JPH0716687Y2 - 溶接用ワイヤ収納ペイル容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、溶接用ワイヤ収納ペイル容器に関するもので
ある。

従来の技術 近年、ペイル容器に収納された溶接用ワイヤは、従来の
スプール巻き溶接用ワイヤの約10倍以上の量を溶接用ワ
イヤの交換をする事なく連続使用できる事から、ロボッ
ト用として生産量が伸びている。さらに、ペイル容器交
換時にロボットが停止するのを防ぐ為、複数のペイル容
器を連続使用する事が試みられている。

第２図にペイル容器本体の概略形状を示す。ペイル容器
本体21、溶接用ワイヤ22、はね上がり防止用フタ23で構
成されており、溶接用ワイヤ終端24は、はね上がり防止
用蓋23の中央の穴を通り、ペイル容器本体21の内面に固
定されている。

考案が解決しようとする課題 従来のペイル容器は、１個ずつ断続的に使用する場合に
は、特に問題はないが、複数のペイル容器を溶接用ワイ
ヤの終端と始端をバット溶接する事により、連続的に使
用する時、ペイル容器から次のペイル容器に移行する
際、溶接用ワイヤのはね上がりが生じ、スムーズな移行
がなされず、しばしば、溶接を中断せざるを得なくなっ
ていた。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するため、本考案の溶接用ワイヤ収納ペ
イル容器は、溶接用ワイヤの一部を係止するとともに溶
接ワイヤの上方への引き出し力にて溶接用ワイヤが離脱
可能な固定治具をペイル容器内面に取り付けてなるもの
である。

作用 上記構成において、複数のペイル容器を連続使用する時
には、ペイル容器から次のペイル容器へ移行する際、溶
接用ワイヤのはね上がりを防止し、溶接の中断を生じる
ことなく、スムーズな移行が可能となる。

実施例 以下、本考案の実施例について第１図（ａ），（ｂ），
（ｃ），（ｄ）を参照して説明する。

第１図（ａ）は実際の使用状態を示したものである。

１は使用中のペイル容器、２は次に使うペイル容器を示
しており、それぞれペイル容器本体11、溶接用ワイヤ1
2、はね上がり防止用蓋12、固定治具14から構成されて
いる。ペイル容器１と２内の溶接用ワイヤ12はバット溶
接により、部分15で接続されている。溶接用ワイヤ12の
両端は第１図（ｂ）に示す様に取りつけられた固定治具
14の上段にワイヤ引出し始端，下段にワイヤ引出し終端
をペイル容器内面にそって約１周固定する。第１図
（ｃ）は固定治具14と溶接用ワイヤ12の装着状態を示し
たものであるが、固定治具14のひっかかり部は下部にの
みあり、溶接用ワイヤ12は、上方向のみに引き出せる様
になっている。すなわち、溶接用ワイヤ12の上方への引
き出し力によって溶接用ワイヤ12が固定治具14から離脱
できるようになっている。尚、固定治具14は、本考案の
趣旨を満足するものであればその形状を限定するもので
はなく、第１図（ｄ）に示す様に始端，終端の固定を１
つの治具16にて行うようにしてもよい。

上述の様に、溶接用ワイヤの端をペイル容器内面の固定
治具に取り付けている為、溶接用ワイヤは、その引き出
し力により、順次固定治具から離脱する為、溶接用ワイ
ヤのはね上がりが防止でき、溶接を中断する事なくスム
ーズな移行が可能となった。

考案の効果 以上のように、本考案によれば、溶接の中断を生じる事
なく、複数のペイル容器を連続して使用する事ができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）は本考案の一実施例を示す溶接用ワイヤ収
納ペイル容器の使用状態における断面図、第１図（ｂ）
は同ペイル容器の要部斜視図、第１図（ｃ）は同ペイル
容器における溶接用ワイヤと固定治具の係止状態を示す
要部斜視図、第１図（ｄ）は本考案の他の実施例を示す
溶接用ワイヤ収納容器の固定治具の斜視図、第２図は従
来の溶接用ワイヤ収納容器の断面図である。 11……ペイル容器本体、12……溶接用ワイヤ、14,16…
…固定治具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内包される溶接用ワイヤの終端と他の溶接
   用ワイヤ収納ペイル容器内の溶接用ワイヤの始端とをバ
   ット溶接することにより連続的に使用する溶接用ワイヤ
   収納ペイル容器であって、ペイル容器本体内面に、溶接
   用ワイヤの一部を係止するとともに溶接用ワイヤの上方
   への引き出し力にて溶接用ワイヤが離脱可能な固定治具
   を設け、溶接用ワイヤの始端および終端を前記固定治具
   に固定したことを特徴とする溶接用ワイヤ収納ペイル容
   器。