JPH0717811B2 - 色安定性に優れたポリアセタール安定剤組成物 - Google Patents

色安定性に優れたポリアセタール安定剤組成物

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JPH0717811B2
JPH0717811B2 JP62290427A JP29042787A JPH0717811B2 JP H0717811 B2 JPH0717811 B2 JP H0717811B2 JP 62290427 A JP62290427 A JP 62290427A JP 29042787 A JP29042787 A JP 29042787A JP H0717811 B2 JPH0717811 B2 JP H0717811B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は安定化オキシメチレンポリマーに関する。より
具体的には、本発明は、金型付着物の生成傾向が低く、
熱応力下での変色傾向が低下した安定化オキシメチレン
ポリマーに関する。
本明細書において、オキシメチレンポリマーとは、オキ
シメチレンホモポリマーならびにジエーテルおよびジエ
ステルを包含するものである。オキシメチレンポリマー
にはさらに、少なくとも60%のオキシメチレン反復単位
とオキシメチレン単位供給源と共重合可能なモノマーか
ら誘導された少なくとも1種の他の単位とを含有するオ
キシメチレンコポリマー、さらにはオキシメチレンター
ポリマーなども包含される。
(従来の技術とその問題点) −CH2O−反復単位を含有するオキシメチレンポリマー
は、古くから知られたポリマーである。このポリマー
は、例えば、無水ホルムアルデヒドの重合、またはホル
ムアルデヒドの環式三量体であるトリオキサンの重合に
より製造することができ、その製造方法、使用した接触
重合法や触媒の種類、さらにはポリマーに混入しうる各
種コモノマーの種類に応じて、熱安定性、分子量、成形
特性、色などの物理的性質がある程度変化する。
高分子量オキシメチレンポリマーは比較的熱安定性であ
るが、熱安定性の増大によりポリマーの有用性を高める
ための各種の処理法がこれまでに提案されてきた。この
ような処理法の例として、ポリオキシメチレンホモポリ
マーの末端へミホルマール基の末端封鎖(end−cappin
g)、および分子内に散在したエトキシ基のような安定
な単位を含有するコポリマーにおいて不安定なオキシメ
チレン基を加水分解により除去する処理が挙げられる。
このような処理を施しても、ポリマーに各種の安定剤、
酸化防止剤および連鎖切断防止剤を配合する必要がある
ことが認められていた。
残念ながら、オキシメチレンポリマーは、特に熱の影響
下で分解・劣化を受ける。この分解は主に下記の3つの
過程により起こる。
1)ガス状ホルムアルデヒドの遊離を伴う連鎖末端の熱
分解。大部分が熱の影響下で起こるこの分解は、ポリマ
ー連鎖の末端にエーテル基かエステル基を存在させるこ
とにより未然に防止できることが多い。
2)酸化作用に起因する連鎖切断および解重合。これ
は、フェノール基もしくはアミノ基含有化合物のような
酸化防止剤をポリマーに添加することにより抑制できる
ことが多い。
3)やはりホルムアルデヒドの遊離を伴うアシドリシス
による連鎖開裂が起こることもある。アシドリシスによ
る分解は、次のいくつかの供給源のいずれかに由来する
酸性化合物種の存在により生ずる:(A)ポリマーの製
造に使用することのある酸性触媒残渣、(B)加工中に
発生した痕跡量のホルムアルデヒドが酸化されてその場
で生成したギ酸、および(C)酢酸エステル末端基とな
るように安定化したポリマーにあって、時に起こる酸化
もしくはアシドリシスによる連鎖切断の結果として連鎖
が解重合する際に末端酢酸エステル基から生成する酢
酸。この状態を緩和し、ポリオキシメチレンコポリマー
の分解、特に後続の高温状態での加工中に起こる分解を
防止するために、「ホルムアルデヒド受容体」または
「酸掃去剤」をポリマーに配合することがしばしば行わ
れてきた。この目的に使用することができる化合物とし
て、ヒドラジンおよびその誘導体、尿素類、ある種のア
ミドおよびジアミド、ポリアミド、ならびに酢酸および
脂肪酸の金属塩がある。
最も好結果が得られ、広く利用されている熱安定剤の1
種が、ホルムアルデヒド受容体および酸掃去剤として機
能する窒素含有化合物である。これは、ポリマーの熱分
解速度の低下に有効であることが認められている。
オキシメチレンポリマーの熱安定化に使用される好まし
い含窒素化合物にアミジン化合物(すなわち、1個の窒
素原子に二重結合で、別の窒素原子に単結合で結合して
いる炭素原子を有する化合物)がある。特に好ましい種
類のアミジン化合物は、別の窒素原子がアミジノ基、特
にその炭素原子に単結合で結合しているN置換アミジン
化合物である。
好適なアミジン化合物にシアノグアニジン系化合物があ
り、これには次式で示されるように、シアノグアニジン
それ自体、および2価の1−シアノ−3,3グアニジノ基
を含有するものなど他の化合物が含まれる。
使用しうる置換シアノグアニジンには、グアニジン核の
3−窒素位置に1もしくは2個の適当な不活性基を有す
るものがある。例えば、上の一般式において、Rcおよび
Rdは、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヒ
ドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアリール、およ
びその他の置換基を包含する、同一もしくは異別の不活
性基でよい。好適な化合物の具体例には、1−シアノ−
3−メチルグアニジン、1−シアノ−3−エチルグアニ
ジン、1−シアノ−3−イソプロピルグアニジン、1−
シアノ−3,3−ジフェニルグアニジン、1−シアノ−3
−ヒドロキシメチルグアニジン、1−シアノ−3−ドデ
シルグアニジン、1−シアノ−3−(2−ヒドロキシエ
チル)グアニジン、1−シアノ−3−(2−ブロモエチ
ル)グアニジン、1−シアノ−3−(m−クロロフェニ
ル)グアニジン、および1,3−ジシアノグアニジンがあ
る。
従来技術に開示されている別の有用な安定剤系は、環式
アミジン化合物、例えば、1個の環窒素原子に二重結合
で、別の環窒素原子に単結合で結合している環炭素原子
を有する複素環化合物である。好ましくは、この環式ア
ミジン化合物は、炭素−炭素のエチレン性不飽和係合を
有しないものである。
この種の好ましい化合物は対称トリアジン類のアミン置
換誘導体であり、これにはグアナミン類(2,4−ジアミ
ノsym−トリアジン類)、メラミン類(2,4,6−トリアミ
ノsym−トリアジン類)、ならびに置換メラミン類が含
まれる。このアミノ基は第一、第二もしくは第三アミノ
基のいずれでもよく、ヒドロキシル基のような他の置換
基が存在していてもよい。もちろん、アミノ基およびそ
の他の置換基は不活性、すなわち、副反応を誘起しない
ものでなければならない。この種の好適な化合物の具体
例は、2,4−ジアミノ−6−フェニルsym−トリアジン
(ベンゾグアナミン)、2,4−ジアミノ−6−メチルsym
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチルsym−トリア
ジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシsym−トリア
ジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシsym−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6シクロヘキシルオキシsym−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−クロロsym−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−メルカプトsym−トリアジン、2,4−ジ
ヒドロキシ−6−アミノsym−トリアジン(アンメリ
ド)、2−ヒドロキシ−4,6−ジアミノsym−トリアジン
(アンメリン)、N,N,N′,N′−テトラシアノエチルベ
ンゾグアナミン、2,4,6−トリアミノsym−トリアジン
(メラミン)、フェニルメラミン、ブチルメラミン、N,
N−ジエチルメラミン、N,N−ジ−(2−ヒドロキシエチ
ルメラミン)、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリ
ルメラミン、N,N′,N″−トリメチルメラミン、N,N′,
N″−トリエチルメラミン、N,N′,N″−トリ(n−プロ
ピル)メラミン、N,N′,N″−トリ(n−ブチル)メラ
ミン、N,N,N′,N″−テトラメチルメラミン、トリメチ
ロールメラミン、トリメトキシメチルメラミン、ヘキサ
メトキシメチルメラミン、N,N′,N″−トリフェニルメ
ラミン、およびN,N′,N″−トリメチロールメラミンで
ある。
別の好ましい安定剤は、アミン基とアミド基の両方を含
有し、アミノ窒素原子1個に対して0.2〜5個のアミド
基を有する化合物(アミン−アミド化合物)である。好
ましいアミン−アミド化合物は、アミン基が第三アミン
基であり、アミノ窒素原子1個に対して1〜3個のアミ
ド基を有する化合物である。好適なアミン−アミド化合
物に、N−Ra−Z−Rbの構造を有する化合物がある。こ
の式において、Raは末端炭素結合を有する2価有機酸を
意味し、Zは 基であって、分子内の他の原子に関して任意の位置に存
在することができ、Rbは水素または末端炭素結合を有す
る1価有機基(例、非置換かもしくは不活性置換基のみ
を含有するアルキル基もしくはアリール基)を意味す
る。好ましい化合物は、Rbが水素であり、上記フリー窒
素結合が炭素原子に単結合で結合しているものである。
このような化合物は末端アミド基、すなわち 基と第三アミノ基とを有する。この好ましい化合物にお
ける式の左側のフリー窒素結合はアルキル基もしくはア
リール基に結合していても、あるいは炭素原子を介して
複素環の別の原子に結合していてもよい。また、このフ
リー窒素結合は、アミド基を有する別の基に結合してい
てもよい。所望により、フリー窒素結合に結合している
基は、その骨格内に1もしくは2以上の別の第三アミノ
窒素原子を含有していてもよく、さらには反復重合体構
造からなるものでもよい。
2価基Raは、メチレン、エチレンもしくはブチレン基の
ようなアルキレン基でも、あるいはフェニレン基のよう
なアリーレン基でもよい。これらの2価基は、非置換で
も、あるいは不活性置換基を含有するものでもよい。こ
の2価基も、所望により、その骨格内に1もしくは2以
上の別の第三窒素原子をさらに有していてもよい。
従来技術に開示されているアミン−アミド化合物の好適
具体例には、ニトリロ−トリス−β−プロピオンアミ
ド、β−(4−モルホリニル)プロピオンアミド、N,N
−ジメチル−p−カルバミルアニリン、4−ジエチルア
ミノ−2−メチルアセトアニリド、およびp−ジエチル
アミノアセトアニリドがある。
上述した安定剤はオキシメチレンポリマーの熱安定化の
改善に有用であるが、これらの安定剤を単独で使用した
場合には、その商業的利用にとってやや不都合な問題点
があることが判明した。まず、上記安定剤は、ポリマー
中のホルムアルデヒド含有量を低減させることはできな
い。すなわち、N含有安定剤は弱塩基であり、酸を中和
する作用を示すので、アシドリシスによるオキシメチレ
ンポリマー連鎖の開裂を低減させ、またホルムアルデヒ
ドと容易に反応するので最初はホルムアルデヒド受容体
として機能するが、ホルムアルデヒドを受け入れる反応
と同程度の強さでホルムアルデヒドを放出する逆反応も
起こるので、この化合物は受容したホルムアルデヒドを
保持し続けておくことができない。その結果、成形後の
製品中に存在する遊離ホルムアルデヒド含有率が高く、
明らかな環境上の理由により、これらの安定剤の商業的
な利用可能性は低くなる。
商業的利用に有用であることが認められた特に好ましい
安定剤にスーパーポリアミドと呼ばれるポリマーがあ
る。スーパーポリアミド安定剤は、一般にナイロンとし
て知られる高分子量のスーパーポリアミドであり、これ
はカルボキサミド結合: をそのポリマー連鎖の必須構造部分として含有してい
る。このスーパーポリアミドは好ましくは融点が約220
℃以下であり、上式においてRが水素原子、低級アルキ
ル基もしくは低級アルコキシ基であり、約100〜200の重
合度を有している。スーパーポリアミドの好ましい種類
には、加水分解によりω−アミノカルボン酸か、ジカル
ボン酸とジアミンの混合物のいずれかを生ずるような縮
合ポリマーがある。
スーパーポリアミド系安定剤は、ホルムアルデヒド受容
体としてはある種のトリアジン系安定剤より活性が低い
が、ホルムアルデヒドを放出する逆反応が遅いため、ス
ーパーポリアミドはホルムアルデヒドを保持し続けるこ
とから特に有用である。したがって、スーパーポリアミ
ド系安定剤を使用したオキシメチレンポリマー安定化組
成物は、上述した他のN含有安定剤を使用した組成物よ
り抽出性ホルムアルデヒドの含有量が低くなる。しか
し、これにもなお改善の必要性があった。スーパーポリ
アミド系安定剤を使用したオキシメチレンポリマー組成
物は、熱応力下で変色する傾向がある。最近になって、
かかるスーパーポリアミド系ポリマーは、高剪断条件下
での成形時に金型付着物を生成することも認められた。
本発明は、スーパーポリアミド系安定剤を使用したオキ
シメチレンポリマー組成物の改善を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、成形時の金型付着物の生成傾向が少なく、熱
応力を受けた際の変色傾向が低く、しかもスーパーポリ
アミドで安定化されたオキシメチレンポリマーに特有の
遊離ホルムアルデヒド含有量が低いという特徴を保持し
ている、安定化オキシメチレンポリマー組成物を提供す
るものである。本発明の組成物は、オキシメチレンホモ
ポリマーおよび一般式: (式中、R1およびR2はそれぞれ水素、低級アルキルおよ
びハロゲン置換低級アルキル基よりなる群から選ばれた
基を意味し、nは0〜5の整数であり、反復単位の60〜
99.6%においてnは0である)で表されるオキシメチレ
ンコポリマーよりなる群から選ばれたオキシメチレンポ
リマーに、スーパーポリアミド安定剤と、ベンゾグアナ
ミンからなる共安定剤とを配合してなる組成物である。
予想外なことに、スーパーポリアミドに対する共安定剤
のベンゾグアナミンの割合が非常に低くても、本発明の
安定化オキシメチレンポリマーは熱応力下での変色が著
しく低減されることが判明した。さらに、少量のベンゾ
グアナミン共安定剤の添加により、色が改善され、スー
パーポリアミドで安定化されたオキシメチレンポリマー
組成物に特有の低い抽出性ホルムアルデヒド含有量と少
ない金型付着物量という特徴が依然として保持されるこ
とは全く予想外である。この共安定剤の添加により、ス
ーパーポリアミド成分の添加量を低減させることがで
き、それによりスーパーポリアミドで安定化したオキシ
メチレンポリマー組成物の色および金型付着物の改善が
得られる。
(作用) 以下、本発明を好適態様について詳しく説明する。
本発明の組成物に使用するオキシメチレンポリマーは、
当該技術分野で周知のものである。このポリマーは、反
復オキシメチレン基もしくは単位、すなわち−CH2O−、
を有するポリマーと定義される。本明細書において、オ
キシメチレンポリマーとは、全反復単位の少なくとも約
50%を占める量で−CH2O−基を含有するすべてのオキシ
メチレンポリマーを包含する意味であり、例えば、ホモ
ポリマー、コポリマー、ターポリマーなどを包含する。
オキシメチレンホモポリマー(ポリオキシメチレン)
は、代表的には、無水ホルムアルデヒドの重合、もしく
はホルムアルデヒドの環式三量体であるトリオキサンの
重合により製造される。例えば、高分子量ポリオキシメ
チレンは、フッ化アンチモンのようある種のフッ化物触
媒の存在下にトリオキサンを重合させることにより製造
されてきた。これはまた、フッ化ホウ素と有機化合物と
の配位錯体からなる触媒の使用により高収率および速い
反応速度で製造することができる。
オキシメチレンホモポリマーは、通常、末端封鎖を施し
て熱分解に対して安定化する。
本発明の組成物に使用するのに特に適したオキシメチレ
ンポリマーは、米国特許第3,027,352号に記載の方法に
従って、例えばトリオキサンを、少なくとも2個の隣接
炭素原子を有する各種環式エーテル(例、エチレンオキ
シド、ジオキサランなど)のいずれかと共重合させるこ
とにより製造しうるオキシメチレンコポリマーである。
本発明の組成物に使用できる特に好適なオキシメチレン
コポリマーは、通常、比較的高い、すなわち約70〜80%
のポリマー結晶度を有する。このようなオキシメチレン
コポリマーは、(a)−OCH2−基と、この間に散在して
いる(b)一般式: (式中、各R1およびR2基は、水素、低級アルキルおよび
ハロゲン置換低級アルキル基よりなる群から選ばれ、各
R3基はメチレン、オキシメチレン、低級アルキルおよび
ハロアルキル置換メチレン、ならびに低級アルキルおよ
びハロアルキル置換オキシメチレン基よりなる群から選
ばれ、nは0〜3の整数である)で示される基とから本
質的に構成される反復単位を有する。
各低級アルキル基は、炭素数1〜2のものが好ましい。
(a)の−OCH2−単位は、全反復単位の約60〜99.6%を
占める。(b)の単位は、共重合反応工程において、隣
接炭素原子を有する環式エーテルの酸素−炭素結合の開
裂による開環によってコポリマー中に混入し、コポリマ
ーを形成することができる。
トリオキサンを、少なくとも2個の隣接炭素原子を有す
る環式エーテル約0.4〜40モル%と共に、好ましくはル
イス酸(例、BF3、PF5など)もしくは他の酸(例、HClO
4、1% H2SO4など)のような触媒の存在下に重合させ
ることにより、所望構造のコポリマーを製造することが
できる。
一般に、好ましいオキシメチレンコポリマーの製造に使
用される環式エーテルは、次の一般式で示されるもので
ある。
式中、各R1およびR2基は、水素、低級アルキルおよびハ
ロゲン置換低級アルキル基よりなる群から選ばれ、各R3
基はメチレン、オキシメチレン、低級アルキルおよびハ
ロアルキル置換メチレン、ならびに低級アルキルおよび
ハロアルキル置換オキシメチレン基よりなる群から選ば
れ、nは0〜3の整数である。各低級アルキル基は炭素
数1〜2のものが好ましい。
好ましいオキシメチレンコポリマーの製造に使用される
好適な環式エーテルは、エチレンオキシドおよび1,3−
ジオキソランであり、これらは次式で示すことができ
る。
式中、nは0〜2の整数である。使用できるその他の環
式エーテルは、1,3−ジオキサン、トリメチレンオキシ
ド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシ
ド、1,3−ブチレンオキシド、および2,2−ジ−(クロロ
メチル)−1,3−プロピレンオキシドである。
好ましいオキシメチレンコポリマーの製造に使用する好
適な触媒は、前述した米国特第3,027,352号に説明され
ているように、上記の三フッ化ホウ素系触媒である。重
合条件、触媒の使用量などについての詳細は、この米国
特許を参照されたい。
本発明の組成物に使用するのが好ましいオキシメチレン
コポリマーは、融点が少なくとも150℃で、普通は約180
〜200℃の温度で混練もしくは加工可能な熱可塑性材料
である。その数平均分子量は少なくとも10,000である。
好ましいオキシメチレンコポリマーの対数粘度数は少な
くとも1.0である(2重量%のα−ピネンを含有するp
−クロロフェノール中0.1重量%溶液として60℃で測
定)。
本発明の組成物のオキシメチレンコポリマー成分は、実
質的程度まで予備的に安定化処理されたオキシメチレン
コポリマーであることが好ましい。このような安定化処
理は、ポリマー連鎖の分子末端を、比較的安定な炭素−
炭素結合が各末端に存在するようになるまで分解するこ
とによる安定化処理の形態をとることができる。たとえ
ば、このような分解は、溶液加水分解(SH法)または溶
融加水分解(MH法)のいずれかにより不安定基を除去す
ることにより達成できる。これらの処理によりコポリマ
ー連鎖の末端ヘミアセタール基が分解される。このいず
れの処理操作も当業者には公知であり、また工業的に実
施されている。有用な溶液加水分解法は米国特許第3,17
9,948号に、また有用な溶融加水分解法は米国特許第3,3
18,848号に開示されている。所望により、オキシメチレ
ンコポリマーを当業者に公知の方法により末端封鎖処理
することもできる。好ましい末端封鎖処理法は、酢酸ナ
トリウム触媒の存在下での無水酢酸によるアセチル化に
より達成される。
オキシメチレンターポリマーに関して説明すると、これ
は、たとえばトリオキサンおよびオキシメチレンコポリ
マーの製造で使用するような環式エーテルおよび/もし
くは環式アセタールに、第三のモノマーとして一般式: 〔式中、Zは炭素−炭素結合、酸素原子、炭素数1〜
8、好ましくは2〜4のオキシアルコキシ基(これは炭
素数4〜8のオキシクロアルコキシ基でもよい)、また
は、好ましくはそれぞれ炭素数1〜2の2〜4個のアル
コキシ反復基を有するオキシポリ(低級アルコキシ)基
を意味する〕で示されるジグリシドのような2官能性化
合物を反応させることにより製造することができる。こ
のジグリシドの例は、エチレンジグリシド、ジグリシジ
ルエーテル、およびグリシド2モルとホルムアルデヒ
ド、ジオキサンもしくはトリオキサン1モルとのジエー
テル、ならびにグリシド2モルと炭素数2〜8、有利に
は炭素数2〜4の脂肪族ジオールもしくは炭素数4〜8
の環状脂肪族ジオール1モルとのジエーテルである。
好適な2官能性ジグリシド化合物の例には、エチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、シクロブタン−1,3−ジオール、1,2−プロパンジオ
ール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、および2,2−ジ
メチル−4,4−ジメチルシクロブタン−1,3−ジオールの
ジグリシジルエーテルがあり、ブタンジオールグリシジ
ルエーテル類が特に好ましい。
一般に、トリオキサンと環式エーテルおよび/もしくは
環式アセタールと少なくとも1種の2官能性ジグリシド
化合物とのターポリマーの製造にあっては、ターポリマ
ーの形成に使用したモノマーの合計重量に基づいた重量
%で、トリオキサン99.89〜89.0%、環式エーテルおよ
び/もしくは環式アセタール0.1〜10%、および2官能
性ジグリシド化合物0.01〜1%の比率が好ましい。こう
して得られたターポリマーは、本質的に白色であり、押
出適性が特に良好であるという特徴を有する。
上記ターポリマーの重合は、上記量的比率のターモノマ
ーを使用して、既知の方法により、すなわち塊状、溶液
もしくは懸濁状態で行うことができる。溶媒としては、
不活性の脂肪族もしくは芳香族炭化水素類、ハロゲン化
炭化水素類もしくはエーテル類が有利に使用できる。
場合により、次の量的比率を使用することが有利であ
る:トリオキサン99.85〜89.5重量%、環式エーテルも
しくは環式アセタール0.1〜10重量%、およびジグリシ
ジルエーテル0.05〜0.5重量%(この重量%は、ターポ
リマーの製造に使用したモノマー混合物の合計重量に基
づいて算出した値)。
トリオキサン系ターポリマーの重合は、トリオキサンが
晶出しない温度、すなわち溶媒を使用する場合には使用
溶媒により−50℃〜+100℃の範囲内の温度、溶媒を使
用しない場合には+20℃〜+100℃の範囲内の温度で行
うことが有利である。
トリオキサン系ターポリマーの重合触媒としては、カチ
オン重合を開始させることのできるあるゆる物質、たと
えば有機もしくは無機酸、酸ハロゲン化物、および好ま
しくはルイス酸を使用することができる。ルイス酸の例
としては、フッ化ホウ素およびその錯体化合物、たとえ
ばフッ化ホウ素のエーテレートが有利に使用される。ジ
アゾニウムフルオロボレートが特に有利である。
触媒の使用量は、触媒の特性および目的とするターポリ
マーの分子量に応じて一定限度の範囲内で変動させるこ
とができる。触媒の使用量は、モノマー混合物の全重量
に基づいて0.0001〜1重量%、有利には0.001〜0.1重量
%の範囲内でよい。
触媒はターポリマーを分解させる傾向があるので、重合
後ただちに、たとえばアンモニアか、またはアミンのメ
タノールもしくはアセトン溶液により触媒を中和するこ
とが有利である。
不安定な末端ヘミアセタール基は、他のオキシメチレポ
リマーについて公知の方法と同様にしてターポリマーか
ら除去することができる。有利には、所望によりメタノ
ールもしくはn−プロパノールのような膨潤剤の存在下
に、ターポリマーを100〜200℃の範囲内の温度でアンモ
ニア水中に懸濁させる。あるいは、ターポリマーを約10
0℃より高温でアルカリ性媒質中溶解させ、次いで再沈
澱させる。好適な溶媒の例は、ベンジルアルコール、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、またはメタノー
ル60重量%と水40重量%との混合物である。アルカリ性
反応を行わせる好適な化合物の例は、アンモニアおよび
脂肪族アミンである。
溶媒を使用せずに安定剤の存在下で溶融状態においてタ
ーポリマーの末端基を熱安定化させることも可能であ
る。
別の方法として、ターポリマーを不均質加水分解により
処理することもでき、この場合には、たとえば脂肪族も
しくは芳香族アミンなどの触媒を使用し、また使用せず
に、ターポリマーの重量に対して約1〜50%の範囲内の
量の水をターポリマーの溶融体に添加する。このターポ
リマーの混合物を約170〜250℃の範囲内の温度に特定の
時間保持した後、水洗し、乾燥もしくは遠心分離する。
本発明で使用するオキシメチレンポリマーは、スーパー
ポリアミドを主成分とする安定剤により熱分解に対して
安定化される。本発明の安定化系において使用しうるス
ーパーポリアミドは、当該技術分野で公知のものであ
り、本明細書でも既に説明した。典型的には、スーパー
ポリアミドはジカルボン酸とジアミンとの縮合、もしく
はω−アミノモノカルボン酸の重合により製造される。
この種のスーパーポリアミドは、約100〜200の範囲内に
重合度を有し、好ましくは融点が約220℃より低いもの
である。有用なスーパーポリアミドには、下記のジアミ
ン/ジカルボン酸の縮合生成物がある:ペンタメチレン
ジアミン/マロン酸、ペンタメチレンジアミン/ピメリ
ン酸、ヘキサメチレンジアミン/アジピン酸、ヘキサメ
チレンジアミン/セバシン酸、N,N′−ヒドロキシメチ
ルヘキサメチレンジアミン/アジピン酸、N,N′−メト
キシメチルヘキサメチレンジアミン/アジピン酸、オク
タメチレンジアミン/スベリン酸、1,1,6,6−テトラメ
チルヘキサメチレンジアミン/セバシン酸、デカメチレ
ンジアミン/2,2,5,5−テトラメチルアジピン酸、および
2,5−ジメチルピペラジン/グルタル酸。別の有用なス
ーパーポリアミドは、例えば6−アミノヘキサン酸、9
−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸もしくはこ
れらのラクタムから誘導された分子内(自己)縮合ポリ
マーである。スーパーポリアミドのコポリマーもしくは
ターポリマーも使用することができる。従来から安定剤
として工業的に実用化されてきた特に好ましいスーパー
ポリアミドは、ポリカプロラクタム約38%/ポリヘキサ
メチレンアジパミド約35%/ポリヘキサメチレンセバカ
ミド約27%のターポリマーからなるものである。
熱分解防止の目的で本発明に使用する安定剤系は、スー
パーポリアミドに加えて、共安定剤として、ベンゾグア
ナミンを含有する。この化合物においては、環炭素原子
に嵩の大きいフェニル置換基が結合しているため、成形
品の表面からベンゾグアナミン系共安定剤が滲出する傾
向が少なく、その結果、本発明の共安定剤の添加では、
メラミンのような類似の環式アミジン化合物を添加した
場合に見られるのと異なって、金型付着物の増大が起こ
らないもとの考えられる。
重要なことに、普通の酸性条件下では、スーパーポリア
ミド安定化オキシメチレンポリマーに共安定剤としてベ
ンゾグアナミンを少量添加しても、スーパーポリアミド
との共安定剤としてメラミンを使用した場合に見られる
ような抽出性ホルムアルデヒド含有量の増大や金型付着
物生成量の増大が起こらない。オキシメチレンポリマー
組成物に酸性顔料を配合した場合のようなより強い酸性
条件下では、メラミン共安定剤の添加は実際にホルムア
ルデヒド含有量を低減させるが、金型付着物の問題はな
お未解決で残ることが判明した。ベンゾグアナミンのよ
うな本発明の共安定剤の添加は、このような酸性組成物
にあっても、スーパーポリアミドを単独安定剤として使
用した場合に認められる濃度よりほんの僅かなホルムア
ルデヒド含有量の増大しか生じない。なお、酸性条件下
でメラミンを使用した場合にホルムアルデヒド含有量が
低くなるのは、メラミンがベンゾグアナミンより強塩基
であり、酸掃去剤として作用するために、スーパーポリ
アミドが主にホルムアルデヒド受容体として機能するこ
とが可能になるためと考えられる。
比較的多量のスーパーポリアミドと少量のベンゾグアナ
ミンとからなる安定剤系を配合した本発明のオキシメチ
レンポリマー組成物は、スーパーポリアミドのみで安定
化した組成物に比べて熱安定性が改善され、金型付着物
の生成傾向を示さない。本発明の組成物はまた、スーパ
ーポリアミドで安定化されたオキシメチレンポリマーに
特有の低い抽出性ホルムアルデヒド含有量を示し、スー
パーポリアミドを単独熱安定剤として含有する組成物に
比べて、熱応力下でのオキシメチレンポリマーの変色傾
向の尺度であるMxbカラー値が実質的に低下する。
本発明の組成物に有用な好ましい安定剤系は、スーパー
ポリアミドを主成分とする安定剤系であり、スーパーポ
リアミド安定剤を含有するオキシメチレンポリマーの特
性を改善しようとするものである。このように、実際に
はスーパーポリアミドを主成分とする安定剤系を維持す
るようにスーパーポリアミドに対してベンゾグアナミン
の添加量を少量に抑えた安定剤系が好ましいが、本発明
で使用する安定剤系は、各安定剤成分を実際に可能なあ
らゆる割合で配合した安定剤系をすべて包含するもので
あることは理解されよう。すなわち、本発明で使用する
好ましい安定剤は、相対的割合で、より多量のスーパー
ポリアミド安定剤と、より少量のベンゾグアナミンを含
有する。本発明の組成物において、スーパーポリアミド
安定剤は約0.05〜2重量%、より好ましくは約0.1〜0.5
重量%の量で添加する。スーパーポリアミド安定剤の特
に好ましい添加量は、組成物の全重量に基づいて約0.15
〜0.35重量%である。
ベンゾグアナミンは、安定剤系全体の半量以下を占める
少量成分とすることが好ましく、添加量は約0.001〜1
重量%、より好ましくは約0.005〜0.2重量%の実際的な
限度内とすることが好ましい。特に好ましい添加量は、
組成物の全重量に基づいて約0.01〜0.05重量%である。
安定剤のスーパーポリアミドおよびベンゾグアナミンの
オキシメチレンポリマーへの添加は、両者を一緒に同時
に添加しても、あるいはこれらの添加成分を予備混合し
てからオキシメチレンポリマーに配合してもよい。
本発明の安定化オキシメチレンポリマー組成物は、未安
定化ポリマーと2種類の安定剤とを、実質的に均質な組
成物を与えるような任意の適当な方法で混合することに
より製造される。例えば、これらの安定剤のオキシメチ
レンポリマーへの配合は、ポリマーと安定剤とを共通溶
剤に溶解した後、得られた溶液を蒸発乾固することによ
り実施できる。あるいは、適当な溶剤に溶解させた安定
剤の溶液を微細な固体状オキシメチレンポリマーに塗布
した後、溶剤を蒸発させることにより、安定剤をオキシ
メチレンポリマーに均質に混合することもできる。
混合はまた、微細なオキシメチレンポリマーと微細な安
定剤とを乾式混合した後、混合物を押出もしくは溶融混
練することにより、あるいはポリマーをラバーミルで処
理する際に安定剤をポリマー中に混練することによって
も実施できる。
本発明の安定化オキシメチレンポリマー組成物は、所望
により、可塑剤、顔料、滑剤および別の種類の安定剤、
例えば、紫外線劣化に対する安定剤である酸化防止剤
(例、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシクロロベンゾフェノ
ン)、核形成剤、紫外線遮断剤および吸収剤、金属セッ
ケン、強化材および充填材(例、ガラス、タクル、白マ
イカ,および金マイカ)、高分子物質(例、エチレン−
酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン)、耐衝撃性改良剤、な
らびにオキシメチレンポリマーと相容性のある着色顔
料、例えば、アゾ染料、硫化カドミウム−セレン化カド
ミウムレッド、および「メルカジウム」レッドのような
赤色顔料、フタロシアニンブルーのような青色顔料、酸
化クロムグリーンのような緑色顔料、二酸化チタン白の
ような白色顔料、カーボンブラックのような黒色顔料を
さらに含有していてもよく、これらは組成物の全重量に
基づいて約5重量%までの量で配合しうる。
以下の実施例は、本発明の具体例を例示するものであ
る。ただし、実施例は単に例示を目的とし、制限を意図
したものではない。特に言及のない限り、以下の実施例
で使用したオキシメチレンポリマーは、米国特許第3,25
4,053号の実施例1に記載のように製造したトリオキサ
ンとエチレンオキシドとのオキシメチレンコポリマーで
ある。ポリマー中の触媒残渣を米国特許第2,989,509号
に記載の方法でアミンにより失活させた後、得られたコ
ポリマーを米国特許第3,318,848号および同第3,174,948
号に記載の溶融加水分解法もしくは溶液加水分解法のい
ずれかにより処理して、不安定な末端単位を予め除去し
ておいた。
実施例で言及している各種の分析は、下記の要領で実施
した。
金型付着物:金型付着物は、温度435〜440゜F(224〜22
7℃)の溶融アセタールポリマーを、直径4in×厚さ1/16
in(100×1.6mm)の円板型キャビティに繰り返し射出成
形することにより評価した。遊離ホルムアルデヒドの凝
縮および安定剤の滲出による金型付着物の蓄積を検討す
るために、120゜F(49℃)の金型温度を選択した。観察
に十分な量の金型付着物を蓄積させるために、金型温度
120゜Fで700回の射出成形を行った。試験前に含水量を
均一にするために、全試料を180゜F(82℃)で4時間乾
燥した。金型付着物試験において、上記円板型の金型キ
ャビティを、最初の250回の射出までは50回ごとに、そ
の後は100回の射出ごとに検査した。金型付着物は、軽
度(ゲートの周囲に三日月形の蓄積)、中度(円板型キ
ャビティ内に環状の蓄積)、および重度(円板型キャビ
ティ内部全体に均一な蓄積)に分類して記録した。各測
定時間において、金型キャビティの一部を、ノクソン
〔Noxon,ボイル−ミッドウェイ(Boyle−Midway)社製
の液体金属磨き剤〕を浸した布で拭いた。拭き取りの前
に、金型表面上をノクソンで3分間被覆するようにし
た。このノクソンによる拭き取りにより金型付着物が除
去できなかった場合、これを「除去困難」と記録した。
抽出性ホルムアルデヒド:抽出性ホルムアルデヒド量の
測定は、100gの試料を100mlの蒸留水中で60分間還流下
に煮沸することにより行った。得られた抽出液を次いで
0.1N水酸化カリウム水溶液で中和し、最終pHを記録し
た。この中和後の抽出液に0.1N亜硫酸ナトリウム水溶液
50mlを添加した。この最終溶液を次いで、上で記録した
最初のpH値になるまで0.1N硫酸で滴定した。抽出性ホル
ムアルデヒド(CH2O)量は、次式により算出した。
抽出性CH2O量(%)=(T×N×3)/W T=硫酸の滴定量(ml) N=硫酸の規定度 W=試料の精密重量(g) ハンター・カラー:ハンター・カラーは、着色および天
然プラスチック材料の試験に使用される標準的な色の測
定手段である。測定用に直径2in(5.1cm)の円板試験片
を射出成形した。この試験片を反射モードにセットした
補正つきハンター色差計に挿入した。試験片の明度およ
び色を規定する3種類のパラメータ(L,a,b)を求め
た。
加熱老化後のbカラー:加熱老化後のカラー試験を、実
験室用加熱器(116℃)内の棚に置いた直径2inの円板試
験片(上記に同じ)について行った。試験片を定期的に
取り出し、ハンター色差計でb値を測定した。最後に38
4時間後に試験片を取り出し、b値を測定した。この試
験は、各組成物の熱応力下での色安定性を評価するもの
である。
Mxカラー:Mxカラーの測定は、数gのアセタールポリマ
ー試料をメルト・インデクサー内で230℃に30分間保持
することにより行った。試料を次いで押圧し、圧縮成形
により厚み1/8in(3.2mm)の円板試験片を作成し、ハン
ター色差計を使用してそのbカラーの変化を測定した。
この試験は、成形機により受けた樹脂の変色傾向を測定
するものである。
ポリマーの熱分解速度(Kd230):ポリマーの熱分解速
度は、ポリマーの試料を230℃の空気循環式加熱器に入
れた解放容器内で加熱して、その減量速度を求めること
により測定した。因みに、トリオキサンとエチレンオキ
シドとの未安定化オキシメチレンコポリマー(不安定な
末端基の除去のための加水分解処理のみ施したもの)の
Kd230は、1%/minよりかなり大きく、一般に230℃で約
45分後には完全に消滅してしまう。
Kdカラー:これは、上記Kd測定操作(230℃で45分間)
を受けさせた後の溶融ペレットについて測定した最終的
な目視検査による色の記録である。測定は主観的評価
(黄色、褐色など)により行った。この測定は、過酷な
加工処理条件下での色の発現を模したものである。
実施例1 タンブル・ブレンダで成分を混合した後、混合物を1.5i
n(3.8cm)ジョンソン押出機を使用して390゜F(199
℃)で押出すことにより、組成物試料1〜4を調製し
た。得られたペレットを150゜F(66℃)で1夜乾燥し、
次いで8oz(227g)リード(Reed)射出成形機により、
温度395゜F(202℃)、サイクル時間35秒、および9000p
si(630kg/cm2)の条件で成形した。本実施例で使用し
たオキシメチレンポリマーは、MHコポリマー(溶融加水
分解ポリマー)50%とSHコポリマー(溶液加水分解ポリ
マー)50%とからなる混合物であった。すべての組成物
に、慣用のヒンダードフェノール型酸化防止剤、離型剤
および核形成剤をそれぞれ当業者に慣用の量を含有させ
た。使用したスーパーポリアミドは、ポリカプロラクタ
ム約38%/ポリヘキサメチレンアジパミド約35%/ポリ
ヘキサメチレンセバカミド約27%を含有するターポリマ
ーからなる市販の安定剤であった。本発明の例示となる
組成物ではベンゾグアナミン(BZG)を共安定剤として
使用した。押出物をペレット状に細断してから次の試験
に付した:ハンター・bカラー、Mxbカラー、加熱老化
後のbカラー、Kd熱分解速度、Kdカラー、抽出性ホルム
アルデヒド量、および金型付着物。これらの分析は上記
の方法で実施した。
実施例1の各試料には二酸化チタン顔料0.7重量%を配
合した。試験結果を下記第1表および第2表にまとめて
示す。
上記データからわかるように、Mxbカラー値は、オキシ
メチレンコポリマーに対する安定剤としてシアノグアナ
ミもしくはスーパーポリアミドを単独で使用した場合に
比べて、スーパーポリアミド安定剤にベンゾグアナミン
もしくはメラミンのいずれかを添加すると実質的に低減
した。同様に、顔料配合試料にBZGもしくはメラミンの
いずれかを添加すると、明らかにこの酸性顔料の中和に
よりKd(熱分解)抑制の著しい改善が得られた。また、
スーパーポリアミドとの共安定剤としてメラミンを使用
した場合には、抽出性ホルムアルデヒド量が、スーパー
ポリアミド単独の対照例および共安定剤としてBZGを添
加した本発明の組成物のいずれよりも幾らか小さかっ
た。これは、メラミンがBZGより強塩基 あるため、こ
の酸性顔料配合組成物ではより良好な結果を生じたので
はないかと考えられる。
実施例2 試料1〜8を、実施例1と同様の混合および押出により
調製した。全試料が顔料を含有しない自然組成物であ
り、特に言及しない限りMH/SH安定化コポリマーの50/50
%混合物であった。これらの試料の分析結果を次の第3
表〜第4表に示す。
表に示した結果からわかるように、スーパーポリアミド
との共安定剤としてBZGまたはメラミンを添加すると、
スーパーポリアミド安定剤を単独熱安定剤として使用し
た場合に比べてMxbカラー値が急激に低下した。重要な
ことに、共安定剤としてBZGを使用した場合にはスーパ
ーポリアミド単独の比較例と同様の低い抽出性ホルムア
ルデヒド量が保持されたが、メラミンを共安定剤として
使用した場合には、抽出性ホルムアルデヒド量が約二倍
に増大した。さらに、本発明の組成物で認められた金型
付着物の生成状況は、スーパーポリアミドを単独熱安定
剤として使用した場合に匹敵する少なさであった。メラ
ミンを含有する組成物では、金型付着物の生成傾向が増
大した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カビリパラヤン・エム・ナタラジャン アメリカ合衆国ニュージャージー州、ニュ ー・ブランズウィック、オーバーヒル・ロ ード3番地 (56)参考文献 米国特許3480694(US,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキシメチレンポリマーに、スーパーポリ
    アミドと、それより少量のベンゾグアナミンとからなる
    安定剤を配合してなる、オキシメチレンポリマー組成
    物。
  2. 【請求項2】組成物の全重量に基づいて、前記スーパー
    ポリアミド安定剤を0.05〜2重量%の量で、前記ベンゾ
    グアナミンを0.001〜1重量%の量で配合した特許請求
    の範囲第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】組成物の全重量に基づいて、前記スーパー
    ポリアミド安定剤を0.1〜0.5重量%の量で、前記ベンゾ
    グアナミンを0.005〜0.2重量%の量で配合した特許請求
    の範囲第2項記載の組成物。
  4. 【請求項4】組成物の全重量に基づいて、前記スーパー
    ポリアミド安定剤を0.15〜0.35重量%の量で、前記ベン
    ゾグアナミンを0.01〜0.05重量%の量で配合した特許請
    求の範囲第3項記載の組成物。
  5. 【請求項5】前記オキシメチレンポリマーが、 (i)オキシメチレンホモポリマー、 (ii)−OCH2−反復基60〜99.6%と、この間に散在して
    いる一般式: (式中、各R1およびR2基は、水素、低級アルキルおよび
    ハロゲン置換低級アルキル基よりなる群から選ばれ、各
    R3基はメチレン、オキシメチレン、低級アルキルおよび
    ハロアルキル置換メチレン、ならびに低級アルキルおよ
    びハロアルキル置換オキシメチレン基よりなる群から選
    ばれ、nは0〜3の整数であり、各低級アルキル基の炭
    素数は1〜2である)で示される基とからなるオキシメ
    チレンコポリマー、 (iii)トリオキサン、環式エーテルおよび/もしくは
    環式アセタール、ならびに式: 〔式中、Zは炭素−炭素結合、酸素原子、炭素数1〜8
    のオキシアルコキシ基、およびオキシポリ(低級アルコ
    キシ)基よりなる群から選ばれた基を意味する〕で示さ
    れるジグリシドの反応生成物であるオキシメチレンター
    ポリマー、 よりなる群から選ばれたものである、特許請求の範囲第
    1項〜第4項のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】前記オキシメチレンポリマーが前記(ii)
    のコポリマーである、特許請求の範囲第5項記載の組成
    物。
  7. 【請求項7】前記コポリマーが、トリオキサンと、エチ
    レンオキシド、1,3−ジオキソランもしくはその両者と
    のコポリマーである、特許請求の範囲第6項記載の組成
    物。
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