JPH0717754B2 - 均一ポリマー粒子 - Google Patents

均一ポリマー粒子

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JPH0717754B2
JPH0717754B2 JP61257627A JP25762786A JPH0717754B2 JP H0717754 B2 JPH0717754 B2 JP H0717754B2 JP 61257627 A JP61257627 A JP 61257627A JP 25762786 A JP25762786 A JP 25762786A JP H0717754 B2 JPH0717754 B2 JP H0717754B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は均一な粒径を有するポリマーの球状粒子に関す
る。さらに詳しくは、本発明はイオン交換樹脂の母材と
して、そのままクロマトグラフィー用の充填剤として、
酵素固定用の担体としてまたはアフィニティークロマト
グラフィー用の担体などとして利用されうる均一ポリマ
ー粒子に関する。
[従来の技術] 従来より球状(以下、広義に回転楕円体状を含む)ポリ
マー粒子の製造方法として、分散法とスプレー法が知ら
れている。
分散法では、界面活性剤を含む分散媒体中に小滴状に分
散させた造孔剤を含むポリマーの希薄溶液をその溶剤を
揮発させることによって固化させるか(特開昭56-24430
号公報参照)、この分散液に小滴の凝固剤を徐々に加え
て固化させること(特開昭57-159801号公報参照)によ
ってポリマー粒子がえられ、この方法では広い粒径分布
を有する粒子をうることができる。
また、分散法の別の応用例として、重合性モノマーを分
散媒体中に分散させたのち重合させることによってポリ
マー粒子をうる方法も知られており、かかる方法によっ
てえられた粒子も広い粒径分布を有している。この粒子
を電子顕微鏡で拡大して観察すると、さらに微小な球状
粒子が凝集して粒子を形成している状態が見受けられ
る。この構造が原因だと思われるが、この方法でえられ
た粒子の懸濁液をマグネチックスターラーで撹拌すると
微小なポリマークズが多量に生じる。また、この方法で
つくった粒子は孔径分布が広く、とくに粒子表面には不
規則な大きさの一定しない孔を有する。
スプレー法ではポリマー溶液を凝固剤中に噴霧すること
によってポリマー粒子がえられる。この粒子も広い粒径
分布をもち、また、粒径も比較的大きい(特開昭52-129
788号公報参照)。
上記のように広い粒径分布を有する粒子は、通常分級操
作がさらに加えられる。周知のように分級操作、たとえ
ば篩分け操作によって粒子群の80容量%以上の粒子を該
粒子群の容積平均粒径の±20%の範囲にそろえることは
可能であり、篩の目開き以上の大きさの粒子をその篩で
完全に除去することもできるが、その目開きよりも小さ
い粒子をすべて通過させるためには長時間の篩分け操作
が必要であり、またこのような篩分けを行なうと収率が
著しく低下するので、工業的にみて現実的ではない。と
くに容積平均粒径の5%以下の粒径を有する粒子をすべ
て除去することは現実的には極めて困難であり、事実上
不可能である。
微小な粒子や粗大な粒子が多量にあると前記の用途でも
種々の問題が生ずる。たとえば、クロマトグラフィーや
吸着体として使用するばあい、微小粒子は処理液中に混
入したり、大きな圧力損失の原因になり、粗大粒子は分
離効率の低下や吸着速度の低下の原因になる。
なお、粒子の有する孔の孔径分布が広いもの、とくに粒
子表面の孔の孔径分布が広いものは、吸着体として使用
するばあいには、物理的選択性に劣る原因になる。
近年、一定の流速の噴流に周期的な乱れを与えて均一液
滴をうる技術(以下、振動法という)が見出された。
この技術を重合性モノマーの分散法による製造方法に応
用して均一なポリマー粒子がすでにえられている(特開
昭57-102905号公報参照)。しかしながら、この粒子は
先に指摘したような構造をもち、ポリマークズが発生し
やすく、孔径分布が広いという欠点を有する。
[発明が解決しようとする問題点] 前記のように従来技術では、ポリマー粒子の粒径分布が
広いあるいはポリマー粒子から微小なポリマークズが発
生し、孔径分布が広いという欠点があった。
本発明の目的は、これらの欠点を解消した均一な多孔性
球状のポリマー粒子を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らはポリマー溶液を開口部から一定の流速で、
直接一定の周期的な乱れを加えながら同一符号の電荷を
帯びた均一な液滴として気相中に噴出させたのち、該ポ
リマーの非溶剤でかつ該溶液の溶剤と相溶性を有し、し
かも該液滴に自然に濡れるほどの表面張力を有する凝固
剤中に衝突による該液滴の大きな変形を生じさせない飛
行距離以上を経過させたのちに侵入させることによっ
て、微小粒子を含まず、微小なポリマークズが発生しな
い三次元網目状組織を有する均一な多孔性球状のポリマ
ー粒子がえられることを見出した。
すなわち、本発明は三次元網目状組織を有する容積平均
粒径が10〜1000μmのポリマー粒子であって、該粒子の
うち90容量%以上のポリマー粒子が該粒子の容積平均粒
径の±20%の範囲内にあり、かつ該粒子の容積平均粒径
の5%以下の粒径を有する粒子を含まない多孔性球状の
均一ポリマー粒子に関する。
粒径の均一性は該粒子の90容量%以上の粒子が該粒子の
容積平均粒径の±20%の範囲内、さらに±10%の範囲内
にあるのが好ましい。
[実施例] ここで、本明細書で使用する特定の用語の意味およびそ
の測定方法などを説明する。
球状粒子とは、回転楕円体状のなめらかな表面を有する
形状の粒子を意味し、種々の使用用途に適応しうるもの
である。
容積平均粒径とは、JIS標準篩を用いて粒子を水やアル
コールなどを分散液とした湿式篩によって分級し、各篩
上にとらえられた粒子をそれぞれ集め、一昼夜放置した
後にそれぞれの沈降体積を測定し、次式で計算された価
である。
(式中、Diは篩の目開き、Viは目開きDiを有する篩上に
とらえられた粒子の沈降体積を示す。) また粒径がDμm未満の粒子とは、目開きDμmの篩を
通過する粒子を意味する。
該粒子のうち、80容量%以上の粒子が該粒子の容積平均
粒径の±20%の範囲内にあるばあい、種々の用途で分級
操作をさらに加えなくてもそのまま使用でき、さらに90
容量%以上の粒子が容積平均粒径の±20%の範囲内にあ
るばあいには、分級操作が不要であるだけでなく、イオ
ン交換樹脂やクロマトグラフィー用の充填剤として使用
すると充填密度が均一で圧力損失が小さいという従来に
ない特徴を有する。
容積平均粒径が10〜1000μmであれば、前記の用途で一
般に使用でき、10〜500μmであれば、イオン交換速度
の大きいイオン交換樹脂、吸着速度の大きい吸着体、工
業用のクロマトグラフィー用充填剤として利用でき、20
〜250μmであれば、これらの特性に加えて分画のシャ
ープな、また大分子量物質の吸着体やクロマトグラフィ
ー用として利用できる。しかしながら、10μmよりも小
さいものは製造が困難である。
処理液中へ混入したり、圧力損失の増大の原因にもなる
5μm未満の微小粒子の有無は、顕微鏡またはコールタ
ーカウンタ(コールター社製、コールターカウンタ)で
確認された。
三次元網目状組織とは、前記のように重合性モノマーの
液滴を重合させた粒子がさらに微小な粒子の集合体であ
るのに対して、文字どおり繊維もしくは有孔面が三次元
的に連続した構造を意味する。
本発明の目的のひとつである微小なポリマークズを発生
しない強固なポリマー粒子をうるためには、ポリマー溶
液の濃度はポリマーの分子量にもよるが、およそ5%以
上でなければならない。このようなポリマー溶液は測定
温度にもよるが、およそ10cP以上の粘度を有する。さら
に好ましくは50cP以上の粘度を有する。
振動法によって均一な液滴をつくるためには、ポリマー
溶液の粘度と表面張力、液滴噴流の流速、液滴を噴出す
る開口部の口径および一定の周期的な乱れの振動数と変
位を互いに関連させて特定の範囲(以下、この範囲内に
上記の要因が調整されている状態を同調している状態と
いう)に調整しなければならない(ティー・サカイ、プ
ロシーディングズ オブ イクラス‐1982、37頁、1982
年(T.Sakai、Proc.ICLASS-1982、p37、1982)参照。
液滴径がおよそ1000μm以上であれば開口部を直接機械
的に振動させることによっても同調させることができる
(前記文献参照)。しかしながら、液滴径が小さくなる
と同調する振動数が大きくなり、開口部を直接振動させ
るためには大きなエネルギーが必要になるので、溶液に
直接周期的な乱れを加えるほうが好ましい。とくに液滴
径が250μm以下では、本発明者らの先願(特願昭61-24
591号)明細書に開示されているように同調する振動数
は3000〜40000Hzにも達する。第1図には、このような
液滴をうるための装置が示されている。
振動棒(6)は適当な振動発生源、たとえば磁歪素子、
電歪素子または電磁コイル式振動子に連結されている。
これらの振動エネルギーを効率的に振動棒(6)に伝え
るために、シリンダー(2)とのシールには接触抵抗の
小さいOリング(7)が使用されている。開口部(12)
を有するノズル(5)と振動棒(6)の先端との距離
は、シリンダー(2)のネジ(11)とシリンダー固定用
ナット(4)によって任意に調整されうる。ノズル
(5)は、ノズル固定用ナット(3)によってシリンダ
ー(2)に固定される。ノズル(5)とシリンダー
(2)との間はOリング(8)でシールされている。シ
リンダー(2)は固定台(1)にシリンダー固定用ナッ
ト(4)によって固定される。
ギヤーポンプなどから送られるポリマー溶液は入口
(9)からシリンダー(2)内に入り、ノズル(5)上
で振動棒(6)の往復運動によって周期的な圧力変化を
受けながら開口部(12)から噴出する。必要ならば、ヒ
ーター(13)でシリンダー(2)内のポリマー溶液を加
熱することもできる。温度センサー(14)は、そのため
の温度管理用としても使用される。
ノズル(5)と振動棒(6)の先端との間の距離は、と
くに振動数が超音波領域に含まれるほど高いばあいに
は、5mm以上とすることが好ましい。この間隔が2mm未満
のばあい、キャビテーションが生じ、振動棒(6)の先
端やノズル(5)の内面が侵食されるおそれがある。
周波数をより安定的に保持するために、必要ならば固定
台(1)に冷却水出入口(10)を設けることもできる。
本装置を使用すれば、低粘度溶液はもちろんのこと、高
温高圧下で高粘度溶液を種々の振動数で周期的に変化す
る圧力を加えながらノズル(5)から噴出させ、均一な
液滴にすることができる。
一度形成された均一な液滴は、ノズル(5)から遠ざか
るとともに空気抵抗などによって乱れた動きをとるよう
になり、多くの液滴は互いに衝突しあって合体する。し
かしながら、ジェイ・エイチ・シュナイダーとシー・デ
ィー・ヘンドリックス、レビュー・オブ・サイエンティ
フィック・インスツルメント、35巻、1349頁、1964年
(J.H.Shneider and C.D.Hendricks、Review of Scient
ific Instruments、35、1349、1964)に開示されている
ように、各液滴に同一符号の電荷を帯びさせれば、この
合体を比較的長時間防ぐことができる。
以上のようにして気相中に噴出させたポリマー溶液の液
滴は、そのポリマーの非溶剤でかつその溶剤と相溶性を
有し、かつその液滴に自然に濡れるほどの表面張力を有
する凝固剤中に衝突による大きな変形を生じさない速度
にまで失速させる飛行距離以上を経過させたのちに凝固
剤中に侵入させられることによって微小なポリマークズ
が発生しない三次元網目状組織を有する均一な多孔性球
状のポリマー粒子となる。
凝固剤の表面張力が大きく、液滴に自然に濡れないばあ
いには、たとえ液滴の比重が凝固剤よりも大きくとも、
液滴は長時間凝固剤表面上に浮かび、その液滴の上に次
々に新しい液滴が衝突し、大きな合体物になる。しか
し、凝固剤上に落下した液滴がすみやかに凝固剤で被れ
ると、新しい液滴と衝突しても合体せず、この液滴もす
みやかに凝固剤で被れるので、液滴各々が独立したポリ
マー粒子となる。このような凝固剤は、大まかな目安と
してポリマー溶液の溶剤の表面張力に近似するか、望ま
しくはそれよりも小さい表面張力を有するものの中から
選ばれる。
本発明者らが先願(特願昭61-24591号)明細書に開示し
たようにポリマー溶液の粘度が高く、液滴径が小さくな
ると同調する開口部から噴出するポリマー溶液の流速、
いいかえると液滴の初速度は、数m/秒から数十m/秒にも
達するので、この液滴を直ちに凝固剤に侵入させると衝
突の衝撃によって砕け散ったり、扁平に変形する。これ
を避けるためには、液滴の飛行速度を小さくしてから凝
固剤に侵入させなければならない。
液滴に同一符号の電荷を帯びさせると、液滴の合体を比
較的長時間防止することができると前記したが、液滴に
同一符号の電荷を帯びさせることのもうひとつの効果と
して、本発明者らは液滴の飛行速度を急激に失速させる
ことを見出した。とくに粒径の小さい液滴では、同調す
る初期速度が大きく、同一符号の電荷を与えなければ、
2mの飛行距離を経過した後でも凝固剤に侵入する際に扁
平に変形することがあるが、同一符号の電荷を与えれば
同じ液滴が飛行距離30cmでも変形せずに凝固剤に侵入す
るほどの効果がえられる。
開口部から凝固剤までの距離、すなわち液滴の飛行距離
を可能な限り小さくすることは液滴の合体を防止する上
でも重要である。したがって、回転楕円体とはいえない
ような大きな変形を与えられないかぎりにおいて液滴の
飛行距離を短かくすべきである。
一方、液滴が同一符号の電荷を帯びると互いに反発しあ
うために、多数の液滴の拡がった集団が形成される。こ
れらの液滴は反対符号の電荷をもった物体や接地された
導体に引き寄せられる。すなわち、飛散した液滴は凝固
剤の容器壁や電荷を与えるための電極に付着しやすい。
これらは不均一粒子となったり、電場の力を弱めるなど
の障害になる。しかしながら、導電性の凝固剤を金属製
の容器に入れ、この容器を接地すれば、すべての液滴を
凝固剤の中に引き寄せることができる。
多孔度の調整は、湿式凝固法で通常用いられる種々の方
法によって行なわれる。
一般に、ポリマー溶液の液滴を、強い凝固作用を有する
凝固剤で凝固させると、いわゆるスキン層と呼ばれる薄
い表面層を有する物質選択性を有する多孔性粒子がえら
れる。逆に、凝固剤の凝固作用が弱くなると、スキン層
も多孔性になり、さらに外孔化が進行するとスキン層が
失われ、粒子表面も網目状になる。
湿式凝固法でつくられた多孔質体の表面の孔径はスキン
層の有無にかかわらず、均一性が高いことが知られてい
る。
スキン層はある大きさ以下の物質は通過するが、それよ
り大きい物質は通過しない障壁になる。スキン層中の孔
径を調整することによって、この大きさに相当する物質
の分子量を数十万から数十まで広範囲に変えることがで
きる。したがって、スキン層を有する粒子を吸着体に使
用すればこのような物質に対して優れた選択性を示す。
このような特性は、従来の重合性モノマーの液滴を重合
したポリマー粒子にはなかったものである。
スキン層を有さない粒子表面まで網目状になった粒子
は、上記の物質よりさらに大きい物質、たとえば分子量
が数百万の物質に対して優れた選択性を有する。またこ
のように多孔性であっても粒子中のポリマー全体が繊維
または有孔面の三次元連続体構造となっているので、微
小なポリマークズは発生しない。
一般に、ポリマー溶液中のポリマー濃度が高くなると、
三次元網目状組織の網目の大きさが小さくなることが知
られている。
その他、多孔度を調整するために、ポリマー溶液中にポ
リマーの貧溶剤を加えたり、容易に抽出して除去するこ
とができる添加剤、たとえばポリエチレングリコール、
ポリビニルピロリドン、デキストランなどの水溶性ポリ
マーを前記の同調範囲から逸脱しない粘度、すなわち本
発明者らの経験によればおよそ2000cP以下の範囲で添加
することもできる。
以上のようにして多孔性球状の均一ポリマー粒子がえら
れるが、さらにこれらの粒子を使用目的に応じて改質す
るために種々の後処理を施すこともできる。とくに非溶
剤中での加温処理は粒子の構造をより安定にするために
有益である。
本発明に使用しうるポリマーは、溶剤に溶解するものす
べてであるが、とくに有用なものの例を以下に示す。
ポリスチレンは圧力損失が小さく、微小粒子が混入しな
いクロマトグラフィー用充填剤としてあるいは圧力損失
が小さく、微小なポリマークズが発生せず、選択性の優
れた吸着体として有用である。
スチレン‐ブタジエン共重合体、スチレン‐クロルメチ
ル化スチレン共重合体のように架橋とイオン交換基を導
入しうるポリマーは、圧力損失が小さく、イオン交換速
度が大きく微小なポリマークズが発生しないイオン交換
樹脂の母材として有用である。
ポリビニルアルコール、エチレン‐ビニルアルコール共
重合体は活性水酸基を有する圧力損失が小さく、選択性
の優れた担体としてアフィニティークロマトグラフィー
用に有用である。
種々の天然高分子物質、たとえばセルロース、絹、コラ
ーゲンなどおよびこれらの誘導体もそのままクロマトグ
ラフィー用として、またはアフィニティークロマトグラ
フィー用の担体として有用である。
その他多くのビニル重合体、縮合重合体が上述の用途の
ために使用しうる。
これらのポリマーの溶剤は便覧などで知ることができる
が、後述するように好ましい凝固剤と組合せることがで
きるためには、水溶性の溶剤であることが好ましい。N-
メチル‐2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジアセトンア
ルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン
などは多くのポリマーの溶剤とし使用できる。また、こ
れらの混合溶剤やこれらにエタノール、メタノール、エ
チレグリコール、プロピレングリコール、グリセリンな
どを加えた混合溶剤を使用することも可能である。
セルロースの溶剤には、公知のジメチルスルホキシドと
ホルムアルデヒドとの混合溶剤、銅アンモニア水溶液、
チオシアン酸カルシウム水溶液などを使用されうる。
その他ポリマーに応じて適切な溶剤を選択すればよい。
凝固剤の表面張力は前述のように、ポリマーの溶剤の表
面張力に近似するかもしくは低く、凝固剤は導電性であ
ることが望ましい。界面活性剤を加えた水、アルコール
水溶液、前記した溶剤の水溶液またはこれらの混合液は
とくに好ましいものである。
以下、本発明の均一ポリマー粒子を実施例に基づいて説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
実施例1 酢酸セルロース(酢化度55%)の濃度が5%(重量%、
以下同様)となるようにN-メチル‐2-ピロリドンとプロ
ピレングリコールを重量比で4対6の割合で混合した混
合液に溶解し、ポリマー溶液とした。このポリマー溶液
の粘度は90℃で78cPであった。また、混合溶剤の表面張
力は、各々の溶剤の25℃における値の算術平均で求める
と38dyn/cmであった。
この溶液を第1図の装置を用いて直径50μmの孔が2mm
間隔で直線状に並んだ開口部(12)を有するノズル
(5)から噴出させた。ここで、振動棒(6)の先端か
らノズル(5)までの距離を15mmとし、ポリマー溶液の
温度を90℃に保ち、磁歪素子と連結した振動棒(6)の
振動数を25KHzとし、噴流の流速を18m/秒にして均一な
液滴ができるように同調させた。
ノズル(5)の下面から約2mmの位置に幅20mm、平均板
間距離10mmの平行板電極を開口部(12)と平行に置き、
シリンダーとの間で500Vの電圧を与えた。また、シリン
ダーは接地した。
凝固剤を入れた直径約40cmの接地したステンレス製円筒
容器をノズル(5)の直下に置き、ノズルから凝固剤ま
での距離を40cmにした。凝固剤は室温の40%のエタノー
ル水溶液とした。この溶液の表面張力は25℃で32dyn/cm
であった。
えられた粒子は真球状でマグネチックスターラーで長時
間(約3時間)撹拌しても微小なポリマークズが発生し
ないものであった。
この粒子をメタノールでよく洗ってから、室温で真空乾
燥し、金を蒸着してから走査型電子顕微鏡で表面および
断面を観察した。表面にはスキン層がなく、およそ0.5
μmの孔が多数あり、断面にも同程度の孔が見られ、三
次元網目状組織が粒子全体におよんでいる様子が見られ
た。
この粒子を水に懸濁させ、篩の目開きが44μm、63μ
m、74μm、88μm、105μm、125μmおよび149μm
の湿式篩を用いて分級し、各篩に集められた粒子をそれ
ぞれ水に懸濁させ、一昼夜放置したのち沈降体積を測定
した。えられた粒子の容積平均粒径は111μmで容積平
均粒径の±20%の範囲内に97容量%以上の粒子があっ
た。また、44μm未満の粒子は確認できなかった。さら
にコールターカウンターで容積平均粒径の5%以下およ
び5μm未満の粒子を確認できなかった。
実施例2 酢化度61.5%の酢酸セルロースをその濃度が5%となる
ようにジメチルスルホキシドとプロピレングリコールと
の重量比で6対4の混合液に溶解してポリマー溶液と
し、凝固剤には、家庭用洗剤の0.2%水溶液を用いた。
ポリマー溶液の粘度は90℃で52cPであった。また、この
混合溶剤の表面張力は、各々の溶剤の25℃における値の
算術平均で求めると39dyn/cmであった。凝固剤の表面張
力は25℃で20dyn/cmであった。その他の条件は実施例1
と同様にして均一ポリマー粒子をつくった。
この粒子を水に浸したまま120℃で30分間加熱した。こ
の処理によって粒子は、一様におよそ20%収縮した。
えられた粒子は真球状でマグネチックスターラーで長時
間(約3時間)撹拌しても微小なポリマークズが発生し
ないものであった。
実施例1と同様にして粒子の表面と断面を走査型電子顕
微鏡で観察した。表面には2万倍に拡大しても孔は見ら
れない、厚さがおよそ0.1μmのスキン層が存在した。
スキン層以外は均一な三次元網目状組織であった。
実施例1と同様にして湿式篩で分級し、粒径分布を測定
したところ、えられた粒子の容積平均粒径は103μm
で、容積平均粒径の±20%の範囲内に97容量%以上の粒
子があった。また44μm未満の粒子は確認できなかっ
た。さらにコールターカウンターで容積平均粒径の5%
以下および5μm未満の粒子は確認できなかった。
実施例3 ポリスチレンをその濃度が7%となるように調整してN-
メチル‐2-ピロリドンに溶解してポリマー溶液とした。
この溶液の粘度は90℃で250cPであった。また、この溶
剤の表面張力は25℃で41dyn/cmであった。この溶液を用
いて実施例2と同様にして均一ポリマー粒子をえた。
えられた粒子は真球状でマグネチックスターラーで長時
間(約3時間)撹拌しても微小なポリマークズが発生し
ないものであった。
実施例1と同様にして粒子の表面と断面を走査型電子顕
微鏡で観察した。この粒子はスキン層を有し、内部は三
次元網目状組織であった。
実施例1と同様にして湿式篩で分級し、この粒子の粒径
分布を測定したところ、えられた粒子の容積平均粒径は
116μmで、容積平均粒径の±20%の範囲内に97容量%
以上の粒子があった。また44μm未満の粒子は確認でき
なかった。さらにコールターカウンターで容積平均粒径
の5%以下および5μm未満の粒子は確認できなかっ
た。
実施例4 セルロースをその濃度が4%となるように調整してチオ
シアン酸カルシウム60%を含有する水溶液に溶解してポ
リマー溶液とした。この溶液の粘度は100℃で420cPであ
った。この溶剤の表面張力は25℃で73dyn/cmであった。
このポリマー溶液を用い、凝固液にはエタノール50%水
溶液を用い、第1図の装置において振動棒(6)の先端
からノズル(5)までの距離を5mmとし、ポリマー溶液
の温度を100℃に保持したほかは実施例1と同様にして
均一ポリマー粒子をえた。凝固液の表面張力は25℃で30
dyn/cmであった。
えられた粒子は真球状でマグネチックスターラーで長時
間(約3時間)撹拌しても微小なポリマークズが発生し
ないものであった。
この粒子をよく水洗し、チオシアン酸カルシウムを除去
したのち、臨界点乾燥し、金を蒸着してから走査型電子
顕微鏡で、粒子の表面と断面を観察した。この粒子の表
面にはスキン層がなく、およそ0.5μmの孔が多数あ
り、三次元網目状組織が粒子全体におよんでいる様子が
みられた。実施例1と同様にして湿式篩で分級し、この
粒子の粒径分布を測定したことろ、容積平均粒径は112
μmで、容積平均粒径の±20%の範囲内に97容量%以上
の粒子があった。また44μm未満の粒子は確認できなか
った。さらにコールターカウンターで容積平均粒径の5
%以下および5μm未満の粒子は確認できなかった。
以上の実施例では、開口部(12)の口径が50μmのノズ
ルを使用したが、この口径を変え、それに対応した同調
条件でポリマー溶液の均一な液滴を形成させ、湿式凝固
法によってポリマー粒子をつくることによって、容積平
均粒径が10〜5000μmで、粒径分布の狭い、多孔性球状
の均一ポリマー粒子をうることができる。
[発明の効果] 本発明のポリマー粒子は、容積平均粒径の5%以下の粒
径の微小な粒子を含まず、微小なポリマークズの発生が
なく、表面の孔径が均一である三次元網目状組織を有す
る多孔性球状の均一ポリマー粒子であるので、圧力損失
が小さく、イオン交換速度の大きいイオン交換樹脂の母
材、圧力損失が小さく選択性に優れしかも吸着速度の大
きい吸着体、圧力損失が小さく微小なポリマークズの流
出がないクロマトグラフィー用充填剤などに広く利用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例で用いたポリマー液滴製造装
置である。 (図面の主要符号) (5):ノズル (6):振動棒 (9):液体入口 (12):開口部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三次元網目状組織を有する容積平均粒径が
    10〜1000μmのポリマー粒子であって、該粒子のうち90
    容量%以上のポリマー粒子が該粒子の容積平均粒径の±
    20%の範囲内にあり、かつ該粒子の容積平均粒径の5%
    以下の粒径を有する粒子を含まない多孔性球状の均一ポ
    リマー粒子。
  2. 【請求項2】表面にスキン層を有する特許請求の範囲第
    1項記載の均一ポリマー粒子。
  3. 【請求項3】表面にスキン層を有さない特許請求の範囲
    第1項記載の均一ポリマー粒子。
  4. 【請求項4】該粒子の容積平均粒径が10〜500μmであ
    る特許請求の範囲第1項記載の均一ポリマー粒子。
  5. 【請求項5】該粒子の容積平均粒径が20〜250μmであ
    る特許請求の範囲第1項記載の均一ポリマー粒子。
  6. 【請求項6】5μm未満の粒径を有する粒子を含まない
    特許請求の範囲第1項記載の均一ポリマー粒子。
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