JPH07177870A - 膨化刻みたばこの調湿方法 - Google Patents

膨化刻みたばこの調湿方法

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JPH07177870A
JPH07177870A JP32695893A JP32695893A JPH07177870A JP H07177870 A JPH07177870 A JP H07177870A JP 32695893 A JP32695893 A JP 32695893A JP 32695893 A JP32695893 A JP 32695893A JP H07177870 A JPH07177870 A JP H07177870A
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humidity
humidity control
tobacco
cut tobacco
air
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JP32695893A
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Nobuyasu Endo
信康 遠藤
Eiichi Kanazawa
栄一 金沢
Hideo Yabuuchi
英男 藪内
Mitsuru Nakajo
満 中條
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膨化処理された刻みたばこの調湿を短時間且
つ均一に実施可能とする膨化刻みたばこの調湿方法を提
供する。 【構成】 膨化刻みたばこの調湿方法は、膨化処理済み
の刻みたばこが50〜80℃の高温状態にある内に調湿
機に投入し、この調湿機内にて刻みたばこの堆積層を撹
拌しながら、この堆積層に調湿空気を供給して、その調
湿を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、刻みたばこに膨化処
理を施した後、その水分を調整する膨化刻みたばこの調
湿方法に関する。
【0002】
【従来の技術】刻みたばこの膨化処理は、たとえば特開
平1−104152号公報に開示された膨張装置により
行うことができる。この公知の膨張装置は、先ず、収縮
状態にある刻みたばこに膨化助剤を含浸吸着させた後、
これを気流乾燥機により加熱することで、その膨化助剤
の気化膨張力によって刻みたばこの組織を膨張させるも
であり、そして、刻みたばこはほぼ絶乾状態まで乾燥さ
れて、その膨化状態が固定される。
【0003】膨化処理済みの絶乾状態にある刻みたばこ
は最終的に、その水分量が12%WB(温度20℃、相
対湿度60%の平衡水分)程度に調湿された後、膨化処
理されていない通常の刻みたばこと配合されて、シガレ
ットの製造に使用される。このように膨化処理済みの刻
みたばこを配合して使用すると、シガレットの喫味の緩
和を図れると同時に、シガレットの原料費を削減するこ
とができる。
【0004】刻みたばこの調湿には、種々の方法が知ら
れているが、第1の調湿方法は、前記特開平1−104
152号公報にも開示されているように、ノズルから刻
みたばこに向け、水を噴霧してその調湿を行っている。
第2の調湿機方法は、特公昭57−21304号公報に
開示されているように、調湿室内の空気の温度及び湿度
を調整し、その空気中の水分を刻みたばこ吸着させて、
その調湿を行っている。
【0005】また、第3の調湿方法は、ネットコンベア
上に刻みたばこを供給し、この刻みたばこが搬送される
過程にて、調湿空気をネットコンベア上の刻みたばに吹
き付けて、その調湿を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した第1の調湿方
法によれば、水を噴霧することから刻みたばこの調湿が
短時間で済む利点がある。しかしながら、この場合に
は、刻みたばこへの水滴の付着により、膨化後の刻みた
ばこが収縮してしまい、膨化処理の本来の目的である原
料の削減効果を低下させてしまう。
【0007】第2の調湿方法の場合には、第1の調湿方
法の場合のような不具合はないものの、その調湿に長時
間を必要とし、また、多量の刻みたばこを調湿するに
は、大きな調湿室を必要とするばかりでなく、その調湿
室内の空調に要する費用、つまり、その調湿に要するラ
ンニングコストの増大を招いてしまう。第3の調湿方法
の場合には、第2の調湿方法に比べ、刻みたばこに向け
て調湿空気を吹き付けることから、その調湿時間の短縮
を図れるものの、調湿空気の流れが一方向であるため
に、ネットコンベア上の刻みたばこの調湿にむらが生
じ、調湿処理後の刻みたばこの水分を均一にすることが
できない。このため、シガレットの喫味やその品質が著
しく低下してしまう。
【0008】この発明は、上述した事情に基づいてなさ
れたもので、その目的とするところは、調湿時間の短縮
及び調湿の均一化を図ることのできる膨化刻みたばこの
調湿方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、膨化助剤が
含浸された刻みたばこを加熱ガスにより加熱し、膨化助
剤の気化膨張力により、刻みたばこを膨張させて得た膨
化刻みたばこの調湿方法において、この発明の調湿方法
では、膨化処理後、刻みたばこの温度が50〜80℃に
ある内に、刻みたばこを空気透過式の調湿機に投入し、
この調湿機内に堆積する刻みたばこを撹拌しながら、刻
みたばこの堆積層に向けて調湿空気流を供給する。
【0010】調湿機が横置きの調湿シリンダを備え、こ
の調湿シリンダに刻みたばこが投入されるならば、調湿
シリンダの回転により、刻みたばこの撹拌が行われる。
調湿シリンダに投入される刻みたばこは、その温度が5
0〜80℃の範囲にあり、投入直後の刻みたばこの堆積
層に供給される調湿空気の温度及び相対湿度は、室温〜
90℃、60〜80%にあるのが好ましい。
【0011】更に、投入された刻みたばこの堆積層が調
湿シリンダの回転に伴い、撹拌されながら、その排出口
に向けて移動する場合、この移動過程において、刻みた
ばこの堆積層に、投入直後に供給される調湿空気とはそ
の温度及び相対湿度の少なくとも一方が異なる調湿空気
を供給してもよい。
【0012】
【作用】上述した調湿方法によれば、調湿機内に供給さ
れた刻みたばこは、撹拌されながら、調湿空気流の供給
を受け、この調湿空気流は、撹拌状態にある刻みたばこ
の堆積層を通過して流れ、刻みたばこを調湿する。のた
状態にある。この状態にて、空気循環系により供給され
る調湿空気は、撹拌板間の通気板を刻みたばこの浮遊速
度よりも速い速度で通過して調湿シリンダ内に導入さ
れ、この後、浮遊速度よりも遅い流速に減速された後、
調湿シリンダ内の刻みたばこの堆積層を通過し、刻みた
ばこを調湿する。
【0013】
【実施例】図1及び図2を参照すると、この発明の膨化
刻みたばこの調湿方法を実施する回転シリンダ型調湿機
が概略的に示されており、先ず、この調湿機について以
下に説明する。調湿機は矩形の基台10を備えており、
この基台10は前後一対ずつの支持脚12,14に支持
されている。
【0014】基台10の前端部と一対の支持脚12との
間は、枢軸16を介して連結されており、したがって、
基台1は枢軸16を中心として上下方向に回動でき、こ
れにより、その水平面に対する傾斜角が調整可能となっ
ている。この場合、基台10はその後端縁が下向きとな
るように約2゜傾斜されている。基台10上には調湿シ
リンダ18が配置されており、この調湿シリンダ18は
基台10の前端縁側から後端縁側に向けて延びている。
調湿シリンダ18は加熱ジャケット20により覆われて
いるが、その両端部は加熱ジャケット20から突出され
ている。
【0015】調湿シリンダ18の両端部の外周面にはタ
イヤ22が取り付けられており、調湿シリンダ18は、
これらタイヤ22を介して一対ずつのロール24,26
上に支持されている。これらロール24,26は、基台
10上に回転自在にして配置されている。基台10の前
端部側に位置する一対のロール24は、駆動ロールとな
っており、これら駆動ロール24には駆動スプロケット
28が同軸にして、それぞれ取り付けられている。一
方、基台10には電動モータ30が固定されており、こ
の電動モータ30の出力軸には一対の出力スプロケット
32が取り付けられている。これら出力スプロケット3
2と対応する駆動スプロケット28との間には駆動チェ
ーン34がそれぞれ掛け回されており、電動モータ30
が駆動されると、一対の駆動ロール24は同期して回転
し、これらの回転により、調湿シリンダ18は一方向に
回転される。上述した電動モータ30から駆動ロール2
4に至る動力伝達経路は、調湿シリンダ18の駆動手段
を構成している。
【0016】調湿シリンダ18の前端壁には投入口36
が設けられており、この投入口36は、図示しないけれ
ども前述した膨張装置のロータリバルブに接続されてい
る。したがって、膨張装置にて膨化処理を受け、ほぼ絶
乾状態にある刻みたばこは、ロータリバルブを介して投
入口36に投入され、そして、この投入口36から調湿
シリンダ18内に供給される。
【0017】一方、調湿シリンダ18の後端壁には、排
出口38が設けられており、この排出口38の下方には
図示しないけれども、刻みたばこの搬送コンベアが配置
され、この搬送コンベアは調湿加香機に接続されてい
る。調湿加香機とは、刻みたばこの水分を目標仕上げ水
分である12%WBに最終的に調湿し、同時に、刻みたば
こに所望の香料を付加するものである。
【0018】この実施例の場合、調湿シリンダ18は、
その軸線方向に連続した4つの調湿セクション40,4
2,44,46を有しており、図3には、これら調湿セ
クションの1つ、即ち、投入口36側に位置した調湿セ
クション40が示されている。調湿シリンダ40の周壁
48は空気が流通自在であり、具体的には、その周壁4
8の全域に、多数の開口50(図4参照)が一様に分布
して形成されている。
【0019】なお、加熱ジャケット20から露出した調
湿シリンダ18の周壁の部位、つまり、調湿セクション
40,42,44,46以外の周壁には開口が存在して
おらず、空気は流通不能となっている。周壁48の内周
面には、その周方向に等間隔を存して多数の撹拌板52
が取り付けられている。これら撹拌板52はルーバ状を
なし、調湿セクション40,42,44,46に亘って
調湿シリンダ18の軸方向に延び、また、その向きは図
3中に示した調湿シリンダ18の回転方向Rに対して逆
向きとなっている。調湿シリンダ18の周方向でみて、
互いに隣接する撹拌板52間は、調湿シリンダ18、つ
まり、その調湿セクション40の周壁48を通じて流通
する空気の流路を形成している。
【0020】図3から明らかなように撹拌板52の内端
は、調湿シリンダ18の径方向に折り曲げられた折曲片
となっており、また、これら撹拌板52はその折曲片が
2つ置きに長くなっている。更に、調湿シリンダ18の
回転方向Rでみて、隣接する撹拌板52間には、その折
曲片側に位置して通気板54が配置されており、これら
通気板54もまた、調湿シリンダ18の軸線方向に延び
ており、その撹拌板52間の流路を閉塞している。
【0021】しかしながら、各通気板54は、調湿シリ
ンダ18の周壁48と同様に空気が流通自在であって、
具体的には、パンチングメタル又は金網からなってい
る。この実施例の場合、通気板54は小孔が一様に分布
されたパンチングメタルからなり、その孔径は、刻みた
ばこの通過を防ぐ目的で、約1mmに設定されている。
各調湿セクションにおいて、その調湿セクションの軸方
向長さ分に相当する通気板54の部位の開口面積、つま
り、その部位の小孔の面積を合計した開口面積をAin、
また、その部位の撹拌板52の折曲片間で規定される流
路の開口断面積をAoutとすれば、Ain<Aoutに設定さ
れている。
【0022】一方、加熱ジャケット20内には、調湿シ
リンダ18の周壁48の一部を覆う一対の円弧壁56が
設けられている。これら円弧壁56は、図3でみて、調
湿シリンダ18の左上部及びその右下部に配置され、そ
の両端は加熱ジャケット20の内面にそれぞれ接続され
ている。また、各円弧壁56は、調湿セクション40,
42,44,46に亘って調湿シリンダ18の軸線方向
に延びており、これにより、各円弧壁56と加熱ジャケ
ット20の内面との間には、調湿セクション40,4
2,44,46に亘って延びる加熱室58,60が形成
されている。
【0023】更に、加熱ジャケット20には、各調湿セ
クションに対応して流入室62及び流出室64が形成さ
れており、これら流入室62及び流出室64は、対応す
る調湿セクションの周壁のみに向けて開口し、隣接する
調湿セクション側の流入室及び空気流出室とは区画壁6
6によりそれぞれ区画されている。図3には、調湿セク
ション40の流入室62及び流出室64が示されてい
る。
【0024】調湿セクション40において、その流入室
62には流入ポート68が形成されており、また、流出
室64は流出ポート70が形成されている。流入ポート
68は流入室62の下部に位置付けられ、流出ポート7
0は流出室64の上部に位置付けられている。流入ポー
ト68と流出ポート70とは、空気循環系、即ち、空気
循環管路72により相互に接続されており、この空気循
環管路72は、図1及び図2に示されているように基台
10の下方及び加熱ジャケット20の側方を延びてい
る。
【0025】空気循環管路72には、送風機74及びヒ
ータ76がそれぞれ介挿されており、送風機74は床面
上に台を介して固定され、また、ヒータ76は、送風機
74よりも流入ポート68側に位置付けられている。図
5には、空気循環管路72を含む空気循環系の全体が示
されている。空気循環管路72において、送風機74と
ヒータ76との間からは加湿管路78が分岐されてお
り、この加湿管路78は蒸気発生源80に接続され、そ
の途中には流量調整弁としての調節ダンパ82が介挿さ
れている。この調節ダンパ82は、モータ駆動により、
その開度が調整可能となっており、そのモータはコント
ローラ84に電気的に接続されている。なお、コントロ
ーラ84には、ヒータ76もまた電気的に接続されてい
る。これらヒータ76、蒸気発生源80、加湿管路78
及び調整ダンパ82は、調湿空気の生成手段を構成す
る。
【0026】また、空気循環管路72には、加湿管路7
8の分岐点と送風機74との間に位置して、流量制御手
段としてのモータ駆動型調節ダンパ86が介挿されてお
り、そのモータもまたコントローラ84に電気的に接続
されている。更に、空気循環管路72には、流出ポート
70と送風機74との間に位置して、手動型の調節ダン
パ88が介挿されており、また、この調節ダンパ88と
流出ポート70との間の空気循環管路72の部位からは
排気管路90が分岐されている。この排気管路90に
も、手動型の調整ダンパ92が介挿されている。
【0027】また、調節ダンパ88と送風機74との間
の空気循環管路72の部位には、外気導入管路94が接
続されており、この外気導入管路94にも、手動型調節
ダンパ96が介挿されている。ヒータ76と流入ポート
68との間の空気循環管路72の部位には、温度センサ
98,風量センサ100及び湿度センサ102が設けら
れており、これらセンサはコントローラ84に電気的に
接続されている。
【0028】また、排気管路90にも、その調節ダンパ
92によりも下流に位置して風量センサ104が設けら
れており、この風量センサ104もまたコントローラ8
4に電気的に接続されている。なお、他の調湿セクショ
ン42,44,46に関しても、その流入室62と流出
室64との間は空気循環管路72を介してそれぞれ接続
され、これら空気循環管路72自体や、その周辺の構成
は図5に示した場合と同様となっている。
【0029】また、図面には示されていないけれども、
加熱ジャケット20の加熱室58,60間もまた空気循
環管路を介して相互に接続されており、この空気循環管
路にも送風機及びヒータが順次介挿されている。これら
送風機及びヒータは、加熱室58,60に一定温度の加
熱空気を供給し、この加熱空気は、前述した一対の円弧
壁56を介して調湿シリンダ18の周壁48を保温す
る。
【0030】次に、上述した調湿機を使用した調湿方法
に関して説明する。説明の簡略化を図るため、調湿セク
ション40,42,44,46のそれぞれにはその空気
循環管路72を通じ、同一条件の温度、相対湿度及び流
量を有する空気、即ち、調湿空気が循環して供給されて
いるものとて、この調湿空気の温度、湿度及び流量はコ
ントローラ84により制御されている。
【0031】具体的には、コントローラ84は、温度セ
ンサ98及び湿度センサ102からのそれぞれの検出信
号に基づき、ヒータ76の発熱量、調整ダンパ82の開
度を調整し、これにより、空気循環管路72から調湿セ
クションに供給される調湿空気の温度、相対湿度をそれ
ぞれ一定に維持する。例えば、この実施例の場合、調湿
空気の温度は室温〜90℃、その相対湿度は60〜80
%RHに設定され、この温湿度は、刻みたばこの目標仕
上げ水分(12%WB)と平衡関係にある平衡温湿度より
も高く設定されている。
【0032】調湿空気の流量に関しては、図4に示す如
く前述した調湿シリンダ18の通風板54を調湿空気が
通過する際、その通過速度V1が膨化処理を受けた絶乾
状態の刻みたばこの浮遊速度(約1m/s)以上とな
り、且つ、この後、撹拌板52間から調湿セクション内
に向かう調湿空気の流速、即ち、その流入速度V2が浮
遊速度以下となるように設定されている。
【0033】具体的には、前述した開口面積Ainが0.
018m2、開口断面積Aoutが0.35m2である場
合、調湿空気の流量は0.07m3/sに設定されてお
り、これにより、通過速度V1は2m/s以上、流入速
度V2は0.2〜0.5m/sとなっている。調湿空気
の流量を制御するにあたり、コントローラ84は、風量
センサ100からの検出信号に基づいて調節ダンパ86
の開度、つまり、送風機74からの調湿空気の送風量を
調整し、これにより、その流量を一定に維持している。
【0034】なお、調湿空気を生成するにあたり、排出
管路90及び外気導入管路94の手動型調整ダンパ9
2,96はそれぞれ所定の開度に開かれており、空気循
環管路72を流れる調湿空気は一定の排気率でもって、
排気管路90を通じて排気され、また、その排気分だけ
空気循環管路72に新たな外気が導入されるようになっ
ている。調湿空気の排気率は、10%〜100%の範囲
に設定するのが好ましい。
【0035】一方、調湿シリンダ18は、その周速が
0.2〜1.0m/sの範囲で前記回転方向Rに回転さ
れている。このような状態にて、膨化処理を受けた後の
絶乾状態にある刻みたばこが投入口36から調湿シリン
ダ18内に投入されると、刻みたばこは、先ず、調湿セ
クション40内に供給され、この調湿セクション40の
底部に堆積する。ここで、刻みたばこの温度は約60〜
80℃、その水分は3〜4%WBである。
【0036】一方、空気循環管路72内を流れる調湿空
気は、流入ポート68を通じて調湿セクション40の流
入室62に流入し、この流入室62から調湿セクション
40、つまり、その周壁48及び撹拌板52間の通気板
54を通じて、図5中矢印Bで示すように調湿セクショ
ン40の下側からその内部に流入する。流入した調湿空
気は、同じく調湿シリンダ18の周壁48及び撹拌板5
2間の通気板54を通じて流出室64に排出され、その
流出ポート70から空気循環管路72に戻される。
【0037】調湿セクション40の下部に堆積する刻み
たばこは、調湿シリンダ18の緩やかな回転に伴い、そ
の撹拌板52によって図5中矢印Cで示すように撹拌さ
れ、一方、調湿空気は通気板54を通過することで、一
様な流れとなって刻みたばこの堆積層に向かう。ここ
で、通気板54を通過した後の調湿空気の流入速度V2
は、刻みたばこの浮遊速度以下に設定されているので、
調湿空気は、刻みたばこの堆積層を吹き飛ばすことな
く、その堆積層を通過して流れる。
【0038】したがって、調湿セクション40内に堆積
し且つ撹拌状態にある刻みたばこにに対し、調湿空気を
均一に接触させることができ、その調湿を一様に行うこ
とができる。また、調湿空気の温湿度は、刻みたばこの
目標仕上げ水分(12%WB)と平衡関係にある温湿度よ
りも高く設定されているから、刻みたばこの調湿が促進
されて、その水分を急速に増加させることができ、刻み
たばの調湿を短時間で行うことができる。
【0039】このことは、刻みたばこの粒度破砕を低減
する上で、すこぶる好適したものとなる。即ち、調湿シ
リンダ18内に投入される直前の刻みたばこは、60〜
80℃の高温状態にあって、比較的柔軟性を有するもの
であるが、その温度が低下すると、その水分が少ないた
めに脆くなる。この点、上述したように刻みたばこの水
分を急速且一様に増加させることができると、その柔軟
性を維持でき、刻みたばこの粒度破砕を大幅に低減可能
となる。
【0040】また、前述したように調湿空気の流入によ
り、刻みたばこの堆積層が吹き飛ばされることもないの
で、この吹き飛ばしに起因する刻みたばこの粒度破砕を
も防止することができる。更に、調湿空気が通気板54
を通過する際の通過速度V1は、刻みたばこの浮遊速度
よりも速く設定されているので、刻みたばこが通気板5
4の小孔に侵入しようとしても、その刻みたばこは調湿
空気により吹き飛ばされ、通気板54の小孔が刻みたば
こにより閉塞されることもない。したがって、調湿空気
は通気板54を通じ、その調湿セクション40内に安定
して流入することができる。
【0041】また、刻みたばこの調湿に使用された調湿
空気は、空気循環管路72に戻されて再使用されること
から、調湿機の運転に要するランニングコストをも低減
することができる。調湿セクション40内にて、調湿処
理を受けた刻みたばこは、前述したように調湿シリンダ
18の軸線が傾斜されているので、その回転に伴い、調
湿セクション40から隣接する調湿セクション42,4
4,46に順次移動しながら、その調湿セクションにて
同様な調湿処理を受け、そして、最終段の調湿セクショ
ン46から排出口38を通じて排出される。
【0042】ここで、投入口36から調湿シリンダ18
内に投入され、この後、調湿シリンダ18から排出口3
8を通じて排出されるまでの時間、即ち、調湿シリンダ
18内での刻みたばこの滞留時間は、3〜20min、好
ましくは5〜8minに設定されており、また、刻みたば
この保有率は、10〜20%に設定されている。ここ
で、刻みたばこの保有率Eは、調湿シリンダ18の有効
容積のうち、刻みたばこの占める容積割合を示し、次の
数1で表すことができる。
【0043】
【数1】E[%]={(Q×H)/D}/A Qは刻みたばこの流量[kg/h]、Hは刻みたばこの滞留
時間[h]、Dは調湿シリンダ18の投入口36及び排
出口38におけるの刻みたばこの平均かさ密度[kg/cm
3]、Aは調湿シリンダ18の有効容積[m3]をそれぞ
れ示す。
【0044】保有率Eの調整は、刻みたばこの流量が一
定の条件の下では、調湿シリンダ1の傾斜角、回転速度
及びその排出口38に設けた堰板などにより行うことが
できる。次に、以下の表1には、各調湿条件に対する調
湿後の刻みたばこの水分量と、この後、前記調湿加香機
にて処理された後の刻みたばこの膨こう性とが比較して
示されている。
【0045】
【表1】 膨こう性とは、1kgの刻みたばこから製造されたシガ
レットの本数で示され、その単位は[本/kg]とな
る。したがって、膨こう性は、シガレット内の刻みたば
この充填効率を表す1つの指標となる。
【0046】表1中の膨こう性の欄において、()中の
数値は、従来の水噴霧型調湿機を使用した調湿方法の場
合の膨こう性に対する増減値を示している。表1から明
らかなように何れの条件の調湿空気を使用しても、その
膨こう性は従来の場合に比べて優れたものとなってい
る。しかしながら、調湿空気の温湿度が高いと、その膨
こう性が悪化していくことが分かる。即ち、表1中、調
湿後の水分の欄からも明らかなように、調湿後の刻みた
ばこの水分が多すぎると、その水分に起因して、その刻
みたばこに収縮が生じるものと考えられる。したがっ
て、調湿空気を生成するにあたり、その膨こう性を考慮
すると、調湿空気の温度及び湿度を共に高くし、調湿後
の刻みたばこの水分を増加させ過ぎるのは好ましくな
い。
【0047】一方、次の表2には、調湿後における刻み
たばこの粒度分布が示されている。この粒度分布は、調
湿後の刻みたばこの粒度破砕の状態を表し、4.0mm
以上の刻みたばこの残存量が多ければ多いほど、その粒
度破砕が少ないことを意味している。刻みたばこの粒度
破砕に関しては、調湿直前の刻みたばこの温度や水分、
また、調湿空気の温度、湿度及び流量の影響のみなら
ず、調湿シリンダ18の周速、滞留時間及び保有率など
によって決定される撹拌強度の影響をも受けるが、表2
は、上記撹拌強度を一定とした場合の結果が示されてい
る。
【0048】
【表2】 なお、表2において、調湿機の投入口36に投入される
た膨化処理済みの刻みたばこはその温度が60〜70
℃、その水分は3〜4WBである。
【0049】表2中、粒度が4.0mm以上の欄に着目
すれば、前述した膨こう性の場合と異なり、その刻みた
ばこの粒度破砕は、調湿空気の温度及び湿度が高いと少
なく、その温湿度が低いと逆に多くなることが分かる。
このことは、水分が増加すると、刻みたばこが柔らかく
なり、その破砕を受け難くなるものと考えられる。一
方、前述したように調湿前の刻みたばこ自体は、その温
度が高いうちは柔軟性を十分に有していることから、調
湿処理の初期段階では、刻みたばこの温度を余り低下さ
せない方がよい。
【0050】したがって、前述した膨こう性及び粒度破
砕に関し、両方の条件を同時に満たすには、調湿空気の
温度は、調湿前の刻みたばこの温度にほぼ等しい温度、
つまり、調湿されるべき刻みたばこの温度が50℃以上
の高温の状態にある範囲、具体的には50〜80℃の範
囲にあるのが好ましく、一方、その湿度に関しては、刻
みたばこの水分を増加させ過ぎない範囲、例えば60〜
80%RHにあるのが好ましく、これに基づき、調湿空気
の温度及び湿度は例えば50℃、60%RHに設定されて
いる。
【0051】この発明は、上述した一実施例に制約され
るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、一
実施例では、調湿シリンダ18の各調湿セクション4
0,42,44,46の何れにも同一条件の調湿空気が
供給されるものとして説明したが、しかしながら、各調
湿セクションに異なる条件の調湿空気を供給することも
可能である。
【0052】即ち、前述したように膨こう性と粒度破砕
の要求を同時に満たすには、先ず、刻みたばこの水分を
早期に増加させることで、その柔軟性を高め、この後
は、その水分が増加し過ぎないように抑えるのが好まし
い。それ故、調湿セクション40に供給される調湿空気
に関して、その温湿度を高め、一方、調湿セクション4
2,44,46に供給される調湿空気に関しては、例え
ば、その温度及び湿度の少なくとも一方を徐々に低させ
ることにより、刻みたばこの温度や水分を段階的に制御
でき、この結果、膨こう性と粒度破砕の条件を共に満た
すことができる。
【0053】また、一実施例の調湿方法の場合、調湿シ
リンダに投入される刻みたばこの温度や湿度、また、そ
の投入量が変動すると、調湿後の刻みたばこの水分が目
標水分から外れてしまうことになる。しかしながら、図
6に示される調湿機は、調湿後の刻みたばこの水分を常
時監視する水分計106を備れており、この水分計10
6は、コントローラ108に電気的に接続されている。
コントローラ108は、水分計106にて検出した実水
分量と予め設定されている目標水分量と間の偏差を求
め、この偏差に応じて調湿空気の目標湿度を算出し、そ
して、この目標湿度に対し、湿度計102で得た実湿度
が一致するように調整ダンパ82の開度を制御する。
【0054】図6の調湿機を使用した調湿方法によれ
ば、調湿後の刻みたばこの水分に基づき、調湿空気の相
対湿度をフィードバック制御することから、調湿後の刻
みたばこの水分をその目標水分量に正確に一致させるこ
とができる。なお、調湿空気の相対湿度を調整するにあ
たり、空気循環管路72中に蒸気を供給するようにした
が、蒸気の代わりに水を供給するようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の膨化刻
みたばこの調湿方法によれば、膨化処理済みの刻みたば
こが50℃以上の高温状態にある内に調湿機に投入し、
この調湿機内の刻みたばを撹拌しながら、この刻みたば
この堆積層に向けて調湿空気を供給するようにしたか
ら、刻みたばこの調湿が短時間で済み、しかも、その調
湿を均一に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の調湿方法を実施する調湿機の概略正
面図である。
【図2】図1の調湿機の概略側面図である。
【図3】調湿シリンダの概略横断面図である。
【図4】調湿シリンダの周壁部を示した拡大図である。
【図5】調湿シリンダと空気循環系を示した概略図であ
る。
【図6】他の実施例の調湿方法を実施する調湿機の概略
図である。
【符号の説明】
18 調湿シリンダ 20 加熱ジャケット 30 電動モータ 36 投入口 38 排出口 40,42,44,46 調湿セクション 48 周壁 50 開口 52 撹拌板 54 通気板 72 空気循環管路 74 送風機 76 ヒータ 78 加湿管路 80 蒸気発生源 82,86 調節ダンパ 84 コントローラ 98 温度センサ 100 風量センサ 102 湿度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中條 満 神奈川県平塚市黒部丘1−31 日本たばこ 産業株式会社生産技術開発センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨化助剤が含浸された刻みたばこを加熱
    ガスにより加熱し、膨化助剤の気化膨張力により、刻み
    たばこを膨張させて得た膨化刻みたばこの調湿方法にお
    いて、 膨化処理後、刻みたばこの温度が50〜80℃にある内
    に、刻みたばこを空気透過式の調湿機に投入し、この調
    湿機内に堆積する刻みたばこを撹拌しながら、刻みたば
    この堆積層に向けて調湿空気流を供給することを特徴と
    する膨化刻みたばこの調湿方法。
  2. 【請求項2】 前記調湿機は、刻みたばこが投入される
    横置きの調湿シリンダを備え、前記刻みたばこの撹拌
    は、調湿シリンダを回転させて行うことを特徴とする請
    求項1の膨化刻みたばこの調湿方法。
  3. 【請求項3】 前記調湿シリンダ内の刻みたばこの堆積
    層に供給される調湿空気の温度及び相対湿度は、室温〜
    90℃、60〜80%にあることを特徴とする請求項2
    の膨化刻みたばこの調湿方法。
  4. 【請求項4】 刻みたばこの堆積層は、調湿シリンダの
    回転に伴い、撹拌されながら調湿シリンダの排出口に向
    けて移動し、この移動過程において、刻みたばこの堆積
    層に、投入直後に供給される調湿空気とはその温度及び
    相対湿度の少なくとも一方が異なる調湿空気を供給する
    ことを特徴とする請求項3の膨化刻みたばこの調湿方
    法。
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