JPH07165663A - 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造法 - Google Patents

不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造法

Info

Publication number
JPH07165663A
JPH07165663A JP5312267A JP31226793A JPH07165663A JP H07165663 A JPH07165663 A JP H07165663A JP 5312267 A JP5312267 A JP 5312267A JP 31226793 A JP31226793 A JP 31226793A JP H07165663 A JPH07165663 A JP H07165663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
catalyst
molybdenum oxide
deteriorated
molybdenum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5312267A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3267019B2 (ja
Inventor
Kozaburo Nomura
好三郎 野村
Yoshihiko Nagaoka
義彦 長岡
Koichi Nagai
功一 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP31226793A priority Critical patent/JP3267019B2/ja
Priority to CN94107759A priority patent/CN1062550C/zh
Priority to EP94109830A priority patent/EP0630879B2/en
Priority to KR1019940014514A priority patent/KR100277241B1/ko
Priority to DE69407669T priority patent/DE69407669T3/de
Priority to US08/266,190 priority patent/US5602280A/en
Publication of JPH07165663A publication Critical patent/JPH07165663A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3267019B2 publication Critical patent/JP3267019B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/584Recycling of catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロピレン、イソブチレンまたはターシャリ
ーブタノールを分子状酸素で気相接触酸化し、相当する
不飽和アルデヒドおよび不飽和酸を製造する方法におい
て、劣化した触媒を再使用する方法を提供することを目
的とする。 【構成】 Mo−Bi系複合酸化物触媒を用いてプロピ
レン、イソブチレンまたはターシャリーブタノールを分
子状酸素で気相接触酸化し、相当する不飽和アルデヒド
および不飽和酸を製造する方法において、反応により性
能の劣化した触媒を反応に実質的に不活性な酸化モリブ
デンと混合して触媒として再使用することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロピレン、イソブチ
レン又はターシャリーブタノールを分子状酸素で気相接
触酸化し、相当する不飽和アルデヒドおよび不飽和酸を
製造する方法に関する。詳しくは反応によって劣化した
触媒の再使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆるモリブデン−ビスマス系複合酸
化物触媒を用いた気相接触酸化によるプロピレンからの
アクロレイン及びアクリル酸の製造、イソブチレンから
のメタクロレイン及びメタクリル酸の製造、またアンモ
酸化によるアクリロニトリル,メタクリロニトリルの製
造技術はよく知られているところである。しかし、本系
触媒は長期に反応を継続すると、時間経過と共に触媒の
劣化により反応活性、選択性が低下するという問題点を
有する。
【0003】この触媒の劣化速度を抑制し寿命を延長す
る方法に関する提案はいくつかなされているが完全では
なく、遅かれ早かれ触媒の取り替えが必要となる。そこ
で性能の劣化した触媒を再生使用する方法がいくつか提
案されている。
【0004】例えば、特開昭55−67335号には、
劣化した触媒を不活性ガス雰囲気中500乃至800℃
の温度で熱処理する方法が、また特開昭57−5604
4号には、劣化した触媒を還元性ガス雰囲気中で200
乃至700℃の温度で熱処理し、更に分子状酸素含有ガ
ス雰囲気中で550乃至700℃の温度で焼成する方法
が開示されている。これらはいずれもプロピレンのアン
モ酸化に用いられる触媒の実施例しか開示がなく、プロ
ピレン、イソブチレン又はターシャリーブタノールの部
分酸化に使用する触媒はこのような高温で焼成するとシ
ンタリングを起こし易く、活性が低下するという欠点を
有する。
【0005】プロピレン又はイソブチレンの部分酸化に
用いられる触媒については、特開昭61−33234号
には実質的に空気からなる雰囲気で380℃〜540℃
の温度で熱処理する方法が、また特開昭63−1377
55号には分子状酸素と水蒸気を含有する酸化性ガス流
通下300℃〜500℃の温度で熱処理する方法が示さ
れている。さらに特開平5−184945号には、劣化
した触媒を反応管から抜き出して再生する際に、反応ガ
ス入り口部分の2〜10重量%を除去した残りを分子状
酸素含有ガス雰囲気下300〜500℃の温度で熱処理
する方法が開示されている。
【0006】以上のような熱処理による再生法は、還元
状態の金属イオンを再酸化する効果又はモリブデンなど
の成分の揮散によって変化した触媒表面組成を固体内部
からの拡散によって修復する効果によると説明されてい
るが、これによる再生の効果は十分ではなく、特開平5
−184945号にも示されているようにガス入り口部
分のように劣化の程度の大きい部分は完全に再生するこ
とはできず、また何回も繰り返し再生することは不可能
である。
【0007】触媒の劣化原因の一つがモリブデンの揮散
によるものであることは以前から良く知られており、劣
化触媒の再生方法としてモリブデンを何らかの方法で補
充する方法が提案されている。特開昭50−49201
号には流動床反応器中で、触媒をモリブデンを含み本質
的に不活性な担体からなる流動床粒子と接触する再生方
法が示されている。また特開昭52−131989号に
は劣化した触媒を少なくともモリブデンおよびビスマス
の溶液で含浸後、カ焼することにより再生する方法が、
また特開昭57−56044号には劣化触媒にモリブデ
ン化合物を添加した後、還元性雰囲気および酸化性雰囲
気中で熱処理することによる再生方法が示されている。
【0008】しかしながら、これらはいずれも具体的な
実施例は高温で使用するプロピレンのアンモ酸化触媒の
再生に関するものであり、固定床で行われるプロピレ
ン、イソブチレン又はターシャリーブタノールの部分酸
化に用いられる触媒の具体的な再生方法を示しておら
ず、開示されている処理方法では酸化モリブデンが活性
を有しており、再生が不充分であるか、複合酸化物触媒
がシンタリングを起こし、活性が低下してしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、プロ
ピレン、イソブチレン又はターシャリーブタノールを固
定床多管式反応器を用いて分子状酸素で気相接触酸化
し、相当する不飽和アルデヒド及び不飽和酸を製造する
際に用いられるモリブデン、ビスマス、鉄などを含む複
合酸化物系触媒の性能が劣化した触媒を再使用する方法
を提示することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、本反応に実
質的に不活性な酸化モリブデンを劣化した触媒と混合し
て再使用することにより、新品触媒を使用した時と同等
の成績が得られることを見出し、本発明に至った。
【0011】すなわち本発明は、一般式 Moa Bib
Fec Ad Be Cf Dg Ox (式中、Mo、Bi、Feはそれぞれモリブデン、ビス
マス及び鉄を表し、Aはニッケル及び/又はコバルトを
表し、Bはマンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウ
ム、スズ及び鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種
の元素を表し、Cはリン、ホウ素、ヒ素、テルル、タン
グステン、アンチモン及びケイ素からなる群より選ばれ
た少なくとも1種の元素を表し、Dはカリウム、ルビジ
ウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれた少
なくとも1種の元素を表し、a=12としたとき、0<
b≦10、0<c≦10、1≦d≦10、0≦e≦1
0、0≦f≦10、0<g≦2であり、xは各元素の酸
化状態により定まる値である)で示される複合酸化物触
媒を用い、固定床多管式反応器にてプロピレン、イソブ
チレン又はターシャリーブタノールを分子状酸素で気相
接触酸化して相当する不飽和アルデヒド及び不飽和カル
ボン酸を製造する方法において、反応により性能の劣化
した触媒を反応に実質的に不活性な酸化モリブデンと混
合して触媒として再使用することを特徴とする不飽和ア
ルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造法である。
【0012】本発明において、対象とする触媒は固定床
多管式反応器にてプロピレン、イソブチレン又はターシ
ャリーブタノールを分子状酸素で気相接触酸化して相当
する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する
際に用いる複合酸化物触媒であり、組成は公知である
(特公昭47−32044号、特公昭47−42241
号等)。この触媒は長期に反応を継続すると、時間経過
と共に触媒の劣化により反応活性、選択性が低下する。
本発明においては、劣化した触媒を反応管から一旦抜
き出し、反応に実質的に不活性な酸化モリブデンと混合
し、反応管に充填し、再使用する。
【0013】反応に実質的に不活性な酸化モリブデン
は、例えば市販のモリブデン酸アンモニウムを空気中で
550℃〜700℃で熱処理することにより得られる。
熱処理温度がこれより低温であると、得られる酸化モリ
ブデンにはオレフィンの完全酸化活性があり、これを触
媒と混合して用いた場合、反応の選択性を悪くする。ま
た市販の三酸化モリブデンの中から反応に不活性なもの
を選ぶこともできる。なお、従来の劣化した触媒にモリ
ブデンを含む溶液を含浸する方法では、酸化モリブデン
を反応に不活性なものにするために、最終的に空気中、
550℃以上の高温で焼成することが必要であり、そう
すると本反応に使用する触媒の場合には反応活性が劣化
した触媒よりさらに低下してしまう。
【0014】反応に実質的に不活性な酸化モリブデンと
劣化した触媒を混合して触媒として再使用する方法の一
つは、反応管から抜きだした劣化した触媒を粉砕し、反
応に実質的に不活性な酸化モリブデンの粉末を混合し、
打錠成型、押出し成型又は担持成型し、成形した触媒を
反応管に充填する方法である。成型した触媒は必ずしも
焼成する必要はないが、成型助材として水や有機物を用
いる場合は、元の新触媒の焼成温度である400℃〜5
50℃の温度範囲で空気中または不活性ガス中で焼成す
ることが好ましい。
【0015】もう一つの方法は、反応に実質的に不活性
な酸化モリブデンを単独又はシリカなどの不活性な担体
と共に、打錠,押出し,含浸等の方法で成形し、この成
形体を一旦反応管から抜き出した劣化した触媒の成形体
と混合し、再充填する方法である。
【0016】劣化した触媒と混合する反応に実質的に不
活性な酸化モリブデンの量は特に限定されるものではな
いが、不活性な酸化モリブデンの粉末を混合して再成形
する場合には、通常、劣化した触媒に対して約3〜20
重量%、成形体を混合する場合には形状にもよるが、通
常、劣化した触媒に対して約5〜40体積%用いられ
る。
【0017】固定床多管式反応管を用いる本反応では、
触媒の劣化は全層で均一ではなく、反応ガス入り口側が
より大きく、中間部、出口側では比較的健全であること
が知られている。ところが反応の大部分は入り口側で進
行するためこの部分の劣化が全体の反応成績を支配す
る。触媒が劣化する主な部分は反応ガス入り口側より約
5〜50%の部分であり、従って、この部分のみを抜き
出して反応に実質的に不活性な酸化モリブデンと混合
し、再充填することもできる。むろん比較的健全な部分
を用いて行うこともできる。このとき共存する酸化モリ
ブデンによる触媒の希釈効果により入り口部の発熱を抑
えることで過度の酸化を抑え、選択性の向上又は単位触
媒当たりの生産性の向上の効果も得られることになる。
【0018】本発明において、劣化した触媒に反応に実
質的に不活性な酸化モリブデンを混合して再使用するだ
けで新触媒と同等の成績が得られる理由は明確ではない
が、劣化した触媒と混合した酸化モリブデンが気相を通
じて、モリブデンの一部が揮散してモリブデンの不足し
ている劣化した触媒の表面に到達して触媒に補給される
ためではないかと推考される。
【0019】本発明においては、混合した反応に実質的
に不活性な酸化モリブデンが残っている限り定常的なモ
リブデンの補給効果のために、元の触媒に比べて性能の
劣化速度が抑制される。
【0020】
【発明の効果】劣化した触媒と反応に実質的に不活性な
酸化モリブデンを混合して用いることによって、新触媒
を使用した場合と同等の反応成績が得られると共に、新
触媒に比べて性能の劣化速度が抑制され、長期の使用が
可能となる。
【0021】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。なお、本明細書における反応率(%)、収率
(%)は、次の如く定義する。 反応率(%)=(反応したオレフィンのモル数/供給し
たオレフィンのモル数)×100 選択率(%)=(生成物のモル数/反応オレフィンのモ
ル数)×100 収率(%)=(生成物のモル数/供給したオレフィンの
モル数)×100
【0022】実施例1 〔新触媒の調製〕モリブデン酸アンモニウム〔(N
4 6 Mo7 24・4H2 O〕144kgを温水47
0リットルに溶解し、さらに20%シリカゾル(SiO
2 )20.4kgを加えた(これをA液とする)。硝酸
コバルト〔Co(NO3 2 ・6H2 O〕138.5k
gおよび硝酸第二鉄〔Fe(NO3 3 ・9H2 O〕
55kgおよび硝酸セシウム(CsNO3)0.66k
gを温水250リットルに溶解した(これをB液とす
る)。純水40リットルに60%硝酸9.4kgを加
え、硝酸ビスマス〔Bi(NO 3 3 ・5H2 O〕33
kgを溶解した(これをC液とする)。次にB液とC液
を混合した。A液を撹拌しながら、B液とC液の混合液
を添加し、スラリーを得る。これを濃縮乾燥後、空気流
通下200〜250℃で塩分解した。その後粉砕し、外
径5mmφ、内径2mmφ、高さ5mmHの円筒状に打
錠成形し、空気中、470℃で6時間焼成して触媒とし
た。酸素原子を除く触媒組成は、Mo12Bi1 Fe2
7 Cs0.05Si1 である。
【0023】この新触媒10mlを内径18mmφのガ
ラス製反応管に充填し、プロピレン:空気:スチーム=
1:7.5:3のモル比からなる原料ガスを、SV=1
100/h(標準状態)となる流速で導入し反応を行っ
た。反応圧力は2.0気圧である。反応温度320℃に
て反応成績は、プロピレン反応率=97.5%、アクロ
レインとアクリル酸の全収率=90.4%であった。
【0024】この新触媒をアクリル酸製造工場の反応器
に充填して3年間運転後、一部の反応管の触媒を3分割
して抜きだした。ガス入り口側の触媒の反応成績を同様
にして評価したところ、反応率=96.8%、収率=8
7.3%であり、収率の低下が大きかった。中央部、出
口部の触媒は新触媒の反応成績とほとんど変わりなかっ
た。
【0025】ガス入り口側の劣化した触媒を劣化触媒A
とする。劣化触媒Aを粉砕した粉末100部に対し、モ
リブデン酸アンモニウム〔(NH4 6 Mo7 24・4
2 O〕を空気中、630℃で6時間焼成して得た三酸
化モリブデン10部を混合し、5mmφ×2mmφ×5
mmHの円筒状に打錠成形し、460℃で3時間焼成し
た。
【0026】この触媒の反応成績を同様にして評価した
ところ、反応率=97.0%、収率=90.3%であり
新触媒と同等であった。
【0027】実施例2 劣化触媒Aを粉砕した粉末100部に対し、プロピレン
の酸化反応試験で不活性であることを確認した市販の三
酸化モリブデン粉末6部、およびセラミックファイバー
4部を混合し、水とメチルセルロースを加え、外径5m
m、内径2mm、長さ約6mmに押し出し成型し、空気
中、460℃で3時間焼成した。
【0028】この触媒の反応成績を実施例1と同様にし
て評価したところ、反応率=97.2%、収率=90.
4%であり新触媒と同等であった。
【0029】比較例1 劣化触媒Aをそのまま電気炉にて空気雰囲気中460℃
で6時間焼成した。この触媒の反応成績を実施例1と同
様にして評価したところ、反応率96.5%、収率=8
8.7%であり一部再生されるが十分でない。
【0030】実施例3 実施例1の新触媒を充填して単管試験を行った。内径3
0mmの炭素鋼製反応管のガス出口部2.8mにこの触
媒をそのまま充填し、さらに入り口側1.2mの部分に
はこの触媒70体積%と外径6.2mmの磁性ラシヒリ
ング30体積%とを混合したものを充填し、プロピレ
ン:空気:スチーム=1:7.5:3のモル比からなる
原料ガスを、SV=1000/h(標準状態)となるよ
うに導入し反応を行った。ガス入り口圧力は1.1kg
/cm2 Gであり、熱媒温度は310℃とした。反応開
始後7日後の反応成績を分析したところ、プロピレン反
応率97.7%、アクロレイン収率83.5%、アクリ
ル酸収率8.3%であった。
【0031】反応ガス組成、SVについてはほぼこの反
応条件を保ちながら、反応率は97.5%から98.0
%になるように熱媒温度を操作しながら運転を継続した
ところ、650日後の反応成績は熱媒温度322℃で、
プロピレン反応率97.6%、アクロレイン収率80.
2%、アクリル酸収率8.8%であった。
【0032】この時点で反応を停止し、ガス入り口側希
釈層1.2mの部分を抜きだした。ラシヒリングと触媒
を篩い分けした。この触媒65体積%と、別途市販の三
酸化モリブデンを外径6mm、内径2.5mm、高さ6
mmに打錠成型し、空気中、600℃で焼成して得た成
型体35体積%とを混合したものを先に抜き出した部分
1.2mに再度充填した。こうして反応を再開し、2日
後の反応成績を見たところ、熱媒温度313℃で、プロ
ピレン反応率97.6%、アクロレイン収率82.2
%、アクリル酸収率8.6%であったが、さらにこのま
ま反応を継続すると、21日後には、熱媒温度316℃
で、プロピレン反応率97.8%、アクロレイン収率8
3.8%、アクリル酸収率8.1%と新触媒と同等の収
率を示した。さらに反応を継続し、再充填してから26
0日後の反応成績は、熱媒温度323℃で、プロピレン
反応率97.6%、アクロレイン収率83.6%、アク
リル酸収率8.2%とほとんど収率低下を起こしていな
い。
【0033】実施例4 〔新触媒調製〕実施例1に準じた調製法で、酸素原子を
除く組成がMo12Bi1.4 Fe2 Ni 5 Co4 Tl0.5
0.4 Si15の触媒を調製した。ただしNi原料には硝
酸ニッケルNi(NO3 2 ・6H2 O、Tl原料には
硝酸タリウムTlNO3 、P原料にはリン酸H3 PO4
を用い、塩分解、粉砕後の粉体をα−Al2 3 (5m
mφボール)に担持成型(担持率30重量%)して、空
気中、550℃で6時間焼成して触媒とした。
【0034】この新触媒12mlを内径18mmφのガ
ラス反応管に充填した。反応温度420℃で、イソブチ
レン:空気:スチーム=1:20:8のモル比で、SV
=1500/Hの反応条件で加速寿命試験を行った。
【0035】その結果は、5日後の反応成績は、イソブ
チレン反応率93.2%、メタクロレインとメタクリル
酸の選択率79.3%であったものが、200日後に
は、反応率94.0%、選択率70.2%になった。
【0036】この劣化した触媒を一旦反応管から取り出
し、実施例3で用いた反応に不活性な三酸化モリブデン
成型体を粉砕して10〜16メッシュに揃えたものを3
ml混合し、再度反応管に充填した。同じ条件で運転を
再開し反応成績を見たところ、2日後には、反応率9
3.5%、選択率75.6%であったが、10日後には
反応率93.0%、選択率79.1%であり、新触媒と
同等の成績を示した。
【0037】比較例2 50℃のイオン交換水200mlにモリブデン酸アンモ
ニウム〔(NH4 6Mo7 24・4H2 O〕123g
を溶解した水溶液を、劣化触媒A1000gに含浸、乾
燥し、更に空気中350℃で6時間焼成した。劣化触媒
に対するMoO 3 の量は10重量%である。この触媒の
反応成績を実施例1と同様にして評価したところ、反応
率97.3%、収率88.4%であった。一部再生され
るが、十分ではない。
【0038】比較例3 比較例2と同様にし、焼成温度のみを550℃とした。
この触媒の反応成績を実施例1と同様にして評価したと
ころ、反応率63.5%、収率59.7%であった。反
応活性は大巾に低下している。
【0039】参考例1 モリブデン酸アンモニウム〔(NH4 6 Mo7 24
4H2 O〕を空気中、350℃で3時間焼成してMoO
3 を得た。若干の水分とステアリン酸1.5%を混合し
て、5mmφ×2mmφ×5mmHの円筒状に打錠成形
し、630℃で6時間空気中で焼成した。これを内径1
8φの反応管に10ml充填し、反応温度360〜42
0℃でプロピレン:空気:スチーム=1:7.5:3の
モル比で空筒速度SV=1100/Hの条件で反応を行
った。その結果、いずれもプロピレン反応率は、0.5
未満で実質上反応していないことが認められた。
【0040】参考例2 参考例1と同様にMoO3 を調製し、最終焼成のみを5
00℃で6時間行ったMoO3 を使用して参考例1と同
じ実験を行った。その結果を表1に示す。不活性なMo
3 をつくるためには、500℃の焼成では不完全であ
る。
【0041】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 57/05 9356−4H // C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 Moa Bib Fec Ad Be C
    f Dg Ox (式中、Mo、Bi、Feはそれぞれモリブデン、ビス
    マス及び鉄を表し、Aはニッケル及び/又はコバルトを
    表し、Bはマンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウ
    ム、スズ及び鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種
    の元素を表し、Cはリン、ホウ素、ヒ素、テルル、タン
    グステン、アンチモン及びケイ素からなる群より選ばれ
    た少なくとも1種の元素を表し、Dはカリウム、ルビジ
    ウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれた少
    なくとも1種の元素を表し、a=12としたとき、0<
    b≦10、0<c≦10、1≦d≦10、0≦e≦1
    0、0≦f≦10、0<g≦2であり、xは各元素の酸
    化状態により定まる値である)で示される複合酸化物触
    媒を用い、固定床多管式反応器にてプロピレン、イソブ
    チレン又はターシャリーブタノールを分子状酸素で気相
    接触酸化して相当する不飽和アルデヒド及び不飽和カル
    ボン酸を製造する方法において、反応により性能の劣化
    した触媒を反応に実質的に不活性な酸化モリブデンと混
    合して触媒として再使用することを特徴とする不飽和ア
    ルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造法。
  2. 【請求項2】 劣化した触媒の成形体を粉砕し、反応に
    実質的に不活性な酸化モリブデン粉末を混合し、再成形
    して用いる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 劣化した触媒の成形体と反応に実質的に
    不活性な酸化モリブデンを含む成型体とを混合して用い
    る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応に実質的に不活性な酸化モリブデン
    の混合量が劣化した触媒の3〜20重量%である請求項
    2記載の方法。
  5. 【請求項5】 反応に実質的に不活性な酸化モリブデン
    の混合量が劣化した触媒の5〜40体積%である請求項
    4記載の方法。
  6. 【請求項6】 反応ガス入り口側の5〜50%の劣化し
    た触媒を反応に実質的に不活性な酸化モリブデンと混合
    して用いる請求項1、請求項2又は請求項3記載の方
    法。
JP31226793A 1993-06-25 1993-12-13 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造法 Expired - Fee Related JP3267019B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31226793A JP3267019B2 (ja) 1993-12-13 1993-12-13 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造法
CN94107759A CN1062550C (zh) 1993-06-25 1994-06-24 不饱和醛和不饱和羧酸的制备方法
EP94109830A EP0630879B2 (en) 1993-06-25 1994-06-24 Process for production of unsaturated aldehyde and unsaturated carboxylic acid
KR1019940014514A KR100277241B1 (ko) 1993-06-25 1994-06-24 불포화 알데하이드 및 불포화 카복실산의 제조방법
DE69407669T DE69407669T3 (de) 1993-06-25 1994-06-24 Verfahren zur Herstellung von einem ungesättigten Aldehyd und einer ungesättigten Carbonsäure
US08/266,190 US5602280A (en) 1993-06-25 1994-06-27 Process for production of unsaturated aldehyde and unsaturated carboxylic acid

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31226793A JP3267019B2 (ja) 1993-12-13 1993-12-13 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07165663A true JPH07165663A (ja) 1995-06-27
JP3267019B2 JP3267019B2 (ja) 2002-03-18

Family

ID=18027191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31226793A Expired - Fee Related JP3267019B2 (ja) 1993-06-25 1993-12-13 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3267019B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005095874A (ja) * 2003-08-22 2005-04-14 Mitsubishi Chemicals Corp 触媒再生方法
JP2006218434A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd 成形体の再充填方法
JP2011516256A (ja) * 2008-04-09 2011-05-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア モリブデンを含有する多金属酸化物を含むシェル触媒
JP2011518659A (ja) * 2008-04-09 2011-06-30 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア モリブデン、ビスマスおよび鉄を含有する多金属酸化物を含むシェル触媒
WO2018169088A1 (ja) * 2017-03-17 2018-09-20 三菱ケミカル株式会社 接触酸化方法及び共役ジエンの製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005095874A (ja) * 2003-08-22 2005-04-14 Mitsubishi Chemicals Corp 触媒再生方法
JP4604607B2 (ja) * 2003-08-22 2011-01-05 三菱化学株式会社 触媒再生方法
JP2006218434A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd 成形体の再充填方法
JP2011516256A (ja) * 2008-04-09 2011-05-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア モリブデンを含有する多金属酸化物を含むシェル触媒
JP2011518659A (ja) * 2008-04-09 2011-06-30 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア モリブデン、ビスマスおよび鉄を含有する多金属酸化物を含むシェル触媒
WO2018169088A1 (ja) * 2017-03-17 2018-09-20 三菱ケミカル株式会社 接触酸化方法及び共役ジエンの製造方法
JPWO2018169088A1 (ja) * 2017-03-17 2020-01-23 三菱ケミカル株式会社 接触酸化方法及び共役ジエンの製造方法
US11452978B2 (en) 2017-03-17 2022-09-27 Mitsubishi Chemical Corporation Catalytic oxidation method and method for producing conjugated diene

Also Published As

Publication number Publication date
JP3267019B2 (ja) 2002-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4318367B2 (ja) アクロレインおよびアクリル酸の製造方法
KR100277241B1 (ko) 불포화 알데하이드 및 불포화 카복실산의 제조방법
JP5483818B2 (ja) アクリロニトリル製造用流動床触媒およびアクリロニトリルの製造方法
JP5919870B2 (ja) アクリロニトリル製造用触媒の製造方法および該アクリロニトリル製造用触媒を用いたアクリロニトリルの製造方法
JP2000325795A (ja) 複合酸化物触媒、並びに(メタ)アクロレインおよび(メタ)アクリル酸の製造方法
JP3763246B2 (ja) ヘテロポリ酸系触媒の再生方法およびメタクリル酸の製造方法
JPH11319562A (ja) モリブデン含有酸化物流動層触媒の再生法
JP3139285B2 (ja) アクロレインおよびアクリル酸の製造方法
JP4242597B2 (ja) 不飽和アルデヒド合成用触媒とその製造方法、およびその触媒を用いた不飽和アルデヒドの製造方法
WO2001028986A1 (fr) Methode de production d'acrylonitrile, catalyseur employe et methode de preparation dudit produit
JPH0813332B2 (ja) メタクロレイン及びメタクリル酸の製造用触媒の調製法
JP4045693B2 (ja) メタクリル酸の製造方法
EP1350784B1 (en) Process for production of unsaturated aldehyde or acid using Mo-Bi-Fe catalyst
JP4222721B2 (ja) メタクリル酸の製造方法
JP3939187B2 (ja) 不飽和アルデヒドの製造方法
JP3267019B2 (ja) 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造法
JP3506872B2 (ja) 青酸の製造方法
JP4200744B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法およびメタクリル酸の製造方法
JP4824871B2 (ja) アクロレインおよびアクリル酸の製造方法
JP3772392B2 (ja) 複合酸化物触媒及びメタクリル酸の製造方法
JP3296146B2 (ja) 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造方法
JP3581038B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒及びその製造法並びにその触媒を用いるメタクリル酸の製造法
JP3523455B2 (ja) 固定床反応器および不飽和カルボン酸の製造方法
JP3314457B2 (ja) 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造方法
JP2005021727A (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100111

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100111

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees