JPH0717277A - 車両のトルク分配制御装置 - Google Patents

車両のトルク分配制御装置

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Publication number
JPH0717277A
JPH0717277A JP16795293A JP16795293A JPH0717277A JP H0717277 A JPH0717277 A JP H0717277A JP 16795293 A JP16795293 A JP 16795293A JP 16795293 A JP16795293 A JP 16795293A JP H0717277 A JPH0717277 A JP H0717277A
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JP
Japan
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torque
torque distribution
vehicle
yaw rate
change amount
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Application number
JP16795293A
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English (en)
Inventor
Koji Shibahata
康二 芝端
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/267,913 priority patent/US5417298A/en
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Publication of JPH0717277A publication Critical patent/JPH0717277A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トルク分配装置を有する車両において、エン
ジンのトルクを前後左右の駆動輪に適切に分配すること
により、車両の実ヨーレートを目標ヨーレートに一致さ
せて操舵特性を向上させる。 【構成】 フィードフォワード制御系M1〜M6は、エ
ンジントルクTE 、エンジン回転数Ne、車速V及び操
舵角θに基づいて、運転者が意図するヨーレートを得る
べく左右の後部駆動輪間の左右トルク分配比をフィード
フォワード制御し、またフィードバック制御系M7〜M
9は、規範ヨーレートY0 と実ヨーレートYawとの偏
差ΔYを0に収束させるべく前部駆動輪及び後部駆動輪
間の前後トルク分配比をフィードバック制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのトルクを前
部駆動輪及び後部駆動輪に所定の前後トルク分配比で分
配制御するとともに、前部駆動輪に分配されたトルク及
び後部駆動輪に分配されたトルクの少なくとも一方を左
側駆動輪及び右側駆動輪に所定の左右トルク分配比で分
配制御する車両のトルク分配制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる車両のトルク分配制御装置は、特
開平3−525号公報によって公知である。このトルク
分配制御装置は、前部駆動輪及び後部駆動輪間の前後ト
ルク分配比を一定に保持するか、或いはエンジンのトル
クに応じてフィードフォワード制御するとともに、左後
部駆動輪及び右後部駆動輪間の左右トルク分配比を車速
及び/又は横加速度に応じてフィードフォワード制御す
ることにより、車両の旋回性能の向上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両のトルク分配制御装置は、車両の走行状態に基
づいて前後左右のトルク分配比をフィードフォワード制
御しているだけなので精度の高い制御が困難であり、車
両の実際の旋回状態を必ずしも運転者の意図する旋回状
態に一致させることができなった。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、応答性及び収束性に優れ、車両の実際の旋回状態を
運転者の意図する旋回状態に的確に一致させることが可
能な車両のトルク分配制御装置を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、エンジンのトルクを
前部駆動輪及び後部駆動輪に所定の前後トルク分配比で
分配制御するとともに、前部駆動輪に分配されたトルク
及び後部駆動輪に分配されたトルクの少なくとも一方を
左側駆動輪及び右側駆動輪に所定の左右トルク分配比で
分配制御する車両のトルク分配制御装置において、車両
の走行状態を検出する走行状態検出手段と、車両の姿勢
変化量を検出する姿勢変化量検出手段と、前記走行状態
検出手段の出力に基づいて前記左右トルク分配比をフィ
ードフォワード制御するとともに、前記姿勢変化量検出
手段の出力に基づいて求めた実姿勢変化量が前記走行状
態検出手段の出力に基づいて求めた目標姿勢変化量に一
致するように前記前後トルク分配比をフィードバック制
御する制御手段と、この制御手段の出力に基づいてトル
ク分配を行うアクチュエータとを備えたことを特徴とす
る。
【0006】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記走行状態検出手段がエンジンの
トルクを検出するエンジントルクセンサと、操舵角を検
出する操舵角センサと、車速を検出する車速センサとよ
りなり、前記姿勢変化量検出手段がヨーレートを検出す
るヨーレートセンサよりなることを特徴とする。
【0007】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0008】図1に示すように、4輪駆動車両の車体前
部にはエンジン1及びトランスミッション2が搭載され
ており、トランスミッション2の出力軸に、左右の前部
駆動輪WFL,WFRにトルクを分配するフロントディファ
レンシャル3が接続される。フロントディファレンシャ
ル3は方向変換用のギヤ機構4を介して車体前後方向に
延びるプロペラシャフト5に接続されており、プロペラ
シャフト5の後端にジョイントを介して接続された入力
軸6が、一対のベベルギヤ7,8を介してリヤディファ
レンシャル9に接続される。リヤディファレンシャル9
は、その内部にプラネタリギヤ式変速機構10及び左右
一対の可変容量型の主油圧クラッチ11 L ,11R を備
えており、左右の後部駆動輪WRL,WRRの出力軸1
L ,12Rにトルクを分配する。
【0009】プラネタリギヤ式変速機構10は、外周に
前記ベベルギヤ8が固着されたドラム状のギヤケース2
6を備える。ギヤケース26の内部を左右方向に貫通す
る伝達軸33の中央には、該ギヤケース26の内部に位
置するようにプラネタリギヤキャリヤ34がスプライン
結合される。プラネタリギヤキャリヤ34の外周に等間
隔で配設された複数本のプラネタリギヤ軸の左端及び右
端には、それぞれプラネタリギヤ37L …,37R …が
回転自在に支持される。左側のプラネタリギヤ37L
は、ギヤケース26の内周に形成したリングギヤ38L
と、伝達軸33の外周に相対回転自在に支持したスリー
ブ40L に一体に形成したサンギヤ41 L とに噛合す
る。一方、右側のプラネタリギヤ37R …は、ギヤケー
ス26の内周に形成したリングギヤ38R と、伝達軸3
3の外周に相対回転自在に支持したスリーブ40R に一
体に形成したサンギヤ41R とに噛合する。
【0010】サンギヤ41L を一体に有して伝達軸33
に回転自在に支持された左側のスリーブ40L は、拘束
用クラッチ45L を介してケーシングに結合される。ま
た、サンギヤ41R を一体に有して伝達軸33の回転自
在に嵌合する右側のスリーブ40R は拘束用クラッチ4
R を介して右ケーシング16に結合され、また前記右
側のスリーブ40R とケーシングとの間にはワンウェイ
クラッチ28が設けられる。
【0011】而して、左側の拘束用クラッチ45L をO
N(締結)することによりスリーブ40L を介してサン
ギヤ41L を固定すると、プラネタリギヤ式変速機構1
0のギヤケース26に入力されたトルクは、左側のリン
グギヤ38L 及びサンギヤ41L に噛合するプラネタリ
ギヤ37L …から、そのプラネタリギヤ37L …を支持
するプラネタリギヤキャリヤ34を介して伝達軸33に
伝達される。このとき、前記プラネタリギヤ式変速機構
10は、ギヤケース26の回転数を減速して伝達軸33
に伝達する。
【0012】一方、右側の拘束用クラッチ45R をON
することによりスリーブ40R を介してサンギヤ41R
を固定すると、プラネタリギヤ式変速機構10のギヤケ
ース26に入力されたトルクは、右側のリングギヤ38
R 及びサンギヤ41R に噛合するプラネタリギヤ37R
…からプラネタリギヤキャリヤ34を介して伝達軸33
に伝達され、このとき、プラネタリギヤ式変速機構10
は、左側の拘束用クラッチ45L をONする上述の場合
よりも大きい減速比でギヤケース26の回転数を減速し
て伝達軸33に伝達する。
【0013】上述のように右側のスリーブ40R は拘束
用クラッチ45R をONしたときに右ケーシング16に
固定されるが、それ以外に車両の運転状態に応じて前記
ワンウェイクラッチ28によってケーシングに固定され
る。すなわち、エンジン1のトルクが後部駆動輪WRL
RRに伝達されている場合には、ワンウェイクラッチ2
8がONすることにより右側のスリーブ40R はケーシ
ングに固定され、逆に前部駆動輪WFL,WFRのトルクが
エンジン1に伝達されている場合には、ワンウェイクラ
ッチ28がOFF(締結解除)することにより自由に回
転し得る状態となる。
【0014】伝達軸33の回転は、左右の一対の主油圧
クラッチ11L ,11R を介して対応する出力軸1
L ,12R に伝達される。このとき、主油圧クラッチ
11L ,11R に加える油圧の大きさを制御することに
より、伝達軸33から左右の出力軸12L ,12R に伝
達されるトルクの大きさをそれぞれ別個に調整すること
ができる。
【0015】次に、主油圧クラッチ11L ,11R 及び
拘束用クラッチ45L ,45R の油圧制御系を詳述す
る。
【0016】図2に示す油圧回路は、油圧ポンプ74、
アンロード弁75、フェイルセイフ弁76、3つの圧力
制御弁77,78L ,78R 及びシフト弁79を有し、
油圧ポンプ74が吐出する圧油をアンロード弁75及び
フェイルセイフ弁76を介し圧力制御弁78L ,78R
でそれぞれ調圧して左右の主油圧クラッチ11L ,11
R に導き、また同様に、圧力制御弁77で調圧してシフ
ト弁79により左右の拘束用クラッチ45L ,45R
択一的に油圧を供給する。
【0017】油圧ポンプ74は周知のベーンポンプ等か
ら成り、エンジン1のクランク軸で直接にあるいはモー
タ等で駆動され、リザーバタンク80内のオイルを加圧
して吐出する。アンロード弁75は、油圧ポンプ74の
吐出圧に応答し、油圧ポンプ74の吐出圧が所定圧力を
超える場合に油をリザーバタンク80に還流させる。フ
ェイルセイフ弁76は、アンロード弁75に連絡された
インレットポート、リザーバタンク80に連絡されたド
レンポート及び各圧力制御弁77,78L ,78R に並
立的に連絡されたアウトレットポートを形成されたハウ
ジング81内にスプール82が収容され、ハウジング8
1の一側にスプール82を一方へ付勢するリターンスプ
リング83が、ハウジング81の他側にスプール82を
リターンスプリング83の弾性力に抗して付勢するソレ
ノイド84が設けられている。このフェイルセイフ弁7
6は、ソレノイド84が電子制御ユニットUに結線され
て制御され、故障等の異常時において、アンロード弁7
5に連絡されたインレットポートを圧力制御弁77,7
L ,78R に連絡されたアウトレットポートから遮絶
し、リザーバタンク80に連絡されたドレンポートと連
通する。
【0018】85は周知のアキュムレータであり、該ア
キュムレータ85が充分に蓄圧されて油圧ポンプ74の
吐出圧が所定値を越えて上昇すると、アンロード弁75
が開弁して油圧ポンプ74の吐出油がリザーバタンク8
0に還流する。
【0019】圧力制御弁77は、ハウジング86に形成
された収容孔内にスプール87が摺動自在に収容され、
ハウジング86の一側にスプール87を一方に付勢する
リターンスプリング88が縮装され、またハウジング8
6の他側にスプール87をリターンスプリング88の弾
性力に抗して付勢するソレノイド89が設けられてい
る。ハウジング86には、フェイルセイフ弁76に連絡
されたインレットポート90、シフト弁79に連絡され
たアウトレットポート91、リザーバタンク80に連絡
されたドレンポート92、アウトレットポート91に連
通する第1のコントロールポート93a及びアウトレッ
トポート91に絞り94を介して連通する第2のコント
ロールポート93bが形成され、またスプール87に
は、条溝87 1 及び収容孔の周壁面との間に微少の間隙
を形成する浅溝872 が形成され、スプール87と条溝
871 によってインレットポート90とアウトレットポ
ート91との間に可変絞り95aが、スプール87の浅
溝872 によって各コントロールポート93a,93b
とドレンポート92との間に可変絞り95bが構成され
る。
【0020】この圧力制御弁77は、ソレノイド89が
電子制御ユニットUから通電される電流値に応じた付勢
力でスプール87を付勢し、ソレノイド89の付勢力に
よるスプール87の変位で各可変絞り95a,95bの
抵抗が逆特性で変化してアウトレットポート91から出
力する油圧を調圧する。
【0021】尚、後述するように、この圧力制御弁77
はソレノイド89への通電がシフト弁79の切換作動に
同期しており、シフト弁79の切換作動時にアウトレッ
トポート91から出力する油圧を小さくするように制御
される。
【0022】シフト弁79は、ハウジング96内にスプ
ール97が摺動自在に収容され、ハウジング96の一側
にスプール97を一方に付勢するリターンスプリング9
8が縮設され、ハウジング96の他側にスプール97を
リターンスプリング98の弾性力に抗して付勢するソレ
ノイド99が設けられている。ハウジング96には、上
記圧力制御弁77に連絡したインレットポート100、
左側の拘束用クラッチ45L に連絡されたアウトレット
ポート101a、右側の拘束用クラッチ45Rに連絡さ
れたアウトレットポート101b及びリザーバタンク8
0に連絡された2つのドレンポート102a,102b
が形成され、またスプール97には各アウトレットポー
ト101a,101bをそれぞれインレットポート10
0又はドレンポート102a,102bに選択的に連通
する条溝971 ,972 ,973が形成されている。
【0023】ソレノイド99は電子制御ユニットUに結
線され、電子制御ユニットUから通電されてスプール9
7を付勢する。このシフト弁79は、ソレノイド99の
非通電時(図示状態)においてインレットポート100
とアウトレットポート101aとの間及びドレンポート
102aとアウトレットポート101bとの間を連通し
て左側の拘束用クラッチ45L 油圧を導き、またソレノ
イド99の通電時においてインレットポート100とア
ウトレットポート101bとの間及びドレンポート10
2bとアウトレットポート101aとの間を連通して右
側の拘束用クラッチ45R に油圧を導く。
【0024】圧力制御弁78L ,78R は前述した圧力
制御弁77と同一構成を有し、圧力制御弁78L はアウ
トレットポート91が左側の主油圧クラッチ11L に連
絡され、該主油圧クラッチ11L に供給する油圧を電子
制御ユニットUからソレノイド89に通電される電流値
に応じて調圧し、また同様に、圧力制御弁78R もアウ
トレットポート91が右側の主油圧クラッチ11R に連
絡されて油圧を供給する。尚、これら圧力制御弁7
L ,78R については、前述の圧力制御弁77と同一
部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0025】図3に示すように、電子制御ユニットUに
はエンジン1の回転数Neを検出するエンジン回転数セ
ンサ51、エンジンEのトルクTE を検出するエンジン
トルクセンサ52、操舵角θを検出する操舵角センサ5
3、車速Vを検出する車速センサ54及び実ヨーレート
Yawを検出するヨーレートセンサ55からの信号が入
力される。電子制御ユニットUは前記各センサ51〜5
5からの信号を所定のプログラムに基づいて演算処理
し、フェイルセーフ弁76、圧力制御弁77、圧力制御
弁78L 、圧力制御弁78R 及びシフト弁79を制御す
る。
【0026】図4は、左右の主油圧クラッチ11L ,1
R に接続された圧力制御弁78L,78R を制御すべ
く電子制御ユニットUに設けられた制御回路を示すもの
である。
【0027】この制御回路は、ドライブシャフトトルク
D (すなわち、前部駆動輪WFL,WFR及び後部駆動輪
RL,WRRに伝達されるトクルの総和)を算出するため
のドライブシャフトトルク算出手段M1を備える。ドラ
イブシャフトトルク算出手段M1では、エンジンEのト
ルクTE に、ギヤレシオ算出手段M2においてエンジン
回転数Neと車速Vとから求めたギヤレシオNiを乗算
することにより、ドライブシャフトトルクTD (=TE
×Ni)が求められる。尚、エンジントルクT E は吸気
圧(又はアクセル開度)とエンジン回転数とから求める
ことが可能であり、ドライブシャフトトルクTD は前述
した以外に動力伝達系に設けたトルクセンサや車両の前
後加速度から求めることができる。また、車速Vは車輪
速度から求める以外に空間フィルターを用いて光学的に
求めても良く、ドップラーレーダーを用いて求めても良
い。
【0028】左右分配補正係数算出手段M3では、図5
(A)に示すマップからドライブシャフトトルクTD
基づいて該ドライブシャフトトルクTD に関する左右分
配補正係数KT を検索するとともに、図5(B)に示す
マップから車速Vに基づいて該車速Vに関する左右分配
補正係数KV を検索する。次に、目標ヨーレート算出手
段M4において、図6(A)のマップから操舵角θに基
づいて目標ヨーレートYの操舵角成分Y1 を検索すると
ともに、図6(B)のマップから車速Vに基づいて目標
ヨーレートYの車速成分Y2 を検索し、検索した操舵角
成分Y1 及び車速成分Y2 を乗算して目標ヨーレートY
(=Y1 ×Y2 )を求める。続いて、横加速度算出手段
M5において前記目標ヨーレートYに車速Vを乗算する
ことにより横加速度YG (=Y×V)を求め、左右分配
補正係数算出手段M6で、図7のマップから横加速度Y
G に基づいて左右分配補正係数Gを求める。
【0029】而して、前記各手段M1〜M6はフィード
フォワード制御系を構成し、車両の運転状態を表す各パ
ラメータTE ,Ne,V,θに基づいて、後述するよう
に運転者の意図する旋回状態を得るために左右後部駆動
輪WRL,WRRに対する左右トルク分配比が決定される。
【0030】電子制御ユニットUは、前記フィードフォ
ワード制御系に加えて、フィードバック制御系を備え
る。
【0031】フィードバック制御系の規範ヨーレート算
出手段M7において、目標ヨーレートYをフィルタリン
グ処理することにより規範ヨーレートY0 、すなわち運
転者がステアリングホイールの操作によって得ようとし
ているヨーレートが求められる。規範ヨーレートY
0 は、ヨーレート偏差算出手段M8において実ヨーレー
トYawと比較され、ヨーレート偏差ΔY(=Yaw−
0 )が求められる。実ヨーレートYawは各種のジャ
イロによって求められる他、左右の車輪の速度差を車両
のトレッドで除算することにより求めることができる。
続いて、フィードバックトルク算出手段M9において、
ヨーレート偏差ΔYに定数Cを乗算することにより、フ
ィードバック係数kF (=ΔY×C)が求められる。
【0032】而して、左右後輪トルク算出手段M10に
おいて、左後部駆動輪WRLに分配すべきトルクTRLと右
後部駆動輪WRRに分配すべきトルクTRRとが、次式に基
づいて算出される。
【0033】 TRL=1/2TD ×(1−kF )×(1+KW ×KT ×KV ×G)・・・(1) TRR=1/2TD ×(1−kF )×(1−KW ×KT ×KV ×G)・・・(2) ここで、KT ,KV は左右分配補正係数算出手段M3で
求めた左右分配補正係数、Gは左右分配補正係数算出手
段M6で求めた左右分配補正係数、kF はフィードバッ
クトルク算出手段M9で求めたフィードバック係数、K
W は定数である。
【0034】(1)式及び(2)式から明らかなよう
に、フィードバック係数kF (0≦k F ≦1)は前部駆
動輪WFL,WFRと後部駆動輪WRL,WRR間の前後トルク
分配比を決定するもので、0<kF <1のときは前部駆
動輪WFL,WFRにTD ×kF のトルクが分配されるとと
もに後部駆動輪WRL,WRRにTD ×(1−kF )のトル
クが分配され、またKF =0のときはドライブシャフト
トルクTD の全量が後部駆動輪WRL,WRRに分配され、
更にKF =1のときはドライブシャフトトルクT D の全
量が前部駆動輪WFL,WFRに分配される。
【0035】また、(1)式及び(2)式の右辺第3項
(1±KW ×KT ×KV ×G)は左右後部駆動輪WRL
RR間での左右トルク分配比を決定するもので、一方の
後部駆動輪WRL,WRRのトルク分配が所定量だけ増加す
ると、他方の後部駆動輪WRL,WRRのトルク分配が前記
所定量だけ減少する。
【0036】上述のようにして左右後部駆動輪WRL,W
RRに分配すべきトルクTRL,TRRが求められると、左右
後部駆動輪WRL,WRRに前記トルクTRL,TRRが伝達さ
れるように左右一対の主油圧クラッチ11L ,11R
圧力制御弁78L ,78R が制御される。
【0037】次に、前述の構成を備えた本実施例の作用
を説明する。
【0038】上述したリヤディファレンシャル9を備え
た4輪駆動車両にあっては、電子制御ユニットUからの
指令によって、左後部駆動輪WRLに(1)式のトルクT
RLが分配されるように主油圧クラッチ11L の圧力制御
弁78L が制御されるとともに、右後部駆動輪WRR
(2)式のトルクTRRが分配されるように主油圧クラッ
チ11R の圧力制御弁78R が制御される。
【0039】このとき、フィードバックトルク算出手段
M9で求めたフィードバック係数k F に基づいて、前部
駆動輪WFL,WFR及び後部駆動輪WRL,WRR間の前後ト
ルク分配比が調整される。具体的には、ヨーレート偏差
ΔYが正であってオーバーステアの傾向が現れると、フ
ィードバック係数kF が増加して前部駆動輪WFL,W FR
へのトルク分配量が増加し、またヨーレート偏差ΔYが
負であってアンダーステアの傾向が現れると、フィード
バック係数kF が減少して後部駆動輪WRL,W RRへのト
ルク分配量が増加し、これにより車両の実ヨーレートが
運転者の意図する目標ヨーレートに一致するようにフィ
ードバック制御される。
【0040】また、左右分配補正係数算出手段M3,M
6で求めた左右分配補正係数KT ,KV ,Gに基づい
て、左右後部駆動輪WRL,WRR間の左右トルク分配比が
フィードフォワード制御される。その結果、実ヨーレー
トを増加させる場合には旋回外側の後部駆動輪WRL,W
RRにより多くのトルクが分配され、実ヨーレートを減少
させる場合には旋回内側の後部駆動輪WRL,WRRにより
多くのトルクが分配され、これにより運転者の意図する
旋回状態を得るとともに、車両の運動性能の向上が図ら
れる。
【0041】上述のように、前後トルク分配比をフィー
ドバック制御するとともに、左右トルク分配比をフィー
ドフォワード制御することにより、制御初期には応答性
に優れたフィードフォワード制御によりトルクを左右分
配して車両のヨーレートを速やかに変化させ、またヨー
レート変化が始まると実ヨーレートと目標ヨーレートと
の偏差に基づいて前後トルク分配比をフィードバック制
御し、高い精度で実ヨーレートを目標ヨーレートに的確
に一致させることができる。このように、フィードフォ
ワード制御とフィードバック制御とを組み合わせたこと
により制御の応答性及び収束性を両立させ、優れた操舵
特性を得ることができる。
【0042】一方、この車両にあっては、プラネタリギ
ヤ式変速機構10の左側のサンギヤ41L が固定される
と後部駆動輪WRL,WRRへの伝達動力が増速され、また
右側のサンギヤ41R が固定されると後部駆動輪WRL
RRと前部駆動輪WFL,WFRとが前述した約1の変速比
で連結される。そして、左側のサンギヤ41L は拘束用
クラッチ45L がONしたときに固定され、右側のサン
ギヤ41R は後部駆動輪WRL,WRRへ動力が伝達されて
いる場合にワンウェイクラッチ28によって固定される
とともに、後部駆動輪WRL,WRRへの動力伝達の如何に
かかわらず、拘束用クラッチ45R がONしたときに固
定される。
【0043】ここで、各拘束用クラッチ45L ,45R
のシリンダ141 ,131 には圧力制御弁77により調
圧された油圧をシトフ弁79により切り換えて択一的か
つ選択的に導くが、これら圧力制御弁77及びシフト弁
79を制動あるいは旋回等の車両の状態により制御し、
更にシフト弁79の切換作動時に圧力制御弁77をシフ
ト弁79に供給する油圧が小さくなるように制御する。
すなわち、例えばシフト弁79は車両の旋回時等におい
て左側の拘束用クラッチ45L をONして後部駆動輪W
RL,WRRを増速し、また後退時及びエンジンブレーキに
よる制動時等において右側の拘束用クラッチ45R をO
Nして後部駆動輪WRL,WRRを前部駆動輪WFL,WFR
直結し、更に後部駆動輪WRL,WRRへエンジン1から動
力が伝達される通常の直進走行時等において各拘束用ク
ラッチ45L ,45R を共にリザーバタンク80に連通
させてワンウェイクラッチ28によってサンギヤ41R
を拘束し、後部駆動輪WRL,WRRを前部駆動輪WFL,W
FRに直結する。そして、圧力制御弁77はフットブレー
キによる制動時において圧油をリザーバタンク80に還
流させて各拘束用クラッチ45L ,45R をOFFし、
またシフト弁79の切換作動に同期して一時的にシフト
弁79へ供給する油圧を低下させる。これにより、車両
は直進安定性を損うことなく旋回時に後部駆動輪WRL
RRへの伝達動力を増速させて高い旋回性能を得ること
ができ、またフットブレーキによる制動時には前部駆動
輪WFL,WFR及び後部駆動輪WRL,WRRを分離して前部
駆動輪WFL,WFRと後部駆動輪WRL,WRR間の制動力配
分の変化を防止でき、更にエンジンブレーキによる制動
時には大きな制動効果を得られ、更にまた変速ショック
の低減を図ることができる。
【0044】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の設計
変更を行うことができる。
【0045】例えば、トルクを前後及び左右に分配する
ための構成は実施例のものに限定されず、種々の公知の
ものに置き換えることができる。また、後部駆動輪に分
配されたトルクだけでなく、前部駆動輪に分配されたト
ルクを更に左右に分配することも可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発
明によれば、車両の実姿勢変化量を運転者が意図する車
両の目標姿勢変化量に一致させるべく、前部駆動輪及び
後部駆動輪間の前後トルク分配比をフィードバック制御
するとともに、左右の駆動輪間の左右トルク分配比をフ
ィードフォワード制御しているので、フィードバック制
御系による高い収束性とフィードフォワード制御系によ
る高い応答性とを両立させて優れた操舵特性を得ること
が可能となる。
【0047】また請求項2に記載された発明によれば、
目標姿勢変化量を求めるための走行状態検出手段をエン
ジンのトルクを検出するエンジントルクセンサと、操舵
角を検出する操舵角センサと、車速を検出する車速セン
サとから構成し、実姿勢変化量を求めるための姿勢変化
量検出手段をヨーレートを検出するヨーレートセンサか
ら構成したことにより、前記2つの姿勢変化量を的確に
求めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルク分配装置を備えた車両を示す図
【図2】トルク分配装置の油圧回路を示す図
【図3】制御系のブロック図
【図4】電子制御ユニットの回路構成を示すブロック図
【図5】左右分配補正係数KT ,KV を求めるマップを
示す図
【図6】目標ヨーレートYを求めるマップを示す図
【図7】左右分配補正係数Gを求めるマップを示す図
【符号の説明】
U 電子制御ユニット(制御手段) WFL 前部駆動輪 WFR 前部駆動輪 WRL 後部駆動輪 WRR 後部駆動輪 1 エンジン 11L 主油圧クラッチ(アクチュエータ) 11R 主油圧クラッチ(アクチュエータ) 52 エンジントルクセンサ(走行状態検出手
段) 53 操舵角センサ(走行状態検出手段) 54 車速センサ(走行状態検出手段) 55 ヨーレートセンサ(姿勢変化量検出手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1)のトルクを前部駆動輪
    (WFL,WFR)及び後部駆動輪(WRL,WRR)に所定の
    前後トルク分配比で分配制御するとともに、前部駆動輪
    (WFL,WFR)に分配されたトルク及び後部駆動輪(W
    RL,WRR)に分配されたトルクの少なくとも一方を左側
    駆動輪及び右側駆動輪に所定の左右トルク分配比で分配
    制御する車両のトルク分配制御装置において、 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段(52,5
    3,54)と、車両の姿勢変化量を検出する姿勢変化量
    検出手段(55)と、前記走行状態検出手段(52,5
    3,54)の出力に基づいて前記左右トルク分配比をフ
    ィードフォワード制御するとともに、前記姿勢変化量検
    出手段(55)の出力に基づいて求めた実姿勢変化量が
    前記走行状態検出手段(52,53,54)の出力に基
    づいて求めた目標姿勢変化量に一致するように前記前後
    トルク分配比をフィードバック制御する制御手段(U)
    と、この制御手段(U)の出力に基づいてトルク分配を
    行うアクチュエータ(11L ,11R )とを備えたこと
    を特徴とする、車両のトルク分配制御装置。
  2. 【請求項2】 前記走行状態検出手段がエンジン(1)
    のトルクを検出するエンジントルクセンサ(52)と、
    操舵角を検出する操舵角センサ(53)と、車速を検出
    する車速センサ(54)とよりなり、前記姿勢変化量検
    出手段がヨーレートを検出するヨーレートセンサ(5
    5)よりなることを特徴とする、請求項1記載の車両の
    トルク分配制御装置。
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