JPH07165021A - ワイパー装置 - Google Patents

ワイパー装置

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JPH07165021A
JPH07165021A JP5344135A JP34413593A JPH07165021A JP H07165021 A JPH07165021 A JP H07165021A JP 5344135 A JP5344135 A JP 5344135A JP 34413593 A JP34413593 A JP 34413593A JP H07165021 A JPH07165021 A JP H07165021A
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JP
Japan
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key
crank
cam member
rotation
cover member
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JP5344135A
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Inventor
Hideshi Sawara
英志 佐原
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Asmo Co Ltd
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Asmo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数を少なくして組立て加工に要する労
力を軽減することができる構造を備えたワイパー装置を
提供すること。 【構成】 正逆回転可能なモータによって回転するクラ
ンク12に支持軸14を設け、この支持軸14上にクラ
ンク12とともに回転可能なカム部材16、このカム部
材16の凹部16Dに嵌合する第1のキー24を介して
連動可能なカバー部材18、第1のキー24を介してカ
バー部材18と連動可能であって、支持軸14に対して
回転中心を偏心させた回転可能な球状回転体20をそれ
ぞれ支持し、球状回転体20には、第2のキー26が嵌
合可能な溝20Bおよびワイパーブレード38側への伝
達部材の一つであるコンロッド32を一体化して構成し
てある。これにより、クランク12の回転伝達を第1の
キー24によってのみ制御する構造とすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用等のワイパー装
置に関し、特に、格納可能なワイパー装置の構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、自動車等に用いられるワ
イパー装置にあっては、所謂、ライズアップ機構を備え
たものがある。つまり、ライズアップ機構とは、ワイパ
ーの非作動時に視界を確保することを目的とするもので
ある。そして、このような機構では、ワイパーの非作動
時、払拭範囲の下端よりもさらに下方の位置にワイパー
ブレードを格納しておき、そして、作動時に、この位置
から払拭範囲内に変位させ、この範囲内で揺動させるこ
とができるようになっている。
【0003】このようなワイパーブレードの位置変換
は、ワイパーブレードに連結されているワイパーアーム
の揺動角を変化させて行なうことが多い。
【0004】そして、ワイパーアームの揺動角を変化さ
せるための構造としては、クランクに支持されているコ
ンロッドの回転量を異ならせるようにした構造(例え
ば、特開昭59−2959号公報)、あるいはコンロッ
ドの回転中心を偏心させるようにした構造(例えば、特
開平2−171366号公報)が提案されている。
【0005】前者公報によれば、クランクの回転角度の
うち、360度よりも狭い範囲を払拭範囲の揺動角とし
て設定し、この範囲内で正逆回転させることによって、
払拭範囲でのワイパーブレードの揺動を行なわせてい
る。一方、ワイパーブレードを格納する場合には、上記
揺動範囲よりも大きな角度でクランクを回転させること
により、クランクに連動するワイパーアーム側の揺動角
を払拭範囲よりも大きく設定するようになっている。
【0006】また、後者公報によれば、払拭範囲でワイ
パーブレードを揺動させるためのワイパーモータとは別
に偏心駆動のための角度可変モータを設けてクランクの
中心を偏心させるようになっている。つまり、ワイパー
モータには、これに連動するクランク状ロッドが設けら
れ、さらに、このクランク状ロッドと一体化されたピボ
ット軸を偏心させた状態で支持する偏心軸受を設け、こ
の偏心軸受を角度可変用モータによって回転させるよう
になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した構造
においては、ワイパーブレードの角度を設定するための
構造が複雑であったり、あるいは、その構造の信頼性が
劣るなどの問題があった。
【0008】つまり、前者構造では、払拭範囲でワイパ
ーブレードを往復動させるために、360度以内で駆動
モータを正逆転させる必要があった。このため、連続回
転とは異なるところの、正逆回転を繰返すことでモータ
への負荷が大きくなりやすく、耐久性が悪くなりやす
い。しかも、逆転位置に切り換わる際の位置がそれまで
の移動によって発生する慣性力の影響を受けてずれやす
くなる。このため、逆転開始位置を常に一致させること
が難しくなる。
【0009】また、ワイパーブレードの移動方向を切り
換える際には電磁ブレーキングが行なわれることが多
い。したがって、電磁ブレーキングを実行するために設
けられている給電部品への負荷が大きくなることで耐久
性が問題となるばかりでなく、この負荷に応じた高出力
回路を必要とするので、部品点数等が多くなる。
【0010】また、反転切り換えする際、払拭範囲内の
最端部寄りでは、一々、ブレーキングされることになる
ので、払拭範囲内の最端部寄りと他の領域とでワイパー
ブレードの速度が同じにはならない。これによって、ワ
イパーブレードの動きが不自然なものとなる虞れがあっ
た。
【0011】一方、後者公報の構造では、払拭範囲を揺
動させるためのモータに加えて、揺動角を変えるための
モータが必要となる。このため、偏心軸受等の特殊な部
品が必要となるばかりでなく部品点数が多くなり、さら
には、その制御構成も複雑になる。
【0012】そこで、上記したような構造に代えて、少
なくとも1回転することができる回転方向を選択するの
みでワイパーブレードの払拭範囲での揺動および格納位
置への移動を行なうことができる構造が提案されている
(例えば、特開昭57−18957号公報)。
【0013】この公報に示された構造は、正逆回転可能
なモータにより回転されるクランク状のモータアームを
備え、このモータアームには連結軸が一体に設けてあ
る。そして、この連結軸上には、互いに係合可能な凹溝
と突部とを有する第1および第2のカムと、第2のカム
に対してピンによって連動可能なエキセンプレートおよ
びエキセンメタルがそれぞれ回転できる状態に設けら
れ、さらに、エキセンメタルにはリテーナが一体に設け
られている。
【0014】この構造において、ワイパーブレードの揺
動位置を格納位置に設定する場合には、ワイパーブレー
ドを払拭範囲で揺動させる方向に連続回転していたモー
タを逆転させて、第1、第2のカムの外周面に形成され
ている凹部の位置を一致させるようになっている。そし
て、凹部の位置が一致すると、上記外周面近傍に配置さ
れているストッパが係合してこれらカムの回転が阻止さ
れる。このように各カムの回転が阻止されると、ピンに
よって第2のカムと連動関係にあったエキセンメタル
は、モータアームの回転中心に対して同じ向きを維持し
ていることができなくなるので、連結軸を支点として回
転し、回転中心の位置を反転させることになる。
【0015】このようにエキセンメタルが回転すると、
このメタルに連結されているリテーナと結合されている
部分が、払拭範囲を揺動させる場合の位置から変化する
ので、ワイパーブレードの揺動角度を変化させることが
できる。なお、上記したようなエキセンメタルの回転
は、エキセンプレートの外周面に形成された凹部に嵌合
することができるフリクションスプリングが外れること
によって行なわれるようになっている。
【0016】しかしながら、このような構造では、部品
点数が多くなること、組立て調整が難しいこと等の問題
がある。
【0017】つまり、エキセンメタルの偏心回転を許容
するために用いられるフリクションスプリングは、所
謂、ワンウエイクラッチとして機能するための特別な構
造として設ける必要がある。特に、フリクションスプリ
ングは、これが嵌め込まれるエキセンプレート側の凹部
との位置関係が正確に割出されなければならない部材で
ある。これは、フリクションスプリングが凹部から抜け
出すタイミングが狂ったり、あるいは逆に凹部に嵌め込
まれるまでの移動量が狂ってしまうと、エキセンメタル
の回転中心を正確に反転させることができなくなるため
である。このような理由により、エキセンメタルとフリ
クションスプリングとを用いる場合には、フリクション
スプリングの組立て精度がきわめて重要となり、その
分、組立て加工が面倒となる。
【0018】さらに、エキセンメタルとリテーナとは、
両者に形成された突起同士が当接したり離れたりするこ
とで連動あるいはエキセンメタル独自の回転が行なえる
ようになっている。特に、エキセンメタル独自の回転が
行なわれている場合には、エキセンプレートの凹部から
フリクションスプリングが外れた状態となる。
【0019】このため、エキセンメタルの回転にリテー
ナを連動させる場合には、エキセンメタルの凹部にフリ
クションスプリングが嵌合することになるが、エキセン
メタルとエキセンプレートとの突起同士が当接するまで
の間、フリクションスプリングがエキセンプレートの外
周面をこすりながら移動することになる。したがって、
フリクションスプリングの弾性力がエキセンプレートの
外周面に作用すると両者間でガタが発生しやすくなり、
これによって、ワイパーブレードの動きがぎこちなくな
る虞れもある。
【0020】そこで、本発明の目的は、上記従来のワイ
パー装置における問題に鑑み、部品点数を少なくできる
とともに、組立て加工に要する労力を軽減することがで
きる構造を備えたワイパー装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、正逆回転可能なモータに連結されたクラ
ンクを有し、このクランクの回転中心位置を変えること
により、払拭範囲での揺動位置とこの揺動範囲を外れた
位置とにそれぞれワイパーブレードを位置させるライズ
アップ機構を備えたワイパー装置において、上記モータ
の回転軸に一端が一体化され、他端に支持軸が挿通され
るクランクと、上記クランクの他端側に一体化された状
態で支持軸にて支持され、一方の面に凹部が形成されて
いるカム部材と、上記カム部材の支持軸と同一軸上にて
支持され、上記カム部材の凹部に対向する面に貫通部が
形成されてカム部材と相対的に回転可能なカバー部材
と、上記カム部材およびカバー部材の支持軸と同一軸上
にて支持され、支持軸の軸線よりも偏心した中心を有
し、内部に上記カム部材の凹部およびカバー部材の貫通
部に係脱可能な第1のキーを備え、かつ、外周面に軸線
と平行する溝が形成されている球状回転体と、上記球状
回転体の溝に係脱可能な第2のキーが内部に設けられ、
ワイパーアームを揺動させるためのコンロッドが一体化
されているケース部材と、を備えていることを特徴とし
ている。
【0022】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、上記カム部材の凹部は、モータの正転によって上記
クランクが回転した場合に、係合している上記第1のキ
ーを抜けやすくするための勾配面が壁部に形成されてい
ることを特徴としている。
【0023】
【作用】本発明では、図4に示す動作原理によって、ワ
イパーブレードの払拭範囲内での揺動および格納位置へ
の移動を行なうようになっている。
【0024】つまり、ワイパーブレード38を払拭範囲
内で揺動させる場合には、図示しないクランクの回転中
心は符号Aで示す位置にある。そしてクランクに連結さ
れているコンロッド32の回転中心も同じ位置にある。
この状態でモータが正転すると、クランクに連結されて
いるコンロッド32が、符号D1、D2で示す範囲で往
復動し、リンクレバー34に連結されているワイパーア
ーム36を介してワイパーブレード38が符号C1、C
2の範囲に相当する払拭範囲で揺動する。
【0025】一方、ワイパーブレード38を符号C3で
示す格納位置に向け揺動させる場合には、クランクの回
転中心Aに対してコンロッドの回転中心が符号Bで示す
位置に変化する。このため、クランク12とコンロッド
32との連結位置は、符号A1で示す位置から符号B1
で示す位置に変化する。これによって、コンロッド32
を介してクランクと連動するリンクレバー34は、その
揺動角が符号D3で示す位置まで拡大される。したがっ
て、リンクレバー34に連動するワイパーブレード38
は、符号C3で示す格納位置まで揺動することになる。
【0026】そして、本発明では、上記動作原理を具現
化するにあたり、支持軸に対して偏心した中心を有する
球状回転体を設け、さらに、この球状回転体の内部に
は、外方に突出可能な第1のキーが配置してある。そし
て、この第1のキーは、カム部材の凹部とカバー部材の
貫通部とが一致したとき、これら両部内に嵌合すること
ができる。
【0027】このため、球状回転体とカム部材との連動
は、従来の構造と違って、ワンウエイクラッチ機構など
を用いないでも、直接キーのみを介して行なえる。
【0028】また、コンロッドと一体のケース部材にお
いて球状回転体の溝に係脱可能な第2のキーが設けられ
ている。
【0029】このため、球状回転体とケース部材との連
結は、従来の構造と違って、摩擦係合を用いた特別な部
材等を必要とすることなく第2のキーのみで直接的に行
なわれる。
【0030】さらに、本発明では、第1のキーが係合し
ているカム部材の凹部に、モータの正転によりクランク
が回転したときにそのキーが容易に抜け出すことのでき
る勾配面が設けられている。このため、クランクの回転
過程においてキーの移動が円滑に行なわれる。したがっ
て、第1のキーが移動する際のぶれやショック等を発生
させることがない。また、カム部材と球状回転体とが相
対的に移動する場合には、上記勾配面による円滑な移動
を行なわせることによって第1のキーに作用する剪断力
を軽減することになる。
【0031】
【実施例】以下、図によって本発明によるワイパー装置
の詳細を説明する。
【0032】図1は、本発明によるワイパー装置の要部
構成を示す断面図である。
【0033】本実施例によるワイパー装置10は、図示
しない正逆回転可能なモータの回転軸に一端を取付けら
れるクランク12を備えている。このクランク12の他
端側には挿通孔12Aが形成されており、この挿通孔1
2Aに後述する支持軸14が挿通されるようになってい
る。
【0034】支持軸14は、クランク12に対して不動
状態に設けられているものであり、その軸方向一端側に
軸径よりも大径の段部14Aが形成されている。この段
部14Aは、クランク12の上面に載置されるようにな
っている。
【0035】また、クランク12を挟んで段部14Aと
対向する支持軸14の軸端部は、クランク12の下面で
かしめられるようになっている。これにより、支持軸1
4は、段部14Aとかしめられた端部とでクランク12
を挾み込む状態になるので、クランク12からの脱落が
防止されている。
【0036】また、支持軸14には、図3に示すよう
に、その軸方向に沿って、下端側から上端側に向け、前
述したクランク12、そして、カム部材16、カバー部
材18、球状回転体20がそれぞれ挿嵌されるようにな
っている。そして、これら各部材は、支持軸14の上端
側に形成された凹部14Bにスナップリング14Cが嵌
め込まれることで抜けないようになっている。
【0037】次に、上記各部材について、図1乃至図3
によりその詳細を説明する。
【0038】図2および図3において、カム部材16
は、円盤状に形成された樹脂製部材で形成されている。
そして、このカム部材16の中心部には支持軸14に嵌
合する挿通孔16Aが、また、外周面の一部には外方に
向け突出するセクタ状の片部16Bが、さらに、片部1
6Bの下面には片部16Bよりもさらに外方に向け突出
する係合片16Cがそれぞれ形成されている。
【0039】上記片部16Bは、後述するカバー部材1
8の内壁に形成された凹部内に位置する部分であり、ま
た、係合片16Cは、クランク12に形成された凹部1
2B内に嵌め込まれる部分である。
【0040】このような構造のカム部材16は、係合片
16Cがクランク12の凹部12Bに嵌合されることで
クランク12と一体的に組付けられる。これによって、
カム部材16は、クランク12の回転中心に対して常に
同じ向きを維持した状態で回転することができる。
【0041】また、カム部材16の一方の面、つまり、
図1に示すように上面には、凹部16Dが設けてある。
この凹部16Dは、後述するカバー部材18の貫通部1
8Bと同一半径上に位置させて形成されている。
【0042】一方、カバー部材18は、下向き開口を有
する樹脂製の皿状部材で形成されている。そして、この
カバー部材18は、図2に示すように、回転中心に向け
突出する内向き突部18Aがその内周壁の一部に形成さ
れている。
【0043】カバー部材18には、図2において二点鎖
線で示すように、上記したカム部材16を収容できる空
間が内部に形成されている。したがって、カバー部材1
8とカム部材16とは、カム部材16の片部16Bがカ
バー部材18の突部18Aに当接した場合に連動するよ
うになっている。
【0044】また、カバー部材18には、カム部材16
の凹部16Dと同一半径上に貫通部18Bが形成してあ
る。このため、貫通部18Bは凹部16Dと位置を一致
させることが可能である。
【0045】このような構造のカバー部材18は、貫通
部18Bとカム部材16側の凹部16Dとの位置関係に
応じて、後述する球状回転体20をカム部材16とを動
作的に一体化する場合と分離する場合とを選択する部材
として用いられる。
【0046】一方、球状回転体20は、支持軸14の軸
方向両端に沿った面を切り落とされた外形形状が球状の
樹脂製部材で構成されている。そして、この球状回転体
20は、図1に示すように、外形形状の中心Pが支持軸
14の軸心Qに対して偏心させて形成されている。この
ため、球状回転体20は、支持軸14の軸心Qを支点と
して偏心回転することができる。
【0047】また、球状回転体20の内部には、下面に
開口する凹部20Aが形成されている。そして、この凹
部20A内には、第1のキー24およびスプリング22
がそれぞれ配置されており、第1のキー24がスプリン
グ22によって外方へ突出できるようになっている。
【0048】したがって、第1のキー24は、カム部材
16の凹部16Dとカバー部材18の貫通部18Bとが
一致したときにそれら各部内に入り込むことができる。
【0049】このように、第1のキー24が、凹部16
Dと貫通部16Bとに入り込むと、カム部材16とカバ
ー部材18と球状回転体20とが第1のキー24を介し
て連結された状態となる。したがって、この場合には、
これら各部材が、クランク12の回転中心に対しそれぞ
れ同じ向きに維持されてクランク12とともに回転する
ことができる。
【0050】さらに、球状回転体20の外周面には、支
持軸14の軸線に沿った長手方向をもつ溝20Bが形成
されている。そして、この溝20Bには、後述するケー
ス部材28内に配置された第2のキー26が嵌合できる
ようになっている。
【0051】すなわち、ケース部材28は、球状回転体
20を回転自在に支持する軸受面を備えた部材であり、
内部に、第2のキー26を収容するための筒部28Aが
設けられている。
【0052】一方、第2のキー26は、筒部28A内に
配置されているスプリング28Bによって軸受面から溝
20Bに向け突出できるようになっている。
【0053】上記第2のキー26が溝20B内に入り込
むと、ケース部材28と球状回転体20とが一体的に連
結されるので、カム部材16とカバー部材18との動作
状態に拘らず、球状回転体20は係止されて回転しな
い。
【0054】なお、この場合には、第1のキー24によ
ってカム部材16とカバー部材18と球状回転体20と
が連結状態を維持されたままであるが、第2のキー26
によって回転を係止されている球状回転体20側とクラ
ンク12に一体のカム部材16との間の連動関係は、第
1のキー24がカム部材16の凹部16Dから抜け出る
ことによって遮断されるようになっている。
【0055】したがって、クランク12と一体のカム部
材16は、クランク12の回転中心に対して同じ向きの
ままで回転するものの、カバー部材18および球状回転
体20は、カム部材16とは別個に回転を係止された状
態に維持される。
【0056】また、ケース部材28には、その外側に、
図4で示したコンロッド32の端部が連結されて一体化
されている。これにより、支持軸14の軸心とコンロッ
ド32がケース部材28に連結されている位置(図1中
符号Rで示す位置)との間の間隔が球状回転体20の偏
心回転に応じて変化するようになっている。
【0057】ところで、本実施例においては、モータの
正転時、つまり、ワイパーブレード38が払拭範囲で揺
動する場合と、逆転時、つまりワイパーブレード38を
格納位置に移動させる場合とで、第1のキー24がカム
部材16の凹部16Dから抜け出るための力関係、およ
び第2のキー26が球状回転体20の溝20Bから抜け
出るための力関係に関し、次の条件が設定されている。
【0058】すなわち、第1のキー24の抜け力をF1
とし、第2のキー26の抜け力をF2とし、そして、ワ
イパーブレード38に加わる力、換言すれば、コンロッ
ド32に加わる力をF3とすると、モータの正転時に
は、F2>F1>F3に設定され、モータの逆転時に
は、F1>F2>F3に設定されている。
【0059】このような力関係は、後で詳しく作用を説
明するが、モータの正転時では、ワイパーブレードの払
拭範囲での揺動を継続させるには球状回転体20の回転
を係止する必要があるためである。またモータの逆転時
では、回転係止が解除された場合に球状回転体20を偏
心回転させる回転力としてクランク12側の回転力を球
状回転体20に伝達する必要があるためである。
【0060】しかも、このような力関係を設定すること
で、次のような問題が解決できる。
【0061】すなわち、モータを正転させてワイパーブ
レード38を払拭範囲で揺動させようとするとき、積雪
や凍結による過剰な負荷がワイパーブレード38に作用
していると、無理にワイパーブレード38を揺動させた
場合に、その負荷によってワイパーブレード38が折れ
てしまう虞れがある。
【0062】そこで、このような場合には、ワイパーブ
レード38側が連結されている球状回転体20の回転係
止は維持するものの、そのような負荷が除去されるまで
の間、クランク12からの回転力の伝達を抑制してワイ
パーブレード38を払拭範囲全域にわたって強引に揺動
させないようにする必要がある。このため、ワイパーブ
レード38に過剰な負荷が作用した場合、第1のキー2
4をカム部材16の凹部16Dから抜き出すことで、ワ
イパーブレード38を揺動させるための駆動力の伝達を
中断できるようになっている。なお、この場合には、ク
ランク12からの回転力を完全に遮断するのでなく、払
拭範囲内でのワイパーブレードの揺動角がある程度小さ
くなる程度の回転力の伝達が行なわれるようにすること
が好ましい。
【0063】また、モータを逆転させてワイパーブレー
ド38を格納位置に移動させる場合に、上記したと同じ
ように積雪や凍結による過剰な負荷が存在しているとき
には、カム部材16およびカバー部材18に対する第1
のキー24の嵌合は維持するものの、球状回転体20に
対しての第2のキー26を抜き出す。なお、逆転の過程
では、球状回転体20の回転係止が解除されるようにな
っているが、この場合とは別に上記した力関係を設定す
ることにより第2のキー26を抜き出すようにすること
も可能である。
【0064】このような力関係は、各キーに付設されて
いるスプリングの弾性力によって設定することで可能に
なるが、この他の手段として、キーが抜け出る際の容易
性を設定することによっても可能である。
【0065】つまり、キーが嵌合する部分の形状をキー
が抜け出やすい形状にすることである。
【0066】そこで、本実施例では、第1のキー24が
嵌合するカム部材16の凹部16Dの壁部に勾配面が設
けてある。これによって、カム部材16に対向するカバ
ー部材18がカム部材16に対して相対的な回転をした
場合にキー24が勾配面によりガイドされて移動しやす
くなっている。
【0067】また、第2のキー26に関しては、球状回
転体20の溝20Bの幅方向一方の壁部に対向する第2
のキー26側の面に傾斜面が形成されている。
【0068】次に作用について説明する。
【0069】図5において、(A)、(C)は、球状回
転体20と第2のキー26との関係を、そして、
(B)、(D)は、第1のキー24とカム部材16とカ
バー部材18との関係をそれぞれ模式的に示した図であ
る。
【0070】ワイパーブレード38(図4参照)が格納
位置にあるときには、球状回転体20と第2のキー26
とは、図5(A)において、符号(1)で示す関係にあ
り、そのときの各部材の状態は、図7に示されている。
つまり、第2のキー26は球状回転体20の溝20Bか
ら抜け出た状態にある。したがって、球状回転体20の
回転中心Pは、図7において支持軸14の軸心Qよりも
左側、換言すれば、図4において符号Bで示した位置に
ある。
【0071】このため、図7において、支持軸14の軸
心Qとコンロッド32が取付けられているケース部材2
8の外端Rとの間の距離(L1)は、図1に示されてい
るような、球状回転体20の溝20Bの向きが第2のキ
ー26と対面する向きにあるときの距離(L)に比較し
て短くなっている。この結果、図1に示した場合に比べ
て、支持軸14の軸心Qに対して反転した位置に球状回
転体20の回転中心Pがあるので、ケース部材28とコ
ンロッド32(図4参照)との連結位置が、図4におい
て、符号B1に示す位置に設定されていることになる。
【0072】一方、図5(A)において符号(1)で示
す位置に球状回転体20があるとき、第1のキー24
は、図5(B)において符号(101)で示すように、
カム部材16の凹部16Dおよびカバー部材18の貫通
部18Aに嵌合する。つまり、図5(B)において符号
(101)に示す位置に上記球状回転体20があるとき
には、図5(B)に示されているように、カム部材16
の凹部16Dとカバー部材18の貫通部18Bとが一致
している。したがって、球状回転体20は、第1のキー
24によってカム部材16およびカバー部材18と一体
化されて連動できるようになっている。
【0073】そして、この状態で図示しないワイパース
イッチがオンされ、ワイパーブレード38(図4参照)
を格納位置から変位させて払拭範囲で揺動させる場合に
はモータが正転される。
【0074】モータが正転すると、カム部材16、カバ
ー部材18および球状回転体20が、クランク12の回
転中心に対して格納位置にある場合と同じ向きで回転す
る。このため、図5(A)において符号(2)で示す位
置では、球状回転体20の外周面に当接する第2のキー
26の当接位置が90度変化するものの、溝20Bとは
未だ対面しない状態にある。また、カム部材16とカバ
ー部材18とは第1のキー24によって一体化されてい
るので、図5(B)において符号(102)で示すよう
に、連結状態が変化しないまま向きが90度変化する。
【0075】一方、さらにクランク12が90度回転す
ると、図5(A)において符号(3)で示す位置および
図5(B)において符号(103)で示す位置まで球状
回転体20、カム部材16およびカバー部材18が変位
する。この位置では、球状回転体20の溝20Bに対し
て第2のキー26が対面するので両者が嵌合し、球状回
転体20の回転が係止される。この状態は、図1に示さ
れている。
【0076】そして、この位置からさらにクランク12
が90度回転して、図5(A)において符号(4)で示
す位置および図5(B)において符号(104)に示す
位置にクランク12が回転する過程では、溝20Bに係
合している第2のキー26によって球状回転体20が回
転を係止される一方、カム部材16の凹部16Dに入り
込んでいた第1のキー24が外れる。
【0077】つまり、カム部材16は、クランク12と
常に一体で回転するので、常にクランク12の回転中心
に対して同じ向きで回転する。このため、カム部材16
は、第2のキー26によって回転を係止されている球状
回転体20と連結関係にあるカバー部材18に対して相
対的に回転することになる。これにより、カム部材16
の凹部16Dとカバー部材18の貫通部18Bとの位置
がずれる。したがって、第1のキー24は、スプリング
22の付勢に対抗してカム部材16の上面に乗り上げる
ことになる。このような第1のキー24の移動は、前述
した凹部16Dの壁部に形成された勾配面によって円滑
に行なわれる。
【0078】このように、カム部材16とカバー部材1
8とが相対的に回転することで凹部16Dと貫通部18
Bとの位置がずれると、第1のキー24を介したクラン
ク12と球状回転体20との連動関係が断たれた状態と
なる。
【0079】そして、クランク12がさらに90度回転
して、図5(A)において符号(5)で示す位置および
図5(B)において符号(105)で示す位置に達する
と、球状回転体20は、図8に示すように、溝20Bに
第2のキー26が嵌合している状態を維持され、また、
第1のキー24はカム部材16の凹部16Dから抜け出
た状態に維持される。したがって、クランク12の回転
に連動するカム部材16がクランク12の回転中心に対
して同じ向きで回転するのに対し、球状回転体20は回
転を係止されているので、カム部材16と相対的に回転
することになる。これにより、球状回転体20の回転中
心Pが、支持軸14を支点として回転することになる。
【0080】このような回転により、球状回転体20の
回転中心Pは、図7に示した状態から支持軸14の軸心
Qに対して反転した状態となる。
【0081】しかも、球状回転体20の回転中心Pが反
転すると、この回転中心と同じ位置を中心とするケース
部材28の回転中心Pも、図4において符号Aで示す位
置に変化することになる。このため、ケース部材28と
コンロッド32との連結位置は、図4において符号A1
で示す位置に変化する。したがって、コンロッド32に
連動するリンクレバー34は、図4において符号D2で
示す位置に移動することができ、払拭範囲の一方の端部
(図4中、符号C2で示す位置)にワイパーブレード3
8を位置させることができる。
【0082】さらに、モータの正転が継続されると、球
状回転体20と第2のキー26との関係は、図5(C)
に示す通りであり、また、カム部材16、カバー部材1
8と第1のキー24との関係は図5(D)に示す通りで
ある。
【0083】すなわち、カム部材16の凹部16Dから
第1のキー24が抜け出た状態を維持していることによ
り、クランク12の回転に拘らず、第2のキー26は、
溝20Bに嵌合した状態に維持されるので、球状回転体
20が回転を係止される。そして、図5(C)、(D)
において、クランク12が90度回転して符号(6)、
(106)に示す位置に達すると、カム部材16の上面
で摺動していた第1のキー24がカバー部材18の貫通
部18Bから抜け出る。
【0084】つまり、図5(C)、(D)において、符
号(5)、(105)に示す位置から符号(6)、(1
06)に示す位置にクランク12が回転すると、球状回
転体20が第2のキー26によって回転を係止されてい
る。一方、カバー部材18は、内周壁に有する突部18
Aにカム部材16の片部16B(図2および図3参照)
の端部が当接することによりカム部材16と連動するこ
とになる。
【0085】このため、球状回転体20に対してカバー
部材18が相対的に回転することになる。このため、第
1のキー24は、カバー部材18の貫通部18Bの上面
に乗り上げて貫通部18Bから抜け出ることになる。な
お、このような第1のキー24の乗り上げを容易にする
ために、貫通部18Bの壁部にカバー部材16の凹部1
6Dに形成したと同様な勾配面を形成しておくことが好
ましい。
【0086】そして、上記位置からクランク12がさら
に90度回転して図5(C)、(D)において符号
(7)、(107)に示す位置に達すると、クランク1
2とともに回転するカム部材16の凹部16Dが第1の
キー24の位置と一致する。しかし、図5(D)中、符
号(106)で示す位置において、カバー部材18の貫
通部18Bの位置が第1のキー24の位置から外れてい
るので、第1のキー24が凹部16D内へ嵌合すること
はない。
【0087】したがって、球状回転体20の回転中心P
は、図1に示した場合と同じ状態となる。但し、この位
置で図1に示した場合と異なる点は、第1のキー24
が、カバー部材18の貫通部18Bに嵌合していない点
である。
【0088】このため、ケース部材28とコンロッド3
2との連結位置が、図4において符号A2で示す位置に
変化するとともに、コンロッド32とリンクレバー34
との連結位置が、図4において符号D1で示す位置に変
化する。これにより、払拭範囲の他方の端部(図4中、
符号C1で示す位置)にワイパーブレード38を位置さ
せることができる。
【0089】このように、モータの正転が継続される
と、図5(D)において説明したように、第1のキー2
4とカム部材16の凹部16Dとが嵌合しない状態が維
持されるので、球状回転体20が常に同じ状態に維持さ
れる。したがって、クランク12とコンロッド32との
連結位置が、ワイパーブレード38を払拭範囲内で揺動
させることのできる位置に設定されることになる。
【0090】一方、ワイパーブレード40を格納位置に
移動させるためにワイパースイッチをオフした場合に
は、球状回転体20と第2のキー26との関係が、図6
(A)に示す関係とされる。また、このときのカム部材
16、カバー部材18と第1のキー24との関係は図6
(B)に示す関係とされる。
【0091】すなわち、この場合には、図5(A)乃至
(D)に示したところの球状回転体20と第2のキー2
6との関係およびカム部材16とカバー部材18と第1
のキー24との関係について逆の過程を辿ることにな
る。
【0092】つまり、クランク12は、図5(D)にお
いて符号(105)で示した位置まで強制的に回転させ
られる。この位置は、格納位置へ復帰する際のポジショ
ンとして予め設定されているインターバルポジションに
相当している。
【0093】モータの逆転開始時には、球状回転体20
が第2のキー26と係合していることによって正転時の
向きに維持され、また、カム部材16とカバー部材18
とが、凹部16Dと貫通部18Bとを一致させない状態
に維持される。なお、カバー部材18の貫通部18Bに
は、第1のキー24が嵌合し、この第1のキー24は、
カム部材16の上面を摺動できる状態となっている。
【0094】そして、この状態でモータの逆転に応じて
クランク12が逆転すると、クランク12とともに回転
するカム部材16が、図6(B)において符号(10
5)で示す位置から90度回転して符号(104A)で
示す位置に達する。このとき、カム部材16は、片部1
6Bをカバー部材18の突部18Aに当接させることな
く空回りする。
【0095】さらに、クランク12が90度回転し、カ
ム部材16が図6(B)において符号(103A)で示
す位置に達すると、カム部材16の凹部16Dとカバー
部材18の貫通部18Bとの位置が一致する。したがっ
て、第1のキー24が、カム部材16の凹部16Dに嵌
合するので、カム部材16と球状回転体20とは、第1
のキー24を介して一体化されて連動できるようにな
る。
【0096】一方、図6(B)において符号(103
A)で示す位置に向けクランク12が90度回転する
と、球状回転体20は、第1のキー24を介してクラン
ク12とともに回転するカム部材16と連動することに
なる。したがって、球状回転体20は、図6(A)にお
いて符号(2A)に示す位置にクランク12が回転する
過程で、カム部材16とともにクランク12の回転中心
に対して同じ向きで回転することになる。
【0097】このため、球状回転体20は、クランク1
2の回転に応じて第2のキー26に対する当接面を変化
させることになるので、第2のキー26が溝20Bから
抜け出て外周面に乗り上げることになる(図6中、符号
(2A)の位置参照)。
【0098】一方、クランク12が、図6(A)におい
て符号(2A)で示す位置からさらに90度回転して符
号(1A)に示す位置に達すると、球状回転体20は、
第2のキー26に対し、図7に示す状態が設定される。
つまり、球状回転体20は、カム部材16とともにクラ
ンク12の回転中心に対して同じ向きを維持した状態で
回転するので、支持軸14を支点として回転し、これに
よって、回転中心Pがモータの正転時の場合に対して反
転した状態となる。
【0099】したがって、図7に示すように、支持軸1
4の軸心Qからコンロッド32が取付けられているケー
ス部材28の外端までの距離(L1)が、図1に示した
場合、つまり、球状回転体20の溝20Bに第2のキー
26が嵌合している場合の距離(L)に比較して短くな
っている。これにより、ケース部材28とコンロッド3
2との連結位置が、図4において符号B1に示す位置に
設定されることになる。
【0100】このため、コンロッド32とリンクレバー
34との連結位置も、図4において符号D3で示す位置
に変化するので、ワイパーブレード38が、格納位置、
つまり、図4において符号C3で示す位置に設定される
ことになる。
【0101】以上のような本実施例によれば、第1のキ
ー24の抜き力、第2のキー26の抜き力およびコンロ
ッド32に作用する外力との関係を設定することによ
り、コンロッド32によって連動するワイパーブレード
38に異常な負荷が作用した場合の破損等が防止され
る。
【0102】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、自動車以外に、船舶や航空機等
の防風ガラス等に適用することも可能である。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ワ
イパーブレードを格納位置へ移動させる場合と払拭範囲
で揺動させる場合との動作切り換えに必要な構造を簡単
なものとすることができる。つまり、球状回転体の内部
に、カム部材の凹部とカバー部材の貫通部とに対して嵌
合可能な第1のキーが設けられている。このため、球状
回転体とカム部材との連動関係は、直接キーの嵌合およ
びその解除によって行なえるので、従来の構造と違っ
て、これ以外の連動手段を必要としないですむ。
【0104】また、本発明によれば、コンロッドと一体
のケース部材において球状回転体の溝に嵌合可能な第2
のキーを設けるだけでワイパーアームの揺動角度を自動
的に設定することができ、しかも、その揺動角のバラツ
キも抑えることができる。つまり、球状回転体側とコン
ロッド側との連結は、第2のキーによって直接行なうこ
とができ、しかも、溝内に第2のキーが嵌合した場合に
は、球状回転体の位置決めも確実に行なわれているの
で、球状回転体が回転方向で位置ずれを起こすことがな
い。したがって、従来の構造と違って、単にキーの嵌合
のみで球状回転体の偏心量を誤差なくコンロッドに伝達
することができるので、コンロッドの揺動角を調整する
というような組立性の悪化を解消することができる。
【0105】さらに、本発明によれば、第1のキーが係
合しているカム部材の凹部に、モータの正転によりクラ
ンクが回転したときにそのキーを容易に抜け出させるこ
とのできる勾配面が設けられている。このため、クラン
クの回転過程においてキーが円滑に抜け出ることができ
るので、従来の構造と違って、部品同士で摺動を起こす
ことがない。したがって、ワイパーブレードの動きがぎ
こちなくなるような事態を招かないようにすることが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるワイパー装置の要部構造を示す断
面図である。
【図2】図1に示した要部に用いられるカム部材とカバ
ー部材との構造を示す平面図である。
【図3】図1に示した要部の構成を説明するための斜視
図である。
【図4】図1に示したワイパー装置の作動原理を説明す
るための模式図である。
【図5】図1に示した要部の作用を説明するための模式
図であり、(A)、(C)は第2のキーと球状回転体と
の関係を、(B)、(D)は第1のキーとカム部材およ
びカバー部材との関係をそれぞれ示している。
【図6】図1に示した要部の他の作用を説明するための
模式図であり、(A)は第2のキーと球状回転体との関
係を、(B)は第1のキーとカム部材およびカバー部材
との関係をそれぞれ示している。
【図7】図5(A)、(B)において、符号(1)およ
び(101)で示す位置での図1に示した要部構成を説
明するための断面図である。
【図8】図5(C)、(D)において、符号(7)、
(107)で示す位置での図1に示した要部構成を説明
するための断面図である。
【符号の説明】
10 ワイパー装置 12 クランク 14 支持軸 16 カム部材 18 カバー部材 20 球状回転体 24 第1のキー 26 第2のキー 28 ケース部材 32 コンロッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正逆回転可能なモータに連結されたクラ
    ンクを有し、このクランクの回転中心位置を変えること
    により、払拭範囲での揺動位置とこの揺動範囲を外れた
    位置とにそれぞれワイパーブレードを位置させるライズ
    アップ機構を備えたワイパー装置において、 上記モータの回転軸に一端が一体化され、他端に支持軸
    が挿通されるクランクと、 上記クランクの他端側に一体化された状態で支持軸にて
    支持され、一方の面に凹部が形成されているカム部材
    と、 上記カム部材の支持軸と同一軸上にて支持され、上記カ
    ム部材の凹部に対向する面に貫通部が形成されてカム部
    材と相対的に回転可能なカバー部材と、 上記カム部材およびカバー部材の支持軸と同一軸上にて
    支持され、支持軸の軸線よりも偏心した中心を有し、内
    部に上記カム部材の凹部およびカバー部材の貫通部に係
    脱可能な第1のキーを備え、かつ、外周面に軸線と平行
    する溝が形成されている球状回転体と、 上記球状回転体の溝に係脱可能な第2のキーが内部に設
    けられ、ワイパーアームを揺動させるためのコンロッド
    が一体化されているケース部材と、 を備えていることを特徴とするワイパー装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記カム部材の凹部は、モータの正転によって上記クラ
    ンクが回転した場合に、係合している上記第1のキーを
    抜けやすくするための勾配面が壁部に形成されているこ
    とを特徴とするワイパー装置。
JP5344135A 1993-12-17 1993-12-17 ワイパー装置 Withdrawn JPH07165021A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2775644A1 (fr) 1998-03-04 1999-09-10 Asmo Co Ltd Mecanisme d'essuie-glace
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