JPH07173159A - オキサゾリジノン誘導体又はその塩 - Google Patents

オキサゾリジノン誘導体又はその塩

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JPH07173159A
JPH07173159A JP31853293A JP31853293A JPH07173159A JP H07173159 A JPH07173159 A JP H07173159A JP 31853293 A JP31853293 A JP 31853293A JP 31853293 A JP31853293 A JP 31853293A JP H07173159 A JPH07173159 A JP H07173159A
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Application number
JP31853293A
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English (en)
Inventor
Shingo Yano
伸吾 矢野
Kazuo Ogawa
和男 小川
Masakazu Fukushima
正和 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素原子等を示し、XはO又はNHを示
し、LとMはそれぞれが水素原子であるか又はLとMが
結合して一個の結合手を形成するものを示す)で表され
るオキサゾリジノン誘導体又はその塩。 【効果】 優れた血糖低下作用及び血中脂質低下作用を
有し、血糖低下剤、抗高脂血症剤等として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血糖低下作用及び血中
脂質低下作用を有し、血糖低下剤、抗高脂血症剤等とし
て有用なオキサゾリジノン誘導体又はその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、血糖低下作用を示す合成糖尿病治
療剤としては、スルホニルウレア剤が多く使用されてい
る。しかし、このものは低血糖症状を引き起こしたり、
高インスリン血症を誘発したりするという問題があり、
更に薬剤耐性がでるという問題もある。このようにスル
ホニルウレア剤は、その使用に際して十分な管理が必要
であり、投薬の難しい薬剤である。
【0003】このため、このスルホニルウレア剤に代わ
る種々の血糖低下剤の開発がなされており、なかでも抹
消におけるインスリン感受性を高め、かつ血糖低下作用
を示す薬剤が注目されている。しかし、これらの薬剤の
もたらす作用は未だ満足できるものではなく、その副作
用も十分に軽減されていないのが現状である。また、糖
尿病患者の中には高脂血症を併発している例が多く見ら
れるため、血糖低下作用とともに血中脂質低下作用を併
有する薬剤の開発も望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た血糖低下作用と血中脂質低下作用とを併せ持つ医薬と
して有用な新規化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討した結果、後述する特定のオキサゾリ
ジノン誘導体又はその塩が、血糖低下作用と血中脂質低
下作用とを併せ持つことを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0006】すなわち、本発明は、一般式(1);
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子を有
していてもよい低級アルキル基、ハロゲン原子を有して
いてもよい低級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボキ
シル基、低級アルコキシカルボニル基、ヒドロキシメチ
ル基、ホルミルオキシメチル基、低級アルキルカルボニ
ルオキシメチル基を示し、XはO又はNHを示し、Lと
Mはそれぞれが水素原子であるか又はLとMが結合して
両者で一個の結合手を形成するものを示す)で表される
オキサゾリジノン誘導体又はその塩に係るものである。
【0009】上記一般式(1)中、Rで示される各置換
基の詳細は以下のとおりである。低級アルキル基として
は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの炭素数1〜6の
直鎖又は分枝鎖のアルキル基を挙げることができる。
【0010】ハロゲン原子を有する低級アルキル基とし
ては、例えばクロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチ
ル、フルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチ
ル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモ
メチル、トリフルオロメチル、2−クロロエチル、2−
ブロモエチル、2−フルオロエチル、1,2−ジクロロ
エチル、2,2−ジフルオロエチル、1−クロロ−2−
フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、
2,2,2−トリクロロエチル、3−フルオロプロピ
ル、3,3,3−トリクロロプロピル、4−クロロブチ
ル、5−クロロヘプチル、6−クロロヘキシル、3−ク
ロロ−2−メチルプロピルなどの1〜3個のハロゲン原
子を有する炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖のアルキル基
を挙げることができる。
【0011】低級アルコキシ基としては、例えばメトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−
ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert
−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキ
シ、n−ヘキシルオキシなどの炭素数1〜6の直鎖又は
分枝鎖のアルコキシ基を挙げることができる。
【0012】ハロゲン原子を有する低級アルコキシ基と
しては、例えばクロロメトキシ、ブロモメトキシ、ヨー
ドメトキシ、フルオロメトキシ、ジクロロメトキシ、ジ
ブロモメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリクロロメト
キシ、トリブロモメトキシ、トリフルオロメトキシ、2
−クロロエトキシ、2−ブロモエトキシ、2−フルオロ
エトキシ、1,2−ジクロロエトキシ、2,2−ジフル
オロエトキシ、1−クロロ−2−フルオロエトキシ、
2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,2−トリ
クロロエトキシ、3−フルオロプロポキシ、3,3,3
−トリクロロプロポキシ、4−クロロブトキシ、5−ク
ロロペンチルオキシ、6−クロロヘキシルオキシ、3−
クロロ−2−メチルプロポキシなどの1〜3個のハロゲ
ン原子を有する炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖のアルコ
キシ基を挙げることができる。
【0013】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0014】低級アルコキシカルボニル基としては、カ
ルボキシル基の上記低級アルキル基の具体的な基による
エステル基を挙げることができ、例えばメトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボ
ニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカ
ルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブト
キシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、
n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシ
カルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等の炭
素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状のアルコキシ基を有する
低級アルコキシカルボニル基が挙げられる。低級アルキ
ルカルボニルオキシメチル基としては、例えばアセチル
オキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオ
キシメチル、イソブチリルオキシメチル、バレリルオキ
シメチル、ピバロイルオキシメチル基等の炭素数1〜6
の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基を有する低級アルキル
カルボニルオキシメチル基が挙げられる。
【0015】本発明の一般式(1)で表されるオキサゾ
リジノン誘導体には光学異性体が存在するが、本発明は
かかる光学異性体をも全て包含するものである。
【0016】一般式(1)で表されるオキサゾリジノン
誘導体の塩としては、薬学的に許容される酸又は塩基性
化合物を作用させた酸付加塩又は塩基塩を挙げることが
できる。このような酸付加塩としては、一般式(1)で
表されるオキサゾリジノン誘導体の塩基性基、特にアミ
ノ基を有するものと、酸、例えば、塩酸、硫酸、リン
酸、臭化水素酸などの無機酸、シュウ酸、マレイン酸、
フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、酢
酸、p−トルエンスルホン酸、エタンスルホン酸などの
有機酸との塩を挙げることができる。塩基塩としては、
例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属又はマ
グネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属等との
無機塩、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、
ピペリジン、シクロヘキシルアミン、トリエチルアミン
などのアミン類等との有機塩を挙げることができる。
【0017】本発明の一般式(1)で表わされるオキサ
ゾリジノン誘導体は、種々の化合物を原料として、例え
ば下記製法A、製法B又は製法Cにより製造することが
できる。
【0018】(製法A)次の化学反応式で示す各工程を
経て、オキサゾリジノン誘導体を製造することができ
る。
【0019】
【化3】
【0020】(式中、Rは前記と同じ意味を示し、Yは
ハロゲン原子、置換基を有していてもよい低級アルカン
スルホニルオキシ基又は置換基を有していてもよいアリ
ールスルホニルオキシ基を示す) 一般式(3)で表される化合物中のYのハロゲン原子と
しては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
を挙げることができる。置換基を有していてもよい低級
アルカンスルホニルオキシ基としては、例えばメタンス
ルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、プロパンス
ルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ
基などのハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1
〜6のアルカンスルホニルオキシ基を挙げることができ
る。置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキ
シ基としては、例えばベンゼンスルホニルオキシ、トル
エンスルホニルオキシ、p−クロロベンゼンスルホニル
オキシ、m−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基などの
炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子又はニトロ基
で置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基を
挙げることができる。
【0021】下記工程1〜5は、下記の如く行われる。 (工程1)一般式(2)で表される化合物と一般式
(3)で表される化合物を、適当な溶媒中、塩基性化合
物の存在下で反応させ、一般式(4)で表される化合物
を得る。
【0022】この工程で使用される溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限されず、例えばジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの
エーテル類;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロ
ゲン化炭化水素類;ピリジン、ピペリジン、トリエチル
アミンなどのアミン類;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどのアルキルケトン類;
メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコー
ル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどの非プロトン性
極性溶媒等を挙げることができる。
【0023】塩基性化合物としては、例えばトリエチル
アミン、ピリジンなどの第3級アミン類などの有機塩基
性化合物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカ
リ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム
などのアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;ナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属;水素化ナトリウムな
どの水素化アルカリ金属などの無機塩基性化合物等を挙
げることができる。
【0024】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(2)で表される化合物1モルに対して、一般式(3)
で表される化合物が1〜2モル当量、塩基性化合物が1
〜10モル当量、特に1〜3モル当量であるのが好まし
い。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度、特に0〜80℃
が好ましく、反応時間は0.5〜48時間、特に1〜1
2時間であるのが好ましい。
【0025】工程1で得られる一般式(4)で表される
化合物は、必要に応じ単離して次工程に用いることがで
きる。
【0026】(工程2)一般式(4)で表される化合物
と一般式(5)で表される化合物とを、適当な溶媒中、
臭化リチウム及びトリ−n−ブチルホスフィンオキシド
の存在下で反応させ、一般式(6)で表される化合物を
得る。
【0027】この工程で使用される溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限されず、例えばベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの
エーテル類;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロ
ゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなどのアルキルケトン類;N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドなどの非プ
ロトン性極性溶媒等を挙げることができる。
【0028】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(4)で表される化合物1モルに対して、一般式(5)
で表される化合物が1〜1.5モル当量、臭化リチウム
及びトリ−n−ブチルホスフィンオキシドが0.01〜
0.3モル当量、特に0.03〜0.05モル当量であ
るのが好ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度、特
に70〜140℃が好ましく、反応時間は0.1〜6時
間、特に0.5〜2時間であるのが好ましい。
【0029】工程2で得られる一般式(6)で表される
化合物は、必要に応じ単離して次工程に用いることがで
きる。
【0030】(工程3)一般式(6)で表される化合物
に、適当な不活性溶媒中、ラネーニッケルを作用させ、
一般式(7)で表される化合物を得る。
【0031】この工程で使用される溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限されず、例えば蟻
酸、酢酸、水又は水と前記有機溶媒との混合物などを挙
げることができる。
【0032】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(6)で表される化合物1gに対して、ラネーニッケル
が0.5〜10g、特に1〜3gであるのが好ましい。
反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度、特に50〜100℃
が好ましく、反応時間は0.5〜12時間、特に1〜3
時間であるのが好ましい。
【0033】工程3で得られる一般式(7)で表される
化合物は、必要に応じ単離して次工程に用いることがで
きる。
【0034】(工程4)一般式(7)で表される化合物
とチアゾリジンジオン(8)とを、適当な溶媒中、塩基
性化合物の存在下で反応させ、一般式(1−a)で表さ
れる化合物を得る。
【0035】この工程で使用される溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限されず、例えばベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;蟻
酸、酢酸、プロピオン酸などの脂肪酸類;ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエ
タンなどのエーテル類;メタノール、エタノール、プロ
パノール、2−プロパンノール、ブタノールなどのアル
コール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホ
キシド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどの非プロト
ン性極性溶媒等を挙げることができる。
【0036】塩基性化合物としては、例えば酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金属脂肪酸塩、トリ
エチルアミン、ピリジンなどの第3級アミン類、ピペリ
ジンなどの第2級アミン類などの有機塩基性化合物;炭
酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸
塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアル
カリ金属炭酸水素塩;ナトリウム、カリウムなどのアル
カリ金属;水素化ナトリウムなどの水素化アルカリ金属
などの無機塩基性化合物等を挙げることができる。
【0037】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(7)で表される化合物1モルに対して、チアゾリジン
ジオン(8)が1〜3モル当量、塩基性化合物が0.0
1〜10モル当量、特に0.05〜3モル当量であるの
が好ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度、特に6
0〜140℃が好ましく、反応時間は0.5〜48時
間、特に1〜24時間であるのが好ましい。
【0038】この工程で得られる一般式(1−a)で表
される化合物は、それ自身が血糖低下作用を有するもの
であり、必要に応じ単離して次工程に用いることもでき
る。
【0039】(工程5)一般式(1−a)で表される化
合物を、不活性溶媒中、触媒の存在下で接触還元し、一
般式(1−b)で表される化合物を得る。
【0040】この工程で使用される溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限されず、例えば酢酸
エチル、メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸などを挙げる
ことができ、これらは単独で又は混合物として使用する
ことができる。また、触媒としては、パラジウム−炭
素、白金などを挙げることができる。
【0041】反応条件は、水素圧が常圧〜500気圧、
特に常圧〜80気圧であるのが好ましく、反応温度は0
〜100℃、特に室温〜70℃が好ましい。また、反応
時間は0.5〜48時間、特に2〜24時間であるのが
好ましい。
【0042】なお、製法Aにおいては、光学活性な一般
式(3)で表される化合物を用いることにより、光学活
性な一般式(1)で表されるオキサゾリジノン誘導体を
得ることができる。
【0043】(製法B)次の化学反応式で示す各工程を
経て、オキサゾリジノン誘導体を製造することができ
る。
【0044】
【化4】
【0045】(式中、Rは前記と同じ意味を示し、R´
はR又はアルデヒド基を示し、Zは置換基を有していて
もよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級
アルケニル基又は置換基を有していてもよいアリール基
を示し、Msはメタンスルホニル基を示す) 一般式(9)、(10)において、Zで示されるものの
うち、置換基を有していてもよい低級アルキル基として
は、例えばメチル、エチル、プロピル、トリフルオロメ
チルなどのハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数
1〜6のアルキル基を挙げることができる。また、置換
基を有していてもよい低級アルケニル基としては、例え
ばビニル、1−プロペニル、イソプロペニル、アリルな
どの炭素数2〜6のアルケニル基を挙げることができ、
置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば
フェニル、トリル、p−t−ブチルフェニル、p−クロ
ロフェニル、p−ニトロフェニルなどの炭素数1〜6の
アルキル基、ハロゲン原子又はニトロ基で置換されてい
てもよいアリール基を挙げることができる。
【0046】上記工程6〜12は、下記の如く行われ
る。 (工程6)一般式(5)で表される化合物と一般式
(9)で表される化合物とを、適当な溶媒中、臭化リチ
ウム及びトリ−n−ブチルホスフィンオキシドの存在下
で反応させ、一般式(10)で表される化合物を得る。
【0047】この工程で使用される溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限されず、例えば製法
Aの工程2で例示したものを挙げることができる。
【0048】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(5)で表される化合物1モルに対して、一般式(9)
で表される化合物が1〜1.5モル当量、臭化リチウム
及びトリ−n−ブチルホスフィンオキシドが0.01〜
0.3モル当量、特に0.03〜0.05モル当量であ
るのが好ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度、特
に70〜140℃が好ましく、反応時間は0.1〜6時
間、特に0.5〜2時間が好ましい。
【0049】工程6で得られる一般式(10)で表され
る化合物は、必要に応じ単離して次工程に用いることが
できる。
【0050】(工程7)一般式(10)で表される化合
物を、適当な不活性溶媒中、酸性又は塩基性化合物と作
用させ、公知慣用の加水分解をすることにより、一般式
(11)で表される化合物を得る。
【0051】この工程で使用される溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限されず、例えばジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニ
ソールなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホル
ムなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素類;ピリジン、ピペリジ
ン、トリエチルアミンなどのアミン類;ヘキサン、ヘプ
タン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのアル
キルケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール
などのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチルなどの酢
酸エステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルス
ルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどの非プ
ロトン性極性溶媒;二硫化炭素、酢酸、水又は水とこれ
らの有機溶媒との混合物などを挙げることができる。
【0052】酸性化合物としては、例えば無水塩化アル
ミニウム、塩化第二錫、四塩化チタン、三塩化ホウ素、
三フッ化ホウ素−エチルエーテル錯体、塩化亜鉛などの
ルイス酸;塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸、トリクロロ
酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、酢酸など
の有機酸、酸型イオン交換樹脂などを挙げることができ
る。塩基性化合物としては、例えばトリエチルアミン、
ピリジンなどの第3級アミン類などの有機塩基性化合
物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属
炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの
アルカリ金属炭酸水素塩、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどのアルカリ金属水酸化物;ナトリウム、カリ
ウムなどのアルカリ金属;水素化ナトリウムなどの水素
化アルカリ金属などの無機塩基性化合物を挙げることが
できる。
【0053】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(10)で表される化合物1モルに対して、上記酸性化
合物又は塩基性化合物が1〜100モル当量、特に1〜
20モル当量であるのが好ましい。反応温度は−20℃
〜溶媒の沸点程度、特に−10〜120℃が好ましく、
反応時間が0.5〜48時間、特に1〜24時間である
のが好ましい。
【0054】工程7で得られる一般式(11)で表され
る化合物は、必要に応じ単離して次工程に用いることが
できる。
【0055】(工程8)一般式(11)で表される化合
物と塩化メタンスルホニルを、不活性溶媒中、有機塩基
性化合物の存在下で反応させ、一般式(12)で表され
る化合物を得る。
【0056】この工程で使用される不活性溶媒として
は、反応に関与しないものであれば特に制限されず、例
えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、トリエチルアミン、ピリジン等の第3級アミン類、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロ
ゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメ
チルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等を挙げる
ことができる。また、有機塩基性化合物としては、例え
ばトリエチルアミン、ピリジンなどの第3級アミン類な
どを挙げることができる。
【0057】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(11)で表される化合物1モルに対して、有機塩基性
化合物が1〜3モル当量、塩化メタンスルホニウムが1
〜2モル当量であるのが好ましい。反応温度は0℃〜溶
媒の沸点程度、特に0〜80℃が好ましく、反応時間は
0.1〜24時間、特に0.5〜3時間であるのが好ま
しい。
【0058】工程8で得られる一般式(12)で表され
る化合物は、必要に応じ単離して次工程に用いることが
できる。
【0059】(工程9)一般式(2)で表される化合物
と一般式(12)で表される化合物とを、適当な溶媒
中、塩基性化合物の存在下で反応させ、一般式(6)で
表される化合物を得る。
【0060】この工程で使用される溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限されず、例えば製法
Aの工程1と同様のものを挙げることができ、また、塩
基性化合物としても、製法Aの工程1と同様のものを挙
げることができる。
【0061】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(2)で表される化合物1モルに対して、一般式(1
2)で表される化合物が1〜2モル当量、塩基性化合物
が1〜10モル当量、特に1〜3モル当量であるのが好
ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度、特に0〜8
0℃が好ましく、反応時間は0.5〜48時間、特に1
〜12時間であるのが好ましい。
【0062】工程9で得られる一般式(6)で表される
化合物は、必要に応じ単離して次工程に用いることがで
きる。
【0063】以下、一般式(6)で表される化合物を用
い、工程10、11及び12はそれぞれ製法Aの工程
3、4及び5に準じて、一般式(1−a)及び(1−
b)で表される化合物を製造することができる。なお、
製法Bにおいては、光学活性な一般式(9)で表される
化合物を用いることにより、光学活性な一般式(1)で
表されるオキサゾリジノン誘導体を得ることができる。
【0064】(製法C)次の化学反応式で示す各工程を
経て、オキサゾリジノン誘導体を製造することができ
る。
【0065】
【化5】
【0066】(式中、Rは前記と同じ意味を示す)
【0067】上記工程13〜17は、下記の如く行われ
る。 (工程13)一般式(4)で表される化合物と4−ニト
ロフェニルイソシアネート(13)を、適当な溶媒中、
臭化リチウム及びトリ−n−ブチルホスフィンオキシド
の存在下で反応させ、一般式(14)で表される化合物
を得る。
【0068】この工程で使用される溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限されず、例えば製法
Aの工程2で例示したものを挙げることができる。
【0069】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(4)で表される化合物1モルに対して、4−ニトロフ
ェニルイソシアネートが1〜1.5モル当量、臭化リチ
ウム及びトリ−n−ブチルホスフィンオキシドが0.0
1〜0.3モル当量、特に0.03〜0.05モル当量
であるのが好ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程
度、特に70〜140℃が好ましく、反応時間は0.1
〜6時間、特に0.5〜2時間が好ましい。
【0070】工程13で得られる一般式(14)で表さ
れる化合物は、必要に応じ単離して次工程に用いること
ができる。
【0071】(工程14)一般式(14)で表される化
合物を、不活性溶媒中、触媒の存在下で接触還元し、一
般式(15)で表される化合物を得る。この工程は製法
Aの工程5と同様に行うことができる。この工程で得ら
れる一般式(15)で表される化合物は、必要に応じ単
離して次工程に用いることができる。
【0072】(工程15)一般式(15)で表される化
合物を、適当な溶媒中、臭化水素水の存在下で亜硝酸ナ
トリウムでジアゾ化し、更にアクリル酸メチルを酸化第
一銅の存在下で反応させ、一般式(16)で表される化
合物を得る。
【0073】この工程で使用される溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限されず、例えば製法
Bの工程7と同様のものを挙げることができる。
【0074】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(15)で表される化合物1モルに対して、臭化水素水
が1〜50モル当量、亜硝酸ナトリウムが1〜2モル当
量、アクリル酸メチルが1〜10モル当量、酸化第一銅
が0.05〜0.5モル当量であるのが好ましい。反応
温度は0℃〜溶媒の沸点程度、特に0〜50℃が好まし
く、反応時間は0.1〜24時間、特に0.5〜3時間
であるのが好ましい。
【0075】工程15で得られる一般式(16)で表さ
れる化合物は、必要に応じ単離して次工程に用いること
ができる。
【0076】(工程16)一般式(16)で表される化
合物を、適当な溶媒中、酢酸ナトリウムの存在下で、チ
オウレアと反応させ、一般式(1−c)で表される化合
物を得る。
【0077】この工程で使用される溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限されず、例えば前工
程と同様のものを挙げることができる。
【0078】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(16)で表される化合物1モルに対して、酢酸ナトリ
ウムが1〜3モル当量、チオウレアが1〜3モル当量で
あるのが好ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度、
特に0〜100℃が好ましく、反応時間は0.5〜24
時間、特に1〜12時間であるのが好ましい。
【0079】この工程で得られる一般式(1−c)で表
される化合物は、それ自身が血糖低下作用を有するもの
であり、必要に応じ単離して、次工程に用いることもで
きる。
【0080】(工程17)一般式(1−c)で表される
化合物を、適当な溶媒中、酸性化合物を作用させ、加水
分解し、一般式(1−b)で表される化合物を得る。
【0081】この工程で使用する溶媒としては、反応に
関与しないものであれば特に制限されず、例えば前工程
と同様のものを挙げることができる。酸性化合物として
は、例えば塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸、トリクロロ
酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、酢酸など
の有機酸を挙げることができる。
【0082】反応に使用する各化合物の割合は、一般式
(1−c)で表される化合物1モルに対して、酸性化合
物が1〜100モル当量、特に1〜20モル当量である
のが好ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度、特に
0〜100℃が好ましく、反応時間は0.5〜60時
間、特に1〜36時間であるのが好ましい。
【0083】なお、製法Cにおいては、光学活性な一般
式(4)で表される化合物を用いることにより、光学活
性な一般式(1)で表されるオキサゾリジノン誘導体を
得ることができる。
【0084】一般式(1)で表されるオキサゾリジノン
誘導体の塩は、慣用されている方法により、遊離の一般
式(1)で表されるオキサゾリジノン誘導体と上記した
酸性又は塩基性化合物を反応させることにより得ること
ができる。また、上記製法A、B及びCにより得られる
一般式(1)で表されるオキサゾリジノン誘導体又はそ
の塩は、通常の分離精製手段、例えば、カラムクロマト
グラフィー、再結晶、減圧蒸留等により、分離精製する
ことができる。
【0085】
【実施例】以下、参考例及び実施例を挙げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0086】(製法Aによる合成) 参考例1 4−(オキシラニルメトキシ)ベンズアルデヒドの合
成:4−ヒドロキシベンズアルデヒド3.66g及びエ
ピブロモヒドリン3.3mlを、無水メチルエチルケトン
30mlに溶解し、それに無水炭酸カリウム6.2gを加
えた後、5時間加熱還流した。次に、反応液を減圧濃縮
し、得られた残渣を酢酸エチルで抽出した。その後、抽
出液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、濾
液を減圧濃縮した。次に、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製
し、標記化合物4.15gを得た(収率78%)。
【0087】
【表1】融点:27−28℃ NMR(CDCl3,δ):2.79(1H,dd,J=7.4,5.0Hz), 2.94(1H,dd,
J=5.0,4.3Hz),3.39(1H,m), 4.02(1H,dd,J=11.2,5.9Hz),
4.35(1H,dd,J=11.2,2.9Hz), 7.03(2H,d,J=8.9Hz),7.85
(2H,d,J=8.9Hz), 9.93(1H,s). Mass:EI 178(M+)
【0088】参考例2 4−(オキシラニルメトキシ)安息香酸エチルの合成:
4−ヒドロキシベンズアルデヒドの代わりに4−ヒドロ
キシ安息香酸エチルを用い、参考例1と同様にして、標
記化合物を得た(収率57%)。
【0089】
【表2】融点:47−49℃ NMR(CDCl3,δ):1.38(3H,t,J=7.1Hz), 2.78(1H,dd,J=4.
6,2.6Hz),2.93(1H,dd,J=4.6,4.3Hz), 3.79(1H,m),3.99
(1H,dd,J=11.2,5.7Hz), 4.27-4.39(3H,m),6.94(2H,d,J=
8.6Hz), 8.00(2H,d,J=8.6Hz).
【0090】参考例3 4−[3−(4−シアノフェニル)−2−オキソオキサ
ゾリジン−5−イル]メトキシベンズアルデヒドの合
成:臭化リチウム104mg及びトリ−n−ブチルホスフ
ィンオキシド260mgのキシレン4ml溶液を140℃に
加熱し、イソシアン酸4−シアノフェニル3.66g及
び4−(オキシラニルメトキシ)ベンズアルデヒド4.
55gのキシレン12ml溶液を滴下し、同温度で2時間
攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣
にメタノールを加えて結晶を析出させ、それを濾取し、
標記化合物5.30gを得た(収率66%)。
【0091】
【表3】融点:180−182℃ NMR(CDCl3,δ):4.12(1H,dd,J=8.9,5.9Hz), 4.30(1H,t,J
=8.9Hz),4.33(1H,dd,J=10.6,4.3Hz), 4.42(1H,dd,J=10.
6,3.8Hz),5.12(1H,m), 7.04(2H,d,J=8.9Hz), 7.70(2H,
d,J=6.8Hz),7.75(2H,d,J=6.8Hz), 7.85(2H,d,J=8.9Hz),
9.90(1H,s). Mass:FAB 323(M++1)
【0092】参考例4 4−[3−(4−シアノフェニル)−2−オキソオキサ
ゾリジン−5−イル]メトキシ安息香酸エチルの合成:
4−(オキシラニルメトキシ)ベンズアルデヒドの代わ
りに4−(オキシラニルメトキシ)安息香酸エチルを用
い、参考例3と同様にして、標記化合物を得た(収率7
0%)。
【0093】
【表4】融点:137−139℃ NMR(CDCl3,δ):1.38(3H,t,J=7.1Hz), 4.12(1H,dd,J=8.
9,5.9Hz),4.2-4.4(5H,m), 5.06(1H,m), 6.91(2H,d,J=8.
9Hz),7.68(2H,d,J=9.2Hz), 7.73(2H,d,J=9.2Hz),8.00(2
H,d,J=8.9Hz).
【0094】参考例5 α−ホルミルオキシ−4−[3−(4−ホルミルフェニ
ル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル]メトキシ
トルエンの合成:参考例3で得た4−[3−(4−シア
ノフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル]
メトキシベンズアルデヒド1.65gのメタノール40
ml及びテトラヒドロフラン4mlの混合溶液に、水素化ホ
ウ素ナトリウム194mgを加え、2分間加熱還流した。
その後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチ
ルで抽出した。次に、抽出液を飽和塩化アンモニウム水
で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、濾液を
減圧濃縮した。その後、得られた残渣1.6gの80%
蟻酸40ml水溶液に、ラネーニッケル3.2gを加え、
1時間加熱還流した。反応液を濾過後、減圧濃縮し、得
られた残渣を酢酸エチルで抽出した。次に、抽出液を炭
酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで
乾燥し、濾過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により
精製し、標記化合物380mgを得た(収率21%)。
【0095】
【表5】融点:156−158℃ NMR(DMSO-d6,δ):4.01(1H,dd,J=9.4,6.1Hz), 4.25-4.36
(3H,m),5.09(2H,s), 5.12(1H,m), 6.97(2H,d,J=8.6Hz),
7.33(2H,d,J=8.6Hz), 7.82(2H,d,J=8.9Hz),7.96(2H,d,J
=8.9Hz), 8.29(1H,s), 9.94(1H,s).
【0096】参考例6 4−[3−(4−ホルミルフェニル)−2−オキソオキ
サゾリジン−5−イル]メトキシ安息香酸エチルの合
成:参考例4で得た4−[3−(4−シアノフェニル)
−2−オキソオキサゾリジン−5−イル]メトキシ安息
香酸エチル4.0gの80%蟻酸40ml水溶液に、ラネ
ーニッケル4.0gを加え、2時間加熱還流した。次
に、反応液を濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸
エチルで抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減
圧濃縮した。得られた残渣にエタノールを加えて結晶を
析出させ、それを濾取して、標記化合物3.30gを得
た(収率82%)。
【0097】
【表6】融点:106−109℃ NMR(CDCl3,δ):1.38(3H,t,J=7.1Hz), 4.15(1H,dd,J=8.
9,5.9Hz),4.24-4.40(5H,m), 5.07(1H,m), 6.92(2H,d,J=
8.9Hz),7.77(2H,d,J=8.9Hz), 7.92(2H,d,J=8.9Hz),8.01
(2H,d,J=8.9Hz), 9.96(1H,s).
【0098】(製法Bによる合成) 参考例7 メタクリル酸 4−[3−(4−シアノフェニル)−2
−オキソオキサゾリジン−5−イル]メチルの合成:4
−(オキシラニルメトキシ)ベンズアルデヒドの代わり
にメタクリル酸グリシジルを用い、参考例3と同様にし
て、標記化合物を得た(収率35%)。
【0099】
【表7】融点:76−78℃ NMR(CDCl3,δ):1.90(3H,s), 3.90(1H,dd,J=8.9,5.6Hz),
4.20(1H,t,J=8.9Hz), 4.40(1H,dd,J=12.3,4.3Hz),4.48
(1H,dd,J=12.3,3.6Hz), 4.96(1H,m), 5.60(1H,s),6.09
(1H,s), 7.68(4H,s).
【0100】参考例8 3−(4−シアノフェニル)−2−オキソオキサゾリジ
ン−5−イルメチルアルコールの合成:参考例7で得た
メタクリル酸 4−[3−(4−シアノフェニル)−2
−オキソオキサゾリジン−5−イル]メチル4.29g
のエタノール50ml溶液に、8%水酸化ナトリウム水溶
液8mlを加え、50℃で20分間攪拌した。次に、反応
液を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルで抽出し
た。この抽出液を水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥し、
濾過後、濾液を減圧濃縮し、標記化合物1.0gを得た
(収率31%)。
【0101】
【表8】融点:108−109℃ NMR(CDCl3,δ):2.26(1H,s), 3.78(1H,m), 4.0-4.1(3H,
m), 4.79(1H,m),6.66(2H,d,J=9.6Hz), 6.70(2H,d,J=9.6
Hz).
【0102】参考例9 α,α,α−トリフルオロ−4−[3−(4−シアノフ
ェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル]メト
キシトルエンの合成:参考例8で得た3−(4−シアノ
フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチ
ルアルコール800mgのジクロロメタン40ml溶液に、
氷冷下、トリエチルアミン0.66ml及び塩化メタンス
ルホニル0.37mlを加え、室温下で30分間攪拌し
た。次に、反応液を飽和塩化アンモニウム水で洗浄後、
硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、濾液を減圧濃縮し
て、メタンスルホン酸[3−(4−シアノフェニル)−
2−オキソオキサゾリジン−5−イル]メチルを得た。
次に、60%水素化ナトリウム166mgの無水N,N−
ジメチルホルムアミド2ml懸濁液に、窒素気流下、室温
で、α,α,α−トリフルオロ−4−ヒドロキシトルエ
ン642mgのN,N−ジメチルホルムアミド8ml溶液を
滴下し、同温度で25分間攪拌した。その後、同温度で
メタンスルホン酸[3−(4−シアノフェニル)−2−
オキソオキサゾリジン−5−イル]メチルの無水N,N
−ジメチルホルムアミド6ml溶液を加え、3時間攪拌し
た。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルで
抽出した。この抽出液を飽和塩化アンモニウム水で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、濾液を減圧濃
縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、標記化合物
0.76gを得た(収率57%)。
【0103】
【表9】融点:140−142℃ NMR(CDCl3,δ):4.11(1H,dd,J=8.9,5.9Hz), 4.16-4.36(3
H,m), 5.06(1H,m),6.97(2H,d,J=8.8Hz), 7.57(2H,d,J=
8.8Hz),7.69(2H,d,J=9.3Hz), 7.73(2H,d,J=9.3Hz).
【0104】参考例10 α,α,α−トリフルオロ−4−[3−(4−ホルミル
フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル]メ
トキシトルエンの合成:参考例9で得たα,α,α−ト
リフルオロ−4−[3−(4−シアノフェニル)−2−
オキソオキサゾリジン−5−イル]メトキシトルエン
0.75gの80%蟻酸30ml水溶液に、ラネーニッケ
ル1.5gを加え、1時間加熱還流した。次に、反応液
を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルで抽出した。
この抽出液を水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過
後、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製
し、標記化合物0.51gを得た(収率67%)。
【0105】
【表10】融点:112−114℃ NMR(CDCl3,δ):4.14(1H,dd,J=9.2,5.9Hz), 4.26-4.36(3
H,m), 5.06(1H,m),6.98(2H,d,J=8.8Hz), 7.57(2H,d,J=
8.8Hz),7.77(2H,d,J=8.9Hz), 7.93(2H,d,J=8.9Hz), 9.9
7(1H,s).
【0106】(製法Cによる合成) 参考例11 4−[3−(4−ニトロフェニル)−2−オキソオキサ
ゾリジン−5−イル]メトキシ安息香酸メチルの合成:
イソシアン酸4−シアノフェニルの代わりにイソシアン
酸4−ニトロフェニルを用い、更に4−(オキシラニル
メトキシ)ベンズアルデヒドの代わりに4−(オキシラ
ニルメトキシ)安息香酸メチルを用い、参考例3と同様
にして、標記化合物を得た(収率90%)。
【0107】
【表11】融点:200−201℃ NMR(DMSO-d6,δ):3.82(3H,s), 4.05(1H,dd,J=9.2,6.1H
z),4.34(1H,t,J=9.2Hz), 4.38(1H,dd,J=11.2,6.6Hz),4.
44(1H,dd,J=11.2,3.3Hz), 5.17(1H,m),7.07(2H,d,J=8.9
Hz), 7.85(2H,d,J=9.3Hz),7.92(2H,d,J=8.9Hz), 8.31(2
H,d,J=9.3Hz).
【0108】参考例12 4−[3−(4−アミノフェニル)−2−オキソオキサ
ゾリジン−5−イル]メトキシ安息香酸メチルの合成:
参考例11で得た4−[3−(4−ニトロフェニル)−
2−オキソオキサゾリジン−5−イル]メトキシ安息香
酸メチル8.0gの酢酸160ml溶液に、60℃で亜鉛
粉末14gを加え、同温度で3時間攪拌した。次に、反
応液を濾過後、濾液を減圧濃縮して、得られた残渣にエ
タノールを加えて結晶を析出させ、それを濾取し、標記
化合物8.0gを得た(収率定量的)。
【0109】
【表12】融点:139−142℃ NMR(DMSO-d6,δ):3.81(1H,dd,J=8.9,6.3Hz), 3.82(3H,
s),4.12(1H,dd,J=9.2,8.9Hz), 4.30(1H,dd,J=11.2,5.3H
z),4.36(1H,dd,J=11.2,3.3Hz), 5.01(1H,m),6.58(2H,d,
J=8.6Hz), 7.09(2H,d,J=8.9Hz),7.18(2H,d,J=8.6Hz),
7.93(2H,d,J=8.9Hz). Mass:EI 342(M+)
【0110】参考例13 4−[3−(4−(2−ブロモ−3−メトキシカルボニ
ル)プロピルフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−
5−イル]メトキシ安息香酸メチルの合成:参考例12
で得た4−[3−(4−アミノフェニル)−2−オキソ
オキサゾリジン−5−イル]メトキシ安息香酸メチル
6.56gのメタノール60ml、アセトン60ml及び4
7%臭化水素酸水8ml溶液に、亜硝酸ナトリウム1.3
3gの水8ml溶液を加え、氷冷下、30分間攪拌した。
次に、アクリル酸メチル10mlを加え、35℃に加熱し
て酸化第一銅0.2gを加え、同温度で30分間攪拌し
た。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルで
抽出した。この抽出液をアンモニア水と食塩水で順次洗
浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、活性炭を加えて濾過
後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣にエタノールを
加えて結晶を析出させ、これを濾取して、標記化合物
1.97gを得た(収率23%)。
【0111】
【表13】融点:105−108℃ NMR(CDCl3,δ):3.23(1H,dd,J=14.2,7.0Hz), 3.45(1H,d
d,J=14.2,8.2Hz),3.74(3H,s), 3.89(3H,s), 4.06(1H,
m), 4.16-4.30(4H,m),4.38(1H,dd,J=8.2,7.0Hz), 5.01
(1H,m), 6.93(2H,d,J=8.9Hz),7.47-7.60(4H,m), 8.00(2
H,d,J=8.9Hz).
【0112】実施例1 4−[3−(α−4−(2,4−チアゾリジンジオン−
5−イリデン)トリル)−2−オキソオキサゾリジン−
5−イル]メトキシ安息香酸エチルの製造:参考例6で
得た4−[3−(4−ホルミルフェニル)−2−オキソ
オキサゾリジン−5−イル]メトキシ安息香酸エチル
2.5g、2,4−チアゾリジンジオン0.95g及び
酢酸ナトリウム1.11gのトルエン10ml溶液を、3
時間加熱還流した。次に、反応液を留去したのち、残渣
に60%酢酸30mlを加え、析出した結晶を濾取し、標
記化合物2.42gを得た(収率76%)。
【0113】
【表14】融点:203−204℃ NMR(DMSO-d6,δ):1.30(3H,d,J=7.1Hz), 4.00(1H,dd,J=
9.2,6.3Hz),4.27(2H,q,J=7.1Hz), 4.29-4.46(3H,m), 5.
12(1H,m),7.07(2H,d,J=8.9Hz), 7.66(2H,d,J=8.9Hz),7.
76(2H,d,J=8.9Hz), 7.78(1H,s), 7.92(2H,d,J=8.9Hz),1
2.57(1H,s).
【0114】実施例2 α,α,α−トリフルオロ−4−[3−(α−4−
(2,4−チアゾリジンジオン−5−イリデン)トリ
ル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル]メトキシ
トルエンの製造:4−[3−(4−ホルミルフェニル)
−2−オキソオキサゾリジン−5−イル]メトキシ安息
香酸エチルの代わりに参考例10で得たα,α,α−ト
リフルオロ−4−[3−(4−ホルミルフェニル)−2
−オキソオキサゾリジン−5−イル]メトキシトルエン
を用い、実施例1と同様にして、標記化合物を得た(収
率50%)。
【0115】
【表15】融点:250−251℃ NMR(DMSO-d6,δ):3.99(1H,dd,J=9.1,6.1Hz), 4.29(1H,d
d,J=9.6,8.9Hz),4.35-4.45(2H,m), 5.12(1H,m), 7.15(2
H,d,J=8.6Hz),7.65(2H,d,J=8.6Hz), 7.68(2H,d,J=8.6H
z),7.77(2H,d,J=8.6Hz), 7.78(1H,s), 12.57(1H,s).
【0116】実施例3 蟻酸4−[3−(α−4−(2,4−チアゾリジンジオ
ン−5−イリデン)トリル)−2−オキソオキサゾリジ
ン−5−イル]メトキシベンジルの製造:4−[3−
(4−ホルミルフェニル)−2−オキソオキサゾリジン
−5−イル]メトキシ安息香酸エチルの代わりに参考例
5で得たα−ホルミルオキシ−4−[3−(4−ホルミ
ルフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル]
メトキシトルエンを用い、実施例1と同様にして、標記
化合物を得た(収率67%)。
【0117】
【表16】融点:210−212℃ NMR(DMSO-d6,δ):3.98(1H,dd,J=9.1,6.4Hz), 4.24-4.41
(3H,m),5.09(3H,m), 6.97(2H,d,J=8.6Hz), 7.32(2H,d,J
=8.6Hz),7.65(2H,d,J=8.9Hz), 7.76(2H,d,J=8.9Hz), 7.
78(1H,s),8.29(1H,s), 12.57(1H,s).
【0118】実施例4 4−[3−(α−4−(2,4−チアゾリジンジオン−
5−イル)トリル)−2−オキソオキサゾリジン−5−
イル]メトキシ安息香酸エチルの製造 実施例1で得た4−[3−(α−4−(2,4−チアゾ
リジンジオン−5−イリデン)トリル)−2−オキソオ
キサゾリジン−5−イル]メトキシ安息香酸エチル1.
4gの1,4−ジオキサン100ml溶液に、7.5%パ
ラジウム−炭素2.8gを加え、水素気流下、50℃、
50気圧で7時間攪拌した。次に、反応液を濾過後、濾
液を減圧濃縮し、得られた残渣にエタノールを加えて結
晶を析出させ、これを濾取し、標記化合物1.15gを
得た(収率81%)。
【0119】
【表17】融点:201−203℃ NMR(DMSO-d6,δ):1.30(3H,d,J=7.1Hz), 3.13(1H,dd,J=1
4.2,8.9Hz),3.32(1H,dd,J=14.2,4.3Hz), 3.94(1H,dd,J=
8.3,6.6Hz),4.20-4.44(5H,m), 4.93(1H,dd,J=8.9,4.3H
z),5.07(1H,m), 7.08(2H,d,J=8.6Hz), 7.27(2H,d,J=8.2
Hz),7.54(2H,d,J=8.2Hz), 7.92(2H,d,J=8.6Hz), 12.02
(1H,s).
【0120】実施例5 α,α,α−トリフルオロ−4−[3−(α−4−
(2,4−チアゾリジンジオン−5−イル)トリル)−
2−オキソオキサゾリジン−5−イル]メトキシトルエ
ンの製造:4−[3−(α−4−(2,4−チアゾリジ
ンジオン−5−イリデン)トリル)−2−オキソオキサ
ゾリジン−5−イル]メトキシ安息香酸エチルの代わり
に実施例2で得たα,α,α−トリフルオロ−4−[3
−(α−4−(2,4−チアゾリジンジオン−5−イリ
デン)トリル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イ
ル]メトキシトルエンを用い、実施例4と同様にして、
標記化合物を得た(収率58%)。
【0121】
【表18】融点:156−159℃ NMR(DMSO-d6,δ):3.13(1H,dd,J=13.9,8.9Hz), 3.36(1H,
dd,J=13.9,4.6Hz),3.93(1H,dd,J=9.2,6.3Hz), 4.23(1H,
dd,J=9.2,8.9Hz),4.34(1H,dd,J=11.0,5.3Hz), 4.40(1H,
dd,J=11.0,3.6Hz),4.92(1H,dd,J=8.9,4.6Hz), 5.10(1H,
m),7.15(2H,d,J=8.9Hz), 7.28(2H,d,J=8.6Hz),7.53(2H,
d,J=8.6Hz), 7.67(2H,d,J=8.9Hz), 12.03(1H,s).
【0122】実施例6 蟻酸4−[3−(α−4−(2,4−チアゾリジンジオ
ン−5−イル)トリル)−2−オキソオキサゾリジン−
5−イル]メトキシベンジルの製造:4−[3−(α−
4−(2,4−チアゾリジンジオン−5−イリデン)ト
リル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル]メトキ
シ安息香酸エチルの代わりに実施例3で得た蟻酸4−
[3−(α−4−(2,4−チアゾリジンジオン−5−
イリデン)トリル)−2−オキソオキサゾリジン−5−
イル]メトキシベンジルを用い、実施例4と同様にし
て、標記化合物を得た(収率65%)。
【0123】
【表19】融点:139−140℃ NMR(DMSO-d6,δ):3.12(1H,dd,J=14.2,8.9Hz), 3.30(1H,
dd,J=14.2,4.3Hz),3.91(1H,dd,J=9.0,6.4Hz), 4.15-4.3
5(3H,m),4.92(1H,dd,J=8.9,4.3Hz), 5.04(1H,m), 5.09
(2H,s),6.97(2H,d,J=8.5Hz), 7.27(2H,d,J=8.6Hz),7.34
(2H,d,J=8.6Hz), 7.53(2H,d,J=8.5Hz), 8.29(1H,s),12.
02(1H,s).
【0124】実施例7 4−[3−(α−4−(2,4−チアゾリジンジオン−
5−イル)トリル)−2−オキソオキサゾリジン−5−
イル]メトキシベンジルアルコールの製造:実施例6で
得た蟻酸4−[3−(α−4−(2,4−チアゾリジン
ジオン−5−イル)トリル)−2−オキソオキサゾリジ
ン−5−イル]メトキシベンジル70mgのメタノール5
ml溶液に、10%アンモニア水1.0mlを加え、室温で
48時間攪拌した。次に、反応液を減圧濃縮し、得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム−メタノール)により精製し、標記化合物0.3
5gを得た(収率53%)。
【0125】
【表20】融点:176−178℃ NMR(DMSO-d6,δ):3.12(1H,dd,J=14.2,8.8Hz), 3.35(1H,
dd,J=14.2,4.3Hz),3.91(1H,dd,J=9.0,6.4Hz), 4.18-4.3
0(3H,m),4.42(2H,d,J=5.3Hz), 4.92(1H,dd,J=8.8,4.3H
z),5.03(1H,m), 5.06(1H,t,J=5.3Hz), 6.91(2H,d,J=8.6
Hz),7.23(2H,d,J=8.6Hz), 7.28(2H,d,J=8.6Hz),7.54(2
H,d,J=8.6Hz), 12.03(1H,s).
【0126】実施例8 4−[3−(α−4−(2−イミノ−4−チアゾリジノ
ン−5−イル)トリル)−2−オキソオキサゾリジン−
5−イル]メトキシ安息香酸メチルの製造:参考例13
で得た4−[3−(4−(2−ブロモ−3−メトキシカ
ルボニル)プロピルフェニル)−2−オキソオキサゾリ
ジン−5−イル]メトキシ安息香酸メチル8.86gの
エタノール150ml溶液に、チオウレア1.63g及び
酢酸ナトリウム1.76gを加え、2時間加熱還流し
た。析出した結晶を濾取し、エタノールで洗浄し、標記
化合物3.21gを得た(収率39%)。
【0127】
【表21】融点:251−253℃ NMR(DMSO-d6,δ):2.92(1H,dd,J=14.2,9.2Hz), 3.35(1H,
dd,J=14.2,4.3Hz),3.82(3H,s), 3.93(1H,dd,J=8.6,6.6H
z),4.23(1H,dd,J=9.6,8.6Hz), 4.34(1H,dd,J=11.2,5.3H
z),4.39(1H,dd,J=11.2,3.3Hz), 4.59(1H,dd,J=9.2,4.3H
z),5.07(1H,m), 7.08(2H,d,J=8.9Hz), 7.27(2H,d,J=8.6
Hz),7.51(2H,d,J=8.6Hz), 7.92(2H,d,J=8.9Hz), 8.82(2
H,s).
【0128】実施例9 4−[3−(α−4−(2−イミノ−4−チアゾリジノ
ン−5−イル)トリル)−2−オキソオキサゾリジン−
5−イル]メトキシ安息香酸塩酸塩の製造:実施例8で
得た4−[3−(α−4−(2−イミノ−4−チアゾリ
ジノン−5−イル)トリル)−2−オキソオキサゾリジ
ン−5−イル]メトキシ安息香酸メチル3.0gの酢酸
30ml及び濃塩酸10ml溶液を30時間加熱還流した。
次に、反応液を氷冷後、析出した結晶を濾取し、標記化
合物2.25gを得た(収率71%)。
【0129】
【表22】融点:277−281℃(分解) NMR(DMSO-d6,δ):2.99(1H,dd,J=14.0,8.9Hz), 3.36(1H,
dd,J=14.0,4.6Hz),3.93(1H,dd,J=9.2,6.3Hz), 4.23(1H,
dd,J=9.2,9.2Hz),4.32(1H,dd,J=11.2,5.3Hz), 4.39(1H,
dd,J=11.2,3.3Hz),4.67(1H,dd,J=8.9,4.6Hz), 5.07(1H,
m),7.05(2H,d,J=8.9Hz), 7.27(2H,d,J=8.9Hz),7.52(2H,
d,J=8.9Hz), 7.90(2H,d,J=8.9Hz), 9.34(2H,s).
【0130】実施例10 4−[3−(α−4−(2,4−チアゾリジンジオン−
5−イル)トリル)−2−オキソオキサゾリジン−5−
イル]メトキシ安息香酸の製造:実施例8で得た4−
[3−(α−4−(2−イミノ−4−チアゾリジノン−
5−イル)トリル)−2−オキソオキサゾリジン−5−
イル]メトキシ安息香酸メチル0.91gの酢酸20ml
及び15%塩酸20ml溶液を、48時間加熱還流した。
次に、反応液を氷冷後、水10mlを加え、析出した結晶
を濾取し、標記化合物510mgを得た(収率58%)。
【0131】
【表23】融点:264−266℃ NMR(DMSO-d6,δ):3.13(1H,dd,J=14.2,8.9Hz), 3.37(1H,
dd,J=14.2,4.6Hz),3.93(1H,dd,J=9.2,6.5Hz), 4.23(1H,
dd,J=9.2,8.9Hz),4.32(1H,dd,J=10.9,5.3Hz), 4.38(1H,
dd,J=10.9,3.3Hz),4.92(1H,dd,J=8.9,4.6Hz), 5.06(1H,
m),7.05(2H,d,J=8.9Hz), 7.28(2H,d,J=8.6Hz),7.54(2H,
d,J=8.6Hz), 7.90(2H,d,J=8.9Hz),12.03(1H,s), 12.65
(1H,br.s).
【0132】薬理試験例1(マウスにおける血糖低下作
用) まず、被試験化合物(実施例6で得た化合物)を、濃度
が0.75mg/mlになるように0.5%(W/V)ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)溶液に懸
濁させた。次に、8〜10週齢の雄性KK−Ay マウス
1群(日本クレア社;1群6匹)に対し、経口ゾンデを
用いて、朝夕2回の割合で5日間連続して強制経口投与
した。1回の投与量は、マウスの体重10g当たり0.
1mlで行った。このようにして薬剤を投与したマウス群
の尾静脈から投与開始日の前日及び投与終了日の翌日に
採血し、それをヘパリンを加えた採血管に採り、各マウ
スの血糖値をグルコースオキシダーゼ法により測定し
た。また、HPMCのみを同様にして強制経口投与した
マウス1群(薬剤非投与群;1群6匹)からも採血し、
血糖値を測定した。血糖低下率は、薬剤投与群及び薬剤
非投与群のマウス血糖値を用い、次式から求めた。 血糖低下率(%)=[1−(薬物投与群の平均血糖値/
薬物非投与群の平均血糖値)]×100 その結果、実施例6の化合物を投与したマウス群の血糖
低下率は21%であった。
【0133】
【発明の効果】本発明のオキサゾリジノン誘導体又はそ
の塩は新規化合物であり、優れた血糖低下作用及び血中
脂質低下作用を有している。従って、本発明のオキサゾ
リジノン誘導体又はその塩は、経口糖尿病治療剤、高脂
血症治療剤、動脈硬化予防及び治療剤、抗肥満薬などと
して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 277:34) (C07D 417/10 263:24 277:40)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1); 【化1】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子を有していてもよ
    い低級アルキル基、ハロゲン原子を有していてもよい低
    級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、低級
    アルコキシカルボニル基、ヒドロキシメチル基、ホルミ
    ルオキシメチル基、低級アルキルカルボニルオキシメチ
    ル基を示し、XはO又はNHを示し、LとMはそれぞれ
    が水素原子であるか又はLとMが結合して両者で一個の
    結合手を形成するものを示す)で表されるオキサゾリジ
    ノン誘導体又はその塩。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002020515A1 (en) * 2000-09-08 2002-03-14 Abbott Laboratories Oxazolidinone antibacterial agents

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