JPH0717376B2 - 球状二酸化チタン粉末の製造方法 - Google Patents
球状二酸化チタン粉末の製造方法Info
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- JPH0717376B2 JPH0717376B2 JP14827286A JP14827286A JPH0717376B2 JP H0717376 B2 JPH0717376 B2 JP H0717376B2 JP 14827286 A JP14827286 A JP 14827286A JP 14827286 A JP14827286 A JP 14827286A JP H0717376 B2 JPH0717376 B2 JP H0717376B2
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- titanium dioxide
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Description
【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は充填剤として最適な粒度を有し、かつ球状の二
酸化チタン(以下、酸化チタンという)粉末を製造する
方法に関する。
酸化チタン(以下、酸化チタンという)粉末を製造する
方法に関する。
[従来技術と問題点] 酸化チタンは屈折率が高く、白色度、隠蔽力、着色力に
優れ、主に塗料、プラスチック等の白色顔料として用い
られているが、物理的および化学的安定性に優れている
ので、近年、上記顔料の分野に留まらず、半導体封止材
の充填剤等の電子材料としても注目されている。
優れ、主に塗料、プラスチック等の白色顔料として用い
られているが、物理的および化学的安定性に優れている
ので、近年、上記顔料の分野に留まらず、半導体封止材
の充填剤等の電子材料としても注目されている。
従来、酸化チタンの製造法には硫酸法と塩素法とが知ら
れており、硫酸法では、硫酸チタンや塩基性硫酸チタン
を中和または熱加水分解することにより酸化チタン水和
物の沈澱を生成させ、これを別、乾燥、焼成して酸化
チタン粉末を得ている。また塩素法では、四塩化チタン
の酸化分解あるいは四塩化チタン水溶液を高温加水分解
して酸化チタンの一次水和物を沈澱させて、これを別
し、乾燥、焼成することにより酸化チタン粉末を得てい
る。
れており、硫酸法では、硫酸チタンや塩基性硫酸チタン
を中和または熱加水分解することにより酸化チタン水和
物の沈澱を生成させ、これを別、乾燥、焼成して酸化
チタン粉末を得ている。また塩素法では、四塩化チタン
の酸化分解あるいは四塩化チタン水溶液を高温加水分解
して酸化チタンの一次水和物を沈澱させて、これを別
し、乾燥、焼成することにより酸化チタン粉末を得てい
る。
ところで、上記従来の製造法によって得られる酸化チタ
ン粉末は粒子径が0.1〜0.5μmであり非常に微細であ
る。このため顔料としては優れた特質を有するが、充填
剤として用いる場合には粒子が細かすぎ、樹脂に多量に
混入すると可撓性が失われて樹脂が脆くなるなどの問題
がある。
ン粉末は粒子径が0.1〜0.5μmであり非常に微細であ
る。このため顔料としては優れた特質を有するが、充填
剤として用いる場合には粒子が細かすぎ、樹脂に多量に
混入すると可撓性が失われて樹脂が脆くなるなどの問題
がある。
[問題解決についての知見] 本発明者は、四塩化チタン水溶液を熱加水分解する際、
特定配合比の水溶液を、高温下で加水分解することによ
り、十分大きな粒子になるまでゆっくりと反応が進行
し、かつ反応中に発生した塩酸により粒子の角がとれる
ため、均一かつ大きく成長した球状の酸化チタン粉末を
得られることを見出した。
特定配合比の水溶液を、高温下で加水分解することによ
り、十分大きな粒子になるまでゆっくりと反応が進行
し、かつ反応中に発生した塩酸により粒子の角がとれる
ため、均一かつ大きく成長した球状の酸化チタン粉末を
得られることを見出した。
[発明の構成] 本発明は、四塩化チタン水溶液を加水分解し、析出した
酸化チタン水和物の沈殿を焼成することからなる二酸化
チタン粉末の製造方法において、前記四塩化チタン水溶
液の水と四塩化チタンの重量比が100:10から100:70であ
り、かつ加水分解を90℃より高温かつ沸点以下の温度で
行うことにより、焼成後に粒径10〜20μmの範囲内の粒
子が個数で85%以上を占める球状二酸化チタン粉末を得
ることを特徴とする、球状二酸化チタン粉末の製造方法
を提供する。
酸化チタン水和物の沈殿を焼成することからなる二酸化
チタン粉末の製造方法において、前記四塩化チタン水溶
液の水と四塩化チタンの重量比が100:10から100:70であ
り、かつ加水分解を90℃より高温かつ沸点以下の温度で
行うことにより、焼成後に粒径10〜20μmの範囲内の粒
子が個数で85%以上を占める球状二酸化チタン粉末を得
ることを特徴とする、球状二酸化チタン粉末の製造方法
を提供する。
本発明は四塩化チタン水溶液を熱加水分解する際、液温
が90℃より高温かつ沸点以下になるように加熱する。
が90℃より高温かつ沸点以下になるように加熱する。
四塩化チタン水溶液を熱加水分解すると、酸化チタン水
和物と塩酸が生成される。これに伴ない液温が上昇し
て、塩酸蒸気が液相から離脱し、酸化チタン水和物の核
が形成される。この段階で溶液が90℃より高温かつ沸点
以下の温度に加熱すれば、塩酸蒸気の液相からの離脱が
より大きくなり、平衡論的に反応が急速に進行し、新た
な核の生成が抑制され、既に生成された酸化チタンの核
が成長し易い環境となる。
和物と塩酸が生成される。これに伴ない液温が上昇し
て、塩酸蒸気が液相から離脱し、酸化チタン水和物の核
が形成される。この段階で溶液が90℃より高温かつ沸点
以下の温度に加熱すれば、塩酸蒸気の液相からの離脱が
より大きくなり、平衡論的に反応が急速に進行し、新た
な核の生成が抑制され、既に生成された酸化チタンの核
が成長し易い環境となる。
また、反応で発生した塩酸によりpH1以下の酸性側で加
水分解が進行するため、一次粒子の角がとれて丸味を帯
び球状になり易い。
水分解が進行するため、一次粒子の角がとれて丸味を帯
び球状になり易い。
四塩化チタン水溶液の沸点は、水と四塩化チタンとの重
量比が100:10のとき105℃、また100:70のとき110℃であ
り、熱加水分解は90℃より高温で行なうのが好ましい。
加水分解の温度が90℃以下であると0.1〜10μmの粒子
が増加しするので好ましくない。一方、沸点より高温に
おいてはオートクレーブ等の加圧装置および密閉容器を
使用する必要があり、またガス抜き処理等の問題が残
り、従って常圧で加水分解を行なう方が好ましい。
量比が100:10のとき105℃、また100:70のとき110℃であ
り、熱加水分解は90℃より高温で行なうのが好ましい。
加水分解の温度が90℃以下であると0.1〜10μmの粒子
が増加しするので好ましくない。一方、沸点より高温に
おいてはオートクレーブ等の加圧装置および密閉容器を
使用する必要があり、またガス抜き処理等の問題が残
り、従って常圧で加水分解を行なう方が好ましい。
次に、四塩化チタン水溶液の水と四塩化チタンとの割合
は、水:四塩化チタン=100:10〜100:70(重量比)とす
るのが良い。四塩化チタンが10重量部より少ないと10μ
m以上の大きな粒子を得るのが難しく1μm以下の粒子
が増加する。また、四塩化チタンが70重量部を越える
と、四塩化チタンと水とが激しく反応し、塩酸蒸気を多
量に発生して、安全性や装置腐食の面で好ましくなく、
更に粒子の形状も崩れ球状の粒子が得られない。
は、水:四塩化チタン=100:10〜100:70(重量比)とす
るのが良い。四塩化チタンが10重量部より少ないと10μ
m以上の大きな粒子を得るのが難しく1μm以下の粒子
が増加する。また、四塩化チタンが70重量部を越える
と、四塩化チタンと水とが激しく反応し、塩酸蒸気を多
量に発生して、安全性や装置腐食の面で好ましくなく、
更に粒子の形状も崩れ球状の粒子が得られない。
[実施例および比較例] 実施例1〜8 第1表に示す配合比に従い、攪拌しながら四塩化チタン
を少量づつ水に滴下し、充分混合して透明な液を得た後
に、該溶液を沸点付近に加熱して2時間熱加水分解を行
ない、酸化チタン水和物の沈澱を得た。該沈澱物を別
し、水洗を充分に行ない、乾燥後、100℃/時間の割合
で1050℃まで昇温し、更に1050℃において2時間焼成
し、走査型電子顕微鏡で粒子径、形状を観察し、粒子の
沈降を光透過法により測定して粒度分布を求め、更にBE
T法により比表面積を求めた。この結果を第1表および
図に示す。
を少量づつ水に滴下し、充分混合して透明な液を得た後
に、該溶液を沸点付近に加熱して2時間熱加水分解を行
ない、酸化チタン水和物の沈澱を得た。該沈澱物を別
し、水洗を充分に行ない、乾燥後、100℃/時間の割合
で1050℃まで昇温し、更に1050℃において2時間焼成
し、走査型電子顕微鏡で粒子径、形状を観察し、粒子の
沈降を光透過法により測定して粒度分布を求め、更にBE
T法により比表面積を求めた。この結果を第1表および
図に示す。
比較例1〜8 第2表に示す配合比および液温に従い、その他は実施例
と同様に酸化チタンの粉末を製造し、粒子の形状、粒
径、比表面積、粒度分布を求めた。その結果を第2表お
よび図に示す。
と同様に酸化チタンの粉末を製造し、粒子の形状、粒
径、比表面積、粒度分布を求めた。その結果を第2表お
よび図に示す。
上記実施例および比較例から明らかなように、本発明の
方法により得た酸化チタンは10〜20μmで、かつ、85%
以上のシャープな粒度分布を有する球状の粉末である
が、比較例の酸化チタン粉末は粒子形状が不定型であ
り、球状のものが得られ難く、また凝集した粒子とな
り、かつ粒度分布も広範に広がり、10〜20μmの割合が
少ない。
方法により得た酸化チタンは10〜20μmで、かつ、85%
以上のシャープな粒度分布を有する球状の粉末である
が、比較例の酸化チタン粉末は粒子形状が不定型であ
り、球状のものが得られ難く、また凝集した粒子とな
り、かつ粒度分布も広範に広がり、10〜20μmの割合が
少ない。
[発明の効果] 本発明の製造方法によれば、粒径が10〜20μm、85%以
上である極めてシャープな粒度分布を有し、かつ球状の
酸化チタン粉末を容易に製造することが出来る。
上である極めてシャープな粒度分布を有し、かつ球状の
酸化チタン粉末を容易に製造することが出来る。
上記粒度の酸化チタン粉末は半導体の封止材や電子材料
として好適であり、この分野あるいは他の分野で幅広く
利用することができる。
として好適であり、この分野あるいは他の分野で幅広く
利用することができる。
第1図は実施例5の粒度分布、第2図は比較例1の粒度
分布、第3図は比較例6の粒度分布を夫々示すグラフで
ある。
分布、第3図は比較例6の粒度分布を夫々示すグラフで
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】四塩化チタン水溶液を加水分解し、析出し
た酸化チタン水和物の沈殿を焼成することからなる二酸
化チタン粉末の製造方法において、前記四塩化チタン水
溶液の水と四塩化チタンの重量比が100:10から100:70で
あり、かつ加水分解を90℃より高温かつ沸点以下の温度
で行うことにより、焼成後に粒径10〜20μmの範囲内の
粒子が個数で85%以上を占める球状二酸化チタン粉末を
得ることを特徴とする、球状二酸化チタン粉末の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14827286A JPH0717376B2 (ja) | 1986-06-26 | 1986-06-26 | 球状二酸化チタン粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14827286A JPH0717376B2 (ja) | 1986-06-26 | 1986-06-26 | 球状二酸化チタン粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS638218A JPS638218A (ja) | 1988-01-14 |
JPH0717376B2 true JPH0717376B2 (ja) | 1995-03-01 |
Family
ID=15449055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14827286A Expired - Lifetime JPH0717376B2 (ja) | 1986-06-26 | 1986-06-26 | 球状二酸化チタン粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0717376B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9302559D0 (en) * | 1993-02-10 | 1993-03-24 | Tioxide Specialties Dioxide | Preparation of titanium dioxide |
KR100350226B1 (ko) * | 2000-02-29 | 2002-08-27 | 나노케미칼 주식회사 | 저온균일침전법으로 큰 비표면적을 갖도록 제조된 광촉매용 이산화티탄 분말 및 그 제조방법 |
CN100348499C (zh) * | 2006-04-07 | 2007-11-14 | 浙江工业大学 | 一种介孔空心球状二氧化钛粉体的制备方法 |
JP5625929B2 (ja) * | 2011-01-13 | 2014-11-19 | 堺化学工業株式会社 | シリカ含有含水酸化チタン及びシリカ含有アナターゼ型酸化チタンの製造方法 |
CN102718255B (zh) * | 2012-06-19 | 2014-07-30 | 江苏大学 | 一种二氧化钛空心纳米结构的制备方法 |
EP3656740B1 (en) * | 2014-07-02 | 2023-04-12 | Ishihara Sangyo Kaisha, Ltd. | Method for producing titanium oxide fine particles |
CN117597310A (zh) * | 2021-07-02 | 2024-02-23 | 石原产业株式会社 | 氧化钛粒子及其制造方法 |
-
1986
- 1986-06-26 JP JP14827286A patent/JPH0717376B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS638218A (ja) | 1988-01-14 |
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