JPH07169428A - イオン源装置 - Google Patents

イオン源装置

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JPH07169428A
JPH07169428A JP28141094A JP28141094A JPH07169428A JP H07169428 A JPH07169428 A JP H07169428A JP 28141094 A JP28141094 A JP 28141094A JP 28141094 A JP28141094 A JP 28141094A JP H07169428 A JPH07169428 A JP H07169428A
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克夫 松原
Hideaki Tawara
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波電圧印加に基づく高周波放電のプラズ
マ生成により供給量の制限なく電子を放出してイオン化
ガスのプラズマを生成し、イオンビームを引き出す。 【構成】 ガス導入口30が形成され,高周波電圧の印
加に基づく高周波放電により副プラズマ38を生成する
絶縁体の副筐体28と、この副筐体28に連設された主
筐体36と、副筐体28の蓋板34と、この蓋板34に
形成された電子放出孔35と、副筐体28内の電極33
を主筐体36より低電位に保持し,電子放出孔35から
主筐体36内に供給された電子を利用した直流放電によ
り主プラズマ39を生成するアーク電源12と、主プラ
ズマ39からイオンビームを引き出すイオンビーム引出
し電極群7とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子放出源から電子を
供給し,直流放電によりイオン化ガスをプラズマ化して
イオンビームを生成するイオン源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、イオンビームスパッタリング,イ
オンビームミキシング,イオンアシスト等に用いられる
代表的なイオン源装置として、カウフマン型イオン源装
置及びバケット型イオン源装置等がある。
【0003】(従来例1)従来のカウフマン型イオン源
装置は、図2に示す構成になっており、同図において、
1はステンレス等の非磁性体の金属製の筐体、2は筐体
1により形成されたプラズマ生成室、3は生成室2に設
けられたフィラメントであり、タングステンW,ホウ化
ランタンLaB6 等からなる。4はフィラメント3の加
熱用のフィラメント電源、5は生成室2に設けられた円
筒状のアノードである。
【0004】6は生成室2へのガス導入口、7はイオン
ビーム引出し電極群であり、第1電極8,第2電極9,
第3電極10から構成されている。11は筐体1の外側
に設けられた円筒状の磁場発生用の永久磁石又は電磁石
である。
【0005】12はアーク電源であり、陽極がアノード
5に,陰極が抵抗13を介して筐体1に接続され、アノ
ード5にアノード電圧を印加する。14は加速電源であ
り、陽極がアーク電源12の陰極に接続され、筐体1と
同電位の第1電極8にアノード電圧より低い正の加速電
圧を印加する。15は第2電極9に負の電圧を印加する
減速電源である。
【0006】そして、フィラメント3はカソードとして
の熱電子放出源であり、フィラメント電源4の抵抗加熱
により高温に保持されて熱電子e’を放出し、例えばタ
ングステンでは2400℃,ホウ化ランタンでは130
0℃程度に加熱される。
【0007】一方、ガス導入口6からイオン化ガス,例
えばアルゴン(Ar)等の希ガス或いは酸素ガス等の反
応性ガスがプラズマ生成室2に導入される。
【0008】そして、フィラメント3とアノード5間の
放電により、導入されたイオン化ガスのプラズマ16が
生成され、電極群7のビーム引出し作用により、プラズ
マ中のイオンがイオンビームとなってスパッタ室等に引
き出される。
【0009】このとき、磁石11の磁場により、プラズ
マ16の生成効率の向上或いはプラズマ16の閉じ込め
の向上が図られる。
【0010】(従来例2)従来のバケット型イオン源装
置は、図3に示す構成になっており、図2の構成と異な
る点はつぎのとおりである。図2のアノード5がなく、
アーク電源12の陽極が筐体1に直接接続され、筐体1
がアノードとなり、加速電源14の陽極が筐体1に絶縁
体17を介した電極群7の第1電極8に直接或いは抵抗
を介して接続され、永久磁石11が複数個の環状体から
構成され、筐体1の内部にカスプ磁場を形成するように
配置されている点である。そして、作用は図2の場合と
ほぼ同様である。
【0011】(従来例3)従来のホローカソード型イオ
ン源装置は、図4に示す構成になっており、図3と異な
る点はつぎのとおりである。フィラメント3がなく、筐
体1の左側開口部に絶縁体18を介して非磁性体の金属
からなるカソード筐体19が装着され、該筐体19の左
側開口部に絶縁体20を介して非磁性体の金属製の蓋板
21が装着され、カソード室22が形成されている。
【0012】カソード室22にはホローカソード23が
設けられ、蓋板21に一体に形成された筒状体24の外
周にヒータコイル25が巻回され、筒状体24の内面に
熱電子放出材26が設けられ、ホローカソード23が構
成され、ヒータコイル25が電源4で加熱され、熱電子
放出材26が筒状体24を介して加熱される。
【0013】蓋板21には筒状体24内側へのガス導入
口27が設けられている。アーク電源12の陰極は、蓋
板21,筒状体24に接続されるとともに、抵抗13を
介してカソード筐体19及び第1電極8に接続されてい
る。
【0014】そして、生成室2に導入口6からイオン化
ガスが導入されるとともに、筒状体24の内側に導入口
27からアルゴン等のホロー放電用の希ガスが導入さ
れ、電源印加によりアノードを形成する筐体1とホロー
カソード23との間で放電が生じ、筒状体24の内側空
間において希ガスのホロー放電が発生し、ホロー放電に
基づく熱電子放出により熱電子放出材26から熱電子
e’が放出され、この熱電子e’がアノード電圧により
生成室2に導入される。
【0015】そのため、筐体1とホローカソード23と
の間の放電により生成室2にプラズマ16が生成され、
カソード23から供給される熱電子e’により放電が持
続し、図3の場合と同様、ガス導入口6からのイオン化
ガスが電離され、電極群7を介してイオンビームが引き
出される。
【0016】(従来例4)一方、特開昭62−9283
4号公報(H01J 27/08)には、プラズマ生成
により電離した電子を放出する電子源を備えたイオン源
装置が記載されている。
【0017】このイオン源装置は、電子発生室とプラズ
マ発生室(前記生成室2に相当)とを備える。そして、
電子発生室の高周波放電によりこの発生室内にプラズマ
が生成される。
【0018】さらに、電子発生室とプラズマ発生室との
間に両室の筐体から電気的に絶縁された電子引出し電極
が設けられ、電子発生室の筐体と電子引出し電極との間
に、電子発生室に対して電子引出し電極が正電位になる
極性の直流電圧(電子引出し電圧)V1 が印加される。
【0019】この直流電圧V1 の印加により、電子引出
し電極を用いた電子銃の作用で電子発生室から電子のみ
が加速されて引き出され、電子引出し電極を介してプラ
ズマ発生室に供給される。
【0020】そして、プラズマ発生室により、引き出さ
れた電子を利用した直流放電(アーク放電)を発生して
プラズマが生成され、このプラズマからビーム引出し電
極を介してイオンビームが引き出される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の図2,図3
のイオン源装置は、電子放出源としてのフィラメント3
が生成室2に設けられ、このフィラメント3を高温に維
持し、熱電子放出現象を利用してプラズマ16の生成に
必要な熱電子e’を生成するため、フィラメント3は、
高温加熱により材料が蒸発し、その上、イオン衝撃によ
るスパッタリング等の過酷な条件に晒される。
【0022】そのため、フィラメント3の消耗が激し
く、イオン化ガスがアルゴンの場合、タンダクステンで
50時間,ホウ化ランタンで100時間程度しか使用で
きない問題点があり、しかも、イオン化ガスが反応性ガ
ス,例えば酸素の場合には、フィラメント3が急激に酸
化して極めて短時間に消耗する問題点がある。
【0023】つぎに、図4のイオン源装置は、熱電子放
出のホロー放電が、イオン化ガスが供給されるプラズマ
生成室2とは別個のカソード室22で希ガスを用いて行
われ、図2,図3の装置に比して長時間の使用が可能に
なるが、熱電子放出材26が高温下でのイオン衝撃によ
るスパッタリングを受けるため、イオン化ガスがアルゴ
ン等の希ガスの場合でも100〜200時間しか使用で
きない問題点がある。
【0024】しかも、カソード室22内に生成室2のイ
オン化ガスが若干流入するため、イオン化ガスが酸素等
の場合には、希ガスのときより短時間で熱電子放出材2
6が消耗する問題点がある。
【0025】その上、筒状体24内のホロー放電用の希
ガスが、プラズマ生成室2内のイオン化ガスと混り合う
ため、生成されるプラズマ16がイオン化ガスとホロー
放電用の希ガスとの混合プラズマになり、イオン化ガス
のみのプラズマ生成を行うことができず、所望のイオン
ビームが得られない問題点がある。
【0026】つぎに、前記公報に記載のイオン源装置
は、熱電子放出でなくプラズマ生成で必要な電子を発生
するため、電子放出源が前記のフィラメント3やホロー
カソード25等の消耗材料を用いることなく形成され、
長時間の使用が可能であり、しかも、イオン化ガスのみ
のプラズマ生成により所望のイオンビームが得られる。
【0027】しかし、いわゆる電子銃方式で電子発生室
から電子のみを引き出してプラズマ発生室に供給するた
め、電子発生室とプラズマ発生室との間に両室の筐体か
ら電気的に絶縁された電子引出し電極を設け、電子発生
室の筐体と電子引出し電極との間に電子加速用の直流電
圧V1 を印加しなければならず、構成が複雑化するのは
勿論、つぎに説明するように、プラズマ発生室の電子供
給量が制限されて減少し、イオンビームの発生効率が悪
くその量が少ない問題点がある。
【0028】すなわち、電子発生室の筐体と電子引出し
電極との間の直流電圧V1 の印加により、電子発生室の
プラズマと電子引出し電極との間に電子のみの空間電荷
層が形成され、この層によって電子の引き出し量が制限
されるため、プラズマ発生室に供給される電子の量が制
限されて減少し、イオンビームの発生量が少ない。
【0029】本発明は、とくにマイクロ波放電等より安
価な高周波放電のプラズマ生成方式により、消耗性材料
の熱電子放出現象を利用することなく、しかも、電子加
速用の電極等を設けない簡単な構成で電子供給量(引き
出し量)の制限なく、イオン化ガスのプラズマを生成す
るようにし、電子放出源の材料消耗を皆無にして長時間
の使用を可能にするとともに、イオン化ガスのみのプラ
ズマ生成を可能にし、良質のイオンビームを効率よく形
成できるようにすることを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明のイオン源装置は、電離用のガス導入口が
形成され,高周波電圧の印加に基づく高周波放電により
電子放出用の副プラズマを生成する絶縁体の副筐体と、
副筐体に連設された主筐体と、副筐体の主筐体側に副筐
体に一体に形成された蓋板と、蓋板に形成された電子放
出孔と、副筐体内の電極を主筐体より低電位に保持し,
電子放出孔から主筐体内に電子を供給し,直流放電によ
り主筐体内に主プラズマを生成する直流電源と、主プラ
ズマからイオンビームを引き出すイオンビーム引出し電
極とを備える。
【0031】
【作用】前記のように構成された本発明のイオン源装置
の場合、高周波電圧の印加に基づく副筐体内の高周波放
電により電子放出用の副プラズマが生成され、このプラ
ズマ生成で電離した電子が、イオン化ガスのプラズマ生
成に必要な電子として、蓋板の電子放出孔を通って主筐
体内に供給される。
【0032】さらに、供給された電子を利用した直流放
電により主筐体内に主プラズマが生成され、イオンビー
ム引出し電極により主プラズマからイオンビームが引き
出される。
【0033】そして、蓋板は副筐体に一体に絶縁体で形
成され、直流電源により副筐体内の高周波電極が主筐体
より低電位になり、主,副プラズマの電位差により電子
が主筐体内に供給される。
【0034】このとき、電子放出孔付近の主,副プラズ
マの境界面では両プラズマのダブルシースが形成され、
副プラズマ側から主プラズマ側に電子が放出され、主プ
ラズマ側から副プラズマ側にイオンが流入するため、前
記公報の電子銃方式で問題となる電子のみの空間電荷層
の形成がなく、電子が供給量の制限なく効率よく主プラ
ズマ中に放出される。
【0035】したがって、従来のように消耗の激しいフ
ィラメント等の熱電子放出材を用いる必要がなく、電子
放出源が極めて長寿命になり、長時間の使用が可能にな
る。また、副プラズマの生成に用いるガスに、主プラズ
マ室のイオン化ガスと同一のガスを用いた場合は、主プ
ラズマが所望のガスのみで生成されて良質のイオンビー
ムが形成される。
【0036】しかも、電子供給量の制限なく主プラズマ
が生成されるため、効率よく多量のイオンビームが形成
される。そして、高周波電圧の印加に基づいてプラズマ
生成の高周波放電を発生するため、マイクロ波給電等に
基づいて高周波放電を発生する場合に比して電源が安価
に形成される。
【0037】
【実施例】バケット型のイオン源装置に適用した1実施
例について、図1を参照して説明する。同図において、
図2ないし図4と同一符号は同一もしくは相当するもの
を示し、28は耐熱ガラス(絶縁体)により形成された
副筐体であり、副プラズマ室29を形成する。
【0038】30は副筐体28に形成された電離用のガ
ス導入口、31は高周波電源であり、副筐体28の外周
に設けられた一方の円筒状の高周波電極と,副筐体28
内に位置した他方の板状の高周波電極33との間に放電
用の高周波電圧を印加する。
【0039】34は副筐体28の右側開口部に副筐体2
8に一体に形成された蓋板、35は蓋板34に形成され
た電子放出孔、36は図3の筐体1に相当する非磁性体
の金属製の主筐体であり、蓋板34を介して副筐体28
に連設され、主プラズマ室37を形成する。
【0040】そして、アーク電源12の陽極が主筐体3
6に接続され、その陰極が高周波電極33及び第1電極
8に接続され、これらの電極33,8が主筐体36より
低電位に固定されている。
【0041】この状態で高周波電源31からMHzオー
ダーの高周波電圧が出力され、この電圧が電極32,3
3間に印加されると、副プラズマ室29に高周波放電が
発生し、導入口30から副プラズマ室29に導入された
希ガス等の電子放出用のガスが電離され、副プラズマ3
8が生成される。
【0042】この副プラズマ38の生成に伴って電離生
成された電子eは、40〜120V程度のアノード電圧
により放出孔35から主プラズマ室37に引き出されて
供給される。
【0043】つぎに、主プラズマ室37では、供給され
た電子eを利用した直流放電に基づき、導入口6からの
希ガス等のイオン化ガスが電離されて主プラズマ39が
生成され、電子eの供給により放電は持続する。
【0044】このとき、磁石11のカスプ磁場により主
プラズマ39が効率よく閉じ込められ、かつ、電極群7
の近傍に大面積にわたって均一で安定した主プラズマ3
9が生成される。
【0045】そして、電極群7のビーム引出し作用によ
り、主プラズマ39からイオンがイオンビームとなって
スパッタ室等に引き出される。ところで、電子放出孔3
5が形成された蓋板34は副筐体28と同一電位であ
り、電子加速機能はない。
【0046】そして、アーク電源12により放電電極3
3が主筐体36より低電位に固定され、副プラズマ38
が主プラズマ39より低電位になるため、電子eは主,
副プラズマ39,38の電位差にしたがって主プラズマ
室37に供給されることになる。
【0047】このとき、電子放出孔35付近の主,副プ
ラズマ39,38の境界面では両プラズマ38,39の
ダブルシースが形成され、副プラズマ38側から主プラ
ズマ39側に電子eが放出され、主プラズマ39側から
副プラズマ38側にイオンが流入するため、前記公報の
電子銃方式で問題となる電子のみの空間電荷層の形成が
なく、電子eが供給量の制限なく効率よく主プラズマ3
9中に供給されて放出される。
【0048】そして、副プラズマ室29の高周波放電
は、マイクロ波発生器より安価な高周波電源31を用い
るため、装置が低価格に形成される。
【0049】なお、副プラズマ室29に導入されるガス
は、希ガス以外のガスを用いても何ら影響はなく、主プ
ラズマ室37のイオン化ガスと同一のガスを副プラズマ
室29に導入することができる。
【0050】また、副プラズマ室29の外側に磁場発生
用の永久磁石又は電磁コイルを設け、副プラズマ38を
高密度化することが好ましい。さらに、本実施例をカウ
フマン型イオン源装置にも適用し得るのは勿論である。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、以下に記載する効果を奏する。電子放出源
としての副筐体28内において、高周波放電により電子
放出用の副プラズマ38が生成され、この生成により主
筐体36内のプラズマ生成に必要な電子が形成され、こ
の電子が主筐体36内に供給されるため、従来のよう
に、フィラメント,熱電子放出材等の消耗性材料を高温
に加熱して維持し、熱電子放出現象を利用する場合に比
し、材料の消耗がなく、電子放出源が極めて長寿命にな
り、数百時間以上の長時間の連続運転を可能にすること
ができる。
【0052】そして、副プラズマ生成に用いる電離用の
ガスに、希ガス以外のガスを用いることができ、その種
類に制約がないため、この電離用のガスに主筐体36内
のイオン化ガスと同一のガスを用いた場合、主筐体36
内の主プラズマ39が所望のイオン化ガスのみのプラズ
マとなり、良質のイオンビームを形成することができ
る。
【0053】さらに、イオンビームの生成に酸素等の反
応性ガスを用いた場合でも、酸化消耗するものがなく、
プラズマの生成を安定に長期間維持することができる。
【0054】しかも、直流電源(アーク電源)12によ
り副筐体28内の高周波電極33が主筐体36より低電
位に保持され、副筐体28内の副プラズマ38が主筐体
36内の主プラズマ39より低電位になり、電子放出孔
35を介した副筐体28側から主筐体36側への電子の
供給が、両筐体28,36間の電極電圧により、電子を
加速して引き出す電子銃方式でなく、主,副プラズマ3
9,38の電位差にしたがって行われる。
【0055】このとき、電子放出孔35付近の両プラズ
マ39,38の境界面に両プラズマ39,38のダブル
シースが形成され、前記電子銃方式で問題となる電子の
みの空間電荷層の形成がなく、電子加速用(引出用)の
電極等を用いない簡単な構成で電子を供給量の制限なく
効率よく主プラズマ39中に放出し、効率よく多量のイ
オンビームを形成することができる。
【0056】さらに、副筐体28内の高周波放電にマイ
クロ波発生器より安価な高周波電源31を用いるため、
装置が低価格に形成される。
【0057】したがって、マイクロ波放電等より安価な
高周波放電のプラズマ生成方式により、消耗性材料の熱
電子放出現象を利用することなく、しかも、電子加速用
の電極等を設けない簡単な構成で電子供給量(引き出し
量)の制限なく、イオン化ガスのプラズマを生成し、電
子放出源の材料消耗を皆無にして長時間の使用を可能に
するとともに、イオン化ガスのみのプラズマ生成を可能
にし、良質のイオンビームを効率よく形成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の構成図である。
【図2】従来装置の1例の構成図である。
【図3】従来装置の他の例の構成図である。
【図4】従来装置のさらに他の例の構成図である。
【符号の説明】
7 イオンビーム引出し電極群 12 アーク電源 28 副筐体 30 ガス導入口 32,33 高周波電極 34 蓋板 35 電子放出孔 36 主筐体 38 副プラズマ 39 主プラズマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野川 修一 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電離用のガス導入口が形成され,高周波
    電圧の印加に基づく高周波放電により電子放出用の副プ
    ラズマを生成する絶縁体の副筐体と、 前記副筐体に連設された主筐体と、 前記副筐体の前記主筐体側に前記副筐体に一体に形成さ
    れた蓋板と、 前記蓋板に形成された電子放出孔と、 前記副筐体内の電極を前記主筐体より低電位に保持し,
    前記電子放出孔から前記主筐体内に電子を供給し,直流
    放電により前記主筐体内に主プラズマを生成する直流電
    源と、 前記主プラズマからイオンビームを引き出すイオンビー
    ム引出し電極とを備えたことを特徴とするイオン源装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009085206A (ja) * 2007-09-13 2009-04-23 Tokyo Metropolitan Univ 荷電粒子放出装置およびイオンエンジン
WO2020203186A1 (ja) * 2019-04-03 2020-10-08 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 イオン源と、それを備えた多種イオン生成装置

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