JPH07177881A - 哺乳動物の人工染色体 - Google Patents

哺乳動物の人工染色体

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JPH07177881A
JPH07177881A JP4245206A JP24520692A JPH07177881A JP H07177881 A JPH07177881 A JP H07177881A JP 4245206 A JP4245206 A JP 4245206A JP 24520692 A JP24520692 A JP 24520692A JP H07177881 A JPH07177881 A JP H07177881A
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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/10Cells modified by introduction of foreign genetic material
    • C12N5/12Fused cells, e.g. hybridomas
    • C12N5/16Animal cells
    • C12N5/166Animal cells resulting from interspecies fusion

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 哺乳動物の人工染色体を提供する。 【構成】 優性マーカー遺伝子に結合したヒトDNA配
列からなる機能的動原体を含む非ヒト細胞系を開示す
る。該動原体は、該ヒトDNA配列からなる動原体以外
の動原体をなんら有しない安定な染色体上に保持され
る。この細胞系は染色体の単離、及び哺乳動物細胞への
遺伝子の挿入に使用できる。二動原体染色体を有する細
胞系からこのような細胞系を作成する方法も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は哺乳動物の人工染色体に
関する。
【0002】
【従来の技術】動原体(セントロメア:centrom
ere)は真核生物染色体の特異的な領域である。これ
は細胞分裂の際に正確な染色体分離が行われるようにす
る構造であるキネトコア形成がなされる部位である。さ
らに、真核生物染色体の高度な組織化において構造的役
割を担っている可能性が示唆されている(Hadlac
zky(1985),Internatl.Rev.,
94:57−76)。
【0003】動原体を単離し、クローニングすること
は、その分子構造と機能を理解するためだけでなく、安
定な人工染色体を作るためにも不可欠である。動原体に
結合した遺伝子が存在する利点を生かして、下等真核生
物(酵母)の機能的動原体を単離することに成功してい
る(Blackburn et al.(1984),
Ann.Rev.Biochem.,53:163−1
94;Clarke et al.(1985),An
n.Rev.Genet.,19:29−56)。機能
的動原体と、染色体末端を安定化するテロメアとの組み
合わせにより酵母の人工染色体を作成することが可能と
なった(Murray et al.(1983),N
ature,305:189−193;Burke e
t al.(1987),Science,236:8
06−812)。これによって染色体の機能の研究と遺
伝子操作に新しい時代が開かれた。
【0004】酵母とは対照的に、高等真核生物(哺乳動
物など)は動原体の両側で境界を形成する反復DNA配
列を含んでいる。ある種のタンパク質、特に動物の染色
体中のタンパク質と相互作用するこの高度に反復的なD
NAは、動原体周辺に遺伝的に不活性な領域(ヘテロク
ロマチン)を作り出す。この中心周囲のヘテロクロマチ
ンはあらゆる選択マーカー遺伝子をかなりの距離に保
ち、それ故、反復DNAは染色体の”ウォーキング(w
alking)”による動原体配列の単離を妨げてい
る。
【0005】かくして、哺乳動物の人工染色体作成の要
求が当業界に存在する。このような染色体を使用すれ
ば、挿入変異の付随的な創出、導入されるDNAの大き
さによる制限、及びプラスミドベクターの不完全な分離
などを含む、哺乳動物細胞に遺伝子を導入するための現
存の手法に固有な諸問題を克服することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、哺乳
動物の人工染色体の材料として使用できる細胞系を提供
することにある。
【0007】本発明の他の目的は、ヒトDNA配列を含
む機能的動原体からなる細胞系を作成する方法を提供す
ることにあり、ここで動原体は染色体上に存在し、該染
色体のすべての動原体は優性選択マーカーに結合したヒ
ト配列からなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】ここに記載した、またそ
の他の目的は以下に記載する1又はそれ以上の態様によ
って提供される。
【0009】本発明の1態様においては、ヒトDNA配
列を含む機能的動原体からなる非ヒト細胞系が提供さ
れ、ここで該動原体は染色体上に存在し、かつ該染色体
のすべての動原体は優性選択マーカーに結合したヒト配
列からなる。
【0010】他の態様においては、ヒトDNAを含む機
能的動原体からなる細胞系を作成する方法が提供され、
ここで動原体は染色体上に存在し、かつ該染色体のすべ
ての動原体は優性選択マーカーに結合したヒト配列から
なっており、この方法は、ヨーロピアン・コレクション
・オブ・アニマル・セル・カルチャー(ECACC)に
寄託番号no.90051001で寄託された細胞系の
細胞を、優性選択マーカーのための選択剤を含む培地中
で成長させ、ここで該選択剤は細胞の50%を殺す量の
10倍以上で培地中に存在し;該培地中で生存する細胞
を選択し;生存細胞又はその子孫から二動原体染色体を
欠いている細胞をスクリーニングする、ことからなる。
【0011】本発明のさらに他の態様においては、ヒト
DNA配列からなる機能的動原体からなる細胞系を作成
する方法が提供され、ここで動原体は染色体上に存在
し、かつ該染色体のすべての動原体は優性選択マーカー
に結合したヒト配列からなっており、この方法は、ヨー
ロピアン・コレクション・オブ・アニマル・セル・カル
チャー(ECACC)に寄託番号no.9005100
1で寄託された細胞系の細胞を、第2の哺乳動物種の細
胞と融合させて融合細胞ハイブリッドを形成し;融合細
胞ハイブリッド又はその子孫から二動原体染色体を欠い
ているはいるが、ヒトDNAからなる動原体を含む細胞
をスクリーニングする、ことからなる。
【0012】これらの態様及びその他の態様については
以下にさらに詳しく説明する。かくして本発明は哺乳動
物の人工染色体として使用し得る細胞系を当業界に提供
する。人工染色体は細胞系中で安定に維持され、所望の
遺伝的要素のためのベクターとして用いるときに単離で
きる。
【0013】
【詳細な説明】一方の動原体がヒトDNA断片を含有す
る二動原体の染色体を有する細胞系を処理して、他の哺
乳動物染色体から離れている染色体上にヒトDNAを有
する動原体を単離することができることは、本発明にお
いて見いだされた。このことは、ヒトDNAを含有する
動原体が機能的動原体である、ことを結論として示して
いる。
【0014】ヒトDNAを有する機能的動原体は、ヨー
ロピアン・コレクション・オブ・アニマル・セル・カル
チャー(ECACC)、英国、ポートンダウンに、ブダ
ペスト条約に基づく条件で寄託番号90051001
(またEC3/7としても知られている)として寄託さ
れた細胞系から得られる。この細胞系は、一方の動原体
がヒトDNA配列を含有している二動原体染色体を有す
るマウス細胞系である。この細胞系から単離できる動原
体は優性な選択マーカーである、G418(シグマ社)
に対する耐性を与えるアミノグリコシドー3’−ホスホ
トランスフェラーゼーIIに結合されている。細胞系E
C3/7は比較的不均質であり、二動原体(85%)又
はミニクロモソーム(10%)の何れかを有する。二動
原体染色体の動原体及びミニクロモソームは抗動原体抗
体による免疫染色では、正常なマウス動原体と区別でき
なかった。ミニクロモソームを持つ細胞は1回の細胞ク
ローニングでは安定にクローニングできなかった。本発
明以前には、ミニクロモソームは安定な複製を行うこと
ができなかった。本発明は、クローニングされたヒトD
NAからなる動原体のみを含有する染色体を、安定に複
製する誘導細胞系を与える。
【0015】本発明により、2つのこのような誘導細胞
が提供される。1つの誘導細胞はEC3/7とチャイニ
ーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞とを融合すること
により生成されたマウス/ハムスター融合細胞である。
発明者は融合細胞系の生成の際又は後に、ヒト由来動原
体の増幅を生じることを見いだした。げっ歯類動物の染
色体のサイズであるにもかかわらず、増幅により、純粋
なげっ歯類動物のものではない染色体を有する染色体を
生じた。増幅された動原体(以下、λneoと言う)は
大部分の細胞において7倍存在した(表I)。増幅され
た動原体のうちのただ1つだけが細胞内において機能的
であると思われる。
【0016】第2の誘導細胞は、EC3/7から誘導さ
れたヒトDNA含有動原体からなる安定なミニクロモソ
ームを有する。ミニクロモソームは細胞系内の最も小さ
い染色体の半分以下のサイズである。安定なミニクロモ
ソームは高濃度の選択試薬中で、EC3/7のような二
動原体染色体含有細胞を生育させることにより生成でき
る。この選択試薬は結合された配列と共に選択マーカー
の増幅を誘導するものである。例えば、もしG418の
ような抗生物質の10μg/mlが致死量であるとすれ
ば(即ち、106個の細胞の3週間の生存を阻止す
る)、増幅を選択するのに400μg/mlの濃度を使
用できる。一般に、106個の細胞を殺す量の少なくと
も10倍、好ましくは20−40倍が望ましい。400
μg/mlのG418におけるEC3/7細胞の選択に
よれば、二動原体染色体よりも、むしろ安定なミニクロ
モソームを持つ細胞が生成される。二動原体染色体の損
失に関するスクリーニングは、抗動原体抗体による免疫
染色と共に、標準的な細胞遺伝学的手法によって実施で
きる。本発明によれば、細胞系の少なくとも90%、好
ましくは95%の細胞が染色体を保持する場合に、染色
体は安定に維持される。安定性は選択試薬の存在におい
て測定される。これらの染色体は選択試薬が存在しない
でも維持されることが好ましい。また、安定な染色体は
細胞培養の間にもその構造を維持し、染色体間及び染色
体内の転移を生じない。
【0017】ミニクロモソームは、安定にこれを保持す
る細胞系の分裂細胞から物理的に単離される。ミニクロ
モソームは、分画遠心次いで蔗糖勾配沈殿により、部分
的に精製できる。そのような方法により、約10−20
%ミニクロモソームの調製物を生じる。
【0018】ミニクロモソーム(又はそれらの増幅誘導
体)は染色体が媒介する遺伝子転移におけるベクターと
して使用できる。哺乳動物細胞は、リン酸カルシウム、
リポソーム、エレクトロポレーション、又は従来技術で
知られているどのような手法を用いても、ミニクロモソ
ーム又は遺伝子工学的に処理されたミニクロモソームで
形質転換できる。ミニクロモソームは卵、胚又は培養細
胞に微量注射するのにも使用できる。ミニクロモソーム
含有細胞はヒト幹細胞又は骨髄細胞と融合するのにも使
用できる。その他の応用は当業者にとって、明らかであ
ろう。
【0019】以下の実施例は本発明を記載された具体的
態様に限定するものでなく、発明を実施できる特定の方
法を具体的に説明するために示される。
【0020】実施例1 この実施例ではEC3/7細胞系の安定性について記載
する。
【0021】単細胞由来の46個の独立したサブクロー
ンを単離し分析した。各々のサブクローンは二動原体染
色体を有していた。ミニクロモソーム含有細胞の割合は
サブクローンにより異なり、2%ないし30%の間であ
った。本発明者は、専らミニクロモソーム中に付加的な
動原体を有するサブクローンを単細胞サブクローニング
によって単離することはできなかった。この結果は、ミ
ニクロモソームが不安定であり二動原体染色体の規則的
な切断による産物であることを示唆している。EC3/
7細胞系をG418の高濃度(致死量の40倍)で35
0世代についてサブクローニングすることによって、ミ
ニクロモソーム上にのみ特別の動原体を有する単細胞由
来の安定な二つの細胞系(EC3/7C5及びEC3/
7C6)を作った。抗動原体抗体を用いた間接的な蛍光
抗体法とそれに引き続くインサイチュ・ハイブリダイゼ
ーション実験によって、ミニクロモソームは二動原体染
色体に由来することが立証された。双方の細胞系におい
て、大部分のハイブリダイゼーション・シグナルはミニ
クロモソーム上に見いだされたが、CM8又はラムダ配
列の痕跡は一動原体染色体の末端において検出された。
EC3/7C5及びEC3/7C6細胞系(それぞれ1
40及び128個の分裂中期の細胞)において、二動原
体染色体は一つも見られなく、ミニクロモソームはそれ
ぞれ97.2%及び98.1%の細胞において検出され
た。そのミニクロモソームは150細胞世代以上にわた
って維持された。テロメアDNA(telomeric
DNA)の多数のコピーが、インサイチュ・ハイブリ
ダイゼーションによって二動原体染色体のマーカー動原
体領域において検出された。このことはマウスのテロメ
ア配列が外来のDNA配列で共働増幅(coampli
fy)されたことを示唆している。これらの安定なミニ
クロモソーム保持細胞系は、ヒトの配列を含有する特別
な動原体が機能しており、そのミニクロモソームを維持
する能力があるという直接的な証拠を提供する。
【0022】非選択的培地で46日間培養されたEC3
/7細胞(103個の分裂中期の細胞)の免疫染色(i
mmunostaining)による予備的分析によっ
て、80.6%の細胞が二動原体染色体(60.2%)
又はミニクロモソーム(20.4%)のいずれかを含有
することが示された。続いてビオチン標識プローブを用
いて行ったインサイチュ・ハイブリダイゼーションによ
って、付加された動原体中に“外来の”DNAが存在す
ることが立証された。これらの結果は、非選択的条件下
でこの培養期間において、付加された動原体の重大な欠
失も不活性化も起こらなかったことを示唆している。
【0023】実施例2 この実施例ではEC3/7マウス細胞の種間(inte
r−specific)融合とヒトの配列を有する安定
な染色体の形成を立証する。
【0024】10%牛胎児血清(FCS)及び400μ
gのG418(Geneticin,SIGMA社)を
加えたF12培地中でEC3/7マウス繊維芽細胞(f
ibroblast)細胞系を単層として培養した。チ
ャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO K−20)を
10%FCS加F12培地中で培養した。ポリエチレン
グリコールを用いて1.8×107のCHO細胞と2.
3×106のEC3/7細胞を融合させた(David
son,Som.Cell Genet.,vol.
2,pp.165−176(1976)).10%FC
S及び400μgのG418を含むF12HAT培地
(Szybalski,N.C.I.Monogr.
vol.7,pp.75−89(1982))中でハイ
ブリッドが選択された。
【0025】LMTK EC3/7マウス細胞とCHO
K−20ハムスター細胞との融合によって幾つかのハ
イブリッド細胞系が得られた。EC3/7細胞は、大多
数の細胞において二動原体染色体又は頻度はより少ない
(10%)がミニクロモソーム上で優性な選択可能遺伝
子(neo)と結合している機能的なマーカー動原体を
有していた。ハイブリッドは400μgのG418(G
eneticin,SIGMA社)を含むHAT培地上
で選択され維持された。独立したハイブリッド系の細胞
学的分析の間に、上述したヒトの抗動原体血清(LU8
51)を用いた間接的な蛍光抗体法とそれに続くビオチ
ン標識ラムダDNAプローブを用いたインサイチュ・ハ
イブリダイゼーションによって、neo結合マーカーを
モニターした。9個のハイブリッドクローンが特別のマ
ーカー動原体を有する二動原体染色体を保持していた。
一つのハイブリッド系(KE1 2/4)においては、
107細胞期(融合の65日後)に、マーカー動原体が
二動原体染色体から離脱して新たな染色体が形成され
た。その染色体は平均的なマウス染色体の大きさを有し
ていた(1図)。ビオチン標識ラムダDNAプローブを
用いたインサイチュ・ハイブリダイゼーションは、新た
に形成された(λneo)染色体上に極度のハイブリダ
イゼーション・シグナルを示した(1B図)。λneo
染色体上のインサイチュ・ハイブリダイゼーションの結
果は、この染色体が二動原体染色体のマーカー動原体領
域(neo配列を保持している領域)から得られたもの
であることを明確に表している。
【0026】λneo染色体はこの細胞系において全く
安定であることが見いだされた。培養後65日たって
(107細胞期)、分析された96個の分裂中期の細胞
のうち92個がλneo染色体の存在を示した。三つの
分裂中期の細胞はλneo染色体セグメントの転移(t
ranslocation)を示し、一の分裂中期の細
胞においてはこの染色体は全く検出されなかった。培養
後110日たつと、98%を越える細胞(167個の分
裂中期の細胞を分析)がλneo染色体を保持してい
た。KE1 2/4細胞を更に43日間(>50世代)
非選択的な条件下(HAT-,G418-)で培養したと
ころ、84.4%の細胞(96個の分裂中期の細胞を分
析)がλneo染色体を持ち続けた。
【0027】実施例3 本実施例は、λneo染色体の特徴について記述する。
【0028】グラハム(Graham)ら(Virol
ogy,vol.52,pp.456−467,197
3)により記載されたとおりに、ビオチン標識プローブ
を用いてインサイチュ・ハイブリダイゼーションを実施
した。二重インサイチュ・ハイブリダイゼーションを以
下のとおりに実施した。第一のハイブリダイゼーション
後、分裂中期の写真を撮り、カバースリップをはずして
スライドをPBSで洗浄した。ぬれたスライドを70%
ホルムアミド(BDH AnalaR)/2×SSC中
で72℃において5分間変成し、二次ビオチン標識プロ
ーブを用いて標準的ハイブリダイゼーション法(グラハ
ム(Graham)、上記)を行った。インサイチュ・
ハイブリダイゼーション実験は、散在したneoの存在
(図1B)およびヒト(図1H)DNA配列を示す。こ
の発見は、λneo染色体が広範囲な増幅工程により形
成されたことを示唆する。慣用的な細胞学においても、
インサイチュ・ハイブリダイゼーションにおいても、K
E1 2/4細胞系における染色体外構造は検出されな
かった。
【0029】テロメアは染色体の安定性に必要であると
考えられるので、テロメア配列がλneo染色体内に存
在するのか否かという疑問が持ち上がった。この疑問に
答えるために、テロメア反復配列(TTAGGG)n
用いてインサイチュ・ハイブリダイゼーションが実施さ
れたが、該反復配列は脊椎動物において共通である(メ
イネ(Meyne)ら、Chromosoma,vo
l.99,pp.3−10,1990)。テロメア配列
とハイブリダイズする配列が、λneo染色体全体を通
して散在することが見いだされた(図1D)。さらに、
TTAGGG反復配列に富んだ幾つかのハムスター染色
体の中心周囲領域にわたって強いラベリングが検出され
た(メイネ(Meyne)ら、上記)。”親の”EC3
/7分裂中期におけるハイブリダイゼーションにより、
TTAGGG反復配列の起点(origin)が明らか
にされた。マーカー動原体が位置する、二動原体染色体
の完全に末端の動原体領域が、ビオチン標識テロメアプ
ローブとの強いハイブリダイゼーションシグナルを示し
た(図1E)。このことは、二動原体染色体のマーカー
動原体領域が形成されたときの第一の増幅の間、ヒト
(λCM8)とneo配列(λgtWESneo)でテ
ロメア配列が共に増幅することを示唆している。
【0030】他の反復配列がλneo染色体の形成に関
与しているか否かを試験するために、ビオチン標識され
た全マウスDNAプローブおよび全ハムスターDNAプ
ローブをインサイチュ・ハイブリダイゼーションに使用
した。全ハムスターDNAプローブを用いた場合、λn
eo染色体上にシグナルは見いだされなかった。マウス
プローブを用いると、マウス染色体の中心周囲領域が強
いハイブリダイゼーションを示し、そして明確なハイブ
リダイゼーションパターンがλneo染色体上で検出さ
れた。一定の細いバンドがλneo染色体に沿って観察
された(図1F)。これらの結果が示すことは、二動原
体染色体からマーカー動原体を分離する分断が、隣接す
るマウス動原体の中心周囲領域において生じたことであ
る。λneo染色体の形成に通じる増幅工程の間、この
反復マウスDNAは大きいアンプリコン(増幅されたユ
ニット)(>10Mb)と近似した。
【0031】マウス線維芽細胞をDNA結合性染色剤ヘ
キスト 33258の存在下に培養すると、分裂中期染
色体の中心周囲のヘテロクロマチンの目立った不完全凝
縮(undercondensation)が生じる
(ヒルウイグ(Hilwig)ら、Exp.Cell
Res.,vol.81,pp.474−477(19
73))。この技術をKE1 2/4細胞系に使用する
ことにより、我々はλneo染色体の縦の分割を観察す
ることを期待した。これが、不完全凝縮した染色体にお
いて生じたインサイチュ・ハイブリダイゼーションによ
り明らかにされたよりもさらに詳細な染色体構造を提供
するものであることを、我々は期待した(図1F)。
【0032】ヘキスト染色剤33258を処理されたλ
neo染色体は、マウス反復配列中のハイブリダイズす
るバンドに対応した領域の一定の不完全凝縮を示したが
(図1G)、このことは、これらが中心周囲の起点(o
rigin)を有することを示唆する。マウス中心周囲
のヘテロクロマチンの主要DNA成分が主要なサテライ
トDNAであることは前に報告されている(ワング(W
ong)ら、Nucl.Acids.Res.,vo
l.16,pp.11645−11661(198
8))。ビオチン標識マウス主要サテライトプローブ
(ドクター、ラトナー(J.B.Rattner)によ
り供与された)を用いたインサイチュ・ハイブリダイゼ
ーションパターンは、全マウスDNAプローブにより検
出されたパターンと区別のつかないものであり(図1
F)、このことはアンプリコンのへりがマウス主要サテ
ライトDNAに富んでおり、マウス中心周囲ヘテロクロ
マチンとしてふるまうことを示している。
【0033】ヘキスト染色剤33258により誘導され
たλneo染色体のある領域の不完全凝縮によって、こ
の染色体の詳細な構造上の特徴を明らかにすることもま
た可能となった。
【0034】1.最初に細胞の増殖段階が107(65
日培養)の時に検出されたアンプリコン数は、ある程度
の一致性を示していた。65.6%の細胞において、ア
ンプリコン数は7であった。アンプリコン数におけるこ
の一致性は、110日培養後にわずかに増加しており
(分析した細胞分裂中期の細胞1500個のうち73.
2%)、非選択培養条件下において維持された(43日
間)。254日培養後においては、アンプリコン数が7
であるλneo染色体の数は80%に達した(表1)。
【0035】2.ある特定のλneo染色体のアンプリ
コンは、種々の大きさであったが、それぞれの細胞にお
いてはある特定のアンプリコンの大きさは一定に保たれ
ていた。この知見はλneo染色体の「マッピング」を
可能にした。すなわち、2つの同様の大きさのブロック
(a及びb)と2つの大きなユニット(c及びd)、及
び3つの小さなアンプリコン(e、f及びg)によって
染色体が完成する(図2A)。
【0036】3.アンプリコン中の少量のマウス大(m
ajor)サテライト配列は、「2次圧縮(sc:se
condary constrictions)」を生
成することができ、従って、よく広がり引き伸ばされた
染色体のより詳細な構造を可視化することができる。2
次圧縮によって、c及びdユニットは分割して同等でな
い部分となり、これらのアンプリコンは鏡像対称であっ
た(図2A)。このことはアンプリコンcがアンプリコ
ンdに対して逆方向になっていることを示唆した。
【0037】4.抗動原体血清を用いた間接免疫蛍光法
によって、機能的動原体はアンプリコンaに存在するこ
とが示された。
【0038】
【表1】 254日培養後のλneo染色体のアンプリコン数アンプリコン数 細胞数 % 3 1 0.27 4 2 0.53 5 9 2.40 6 7 7.20 7 300 80.00 8 10 2.66 9 3 0.80 10 2 0.53 11 1 0.27 12 0 0.00 13 1 0.27 転移 19 5.07 合計 375 100.00 ヘキスト33258で染色処理したKEI2/4の細胞
分裂中期の細胞を、カルボルフクシンで染色し、光学顕
微鏡で分析した。「転移(translocatio
n)」とは、λneo染色体の全体又はその断片がマウ
ス又はチャイニーズハムスターの染色体に転移している
ことを示す。391個の細胞分裂中期の細胞中16個に
おいて、λneo染色体が見い出されなかった。
【0039】5.ヘキスト染色処理及びカルボルフクシ
ン染色した細胞分裂中期の細胞数千個中、7個より少な
いか又は多いアンプリコンを有するλneo染色体が多
く見いだされた。これらの染色体のほとんどが末端アン
プリコンe、f及びgを含んでいた(図2B)。免疫染
色およびヘキスト33258処理した細胞分裂中期の細
胞を数百個分析したところ、動原体が末端以外に位置し
ているλneo染色体は1つも見い出されなかった。こ
れらの観察は、λneo染色体の伸長が染色体の腕にお
いて生じており、染色体の末端において生じるのではな
いことを示唆している。
【0040】6.約7500個のλneo染色体のうち
8個が姉妹染色分体間で異なるアンプリコン数を示して
いた(図2C)。しかし、すべての場合において両方の
染色分体に末端アンプリコンが存在していた。
【0041】7.ヘキスト染色処理したλneo染色体
を、ヒト(CM8)DNAをプローブとしてインサイチ
ュ・ハイブリダイゼーションしたところ、不完全凝縮領
域は標識されないことが示された(図1H)。
【0042】近年、ワン(Wong)とラトナー(Ra
ttner)はマウスの小(minor)サテライトD
NAがすべてのマウス染色体の動原体に特異的に位置し
ていることを示した(Wong, et al.,
upra)。同じDNAプローブを用いたところ、EC
3/7細胞の染色体の、マーカー動原体を除くすべての
動原体がハイブリダイズした。KEI2/4細胞におい
ても同様の結果が見られた。マウス動原体をプローブと
したところ、動原体に強いハイブリダイゼーションが検
出されたが、λneo染色体の動原体はハイブリダイズ
しなかった(図3B)。λneo染色体を同定するため
に、二重インサイチュ・ハイブリダイゼーションを行っ
た。同じ染色体調製物についてλDNAプローブを用い
て再びハイブリダイゼーションを行った(図3C)。
【0043】小サテライトDNAプローブを5倍量
(2.8μg/ml)用いたところ、λneo染色体に
おいてハイブリダイゼーションのバンドが見られ(図3
E、F)、これはマウス大サテライト配列の位置に対応
していた(比較のために図1Fを参照のこと)。この弱
いハイブリダイゼーションは、マウス小サテライトプロ
ーブと大サテライト配列のクロスハイブリダイゼーショ
ンに起因したものであり得る。これらの配列はある領域
で有意な相同性を示すからである(Wong, et.
al., supra)。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗動原体抗体によるKE1 2/4細胞の免疫
染色及びビオチン標識DNAプローブによるKE1 2
/4及びEC3/7細胞のインサイチュ・ハイブリダイ
ゼーションを示す。染色体はヨウ化プロピジウムで対比
染色した。 パネルA:抗動原体血清(LU851)によるKE1
2/4分裂中期の細胞染色体の間接的免疫蛍光染色。 パネルB:続いて行ったビオチン化ラムダDNAプロー
ブによるインサイチュ・ハイブリダイゼーション後の同
じ分裂中期の細胞。 パネルC:neoによるインサイチュ・ハイブリダイゼ
ーション。 パネルD:テロメアプローブ、矢印はλneo染色体を
示す。 パネルE:テロメアプローブによるEC3/7分裂中期
の細胞のインサイチュ・ハイブリダイゼーション。矢印
は二動原体染色体を示す。 パネルF:全マウスDNAプローブによるKE1 2/
4染色体のインサイチュ・ハイブリダイゼーションであ
って、マウス染色体の中心周囲領域の強いラベルと、λ
neo染色体上のバンド状のパターンを示す。 パネルG:ヘキスト染色剤33258で処理したKE1
2/4染色体のカルボルフクシン染色による分裂中期
の細胞。 パネルH:ビオチン標識ヒト(CM8)DNAによるヘ
キスト染色剤33258で処理したKE1 2/4分裂
中期の細胞プレートのインサイチュ・ハイブリダイゼー
ション。矢印はλneo染色体を示す。
【図2】ヘキスト染色剤33258で処理したλneo
染色体の構造を示す。aからgは個々のアンプリコンを
示す。 パネルA:4個の異なる分裂中期の細胞からのλneo
染色体の”アンプリコンマップ”。模式図では動原体の
位置はccで示され、c及びdの”2次圧縮”はscの
記号で示す。 パネルB:種々のアンプリコン数によるλneo染色体
であって、末端アンプリコンの存在を示す。 パネルC:姉妹染色分体間で異なるアンプリコン数を示
すλneo染色体。矢印は対にならないアンプリコンを
示す。
【図3】免疫染色及び二重インサイチュ・ハイブリダイ
ゼーションによるKE1 2/4染色体の動原体の検出
を示す。染色体はヨウ化プロピジウムで対比染色した。 パネルA:抗動原体血清によるヘキスト染色剤3325
8で処理したKE12/4染色体の免疫染色。矢印は末
端動原体を有するλneo染色体を示す。 パネルB:同じ分裂中期の細胞のDNA染色。 パネルC:マウスの小サテライトDNAプローブ、及び
次いでラムダDNAプローブで行ったKE1 2/4染
色体のインサイチュ・ハイブリダイゼーション。 パネルD:矢印はλneo染色体を示す。 パネルE:パネルCと同じであるが、5倍のマウス小サ
テライトDNAプローブを用いた。λneo染色体の弱
いバンド状ハイブリダイゼーションパターンに注意(矢
印)。 パネルF:次いで同じ分裂中期の細胞をラムダDNAプ
ローブで行ったハイブリダイゼーション。
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、抗動原体抗体によるKE1 2/4細
胞の免疫染色及びビオチン標識DNAプローブによるK
E1 2/4及びEC3/7細胞のインサイチュ・ハイ
ブリダイゼーションを示す生物の形態写真である。染色
体はヨウ化プロピジウムで対比染色した。 パネルA:抗動原体血清(LU851)によるKE1
2/4分裂中期の細胞染色体の間接的免疫蛍光染色。 パネルB:続いて行ったビオチン化ラムダDNAプロー
ブによるインサイチュ・ハイブリダイゼーション後の同
じ分裂中期の細胞。 パネルC:neoによるインサイチュ・ハイブリダイゼ
ーション。 パネルD:テロメアプローブ、矢印はλneo染色体を
示す。 パネルE:テロメアプローブによるEC3/7分裂中期
の細胞のインサイチュ・ハイブリダイゼーション。矢印
は二動原体染色体を示す。 パネルF:全マウスDNAプローブによるKE1 2/
4染色体のインサイチュ・ハイブリダイゼーションであ
って、マウス染色体の中心周囲領域の強いラベルと、λ
neo染色体上のバンド状のパターンを示す。 パネルG:ヘキスト染色剤33258で処理したKE1
2/4染色体のカルボルフクシン染色による分裂中期
の細胞。 パネルH:ビオチン標識ヒト(CM8)DNAによるヘ
キスト染色剤33258で処理したKE1 2/4分裂
中期の細胞プレートのインサイチュ・ハイブリダイゼー
ション。矢印はλneo染色体を示す。
【図2】図2は、ヘキスト染色剤33258で処理した
λneo染色体の構造を示す生物の形態写真である。a
からgは個々のアンプリコンを示す。 パネルA:4個の異なる分裂中期の細胞からのλneo
染色体の”アンプリコンマップ”。模式図では動原体の
位置はccで示され、c及びdの”2次圧縮”はscの
記号で示す。 パネルB:種々のアンプリコン数によるλneo染色体
であって、末端アンプリコンの存在を示す。 パネルC:姉妹染色分体間で異なるアンプリコン数を示
すλneo染色体。矢印は対にならないアンプリコンを
示す。
【図3】図3は、免疫染色及び二重インサイチュ・ハイ
ブリダイゼーションによるKE1 2/4染色体の動原
体の検出を示す生物の形態写真である。染色体はヨウ化
プロピジウムで対比染色した。 パネルA:抗動原体血清によるヘキスト染色剤3325
8で処理したKE12/4染色体の免疫染色。矢印は末
端動原体を有するλneo染色体を示す。 パネルB:同じ分裂中期の細胞のDNA染色。 パネルC:マウスの小サテライトDNAプローブ、及び
次いでラムダDNAプローブで行ったKE1 2/4染
色体のインサイチュ・ハイブリダイゼーション。 パネルD:矢印はλneo染色体を示す。 パネルE:パネルCと同じであるが、5倍のマウス小サ
テライトDNAプローブを用いた。λneo染色体の弱
いバンド状ハイブリダイゼーションパターンに注意(矢
印)。 パネルF:次いで同じ分裂中期の細胞をラムダDNAプ
ローブで行ったハイブリダイゼーション。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9281−4B C12N 15/00 B (72)発明者 ジューラ・ハドラツキー ハンガリー人民共和国エイチ−6723 セゲ ド,セモス ウーツカ・1/エイ アイエ ックス・36

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動原体が染色体上に存在し、かつ該染
    色体のすべての動原体がクローン化ヒト配列からなる、
    ヒトDNA配列を含む機能的動原体からなる非ヒト細胞
    系。
  2. 【請求項2】 該動原体がEC3/7としても知られ
    る、ヨーロピアン・コレクション・オブ・アニマル・セ
    ル・カルチャー(ECACC)に寄託番号no.900
    51001で寄託された細胞系から由来する請求項1に
    記載の細胞系。
  3. 【請求項3】 細胞系がマウスーハムスターハイブリ
    ッド細胞系である請求項1に記載の細胞系。
  4. 【請求項4】 動原体が、齧歯類の全長染色体の大き
    さである染色体上に存在する請求項1に記載の細胞系。
  5. 【請求項5】 動原体が、細胞系中の最小の染色体の
    半分の長さよりも短いミニクロモソーム上に存在する請
    求項1に記載の細胞系。
  6. 【請求項6】 動原体が安定に維持された染色体上に
    存在する請求項1に記載の細胞系。
  7. 【請求項7】 染色体が選択剤の非存在下に安定に維
    持される請求項1に記載の細胞系。
  8. 【請求項8】 染色体が細胞系中の細胞の少なくとも
    90%中に保持される請求項1に記載の細胞系。
  9. 【請求項9】 染色体が細胞系中の細胞の少なくとも
    95%中に保持される請求項1に記載の細胞系。
  10. 【請求項10】 ヒトDNAを含む機能的動原体からな
    る細胞系を作成する方法であって、ここで動原体は染色
    体上に存在し、かつ該染色体のすべての動原体はヒト配
    列からなっており、この方法は、 ヨーロピアン・コレクション・オブ・アニマル・セル・
    カルチャー(ECACC)に寄託番号no.90051
    001で寄託された細胞系の細胞を、優性選択マーカー
    のための選択剤を含む培地中で成長させ、ここで該選択
    剤は細胞の50%を殺す量の10倍以上の量で培地中に
    存在し;該培地中で生存する細胞を選択し;生存細胞又
    はその子孫から二動原体染色体を欠いている細胞をスク
    リーニングする、ことを特徴とする。
  11. 【請求項11】 ヒトDNA配列を含む機能的動原体か
    らなる細胞系を作成する方法であって、ここで動原体は
    染色体上に存在し、かつ該染色体のすべての動原体はヒ
    ト配列からなっており、この方法は、 ヨーロピアン・コレクション・オブ・アニマル・セル・
    カルチャー(ECACC)に寄託番号no.90051
    001で寄託された細胞系の細胞を、第2の哺乳動物種
    の細胞と融合させて融合細胞ハイブリッドを形成し;融
    合細胞ハイブリッド又はその子孫から二動原体染色体を
    欠いてはいるが、ヒトDNAからなる動原体を含む細胞
    をスクリーニングする、ことを特徴とする。
  12. 【請求項12】 請求項10の方法によって作成された
    細胞系。
  13. 【請求項13】 請求項11の方法によって作成された
    細胞系。
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