JPH07166281A - 耐摩耗性磁性合金 - Google Patents
耐摩耗性磁性合金Info
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- JPH07166281A JPH07166281A JP5340716A JP34071693A JPH07166281A JP H07166281 A JPH07166281 A JP H07166281A JP 5340716 A JP5340716 A JP 5340716A JP 34071693 A JP34071693 A JP 34071693A JP H07166281 A JPH07166281 A JP H07166281A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
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- H01F1/14—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
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- H01F1/14716—Fe-Ni based alloys in the form of sheets
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Ni−Fe系合金において、わずかな添加元
素の添加にて高透磁率を保持したまま耐摩耗性を向上さ
せることが可能な組成からなり、製造容易で安価に供給
できるNi−Fe系耐摩耗性磁性合金の提供。 【構成】 Ni−Fe系磁性合金にNd、Pr、Smを
単独あるいは複合して少量添加し、あるいはさらにM
o,Cr,Cu,Nb,Ta,W,Ti,Vのうち1種
または2種以上を副成分を添加して、Ni−Fe系磁性
合金が本来有している磁気特性を損なうことなく耐摩耗
性を改善した。
素の添加にて高透磁率を保持したまま耐摩耗性を向上さ
せることが可能な組成からなり、製造容易で安価に供給
できるNi−Fe系耐摩耗性磁性合金の提供。 【構成】 Ni−Fe系磁性合金にNd、Pr、Smを
単独あるいは複合して少量添加し、あるいはさらにM
o,Cr,Cu,Nb,Ta,W,Ti,Vのうち1種
または2種以上を副成分を添加して、Ni−Fe系磁性
合金が本来有している磁気特性を損なうことなく耐摩耗
性を改善した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、オーディオ、VT
R、カードリーダー等磁気記録再生装置の磁気ヘッドな
どに利用されるNi−Fe系磁性合金に係り、Ni−F
e系磁性合金にNd、Pr、Smのうち1種または2種
以上を少量添加し、あるいはさらに特定の副成分を添加
して、Ni−Fe系磁性合金が本来有している磁気特性
を損なうことなく耐摩耗性の改善を図った耐摩耗性磁性
合金に関する。
R、カードリーダー等磁気記録再生装置の磁気ヘッドな
どに利用されるNi−Fe系磁性合金に係り、Ni−F
e系磁性合金にNd、Pr、Smのうち1種または2種
以上を少量添加し、あるいはさらに特定の副成分を添加
して、Ni−Fe系磁性合金が本来有している磁気特性
を損なうことなく耐摩耗性の改善を図った耐摩耗性磁性
合金に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッド用に用いられる磁性材料とし
ては、パーマロイ(Ni−Fe系合金)、センダスト
(Fe−Si−Al系合金)及びフェライト((Mn,
Zn)O−Fe2O3,(Ni,Zn)O−Fe2O3))
がある。これらの材料に要求される特性は、交流磁界で
使われるため、高周波磁界における実効透磁率が高いこ
と、磁気ヘッドの帯磁の減少やヒステリシス損失を減少
させるため保磁力が小さいこと、高保磁力の磁気テープ
に記録するため飽和磁束密度が大きいこと、また磁気テ
ープが接触して摺動するため耐摩耗性が良好なこと、さ
らに加工性が良いこと即ちコストが安いことなどが挙げ
られる。
ては、パーマロイ(Ni−Fe系合金)、センダスト
(Fe−Si−Al系合金)及びフェライト((Mn,
Zn)O−Fe2O3,(Ni,Zn)O−Fe2O3))
がある。これらの材料に要求される特性は、交流磁界で
使われるため、高周波磁界における実効透磁率が高いこ
と、磁気ヘッドの帯磁の減少やヒステリシス損失を減少
させるため保磁力が小さいこと、高保磁力の磁気テープ
に記録するため飽和磁束密度が大きいこと、また磁気テ
ープが接触して摺動するため耐摩耗性が良好なこと、さ
らに加工性が良いこと即ちコストが安いことなどが挙げ
られる。
【0003】パーマロイは実効透磁率が高く、加工性も
良好なため量産性にも優れているが軟らかく摩耗しやす
いことが欠点である。センダストは耐摩耗性に優れてい
るが硬く脆いため鍛造、圧延加工ができず研削・研磨で
加工するため、その製品は高価となる。フェライトも耐
摩耗性に優れているがセンダストと同様加工性が悪くか
つ飽和磁束密度が5000G以下と小さいことが欠点で
ある。
良好なため量産性にも優れているが軟らかく摩耗しやす
いことが欠点である。センダストは耐摩耗性に優れてい
るが硬く脆いため鍛造、圧延加工ができず研削・研磨で
加工するため、その製品は高価となる。フェライトも耐
摩耗性に優れているがセンダストと同様加工性が悪くか
つ飽和磁束密度が5000G以下と小さいことが欠点で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、パーマロイの
Ni−Fe系合金において、高透磁率を保持したまま耐
摩耗性を向上させるべくNbを添加したNi−Fe−N
b系合金(特公昭58−57499号)が提案され、さ
らにHfを添加したNi−Fe−Nb−Hf系合金(特
公昭59−47017号)が提案された。また、Ni−
Fe−Nb−Ta系合金(特開平2−138448号)
やNi−Fe−Zn−Cd系合金(特開平2−1530
36号)が提案されている。しかし、これらのNi−F
e系合金は添加元素の添加量が比較的多いために、加工
性が悪く、また高価であるという問題があった。
Ni−Fe系合金において、高透磁率を保持したまま耐
摩耗性を向上させるべくNbを添加したNi−Fe−N
b系合金(特公昭58−57499号)が提案され、さ
らにHfを添加したNi−Fe−Nb−Hf系合金(特
公昭59−47017号)が提案された。また、Ni−
Fe−Nb−Ta系合金(特開平2−138448号)
やNi−Fe−Zn−Cd系合金(特開平2−1530
36号)が提案されている。しかし、これらのNi−F
e系合金は添加元素の添加量が比較的多いために、加工
性が悪く、また高価であるという問題があった。
【0005】この発明は、Ni−Fe系合金において、
わずかな添加元素の添加にて高透磁率を保持したまま耐
摩耗性を向上させることが可能な組成からなり、製造容
易で安価に供給できるNi−Fe系耐摩耗性磁性合金の
提供を目的としている。
わずかな添加元素の添加にて高透磁率を保持したまま耐
摩耗性を向上させることが可能な組成からなり、製造容
易で安価に供給できるNi−Fe系耐摩耗性磁性合金の
提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、Ni−Fe
系合金の磁気特性及び耐摩耗性の改善を目的に、添加元
素について種々検討した結果、Ni−Fe系合金に資源
的に比較的豊富なランタノイドのNd,Pr,Smの1
種または2種以上少量添加することにより、磁気特性及
び耐摩耗性が良好な磁性合金が得られることを知見し、
この発明を完成した。
系合金の磁気特性及び耐摩耗性の改善を目的に、添加元
素について種々検討した結果、Ni−Fe系合金に資源
的に比較的豊富なランタノイドのNd,Pr,Smの1
種または2種以上少量添加することにより、磁気特性及
び耐摩耗性が良好な磁性合金が得られることを知見し、
この発明を完成した。
【0007】すなわち、この発明は、Ni35〜90w
t%、Nd、Pr、Smのうち1種または2種以上の合
計で0.001〜1wt%、あるいはさらに、Mo10
wt%以下、Cr9wt%以下、Cu10wt%以下、
Nb8wt%以下、Ta8wt%以下、W10wt%以
下、Ti5wt%以下、V8wt%以下の1種または2
種以上を合計で10wt%以下を含有し、残部不可避的
不純物とFeからなることを特徴とするNi−Fe系耐
摩耗性磁性合金である。
t%、Nd、Pr、Smのうち1種または2種以上の合
計で0.001〜1wt%、あるいはさらに、Mo10
wt%以下、Cr9wt%以下、Cu10wt%以下、
Nb8wt%以下、Ta8wt%以下、W10wt%以
下、Ti5wt%以下、V8wt%以下の1種または2
種以上を合計で10wt%以下を含有し、残部不可避的
不純物とFeからなることを特徴とするNi−Fe系耐
摩耗性磁性合金である。
【0008】この発明によるNi−Fe系耐摩耗性磁性
合金の成分の限定理由を説明する。Niは、本系合金の
基幹をなし、所定の磁性を得るには35wt%以上の添
加が必要であるが、90wt%を越えると透磁率が低下
するため、35〜90wt%の範囲とする。また、Fe
は、Niとともに本系合金の基幹をなし、上記Niと下
記の各種添加元素の含有残余を占める。
合金の成分の限定理由を説明する。Niは、本系合金の
基幹をなし、所定の磁性を得るには35wt%以上の添
加が必要であるが、90wt%を越えると透磁率が低下
するため、35〜90wt%の範囲とする。また、Fe
は、Niとともに本系合金の基幹をなし、上記Niと下
記の各種添加元素の含有残余を占める。
【0009】この発明は、Ni−Fe系において、飽和
磁束密度、透磁率などの磁気特性を損なうことなく耐摩
耗性を改善するため、Nd、Pr、Smの単独あるいは
複合添加を特徴とするが、Nd、Pr、Smのうち1種
または2種以上の合計で0.001wt%以上添加しな
ければ、かかる効果が得られず、1wt%を越えると加
工性が悪くなり製造上問題が生じるため、0.001〜
1wt%の範囲とする。
磁束密度、透磁率などの磁気特性を損なうことなく耐摩
耗性を改善するため、Nd、Pr、Smの単独あるいは
複合添加を特徴とするが、Nd、Pr、Smのうち1種
または2種以上の合計で0.001wt%以上添加しな
ければ、かかる効果が得られず、1wt%を越えると加
工性が悪くなり製造上問題が生じるため、0.001〜
1wt%の範囲とする。
【0010】また、添加副成分の限定理由は以下のとお
りである。Moは、10wt%を越えると、熱間での加
工性がきわめて悪くなり、かつ飽和磁束密度が6000
Gより小さくなるため10wt%以下とした。Crは、
9wt%を越えると、飽和磁束密度が6000Gより小
さくなるため9wt%以下とした。Cuは、10wt%
を越えると、初比透磁率及び最大比透磁率がそれぞれ3
000G、5000G以下となるため、10wt%以下
とした。Nbは、8wt%を越えると、飽和磁束密度が
5000Gより小さくなるため、8wt%以下とした。
Taは、8wt%を越えると、飽和磁束密度が5000
Gより小さくなるため、8wt%以下とした。Wは、1
0wt%を越えると、初比透磁率及び最大比透磁率がそ
れぞれ3000G、5000G以下となり、かつ加工性
が悪くなるため、10wt%以下とした。Tiは、5w
t%を越えると磁性焼鈍時の雰囲気により特性が大きく
変化するため、5%以下とした。Vは、8wt%を越え
ると加工性が悪くなり、かつ飽和磁束密度も6000G
より小さくなるため、9wt%以下とした。また、添加
副成分を合計で10wt%以下としたのは、10wt%
を越えると磁気特性が悪くなり、かつ加工性が悪くなる
ためである。
りである。Moは、10wt%を越えると、熱間での加
工性がきわめて悪くなり、かつ飽和磁束密度が6000
Gより小さくなるため10wt%以下とした。Crは、
9wt%を越えると、飽和磁束密度が6000Gより小
さくなるため9wt%以下とした。Cuは、10wt%
を越えると、初比透磁率及び最大比透磁率がそれぞれ3
000G、5000G以下となるため、10wt%以下
とした。Nbは、8wt%を越えると、飽和磁束密度が
5000Gより小さくなるため、8wt%以下とした。
Taは、8wt%を越えると、飽和磁束密度が5000
Gより小さくなるため、8wt%以下とした。Wは、1
0wt%を越えると、初比透磁率及び最大比透磁率がそ
れぞれ3000G、5000G以下となり、かつ加工性
が悪くなるため、10wt%以下とした。Tiは、5w
t%を越えると磁性焼鈍時の雰囲気により特性が大きく
変化するため、5%以下とした。Vは、8wt%を越え
ると加工性が悪くなり、かつ飽和磁束密度も6000G
より小さくなるため、9wt%以下とした。また、添加
副成分を合計で10wt%以下としたのは、10wt%
を越えると磁気特性が悪くなり、かつ加工性が悪くなる
ためである。
【0011】この発明によるNi−Fe系耐摩耗性磁性
合金の製造方法を説明すると、Ni、Fe、Nd、P
r、Smのうち1種または2種以上を所要組成となした
原料を、非酸化性雰囲気中または真空中において適当な
溶解炉を用いて溶解した後、適当な脱酸剤、脱硫剤を添
加してできるだけ不純物を取り除き、そのままあるいは
さらに、Mo、Cr、Cu、Nb、Ta、W、Ti、V
のうち1種または2種以上を合計10%以下添加し充分
攪拌し、組成的に均一な溶融金属を作成し、これを適当
な形状の鋳型に注入し健全な鋳塊にし、熱間での鍛造,
圧延および冷間での圧延など適当な加工を施し所定の厚
みの板にする。得られた板を所定の形状にプレスなど要
求される板厚、形状に応じた方法で加工し、非酸化性雰
囲気中または真空中で600℃以上、特に900℃以上
融点以下の温度で1分〜100時間加熱し、その後、規
則−不規則格子変態点以上の温度から、すなわちおよそ
600℃以上の温度から組成に応じた適当な速度、例え
ば1℃/時間から100℃/秒の速度で室温まで冷却す
る。このように組成に応じた適当な速度で冷却すること
により合金の規則度が適度に調整され、優れた磁気特性
が得られる。好ましい製造条件としては、所要組成の鋳
塊を、熱間での鍛造、圧延後、冷間での圧延などを施し
て所定の厚みに加工し、さらに目的、用途に応じた最終
形状に加工した後、還元水素雰囲気中、1000℃以上
の温度で、1時間以上加熱する焼鈍処理を施した後、組
成に応じて選定した冷却速度で冷却する方法が挙げられ
る。
合金の製造方法を説明すると、Ni、Fe、Nd、P
r、Smのうち1種または2種以上を所要組成となした
原料を、非酸化性雰囲気中または真空中において適当な
溶解炉を用いて溶解した後、適当な脱酸剤、脱硫剤を添
加してできるだけ不純物を取り除き、そのままあるいは
さらに、Mo、Cr、Cu、Nb、Ta、W、Ti、V
のうち1種または2種以上を合計10%以下添加し充分
攪拌し、組成的に均一な溶融金属を作成し、これを適当
な形状の鋳型に注入し健全な鋳塊にし、熱間での鍛造,
圧延および冷間での圧延など適当な加工を施し所定の厚
みの板にする。得られた板を所定の形状にプレスなど要
求される板厚、形状に応じた方法で加工し、非酸化性雰
囲気中または真空中で600℃以上、特に900℃以上
融点以下の温度で1分〜100時間加熱し、その後、規
則−不規則格子変態点以上の温度から、すなわちおよそ
600℃以上の温度から組成に応じた適当な速度、例え
ば1℃/時間から100℃/秒の速度で室温まで冷却す
る。このように組成に応じた適当な速度で冷却すること
により合金の規則度が適度に調整され、優れた磁気特性
が得られる。好ましい製造条件としては、所要組成の鋳
塊を、熱間での鍛造、圧延後、冷間での圧延などを施し
て所定の厚みに加工し、さらに目的、用途に応じた最終
形状に加工した後、還元水素雰囲気中、1000℃以上
の温度で、1時間以上加熱する焼鈍処理を施した後、組
成に応じて選定した冷却速度で冷却する方法が挙げられ
る。
【0012】
【作用】この発明による耐摩耗性磁性合金は、Ni−F
e系磁性合金にNd、Pr、Smのうち1種または2種
以上を少量添加して、あるいはさらに特定の副成分を添
加して、Ni−Fe系磁性合金が本来有している磁気特
性を損なうことなく、耐摩耗性の改善を図ることができ
るとともに、加工性に優れ、製造が容易でかつ安価に提
供することができる。
e系磁性合金にNd、Pr、Smのうち1種または2種
以上を少量添加して、あるいはさらに特定の副成分を添
加して、Ni−Fe系磁性合金が本来有している磁気特
性を損なうことなく、耐摩耗性の改善を図ることができ
るとともに、加工性に優れ、製造が容易でかつ安価に提
供することができる。
【0013】
実施例1 Ni78.9wt%、Nd0.6wt%、Fe残部合金
の製造原料として、99.8%純度の電解ニッケル、9
9.9%純度の電解鉄及び99.8%純度のNdを用
い、脱酸剤と脱硫剤としてMn、Mg、Cなどを用い
た。試料を作成するには、上記の原料を全重量2700
gでアルミナ坩堝に入れ、真空中で高周波電気誘導炉に
溶融し、よく攪拌し均質な溶融金属となした後これを鋳
型に注入した。得られた鋳塊を鍛造後、約900℃から
1200℃の間で8mm厚さまで熱間圧延を繰り返し、
次いで常温での冷間圧延、軟化を繰り返して、0.1m
mの薄板としこれより試験片を作成した。さらに、試験
片に1100℃の温度で水素中で3時間加熱し、600
℃から2000℃/時間の速度で冷却する磁性焼鈍処理
を施した。得られた磁性合金試験片の磁気特性並びに耐
摩耗性をの測定結果を表1に示す。なお、摩耗量は、温
度23℃、湿度50%の環境で、TDK製のD−C90
テープを用いて、200時間のテープ走行後の値で評価
した。
の製造原料として、99.8%純度の電解ニッケル、9
9.9%純度の電解鉄及び99.8%純度のNdを用
い、脱酸剤と脱硫剤としてMn、Mg、Cなどを用い
た。試料を作成するには、上記の原料を全重量2700
gでアルミナ坩堝に入れ、真空中で高周波電気誘導炉に
溶融し、よく攪拌し均質な溶融金属となした後これを鋳
型に注入した。得られた鋳塊を鍛造後、約900℃から
1200℃の間で8mm厚さまで熱間圧延を繰り返し、
次いで常温での冷間圧延、軟化を繰り返して、0.1m
mの薄板としこれより試験片を作成した。さらに、試験
片に1100℃の温度で水素中で3時間加熱し、600
℃から2000℃/時間の速度で冷却する磁性焼鈍処理
を施した。得られた磁性合金試験片の磁気特性並びに耐
摩耗性をの測定結果を表1に示す。なお、摩耗量は、温
度23℃、湿度50%の環境で、TDK製のD−C90
テープを用いて、200時間のテープ走行後の値で評価
した。
【0014】比較例1 比較として、JIS C・2531に規定された合金の
0.1mm板より試験片を作成し、その磁気特性を表1
に示す。表1から明らかなように、この発明による実施
例1の合金は、JIS C・2531に規定された合金
の磁気特性を上回るすぐれた特性を有することが分か
る。
0.1mm板より試験片を作成し、その磁気特性を表1
に示す。表1から明らかなように、この発明による実施
例1の合金は、JIS C・2531に規定された合金
の磁気特性を上回るすぐれた特性を有することが分か
る。
【0015】
【表1】
【0016】実施例2 Ni81.0wt%、Nd0.4wt%、Mo5.45
wt%、Fe残部合金の製造原料として、99.8%純
度の電解ニッケル、99.9%純度の電解鉄及び99.
8%純度のNd、Moを用い、脱酸剤と脱硫剤としてM
n、Mg、Cなどを用い、実施例1と同方法にて、0.
05mmの薄板としこれより試験片を作成した。次い
で、試験片に1100℃の温度で水素中で3時間加熱
し、600℃から2000℃/時間の速度で冷却する磁
性焼鈍を施した。得られた磁性合金試験片の磁気特性並
びに耐摩耗性を実施例1と同様の方法にて調べた測定結
果を表2に示す。
wt%、Fe残部合金の製造原料として、99.8%純
度の電解ニッケル、99.9%純度の電解鉄及び99.
8%純度のNd、Moを用い、脱酸剤と脱硫剤としてM
n、Mg、Cなどを用い、実施例1と同方法にて、0.
05mmの薄板としこれより試験片を作成した。次い
で、試験片に1100℃の温度で水素中で3時間加熱
し、600℃から2000℃/時間の速度で冷却する磁
性焼鈍を施した。得られた磁性合金試験片の磁気特性並
びに耐摩耗性を実施例1と同様の方法にて調べた測定結
果を表2に示す。
【0017】比較例2 比較として、JIS C・2531相当品(Ni81w
t%,、Mo5.45wt%、残部Fe)の0.05m
m板より試験片を作成し、実施例2と同一試験条件で磁
気特性並びに耐摩耗性を調べた。その測定結果を表2に
示す。表2から明らかなように、この発明による実施例
2の合金は、磁気特性は比較例2と同等であるが、耐摩
耗性に優れていることが分かる。
t%,、Mo5.45wt%、残部Fe)の0.05m
m板より試験片を作成し、実施例2と同一試験条件で磁
気特性並びに耐摩耗性を調べた。その測定結果を表2に
示す。表2から明らかなように、この発明による実施例
2の合金は、磁気特性は比較例2と同等であるが、耐摩
耗性に優れていることが分かる。
【0018】
【表2】
【0019】実施例3 Ni81.4wt%、Pr0.1wt%、Nb3.55
wt%、Mo2.95wt%、Fe残部合金の製造原料
として、99.8%純度の電解ニッケル、99.9%純
度の電解鉄及び99.8%純度のPr、Nb、Moを用
い、脱酸剤と脱硫剤としてMn、Mg、Cなどを用い、
実施例1と同様の製法、磁性焼鈍条件にて厚み0.05
mmの試験片を得た。得られた磁性合金試験片の磁気特
性並びに耐摩耗性を実施例1と同様の方法により調べ
た。その測定結果を表3に示す。
wt%、Mo2.95wt%、Fe残部合金の製造原料
として、99.8%純度の電解ニッケル、99.9%純
度の電解鉄及び99.8%純度のPr、Nb、Moを用
い、脱酸剤と脱硫剤としてMn、Mg、Cなどを用い、
実施例1と同様の製法、磁性焼鈍条件にて厚み0.05
mmの試験片を得た。得られた磁性合金試験片の磁気特
性並びに耐摩耗性を実施例1と同様の方法により調べ
た。その測定結果を表3に示す。
【0020】比較例3 比較として、JIS C・2531相当品(Ni81w
t%,、Nb3.3wt%、Mo3.6wt%、残部F
e)の0.05mm板より試験片を作成し、実施例3と
同一試験条件で磁気特性並びに耐摩耗性を調べ、測定結
果を表3に示す。表3から明らかなように、この発明に
よる実施例3の合金は、比較例3に比べて摩耗量が少な
く、耐摩耗性に優れていることが分かる。
t%,、Nb3.3wt%、Mo3.6wt%、残部F
e)の0.05mm板より試験片を作成し、実施例3と
同一試験条件で磁気特性並びに耐摩耗性を調べ、測定結
果を表3に示す。表3から明らかなように、この発明に
よる実施例3の合金は、比較例3に比べて摩耗量が少な
く、耐摩耗性に優れていることが分かる。
【0021】
【表3】
【0022】実施例4 Ni81wt%、Sm0.2wt%、Mo5.5wt
%、Fe残部合金の製造原料として、99.8%純度の
電解ニッケル、99.9%純度の電解鉄及び99.8%
純度のSm、Moを用い、脱酸剤と脱硫剤としてMn、
Mg、Cなどを用いte、実施例1と同様の方法によ
り、厚み0.1mmの試験片を得た。さらに、試験片
に、1100℃の温度で水素中で3時間加熱し、600
℃から1000℃/時間の速度で冷却する磁性焼鈍を施
した。得られた磁性合金試験片の磁気特性並びに耐摩耗
性を実施例1と同様の方法により調べた。その測定結果
を表4に示す。
%、Fe残部合金の製造原料として、99.8%純度の
電解ニッケル、99.9%純度の電解鉄及び99.8%
純度のSm、Moを用い、脱酸剤と脱硫剤としてMn、
Mg、Cなどを用いte、実施例1と同様の方法によ
り、厚み0.1mmの試験片を得た。さらに、試験片
に、1100℃の温度で水素中で3時間加熱し、600
℃から1000℃/時間の速度で冷却する磁性焼鈍を施
した。得られた磁性合金試験片の磁気特性並びに耐摩耗
性を実施例1と同様の方法により調べた。その測定結果
を表4に示す。
【0023】比較例4 比較として、JIS C・2531相当品(Ni81w
t%,、Mo5.5wt%、残部Fe)の0.1mm板
より試験片を作成し、実施例4と同一試験条件で磁気特
性並びに耐摩耗性を調べ、測定結果を表4に示す。表4
から明らかなように、この発明による実施例4の合金
は、比較例4に比べて摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れ
ていることが分かる。
t%,、Mo5.5wt%、残部Fe)の0.1mm板
より試験片を作成し、実施例4と同一試験条件で磁気特
性並びに耐摩耗性を調べ、測定結果を表4に示す。表4
から明らかなように、この発明による実施例4の合金
は、比較例4に比べて摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れ
ていることが分かる。
【0024】
【表4】
【0025】実施例5 表5に示す各種組成の合金の製造原料として、99.8
%純度の電解ニッケル、99.9%純度の電解鉄及び9
9.8%純度のNd、Pr、Sm、Mo、Nbを用い、
脱酸剤と脱硫剤としてMn、Mg、Cなどを用い,実施
例1と同様の方法により、厚み0.1mmの試験片を得
た。次に、試験片に1100℃の温度で水素中で3時間
加熱し、600℃から1500℃/時間の速度で冷却す
る磁性焼鈍を施した。得られた磁性合金試験片の磁気特
性並びに耐摩耗性を実施例1と同様の方法により調べ
た。その測定結果を表6に示す。
%純度の電解ニッケル、99.9%純度の電解鉄及び9
9.8%純度のNd、Pr、Sm、Mo、Nbを用い、
脱酸剤と脱硫剤としてMn、Mg、Cなどを用い,実施
例1と同様の方法により、厚み0.1mmの試験片を得
た。次に、試験片に1100℃の温度で水素中で3時間
加熱し、600℃から1500℃/時間の速度で冷却す
る磁性焼鈍を施した。得られた磁性合金試験片の磁気特
性並びに耐摩耗性を実施例1と同様の方法により調べ
た。その測定結果を表6に示す。
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【発明の効果】この発明による耐摩耗性磁性合金は、N
i−Fe系磁性合金にNd、Pr、Smを単独あるいは
複合して少量添加し、あるいはさらに特定の副成分を添
加して、Ni−Fe系磁性合金が本来有している磁気特
性を損なうことなく耐摩耗性の改善を図ったもので、実
施例に明らかなように、従来のNi−Fe系磁性合金と
同等以上の磁気特性を有し、耐摩耗性が向上している。
さらに、この発明による耐摩耗性磁性合金は、加工性に
優れ、製造が容易で安価に提供できる利点がある。
i−Fe系磁性合金にNd、Pr、Smを単独あるいは
複合して少量添加し、あるいはさらに特定の副成分を添
加して、Ni−Fe系磁性合金が本来有している磁気特
性を損なうことなく耐摩耗性の改善を図ったもので、実
施例に明らかなように、従来のNi−Fe系磁性合金と
同等以上の磁気特性を有し、耐摩耗性が向上している。
さらに、この発明による耐摩耗性磁性合金は、加工性に
優れ、製造が容易で安価に提供できる利点がある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/255 7303−5D H01F 1/14
Claims (2)
- 【請求項1】 Ni35〜90wt%、Nd、Pr、S
mのうち1種または2種以上の合計で0.001〜1w
t%を含有し、残部不可避的不純物とFeからなること
を特徴とする耐摩耗性磁性合金。 - 【請求項2】 Ni35〜90wt%、Nd、Pr、S
mのうち1種または2種以上の合計で0.001〜1w
t%、さらに、Mo10wt%以下、Cr9wt%以
下、Cu10wt%以下、Nb8wt%以下、Ta8w
t%以下、W10wt%以下、Ti5wt%以下、V8
wt%以下の1種または2種以上を合計で10wt%以
下を含有し、残部不可避的不純物とFeからなることを
特徴とする耐摩耗性磁性合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5340716A JPH07166281A (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 耐摩耗性磁性合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5340716A JPH07166281A (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 耐摩耗性磁性合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07166281A true JPH07166281A (ja) | 1995-06-27 |
Family
ID=18339634
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5340716A Pending JPH07166281A (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 耐摩耗性磁性合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07166281A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0825621A1 (de) * | 1996-08-22 | 1998-02-25 | Vacuumschmelze GmbH | Verwendung einer weichmagnetischen Nickel-Eisen-Legierung für Spulenkerne und Statoren von Schrittmotoren |
WO1999039358A1 (de) * | 1998-01-30 | 1999-08-05 | Krupp Vdm Gmbh | Weichmagnetische nickel-eisen-legierung mit kleiner koerzitivfeldstärke, hoher permeabilität und verbesserter korrosionsbeständigkeit |
WO2015146558A1 (ja) * | 2014-03-28 | 2015-10-01 | 日立金属株式会社 | トルクセンサ用軟磁性部品、それを用いたトルクセンサ |
CN112176222A (zh) * | 2020-10-30 | 2021-01-05 | 东北大学 | 一种含Ce的Fe-Ni坡莫合金材料及其制备方法 |
-
1993
- 1993-12-08 JP JP5340716A patent/JPH07166281A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0825621A1 (de) * | 1996-08-22 | 1998-02-25 | Vacuumschmelze GmbH | Verwendung einer weichmagnetischen Nickel-Eisen-Legierung für Spulenkerne und Statoren von Schrittmotoren |
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CZ301345B6 (cs) * | 1998-01-30 | 2010-01-20 | Krupp Vdm Gmbh | Zpusob tavení magneticky mekké železoniklové slitiny |
WO2015146558A1 (ja) * | 2014-03-28 | 2015-10-01 | 日立金属株式会社 | トルクセンサ用軟磁性部品、それを用いたトルクセンサ |
CN106133491A (zh) * | 2014-03-28 | 2016-11-16 | 日立金属株式会社 | 扭矩传感器用软磁性部件、使用该部件的扭矩传感器 |
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US10290409B2 (en) | 2014-03-28 | 2019-05-14 | Hitachi Metals, Ltd. | Soft magnetic component for torque sensor and torque sensor using the same |
CN112176222A (zh) * | 2020-10-30 | 2021-01-05 | 东北大学 | 一种含Ce的Fe-Ni坡莫合金材料及其制备方法 |
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