JPH0717441Y2 - バンドソー加工における倣いガイド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、木材合板等の板状のワークを、バンドソーで
倣いゲージを用いて鋸引き加工する場合における倣いガ
イド装置に関するものである。

［従来の技術］ 一般に、バンドソーで木材合板等の板状のワークを非直
線の切断線に沿って鋸引きする場合には、その切断線に
対応して形成された倣いゲージが用いられ、この倣いゲ
ージをバンドソーのテーブル上に設けられたカムフォロ
ア等に係合させて誘導することにより、前記ワークを所
定の切断曲線に沿って鋸引き出来るようにしてある。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のような倣いゲージによるワークの鋸引き加工にお
いては、加工中に鋸刃に掛かる抵抗力のため鋸刃がぶれ
て加工精度の低下を来すことがある。このような欠点を
防止するために、従来例えば第６図に示すように鋸刃ａ
の背側にガイド部材ｂを上下に配設し、このガイド部材
で鋸背部分を保護して刃ぶれを防ぐようにしたものがあ
る。

このようなガイド部材は、ワークｃを挟んでその近くに
設けるのが望ましいが、そのワークｃが平板ではなく曲
面板である場合には、そのガイド部材ｂにぶつかる危険
があり、このためガイド部材ｂをワークｃからかなり離
して設置しなければならなくなり、鋸刃ａに対するガイ
ド部材ｂの保護力が低下する不都合が生じる。また、鋸
刃ａは常に切断線ｄに向くようにしてあるが、曲線部分
においては第７図に示すように、前記ガイド部材ｂによ
る規制力と、ワークの曲線部ｅによる規制力とが干渉し
て、鋸刃ａが折れたり或はガイド部材ｂから外れる等の
事態が生じることがある。

本考案は、このような従来の問題点を解決するためにな
され、曲面板等の板状ワークを所定の切断曲線に沿っ
て、倣いゲージを用いてバンドソーで鋸引き加工する際
に、その鋸刃のぶれを防止出来、かつ高精度の切断加工
が出来るようにした倣いガイド装置を提供することを技
術的課題としたものである。

［課題を解決するための手段］ この技術的課題を解決するための手段として、本考案
は、バンドソーのテーブル面にカムフォロアが取り付け
られ、このカムフォロアに倣いゲージを係合させて誘導
することにより、板状のワークを所定の切断線に沿って
鋸引き加工する装置において、前記倣いゲージに前記板
状のワークを固定した倣いガイドが取り付けられ、この
倣いガイドは前記バンドソーの刃幅とほぼ同じ幅を有す
るガイド用のスリットが、前記切断線に関連させて設け
られた構成を要旨とするものである。

［作用］ 前記倣いガイドは、倣いゲージの誘導に伴って一緒に動
き、前記バンドソーの鋸刃はその刃幅とほぼ同じ幅を有
する倣いガイドのスリットを通ってガイドされるので、
切断曲線部においても刃ぶれが生じることはなく、例え
ワークが曲面板であっても鋸刃が折れたり或はガイド部
材から外れる等の事故は未然に防止され、かつ高精度の
切断加工をすることが出来る。

［実施例］ 以下、図示の実施例により本考案を更に詳しく説明す
る。

第１図において、１はバンドソーにおけるテーブルであ
り、その切欠き部1aを鋸刃２が紙面に対して垂直方向に
走行するようにしてあり、テーブルの上面の要所には複
数個のカムフォロア３が取り付けられている。４は倣い
ゲージであり、第５図に示すような曲面板状のワーク５
の切断曲線5aに対応して設けられ、前記カムフォロア３
に係合しながら誘導されて、その始端部4aから終端部4b
迄移動出来るようになっている。第２図に示すのは、本
考案に係る倣いガイド６であり、前記ワーク５の切断曲
線と同一の形状を有する曲線であって、しかも第３図の
ように前記鋸刃２の刃幅とほぼ同じ幅Ｗのスリット6aが
形成され、かつこのスリットの対向内癖面は前記鋸刃２
で傷付かないように硬質材で形成されている。また、倣
いガイド６の上面は前記ワーク５の曲面形状に合わせて
形成され、かつ段部6bが形成されると共に前記スリット
6aの両端部が段部の端面側迄延長して形成されている。

本考案に係る倣い装置は上記のように構成され、第４図
に示すように前記倣いガイド６は、前記倣いゲージ４の
上に位置決め固定され、この倣いガイドの上には前記曲
面板状のワーク５を、その切断曲線5aが前記スリット6a
の中央ラインを通るように合わせて固定し、倣いゲージ
４を前記カムフォロア３に係合させて前記始端部4aから
終端部4bまで誘導させることによって鋸引き作業をする
ことが出来る。即ち、倣いゲージ４の始端部ａをカムフ
ォロア３に係合させると、鋸刃２が倣いガイド６のスリ
ット6aの端部6cに嵌り込み、引き続いて倣いゲージ４を
前記テーブル１面を滑らすようにして静かに誘導させる
と、鋸刃２がスリット6aの内部をそのスリットに沿って
案内されるので、前記ワーク５を切断曲線5aに沿って鋸
引きすることが出来るのである。第１図に示すのは、切
断曲線5aの全長の約2/3まで進んだ時の状態であり、そ
の後鋸刃２は残りの部分を切断すると共に、切断後には
スリット6aの終端部6dから外部に抜け出ることになる。
つまり、ワーク５の鋸引き作業が完了することになる。

この鋸引き作業において、鋸刃２は最初から最後まで倣
いガイド６のスリット6a内を通り、しかもそのスリット
の幅Ｗは前記のように鋸刃２の刃幅とほぼ同一寸法に形
成されているので、加工中鋸刃に切削抵抗が掛かっても
或は切断曲線のカーブに至っても刃ぶれが生じることは
なく、これにより極めて高精度にワーク５を切断加工す
ることが出来る。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、倣いガイドを倣
いゲージの誘導に伴って一緒に動かし、バンドソーの鋸
刃とほぼ同じ幅を有するスリットに沿って鋸刃をガイド
するように構成したので、ワークの切断曲線部全長に亙
って刃ぶれが生じることはなく、曲面板であっても鋸刃
が折れたり或はガイド部材から外れる等の事故を未然に
防止することが出来、かつ極めて高精度の切断加工が出
来る等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す要部の平面図、第２図は
倣いガイドの平面図、第３図は倣いガイドのスリットと
鋸刃との関係を示す平面図、第４図は使用状態を示す側
面図、第５図はワークを示すもので、（イ）は平面図、
（ロ）は側面図、第６図は従来例の要部を示すもので、
（イ）は平面図、（ロ）は正面図、第７図は従来例にお
ける鋸刃の状態を示す説明図である。 １……テーブル、1a……切欠き部 ２……鋸刃、３……カムフォロア ４……倣いゲージ、4a……始端部 4b……終端部、５……ワーク 5a……切断曲線、６……倣いガイド 6a……スリット、6b……段部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】バンドソーのテーブル面にカムフォロアが
   取り付けられ、このカムフォロアに倣いゲージを係合さ
   せて誘導することにより、板状のワークを所定の切断線
   に沿って鋸引き加工する装置において、前記倣いゲージ
   に前記板状のワークを固定した倣いガイドが取り付けら
   れ、この倣いガイドは前記バンドソーの刃幅とほぼ同じ
   幅を有するガイド用のスリットが、前記切断線に関連さ
   せて設けられたことを特徴とするバンドソー加工におけ
   る倣いガイド装置。