JPH071780Y2 - 電磁誘導機器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、各相コイルが冷却流ダクトにより導かれた
冷却流で冷却される電磁誘導機器に関し、特にその相コ
イル内の冷却流量を各々一様にする冷却流ダクトの構造
に関するものである。

［従来の技術］ 第３図は従来の３相電磁誘導機器の一例を示す概略断面
図であり、図において、（１）は電磁誘導機器のタン
ク、（２）はタンク（１）内に設けられ電磁誘導機器の
主要部を構成し、Ａ相,B相およびＣ相の各相コイル（2
A），（2B），（2C）からなるコイル、（３）は先端部
がタンク（１）の下部に接続され冷却流を電磁誘導機器
の下部を導く下部冷却流配管、（４）は一端部が冷却器
（図示せず）に接続され他端部がタンク（１）の上面に
接続された上部冷却流配管、（８）は仕切板（５）でコ
イル（２）と区画された冷却流ダクトである。

従来の３相電磁誘導機器は上記のように構成され、ポン
プまたはブロワーによって得られた冷却流は、下部冷却
流配管（３）から冷却流ダクト（８）に導入され、各相
コイル（2A），（2B），（2C）内に流れ、各相コイル
（2A），（2B），（2C）を各々冷却する。その後、その
冷却流は上部冷却流配管（４）から冷却器に導かれる。
この冷却流は、ポンプまたはブロワーの押し込み圧によ
って冷却流ダクト（８）内に押し込まれ、第４図に示す
ように下部冷却流配管（３）の側に近いＡ相コイル（2
A）ほどコイル（２）に流れる冷却流量が少なく、逆に
遠いＣ相コイル（2C）ほどコイル（２）内に流れる冷却
流量が多くなる。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のような従来の電磁誘導機器では、各相コイル（2
A），（2B），（2C）間でコイル（２）内に流れる冷却
流量が一様でないので、各相コイル（2A），（2B），
（2C）で発生する熱を冷却流によって均等に冷却器に導
くことができず、冷却流量の少ないＡ相コイル（2A）に
おいては規定の温度上昇値をオーバーするばかりでな
く、コイル（２）を形成している絶縁物の熱劣化を促進
し、電磁誘導機器の寿命を短かくする等の問題点があっ
た。

この考案は、上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、各相コイル内に流れる冷却流量を一様にで
き、各相コイルの温度上昇値を均一にできる電磁誘導機
器を得ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案に係る電磁誘導機器は、冷却流ダクト内の各相
コイル間に冷却流調整ガイドを設けたものである。

［作用］ この考案における電磁誘導機器は、冷却流ダクト内の各
相コイル間に設けた冷却流調整ガイドにより、各相コイ
ルを通過する冷却流量のアンバランスを是正し、各相コ
イルごとの冷却流量を一様にするものである。

［実施例］ 以下、この考案の実施例を図について説明する。第１図
はこの考案の一実施例を示す概略断面図であり、第３図
と同一または相当部分は同一符号を付し、その説明は省
略する。

図において、（６）はポンプまたはブロワーで得られた
冷却流を各相コイル（2A），（2B），（2C）に導くため
に設けられ、仕切板（５）でコイル（２）と区画された
冷却流ダクト、（７）は冷却流ダクト（６）内の各相コ
イル（2A），（2B），（2C）間に設置された冷却流調整
用ガイドである。

上記のように構成れた電磁誘導機器においては、冷却流
ダクト（６）内に設けられた冷却流調整ガイド（７）が
冷却流に対して流体抵抗として作用し、冷却流ダクト
（６）内の冷却流のアンバランスを是正する。冷却流調
整ガイド（７）を冷却流ダクト（６）に取り付けたこと
により、Ａ相,B相およびＣ相コイル（2A），（2B），
（2C）内に流れる各冷却流量は一様であることは第２図
から判る。

なお、上記実施例では各相コイル（2A），（2B），（2
C）間に設けた冷却流調整ガイド（７）の大きさが同じ
ものを示したが、その冷却流調整ガイドの各々の大きさ
を異なる大きさとしてもよく、さらに冷却流調整ガイド
の取付け位置も各相コイル（2A），（2B），（2C）の相
間に取付けられていればよく、第１図に示す様に冷却流
ダクト（６）の上部取付けに限るものではない。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案の電磁誘導機器によれ
ば、冷却流ダクト内の各相コイル間に冷却流調整ガイド
を設けたので、各相コイル内に流れる冷却流量を一様に
でき、それによって各相コイルの温度上昇値を同一にで
きるため、電磁誘導機器の正規の寿命が得られる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による電磁誘導機器を示す
概略断面図、第２図は第１図に示す電磁誘導機器におけ
る各相コイルの冷却流分布を示す図、第３図は従来の電
磁誘導機器の一例を示す概略断面図、第４図は第３図に
示す従来の電磁誘導機器における各相コイルの冷却流分
布を示す図である。 （１）はタンク、（２）はコイル、（2A）はＡ相コイ
ル、（2B）はＢ相コイル、（2C）はＣ相コイル、（６）
は冷却流ダクト、（７）は冷却流調整ガイドである。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】タンク内に配設された各相コイルが冷却流
   ダクトにより導かれた冷却流で冷却される電磁誘導機器
   において、 各前記相コイル内を通過する冷却流量を一様にするよう
   に、前記冷却流ダクト内の各前記相コイル間に冷却流調
   整ガイドを設けたことを特徴とする電磁誘導機器。