JPH07173984A - 穿孔装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転駆動手段（オーガーマシン）として、構
造的にさほど強固で且つ高トルクのものを使用しなくと
も、衝撃穿孔具の穿孔ビットによる打撃の反力に起因す
る回転駆動手段（オーガーマシン）の故障を防止できる
穿孔装置を提供する。 【構成】 ガイド６に沿って昇降可能な回転駆動手段８
に、回転方向ならびに回転軸線方向の衝撃緩衝機能を備
えた継手１１を介してオーガスクリュー１０を連結し、
当該オーガスクリュー１０の下部側に、下端部に穿孔ビ
ット１６が装備されたハンマー本体１７と当該ハンマー
本体１７を穿孔方向に衝撃的に往復駆動させる駆動手段
２０とをスリーブ２１に内蔵し且つスリーブ２１の外面
に排土スクリュー２２を設けて成る回転排土式の衝撃穿
孔具１２を連結している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば場所打ち杭など
の構築に際して用いられる地中孔掘削用の穿孔装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】地中孔の掘削に用いられる穿孔装置とし
て、例えばクローラ式の自走車体に立設されたガイドに
沿わせて、それぞれ昇降可能に２台の回転駆動手段を設
けると共に、上部側の回転駆動手段（オーガーマシン）
にオーガスクリューを連結し、かつ、このオーガスクリ
ューの下端に掘削ビットを取り付ける一方、このオーガ
スクリューを内装するケーシングを下部側の回転駆動手
段（ケーシングオーガーマシン）に連結し、これらオー
ガスクリューとケーシングとを回転させつつ地中に押し
込むことによって、地中孔の掘削と排土とを同時に行わ
せるようにしたものがある。

【０００３】ところで、掘削すべき地中に転石や岩盤な
どの硬質の障害物が存すると、通常の掘削ビットでは歯
が立たないことから、その際には、硬質の障害物が現れ
る度にオーガスクリューを引き抜いて、掘削ビットを障
害物の破砕に適した岩盤用の掘削ビットに交換し、所定
深さの地中孔を掘削するようにしている。しかし、これ
による場合は、掘削ビットの交換に多くの手間と時間を
要する上に、ビットの損耗が激しいという問題があっ
た。

【０００４】このため、近年では、大型の削岩機（下端
部に穿孔ビットが装備されたハンマー本体と当該ハンマ
ー本体を穿孔方向に衝撃的に往復駆動させる駆動手段と
をスリーブに内蔵し、スリーブの外面に排土スクリュー
を設けて成る回転排土式の衝撃穿孔具）を、オーガスク
リューの下部側に連結した穿孔装置が使用されることが
多い。

【０００５】上記の穿孔装置を用いれば、ハンマー本体
ひいては穿孔ビットを衝撃的に穿孔方向に往復駆動させ
ることで、硬質の障害物であってもこれを容易に破砕で
き、しかも、スリーブの外面に排土スクリューを備えさ
せているので、オーガスクリュー下部側へのスライム
（掘削土や破砕石など）の排土機能があり、オーガスク
リューと相まって排土処理を容易に行えるといった利点
が得られる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記穿孔装置では、衝撃穿孔具がオーガスクリューの下
部側に直結されているために、衝撃穿孔具を掘削回転さ
せつつハンマー本体を往復駆動させて、障害物を穿孔ビ
ットで打撃破砕する際、その打撃の度ごとに強大な打撃
反力が衝撃穿孔具からスクリュー軸を通して回転駆動手
段（オーガーマシン）に伝達され、同時に、打撃時に穿
孔ビットが障害物に食い込んで、穿孔ビットひいては衝
撃穿孔具が瞬時、その回転を停止することから、駆動回
転方向とは逆方向の強大な捩じれの反力もスクリュー軸
を通して上記回転駆動手段に伝達され、このように軸線
方向と捩じれの過大な負荷が回転駆動手段にかゝること
から、回転駆動手段が故障しやすく、回転駆動手段とし
て、構造的に強固で且つ高トルクのものを必要とすると
いう問題があったのである。

【０００７】本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、回転駆動手段（オーガーマシン）として、
構造的にさほど強固で且つ高トルクのものを使用しなく
とも、衝撃穿孔具の穿孔ビットによる打撃の反力に起因
する回転駆動手段の故障を防止できるようにした穿孔装
置を提供せんとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明による穿孔装置では、ガイドに沿って昇降可
能な回転駆動手段に、回転方向ならびに回転軸線方向の
衝撃緩衝機能を備えた継手を介してオーガスクリューを
連結し、当該オーガスクリューの下部側に、下端部に穿
孔ビットが装備されたハンマー本体と当該ハンマー本体
を穿孔方向に衝撃的に往復駆動させる駆動手段とをスリ
ーブに内蔵し且つスリーブの外面に排土スクリューを設
けて成る回転排土式の衝撃穿孔具を連結した点に特徴が
ある。

【０００９】

【作用】上記の構成によれば、衝撃穿孔具の穿孔ビット
による障害物の打撃破砕に伴う軸線方向と捩じれ方向の
反力が、それぞれ継手に備えさせた衝撃緩衝機能部を介
して間接的に回転駆動手段に伝達されることになり、回
転駆動手段には障害物打撃時の過大な負荷がかゝらなく
なる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は自走タイプに構成した穿孔装置を示し、ク
ローラ式の走行手段１とアウトリガー２とを備えた自走
車体３に旋回台４を設け、この旋回台４に対してオペレ
ーター室５の前部側に、上下方向のガイド６を備えた支
柱７を立設すると共に、前記ガイド６に、それぞれ昇降
可能に２台の回転駆動手段８，９を設けている。

【００１１】そして、上部側の回転駆動手段（オーガー
マシン）８に継手１１を介してオーガスクリュー１０を
連結すると共に、このオーガスクリュー１０の下部側に
衝撃穿孔具１２を連結する一方、下端に掘削爪１３を備
え且つ外面にスクリュー１４を設けたケーシング１５を
下部側の回転駆動手段（ケーシングオーガーマシン）９
に連結し、このケーシング１５に前記オーガスクリュー
１０と衝撃穿孔具１２とを内装させている。

【００１２】上記の衝撃穿孔具１２は、図２に示すよう
に、下端部に穿孔ビット１６を連設したハンマー本体１
７と、このハンマー本体１７を穿孔方向に衝撃的に往復
駆動させる駆動手段（スプリング１８と高圧エアの切り
換え供給によってハンマー本体１７を打撃するピストン
１９とから成る。）２０とを、前記穿孔ビット１６を下
方に突出させる状態でスリーブ２１に内蔵すると共に、
このスリーブ２１の外面に排土スクリュー２２を設けて
構成したものである。

【００１３】尚、この衝撃穿孔具１２は、穿孔ビット１
６を下方に突出させる状態でケーシング１５に内装され
るもので、穿孔ビット１６には高圧エアの吹き出し孔ａ
が形成されている。また、図示の実施例では、穿孔ビッ
ト１６の掘削有効径がケーシング１５外面のスクリュー
１４の外径よりもやゝ大に設定されている。

【００１４】次に、前記継手１１の具体構造について説
明すると、この継手１１は、図３，４に示すように、前
記回転駆動手段（オーガーマシン）８側の回転軸２３
と、オーガスクリュー１０の回転軸２４の上端部とに連
結される中空の連結部材２５，２６に、それぞれ円形の
フランジ２７，２８を設けると共に、下部側のフランジ
２８を囲うようにして上部側フランジ２７の外周部にリ
ング２９を設け、かつ、このリング２９の下端側に、前
記他方のフランジ２８に蓋をする状態にリング状のフラ
ンジ３０を連設している。

【００１５】この上部側のフランジ２７にリング２９を
介してリング状のフランジ３０を連設するに先立って、
前記フランジ２７，２８，３０のそれぞれに、オーガス
クリュー１０の回転軸線まわりで複数個（４個を図示し
ている。）の貫通孔３１，３２，３３を同芯状に形成す
ると共に、この内の中間フランジ２８の貫通孔３２の内
部には、頂部に角形部ｂを連設した断面形状が山形の隆
状部３４を形成し、かつ、この隆状部３４による孔径
を、上下のフランジ２７，３０に形成する互いに同径の
貫通孔３１，３３よりも大径に設定している。

【００１６】そして、この貫通孔３２に、前記互いに同
径の貫通孔３１，３３に密嵌されるシャフト３５を挿通
させて、このシャフト３５の両側に、例えばゴム製のＯ
リングから成る弾性体３６と上下のフランジ２７，３０
とを嵌合させ、かつ、前記弾性体３６を隆状部３４の上
下両側に嵌め込むと共に、この弾性体３６を強圧させる
ようにシャフト端部の雄ねじ部ｃにナット３７を螺合さ
せ、必要に応じて前記ナット３７と雄ねじ部ｄとにわた
ってノックピンｄを打設して、フランジの三者２７，２
８，３０を一体化させている。

【００１７】そして更に、一端側にフランジを連設した
パイプ３８を、前記連結部材２５，２６の中空部にわた
ってカシメ止めして、図示しない高圧エア供給管の供給
路を構成した上で、前記上部側のフランジ２７にリング
２９を介してフランジ３０を連設しているのであり、か
ゝる構成の継手１１によれば、オーガスクリュー１０側
の上下のフランジ２７，３０間で、かつ、このフランジ
２７，３０に連設のシャフト３５と衝撃穿孔具１２側の
フランジ２８の貫通孔３２との間に、弾性体３６を位置
させたことで、この継手１１は、衝撃穿孔具１２の回転
方向の衝撃緩衝機能をシャフト３５と貫通孔３２との間
に持ち、衝撃穿孔具１２の回転軸線方向の衝撃緩衝機能
をフランジ２７，２８，３０の三者間に持つことにな
る。

【００１８】上記の構成より成る穿孔装置によれば、ケ
ーシング１５よりも衝撃穿孔具１２をやゝ先行させる状
態で、この衝撃穿孔具１２を連結したオーガスクリュー
１０とケーシング１５とを回転させつつ地中に押し込む
ことによって、地中に転石や岩盤などの硬質の障害物が
あっても、ハンマー本体１７ひいては穿孔ビット１６が
衝撃的に穿孔方向に往復駆動されることにより、穿孔ビ
ット１６によって硬質の障害物が打撃破砕され、その掘
削土が排土スクリュー２２によって上方に持ち上げられ
て、次いで、オーガスクリュー１０によって地上に排土
されることになる。

【００１９】この硬質障害物の打撃破砕に際して、従来
装置では、穿孔ビット１６が障害物を繰り返し打撃する
度に、強大な打撃の反力と捩じれの反力が衝撃穿孔具１
２にかゝって、これらが回転軸２４，２３を通して回転
駆動手段８に伝達されることは既述した通りである。

【００２０】しかし、本発明では、回転駆動手段（オー
ガーマシン）８側の回転軸２３と、オーガスクリュー１
０の回転軸２４とを連結する継手１１に、衝撃穿孔具１
２の回転方向ならびに回転軸線方向の衝撃を緩衝する機
能を持たせているので、軸線方向と捩じれ方向の反力が
緩衝されて間接的に回転駆動手段８に伝達されることに
なり、回転駆動手段８には障害物打撃時の過大な負荷が
衝撃的にかゝらなくなる。従って、回転駆動手段８とし
て、構造的にさほど強固で且つ高トルクのものを使用し
なくとも、衝撃穿孔具１２の穿孔ビット１６による打撃
の反力に起因する回転駆動手段８の故障を防止できる。

【００２１】尚、図示の実施例では、穿孔ビット１６の
掘削有効径をケーシング１５外面のスクリュー１４の外
径よりもやゝ大に設定したが、穿孔ビット１６の掘削有
効径を、ケーシング１５の内径よりも小さく設定しても
よい。この場合、衝撃穿孔具１２よりもケーシング１５
をやゝ先行させる状態で、この衝撃穿孔具１２を連結し
たオーガスクリュー１０とケーシング１５とを回転させ
つつ地中に押し込むようにしてもよく、先の実施例と同
じように、ケーシング１５よりも衝撃穿孔具１２をやゝ
先行させる状態で、掘削を行うようにしてもよい。図示
しないが、ケーシング１５を使用せず、衝撃穿孔具１２
とオーガスクリュー１０だけで地中孔を掘削するように
して実施することも可能である。継手１１は、衝撃穿孔
具１２よりも上方の位置であれば、例えば、衝撃穿孔具
１２とオーガスクリュー１０との間やオーガスクリュー
１０とその上端に継ぎ足された回転軸２４との間など、
どの位置に介装してもよいが、継手１１への泥土の付着
を防止し且つ排土スクリュー２２やオーガスクリュー１
０による排土の妨げとならないようにするためには、回
転駆動手段８に近い位置に介装することが望ましい。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
転方向ならびに回転軸線方向の衝撃緩衝機能を継手に具
備させて、この特殊な継手を介してオーガスクリューを
回転駆動手段に連結し、オーガスクリューの下部側に連
結した衝撃穿孔具の穿孔ビットによる打撃の反力を直接
的に回転駆動手段に伝達させないようにしたことで、回
転駆動手段を構造的にさほど強固で且つ高トルクのもの
を使用しなくても、衝撃穿孔具の穿孔ビットによる打撃
の反力に起因する回転駆動手段の故障を防止できるに至
ったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による穿孔装置の全体図であ
る。

【図２】衝撃穿孔具の断面図である。

【図３】継手の断面図である。

【図４】継手の分解断面図である。

【符号の説明】

６…ガイド、８…回転駆動手段、１０…オーガスクリュ
ー、１１…継手、１２…衝撃穿孔具、１６…穿孔ビッ
ト、１７…ハンマー本体、２０…往復駆動手段、２１…
スリーブ、２２…排土スクリュー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイドに沿って昇降可能な回転駆動手段
   に、回転方向ならびに回転軸線方向の衝撃緩衝機能を備
   えた継手を介してオーガスクリューを連結し、当該オー
   ガスクリューの下部側に、下端部に穿孔ビットが装備さ
   れたハンマー本体と当該ハンマー本体を穿孔方向に衝撃
   的に往復駆動させる駆動手段とをスリーブに内蔵し且つ
   スリーブの外面に排土スクリューを設けて成る回転排土
   式の衝撃穿孔具を連結したことを特徴とする穿孔装置。