JPH07167877A - 変位速度検出方法および装置 - Google Patents

変位速度検出方法および装置

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JPH07167877A
JPH07167877A JP34226493A JP34226493A JPH07167877A JP H07167877 A JPH07167877 A JP H07167877A JP 34226493 A JP34226493 A JP 34226493A JP 34226493 A JP34226493 A JP 34226493A JP H07167877 A JPH07167877 A JP H07167877A
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Atsushi Uchiyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 検出対象の変位に対応するアナログ正弦信号
およびアナログ余弦信号を出力するエンコーダの出力信
号から、前記検出対象の変位速度を検出する場合に、構
成が簡単で小型化でき、高い分解能のエンコーダを用い
る必要をなくし、応答速度を高くする。 【構成】 アナログ正弦信号およびアナログ余弦信号を
A/D変換し、これらの1サンプリング周期分遅れた正
弦信号および余弦信号をそれぞれデジタル余弦信号およ
び正弦信号に乗算し、これらの乗算値の差を変位速度と
して出力する行程を、サンプリング周期ごとにデジタル
コンピュータで繰り返し演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体や直線移動体な
どの検出対象の変位速度を高精度に検出する方法と装置
に関するものである。
【0002】
【従来技術】OA機器、工業用ロボット、工作機械、産
業用機械、車両等の可動機械においては、種々の制御を
行うために、これらの可動部分の変位速度を検出するこ
とが必要である。
【0003】可動部分などの検出対象は回転あるいは直
線運動を行うが、これらの変位速度を検出するために従
来よりロータリーエンコーダあるいはリニヤエンコーダ
が広く用いられている。これらエンコーダは、所定変位
ごとに出力されるパルス信号の周波数を求め、F/Vコ
ンバータを介して変位速度を求めるものである。
【0004】またタコジェネレータ(指速発電機、以下
タコジェネと略す)を用いることも知られている。この
タコジェネは回転速度に応じた直流電圧を出力するもの
である。さらにレゾルバの出力から変位速度を求めるの
ものも公知である。
【0005】このレゾルバを用いる方法は、レゾルバが
出力する正弦および余弦信号をRD(レゾルバ・デジタ
ル)コンバータに入力して、回転角度を演算するもので
ある。すなわちこのRDコンバータはPLL(フェイズ
・ロックド・ループ)装置からなり、正弦信号と余弦信
号との組合せから正確な位相を高い分解能をもって求め
るものである。
【0006】
【従来技術の問題点】前記エンコーダを用いるもので
は、出力パルスは検出対象の所定量の変位ごとに出力さ
れるから、高精度な変位速度を求めようとすると高い分
解能をもったエンコーダが必要になる。通常は位置検出
のための分解能に対して5〜10倍の分解能がこの速度
検出のために必要になる。このようなエンコーダは非常
に高価になる。またF/Vコンバータは廉価なものは応
答が遅く、応答速度が高いものは非常に高価になる。
【0007】タコジェネを用いる方法は、タコジェネ自
身のブラシ寿命により定期的なメンテナンスが必要にな
り、大型で高価にもなる。また回転速度の検出には適す
るが直線運動の検出のためにはこの直線運動を回転運動
に変換する機構も必要になり、大型化する。
【0008】レゾルバとRDコンバータを用いる方法で
は、レゾルバが大型かつ高価になるばかりでなく、RD
コンバータも複雑で高価にもなるという問題がある。
【0009】
【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、構成が簡単で小型化が可能であり、高い分
解能のエンコーダを用いる必要がなく、応答速度が高い
変位速度検出方法を提供することを第1の目的とする。
また本発明はこの方法の実施に直接用いる変位速度検出
装置を提供することを第2の目的とする。
【0011】
【発明の構成】本発明によれば第1の目的は、検出対象
の変位に対応するアナログ正弦信号およびアナログ余弦
信号を出力するエンコーダの出力信号から、前記検出対
象の変位速度を検出する方法において、 a. 或るサンプリング周期に検出された前記アナログ
正弦信号およびアナログ余弦信号の現在値をA/D変換
し; b. これらデジタル化した現在値を1サンプリング周
期遅らせ; c.これら1サンプリング周期遅れた正弦信号および余
弦信号を、それぞれデジタル化した現在の余弦信号およ
び正弦信号に乗算し; d. これら両乗算値の差を変位速度として出力し; e. 以上のa〜dの行程を所定のサンプリング周期ご
とに繰り返えすようにデジタルコンピュータを制御す
る; ことを特徴とする変位速度検出方法、により達成され
る。また第2の発明は、検出対象の変位に対応するアナ
ログ正弦信号およびアナログ余弦信号を出力するエンコ
ーダの出力信号から前記検出対象の変位速度を検出装置
において、 a.前記アナログ正弦信号およびアナログ余弦信号をデ
ジタル信号にする第1および第2のA/D変換器と; b.デジタル化した正弦信号および余弦信号を1サンプ
リング周期分遅らせる第1および第2の遅れ要素と; c.前記A/D変換器から出力される正弦信号および余
弦信号の現在値を、前記第2および第1の遅れ要素から
出力される1サンプリング周期前の余弦信号および正弦
信号にそれぞれ乗算する第1および第2の乗算器と; d.これら両乗算器の出力の差を求めこの差を前記変位
速度として出力する減算器と: を備えることを特徴とする変位速度検出装置、により達
成される。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例の回路図、図2は動
作流れ図である。図1において、φA、φB は検出対象の
角度あるいは変位を示すアナログ正弦信号(sinθ)
およびアナログ余弦信号(cosθ)であり、これらは
磁気抵抗(MR)式センサや光学式センサなどから出力
される。
【0013】例えばMR式センサは移動する検出対象に
一定間隔で埋め込まれた永久磁石に対向して互いに90
°の位相差をもって2個配置される。また光学式センサ
は、移動体に一定間隔ごとに書き込まれたバーコードに
対向して互いに90°の位相差をもって2個配置され
る。
【0014】図1で符号10、12は第1および第2の
A/D変換器、14、16はそれぞれメモリからなる第
1および第2の遅れ要素、18、20は第1および第2
の乗算器22は減算器であり、これらはCPU(デジタ
ルコンピュータ)で構成される。図示しないクロックか
らサンプリングパルスが送出されると、CPUは図2に
示す割り込み処理に入る(図2のステップ100)。A
/D変換器10、12はそれぞれ入力信号φA 、φB
所定のサンプリング周期ごとに読込み(図2のステップ
102)、読込んだ入力信号φA 、φB をA/D変換し
てそれぞれをAn 、Bn として第1、第2の遅れ要素1
4、16にメモリするものである(図2のステップ10
4)。
【0015】CPUはこのデータAn 、Bn に異常があ
るか否かを判定する(ステップ106)。例えばデータ
n 、Bn の値が異常に大きくなったり、急変した場合
には異常有りとして異常処理タスクに入る(ステップ1
08)。
【0016】データAn 、Bn に異常が無ければ、1サ
ンプリング周期前の出力An-1 、Bn-1 と、現在値A
n 、Bn とを用いて角速度ωの演算を行う(ステップ1
10)。
【0017】なおここでは、入力された信号sinθ、
cosθの位相θの現在値をθn とし、この時より1サ
ンプリング周期前の位相をθn-1 と表すものとする。こ
の場合遅れ要素14、16にはそれぞれAn-1 =sin
θn-1 、Bn-1 =cosθn- 1 がメモリされることにな
る。
【0018】第1の乗算器18は第1のA/D変換器1
0が出力する正弦信号の現在値An=sinθn と、第
1の遅れ要素16メモリされた1サンプリング周期前の
余弦信号Bn-1 =cosθn-1 とを乗算し、sinθn
・cosθn-1 を減算器22に出力する。
【0019】第2の乗算器20は、第2のA/D変換器
12が出力する余弦信号の現在値Bn =cosθn と、
第2の遅れ要素16にメモリされた1サンプリング周期
前の正弦信号An-1 =sinθn-1 とを乗算し、cos
θn ・sinθn-1 を減算器22に出力する(図2のス
テップ104)。
【0020】減算器22ではこれらの差sinθn ・c
osθn-1 −cosθn ・sinθn-1 =sin(θn
−θn-1 )を出力する(図2のステップ106)。ここ
にθn −θn-1 は微少量であるからsin(θn −θ
n-1 )≒θn −θn-1 =△θnと見なすことができる。
すなわちこの減算器22の出力△θn は角速度ωn に等
しい(図2のステップ110)。
【0021】そしてその時の現在値An 、Bn は次のサ
ンプリング周期ではAn-1 、Bn-1として用いられるか
ら、第1、第2の遅れ要素14、16にそれぞれA
n-1 、Bn-1 としてメモリされる(ステップ112)。
【0022】このように本実施例によれば、角速度ωn
すなわち検出対象の変位速度を、サンプリング周期ごと
にデジタル演算により求めることができる。このため入
力信号(sinθn 、cosθn )を供給するエンコー
ダの分解能を上げることなく非常に高い応答性を得るこ
とができる。
【0023】ここにA/D変換器10、12を含む全て
の回路はワンチップマイコンなどで構成することがで
き、特に高速なデジタルプロセッサを用いる必要もな
い。このため他の制御に用いているマイコンを利用して
他の制御と並行処理させることも可能になり、ハ−ドウ
ェア構成が非常に簡単、小型になり、安価にもなる。
【0024】なおこの実施例により得た変位速度ωn
△θn を積分する加算器を追加すれば、この加算器のリ
セット時点からの変移量(Σ△θn )も容易に求めるこ
とができる。この結果きわめて簡単かつ安価な構成で、
検出対象の変位と変位速度とを求めることが可能にな
る。さらにリニヤエンコーダにも容易に適用できる。
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明は以上のように、アナロ
グ正弦信号およびアナログ余弦信号をA/D変換し、こ
れらの1サンプリング周期分遅れた正弦信号および余弦
信号をそれぞれデジタル余弦信号および正弦信号に乗算
し、これらの乗算値の差を変位速度として出力する行程
を、サンプリング周期ごとにデジタルコンピュータで繰
り返し演算するものである。
【0026】このためエンコーダの分解能を高くするこ
となく、高い応答性と高い精度をもって速度検出が行な
えることになる。また回路はマイコンなど小型のデジタ
ルプロセッサを用いて構成でき、ハードウェアは簡単か
つ小型にでき、安価でもある。
【0027】請求項2の発明によればこの請求項1の発
明の実施に直接用いる装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回路図
【図2】動作の流れを示す図
【符号の説明】
10 第1のA/D変換器 12 第1のA/D変換器 14 第1の遅れ要素 16 第2の遅れ要素 18 第1の乗算器 20 第2の乗算器 22 減算器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出対象の変位に対応するアナログ正弦
    信号およびアナログ余弦信号を出力するエンコーダの出
    力信号から、前記検出対象の変位速度を検出する方法に
    おいて、 a. 或るサンプリング周期に検出された前記アナログ
    正弦信号およびアナログ余弦信号の現在値をA/D変換
    し; b. これらデジタル化した現在値を1サンプリング周
    期遅らせ; c.これら1サンプリング周期遅れた正弦信号および余
    弦信号を、それぞれデジタル化した現在の余弦信号およ
    び正弦信号に乗算し; d. これら両乗算値の差を変位速度として出力し; e. 以上のa〜dの行程を所定のサンプリング周期ご
    とに繰り返えすようにデジタルコンピュータを制御す
    る; ことを特徴とする変位速度検出方法。
  2. 【請求項2】 検出対象の変位に対応するアナログ正弦
    信号およびアナログ余弦信号を出力するエンコーダの出
    力信号から、前記検出対象の変位速度を検出装置におい
    て、 a.前記アナログ正弦信号およびアナログ余弦信号をデ
    ジタル化する第1および第2のA/D変換器と; b.デジタル化した正弦信号および余弦信号を1サンプ
    リング周期分遅らせる第1および第2の遅れ要素と; c.前記A/D変換器から出力される正弦信号および余
    弦信号の現在値を、前記第2および第1の遅れ要素から
    出力される1サンプリング周期前の余弦信号および正弦
    信号にそれぞれ乗算する第1および第2の乗算器と; d.これら両乗算器の出力の差を求めこの差を前記変位
    速度として出力する減算器と: を備えることを特徴とする変位速度検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009288020A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Olympus Corp エンコーダ用信号処理回路
CN114814268A (zh) * 2022-04-13 2022-07-29 南京磁之汇电机有限公司 电机转速获取方法、装置、系统与计算机可读存储介质

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