JPH0717547U - 反転機構付枚葉輪転印刷機 - Google Patents

反転機構付枚葉輪転印刷機

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JPH0717547U
JPH0717547U JP5226593U JP5226593U JPH0717547U JP H0717547 U JPH0717547 U JP H0717547U JP 5226593 U JP5226593 U JP 5226593U JP 5226593 U JP5226593 U JP 5226593U JP H0717547 U JPH0717547 U JP H0717547U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 両面刷における紙の反転に際し、上流側胴の
周面に密着しようとする紙を剥がして紙尻を紙尻保持装
置で確実に保持させる。 【構成】 紙尻保持装置としての吸口29で紙尻を保持
された紙150とこの紙150が添接された圧胴63の
周面との間へエアを吹き込むノズル192を設けた。ま
た、請求項2記載の考案においては、ノズル192の指
向方向を調整する調整装置を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は紙搬送方向に対する上流側の胴と下流側の胴との間にこれら両胴と周 面を対接させて配設された反転胴を備え、両面刷を可能にした反転機構付枚葉輪 転印刷機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷の多様化に伴い一台の機械で片面刷と両面刷とを可能にした各種の反転機 構付枚葉輪転印刷機が提案されており、その一例として、紙の搬送方向に対する 上流側の倍径圧胴と下流側の倍径圧胴との間に倍径の反転胴を設けたものが特開 昭59−19155号公報に開示されているので以下これについて説明する。
【0003】 図21ないし図25はこの公報に開示された反転機構付枚葉輪転印刷機を示し ており、図21は片面刷状態で示す胴配列図、図22は圧胴外周部の縦断面図、 図23,図24、図25はそれぞれ両面刷動作を説明するために示す胴配列図で ある。
【0004】 これらの図において、印刷機1の第1の印刷ユニット2と第2の印刷ユニット 3とは、それぞれ周面に印刷用の版が装着された版胴4と、版の表面にインキと 湿し水とを供給する図示しないインキ装置と給水装置とを備えており、版胴4の 下方には、この版胴4と同径で周面にブランケットが巻かれたゴム胴5が、周面 を対接させて配設されている。
【0005】 さらに、ゴム胴5の下方には、このゴム胴5の2倍の径を有する紙搬送方向上 流側の圧胴6と、同じく下流側の圧胴7とが、各ゴム胴5と周面を対接させて設 けられており、これら両方の圧胴6,7間には、これと同径の反転胴8が、これ ら両胴6,7に周面を対接させて配設されている。
【0006】 9はスイング装置であって、カム機構で開閉するスイング爪を備えており、給 紙装置によりフィーダボードを経て差板10上へ1枚ずつ送り込まれた紙11の 端をくわえてこの紙11を圧胴6へ供給するように構成されている。
【0007】 圧胴6の外周部を円周方向へ2等分する箇所には、断面3角形状に形成された 切欠き6aが設けられており、各切欠き6a内の軸受12に回動自在に軸支され た爪軸13上には、複数個の爪14がホルダを介して並列固定されている。
【0008】 また切欠き6aの壁面段部には、爪14とでくわえ爪装置15(以下単に爪1 5という)を構成する複数個の爪台16が各爪14に対応して固定されており、 図示しないカム機構で爪軸13が所定の角度だけ往復回動することにより爪15 が開閉して紙11をくわえるように構成されている。
【0009】 また、下流側圧胴7の外周部を円周方向に2等分する箇所に設けられた切欠き 内にも、カム機構で開閉する爪17と爪台18とからなる複数組のくわえ爪装置 19(以下単に爪19という)が軸方向に並設されている。
【0010】 さらに、反転胴8の外周部を円周方向に2等分する位置に設けられた各切欠き 内には、カム機構で開閉する複数個の反転爪20と、図示しないブロアとの間を ロータリバルブ等を介して接続された複数個の吸口21とが、互いに反転胴8の 円周方向と軸方向とに位相を違えてそれぞれ軸方向に並設されている。
【0011】 また、下流側の圧胴7と対接する渡し胴22の外周部を円周方向に2等分する 位置に設けられた各切欠き内には、カム機構で開閉する爪23と爪台24とから なる複数組のくわえ爪装置25(以下単に爪25という)が軸方向に並列して設 けられている。
【0012】 以上のように構成された反転機構付枚葉輪転印刷機の動作を説明する。片面刷 の場合には、図21に示すような状態で印刷作業を開始すると、スイング装置9 の爪から圧胴6の爪15にくわえ替えられて搬送される紙11には、ゴム胴5と 圧胴6との間で1色目の印刷が施され、この紙11は、圧胴6の爪15から反転 胴8の反転爪20にくわえ替えられて搬送されたのち、圧胴7の爪19にくわえ 替えられて搬送される。
【0013】 このように圧胴7の周面に添接して搬送される紙29には、ゴム胴5と圧胴7 との間を通過するときに先程と同じ面に2色目の印刷が施され、引き続き搬送さ れく紙11は、圧胴7の爪19から渡し胴22の爪25にくわえ替えられて次の 印刷ユニットまたは排紙装置へ搬送される。
【0014】 このような片面刷から両面刷に移行する場合には、圧胴6を含む紙搬送方向に 対する上流側の胴群を、反転胴8に対し紙11のほゞ天地方向長さ分だけ円周方 向へ位相調節して図21に示す状態から図23に示す状態にしたのち印刷作業を 開始すると、図23に示すように、上流側圧胴6の爪15にくわえられて搬送さ れる紙11には、ゴム胴5と圧胴6との間で表面に印刷が施され、この紙11は 圧胴6と反転胴8との対接点を通過して圧胴6の下側周面に添接されるようにし て搬送される。
【0015】 そして、この紙11の尻側端部が両胴6,8の対接点に達すると、図24に示 すように、この紙尻を吸口21が吸引し、開閉する反転爪20にくわえさせるの で、この状態で反転胴8の回転が続けられるとともに、爪15による紙11のく わえが解放されるので、図25に示すように、反転爪20にくわえ端をくわえら れて搬送される紙11は、反転して裏返しになる。さらに紙11の先端部は反転 爪20から下流側圧胴7の爪19にくわえ替えられて搬送され、ゴム胴5と圧胴 7との間を通過するときに裏面に印刷が施されて両面刷となる。
【0016】 本装置においては、このように搬送される紙11を胴周面から剥離させるエア 吹き装置が付設されている。すなわち、図22に示すように、上流側圧胴6の外 周切欠き6a内に設けられた前記軸受12の孔12aには、エア源に接続されて 切欠き6aの軸方向に延びるエア管26が支持されていて、このエア管26と前 記爪台18とは、ノズル管27によって連結されており、このノズル管26は、 爪台15の上端面において大気中に開口されている。なおこの開口は、爪14に よって閉塞されないように、爪14の爪先から外れた位置に設けられている。
【0017】 このように構成されていることにより、両面刷に際し、図24に示すように、 紙尻を反転爪21にくわえられて搬送されることにより反転される紙11のくわ え側端部が、爪15によるくわえから解放されるときに、ノズル管26からエア が噴出するので、圧胴5の周面に密着しようとする紙11の端部が剥離されるの で、吸口21に吸着されている紙11が天地方向にずれたり吸着が解かれたりす ることがない。
【0018】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このように動作する従来の反転機構付枚葉輪転印刷機において は、上記のように、ノズル管26が両面刷の場合における紙11のくわえ側端部 に開口しており、このノズル管26から噴出するエアを紙11のくわえ側端部に 吹き付けてこの紙11を圧胴6の周面から剥離させようとするものであるが、実 際にはノズル管26から噴出するエアの大部分が紙11のくわえ側へ流れてしま うことが多く、紙11と胴周面との間へ流れ込むことが少なくて紙11が胴周面 から剥離せずに密着したまゝになることが多いので、吸口21に吸着されている 紙11の紙保持力が低下し、紙11が吸口21の吸着面上で滑って印刷見当を狂 わせたり、吸着面から剥離されて損紙が発生したりするという問題がある。
【0019】 本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、両面刷される紙の反転時にお ける保持部材の紙保持力の低下を無くすることを可能にした反転機構付枚葉輪転 印刷機を提供することを目的にしている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本考案では、紙搬送方向に対する上流側の胴 と下流側の胴との間にこれら両胴と周面を対接させて配設された反転胴と、この 反転胴に設けられ上流側の胴に巻付けられた紙の紙尻を保持してこの紙を反転さ せながら下流側の胴へ受渡す反転機構とを備えた反転機構付枚葉輪転印刷機にお いて、上流側の胴に巻付けられた紙の紙尻を保持する紙尻保持装置と、この紙尻 保持装置で保持されて上流側の胴の周面から剥離される紙と上流側の胴の周面と の間へエアを吹き込むエア吹き装置を設けた。
【0021】 また請求項2記載の考案においては、エア吹き装置からのエアの吹き出し方向 を調整する調整装置を設けた。
【0022】
【作用】
片面刷から両面刷に移行する場合には、紙搬送胴に対接する胴を含む上流側の 胴群を紙搬送胴に対し紙のほゞ天地方向の長さだけ円周方向へ位相調節したのち 印刷作業を開始すると、表面に印刷が施された紙は、上流側圧胴と反転胴との対 接点を通過し、上流側胴に巻付けられる。巻付けられた紙の紙尻が上流側圧胴と 反転胴との対接点に達すると、紙は紙尻を紙尻保持装置で保持されて反転しなが ら搬送される。こうして反転された紙は紙保持装置にくわえ替えられて搬送され ながら裏面に印刷が施されて両面刷になる。
【0023】 このようにして行われる紙の反転において、紙尻保持装置で紙尻を保持されて 搬送される紙と上流側胴の周面との間へは、エア吹き装置によって紙尻側からエ アが吹き込まれるので、上流側胴の周面に密着しようとする紙は、吹き込まれる エアによって完全に剥離される。
【0024】 エア吹き装置の調整によってエア吹き方向が変えられるので、紙の剥離し易い 最良のエア吹き方向を選択することができる。
【0025】
【実施例】
図1ないし図20は本考案に係る反転機構付枚葉輪転印刷機の実施例を示し、 図1は一部を展開して示す反転胴の左半部の一部破断正面図、図2は一部を展開 して示す反転胴の右半部の一部破断正面図、図3は図2の III−III 断面図,図 4は図1のIV−IV断面図、図5は図2の V-V断面図、図6は一部を展開して示す 反転胴の左半部の一部破断正面図、図7は一部を展開して示す反転胴の右半部の 一部破断正面図、図8は図6のVIII視側面図、図9は図7のIX視側面図、図10 は反転胴の平面図、図11は図10のXI−XI断面図、図12は紙尻保持部材駆動 用カム機構の動作を説明するために示す反転胴の側面図、図13は吸口の断面図 、図14は紙のくわえ替え動作を説明するために示す爪,爪台,吸口の側面図、 図15は吸口と反転爪との動作を説明するために示す反転胴近傍の側面図、図1 6,図17はそれぞれストップカムの斜視図、図18はエア吹き装置の平面図、 図19はエア吹き装置が設けられた反転胴と圧胴との概要側面図、図20は図1 9に示す状態から胴がわずかに回転した状態で示す反転胴と圧胴との対接部の概 要側面図である。
【0026】 図において、左右のフレーム61,62には、図に矢印で示す胴の回転方向す なわち紙の搬送方向に対する上流側の胴である倍径の第1圧胴63と、同じく下 流側の胴である倍径の第2圧胴64とが両端軸を回転自在に軸支されていて、こ れらの圧胴63,64間には、周面をこれら両胴63,64に対接させた紙搬送 胴としての倍径の反転胴65が、ころがり軸受66を介して回転自在に軸支され ており、この反転胴65の外周部には、胴のほゞ全長にわたる切欠き65aが設 けられている。
【0027】 切欠き65aの底面には、固定部67aとこれに枢着された回動部67bとか らなる駆動軸ブラケット67が固定されており、この駆動軸ブラケット67の回 動部67bと、切欠き65aを閉塞する片側のベアラ68に固定されたブラケッ ト69とには、ベアラ68を貫通する駆動軸70の両端部が、回動自在に軸支さ れている。
【0028】 そしてこの駆動軸70の一端には、遊端部にカムフォロア72が枢着されたこ ろ付レバー71が基端部を固定されており、このころ付レバー71のカムフォロ ア72は、フレーム62側に回動自在に支持されたギア173に固定されて爪台 移動手段を構成する爪台移動カム73の、大径部73aと小径部73bとからな るカム面に対接させている。
【0029】 そしてこの爪台移動カム73は、図2に示すように、ギア173と噛合うギア 174aを一端に備えており、フレーム62に回動自在に支持されたピン174 の他端に設けられている6角頭174bにスパナをかけて回動操作することによ り、爪台移動カム73は、ギア174aを介してギア173とともに回動し、両 面刷と片面刷との所定の位置の間で移動自在となるように構成されている。
【0030】 また、駆動軸70の一端には、駆動レバー74が、駆動軸ブラケット69の内 側に隣接して固定されており、この駆動レバー74の遊端部に一端を回動自在に 枢着された駆動ロッド75の他端には、連結レバー76が回動自在に枢着されて いる。
【0031】 一方、切欠き65aの底面には、矩形状の断面を有し切欠き65aの軸線方向 に延びる規制部材としての長尺のストップバー77が、爪台81(後述)に対す る爪92(後述)の圧接作用線上に位置して固定されており、また、切欠き65 aの底面には、左右一対のブラケット78,79が、ベアラ68に隣接して固定 されている。
【0032】 さらに、左右のブラケット78,79には、軸線方向に延びる貫通孔を備えた 爪台バー80が、ころがり軸受を介して両端軸を回動自在に軸支されており、こ の爪台バー80の一方の揺動端部には、爪台部材としての複数個の爪台81が、 各爪92に対応して並設されている。
【0033】 82は爪台バー80の内孔を貫通して挿入されたトーションバーであって、こ のトーションバー82は、図4に示すように、前記一方のブラケット79に円周 方向へ回動調節自在に固定されたトーションバーホルダ83の6角孔に一方の6 角頭82aを嵌合させることにより一端を固定されており、また、トーションバ ー82の他方の6角頭82bは、回動自在な爪台バー80の他端に設けられた6 角孔に嵌合されている。
【0034】 この結果、爪台バー80はトーションバー82に蓄勢されたねじりばね力で前 記ストップバー77に当接することにより、カムフォロア72を爪台移動カム7 3のカム面に圧接させる方向への回動限を規制されるように構成されている。
【0035】 前記駆動軸ブラケット67の回動部67bと連結レバー76との間には、トー ションバー82のねじりばね力の付勢方向と同方向、すなわちカムフォロア72 を爪台移動カム73のカム面に圧接させる方向に付勢する圧縮コイルばね84が 介装されている。
【0036】 さらに、切欠き65aの底面には、固定部85aと、これに枢着された回動部 85bとからなる左右一対のホルダ85が固定されており、その回動部85bと 前記爪台バー80との間には、カムフォロア72を爪台移動カム73のカム面に 圧接させる方向に付勢する圧縮コイルばね86が介装されている。
【0037】 こうすることにより、反転胴65側のカムフォロア72が、フレーム62側の 爪台移動カム73のカム面に圧接された状態で反転胴65が回転してカムフォロ ア72が周回すると、カム面の高低と圧縮コイルばね84,86およびトーショ ンバー82のばね力との協働により爪台バー80が所定のタイミングで揺動し、 爪台81が、図14に実線で示すように、反転胴65の周面と先端面が同一面と なるような作動位置と、図14に鎖線で示すように傾動して反転胴65の周面か ら没入する退避位置との間で移動するように構成されている。
【0038】 次に爪台81とともにくわえ爪装置を構成する爪と、その移動装置について説 明する。爪台81の斜め下方に位置して左右のベアラ68の軸受孔にそれぞれ嵌 着された軸受87,88と、切欠き65aの軸線方向に並列して切欠き65の底 面に固定された複数個の軸受89とには、爪軸90が回動自在に軸支されていて この爪軸90上には、複数個の爪ホルダ91が軸線方向に並列して固定されてお り、各爪ホルダ91には、爪台81との間で紙をくわえる爪部材としての爪92 がそれぞれ固定されている。
【0039】 図1,図2,図9に示すように片方の軸受88に円周方向へ回動調節自在に固 定されたトーションバーホルダ93の6角孔には、爪軸90の内孔を貫通するト ーションバー94の一端に形成された6角頭94aが嵌合固定されており、この トーションバー94の他端に形成された6角頭94bは、爪軸90の一端に形成 された6角孔に嵌合されている。
【0040】 片方のフレーム61には、図8,図14に示すように、大径部95aと小径部 95bとからなるカム面を備えた爪開閉装置としての爪開閉カム95が固定され ており、この爪開閉カム95のカム面には、爪軸90の端部に固定されているこ ろ付レバー96の遊端部に枢着されたカムフォロア97が、トーションバー94 のねじりばね力によって幅方向の半部を圧接されている。
【0041】 また、図1,図14に示すように、爪開閉カム95のボス部には、大径部17 2aと小径部172bとからなるカム面を備えた爪移動装置としての爪移動カム 172が回動自在に支持されており、この爪移動カム172は、爪開閉カム95 のボス部に回動自在に支持されたギア175にボルトで固定されていてギア17 5と一体的に回動できるように構成されている。
【0042】 一方、フレーム61には、一端に6角頭176bが形成されたピン176が回 動自在に支持されており、このピン176の他端には、ギア175と噛合うギア 176aが固定されている。
【0043】 さらに爪移動カム172は、その大径部172aを、爪開閉カム95の大径部 95aよりも大径に形成されており、小径部172bを、爪開閉カム95の小径 部95bよりも小径に形成されている。そしてこの爪移動カム172の大径部1 72aのカム面には、前述したころ付レバー96側のカムフォロア97がトーシ ョンバー94のねじりばね力によって幅方向の残り半部を圧接されている。
【0044】 こうすることにより、反転胴65が回転すると、カムフォロア97が爪移動カ ム172の小径部172bに対応している間は、カムフォロア97が爪開閉カム 95のカム面に圧接されながら周回するので、カム面の高低とトーションバー9 4のねじりばね力とで爪ホルダ91が爪92を伴って揺動し、爪92が、図14 に符号92aで示すように紙をくわえる閉位置と、符号92bで示すように紙を くわえから解放する位置との間で移動して爪92が開閉し紙をくわえ替えるよう に構成されている。
【0045】 また、この状態から反転胴65が回動してカムフォロア97が爪移動カム17 2の大径部172aに対応すると、爪開閉カム95のカム面から離間して爪移動 カム172の大径部172aに圧接されながら周回するので、爪ホルダ91が爪 92を伴いトーションバー94のねじりばね力に抗して回動し、爪92が図14 に符号92a,92bで示す作動位置から符号92cで示すように反転胴65の 周面に対し没入する退避位置へ移動するように構成されている。
【0046】 また、6角頭176bにスパナをかけてピン176を回動させることによりギ ア176aを介してギア175が回動し、爪移動カム172が、両面刷に対応す る位置と片面刷に対応する位置との間で回動するように構成されている。
【0047】 なお、図15において、圧胴63,64には、爪と爪台とからなるくわえ爪装 置98,99(以下爪98,99という)が、圧胴63,64の外周部を円周方 向に2等分する箇所の切欠き内に設けられており、このうち、反転胴65の爪9 2と爪台81とからなるくわえ爪装置100は反転爪100と呼ばれている。
【0048】 次に紙尻保持装置とその回動装置ならびに移動装置について説明する。前記両 側の各ベアラ68に嵌着されたころがり軸受101には、図10ないし図12に 示す反転胴65の切欠き65b,65c内を機台の幅方向に延びてその中央部で 2分割された上下レバー駆動軸102の一端がそれぞれ回動自在に軸支されてお り、これら上下レバー駆動軸102の他端はそれぞれ反転胴65の軸方向中央部 において切欠き65b,65cの底面に固定されたトーションバーホルダ103 の本体103aに回動自在に軸支されている。
【0049】 各上下レバー駆動軸102の円板68外方への突出部には、L字状に形成され た上下レバー104が、割締め固定されており、これら上下レバー104の一方 の遊端部に枢着されたカムフォロア105は、フレーム61,62側に固定され た大径部106aと小径部106bとからなる上下カム106の外周カム面に対 接されている。
【0050】 前記トーションバーホルダ103の本体103aに円周方向へ回動調節自在に 固定された蓋体103bの6角孔には、上下レバー駆動軸102の内孔を貫通す るトーションバー107の一端に形成された6角頭107aが嵌合固定されてお り、トーションバー107の他端に形成された6角頭107bは、上下レバー駆 動軸102の一端に形成された6角孔に嵌合されている。
【0051】 こうすることにより、トーションバー107にねじりばね力が蓄積された状態 で蓋体103bを固定すると、カムフォロア105が上下カム106のカム面に 圧接され、反転胴65が回動すると、上下カム106のカム面の高低とトーショ ンバー107のばね力との協働で、上下レバー104が所定のタイミングで揺動 するように構成されている。
【0052】 一方、各ベアラ68の軸受孔に嵌着されたころがり軸受108には、管状に形 成されて図10ないし図12に示す反転胴65の切欠き65b,65c内を機台 の幅方向に延びてその中央部で2分割された送りレバー駆動軸109の一端が、 それぞれ回動自在に軸支されており、これら送りレバー駆動軸109の他端は、 それぞれ反転胴65の軸方向の中央部において切欠き65b、65cの底面に固 定されたトーションバーホルダ110の本体110aに回動自在に軸支されてい る。
【0053】 各送りレバー駆動軸109のベアラ68外方への突出部には、L字状に形成さ れた送りレバー111が、割締め固定されており、これら送りレバー111の一 方の遊端部に枢着されたカムフォロア112は、フレーム61,62側に固定さ れた大径部113aと小径部113bとからなるカム面を備えた送りカム113 の外周カム面に対接されている。
【0054】 前記トーションバーホルダ110の本体110aに円周方向へ回動調節自在に 固定された蓋体110bの6角孔には、上下レバー駆動軸102の内孔を貫通す るトーションバー114の一端に形成された6角頭114aが嵌合固定されてお り、トーションバー114の他端に形成された6角頭114bは、送りレバー駆 動軸109の一端に形成された6角孔に嵌合されている。
【0055】 こうすることにより、トーションバー114にねじりばね力が蓄積された状態 で蓋体110bを固定すると、カムフォロア112が送りカム113のカム面に 圧接され、反転胴65が回動すると、送りカム113のカム面の高低とトーショ ンバー114のばね力との協働で、送りレバー111が所定のタイミングで揺動 するように構成されている。
【0056】 図6,図8に示すように、反転胴65の片方のベアラ68外方には、前記上下 レバー104の遊端部に連結ピン115で回動自在に枢着されたL字状の吸口駆 動レバー116が設けられており、また、前記送りレバー111の遊端部にピン 117で一端を回動自在に枢着された連結リンク118の他端は、上記吸口駆動 レバー116の基部近傍にピン119で回動自在に枢着されている。
【0057】 さらに、図7,図9に示すように、反転胴65の他方のベアラ68外方には、 前記上下レバー104の遊端部に連結ピン120で回動自在に枢着された吸口駆 動レバー121とギアホルダ122とが重なり合って設けられており、また、前 記送りレバー111の遊端部にピン123で一端を回動自在に枢着された連結リ ンク124の他端は、吸口駆動レバー121の基部近傍にピン180で回動自在 に枢着されている。
【0058】 上記ギアホルダ122の外周部には、円弧状のセグメントギア125が固定さ れており、上記吸口駆動レバー121の遊端部には、このセグメントギア125 と噛合う中間ギア126が回動自在に枢着されている。
【0059】 片方のベアラ68側に設けられた吸口駆動レバー116の遊端部と、他方の円 板68側に設けられた吸口駆動レバー121の遊端部との間には、上記中間ギア 126と噛合うギア127が軸端部に固定された両端閉塞中空状の吸口軸128 が、回動自在に軸支されており、この吸口軸128上には、後程詳述する複数個 の吸口129が、爪92と軸線方向に位相を違えて並設されている。
【0060】 こうすることにより、反転胴65が回転して送りカム113の高低により両側 の送りレバー111が揺動すると、連結リンク118,124を介して吸口駆動 レバー116,121が連結ピン115,120を中心に揺動し、中間ギア12 6がセグメントギア125と噛合いながら転動するので、中間ギア126とギア 127との噛合により、吸口軸128および吸口129が自転しながら反転胴6 5の周方向へ往復動するように構成されている。
【0061】 そして、この吸口129の移動に際しては、両側の上下レバー104が上下カ ム106により揺動し、連結ピン115,120が反転胴65の半径方向に上下 動するので、吸口駆動レバー116,121やセグメントギア125が吸口12 9等を伴い一体となって上下動し、前記反転胴65の円周方向への移動との合成 運動により、図9に実線と鎖線とで示すように、爪92と爪台81とを越えるよ うな円弧運動をするように構成されている。130は基端部を送りレバー駆動軸 109側に回動自在に支持されて遊端部をギアホルダ122に枢着されギアホル ダ122の円周方向への移動を規制するギア固定レバーである。
【0062】 次に前記吸口129の構造と、この吸口129に対する吸気装置について説明 する。図6,図7および図13において、吸口129は、中空状の吸口軸128 に割締め固定された吸口ホルダ129aと、この吸口ホルダ129aに固定され た吸口本体131とで形成されており、吸口本体131には、吸口軸128の内 孔128aとの間を通気孔128b,130aで連通されて外部へ開口する吸気 口131aが穿設されている。
【0063】 一方、フレーム61の外側面に固定されたブラケット132には、全体を符号 133で示すロータリバルブが、円筒状に形成された外筒134のフランジ部を ボルト135で固定されて支持されており、このロータリバルブ133は、前記 外筒134と、この外筒134に嵌着されて固定された内筒136と、この内筒 136を介して回転自在に軸支され前記反転胴65の端軸137の端面にこの端 軸137と同芯状に形成された回転軸138とで構成されている。
【0064】 139は外筒134のねじ孔に螺入されたニップルであって、図示しないポン プの吸気側との間をホース140で連結されており、ニップル139は内筒13 6の周面に開口されている。内筒136には、その内周と外周とを貫通する長孔 136aが設けられており、この長孔136aは、反転胴65と一体的な回転軸 138に設けられたL字状のエア通路138aに連通されている。
【0065】 一方、反転胴65側には3方への開口141a,141b,141cを備えた T字管141が設けられており、その開口141aと前記孔138aとの間はホ ース142で連結されている。また、開口141bと前記吸口軸128の一端と の間は、ホース142aと、連結ピン115,吸口駆動レバー116に設けられ たエア通路143とで連通されている。さらに、開口141cと吸口軸128の 他端との間は、ホース142bと、連結ピン120,吸口駆動レバー121に設 けられたエア通路171とで連通されている。
【0066】 こうすることにより、反転胴65が回転すると、長孔136aと孔138aと が反転胴65の1回転中の所定のタイミングで連通され、大気が吸口129から 吸引されて紙尻が吸口129に吸着されるように構成されている。
【0067】 このように構成された反転機構付枚葉輪転印刷機には、搬送紙と胴周面との間 へエアを吹き付けるエア吹き装置と、両面刷と片面刷との印刷切替装置が付設さ れているが、これらを説明する前に、本印刷機による両面刷動作を、圧胴および 反転胴がいずれも倍径の場合を例にとり図15を併せ用いて説明する。
【0068】 図15において、各印刷胴が矢印方向に回転すると、紙搬送方向上流側の胴で ある倍径の第1圧胴63の爪98にくわえられて胴周面に巻付けられることによ り搬送される紙150は、そのくわえ端が両胴63,65の対接点に達したのち も爪98のくわえから解放されることなく圧胴63の周面に巻付けられる。
【0069】 このようにして巻付けられる紙150の紙尻が両胴63,65の対接点に達し たとき、すなわち、吸口129が圧胴63の中心と反転胴65の中心とを結ぶ線 上に来たときに、反転胴65と一体的に回動する回転軸138のエア通路138 aが、内筒136の長孔136aと対応した状態で反転胴65が回転を続けるこ とにより、ホース142,142a,142bと、エア通路143,171とで 吸気口131aとニップル139とが連通されてポンプが吸気口から大気を吸引 するので、紙150の紙尻が吸口129に吸引される。
【0070】 吸口129が紙尻を吸引すると同時に、反転胴65の回転により吸口回動装置 のカムフォロア112の対接位置が、送りカム113の大径部113aから小径 部113bへと移動し、送りレバー111の揺動と連結リンク124の進退とを 介して吸口駆動レバー116,121が揺動するので、中間ギア126がセグメ ントギア125と噛合って自転しながらセグメントギア125上を転動するよう に公転し、中間ギア126と噛合うギア127と、これと一体の吸口129も回 動しながら反転胴65の円周方向へ移動する。
【0071】 このように吸口129が回動しながら反転胴65の半径方向に移動すると同時 に、反転胴65の回転により吸口移動装置のカムフォロア105の対接位置が、 上下カム106の大径部106aから小径部106bへと移動して上下レバー1 04が揺動し、ギア固定レバー130を回動させながらギアホルダ122および セグメントギア125と吸口駆動レバー116およびギア127等を一体的に反 転胴65の半径方向に移動させて吸口129を反転胴65の周面から突出させる ので、前記半径方向への移動との合成運動により、吸口129は図15に符号1 29A〜129Gで示すように図の時計方向に自転しながら反転胴65の周面外 側に沿って周回する。
【0072】 この場合、吸口129は、紙尻を保持する吸着面が、圧胴63の周面から剥離 される紙150の延びる方向すなわち反転胴65の接線方向とほゞ平行状態にな るので、紙尻が紙150の圧胴63の周面に密着することにより生ずる張力によ って吸口129の吸着面から剥がされるというようなことがない。
【0073】 このようにして吸口129が紙尻を保持して符号129Gで示す位置まで移動 することにより紙150は裏返しに反転される。なお、吸口129が両胴63, 65の対接点に位置して紙尻を吸引するまでは、圧胴63の爪98は閉じていて 紙150をくわえから解放せず、吸口129が紙150の紙尻を吸引すると同時 に爪98が開いて紙150をくわえから解放する。紙150は爪98のくわえか ら解放されたのちも圧胴63の周面に密着している。
【0074】 反転胴65が回転して紙150を吸着した吸口が符号129Gで示す位置に達 すると、ロータリバルブの作用で吸口129からのエアの吸引が断たれ、紙15 0の吸着が解かれる。これと同時に、カムフォロア97が、トーションバー94 のねじりばね力に抗して爪開閉カム95の小径部95bから大径部95aに移動 するので、反転爪100の爪ホルダ91が揺動して爪92が図14に符号92b で示す位置から符号92aで示す位置へ移動し、吸口129による吸着から解放 される紙150は反転爪100の爪92と爪台81とのくわえ面にくわえ替えさ れる。
【0075】 反転胴65がさらに回動して反転爪100が圧胴64の爪99に対向すると、 前記と同様にして反転爪100と爪99が開閉して紙150のくわえ替えが行わ れ、紙150は爪99にくわえられて搬送されながら裏面に印刷が施される。
【0076】 一方、符号129Gで示す位置で反転爪100に紙150のくわえ替えを終わ った吸口は、両胴64,65の対接点に達するまでの間にほゞ90°回転すると ともに、反転胴65の周面に対し没入するように半径方向へ移動するので、吸口 129が圧胴64の周面と干渉するというようなことがない。
【0077】 さらに反転胴65が回転すると、吸口129は両胴64,65の対接点から両 胴65,63の対接点まで移動するが、この間において、吸口129は、吸口回 動装置によりほゞ360°回動しながら反転胴65の円周方向に移動するととも に、吸口移動装置により爪100を乗り越えるように反転胴65の周面に対し出 没するように反転胴65の半径方向に移動する。
【0078】 このような両面刷印刷動作において、反転爪100が圧胴63との干渉を避け るために反転爪100が反転胴65の周面に対して没入する。すなわち、反転爪 100が圧胴63の中心と反転胴65の中心とを結ぶ線上の手前までくると、カ ムフォロア72が圧縮コイルばね84,86およびトーションバー82のばね力 に抗して爪台移動カム73の大径部73aから小径部73bへ移動するので、反 転爪100の爪台バー80が、ころ付レバー71,駆動軸70,駆動ロッド75 および連結レバー76を介して回動し、爪台81が図14に鎖線で示す退避位置 へ移動する。
【0079】 この爪台81の退避位置への移動に引き続き、カムフォロア97がトーション バー94のねじりばね力に抗して爪開閉カム95のカム面から爪移動カム172 の大径部172aに移動することにより、反転爪100の爪ホルダ91が揺動し て爪92が図14に符号92cで示す位置へ移動するので、反転爪100が反転 胴65の周面から没入し、圧胴63の周面と干渉することがない。
【0080】 さらに反転胴65が回転して反転爪100が両胴63,65の中心を結ぶ線上 を過ぎると、カムフォロア97ガトーションバー94のねじりばね力により爪移 動カム172の大径部172aから爪開閉カム95のカム面へと移動するので、 反転爪100の爪92が図14に符号92cで示す退避位置から符号92bで示 す位置へ移動する。
【0081】 この爪92の移動に引き続きカムフォロア72が圧縮コイルばね84,86お よびトーションバー82のばね力と爪台移動カム73のカム面の高低との協働に より爪台バー80が揺動してストップバー77に当接することにより、爪台バー 80の爪92方向への移動が規制されるので、爪台81は図14に鎖線で示す退 避位置から実線で示す作動位置へ移動する。
【0082】 反転胴65がさらに回転すると、図15に符号129Gで示す位置で反転爪1 00のカムフォロア97がトーションバー94のねじりばね力により爪開閉カム 95の小径部95bへ移動するので、爪92は図14に符号92aで示す位置へ 移動して紙150は吸口129から爪台81と爪92とのくわえ面にくわえ替え られる。この反転爪100による紙150のくわえに際してストップバー77が 爪台81に対する爪92の圧接作用線上に位置して固定されているので、爪台バ ー80のたわみが規制されて正確なくわえ替えを行うことができる。
【0083】 このように動作する反転機構付枚葉輪転印刷機にはエア吹き装置が付設されて いるので、以下これを図4〜図6,図15,図18〜図20を用いて説明する。 前記ロータリバルブ133の外筒134に設けられたねじ孔には、図示しないポ ンプの排気側との間をホース152で連結されたニップル151が螺入されてお り、ニップル151は、内筒136の周面に開口されている。
【0084】 内筒136には、その内周と外周とを貫通して円周方向へ長くなる長孔153 が、軸線方向に対しニップル151と対応して設けられており、この長孔153 は、反転胴65と一体的な回転軸138に設けられたL字状のエア通路138b に連通されている。
【0085】 一方、反転胴65に設けられた切欠き65aの底面には、左右一対のブラケッ ト190が固定されており、このブラケット190には、厚み方向に二つ割され たエア吹きバー155が、両端軸を回動自在に軸支されて任意の回動位置で固定 できるように構成されている。
【0086】 191は上記回転軸138のエア通路138bとの間をホース154で連結さ れてエア吹きバー155の軸線方向に延びるエア吹き管であって、二つ割された エア吹きバー155に挟持されており、このエア吹き管191には、その内孔と 連通する複数個のノズル192がエア吹きバー155の軸線方向に並列して固着 されている。
【0087】 そして、ノズル192の指向方向は、圧胴63の周面と、反転のためにこの周 面から剥離される紙150との間へ向けられており、所定の角度だけ回動調整し たのち固定されるように構成されている。
【0088】 このように構成されていることにより、図15に示すように、第1圧胴63と 反転胴65とが対接して回転すると、図19に示すように、圧胴63の周面と、 この周面から剥離される紙150との間にエアが吹付けられるので、紙150が 圧胴63の周面に密着して剥がされないというようなことがなく、圧胴63の周 面から確実に剥離される。またエア吹きノズルは、その指向方向を調節できるよ うに回動自在に固定されているので、エアを第1圧胴63とその周面から剥離さ れる紙150との間へ正確に吹付けることができる。
【0089】 次に片面刷から両面刷および両面刷から片面刷へと切替える印刷切替装置につ いて説明する。主として図10ないし図12において、紙搬送胴としての反転胴 65の周面を平面状に切欠いて設けた互いに対向する二つの切欠きのうちの片方 の切欠き65b内には、前述したように胴の軸方向中央部でそれぞれ2分割され た上下レバー駆動軸102と送りレバー駆動軸109とが互いに平行状態で軸架 されており、これら2分割された両方の駆動軸102,109には、それぞれ遊 端部にカムフォロア156,157が枢着されたカムレバー158,159が基 部を割締め固定されている。
【0090】 また、前述したように上記各駆動軸102,109には、フレーム61,62 側の前記吸口移動用上下カム106と吸口回動用送りカム113とにトーション バーのばね力でカムフォロア105,112を圧接させた上下レバー104と送 りレバー111とがそれぞれ軸着されている。
【0091】 また、反転胴65の切欠きのうちの他方の切欠き65c内にも切欠き65b内 と同じく中央部で2分割された上下レバー駆動軸102と、送りレバー駆動軸1 09とが互いに平行状態で軸架されていて、これら上下レバー駆動軸102と送 りレバー駆動軸109とには、遊端部にカムフォロア160,161がそれぞれ 枢着されたカムレバー162,163が基部を割締め固定されている。
【0092】 また、前述したように上記各駆動軸102,109には、フレーム61側の吸 口移動用上下カム106と吸口回動用送りカム113とにトーションバーのばね 力でカムフォロア105,112を圧接させた上下レバー104と送りレバー1 11とがそれぞれ軸着されている。
【0093】 同じく図10に図示された片方の切欠き65bの底面には、半円状に形成され て端面のカム面に前記カムフォロア156をそれぞれ対接させた一対の第1スト ップカム164が、正面視を矩形状に形成されたホルダ165で保持されて回動 自在に設けられており、また、同じく片方の切欠き65bの底面には、扇形に形 成されて端面のカム面に前記カムフォロア157を圧接させた一対の第2ストッ プカム166が、正面視を矩形状に形成されたホルダ167で保持されて回動自 在に支持されている。
【0094】 さらに図10では図示せず図11,図12では側面視を示す他方の切欠き65 c内にも、切欠き65b内のものと同構成のホルダ178,180,第2ストッ プカム177,第1ストップカム179,カムレバー162,163およびカム フォロア160,161等が設けられている。
【0095】 切欠き65b側のホルダ165と切欠き65c側のホルダ178とには、6角 頭付きの連結軸168が回動自在に軸支されており、この連結軸168には、切 欠き65b側に前記第1ストップカム164が固定され、切欠き65c側に前記 第2ストップカム177が固定されている。また、切欠き65b側のホルダ17 8と切欠き65C側のホルダ167とには、6角頭付きの連結軸169が回動自 在に軸支されており、この連結軸169には、切欠き65b側に前記第2ストッ プカム166が固定され、切欠き65c側に前記第2ストップカム179が固定 されている。
【0096】 両方の第1ストップカム164,179は互いに同一形状に形成されており、 図16において第1ストップカム164(179)は、前記連結軸168(16 9)が嵌合される孔164b(179b)が穿設されたボス部164a(179 a)と、カム面164d(179d),164e(179e),164f(17 9f)を備えたフランジ部164c(179c)とで構成されている。
【0097】 そして図16に示すように、、上記フランジ部164c(179c)を構成す るカム面は、高い水平面164f(179f)と、これより低い水平面164d (179d)と、これら高い水平面164f(179f)と低い水平面164d (179d)とを連結する上り,下りのゆるやかな傾斜面164e(179e) とで形成されている。
【0098】 このように構成されていることにより、第1ストップカム164(179)が 回動すると、カムフォロア156(161)が、トーションバー114のねじり ばね力に抗してカム面の水平面164dから傾斜面164e(179e)へ移動 してカムレバー158(163)を移動させる。
【0099】 さらに、第1ストップカム164(179)が回動すると、カムフォロア15 6(161)がカム面の水平面164f(179f)へ移動するので、カムレバ ー158(163)を介して送りレバー駆動軸が回動し、カムフォロア112が 送りカム113のカム面から離間して吸口129の回動装置が非作動の状態にな る。
【0100】 また、両方の第2ストップカム166,177は、互いに同一形状に形成され ており、図17に示すように、第2ストップカム166(177)は、前記連結 軸169(168)が嵌合される孔166b(177b)を有するボス部166 a(177a)と、カム面166d(177d),166e(177e),16 6f(177f)を備えたフランジ部166c(177c)とによって構成され ている。
【0101】 図17に示すように、上記フランジ部166c(177c)を構成するカム面 は、高い水平面166f(177f)と、これより低い水平面166d(179 d)と、これら高い水平面166f(177f)と低い水平面166d(177 d)とを連結する上り,下りのゆるやかな傾斜面166e(177e)とで形成 されている。
【0102】 このように構成されていることにより、第2ストップカム166(177)が 回動すると、カムフォロア160(157)が、トーションバー107のねじり ばね力に抗してカム面の水平面166f(177f)から傾斜面166e(17 7e)へ移動してカムレバー162(159)を移動させる。
【0103】 さらに、第2ストップカム166(177)が回動すると、カムフォロア16 0(157)がカム面の水平面166f(177f)へ移動するので、カムレバ ー162(159)を介して上下レバー駆動軸が回動し、カムフォロア105が 上下カム106のカム面から離間して吸口129の移動装置が非作動の状態にな る。
【0104】 このように第1ストップカム164,179と第2ストップカム166,17 7の傾斜面164e,179e,166e,177eの傾斜角度が小さく形成さ れているので、小さい力でこれらのストップカムをカムフォロア側の付勢力に抗 して容易に移動させることができる。
【0105】 また、連結軸168により反転胴65の一方の切欠き65b側からの操作によ り第1ストップカム164と第2ストップカム177とをいっせいに回動させる ことができ、反転胴65に設けられた2組の吸口129のうちの一方を非作動の 状態にすることができるとともに、連結軸169を反転胴65の他方の切欠き6 5c側から操作することにより他方の吸口129を非作動の状態にすることがで き、両面刷と片面刷との切替作業を小さい力で確実に実施することができる。
【0106】 以上のように構成されていることにより、両面刷から片面刷に切替える場合に は、圧胴63を含む上流側の胴群を反転胴65に対し紙150のほゞ天地方向の 長さだけ円周方向へ位相調節したのち、ピン174をその6角頭174bにスパ ナをかけて回動させると、ギア174a,173を介して爪台移動カム73が移 動する。
【0107】 また、ピン176をその6角頭176bにスパナをかけて回動させると、ギア 176a,175を介して爪台移動カム172が回動するので、反転胴65が回 転すると、反転爪100が、反転胴65と圧胴64との対接点から、反転胴65 と圧胴63との対接点へ移動する間に反転爪100が退避位置へ移動し、反転胴 65と圧胴63との対接点に達する前に反転爪100が作動位置へ移動するよう に反転爪100が作動し、片面刷時の紙の搬送に支障をきたすことがない。
【0108】 このあと、連結軸168,169をその6角頭にスパナをかけて回動操作する と、ストップカム164、166,177,179が回動してカムフォロア15 6,157,160,161に対応することによりこれらを押すので、駆動軸1 09,102が回動してカムフォロア112,105が、上下カム106のカム 面大径部と送りカム113のカム面大径部とのいずれよりも外側へ移動して反転 胴65が回転してもカムフォロア112,105がこれらのカム面に触れなくな るので、吸口129が回動したり移動したりすることがなく、反転胴65の周面 内側に没入した状態で静止する。したがって、吸口129の回動,移動系内の部 材を摩耗させたりすることがない。
【0109】 なお、前記実施例では、反転胴65に対接する上流側および下流側の胴として 圧胴63,64を例示したが、圧胴63,64に代えて渡し胴にしたり、あるい は、上流側の胴と下流側の胴とのいずれか一方を圧胴にして他方を渡し胴にした りしてもよい。
【0110】 さらに、本実施例では、紙保持装置をくわえ爪とその作動機構とで構成した例 を示したが、これに限定するものではなく、例えば紙尻保持部材と同じような吸 口129や紙を突き刺すピン、またはこれらを組合わせたものでもよい。
【0111】 また、紙尻保持装置は本実施例のように吸口に限定するものではなく、紙尻を ピンで突き刺して保持したり、くわえ爪でくわえて保持したり、あるいは吸口と くわえ爪とを併用したりしてもよい。
【0112】
【考案の効果】
以上の説明により明らかなように本考案によれば紙搬送方向に対する上流側の 胴と下流側の胴との間にこれら両胴と周面を対接させて配設された反転胴と、こ の反転胴に設けられ上流側の胴に巻付けられた紙の紙尻を保持してこの紙を反転 させながら下流側の胴へ受渡す反転機構とを備えた反転機構付枚葉輪転印刷機に おいて、上流側の胴に巻付けられた紙の紙尻を保持する紙尻保持装置と、この紙 尻保持装置で保持されて上流側の胴の周面から剥離される紙と上流側の胴の周面 との間へエアを吹き込むエア吹き装置を設けたことにより、両面刷における紙の 反転に際し、エア吹きノズルが反転胴とともに一体となって周回し、このエア吹 き装置のノズルから噴出するエアが、上流側の胴の周面とこの周面から剥離され る紙との間へ反転動作中終始確実に吹き込まれて紙が上流側胴の周面から確実に 剥離されるので、紙尻保持部材による紙の保持力が弱まって紙保持面から剥がさ れたり滑ったりするというようなことがなく、印刷物の品質が向上するとともに 紙落とし等の事故がなくなり、損紙の発生量が減少する。
【0113】 また、請求項2記載の考案においては、紙の剥離し易い最良のエア吹き方向を 選択することができるので、紙の剥離がさらに確実になって紙尻保持部材による 紙の保持力が維持され、印刷物の品質がさらに向上するとともに、紙落とし等の 事故による損紙の発生量が減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部を展開して示す反転胴の左半部の一部破断
正面図である。
【図2】一部を展開して示す反転胴の右半部の一部破断
正面図である。
【図3】図2の III−III 断面図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図2の V-V断面図である。
【図6】一部を展開して示す反転胴の左半部の一部破断
正面図である。
【図7】一部を展開して示す反転胴の右半部の一部破断
正面図である。
【図8】図6のVIII視側面図である
【図9】図7のIX視側面図である。
【図10】反転胴の平面図である。
【図11】図10のXI視側面図である。
【図12】紙保持用カム機構の動作を説明するために示
す反転胴の側面図である。
【図13】吸口の断面図である。
【図14】紙のくわえ替え動作を説明するために示す
爪,爪台,吸口の正面図である。
【図15】吸口と反転爪との動作を説明するために示す
反転胴近傍の側面図である。
【図16】ストップカムの斜視図である。
【図17】ストップカムの斜視図である。
【図18】エア吹き装置の平面図である。
【図19】エア吹き装置が設けられた反転胴と圧胴との
概要側面図である。
【図20】図19に示す状態から胴がわずかに回転した
状態で示す反転胴と圧胴との対接部の概要側面図であ
る。
【図21】従来の反転機構付枚葉輪転印刷機の片面刷状
態で示す胴配列図である。
【図22】従来の反転機構付枚葉輪転印刷機における圧
胴外周部の縦断面図である。
【図23】両面刷動作を説明するために示す従来の反転
機構付枚葉輪転印刷機の胴配列図である。
【図24】両面刷動作を説明するために示す従来の反転
機構付枚葉輪転印刷機の胴配列図である。
【図25】両面刷動作を説明するために示す従来の反転
機構付枚葉輪転印刷機の胴配列図である。
【符号の説明】
63 圧胴 64 圧胴 65 反転胴 80 爪台バー 81 爪台 90 爪軸 92 爪 98 爪 99 爪 100 反転爪 129 吸口 150 紙

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙搬送方向に対する上流側の胴と下流側
    の胴との間にこれら両胴と周面を対接させて配設された
    反転胴と、この反転胴に設けられ前記上流側の胴に巻付
    けられた紙の紙尻を保持してこの紙を反転させながら前
    記下流側の胴へ受渡す反転機構とを備えた反転機構付枚
    葉輪転印刷機において、前記上流側の胴に巻付けられた
    紙の紙尻を保持する紙尻保持装置と、この紙尻保持装置
    で保持されて前記上流側の胴の周面から剥離される紙と
    前記上流側の胴の周面との間へエアを吹き込むエア吹き
    装置を設けたことを特徴とする反転機構付枚葉輪転印刷
    機。
  2. 【請求項2】エア吹き装置からのエアの吹き出し方向を
    調整する調整装置を設けたことを特徴とする請求項1記
    載の反転機構付枚葉輪転印刷機。
JP1993052265U 1993-09-02 1993-09-02 反転機構付枚葉輪転印刷機 Expired - Lifetime JP2590231Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4987476A (ja) * 1972-12-26 1974-08-21
JP2006181713A (ja) * 2004-12-01 2006-07-13 Komori Corp 反転機構付枚葉輪転印刷機

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JP4559208B2 (ja) * 2004-12-01 2010-10-06 株式会社小森コーポレーション 反転機構付枚葉輪転印刷機

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