JPH0717508A

JPH0717508A - ガスバリア性包装体

Info

Publication number: JPH0717508A
Application number: JP15950293A
Authority: JP
Inventors: Asami Takada; 麻美高田; Yuichi Mizukami; 勇一水上; Akiko Numata; 章子沼田; Taiji Sekiyama; 泰司関山
Original assignee: Green Cross Corp Japan
Current assignee: Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
Priority date: 1993-06-29
Filing date: 1993-06-29
Publication date: 1995-01-20

Abstract

(57)【要約】【構成】揮発性または外気との接触によって効果を発
揮する物質を封入するために少なくとも長手方向に列状
に配列された、複数個の室１を有するガスバリア性フィ
ルムよりなる包装体Ｈであって、当該室１は外気と遮断
されており、且つ狭窄部１１が形成され、当該狭窄部１
１は、包装体Ｈを当該狭窄部１１を横切って切断して当
該室１内と外気とを連通させた場合に、封入されている
物質が切断部を通過できないように形成されたものであ
り、望ましくは封入される物質が、マット状物に担持あ
るいは通気性の内袋で包装されてなるものである。【効果】例えばＡＩＴや鉄粉等を封入した包装体を抗
菌剤、保存剤等として食品等に収納する際の作業効率を
向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリア性包装体に
関し、詳しくは揮発性または外気との接触によって効果
を発揮する物質を封入するためのガスバリア性包装体に
関する。

【０００２】

【従来の技術・発明が解決しようとする課題】ワサビの
成分であるイソチオシアン酸アリル（以下、ＡＩＴと称
す）は、優れた殺菌、防菌および防黴作用や、さらに生
鮮食品の鮮度保持作用（特開昭６２−１６６８３８号公
報参照）を有することが知られており、食品産業分野で
抗菌剤、保存剤等として使用されている。このＡＩＴは
油状の揮発性物質であり、気体の状態で高い抗菌効果を
奏するものである。また、鉄粉は、酸素を吸着する性質
を有するため、脱酸素剤ひいては防腐剤として使用され
ている。

【０００３】例えばＡＩＴは、マット状物に担持させた
態様（マット担持物）にて市販弁当等食品の抗菌剤とし
て使用することが行われているが、本発明者らはその際
次の如き条件を満たすことが要望されるであろうことに
着目した。マット担持物を外気と遮断した状態で安定に保持して
おき、用時において初めて外気と接触させるような包装
体に収納すること。当該包装体は、機械的、連続的にマット担持物を弁当
に収納することができる形態であること。その際、効率よく弁当への収納が行えること。本発明の目的は、上記のような条件を満たす包装体を提
供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明、即
ち揮発性または外気との接触によって効果を発揮する物
質を封入するために少なくとも長手方向に列状に配列さ
れた、複数個の室を有するガスバリア性フィルムよりな
る包装体であって、当該室は外気と遮断されており、且
つ狭窄部が形成され、当該狭窄部は、包装体を当該狭窄
部を横切って切断して当該室と外気とを連通させた場合
に、封入されている物質が切断部を通過できないように
形成されたものであるガスバリア性包装体によって解決
される。

【０００５】本発明の包装体に包装される物質は、揮発
性物質または外気との接触によって効果を発揮する物質
である。揮発性物質としては、例えばＡＩＴ、エチルア
ルコール等が例示される。外気との接触によって効果を
発揮する物質としては、鉄粉〔例えば、エイジレス（商
品名、三菱ガス化学社製）〕、シリカゲル、活性炭等が
例示される。

【０００６】これらの物質は、包装体を狭窄部において
切断した際に、該物質が包装体とともに切断されたり、
外部に脱落したりすることを防ぐため、該狭窄部を通過
できないような態様とすることが必要である。このた
め、当該物質が一定の形状および大きさを有する固形状
物質であれば、そのままで、あるいは狭窄部を通過し得
ない形状および大きさに成形して使用する。一方、当該
物質が流動性の物質である場合は、適当な担体に担持さ
せるか、あるいは適当な通気性の内袋で包装して使用す
る。

【０００７】上記固形状物質、担体および内袋の形状は
平板状とすることが好ましい。特に、ＡＩＴ等の液状物
質は、マット状担体に担持させることが好ましい。担体
としては、木材パルプ、リンターパルプまたはそれらの
複合物よりなる繊維質担体等が使用できる。また、鉄粉
等の粉末状物質は、十分な通気性を有し、かつ粉末状物
質が漏出し得ない内袋で包装することが好ましい。この
ような内袋としては、不織布、合成紙等が挙げられる。

【０００８】ガスバリア性フィルムの材料および厚さ
は、ガス状物を遮蔽することが可能なものであれば特に
限定されるものではないが、容易に封止することがで
き、また使用時に機械によって容易に切断することが可
能なものが好ましい。このようなフィルムとしては、例
えば塩化ビニリデンコートポリプロピレン、塩化ビニリ
デンコートナイロン、エバール、ポリエチレンテレフタ
レート、金属箔（例えば、アルミニウム箔）等が挙げら
れ、なかでもポリエチレンテレフタレートが好ましく、
またその厚さは１０〜５０μｍ、好ましくは２０〜３０
μｍが好適である。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を示しより具体的に説
明する。図１は、本発明のガスバリア性包装体の一実施
例を示す模式図である。同図に示されたガスバリア性包
装体Ｈは、複数個の室１が長手方向に列状に配列され、
各室１は開口用の狭窄部１１を有するように形成されて
いる。室１内には内包物２が封入されている。この例で
は、内包物２は四角形平板である。

【００１０】本発明のガスバリア性包装体は、上記狭窄
部１１を通過して切断して室１を開口することにより室
１の内包物２を外気と接触させることができる。上記狭
窄部１１を開口する際には、該狭窄部１１を通過して包
装体Ｈの幅方向（以下、単に幅方向という。例えば、図
１（ａ）に示すＡ−Ａ線、Ｂ−Ｂ線）に沿って包装体Ｈ
を切断するようにする。この狭窄部１１の幅は、室１の
内包物２の幅よりも小さく形成するようにする。これに
より、室１内の内包物２が狭窄部１１を通って隣室に移
動すること、および包装体Ｈの切断時にこの内包物２が
切断されたり、外部に脱落することが防止される。

【００１１】かかるガスバリア性包装体は、例えば２枚
のガスバリア性フィルムを重ね、あるいは１枚のガスバ
リア性フィルムを折り返し、室１を残して封止すること
（例えば、室に対応する金型を使用して溶着させるこ
と）により作製される。

【００１２】図１（ｂ）に示すように、上記狭窄部１１
は、隣の室１と連通しないように形成することが好まし
い。かくして、各々の室１は相互に隔離されているの
で、例え１個の室を開口しても他室の内包物２は外気と
接触することがない。かくして、包装体Ｈの使用を中断
した際に、次の使用時まで残りの全室の内包物２の効力
を保持したまま保存することかできる。

【００１３】また、上記狭窄部１１は、図２に示すよう
に、幅方向に２以上が並置されるように形成すると、開
口した際に室１内の内包物２が効率よく外気と接触でき
る。

【００１４】また図３に示すように、相隣合う室１の互
いに対向する部位に狭窄部１１ａおよび１１ｂを、それ
ぞれが幅方向の線、例えばＡ−Ａ線を越えて延びるよう
に形成すると、該Ａ−Ａ線にて包装体を切断することに
より狭窄部１１ａおよび１１ｂが同時に開口し、各室１
の内包物２が効率よく外気と接触できる。

【００１５】なお、上記狭窄部１１ａおよび１１ｂは、
図３（ｂ）に示すようなテーパ状とすると、ガスバリア
性包装体Ｈの作製においてフィルムを封止する際に、例
えば図３（ｂ）に示すＸ−Ｘ線部において封止するだけ
でよくなり、図３（ａ）に示すような包装体Ｈに比して
その製造が容易となり、また、狭窄部１１ａおよび１１
ｂを開口させた際に該開口部が包装体Ｈの厚さ方向に大
きく開き易いため、内包物２が効率よく外気と接触でき
る。

【００１６】さらに、図４（ａ）に示すように、室１
が、長手方向に列状に配列されていると共に、その中央
部で包装体Ｈの幅方向に２分され、これら２分された各
々の室１ｃおよび１ｄのそれぞれが、互いに対向する部
位に狭窄部１１ｃおよび１１ｄを有し、該狭窄部がそれ
ぞれ長さ方向の同一の線、例えばＤ−Ｄ線を越えて延び
るように形成された構成とすることもできる。この構成
においては、使用時に例えばＥ−Ｅ線およびＥ’−Ｅ’
線で包装体を切断した後に上記Ｄ−Ｄ線で包装体を切断
することにより狭窄部１１ｃおよび１１ｄが同時に開口
する。この構成によれば、室１ｃおよび１ｄに２種類の
異なる物質を封入することができ、組み合わせて使用す
ることが有効な２種類の物質を使用する場合等に好適で
ある。例えば、前記ＡＩＴを室１ｃに、鉄粉を室１ｄに
それぞれ封入するといった使用が可能である。

【００１７】なおこの場合、上記図３の場合と同様に、
狭窄部１１ｃおよび１１ｄを、図４（ｂ）に示すような
テーパ状とすることもできる。

【００１８】なお、上記のいずれの実施例においても、
切断を意図する部分に予め脆弱部を設けておくことによ
って、手作業時の切断効率を向上させることができる。
この脆弱部は、例えば図５に示すようなミシン目Ｍをフ
ィルムに入れること等により形成することができる。上
記ミシン目Ｍは、図５に示すように、狭窄部１１を通過
する幅方向の線上に、通常の手段にて形成すればよい
が、このミシン目は上記線上におけるフィルムの封止部
のみに入れ、狭窄部１１には入れないようにする。

【００１９】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の包装体
は、各室を狭窄部を有する形状に形成し、この狭窄部を
通過して包装体を切断し開口するようにしたものである
ので、室の内包物を切断したり脱落させたりすることな
く室を開口することが可能である。また、上記のような
狭窄部の開口により室内の内包物を外気と接触させるよ
うにしたので、フィルムを通気性のものとする必要がな
く、包装体をガスバリア性のフィルムにより構成でき
て、上記室内の内包物を使用時まで外気を遮断した状態
に保持することができる。したがって、例えばＡＩＴや
鉄粉等を封入した包装体を抗菌剤、保存剤等として食品
等に収納する際の作業効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すガスバリア性包装体の
模式上面図である。

【図２】本発明の他の実施例を示すガスバリア性包装体
の模式上面図である。

【図３】本発明の他の実施例を示すガスバリア性包装体
の模式上面図である。

【図４】本発明の他の実施例を示すガスバリア性包装体
の模式上面図である。

【図５】本発明のガスバリア性包装体にミシン目を入れ
た態様を示す模式図である。

【符号の説明】

１室１１狭窄部２内包物Ｈガスバリア性包装体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者関山泰司大阪府大阪市城東区中央１丁目１番47号株式会社ミドリ十字城東分室内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】揮発性または外気との接触によって効果
を発揮する物質を封入するために少なくとも長手方向に
列状に配列された、複数個の室を有するガスバリア性フ
ィルムよりなる包装体であって、当該室は外気と遮断さ
れており、且つ狭窄部が形成され、当該狭窄部は、包装
体を当該狭窄部を横切って切断して当該室内と外気とを
連通させた場合に、封入されている物質が切断部を通過
できないように形成されたものであるガスバリア性包装
体。
【請求項２】封入される物質が、マット状物に担持あ
るいは通気性の内袋で包装されてなる請求項１記載のガ
スバリア性包装体。