JPH07172871A - ガラス容器の擦り傷遮蔽剤 - Google Patents

ガラス容器の擦り傷遮蔽剤

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JPH07172871A
JPH07172871A JP34474893A JP34474893A JPH07172871A JP H07172871 A JPH07172871 A JP H07172871A JP 34474893 A JP34474893 A JP 34474893A JP 34474893 A JP34474893 A JP 34474893A JP H07172871 A JPH07172871 A JP H07172871A
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JP
Japan
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group
scratch
glass container
shielding agent
organosilicon compound
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JP34474893A
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English (en)
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Hiroshi Yonaiyama
太司 米内山
Isao Noda
功 野田
Masao Takase
正男 高瀬
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NUC Corp
Original Assignee
Nippon Unicar Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/28Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material
    • C03C17/30Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material with silicon-containing compounds

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス容器の擦り傷遮蔽剤を提供する。 【構成】 このガラス容器の擦り傷遮蔽剤は、コロイダ
ルシリカと一般式 【化1】 (但し、xは0又は1であり、Rはアルキル基、ビニル
基、フェニル基、アミノアルキル基、アクリロキシアル
キル基、メタアクリロキシアルキル基、グリシドキシア
ルキル基、ポリオキシアルキレン基又はポリオキシアル
キレンアルキル基であり、R’はアルキル基又はフェニ
ル基であり、R”は低級アルキル基である)で表わされ
る有機けい素化合物とメラミン樹脂とを溶媒中で反応さ
せて得られた生成物を主成分とする。 【効果】 平滑でガラスと同等の透明性と好ましいツヤ
があり、擦り傷遮蔽性、耐水性、非水汚染性等が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラス容器の擦り傷遮蔽
剤及びその製造法に関する。更に詳しくは、ビール、清
涼飲料水、牛乳壜等として使用されるガラス容器の擦り
傷を遮蔽し、かつガラス容器の使用中、擦り傷が発生し
にくく、ガラス容器の表面に水分が存在しても遮蔽膜が
破損しなく、洗浄工程で遮蔽膜が容易に除去されるガラ
ス容器の擦り傷遮蔽剤及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国においてはビール、清涼飲料水、
果汁、牛乳等は一部は金属缶、テトラパック、樽等のワ
ンウェイ容器によって消費者にわたっているが、大部分
はガラス容器に入れられ、流通しており、使用後は消費
者より回収されて、繰り返し使用されている。そのた
め、壜詰工程や流通過程等において、壜相互又は他の物
体との衝突、擦れ等により、ガラス容器の表面に擦り傷
が発生し、外観が著しく損われ、内容物の商品価値が低
下してくる。これらの対策として、耐水性の永久被膜を
形成させたコーティング壜もあるが、繰り返し使用する
と被膜に擦り傷が発生し十分な対策とはいえない。
【0003】従って、回収する毎にガラス容器の擦り傷
を遮蔽剤で処理する方が経済的であり、確実な方法とみ
なされ、普及してきた。かかる回収再使用されるガラス
容器の擦り傷遮蔽剤は、下記の要件を備えている事が必
要である。 a.回収再使用される壜の擦り傷を、新しい壜の表面状
態と同程度に見える様に遮蔽できること。 b.遮蔽膜自体ガラス容器と同等に透明性があること。 c.ガラス容器は流通過程で、雨水にあたったり、水中
で冷却されたり、冷蔵庫や倉庫中で表面に結露すること
があるので、水分によって遮蔽膜が軟化又は流失される
ことが生じない様、耐水性であること。 d.ガラス容器を水中で冷却するとき、遮蔽膜成分が水
中に溶け出したり、水の表面に浮遊し、美観、清潔感を
損ねたり、水に異臭異味を付与しないこと。 e.流通過程で、べとつきや滑りがなく、塵埃が付着し
ないこと。 f.回収壜はアルカリ溶液で洗浄されるが、このとき、
容易にかつ完全に剥離すること。 g.遮蔽剤を回収壜に被覆する工程では、人体に有毒な
揮発成分を発生しないこと。 h.遮蔽剤の被覆は常温で行われること(内容物の変質
防止、安全性、処理費の低下のため)。 i.耐擦り傷発生性にすぐれること。 上記要件を解決するため多くの提案がなされてきたが、
これらを大別すると、界面活性剤系、パラフィン系、有
機高分子系、有機けい素化合物系等である。しかしなが
ら、界面活性剤系は、耐水性(上記cの説明参照、以下
同じ)、表面べとつき性(上記e)等の問題があり、パ
ラフィン系は耐水性(上記c)、浮遊成分(上記d)等
の問題があり、有機高分子系は、高温被覆(上記h)、
溶剤の使用(上記g)等の問題があり、またこれらに共
通した問題点としては擦り傷の遮蔽性(上記a)、透明
性(上記b)及びアルカリ溶液による剥離性(上記f)
等がある。
【0004】一方、有機けい素化合物系も、多くの提案
がなされているが、上記aからiまでの要件を完全に満
足させるものはない。例えば、ポリシロキサン系はシリ
コーンオイル(特開昭54−150416号)、シリコ
ーンオイルとアミノ変性シリコーンオイルの混合物のエ
マルジョン(特開昭57−179053号)、アミノ変
性シリコーンオイル系(特開昭57−111263号)
等があるが、アルカリ溶液による剥離性(上記f)、硬
化速度が遅いこと(上記hに関連)、浮遊成分(上記
d)等に問題がある場合もあり、望ましくない。一方、
各種オルガノファンクショナルシランの縮合物を用いる
フェニルシランとメチルシランの縮合物(特開昭56−
56040号)、アルコキシ基含有シラン(特開昭59
−121138号)、エテノイドアシルアミノシラン
(特開昭60−151254号)、アミノシランとエポ
キシシランの共縮合物(特開昭61−6152号)、ア
ルキルまたはアルケニルシランとシリケートの共縮合物
(特開昭62−27354号)等が提案され、前記のポ
リシロキサン系より、擦り傷遮蔽性、透明性等におい
て、ある程度の改良は認められるものの十分ではない。
更に、コロイダルシリカと有機けい素化合物の反応生成
物(特開平3−8745号)等が提案されているが、壜
を被覆したときの仕上がり(上記aに関連)、非べとつ
き性(上記e)及び被覆被膜の強度(上記e及びiに関
連)がなお不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
状況に鑑み、平滑でガラスと同等の透明性と好ましいツ
ヤがあり、擦り傷遮蔽性、耐水性、非水汚染性、非べと
つき性、耐塵埃付着性、アルカリ水による易剥離性、有
害成分不含性、常温被膜形成性、耐擦り傷発生性に優れ
る被膜を形成し、さらに低価格性、作業環境安全性等に
優れ、低温ないし常温で成膜でき、製品安定性に優れた
ガラス容器の擦り傷遮蔽剤を提供することを課題とす
る。
【0006】更に詳しくは、従来のガラス容器の擦り傷
遮蔽剤では解決されなかった課題である、擦り傷遮蔽
性、擦り傷発生防止性、遮蔽膜被膜工程の安全性等を特
に解決することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来、回
収再使用されるガラス容器の擦り傷遮蔽剤の解決すべき
問題点についてその原因を究明したところ、擦り傷遮蔽
性は塗膜厚さと関係があること、即ち擦り傷はミクロ的
に観察するとガラス容器の表面に数ミクロンから数10
0ミクロンまでの凹凸が発生しており、これに対してそ
の凹凸の山と谷の深さより薄い遮蔽膜を被膜すると光線
の乱反射が起こり、擦り傷の白さが依然として残り、従
来のシリコーン系遮蔽剤では遮蔽膜が薄く課題が解決さ
れないことを究明した。また、ガラスと光屈折率が近い
物質であるほど、光の乱反射、複屈折が防止できること
に注目し、かかる物質を多くの物質の中から選択し、実
験を行い、効果のあるものを見出し、本発明を完成させ
た。
【0008】即ち、本発明においては、回収再使用する
ガラス容器の擦り傷遮蔽剤の成分としては、提案された
ことのないメラミン樹脂を主要な原料の一つとして採用
することにより、本発明を完成させた。
【0009】従って、本発明は (1) コロイダルシリカと一般式
【化3】 (但し、xは0又は1であり、Rはアルキル基、ビニル
基、フェニル基、アミノアルキル基、アクリロキシアル
キル基、メタアクリロキシアルキル基、グリシドキシア
ルキル基、ポリオキシアルキレン基又はポリオキシアル
キレンアルキル基であり、R’はアルキル基又はフェニ
ル基であり、R”は低級アルキル基である)で表わされ
る有機けい素化合物、該有機けい素化合物の加水分解物
及び該有機けい素化合物の部分縮合物からなる群から選
ばれた少なくとも1種の有機けい素化合物とメラミン樹
脂とを溶媒中で反応させて得られた生成物を主成分とす
ることを特徴とするガラス容器の擦り傷遮蔽剤、(2) 反
応溶媒が水であることを特徴とする前記(1) に記載のガ
ラス容器の擦り傷遮蔽剤、(3) pHが8以下であること
を特徴とする前記(1) に記載のガラス容器の擦り傷遮蔽
剤、(4) ポリジオルガノシロキサンのエマルジョンを添
加した事を特徴とする前記(1) に記載のガラス容器の擦
り傷遮蔽剤、(5) コロイダルシリカと一般式
【化4】 (但し、xは0又は1であり、Rはアルキル基、ビニル
基、フェニル基、アミノアルキル基、アクリロキシアル
キル基、メタアクリロキシアルキル基、グリシドキシア
ルキル基、ポリオキシアルキレン基又はポリオキシアル
キレンアルキル基であり、R’はアルキル基又はフェニ
ル基であり、R”は低級アルキル基である)で表わされ
る有機けい素化合物、該有機けい素化合物の加水分解物
及び該有機けい素化合物の部分縮合物からなる群から選
ばれた少なくとも1種の有機けい素化合物とメラミン樹
脂とを溶媒中で反応させる工程中に、減圧下で生成した
R"OH化合物を除去することを特徴とするガラス容器の擦
り傷遮蔽剤の製造方法、(6) 前記(1) にガラス容器の擦
り傷遮蔽剤を塗布成膜することを特徴とするガラス容器
の擦り傷遮蔽方法、(7) 前記(6) に記載の方法で擦り傷
が遮蔽されているガラス容器。
【0010】本発明において使用されるコロイダルシリ
カとは、けい酸塩に希塩酸を作用させてから透析して得
られる二酸化けい素又はその水和物のコロイドで、代表
的なものとしては無水けい酸を20〜40%含み、酸化
ナトリウムとしてソーダの含有量は0.3〜0.4%以
下、pH9.5〜10.5であり、25℃における粘度
は30cp以下、20℃における比重は1.10〜1.
40で、外観は透明性乳白色であるか又は無水けい酸を
20〜40%含み、酸化ナトリウムとしてソーダの含有
量は0.05%以下、pH2〜4であり、25℃におけ
る粘度は5cp以下、20℃における比重は1.10〜
1.20で外観は透明性乳白色であるものである。
【0011】粒子の表面には−SiOH基及び−OH-
イオンが存在し、アルカリイオンにより電気二重層が形
成され、粒子間の反発により安定化されている。コロイ
ダルシリカは通常水性分散液として市販されており、例
えば、スノーテックス(日産化学製)、ルドックス(デ
ュポン製)、ナルコアグ(ナショナルアルミネート
製)、サイトロン(モンサント・ケミカル製)等があげ
られるがこれに限定されるものではない。
【0012】本発明に使用される有機けい素化合物と
は、一般式
【化5】 (ここで、xは0又は1であり、Rはアルキル基、ビニ
ル基、フェニル基、アミノアルキル基、アクリロキシア
ルキル基、メタアクリロキシアルキル基、グリシドキシ
アルキル基、ポリオキシアルキレン基又はポリオキシア
ルキレンアルキル基であり、R’はアルキル基又はフェ
ニル基であり、R”はメチル基、エチル基、又はプロピ
ル基などの低級アルキル基である。)で表わされるもの
である。例えば、エチルトリメトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチ
ルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラ
ン、ジメチルジブトキシシラン、メチルエチルジメトキ
シシラン、メチルエチルジプロポキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル
トリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルエチ
ルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルフェニルジエトキシシ
ラン、2−アミノ−1−メチルエチルトリエトキシシラ
ン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−ブチル−γ−アミノプロピルメチルジエトキ
シシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−
N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチ
ルトリイソブトキシシラン、エチルトリイソプロポキシ
シラン、エチルトリイソブトキシシラン、ジメチルジイ
ソプロポキシシラン、ジメチルジイソブトキシシラン、
メチルエチルイソプロポキシシラン、メチルエチルイソ
ブトキシシラン等である。さらに、上記の有機けい素化
合物の加水分解物及び部分縮合物も同様に使用すること
ができる。
【0013】本発明において使用されるメラミン樹脂と
は、メラミンのアミノ基をホルマリンと反応させてメチ
ロール化させた物である。また、水系での安定性を高め
るために更に活性基をアルコール等で封鎖する場合もあ
る。通常はメチル化メチロールメラミンの水溶液として
一般に市販されており、例えばミルベンレジンSM−8
50(昭和高分子製)、ベッカミンMA−N(大日本イ
ンキ化学製)、スミテックスレジンM−3(住友化学
製)等があげられるがこれに限定されるものではない。
【0014】メラミン樹脂の添加量は特に限定されない
が、ガラス容器の擦り傷遮蔽剤中の固形分100重量部
中に20重量部以上含まれていると、常温での硬化性が
悪くなり好ましくない。また0.01重量部以下だと壜
を被覆したときの仕上がり、非べとつき性及び被覆被膜
の強度が不十分で好ましくない。
【0015】本発明にはテトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトライソプ
ロポキシシラン、テトライソブトキシシラン等やエチル
オルソシリケート及びこれらの3〜10量体であるシリ
ケート等を添加してもよい。
【0016】本発明において使用される反応溶媒は、
水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコー
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセト
ン、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチ
ルグリコール類、ブチルグリコール類などが挙げられる
が、環境問題、経済性、安全性面から見て水を使用する
ことが望ましい。
【0017】コロイダルシリカと有機けい素化合物との
混合物比率(無水けい酸含有量)は、特に規定はないが
1:100〜1:0.2が望ましい。コロイダルシリカ
1に対して有機けい素化合物の混合比率が100より大
であると溶媒を水にした場合の組成物の安定性及び、塗
膜の擦り傷の遮蔽性が不十分になる。また0.2よりも
小であると塗膜の強度及び基材との付着性が弱くなる。
また、塗膜の透明性が失われ望ましくない。
【0018】有効成分(固形分)は特に限定されない
が、50%以上だと被膜の厚さが不均一になり好しくな
い。また5%以下では非常に薄い被膜しか形成されず遮
蔽効果が不十分である。
【0019】本発明には緩衝剤を添加しても良い。緩衝
剤は組成物のpHを特定範囲内に緩衝化し、コロイダル
シリカと有機けい素化合物の反応生成物及びメラミン樹
脂との安定性を保持するために使用されるものであり、
広く知られているものが適宜本発明に用いられる。コロ
イダルシリカと有機けい素化合物の反応生成物及びメラ
ミン樹脂とは、水溶液中で加水分解反応を起こし、その
安定性及び性能を著しく低下させる恐れがある。そのた
め緩衝剤で水溶液のpHを7以下、好ましくは6〜4に
調整し、コロイダルシリカと有機けい素化合物との反応
生成物及びメラミン樹脂を安定化させる必要がある。有
用な緩衝剤の代表例としては、有機酸、無機酸、塩基及
びそれらの塩類、好ましくは酢酸、乳酸、炭酸、燐酸、
ヒドロ硫酸、オルガノ−、モノ−あるいはポリカルボン
酸、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニアなどあ
るいはこれらの混合物である。具体的な化合物として
は、酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、乳酸、
乳酸ナトリウム、塩酸、硼酸ナトリウムなどが挙げられ
る。使用される緩衝剤の量は前記目的を達成させる為に
広範囲に設定することができるが、一般的には全組成物
中で0.01〜5重量%であることが好ましい。
【0020】コロイダルシリカと有機けい素化合物との
反応は上記した反応溶媒中で、温度0〜80℃の範囲内
で、1〜36時間で完結し、そのまま又は、水以外の溶
媒の全部又は溶媒の一部を必要に応じて除去した反応混
合物をそのまま、又は更に水又は他の溶媒を加え遮蔽剤
として使用する。
【0021】また、本発明のガラス容器の擦り傷遮蔽剤
にポリジオルガノシロキサンのエマルジョンを添加する
と、塗膜に平滑性を与え、レベリング性を向上させる効
果がある。また、エポキシ変性ポリシロキサンのエマル
ジョンを添加すると、これらの効果に加え、ガラス容器
を水中で冷却するときに、遮蔽膜成分が水中に溶け出す
のを防止する効果がある。ポリジオルガノシロキサンと
しては、ジメチルポリシロキサン、フェニル変性ポリシ
ロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポ
リシロキサン、カルボン酸変性ポリシロキサン、シラノ
ール変性ポリシロキサン、ビニル変性ポリシロキサンな
どが挙げられるが特に限定されない。また、ジメチルポ
リシロキサンには、高重合度で生ゴム状のシリコーンガ
ムも含まれる。これらのエマルジョンは、例えばジメチ
ルポリシロキサンにポリオキシエチレン−ノニルフェニ
ルエーテルと水を添加し、ホモミキサーで乳化して作る
事ができる。更にこれらのエマルジョン油滴の粒径は特
に限定されないが、粒径は小さい方が塗膜の平滑性や、
レベリング性の向上効果が大きく、平均粒径を5μm以
下にするのが好ましい。
【0022】本発明のガラス容器の擦り傷遮蔽剤は、通
常ガラス壜に塗布される公知の方法、例えば織布、不織
布、発泡体、フェルト、刷毛などによって手塗りする方
法、あるいはこれらをベルトに固定し機械的に塗布する
方法、浸漬方法、噴霧方法等によって行われる。塗布す
る場合は、本発明のガラス容器の擦り傷遮蔽剤をそのま
ま、或いは水やアルコールで適当な濃度に薄めて使用す
ることができる。
【0023】本発明においてコロイダルシリカと有機け
い素化合物及びメラミン樹脂を溶媒中で反応させた後、
減圧下で生成したメタノール、エタノール、ブタノール
などのアルコール又は最初に溶媒として使用したアルコ
ールなどの有機溶剤を除去する場合と除去しない場合が
ある。理由は、本発明のガラス容器の擦り傷遮蔽剤をガ
ラス容器に塗布する作業環境に、人がいる場合はメタノ
ール、エタノール、ブタノール等が人体に有害であり、
塗布作業が困難であるからである。塗布工程が機械化さ
れ、人が作業環境にいる必要がない場合や揮発溶媒を回
収する装置を備えた場合は溶媒を除去する必要はない。
また、メタノール、エタノール等可燃性ガスが存在する
と、防災上問題であり、これの対策上、防災設備に多額
な投資が必要である。
【0024】本発明のガラス容器の擦り傷遮蔽剤には、
通常使用される顔料、染料、帯電防止剤、架橋剤、防曇
剤、粘度調整剤、分散助剤、界面活性剤、造核剤、滑
剤、金属粉末、酸化防止剤、紫外線防止剤などを必要に
応じて添加してもよい。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基いて説明するが、
本発明はこれに限定されるものでなく、本発明の技術思
想を利用する実施態様はすべて本発明の範囲に含まれる
ものである。なお、実施例に先立ち評価法を以下に示
す。
【0026】外観試験 塗布後、常温で72時間経過後、肉眼で観察し、以下の
基準に基づき評価した。評 価 外 観 1 塗膜の表面は平滑であり、塗膜も透明性でツヤ
がある。 2 塗膜の表面は平滑であり、塗膜も透明性である
がツヤがない。 3 塗膜は透明性であるがツヤがない。塗膜の表面
はやや平滑性に劣るが実用性はある。 4 塗膜の表面の平滑性がやや劣り、塗膜もやや濁
っている。
【0027】硬化性試験 塗布後、常温で24時間経過後に触手により判定し、以
下の基準に基づき評価した。評 価 硬化性 1 完全に硬化。 2 やや硬化があまいが使用可。 3 硬化不十分。
【0028】遮蔽性試験 塗布後、常温で24時間経過後に肉眼で判定し、以下の
基準に基づき評価した。評 価 遮蔽性 1 白い擦り傷が遮蔽され完全に見えない。 2 白い擦り傷は遮蔽されているが、塗膜の透明性
がやや不十分である。しかし使用は可能である。 3 白い擦り傷が部分的に残り、使用不可。
【0029】耐水性試験 塗布後、常温で72時間経過後、常温水に72時間浸し
た後、擦り傷の遮蔽性及び浸した水の表面のオイルの発
生の有無を肉眼で観察し、以下の基準に基づき評価し
た。評 価 耐水性 1 遮蔽性も保たれ、オイルの発生もない。 2 遮蔽性は保たれているが、塗膜がやや失透す
る。 3 白い擦り傷が再現、又はオイルの発生がある。
【0030】剥離性試験 洗壜工程を行った後肉眼で評価した。評 価 剥離性 1 壜の表面からきれいに剥離され残渣はない。 2 わずかに残渣がみられる。 3 残渣が多くある。
【0031】感触試験 塗布後、常温で72時間経過後、塗膜表面を手で触り、
以下の基準に基づき評価した。評 価 感 触 1 塗膜の表面にべとつきが全くない。 2 やや滑りが悪いが、実用性は十分である。 3 塗膜の表面にべとつきが感じられる。
【0032】爪引っ掻き強度試験 塗布後、常温で72時間経過後、塗膜表面を爪で引っ掻
き、以下の基準に基づき評価した。評 価 爪引っ掻き強度 1 強く引っ掻いても塗膜表面に傷がほとんどつか
ない。 2 強く引っ掻くと塗膜が剥がれ傷がつく。 3 軽く引っ掻いただけで塗膜が剥がれ傷がつく。
【0033】
【実施例】実施例1 コロイダルシリカ(日産化学製スノーテックス−O)
5.0重量部、メチルトリエトキシシラン(日本ユニカ
ー製A−162)50.0重量部、及び蒸留水45.0
重量部を撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備
えたガラス製反応器に入れ70℃で4時間還流して反応
を行った後、減圧下で、生成したアルコールを除去し、
反応液1とした。反応液1に蒸留水を加えて固形分を3
5.0%に調整し、反応液2とした。反応液2の99.
5重量部に変性メラミン樹脂水溶液(昭和高分子製ミル
ベンレジンSM−850:有効成分80重量%)0.5
重量部を添加し、上記反応器中で70℃で4時間還流し
た後、濃塩酸でpHを4.5〜5.0に調整しガラス容
器の擦り傷遮蔽剤を調製した。このガラス容器の擦り傷
遮蔽剤中の固形分100重量部中にメラミン樹脂は1.
13重量部含まれる。これを蒸留水で2.5倍に希釈し
て塗布液とし、1.5cm幅のスポンジでガラス壜の表
面に塗布後、外観、硬化性、遮蔽性、耐水性、剥離性、
感触及び爪引っ掻き強度を評価し、表1に示した様にす
ぐれた効果が確認された。
【表1】
【0034】実施例2〜9 実施例1と同様な実験方法で、コロイダルシリカ、有機
けい素化合物、メラミン樹脂等の種類、使用量を変化さ
せて同様な実験を行い評価した。表1に処方と評価結果
を記した。表1に示した様に良好な効果が確認された。
【0035】実施例10 実施例1の方法により得られたガラス容器の擦り傷遮蔽
剤100重量部に、ジメチルポリシロキサンの水性エマ
ルジョン(蒸留水100重量部にポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル・NP−10(日光ケミカルズ
製)2重量部を均一に溶解し、これを撹拌機で撹拌しな
がら、ここにジメチルポリシロキサン20重量部を添加
して製造したものである)を5重量部添加し、撹拌を十
分に行いガラス壜に塗布し、評価した。実施例1の評価
と比較し、塗膜の滑性が増し、擦り傷の発生が減少し、
表面のレベリングも向上した。
【0036】比較例1〜3 実施例と同様な方法で、実験を行った。処方と評価結果
を表1に示した。メラミン樹脂を全く使用していないの
で、外観、手触り、耐久性が不十分で実用性がなかっ
た。
【0037】
【発明の効果】本発明のガラス容器の擦り傷遮蔽剤は、
平滑でガラスと同等の透明性と好ましいツヤがあり、擦
り傷遮蔽性、耐水性、非水汚染性、非べとつき性、耐塵
埃付着性、アルカリ水による易剥離性、有害成分不含
性、常温被膜形成性、耐擦り傷発生性に優れる被膜を形
成し、さらに低価格性、作業環境安全性等に優れ、低温
ないし常温で成膜ができ、製品安定性に優れたガラス容
器の擦り傷遮蔽剤を提供するものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コロイダルシリカと一般式 【化1】 (但し、xは0又は1であり、Rはアルキル基、ビニル
    基、フェニル基、アミノアルキル基、アクリロキシアル
    キル基、メタアクリロキシアルキル基、グリシドキシア
    ルキル基、ポリオキシアルキレン基又はポリオキシアル
    キレンアルキル基であり、R’はアルキル基又はフェニ
    ル基であり、R”は低級アルキル基である)で表わされ
    る有機けい素化合物、該有機けい素化合物の加水分解物
    及び該有機けい素化合物の部分縮合物からなる群から選
    ばれた少なくとも1種の有機けい素化合物とメラミン樹
    脂とを溶媒中で反応させて得られた生成物を主成分とす
    ることを特徴とするガラス容器の擦り傷遮蔽剤。
  2. 【請求項2】 反応溶媒が水であることを特徴とする請
    求項1記載のガラス容器の擦り傷遮蔽剤。
  3. 【請求項3】 pHが8以下であることを特徴とする請
    求項1記載のガラス容器の擦り傷遮蔽剤。
  4. 【請求項4】 ポリジオルガノシロキサンのエマルジョ
    ンを添加した事を特徴とする請求項1記載のガラス容器
    の擦り傷遮蔽剤。
  5. 【請求項5】 コロイダルシリカと一般式 【化2】 (但し、xは0又は1であり、Rはアルキル基、ビニル
    基、フェニル基、アミノアルキル基、アクリロキシアル
    キル基、メタアクリロキシアルキル基、グリシドキシア
    ルキル基、ポリオキシアルキレン基又はポリオキシアル
    キレンアルキル基であり、R’はアルキル基又はフェニ
    ル基であり、R”は低級アルキル基である)で表わされ
    る有機けい素化合物、該有機けい素化合物の加水分解物
    及び該有機けい素化合物の部分縮合物からなる群から選
    ばれた少なくとも1種の有機けい素化合物とメラミン樹
    脂とを溶媒中で反応させる工程中に、減圧下で生成した
    R" OH化合物を除去することを特徴とする請求項1記
    載のガラス容器の擦り傷遮蔽剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のガラス容器の擦り傷遮蔽
    剤を塗布成膜することを特徴とするガラス容器の擦り傷
    遮蔽方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の方法で擦り傷が遮蔽され
    たガラス容器。
JP34474893A 1993-12-21 1993-12-21 ガラス容器の擦り傷遮蔽剤 Pending JPH07172871A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000512259A (ja) * 1997-04-04 2000-09-19 ジヴェント ヒェミー ラインフェルデン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 表面シール中空ガラス容器の製造方法

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JP2000512259A (ja) * 1997-04-04 2000-09-19 ジヴェント ヒェミー ラインフェルデン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 表面シール中空ガラス容器の製造方法

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