JPH0717113B2 - オフセットブランケット - Google Patents

オフセットブランケット

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JPH0717113B2
JPH0717113B2 JP26581189A JP26581189A JPH0717113B2 JP H0717113 B2 JPH0717113 B2 JP H0717113B2 JP 26581189 A JP26581189 A JP 26581189A JP 26581189 A JP26581189 A JP 26581189A JP H0717113 B2 JPH0717113 B2 JP H0717113B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、オフセット印刷に使用されるオフセットブ
ランケットに関するものである。
<従来の技術と発明が解決しようとする課題> 従来、上記オフセット印刷には一般の油性インキ(酸化
重合タイプ)が使用されていたが、最近では、熱硬化タ
イプ、紫外線硬化タイプ、電子線硬化タイプ等の種々の
印刷インキが使用され、特に、環境衛生上の観点や、積
み重ねた際の裏移りが少ないこと等から、紫外線硬化タ
イプのインキを、安価で経済的に有利な従来の油性イン
キと併用する場合が多くなりつつある。
一般の油性インキが使用されるオフセットブランケット
の表面印刷層には、上記油性インキや、作業終了時、絵
柄変更時等に使用される洗浄油等に対する耐性を有する
ニトリルゴムが使用されている。なお、上記ニトリルゴ
ムには、アクリロニトリル含有量によって、低ニトリル
から極高ニトリルまで5段階のグレードがあり、低ニト
リルゴム(アクリロニトリル含有量18〜24%)は、加工
性、永久歪特性、印刷時性(インキ転移性)に優れる
が、耐油性が不十分であり、極高ニトリルゴム(アクリ
ロニトリル含有量43〜50%)は、逆に、耐油性に優れる
が、加工性、永久歪特性、印刷特性に劣る傾向がある。
このため、前記表面印刷層には、一般に、上記両ニトリ
ルゴムの中間の性質を有する、中ニトリルゴム(アクリ
ロニトリル含有量25〜30%)または中高ニトリルゴム
(アクリロニトリル含有量31〜35%)が使用されてい
る。
一方、紫外線硬化タイプのインキは、成分中に含まれる
アクリルモノマーが、上記中〜中高ニトリルゴムを膨潤
させてしまうため、この中〜中高ニトリルゴムよりは、
アクリルモノマーに対する耐性に優れた、エチレン・プ
ロピレン・ジエンゴム(EPDM)やエチレン・プロピレン
ゴム(EPM)等の非極性のゴム材料からなる表面印刷層
を備えたオフセットブランケットが使用されている。
しかし、上記非極性のゴム材料は、上述したように、ニ
トリルゴムに比べれば、アクリルモノマーに対する耐性
が優れているが、完全な耐性を有するわけではなく、繰
り返し使用すると、やはり膨潤してしまう。しかも、上
記非極性のゴム材料は、ニトリルゴムに比べて耐油性が
著しく劣るため、一般の油性インキや洗浄油を使用する
ことができず、したがって、紫外線硬化タイプのインキ
と油性インキとを併用する際には、インキが変わるごと
に、オフセットブランケットを、それぞれのインキ用の
ものに交換しなければならないという問題がある。
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであっ
て、油性インキと紫外線硬化タイプのインキの両方に対
する耐性に優れると共に、加工性、永久歪特性、印刷特
性等にも優れたオフセットブランケットを提供すること
を目的としている。
<課題を解決するための手段および作用> 上記課題を解決するための、この発明のオフセットブラ
ンケットは、表面印刷層を構成する原料ゴムが、ムーニ
ー粘度75ML1+4(100℃)以上、アクリロニトリル含有量
31〜35%の中高ニトリルゴムと、ムーニー粘度45ML1+4
(100℃)以上、アクリロニトリル含有量43〜50%の極
高ニトリルゴムとなることを特徴としている。
上記構成からなる、この発明のオフセットブランケット
においては、中高ニトリルゴムが、加工性、永久歪特
性、印刷特性等に優れており、また、極高ニトリルゴム
が、油性インキ並びに紫外線硬化タイプのインキの両方
に対する耐性に優れているため、この両者を原料ゴムと
する上記表面印刷層は、上記両者の特性を全て合せ持っ
たものとなる。
上記中高ニトリルゴムのムーニー粘度が75ML1+4(100
℃)以上に限定されるのは、中高ニトリルゴムの未加硫
状態におけるムーニー粘度が75ML1+4(100℃)未満で
は、油性インキおよび紫外線硬化タイプのインキに対す
る耐性が十分に得られないからである。なお、上記中高
ニトリルゴムのムーニー粘度は、100ML1+4(100℃)以
上であることが好ましい。
一方、極高ニトリルゴムのムーニー粘度が45ML1+4(100
℃)以上に限定されるのは、極高ニトリルゴムの未加硫
状態におけるムーニー粘度が45ML1+4(100℃)未満で
は、永久歪特性、加工性が十分に得られないからであ
る。なお、上記極高ニトリルゴムのムーニー粘度は、50
ML1+4(100℃)以上であることが好ましい。
上記中高ニトリルゴムと極高ニトリルゴムとの配合比率
は、重量比で、10:90〜50:50の範囲内であることが好ま
しい。
中高ニトリルゴムと極高ニトリルゴムとの配合比率にお
いて、極高ニトリルゴムの配合比率が重量比で50%を下
回った場合には、油性インキおよび紫外線硬化タイプの
インキに対する耐性が十分に得られない虞があり、逆
に、両者の配合比率において、極高ニトリルゴムの配合
比率が重量比で90%を超えた場合には、印刷特性、永久
歪特性、加工性が十分に得られない虞がある。
なお、上記中高ニトリルゴムと極高ニトリルゴムとの配
合比率は、重量比で、20:80〜40:60の範囲内であること
がより好ましい。
表面印刷層は、上記中高ニトリルゴムおよび極高ニトリ
ルゴムを原料ゴムとし、この原料ゴムに、例えば、加硫
剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、充填剤等の各種添加剤
を配合した配合ゴムを表面印刷層の形に成型した後、常
法により加硫することで形成される。
上記配合ゴム中に含まれる加硫剤としては、例えばテト
ラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、N,N′−ジチ
オビスモルホリン等の有機含硫黄化合物や硫黄等が挙げ
られる。
また、加硫促進剤としては、ジベンゾチアジルジスルフ
ィド(MBTS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジ
ルスルフェンアミド(CBS)、N−オキシジエチレン−
2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(OBS)、N−ter
t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBB
S)等のチアゾール類が主促進剤として挙げられ、必要
に応じて、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)、テトラ
メチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、ジメチルジチ
オカーバミン酸亜鉛(ZnMDC)、エチルフェニルジチオ
カーバミン酸亜鉛(ZnEPDC)、および加硫剤のところで
挙げたテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)等を
2次促進剤として適宜配合することもできる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、ハードクレー、ソフ
トクレー、硫酸バリウム、珪藻土、タルク、マイカ、ア
スベスト、グラファイト、軽石等の無機充填剤;再生ゴ
ム、粉末ゴム、アスファルト類、スチレン樹脂、にかわ
等の有機充填剤が挙げられる。
上記表面印刷層を備えた、この発明のオフセットブラン
ケットは、例えば第1図(a)(b)に示す層構成に形
成される。
第1図(a)は、支持体層1の表面に、合成樹脂発泡体
等からなる圧縮性層2を介して表面印刷層3が形成され
た圧縮性オフセットブランケットの構成を示している。
また、第1図(b)は、支持体層1上に、表面印刷層3
が直接に積層された、通常のオフセットブランケットの
構成を示している。
なお、上記両図のオフセットブランケットにおいては、
複数層(図では3層)の基布11…を、プライマー層(接
着層)G…を介して積層することで支持体層1が構成さ
れており、この支持体層1の上に、プライマー層Gを介
して表面印刷層3が形成されている。上記両図のオフセ
ットブランケットにおける表面印刷層3の厚みは特に限
定されないが、350μm以下であることが好ましい。
また、第1図(a)のオフセットブランケットにおいて
は、印刷時の加圧により前記表面印刷層3がずれて、網
点のずれや見当不良等の印刷不良が生じないようにする
ため、前記圧縮性層2と表面印刷層3との間にもプライ
マー層G,Gを介して基布11が介装されている。
なお、この発明のオフセットブランケットの層構成は、
上記両図のものには限定されず、従来公知の種々の層構
成を採用することができる。
<実施例> 以下、実施例にもとづいて、この発明を説明する。
実施例1 アクリロニトリル含有量34%、ムーニー粘度140ML
1+4(100℃)の中高ニトリルゴム(ポリサー社製、商品
名クライナックPK34−140)30重量部と、アクリロニト
リル含有量50%、ムーニー粘度75ML1+4(100℃)の極高
ニトリルゴム(ポリサー社製、商品名クライナックPK50
−75)70重量部とを混合してなる原料ゴムに、酸化亜鉛
3重量部、硫黄1.5重量部、ステアリン酸1重量部、ハ
ードクレイ40重量部、N−tert−ブチル−2−ベンゾチ
アジルスルフェンアミド(TBBS)0.7重量部を配合して
配合ゴムを製造した。なお、前記原料ゴムのアクリロニ
トリル含有量は、 0.34×30+0.50×70=45.2% であった。
次に、綿製の基布3枚を、プライマーとしてのゴム系接
着剤を介して積層して製造された支持体層の表面に、上
記接着剤を介して、前記原料ゴムを積層し、加硫させ
て、厚み350μmの表面印刷層を形成し、第1図(b)
に示す層構成のオフセットブランケットを製造した。
実施例2 原料ゴムにおける中高ニトリルゴムの配合量を25重量
部、極高ニトリルゴムの配合量を75重量部にしたこと以
外は、上記実施例1と同様にしてオフセットブランケッ
トを製造した。なお、上記原料ゴムのアクリロニトリル
含有量は、 0.34×25+0.50×75=46.0% であった。
実施例3 原料ゴムにおける中高ニトリルゴムの配合量を35重量
部、極高ニトリルゴムの配合量を65重量部にしたこと以
外は、上記実施例1と同様にしてオフセットブランケッ
トを製造した。なお、上記原料ゴムのアクリロニトリル
含有量は、 0.34×35+0.50×65=44.4% であった。
実施例4 アクリロニトリル含有量34%、ムーニー粘度75ML1+4(1
00℃)の中高ニトリルゴム(日本合成ゴム社製、商品名
N231H)35重量部とアクリロニトリル含有量44%、ムー
ニー粘度45ML1+4(100℃)の極高ニトリルゴム(日本合
成ゴム社製、商品名N222L)65重量部とを混合してなる
原料ゴムを使用したこと以外は、上記実施例1と同様に
してオフセットブランケットを製造した。なお、上記原
料ゴムのアクリロニトリル含有量は、 0.34×35+0.44×65=40.5% であった。
比較例1 原料ゴムとして、アクリロニトリル含有量30%、ムーニ
ー粘度29ML1+4(100℃)の中ニトリルゴム(日本合成ゴ
ム社製、商品名N241H)100重量部を使用したこと以外
は、上記実施例1と同様にしてオフセットブランケット
を製造した。
比較例2 原料ゴムとして、アクリロニトリル含有量34%、ムーニ
ー粘度140ML1+4(100℃)の中高ニトリルゴム(ポリサ
ー社製、商品名クライナックPK34−140)100重量部を使
用したこと以外は、上記実施例1と同様にしてオフセッ
トブランケットを製造した。
比較例3 原料ゴムとして、アクリロニトリル含有量44%、ムーニ
ー粘度45ML1+4(100℃)の極高ニトリルゴム(日本合成
ゴム社製、商品名N222L)100重量部を使用したこと以外
は、上記実施例1と同様にしてオフセットブランケット
を製造した。
比較例4 原料ゴムとして、アクリロニトリル含有量45%、ムーニ
ー粘度47ML1+4(100℃)の極高ニトリルゴム(UGINE KU
HLMANN社製、商品名BT−405)100重量部を使用したこと
以外は、上記実施例1と同様にしてオフセットブランケ
ットを製造した。
比較例5 原料ゴムとして、アクリロニトリル含有量50%、ムーニ
ー粘度75ML1+4(100℃)の極高ニトリルゴム(ポリサー
社製、商品名クライナックPK50−75)100重量部を使用
したこと以外は、上記実施例1と同様にしてオフセット
ブランケットを製造した。
比較例6 アクリロニトリル含有量34%、ムーニー粘度70ML1+4(1
00℃)の中高ニトリルゴム(ポリサー社製、商品名クラ
イナック833)35重量部と、アクリロニトリル含有量48
%、ムーニー粘度45ML1+4(100℃)の極高ニトリルゴム
(日本合成ゴム社製、商品名N2155L)65重量部とを混合
してなる原料ゴムを使用したこと以外は、上記実施例1
と同様にしてオフセットブランケットを製造した。な
お、上記原料ゴムのアクリロニトリル含有量は、 0.34×35+0.48×65=43.1% であった。
比較例7 原料ゴムとして、エチレン・プロピレン・ジエンゴム
(住友化学社製、商品名エスプレン)100重量部を使用
したこと以外は、上記実施例1と同様にしてオフセット
ブランケットを製造した。
耐油性試験 上記各実施例並びに比較例で使用した配合ゴムを成型
し、加硫して、1mm×2cm×2cmのブロックを作製し、こ
のブロックを40℃に保温されたトルエン中に浸漬して、
24時間経過後の体積を測定し、浸漬前の体積VT1と浸漬
後の体積VT2とから、下記式〔I〕に基づいて、膨潤に
よる体積増加率ΔVT(%)を算出した。
耐アクリルモノマー性試験 上記耐油性試験で使用したものと同寸法のブロックを、
40℃に保温されたアクリルモノマー(MANDA)中に浸漬
して、24時間経過後の体積を測定し、浸漬前の体積VM1
と浸漬後の体積VM2とから、下記式〔II〕基づいて、膨
潤による体積増加率ΔVM(%)を算出した。
圧縮永久歪特性試験 上記各実施例並びに比較例で使用した配合ゴムを成型
し、加硫して、厚み12.70±0.13mm、直径29.0mmの直円
柱形の試験片を作製し、JIS K 6301、圧縮永久歪試
験を行って、圧縮永久歪率CS(%)を算出した。
印刷特性試験 上記各実施例並びに比較例のオフセットブランケット
を、インキ転移試験機(Prfbau社製)に装填し、墨色
インキ(東洋インキ社製、東洋インキマークV)を使用
して、下記条件で、コート紙(三菱製紙社製)に印刷
し、原版からオフセットブランケットへのインキ転移率
T1(%)、並びにオフセットブランケットから紙へのイ
ンキ転移率T2(%)を算出した。
・試験条件 印圧…600N 印刷速度…4m/s ロール温度…25℃ 供給インキ量…0.522 室温…25℃ 湿度…60% 以上の結果を表1に示す。
上記表1の、耐油性試験並びに耐アクリルモノマー性試
験の結果より、中〜中高ニトリルゴム単独で形成され
た、比較例1,2のオフセットブランケットにおける表面
印刷層、および、エチレン・プロピレン・ジエンゴムで
形成された、比較例7のオフセットブランケットにおけ
る表面印刷層は、何れも、耐油性、耐アクリルモノマー
性が低く、24時間の浸漬によって大きく膨潤してしまっ
た。また、実施例と同じく、中高ニトリルゴムと極高ニ
トリルゴムとを併用したものであるが、中高ニトリルゴ
ムのムーニー粘度が75ML1+4(100℃)未満である比較例
6のオフセットブランケットも、やはり、耐油性、耐ア
クリルモノマー性が低く、24時間の浸漬によって大きく
膨潤してしまった。これに対し、実施例1〜4のオフセ
ットブランケットにおける表面印刷層は、極高ニトリル
ゴム単独で形成された、比較例3〜5のオフセットブラ
ンケットにおける表面印刷層と同程度に、耐油性、耐ア
クリルモノマー性に優れることが判明した。
また、圧縮永久歪特性試験の結果より、極高ニトリルゴ
ム単独で形成された比較例3〜5における表面印刷層
や、前記比較例6における表面印刷層は、何れも、圧縮
永久歪率CS(%)が大きく、加圧により大きく変形して
しまった、これに対し、実施例1〜4における表面印刷
層は、中〜中高ニトリルゴム単独で形成された、比較例
1,2における表面印刷層、並びに、エチレン・プロピレ
ン・ジエンゴムで形成された比較例7における表面印刷
層と同程度に圧縮永久歪率CS(%)が小さく、加圧後に
は、ほぼ元の形状まで復元することができた。このこと
から、上記実施例1〜4のオフセットブランケットは、
圧縮永久歪特性に優れることが判明した。
そして、印刷特性試験の結果より、表面印刷層が極高ニ
トリルゴム単独で形成された、比較例3〜5のオフセッ
トブランケット、および、前記比較例6のオフセットブ
ランケットは、何れも、原版からのインキ転移率T
1(%)、並びに、紙へのインキ転移率T2(%)が低
く、きれいな印刷を行うことができなかった。また、表
面印刷層が中高ニトリルゴム単独で形成された、比較例
2のオフセットブランケット、および、エチレン・プロ
ピレン・ジエンゴムで形成された比較例7のオフセット
ブランケットは、上記比較例3〜6ほどではないが、や
はり、原版からのインキ転移率T1(%)、並びに、紙へ
のインキ転移率T2(%)が低く、きれいな印刷を行うこ
とができなかった。これに対し、実施例1〜4のオフセ
ットブランケットは、何れも、原版からのインキ転移率
T1(%)、並びに、紙へのインキ転移率T2(%)が共
に、中ニトリルゴム単独で形成された、比較例1のオフ
セットブランケットと同程度に高く、このことから、上
記実施例1〜4のオフセットブランケットは、印刷特性
に優れることが判明した。
ニトリルゴムの配合比率並びにムーニー粘度検討 アクリロニトリル含有量34%、ムーニー粘度140ML
1+4(100℃)の中高ニトリルゴム(ポリサー社製、商品
名クライナックPK34−140)と、アクリロニトリル含有
量50%、ムーニー粘度75ML1+4(100℃)の極高ニトリル
ゴム(ポリサー社製、商品名クライナックPK50−75)と
を、第2図(a)〜(d)に示すように、10:90〜90:10
の9通りの配合比率で混合した原料ゴム100重量部に、
酸化亜鉛3重量部、硫黄1.5重量部、ステアリン酸1重
量部、ハードクレイ40重量部、N−tert−ブチル−2−
ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS)0.7重量部を
配合して、9種の配合ゴムを製造した。
次に、中高ニトリルゴムのみを100重量部使用した配合
ゴム、および極高ニトリルゴムのみを100重量部使用し
た配合ゴムと、上記9種の配合ゴムとを使用して、前述
した耐油性試験、耐アクリルモノマー性試験、圧縮永久
歪特性試験および印刷特性試験を行った。耐油性試験の
結果を第2図(a)、耐アクリルモノマー性試験の結果
を第2図(b)、圧縮永久歪特性試験の結果を第2図
(c)、そして印刷特性試験の結果を第2図(d)に、
それぞれ実線で示す。
上記各図の結果より、中高ニトリルゴムと極高ニトリル
ゴムとの配合比率において、極高ニトリルゴムの配合比
率が重量比で50%未満では、耐油性並びに耐アクリルモ
ノマー性が悪化し、また、両者の配合比率において、極
高ニトリルゴムの配合比率が重量比で90%を超えると、
印刷特性、永久歪特性が悪化した。このことから、この
発明のオフセットブランケットにおいては、中高ニトリ
ルゴムと極高ニトリルゴムとの配合比率は、重量比で、
10:90〜50:50の範囲内が好ましいことが判明した。
なお、上記各配合比(重量比)におけるアクリロニトリ
ルの含有量(%)は、下記表2の通りである。
また、アクリロニトリル含有量34%、ムーニー粘度70ML
1+4(100℃)の中高ニトリルゴム(ポリサー社製、商品
名クライナック833)35重量部と、アクリロニトリル含
有量50%、ムーニー粘度45ML1+4(100℃)の極高ニトリ
ルゴム(日本合成ゴム社製、商品名N2155L)とを使用し
て、上記と同様にして11種の配合コムを作成し、この配
合ゴムを用いて、耐油性試験、耐アクリルモノマー性試
験、圧縮永久歪特性試験および印刷特性試験を行った。
その結果、前記各図中に破線で示すように、何れの試験
についても、実線で示す、ムーニー粘度が140ML1+4(10
0℃)の中高ニトリルゴムと、ムーニー粘度が75ML
1+4(100℃)の極高ニトリルゴムとを併用した系よりも
結果が悪いことが判明した。
実用試験1 前記実施例1並びに比較例2,5のオフセットブランケッ
トを、それぞれ金属印刷機(富士機械社製、プリメック
ス)に装填し、紫外線硬化タイプの金属用インキ(大日
本インキ化学社製、商品名ダイキュアー)を使用して、
金属板の表面に印刷を行い、刷り上がった金属板表面の
印刷を観察して、2〜3万枚を1版として、何版まで使
用できるかを評価した。
実用試験2 紫外線硬化タイプの金属用インキに代えて、金属用油性
インキ(東洋インキ社製、商品名マークV)を使用した
こと以外は、上記実用試験1と同様にして、何版まで使
用できるかを評価した。
以上の結果を第3表に示す。
上記表3の結果より、実施例1のオフセットブランケッ
トは、紫外線硬化タイプのインキと油性インキの両方に
対する耐性に優れ、この紫外線硬化タイプのインキと油
性インキとを併用し得るものであることが判明した。
<発明の効果> この発明のオフセットブランケットは、以上のように構
成されており、表面印刷層が、加工性、永久歪特性、印
刷特性等に優れると共に、油性インキ並びに紫外線硬化
タイプのインキの両方に対する耐性に優れているため、
上記紫外線硬化タイプのインキと油性インキとを併用す
る印刷に適したものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はこの発明のオフセットブランケットの層
構成の一例を示す模式的断面図、第1図(b)は層構成
の別の例を示す模式的断面図、第2図(a)は中高ニト
リルゴムおよび極高ニトリルゴムの配合比率と耐油性と
の関係を示すグラフ、第2図(b)は中高ニトリルゴム
および極高ニトリルゴムの配合比率と耐アクリルモノマ
ー性との関係を示すグラフ、第2図(c)は中高ニトリ
ルゴムおよび極高ニトリルゴムの配合比率と圧縮永久歪
特性との関係を示すグラフ、第2図(d)は中高ニトリ
ルゴムおよび極高ニトリルゴムの配合比率と印刷特性と
の関係を示すグラフである。 1……支持体層、3……表面印刷層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−167197(JP,A) 特公 昭44−18450(JP,B1)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体層上に、表面印刷層を備えたオフセ
    ットブランケットにおいて、上記表面印刷層を構成する
    原料ゴムが、ムーニー粘度75ML1+4(100℃)以上、アク
    リロニトリル含有量31〜35%の中高ニトリルゴムと、ム
    ーニー粘度45ML1+4(100℃)以上、アクリロニトリル含
    有量43〜50%の極高ニトリルゴムとなることを特徴とす
    るオフセットブランケット。
  2. 【請求項2】中高ニトリルゴムと極高ニトリルゴムとの
    配合比率が、重量比で、10:90〜50:50の範囲内である請
    求項1記載のオフセットブランケット。
JP26581189A 1989-10-12 1989-10-12 オフセットブランケット Expired - Fee Related JPH0717113B2 (ja)

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