混合物に添加し、そ
の反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に45℃で3時
間加熱した。1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエ
チレン(1g)を追加して、加えた後、反応混合物を5
5℃で23時間加熱した。反応混合物を冷却し、減圧下
で濃縮し、残留物に酢酸エチルを添加した。沈澱した白
色の固体を濾過し次いで乾燥(40℃/減圧)して、
6,11−エタノ−12,12−ジエトキシ−13,1
3−ジメチル−9−ニトロ−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I:R1
7 =H;R2 =9−NO2 ;R3 =R4 =CH3 ;R
5 =R6 =OC2 5 ;X- =ClO4 - )を、m.p.1
93〜195℃の白色固体として得た。
【0229】実施例47 実施例21に記載されている方法と類似の方法にしたが
って、1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン
(107mg、0.5mmol)を、アセトニトリル5mLに1
0−メチルベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラー
ト(100mg、0.34mmol)を入れた混合物に添加
し、その反応混合物を室温で12時間撹拌し次いで60
℃で10時間加熱した。その反応混合物を室温で20時
間放置した後、濃縮し、黄色の残留固体をトルエンで研
和し、次いでその溶媒を減圧下で濃縮した。得られた油
状物を水/メタノール(4:1)、過塩素酸ナトリウム
(500mg)で処理し、次いでメタノールを減圧で除去
した。生成した淡褐色の固体を濾過し乾燥して、58mg
(収率39%)の6,11−エタノ−12,12−ジエ
トキシ−13,13−ジメチル−10−メチル−6,1
1−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラ
ート(式I:R1 =R7 =H;R2 =10−CH3 ;R
3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;X- =C
lO4 - )を、m.p.82〜91℃の淡褐色の固体として
得た。
【0230】実施例48および49 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
1−エトキシ−2,2−ジメチルエチレン(1.69
g、16mmol)を、アセトニトリル35mLにベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(3g、10.
7mmol)を加えて得た混合物に添加し、その反応混合物
を60℃で12時間加熱した。冷却後、得られた褐色の
溶液を、9%メタノール/塩化メチレン(0.5%TE
A)で溶離するシリカのクロマトグラフィーによって精
製した。溶出液を減圧下で濃縮し、残留物をE/PAW
(1.5:1)次いでE/PAW(2:1)で溶離する
シリカのクロマトグラフィーに再度付して、それぞれ、
600mgの6,11−エタノ−12−エトキシ−13,
13−ジメチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノ
リジニウム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7
=H;R3 =R4 =CH3;R5 =H;R6 =OC2
5 ;X- =ClO4 - )が、m.p.158〜164℃の白
色固体として得られ(実施例48)、ならびに40mgの
6,11−エタノ−12−エトキシ−13,13−ジメ
チル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム
ペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7 =H;R3
=R4 =CH 3 ;R5 =OC2 5 ;R6 =H;X-
ClO4 - )が、m.p.106〜108℃の白色固体とし
て得られた(実施例49)。各異性体は、その固体生成
物を塩化メチレン/メタノールに溶解し、濾過し、溶媒
を減圧下で濃縮し、次にエーテルで研和することによっ
てさらに精製し次いで単離した。
【0231】実施例50 実施例21に記載されている方法と類似の方法にしたが
って、1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン
(77mg、0.53mmol)を、アセトニトリル5mLに
7,10−ジメチルベンゾ〔b〕キノリジニウム ペル
クロラート(150mg、0.487mmol)を入れて調製
した混合物に添加し、その反応混合物を撹拌しながら5
0℃で8時間加熱し、次いで追加の1,1−ジエトキシ
−2,2−ジメチルエチレン(77mg、0.53mmol)
を添加しながら、65℃で4時間加熱した。その反応混
合物を濃縮し、次に残留固体を酢酸エチル/エーテルか
ら結晶化させて、90mg(収率41%)の6,11−エ
タノ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル
−7,10−ジメチル−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I:R1
7 =H;R2 =7,10−(CH3 2 ;R3 =R4
=CH3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;X- =Cl
4 - )を、m.p.が82〜90℃の無定形泡状物として
得た。
【0232】実施例51 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン(81
mg;0.56mmol)を、アセトニトリル5mLに11−メ
チルベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(B
radsherおよびParham,J.Org.Ch
em.,28巻、83〜85頁、1963年)(150
mg、0.51mmol)を加えて得た混合物に添加し、その
反応混合物を50℃で8時間加熱し、次いで追加の1,
1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン(81mg、
0.56mmol)を添加しながら65℃で12時間加熱し
た。その反応混合物を冷却し、濃縮し、次いで残留油状
物を9%メタノール/塩化メチレンで溶離するシリカの
クロマトグラフィーで精製した。溶出液を濃縮し、次い
で淡褐色の残留粉末を酢酸エチル/エーテルから結晶化
させて、180mg(収率81%)の6,11−エタノ−
12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−11
−メチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニ
ウム ペルクロラート(式I:R1 =R2 =H;R7
CH3 ;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC
2 5 ;X- =ClO4 - )をm.p.144〜146℃の
淡褐色粉末として得た。
【0233】実施例52 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
アセトニトリル10mLに7,10−ジメトキシベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラート110mg(0.
32mmol)を入れた混合物に、1,1−ジエトキシ−
2,2−ジメチルエチレン(93mg、0.64mmol)を
添加し、その反応混合物を室温で48時間撹拌し次いで
4時間還流した。追加の1,1−ジエトキシ−2,2−
ジメチルエチレン(100mg)を混合物に添加した後2
4時間還流させた。混合物を濃縮し、残留物を9%メタ
ノール/塩化メチレン(0.05%TEA)で溶離する
シリカのクロマトグラフィーで精製した。溶出液を減圧
下で濃縮し、残留物に水5mL、メタノール0.5mLおよ
び過塩素酸ナトリウム1gを添加した。メタノールを減
圧下で除去し、褐色の固体を濾過し、冷水で洗い、乾燥
(40℃/減圧)して、80.9mg(収率51%)の
6,11−エタノ−12,12−ジエトキシ−13,1
3−ジメチル−7,10−ジメトキシ−6,11−ジヒ
ドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式
I:R1 =R7 =H;R2 =7−OCH3 ,10−OC
3 ;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC2 5
- =ClO 4 - )をm.p.212〜220℃の褐色固体
として得た。
【0234】実施例54 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
アセトニトリル10mLに7−メチルベンゾ〔b〕キノリ
ジニウム ペルクロラート730mg(2.4mmol)およ
び1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン56
3mg(3.7mmol)を添加して得た反応混合物を室温で
40時間撹拌し次いで50℃で12時間加熱した。追加
の1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチレン(1
g)を添加した後、その反応混合物を50℃で30時間
加熱した。
【0235】該混合物を冷却し、濾過し、濾液を減圧下
で濃縮した。残留物を、9%メタノール/塩化メチレン
(0.5%トリエチルアミン(TEA))で溶離するシ
リカのクロマトグラフィーで精製した。溶媒を減圧下で
濃縮して、783mg(収率75.8%)の6,11−エ
タノ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル
−7−メチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリ
ジニウム ペルクロラート(式I:R1 =R7 =H;R
2 =7−CH3 ;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =O
2 5 ;X- =ClO4 - )を得た。
【0236】実施例55 実施例54のペルクロラートをアセトニトリル10mLに
入れ、これを、0.5N HClで予め処理したDow
ex(商標)1×2−200(50g)を通過させ水で
溶離することによって上記ペルクロラートを対応する塩
化物塩に変換した。溶出液を減圧下で濃縮し、褐色の残
留固体をトルエンで研和して、0.351gの6,11
−エタノ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメ
チル−7−メチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム クロリド(式I:R1 =R7 =H;R2
=7−CH3 ;R3 =R4 =CH3 ;R5 =R6 =OC
25 ;X- =Cl- )を、m.p.49〜56℃の褐色ガ
ラス状物として得た。
【0237】実施例56 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
アセトニトリル10mLに7−アセトキシ−10−t−ブ
チル−ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート3
00mg(0.76mmol)を入れてなる混合物に、2−イ
ソプロピリデン−4(R),5(R)−ジメチル−1,
3−ジオキソラン(950mg)を添加し、その反応混合
物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃
縮し、淡褐色の残留物をエーテルで洗浄した。
【0238】上記淡褐色の残留物を8.5%エタノール
/塩化メチレン(0.5%TEA)で溶離するシリカの
クロマトグラフィーで精製した。溶出液を減圧下で濃縮
して、6,11−エタノ−12,12−(2R,3R−
ブタンジオールケタール)−13,13−ジメチル−7
−アセトキシ−10−t−ブチル−6,11−ジヒドロ
ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラートを淡褐色
固体として得た。
【0239】また上記エーテルも5%エタノール/塩化
メチレン(0.5%TEA)で溶離するシリカのカラム
クロマトグラフィーで精製した。溶出液を減圧下濃縮し
て、6,11−エタノ−12,12−(2R,3R−ブ
タンジオールケタール)−13,13−ジメチル−7−
アセトキシ−10−t−ブチル−6,11−ジヒドロベ
ンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラートを淡褐色の
固体として得た。これらのクロマトグラフィーによる精
製によって、195mg(収率48%)の6,11−エタ
ノ−12,12−(2R,3R−ブタンジオールケター
ル)−13,13−ジメチル−7−アセトキシ−10−
t−ブチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム ペルクロラート(式I:R1 =R7 =H;R2
=7−OAc,10−t−Bu;R3 =R4 =CH3
5 とR6 は一体となって(R,R)−OCH(C
3 )CH(CH3 )O−を形成している;X- =Cl
4 -)を、m.p.183〜188℃の淡褐色固体として
得た。
【0240】実施例57 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
アセトニトリル10mLに7−アセトキシ−10−t−ブ
チル−アクリジジニウム ペルクロラート377mg
(0.96mmol)を添加して得た混合物に、2−イソプ
ロピリデン−4R,6R−ジメチル−1,3−ジオキサ
ン(150mg、0.96mmol)を添加し、その反応混合
物を室温で4時間撹拌し次いで60℃で3時間加熱し
た。反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮し、得られた淡
褐色の残留物をエーテルで洗い、濾過して淡褐色の固体
を得た。
【0241】上記淡褐色の残留物を、8.5%エタノー
ル/塩化メチレン(0.5%TEA)で溶離するシリカ
のクロマトグラフィーで精製した。溶出液を減圧下で濃
縮して、320mg(収率60%)の6,11−エタノ−
12,12−(2R,4R−ペンタンジオールケター
ル)−13,13−ジメチル−7−アセトキシ−10−
t−ブチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム ペルクロラート(式I:R1 =R7 =H;R2
=7−OAc,10−t−Bu;R3 =R4 =CH3
5 とR6 は一体となって(R,R)−OCH(C
3 )CH2 CH(CH3 )O−を形成している;X-
=ClO4 - )をm.p.118〜123℃の淡褐色の固体
として得た。
【0242】実施例58 実施例21に記載したのと類似の方法によって、アセト
ニトリル15mLに1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチ
ルエチレン(536mg、3.7mmol)を入れ、この混合
物を、7−アセトキシ−10−t−ブチル−ベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラート300mg(0.
76mmol)に添加し、その反応混合物を50℃で8時間
加熱し次いで冷却した。反応混合物を減圧下で濃縮し、
残留物を8%メタノール/塩化メチレン(0.05%T
EA)で溶離するシリカのクロマトグラフィーで精製し
た。有機溶媒を減圧下で濃縮して、278mg(収率6
8.1%)の6,11−エタノ−12,12−ジエトキ
シ−13,13−ジメチル−7−アセトキシ−10−t
−ブチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニ
ウム ペルクロラート(式I:R1 =R7 =H;R2
7−OAc,10−t−Bu;R3 =R4 =CH3 ;R
5 =R6 =OC2 5 ;X- =ClO4 - )を、m.p.8
6〜95℃の淡褐色の泡状物として得た。
【0243】実施例59 6,11−エタノ−12,12−ジエトキシ−13,1
3−ジメチル−7−アセトキシ−10−t−ブチル−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウムペルク
ロラート(197mg、0.37mmol)、飽和重炭酸ナト
リウム溶液(4mL)、エタノール(4mL)およびTHF
(2mL)からなる反応混合物を室温で4.5時間撹拌し
た。その反応混合物に塩化メチレン(100mL)を添加
し、得られた混合物を1N HCl溶液20mL中(氷
冷)に注入し、得られた酸性(pH6)混合物を追加の塩
化メチレンで抽出した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウ
ム)、減圧下で濃縮し、残留物を11%エタノール/塩
化メチレンで溶離するシリカのクロマトグラフィーで精
製して、72mg(収率39.7%)の6,11−エタノ
−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−7
−ヒドロキシ−10−t−ブチル−6,11−ジヒドロ
ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート(式I:
1 =R7 =H;R2 =7−OH,10−t−Bu;R
3 =R4 =CH 3 ;R5 =R6 =OC2 5 ;X- =C
lO4 - )を、m.p.210〜215℃の褐色固体として
得た。
【0244】実施例60および61 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
アセトニトリル20mLに入れた1−ジエチルアミノプロ
ペン(3.56g、31mmol)を、アセトニトリル10
0mLにベンゾ〔b〕キノリジニウム ブロミド6g(2
4.2mmol)を添加して得た混合物に、0℃で20分間
かけて滴下して加えた。得られた混合物を室温まで昇温
させ、濾過し、次いで減圧下で濃縮した(またエナミン
を除去した)。得られた淡褐色の残留油状物を、ピリジ
ン/酢酸/水(55/20/25)(PAW)/酢酸エ
チル(1.5:1)で溶離するシリカのクロマトグラフ
ィーで精製し、画分Aと画分Bを得た。各画分を減圧下
で濃縮し(<50℃)、残留物を水に溶解し、その水溶
液に過塩素酸ナトリウムとHClO4 を添加し、生成し
た固体を濾過によって単離して、それぞれ、6,11−
エタノ−12−(ジエチル)アミノ−13−メチル−
6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ジペ
ルクロラート(式I:R1 =R2 =R7 =H;R3
H;R4 =CH3;R5 =N(C2 5 2 ;R6
H;X- =ClO4 - )(実施例60、異性体A)がm.
p.175〜180℃の灰白色の固体として得られ、なら
びに6,11−エタノ−12−(ジエチル)アミノ−1
3−メチル−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム ジペルクロラート(式I:R1 =R2 =R7
H;R 3 =CH3 ;R4 =H;R5 =N(C
2 5 2 ;R6 =H;X- =ClO4 -)(実施例6
1、異性体B)が得られた。
【0245】実施例62 実施例21に記載した方法と類似の方法にしたがって、
アセトニトリル20mLに入れた1−ジエチルアミノプロ
ペン(3.56g、31mmol)を、アセトニトリル10
0mLにベンゾ〔b〕キノリジニウム ブロミド6g(2
4.2mmol)を入れて調製した混合物中に、0℃で20
分間かけて滴下した。混合物を室温まで昇温させて1時
間撹拌した。得られた反応混合物を濾過し、濾液を減圧
下で濃縮(<40℃)して橙色の泡状物を得た。橙色の
残留泡状物を水60mLに溶解し過塩素酸ナトリウム10
gを添加した。生成した褐色ガム状物を、水性層をデカ
ントすることによって分離し、その残留物に水40mLと
HClO4 4mLを添加した。沈澱した白色固体を濾過
し、THF100mLに溶解し、そのTHF溶液を短時間
還流させ次いで冷却した。白色固体の生成物を濾過し次
いで乾燥して、3.3gの6,11−エタノ−12−
(ジエチル)アミノ−13−メチル−6,11−ジヒド
ロベンゾ〔b〕キノリジニウムペルクロラート(式I:
1 =R2 =R7 =H;R3 =H;R4 =CH3 ;R 5
=N−(C2 5 2 ;R6 =H;X- =ClO4 -
(幾何異性体の混合物)を、m.p.147〜149℃の白
色固体として得た。
【0246】実施例63 上記方法と類似の方法にしたがってまたは当該技術分野
で公知の方法を利用して、下記の公知の化合物(実施例
63(a)〜63(m))を製造した。ところが予想外
のことであるがこれらの化合物はPCP受容体に結合す
ることが見出された。したがってこれらの化合物は神経
変性疾患または神経毒損傷の治療または予防に有用であ
る。
【0247】(a)12,12−ジエトキシ−6,11
−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニ
ウム ブロミド (b)12,12−ジエトキシ−13−ブロモ−6,1
1−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム ペルクロラート (c)11−メチル−12,12−ジエトキシ−6,1
1−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム ペルクロラート (d)12,12−ジエトキシ−13−メチル−6,1
1−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
ニウム ペルクロラート(幾何異性体の混合物として) (e)7,10−ジメチル−12,12−ジエトキシ−
13−メチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロ
ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート (f)7−メチル−12,12−ジエトキシ−6,11
−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニ
ウム ペルクロラート (g)9−メチル−12,12−ジエトキシ−6,11
−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニ
ウム ペルクロラート (h)7,10−ジメチル−12,12−ジエトキシ−
6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ペルクロラート (i)8,9−ジメチル−12,12−ジエトキシ−
6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ペルクロラート (j)12,12−ジエチルアミノ−13−フェニル−
6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム ペルクロラート (k)7−メチル−12,12−ジエトキシ−13−メ
チル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラート (l)11−メチル−12,12−ジエトキシ−13−
メチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ
〔b〕キノリジニウム ペルクロラート (m)12,12−ジメトキシ−13,13−ジメチル
−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕
キノリジニウム ペルクロラート
【0248】実施例64 実施例1(a)に記載した方法と類似の方法にしたが
い、ただしベンゾ〔b〕キノリジニウム ブロミドの代
わりに式IVで表される適切に置換されたベンゾ〔b〕キ
ノリジニウム塩を用いて、式Iで表される下記の化合物
を製造することができると考えられる。 (a)9−トリクロロメチル−12,12−ジエトキシ
−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11
−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ヘキサフルオ
ロホスフェート (b)4−ブロモ−12,12−ジエトキシ−13,1
3−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロ
ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート (c)2−メチル−12,12−ジエトキシ−13,1
3−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロ
ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート
【0249】
【発明の効果】
生物学的試験の結果 本発明の化合物の代表例が、有用な薬理特性を有するこ
とが見出されたのである。特にこれらの化合物はPCP
受容体に結合することが見出された。したがってこれら
の化合物は、興奮性アミノ酸類例えばグルタメートがN
MDA受容体に対してもっている作用についての非競合
的遮断剤(拮抗剤)である。したがって本発明の化合物
は、ハンチントン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索
硬化症、ダウン症候群、老年性痴呆、I型グルタル酸血
症、多発脳梗塞性痴呆、パーキンソン病、ウイルス性脳
障害(限定されないがHIV感染症に関連する痴呆を含
む)および制御されていない発作に付隨するニューロン
の損傷のような神経変性疾患;ならびに虚血性、低酸素
性もしくは低血糖性症状に関連する神経毒損傷の治療ま
たは予防を行うのに有用である。このような虚血性、低
酸素性もしくは低血糖性症状の代表的な例としては、卒
中発作、脳血管発作、一酸化炭素中毒、高インスリン血
症、心停止、溺死、窒息、脊椎もしくは頭部の外傷、新
生児の酸素欠乏性外傷、冠状動脈バイパス移植および周
産期仮死がある。
【0250】特に本発明の化合物は、虚血性、低酸素性
もしくは低血糖性症状に関連する神経毒損傷および特に
卒中発作に関連する虚血性、低酸素性もしくは低血糖性
症状の治療と予防に有用である。
【0251】本発明の化合物の代表例の薬理特性を、下
記のような通常の生体外および生体内の生物学的試験法
によって示した。
【0252】 3H〕TCP電磁波受容体(radio
receptor)アッセイ(内部スクリーン:int
ernal screen) PCP認識部位への〔 3H〕TCPの結合は、Vignon
ら、Brain Research、 280巻、 194〜197 頁、1983年に
記載されているように行った。雄のスプレーグ・ドーリ
ーラットを断頭によって殺し、次いで全脳を、Brin
kmann Polytron(セッティング6、30
秒間)を用いて、10倍容積(wt/vol )の冷トリス−
HCl緩衝液(50mM、pH7.7)でホモジナイズし
た。そのホモジネートを40,000×gで10分間4
℃で遠心分離した。上澄液をデカントし、次いでホモジ
ナイゼーションと遠心分離のステップを、先に述べたの
と同様に2回繰返した。これに続いて、生成したペレッ
トを、0.5〜0.75g/mLの組織濃度でトリス−H
Cl(5mM、pH7.7)中に再懸濁させ、使用するまで
1mLずつのアリコートを−70℃で凍結させた。PCP
認識部位に対する結合特性は、膜の懸濁液の凍結によっ
て変化しなかった。
【0253】アッセイを行う日に、膜のアリコートを解
凍し、1mg/mLの組織濃度で、新しい5mMトリス−HC
l緩衝液中に再懸濁させ、次いで使用するまで氷上で貯
蔵した。各アッセイ用試験管には、最終濃度が約1mMの
3H〕TCP(100μl)、各種濃度の被検化合物
(100μl)、組織懸濁液(500μl)および緩衝
液(300μl)を入れて、最終アッセイ容積を1mLに
し、かつ最終タンパク質濃度を0.5mg/試験管にし
た。非特異的結合は、最終濃度100μM PCPをブ
ランクの試験管に加えることによって測定した。試験管
はすべて、室温で25分間インキュベートを行った後
に、Whatman GF/Bガラス繊維フィルターで
迅速濾過を行うことによって反応を停止させた。なお上
記フィルターは、使用する前に少なくとも1時間0.5
%ポリエチレンイミン溶液に予め浸漬した。フィルター
は4mL容積づつの冷トリス緩衝液で3回洗浄した。シン
チレーション・カクテルを添加してから、捕捉された放
射能の量を、トリチウムに対する効率が約55%のBe
ckman LS5000TA液体シンチレーションカ
ウンターを用い、液体シンチレーション分光法で測定し
た。阻害定数(Ki値)は、ELsevier/Biosoft,Inc.か
ら購入したEBDA/LIGANDプログラムを用いて
計算した (McPherson, J.Pharmacol.Meth., 14巻、 213
〜228 頁、1985年)。試験結果は、Ki値または10μ
Mでの結合阻害百分率(%)として報告する。
【0254】また本発明の代表的な化合物は、下記のプ
ロトコールを用いて外部〔 3H〕TCP電磁波受容体測
定法でも試験した。
【0255】 3H〕TCP電磁波受容体アッセイ(外
部スクリーン:external screen) 全ラット前脳膜を、25分間室温でインキュベートする
のに代わって25℃で60分間インキュベートしてから
反応を停止させることを除いて、〔 3H〕TCP電磁波
受容体アッセイ(内部スクリーン)について先に述べた
方法と同様の方法を利用した。試験結果は、10μMで
の結合阻害百分率(%)で報告する。
【0256】NMDA誘発神経毒性に対する培養ニュー
ロンの拮抗作用 培養皮質ニューロンの調製 妊娠しているスイス−ウェブスターマウスを Taconic F
arms社(米国、ニューヨーク州、ジャーマンタウン所
在)から入手し、受胎してから16日後に殺した。胎児
(fetus)を取出し、ハンクスバランス塩溶液(H
BSS)pH7.4が入っている滅菌皿中に入れた。脳皮
質を切断し、髄膜を除き、その組織を細断し、0.25
%(w/v)のトリプシンを含有するHBSSの溶液中
に37℃で15分間置いた。次に組織を滅菌パスツール
ピペットで砕き、10%ウマ血清、10%ウシ胎児血
清、2mM 1−グルタミン、21mM d−グルコース、
2.2g/L重炭酸ナトリウム、1000U/mLペニシ
リンおよび1,000μg/mLストレプトマイシンを補
充した最少必須培地(Gibco 330−1430)
pH7.4で希釈した。細胞を、Falcon prim
aria 96ウェルプレートに最終濃度50,000
細胞/ウェルでプレートし、次いで5%(v/v)二酸
化炭素の存在下、37℃でインキュベートした。5日後
プレーティング培地を、10%ウマ血清、10% 1−
グルタミン、21mM d−グルコース、2.2g/L重
炭酸ナトリウム、1000U/mLペニシリン、1000
μg/mLストレプトマイシンおよび10μMシトシンア
ラビノシドを補充した最少必須培地(Gibco 33
0−1430)pH7.4を含有する維持培地に変えた。
7日目と10日目に、培地を、シトシンアラビノシドを
除いた上記維持培地に変えた。試験は13日目に行っ
た。
【0257】神経防護の評価 13日目に、培養された皮質ニューロンを最少必須培地
pH7.4で2回洗浄し、次いで試験試薬の濃度を変える
かまたは変えずに、500μM N−メチル−D−アス
パラギン酸(NMDA)に30分間暴露した。最終濃度
が10μM MK−801のDizocilpine
(MK801)を陽性の対照として常に含めた。MK−
801と試験薬剤は、21mM d−グルコースと2.2
g/L重炭酸ナトリウムを補充した最少必須培地(ME
M)中に調製した。30分後、培地をMEMのみに変え
た。試験薬剤に対するニューロンの暴露はNMDA処理
期間に限定した。NMDAを除いてから24時間後、各
ウェルから培地のアリコートを取出し、Wroblewskiおよ
び LaDue, Proc.Soc.Exp.Biol.Med., 90巻、 210〜213
頁、1955年の方法によって乳酸デヒドロゲナーゼ(LD
H)の活性を測定することによって細胞の損傷を評価し
た。試験結果は、NMDA誘発神経毒性に対する拮抗性
についてIC50(nM) 値(50%阻害を起こす濃度)で
示してある。
【0258】第1表に、〔 3H〕TCP電磁波受容体ア
ッセイ(内部スクリーンおよび外部スクリーン)ならび
にNMDA誘発神経毒性に対する培養ニューロンの拮抗
作用について、本発明の代表的化合物を試験して得た結
果を要約してある。
【0259】
【表1】
【0260】
【表2】
【0261】再潅流(reperfusion)による
中大脳動脈閉塞(MCAO)のモデル 文献(例えばStroke、17巻、 738〜743 頁、1986年;St
roke、20巻、 513〜518 頁、1989年)に広く報告されて
いるものに類似する3血管ラット虚血モデル(3−ve
ssel rat ischemia model)を
利用した。イソフルランで麻酔して、右中大脳動脈(側
頭筋を経由する方法)および両方の総頚動脈を、60〜
120分間期間を変えて可逆的に閉塞した。重量が30
0〜420gの雄のロング・エバンス・フーデッドラッ
ト(Long Evns hooded rat)およ
び雄のスプレーグ・ドーリーラットを使用した。動物の
温度は、赤外線ランプによって試験中維持された。大腿
静脈とその同側大腿動脈に、静脈内注入、動脈血圧の測
定および血液試料採取のためカニューレを挿入した。試
験化合物の注入は、閉塞の30分前に40mL/分の流量
で開始した。血液流が再開した後、動物は意識を取戻し
た。虚血を開始してから6時間後、動物を殺し、ニュー
ロンの損傷の程度をTTC染色法で定量した。試験結果
は梗塞と周縁領域(penumbra region)
の阻害百分率(±SEM)で示す。
【0262】本発明の代表的化合物をMCAOモデルで
試験して得た結果を第2表に要約して示す。
【0263】
【表3】
【0264】本発明の化合物は、当該技術分野で公知の
通常の製剤方法によって、すなわち本発明の化合物また
はその医薬的に許容される塩を、一つ以上の生理的に許
容される担体、佐剤、希釈剤もしくは賦形剤とともに含
有する医薬組成物を、固体もしくは液体の形態の経口投
与用、非経口投与用、局所投与用またはエアゾール吸入
投与用などに処方することによって、医薬用途用に製造
することができる。
【0265】経口投与用の固体組成物としては、圧縮錠
剤、丸剤、散剤および顆粒剤がある。このような固体組
成物の場合、活性化合物は、デンプン、炭酸カルシウ
ム、ショ糖もしくは乳糖のような少なくとも一つの不活
性希釈剤と混合される。またこれらの組成物は、不活性
希釈剤以外の追加の物質例えばステアリン酸マグネシウ
ム、タルクなどのような滑沢剤を含有していてもよい。
【0266】経口投与用の液体組成物としては、水およ
び流動パラフィンのような当該技術分野で普通に用いら
れる不活性希釈剤を含有する、医薬的に許容される乳
剤、水剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤があ
る。不活性希釈剤の外に、そのような組成物は、湿潤剤
と、懸濁化剤、甘味剤、矯味・矯臭剤、香料および保存
剤のような佐剤を含有していてもよい。本発明によれ
ば、経口投与用の化合物としては、希釈剤または賦形剤
を添加するかもしくは添加せずに前記活性成分が入って
いる、ゼラチンのような吸収性物質製のカプセルも含ま
れる。
【0267】非経口投与用の本発明の製剤としては、滅
菌された、水性、水性−有機および有機の水剤、懸濁剤
または乳剤がある。有機溶媒または懸濁媒体の具体例
は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
オリーブ油のような植物油、およびオレイン酸エチルの
ような注射可能な有機エステル類である。またこのよう
な組成物は安定剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散
剤のような佐剤を含有していてもよい。
【0268】局所投与用またはエアゾール吸入投与用の
本発明の製剤としては、本発明の化合物を、水、水性ア
ルコール、グリコール、油状溶液(oil solut
ion)または油−水乳剤のような医薬的に許容される
賦形剤に溶解もしくは懸濁させたものが挙げられる。所
望により、本発明の化合物は、さらに、ポリマー・マト
リックス類、リポソーム類およびミクロスフェア類のよ
うな徐放システムもしくはターゲティッド・デリバリー
・システムに組込むことができる。
【0269】そのような組成物の活性成分の百分率は、
適切な薬用量が得られるように変えることができる。特
定の患者に投与される薬用量は、判定基準として、投与
経路、治療期間、患者の大きさと身体的状態、活性成分
の効力および活性成分に対する患者の反応を用いて行う
臨床医の判断によって変えることができる。したがって
本発明の活性成分の有効薬用量は、臨床医が全判定基準
を検討した後、患者のために最高の判断をすることによ
り容易に決定することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム ジョージ アーリー アメリカ合衆国,ペンシルバニア 19403, オーデュボン,ミル グローブ ドライブ 512 (72)発明者 ビレンドラ カマー アメリカ合衆国,ペンシルバニア 19301, パオリ,ライン サークル 14 (72)発明者 ジョン ピーター マラーモ アメリカ合衆国,ペンシルバニア 19343, グレンムーア,フォント ロード 616 (72)発明者 マシュー スティーブン ミラー アメリカ合衆国,ペンシルバニア 18940, ニュータウン,ドーン レーン 2120

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式: 【化1】 〔上式中、 R1 は、水素、または低級アルコキシ、低級アルキル、
    およびハロゲンからなる群から選択される1−,2−,
    3−もしくは4−位のいずれかにおける1〜4個の同一
    もしくは異なる置換基であり;R2 は、水素、または低
    級アルキル、低級アルカノイルオキシ、ハロゲン、ニト
    ロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、メチレンジオキシ、
    ポリフルオロ低級アルキルおよびポリクロロ低級アルキ
    ルからなる群から選択される7−,8−,9−もしくは
    10−位のいずれかにおける1〜4個の同一もしくは異
    なる置換基であり;R3 とR4 は、同一もしくは異なる
    低級アルキルであり;R5 とR6 は、水素、低級アルコ
    キシ、トリ低級アルキルシリルオキシおよびジ低級アル
    キルアミノからなる群から独立して選択されるか;また
    はR5 とR6は、一体になって−O−CHR8 −(CH
    2 n CHR9 −O−(式中nはゼロもしくは1であ
    り、そしてR8 とR9 は、独立して、水素、低級アルキ
    ルまたはフェニル低級アルコキシ低級アルキルである)
    を表し;R7 は、水素または低級アルキルであり;そし
    てX- は、アニオンであり;但し、R1 ,R2 およびR
    7 が水素であり、R3 とR4 がメチルでありかつX -
    ClO4 - である場合は、R5 とR6 は一体になって−
    O−CH(CH3 )CH(CH3 )−O−であることは
    なく;さらにR5 とR6 は両者が同時に水素であること
    はなく;さらにR1 ,R2 およびR7 が水素であり、R
    3 とR4 がメチルでありかつX- がClO4 - である場
    合は、R5 とR6 は同時にメトキシであることはない〕
    で表される化合物;またはその塩基性部分の医薬的に許
    容される酸付加塩;またはその水和物;またはその立体
    異性体。
  2. 【請求項2】 R1 が水素、または低級アルコキシ、低
    級アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1
    −,2−,3−もしくは4−位のいずれかにおける1個
    の置換基であり;かつR2 が水素、または低級アルキ
    ル、低級アルカノイルオキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒド
    ロキシ、低級アルコキシ、メチレンジオキシ、ポリフル
    オロ低級アルキルおよびポリクロロ低級アルキルからな
    る群から選択される7−,8−,9−もしくは10−位
    のいずれかにおける1〜2個の同一もしくは異なる置換
    基である;請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R1 が、水素、または低級アルコキシお
    よび低級アルキルからなる群から選択される1−,2
    −,3−もしくは4−位のいずれかにおける1個の置換
    基であり;R2 が、水素、または低級アルキル、低級ア
    ルカノイルオキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低
    級アルコキシ、メチレンジオキシおよびポリフルオロ低
    級アルキルからなる群から選択される7−,8−,9−
    もしくは10−位のいずれかにおける1〜2個の同一も
    しくは異なる置換基であり;かつR3 とR4 が同じ低級
    アルキルである;請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R1 が、水素、1−低級アルコキシまた
    は4−低級アルキルであり;かつR2 が、水素、または
    低級アルキル、アセトキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロ
    キシ、低級アルコキシ、メチレンジオキシおよびトリフ
    ルオロメチルからなる群から選択される7−,8−,9
    −もしくは10−位のいずれかにおける1〜2個の同一
    もしくは異なる置換基である;請求項3記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R1 が、水素、1−メトキシまたは4−
    メチルであり;かつR2 が、水素、またはメチル、te
    rt−ブチル、アセトキシ、臭素、塩素、フッ素、ニト
    ロ、ヒドロキシ、メトキシ、イソプロポキシ、メチレン
    ジオキシおよびトリフルオロメチルからなる群から選択
    される7−,8−,9−もしくは10−位のいずれかに
    おける1〜2個の同一もしくは異なる置換基である;請
    求項4記載の化合物。
  6. 【請求項6】 R3 とR4 が、両者ともにメチルまたは
    エチルであり;かつR7 が水素またはメチルである;請
    求項5記載の化合物。
  7. 【請求項7】 R5 とR6 が、水素、低級アルコキシ、
    トリメチルシリルオキシおよびジエチルアミノからなる
    群から独立して選択され;またはR5 とR6が、一体に
    なって−OCHR8 (CH2 n CHR9 −O−(式中
    nはゼロまたは1であり、そしてR8 とR9 は同時に水
    素、低級アルキルまたはフェニル低級アルコキシ低級ア
    ルキルである)を表す;請求項6記載の化合物。
  8. 【請求項8】 R5 とR6 が、水素、メトキシ、エトキ
    シ、プロポキシ、トリメチルシリルオキシおよびジエチ
    ルアミノからなる群から独立して選択され;またはR5
    とR6 が、一体になって−OCHR8 (CH2 n CH
    9 −O−(式中、nはゼロまたは1であり、そしてR
    8 とR9 は同時に水素、メチルまたはフェニルメトキシ
    メチルである)を表す請求項7記載の化合物。
  9. 【請求項9】 12,12−ジプロポキシ−13,13
    −ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベ
    ンゾ〔b〕キノリジニウムX- ;11−メチル−12,
    12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−
    エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウ
    ムX- :9−メトキシ−12,12−ジエトキシ−1
    3,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジ
    ヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウムX- ;10−メトキ
    シ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−
    6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
    ノリジニウムX- ;12,12−ジエトキシ−13,1
    3−ジエチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロ
    ベンゾ〔b〕キノリジニウムX- ;および12,12−
    ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ
    −6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム
    - ;からなる群から選択される請求項8記載の化合
    物。
  10. 【請求項10】 12,12−ジプロポキシ−13,1
    3−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロ
    ベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート;11−
    メチル−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチ
    ル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ
    〔b〕キノリジニウム ペルクロラート;11−メチル
    −12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−
    6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
    ノリジニウム クロリド:9−メトキシ−12,12−
    ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ
    −6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム・P
    6 - ;9−メトキシ−12,12−ジエトキシ−1
    3,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,11−ジ
    ヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム クロリド ;10
    −メトキシ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジ
    エチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ
    〔b〕キノリジニウム ペルクロラート;10−メトキ
    シ−12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−
    6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
    ノリジニウム クロリド;12,12−ジエトキシ−1
    3,13−ジエチル−6,11−エタノ−6,11−ジ
    ヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウムペルクロラート;お
    よび12,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−
    6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キ
    ノリジニウムX- (式中X-は、ClO4 - ,Cl-
    PF6 - ,〔(−)−DBT〕- ,〔(+)−DBT〕
    - ,(S)−(+)−CH3 C(Ph)(OH)CO2
    - ,または(1S)−(−)−C10134 - であ
    る);からなる群から選択される請求項9記載の化合
    物。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の9−メトキシ−1
    2,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,1
    1−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
    ニウム・PF6 -
  12. 【請求項12】 請求項10記載の10−メトキシ−1
    2,12−ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,1
    1−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジ
    ニウム クロリド。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の(−)−12,12
    −ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタ
    ノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム
    クロリド。
  14. 【請求項14】 下記式: 【化2】 (上式中、 R3 とR4 は、独立して水素、低級アルコキシ、または
    塩素であり;R5 とR6 は、同一もしくは異なる低級ア
    ルコキシであり;そしてX- は、アニオンであり;但し
    3 とR4 は、両者が同時に水素であることはない)で
    表される化合物またはその立体異性体。
  15. 【請求項15】 R3 とR4 が、独立して水素、エトキ
    シまたは塩素であり;かつR5 とR6 が同じ低級アルコ
    キシである請求項14記載の化合物。
  16. 【請求項16】 R5 とR6 がエトキシである請求項1
    5記載の化合物。
  17. 【請求項17】 R3 が塩素であり、R4 が水素であ
    り、R5 とR6 がエトキシでありかつX- がBr- であ
    るか;またはR3 が水素であり、R4 が塩素であり、R
    5 とR6 がエトキシでありかつX- がClO4 - である
    請求項16記載の化合物。
  18. 【請求項18】 請求項16記載の12,12,13,
    13−テトラエトキシ−6,11−エタノ−6,11−
    ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラー
    ト。
  19. 【請求項19】 下記式: 【化3】 (上式中、 R3 とR4 は、独立して水素または低級アルキルであ
    り;R5 とR6 は、独立して水素またはジ低級アルキル
    アミノであり;そしてX- は、アニオンであり;但し、
    3 とR4 は、同時に低級アルキルであることはなく;
    さらにR5 とR 6 は同時に水素であることはない)で表
    される化合物;またはその塩基性部分の医薬的に許容さ
    れる酸付加塩またはその立体異性体。
  20. 【請求項20】 R3 とR4 が独立して水素またはメチ
    ルであり;かつR5 とR6 が独立して水素またはジエチ
    ルアミノである請求項19記載の化合物。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の12−ジエチルアミ
    ノ−13−メチル−6,11−エタノ−6,11−ジヒ
    ドロベンゾ〔b〕キノリジニウム ペルクロラート。
  22. 【請求項22】 下記式: 【化4】 〔上式中、 R1 は、水素、または低級アルコキシ、低級アルキルお
    よびハロゲンからなる群から選択される1−,2−,3
    −もしくは4−位のいずれかにおける1〜4個の同一も
    しくは異なる置換基であり;R2 は、水素、または低級
    アルキル、低級アルカノイルオキシ、ハロゲン、ニト
    ロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、メチレンジオキシ、
    ポリフルオロ低級アルキルおよびポリクロロ低級アルキ
    ルからなる群から選択される7−,8−,9−もしくは
    10−位のいずれかにおける1〜4個の同一もしくは異
    なる置換基であり;R3 とR4 は、水素、低級アルコキ
    シ、ハロゲン、低級アルキルおよびフェニルからなる群
    から独立して選択され;R5 とR6 は、水素、低級アル
    コキシ、トリ低級アルキルシリルオキシおよびジ低級ア
    ルキルアミノからなる群から独立して選択されるか;ま
    たはR5 とR6は一体になって−O−CHR8 (C
    2 n CHR9 −O−(式中nはゼロまたは1であり
    そしてR8 とR9 は独立して水素、低級アルキルまたは
    フェニル低級アルコキシ低級アルキルである)を表し;
    7 は、水素または低級アルキルであり;そしてX
    - は、アニオンであり;但し、R1 ,R3 ,R4 および
    7 が水素であり、R5 とR6 がエトキシでありかつX
    - がClO4 - である場合は、R2 が7,10−ジアセ
    トキシまたは7−アセトキシ−10−tert−ブチル
    であることはなく;さらにR1 ,R2 およびR7 が水素
    であり、R3 とR4 がメチルでありかつX- がClO4
    - である場合は、R5 とR6 が一体になって−O−CH
    (CH3 )CH(CH3 )−O−であることはなく;さ
    らにR1 ,R4 ,R5 およびR7 が水素であり、R3
    6 がエトキシでありかつX- がClO4 - である場合
    は、R2 は7−NO2 であることはなく;さらにR5
    6 は両者が同時に水素であることはない〕で表される
    化合物;またはその塩基性部分の医薬的に許容される酸
    付加塩;またはその水和物;またはその立体異性体;な
    らびに医薬的に許容される担体、佐剤、希釈剤または賦
    形剤を含んでなる、治療を要する患者の神経変性疾患も
    しくは神経毒損傷の治療または予防のための医薬組成
    物。
  23. 【請求項23】 R1 が水素、または低級アルコキシお
    よび低級アルキルからなる群から選択される1−,2
    −,3−もしくは4−位のいずれかにおける1個の置換
    基であり;かつR2 が水素、または低級アルキル、低級
    アルカノイルオキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、
    低級アルコキシ、メチレンジオキシおよびポリフルオロ
    低級アルキルからなる群から選択される7−,8−,9
    −もしくは10−位のいずれかにおける1〜2個の同一
    もしくは異なる置換基である;請求項22記載の医薬組
    成物。
  24. 【請求項24】 R1 が水素、1−低級アルコキシまた
    は4−低級アルキルであり;かつR2 が水素、または低
    級アルキル、アセトキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキ
    シ、低級アルコキシ、メチレンジオキシおよびトリフル
    オロメチルからなる群から選択される7−,8−,9−
    もしくは10−位のいずれかにおける1〜2個の同一も
    しくは異なる置換基である;請求項23記載の医薬組成
    物。
  25. 【請求項25】 R1 が水素、1−メトキシまたは4−
    メチルであり;かつR2 が水素、またはメチル、ter
    t−ブチル、アセトキシ、臭素、塩素、フッ素、ニト
    ロ、、ヒドロキシ、メトキシ、イソプロポキシ、メチレ
    ンジオキシおよびトリフルオロメチルからなる群から選
    択される7−,8−,9−もしくは10−位のいずれか
    における1〜2個の同一もしくは異なる置換基である;
    請求項24記載の医薬組成物。
  26. 【請求項26】 R3 とR4 が水素、エトキシ、臭素、
    塩素、メチル、エチルおよびフェニルからなる群から独
    立して選択され;かつR7 が水素またはメチルである;
    請求項25記載の医薬組成物。
  27. 【請求項27】 R5 とR6 が水素、メトキシ、エトキ
    シ、プロポキシ、トリメチルシリルオキシおよびジエチ
    ルアミノからなる群から独立して選択され;またはR5
    とR6 が一体になって−OCHR8 (CH2 n CHR
    9 −O−(式中nはゼロまたは1であり、そしてR8
    9 は同時に水素、メチルまたはフェニルメトキシメチ
    ルである)で表される請求項26記載の医薬組成物。
  28. 【請求項28】 R3 とR4 が同じ低級アルキルである
    請求項25記載の医薬組成物。
  29. 【請求項29】 R3 とR4 が両者ともにメチルまたは
    エチルであり;かつR7 が水素またはメチルである請求
    項28記載の医薬組成物。
  30. 【請求項30】 R5 とR6 が水素、メトキシ、エトキ
    シ、プロポキシ、トリメチルシリルオキシおよびジエチ
    ルアミノからなる群から独立して選択され;またはR5
    とR6 が一体になって−OCHR8 (CH2 n CHR
    9 −O−(式中nはゼロまたは1であり、そしてR8
    9 は同時に水素、メチルまたはフェニルメトキシメチ
    ルである)で表される;請求項29記載の医薬組成物。
  31. 【請求項31】 化合物が9−メトキシ−12,12−
    ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ
    −6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム・P
    6 - である請求項30記載の医薬組成物。
  32. 【請求項32】 化合物が10−メトキシ−12,12
    −ジエトキシ−13,13−ジメチル−6,11−エタ
    ノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム
    クロリドである請求項30記載の医薬組成物。
  33. 【請求項33】 化合物が(−)−12,12−ジエト
    キシ−13,13−ジメチル−6,11−エタノ−6,
    11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウムクロリドで
    ある請求項30記載の医薬組成物。
  34. 【請求項34】 前記神経毒損傷が、虚血症状、低酸素
    症状または低血糖症状と関連している請求項22記載の
    医薬組成物。
  35. 【請求項35】 前記の虚血症状、低酸素症状または低
    血糖症状が卒中に関連している請求項34記載の医薬組
    成物。
  36. 【請求項36】 下記式:IV 【化5】 (上式中、 R1 は、水素、または低級アルコキシ、低級アルキルお
    よびハロゲンからなる群から選択される1−,2−,3
    −もしくは4−位のいずれかにおける1〜4個の同一も
    しくは異なる置換基であり;R2 は、水素、または低級
    アルキル、低級アルカノイルオキシ、ハロゲン、ニト
    ロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、メチレンジオキシ、
    ポリフルオロ低級アルキルおよびポリクロロ低級アルキ
    ルからなる群から選択される7−,8−,9−もしくは
    10−位のいずれかにおける1〜4個の同一もしくは異
    なる置換基であり;R7 は、水素または低級アルキルで
    あり;そしてX- は、アニオンである):で表される化
    合物の製造方法であって、 (a)下記式: 【化6】 (上式中、Yは、水素またはハロゲンである)で表され
    る化合物を、少なくとも2モル当量の低級アルキルアル
    カリ金属と、任意に少なくとも1モルのテトラメチルエ
    チレンジアミンの存在下、有機溶媒中で反応させ、次い
    で過剰量の下記式: 【化7】 で表される化合物で、室温以下の温度にて処理して、下
    記式: 【化8】 で表されるジオールを製造する工程、および (b)上記ジオールを、a)有機溶媒中、室温以上の温
    度にて、過剰量の無水トリフルオロメタンスルホン酸で
    処理するか;またはb)室温以上の温度にて、過剰量の
    酸で処理するか;あるいはc)室温以上の温度にて、少
    なくとも1モル当量のオキシハロゲン化リンで処理し
    て;前記式IVの化合物を製造する工程を含んでなる製造
    方法。
JP6217103A 1993-09-14 1994-09-12 12−ヘテロ置換6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム塩類、それらの組成物および製造方法 Withdrawn JPH07179461A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/122,039 US5380729A (en) 1993-09-14 1993-09-14 12-hetero substituted 6,11-ethano-6,11-dihydrobenzo (b) quinolizinium salts and compositions and method of use thereof
US122039 1993-09-14

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07179461A true JPH07179461A (ja) 1995-07-18

Family

ID=22400242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6217103A Withdrawn JPH07179461A (ja) 1993-09-14 1994-09-12 12−ヘテロ置換6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム塩類、それらの組成物および製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US5380729A (ja)
EP (1) EP0648769A1 (ja)
JP (1) JPH07179461A (ja)
AU (1) AU685482B2 (ja)
CA (1) CA2128275A1 (ja)
HU (1) HUT68055A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ZA994264B (en) * 1998-07-01 2000-01-25 Warner Lambert Co Stereoisomers with high affinity for adrenergic receptors.
US7232837B2 (en) * 1999-06-29 2007-06-19 Mcneil-Ppc, Inc. Stereoisomers with high affinity for adrenergic receptors
DE102004035133A1 (de) * 2004-07-20 2006-02-16 Bayer Cropscience Ag Selektive Insektizide auf Basis von substituierten, cyclischen Ketoenolen und Safenern
EP1736462A1 (en) * 2005-06-22 2006-12-27 Sandoz AG Recovery of optically active tartaric acid resolving agents

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3408352A (en) * 1967-04-11 1968-10-29 Sandoz Ag 2h-benzo(b) quinolizines
US3517073A (en) * 1967-06-13 1970-06-23 Eastman Kodak Co Synthesis of a hydroxy group-containing polycyclic aromatic fused ring compound
US3565899A (en) * 1969-09-11 1971-02-23 Geigy Chem Corp Oxy-substituted benzo quinolizinium compounds

Also Published As

Publication number Publication date
CA2128275A1 (en) 1995-03-15
US5380729A (en) 1995-01-10
AU7294294A (en) 1995-03-30
AU685482B2 (en) 1998-01-22
HUT68055A (en) 1995-05-29
EP0648769A1 (en) 1995-04-19
HU9402625D0 (en) 1994-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4894456A (en) Synthesis of camptothecin and analogs thereof
Sundberg et al. Diels-Alder adducts of 1-benzenesulfonylindole-2-acrylates and 1-(alkoxycarbonyl)-1, 2-dihydropyridines. Intermediates for synthesis of iboga alkaloid analogs
US8921363B2 (en) Derivatives of 1 H-isoindol-3-amine, 1 H-iso-aza-indol-3amine, 3,4-dihydroisoquinolin-1-amine, and 1,4-dihydroisoquinolin-3-amine as beta-secretase inhibitors
JPH01221378A (ja) 新規化合物、その製法及びそれを含む医薬組成物
JPH07224065A (ja) 置換ヘテロシクリルイソキノリニウム塩およびその組成物
JP2002508359A (ja) 複素環式細胞毒性剤
US5455248A (en) Substituted 6,11-ethano-6,11-dihydrobenzo[b] quinolizinium salts, and compositions and method of use thereof
JPS60174789A (ja) 抗ウイルス剤
AU2003241160B2 (en) Camptothecins with a modified lactone ring
JPH07179461A (ja) 12−ヘテロ置換6,11−エタノ−6,11−ジヒドロベンゾ〔b〕キノリジニウム塩類、それらの組成物および製造方法
JP3545332B2 (ja) 新規カンプトテシン類似化合物、それらの製造方法、及びそれらを含有する医薬組成物
JPH0322390B2 (ja)
EP0222703A1 (de) Hexahydro-[1]-benzo-(pyrano und thiopyrano)-[4,3-c]pyridine
JPS62502684A (ja) ビンブラスチン及びビンクリスチン型化合物の合成
EP0656359A1 (en) Substituted 6,11-ethano-6,11-dihydrobenzo[b]quinolizinium salts and compositionsand methods of use thereof
Coomes et al. Alkaloids of the Papaveraceae. XX. 2, 9-Dimethoxy-3-hydroxypavinane. New alkaloid from Argemone munita subspecies rotundata
US4996211A (en) Substituted dibenzocycloheptenimines
JP2004506014A (ja) ディナプソリン調製方法
US5434159A (en) 6,11-cyclyl-1,2,3,4,5,6,11,11a-octahydrobenzo[b]quinolines and compositions and method of use thereof
KR960001476B1 (ko) 디피라졸 유도체, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 약제학적 조성물
CA1166639A (en) Pharmacologically active 4-¬2-hydroxy-4- (substituted)phenyl|naphthalen-2(1h)-ones and 2- ols, derivatives thereof and intermediates therefor
JP2791069B2 (ja) シクロオクタン神経保護剤
US20030105109A1 (en) New campothecin analogue compounds
US5430036A (en) 6,11-substituted-6,11-dihydrobenzo[b]quinolizinium salts and compositions and method of use thereof
WO2007039609A1 (en) Pyranodibenzofuran derivatives with antifungal and antibacterial activity

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20011120