JPH0716482B2 - 医療用導電性粘着剤およびそれを用いた医療用粘着電極 - Google Patents

医療用導電性粘着剤およびそれを用いた医療用粘着電極

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JPH0716482B2
JPH0716482B2 JP61138450A JP13845086A JPH0716482B2 JP H0716482 B2 JPH0716482 B2 JP H0716482B2 JP 61138450 A JP61138450 A JP 61138450A JP 13845086 A JP13845086 A JP 13845086A JP H0716482 B2 JPH0716482 B2 JP H0716482B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は優れた導電性と粘着性とを有する医療用導電性
粘着剤,および該粘着剤の層を電極板表面に設けた医療
用粘着電極に関する。
(従来の技術) 心電計,筋電計,脳波計,低周波治療器,手術用電気メ
スなどの医療用電気機器を使用する場合には,皮膚表面
に信号用電極やアース用電極を貼付し,皮膚表面の所定
場所とこれら機器とを電気的に接続したり皮膚表面を接
地することが行われる。このような目的に使用される医
療用電極として導電性を有する粘着剤の層を電極板表面
に設けた粘着電極が開発されている。粘着電極に使用さ
れうる粘着剤としては,例えば,次のような導電性粘着
剤が提案されている。
特開昭52−95895号公報に開示された電極の粘着剤
は,α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸と末端が第
4アンモニウム基である1価もしくは多価アルコールと
のエステルを含むポリマーと多価アルコールとを含有す
る。
特開昭56−36939号公報に開示された電極の粘着剤
は,(メタ)アクリル酸,マレイン酸などの有機カルボ
ン酸の塩(アルカリ金属塩,アミン塩など)を5モル%
以上の割合で含むポリマーとグリセリンなどの多価アル
コールとを含有する。
特開昭56−36940号公報に開示された電極の粘着剤
は,ポリアクリル酸,ポリビニルアルコールなどの非イ
オン性親水性ポリマーとグリセリンなどの水溶性可塑剤
とを含有する。
しかし,上記3例の粘着剤の導電性は,いずれも充分で
あるとはいえない。特に,の粘着剤はそれ自体の導電
性は極めて低く,塩化ナトリウムなどの電解質を配合す
る必要がある。粘着性に関してもいずれもが不充分であ
り,電極を長時間にわたり皮膚表面に接着させておくこ
とができない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり,その目
的とするところは,各種医療用測定機器などに利用され
得,優れた導電性と粘着性とを有する導電性粘着剤を提
供することにある。本発明の他の目的は,上記優れた性
質を有する粘着剤の層を電極板表面に設けた医療用粘着
電極を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の導電性粘着剤は,置換アンモニオ基と置換アミ
ノ基とを有し,水および/もしくはアルコールに可溶な
主ポリマー;分子内にカルボキシル基を有し,水および
/もしくはアルコールに可溶なカルボキシル基含有ポリ
マー;および軟化剤を含有し,そのことにより上記目的
が達成される。
本発明の医療用粘着電極は,導電性粘着剤層が電極板の
少なくとも一部に設けられた医療用粘着電極であって,
該粘着剤は,置換アンモニオ基と置換アミノ基とを有
し,水および/もしくはアルコールに可溶な主ポリマ
ー;分子内にカルボキシル基を有し,水および/もしく
はアルコールに可溶なカルボキシル基含有ポリマー;お
よび軟化剤を含有し,そのことにより上記目的が達成さ
れる。
本発明の医療用導電性粘着剤の主成分となる主ポリマー
は,次の構造式を有する(メタ)アクリルアミド誘導体
(I)および/もしくは(メタ)アクリル酸エステル誘
導体(II)を共重合成分(第1共重合成分)として含有
する共重合体である。第1共重合成分により主ポリマー
中に置換アンモニオ基が導入される。
(ここで,R1はHまたはCH3;R2は炭素数1〜6の飽和
炭化水素基;R3,R4およびR5は炭素数1〜4のアルキル
基;そしてXはCl,Brなどのハロゲン原子である) (ここで,R6はHまたはCH3;R7は炭素数1〜6の飽和
炭化水素基またはヒドロキシル基を有する炭素数1〜6
の飽和炭化水素基;R8,R9およびR10は炭素数1〜4の
アルキル基;そしてXはCl,Brなどのハロゲン原子であ
る)。
上記構造式で示される化合物のうち,(メタ)アクリル
アミド誘導体(I)としては,2(アクリルアミド)エチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド,2(メタクリルア
ミド)エチルトリメチルアンモニウムクロライド,3(ア
クリルアミド)プロピルトリメチルアンモニウムクロラ
イド,3(メタクリルアミド)プロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド,3(メタクリルアミド)プロピルジエ
チルメチルアンモニウムクロライド,3(メタクリルアミ
ド)プロピルトリメチルアンモニウムブロマイド,3(ア
クリルアミド)イソペンチルトリメチルアンモニウムク
ロライドなどがある。(メタ)アクリル酸エステル誘導
体(II)としては,2(アクリルオキシ)エチルトリメチ
ルアンモニウムアイオダイド,2(メタクリルオキシ)エ
チルトリメチルアンモニウムクロライド,3(アクリルオ
キシ)プロピルトリメチルアンモニウムクロライド,3
(メタクリルオキシ)プロピルトリメチルアンモニウム
クロライド,3(メタクリルオキシ)2−ヒドロキシプロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライドなどがある。
本発明の導電性粘着剤の主成分となる主ポリマーは,さ
らに,置換アミノ基を有する単量体を共重合成分(第2
共重合成分)として含有する。第2共重合成分は置換ア
ミノ基を有する基がアミド結合またはエステル結合を介
して重合性不飽和単量体に結合した化学構造を有する。
このような第2共重合成分としては,ジメチルアミノイ
ソペンチルアクリルアミド,ジメチルアミノメチルアク
リルアミド,ジメチルアミノメチルメタクリルアミド,
ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド,ジエチルア
ミノメチルアクリルアミド,ジエチルアミノメチルメタ
クリルアミド,ジメチルアミノエチルアクリレート,ジ
メチルアミノエチルメタクリレート,ジエチルアミノエ
チルアクリレート,ジエチルアミノエチルメタクリレー
トなどがある。
上記第1共重合成分および第2共重合成分の他にその他
の単量体が第3共重合成分として主ポリマーに含有され
ていてもよい。第3共重合成分としては,上記第1およ
び第2共重合成分と共重合可能であり,かつ形成される
主ポリマーが水および/もしくはアルコールに可溶とな
る単量体が用いられる。第3共重合成分としては,ブチ
ルアクリレート,2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−
ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト,2−ヒドロキシブチルアクリレート,2−ヒドロキシブ
チルメタクリレート,ブトキシエチルアクリレート,ブ
トキシエチルメタクリレート,テトラヒドロフルフリル
アクリレート,テトラヒドロフルフリルメタクリレー
ト,グリセリンモノアクリレート,グリセリンモノメタ
クリレート,ポリエチレングリコールモノアクリレー
ト,ポリエチレングルコールモノメタクリレート,ポリ
プロピレングリコールモノアクリレート,ポリプロピレ
ングリコールモノメタクリレート,N−ジメチルアクリル
アミド,N−ジエチルアクリルアミド,N−ブトキシメチル
アクリルアミド,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,ビ
ニルピロリドン,ジアセトンアクリルアミドなどがあ
る。上記第1,第2および第3共重合成分はそれぞれ2種
以上が混合されていてもよい。
主ポリマー中には第1共重合成分が20〜70重量%の割合
で,そして第2共重合成分が1〜30重量%の割合で含有
される。第3共重合成分が含有される場合には,該成分
は79重量%以下,好ましくは29〜79重量%である。
本発明の粘着剤の導電性は,主として,主ポリマー中の
第1共重合成分に起因する。そのため,第1共重合成分
が過少であると実質的に導電性が得られない。過剰であ
ると主ポリマーの合成時に重合度が低くなり,低分子量
のポリマーが形成される。このようなポリマーは粘着剤
としたときに使用に耐えうる最低限の物理的強度を持た
ない。主ポリマーはまた,良好な親水性を有し,この親
水性を主として第1共重合成分に起因する。
第2共重合成分は主ポリマーに置換アミノ基を導入する
ために用いられる。主ポリマーに導入された置換アミノ
基は後述のカルボキシル基含有ポリマーのカルボキシル
基と塩を形成することにより弱い架橋(擬架橋)を生じ
させる働きを有する。第2共重合成分が過少であると,
このような擬架橋が形成されないため,得られる粘着剤
の吸水性が大きく,高湿度下で使用すると流動性を有す
るようになる。過剰であると重合度が低くなるため主ポ
リマーの強度が低下する。第3共重合成分は,主ポリマ
ーの重合時に重合反応を円滑にし,重合度を上げ,必要
な強度を有するポリマーを得るために用いられる。上記
第1,第2および第3共重合成分は目的とする粘着剤の性
質にあわせて,主ポリマーが水および/もしくはアルコ
ールに可溶となるようにその種類および量が決められ
る。
本発明の粘着剤の成分であるカルボキシル基含有ポリマ
ーは,分子内にカルボキシル基を有し,水および/もし
くはアルコールに可溶なポリマーである。このようなポ
リマーとしては,例えば,ポリアクリル酸,ポリメタク
リル酸,アクリル酸−メタクリル酸共重合体,カルボキ
シビニルポリマーが挙げられる。このほか,アクリル
酸,メタクリル酸,無水マレイン酸,クロトン酸,イタ
コン酸などのカルボキシル基(またはその同等作用基)
含有単量体に,これらと共重合可能な単量体を共重合さ
せたポリマーも使用されうる。上記カルボキシル基含有
単量体と共重合可能な単量体としては,ブチルアクリレ
ート,ブチルメタクリレート,酢酸ビニル,プロピオン
酸ビニル,スチレン,メチルビンルエーテル,2−ヒドロ
キシエチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート,2−ヒドロキシブチルアク
リレート,2−ヒドロキシブチルメタクリレート,ブトキ
シエチルアクリレート,ブトキシエチルメタクリレー
ト,エトキシブチルアクリレート,テトラヒドロフルフ
リルアクリレート,テトラヒドロフルフリルメタクリレ
ート,グリセリンモノアクリレート,グリセリンモノメ
タクリレート,ポリエチレングルコールモノアクリレー
ト,ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリ
プロピレングリコールモノアクリレート,ポリプロピレ
ングリコールモノメタクリレート,N−ジメチルアクリル
アミド,N−ジエチルアクリルアミド,N−ブトキシアクリ
ルアミド,アクリルアミド,メタクリルアミドなどがあ
る。
カルボキシル基含有ポリマーが,ポリアクリル酸やポリ
メタクリル酸など,カルボキシル基1個を有する単量体
(例えば,アクリル酸,メタクリル酸)のみから形成さ
れるとき,このポリマーのカルボキシル基含有率を100
モル%であると仮定すれば,本発明のカルボキシル基含
有ポリマーは10モル%以上のカルボキシル基含有率であ
ることが必要である。カルボキシル基含有率が低いと,
主ポリマー間との擬架橋の割合が低くなるため,得られ
る粘着剤の耐水性が低下する。カルボキシル基含有ポリ
マーのカルボキシル基含有率が10モル%を下まわると
き,充分な耐水性を与えるだけのカルボキシル基含有ポ
リマーが粘着剤中に存在すると,主ポリマーの含有割合
が過少となるため,導電性,粘着性などが低下する。
本発明の粘着剤における上記主ポリマーとカルボキシル
基含有ポリマーとの含有割合は,主ポリマー中の置換ア
ミノ基と,カルボキシル基含有ポリマー中のカルボキシ
ル基との量関係を基準に定められる。通常,主ポリマー
中の置換アミノ基と,カルボキシル基含有ポリマー中の
カルボキシル基との比率が化学量論的に0.05:1〜1:0.05
の範囲となるように両ポリマーの混合割合が定められ
る。このような量関係は,置換アミノ基1個あたりカル
ボキシル基が0.05〜20個に相当する。両ポリマーの混合
比率が上記範囲を外れると,擬架橋形成の度合が低下す
るため,得られる粘着剤は耐湿性に劣る。
主ポリマーおよびカルボキシル基含有ポリマーは通常の
溶液重合法などにより調製されうる。例えば主ポリマー
を調製する場合には,上記第1および第2共重合成分,
さらに必要に応じて第3共重合成分(いずれも単量体)
と溶媒とを還流冷却器付きの反応器に仕込む。上記単量
体は親水性の高いものが多いため溶媒としてはアルコー
ルやアルコール−水混合液が好適に用いられる。溶媒は
単量体の種類や配合割合に応じて適宜選択される。例え
ば,エチルアルコール−水(9:1)混合液を溶媒とし,
単量体の仕込濃度は30〜90%とするのが好適である。次
に,反応器内を窒素などの不活性ガスにより置換し,加
熱・攪拌しながら触媒の投入を開始する。触媒は,重合
反応に通常用いられるアゾビス系触媒,例えばアゾビス
イソブチロニトリルが好適に用いられる。触媒量は。,
通常,全単量体のモル数の0.2〜0.8重量%前後が採用さ
れる。触媒は通常,エチルアルコール−酢酸エチル混合
液(好ましくは7:3)などに1〜3%の割合で溶解させ,
3〜6時間間隔で5〜12回に分割して反応液に投入され
る。反応温度は通常50〜80℃である。重合反応の途中で
過度に粘度が上昇し,または反応温度が上がり,暴走反
応やゲル化の危険がある場合には,反応系に溶媒(例え
ばエチルアルコール)を加えて粘度を低下させる濃度漸
減法を採用して反応を制御することが好ましい。反応時
間は単量体組成,触媒の種類や量,反応条件などにより
異なるが,通常,60℃で20〜24時間,さらに70℃に上げ
て20〜24時間とするのが好ましい。このようにして,主
ポリマーを含む粘稠な溶液が得られる。カルボキシル基
含有ポリマーもこれに準じた方法で合成され得る。
このようにして得られる上記主ポリマーおよびカルボキ
シル基含有ポリマーはいずれも通常,非粘着性で乾燥状
態では比較的もろく硬い樹脂状である。乾燥状態では導
電性も発現されない。しかし,これに適当な軟化剤が加
えられると,ポリマーは軟化して粘着性を有し,粘着剤
として機能するようになる。内部凝集力も適度となり粘
弾性的性質を有し導電性を示すようになる。
軟化剤としては,グリセリン,ジグリセリン,水および
塩化マグネシウムのうちの少なくとも1種が用いられ
る。これらのうち塩化マグネシウムを用いる場合は,実
質的にポリマーを軟化させ得るのは水であり塩化マグネ
シウムは粘着剤中に所定の割合で水分を保持する保湿剤
として働く。水を単独で軟化剤として使用すると,蒸発
により粘着剤中から失われるため,塩化マグネシウムを
併用することが推奨される。軟化剤の量は各ポリマーの
共重合成分の組成,粘着剤層の厚み,所望する粘着性の
度合などにより異なるが,通常,主ポリマーおよびカル
ボキシル基含有ポリマーの合計量100重量部に対して,
グリセリンおよび/もしくはジグリセリンを使用する場
合は30〜70重量部,水を使用する場合は10〜30重量部,
そして塩化マグネシウムを使用する場合は塩化マグネシ
ウム6水和物(MgCl2・6H2O)として,20〜50重量部の範
囲である。水と塩化マグネシウムとを併用する場合は,
塩化マグネシウムが上記範囲で含まれていれば,ポリマ
ーが乾燥状態で当初全く水分が含有されない場合も塩化
マグネシウムの働きにより空気中の水分を吸収する結
果,粘着剤が一定割合で水分を含有するようになる。グ
リセリンやジグリセリンと塩化マグネシウム(水)とを
混合して用いることもできる。軟化剤の量が過少である
と粘着性が発現されないばかりか導電性も得られない。
主ポリマーおよびカルボキシル基含有ポリマーに軟化剤
が含有されて軟化し,粘着剤として機能する状態であれ
ば導電性も充分である。軟化剤の量が過剰であると得ら
れる粘着剤の接着性は増大するが,軟化し流動性を有
し,粘着剤層の凝集破壊を生じる。
上記主ポリマー,カルボキシル基含有ポリマーおよび軟
化剤を含有する粘着剤は導電性と粘着性とに優れる。親
水性にも優れるため,このような粘着剤を用いた粘着電
極を濡れた皮膚表面に貼付することも可能である。その
うえ,この粘着剤は親水性が大きいにもかかわらず充分
な耐湿性を有する。そのため,高温多湿の状態で使用し
ても水分の吸収により過度に膨潤・軟化し,もしくは吸
収した水に溶解・流出するということがない。
本発明の粘着電極の電極板が錫,アルミニウムなどの腐
食に弱い材料である場合には,粘着剤に金属の腐食防止
剤を加えることが推奨される。腐食防止剤としては,軟
化剤がグリセリンおよび/もしくはジグリセリンの場合
には,リン酸アルカリ金属塩,リン酸アンモニウム塩,
ピロリン酸アルカリ金属塩,ピロリン酸アンモニウム
塩,サリチル酸アルカリ金属塩,サリチル酸アンモニウ
ム塩,クエン酸アルカリ金属塩,クエン酸アンモニウム
塩および上記塩の複塩などが用いられる。このような腐
食防止剤としては,例えば,リン酸三ナトリウム,リン
酸三カリウム,リン酸水素二ナトリウム,リン酸水素二
カリウム,リン酸二水素ナトリウム,リン酸二水素カリ
ウム,リン酸三アンモニウム,リン酸水素二アンモニウ
ム,リン酸二水素アンモニウム,リン酸水素アンモニウ
ムナトリウム,ピロリン酸ナトリウム,ピロリン酸カリ
ウム,ピロリン酸アンモニウム,クエン酸二ナトリウ
ム,クエン酸二カリウム,クエン酸三ナトリウム,クエ
ン酸二アンモニウム,クエン酸三アンモニウム,サリチ
ル酸ナトリウム,サリチル酸カリウム,サリチル酸アン
モニウムがある。
軟化剤が塩化マグネシウムや水である場合には,腐食防
止剤としては,ハイドロキノンおよび/もしくはハイド
ロキノン誘導体が用いられる。ハイドロキノン誘導体と
しては,例えば,ハイドロキノンモノメチルエーテル,
ハイドロキノンモノエチルエーテル,ハイドロキノンモ
ノプロピルエーテル,ハイドロキノンモノブチルエーテ
ルなどのハイドロキノンモノアルキルエーテルがある。
腐食防止剤は2種以上混合されて用いられてもよい。
このような腐食防止剤は,通常,粘着剤全体の5.0重量
%以下の割合で配合される。過剰であると粘着剤の粘着
性が低下する。さらに,腐食防止剤が原因となって粘着
剤が皮膚刺激性を有する場合もある。
粘着剤中にはさらに必要に応じて粘着剤を皮膜としたと
きの強度調整剤(凝集力調整剤)などの添加剤が含有さ
れる。皮膜強度調整剤には,ポリビニルアルコール,ポ
リビニルピロリドン,ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート(共)重合体,ヒドロキシエチルセルロース,
トラガカントゴム,プルランなどの合成,半合成または
天然の水および/もしくはアルコール可溶性ポリマーが
使用される。皮膜強度調整剤は粘着剤全体の10重量%以
下の割合で用いられる。添加剤としてはこのほか軟化助
剤,充填剤なども使用されうる。
本発明の粘着剤を調製するには,例えば,まず,上記共
重合反応により調製された主ポリマーおよびカルボキシ
ル基含有ポリマーを含有する溶液に軟化剤および必要に
応じて,上記腐食防止剤,皮膜強度調整剤などが加えら
れて粘着剤溶液が得られる。軟化剤が,水,グリセリ
ン,ジグリセリンであるときにはそのまま,塩化マグネ
シウムであるときには塩化マグネシウムの濃厚水溶液と
して添加される。粘着剤溶液は塗工・流延に適するよう
に20,000〜40,000cpsとなるように適宜溶媒を加えて粘
度調整を行う。
本発明の医療用粘着電極に用いられる電極板の材質とし
ては錫,アルミニウム,ニッケル,鉛,クロム,銀,
金,白金,鉄,銅やこれらの合金などが用いられる。特
に,導電性に優れかつ比較的安価な錫,アルミニウムお
よび錫−アルミニウム合金が好適に用いられる。これら
金属を厚さ50〜10μmの金属箔となすか,あるいは補強
用裏打部材とのラミネート体となして電極板が形成され
る。電極板の大きさはその用途により異なるが,例えば
心電計の電極である場合には,その直径は20〜50mmであ
る。補強用裏打部材には,例えば,ポリエチレンテレフ
タレート,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビ
ニル,ナイロン,ポリウレタン,エチレン−酢酸ビニル
共重合体,エチレン−アクリル酸エステル共重合体,繊
維素誘導体などの樹脂でなるフィルムもしくはシート;
天然繊維,合成繊維などを用いた紙,織布および不織
布;がある。補強用裏打部材自体がラミネート体であっ
てもよい。
粘着電極を調製するには,例えばこのような導電性基材
上に上記粘着剤溶液を連続状にあるいは所望の電極のサ
イズにあわせてスポット状に塗工または流延する。軟化
剤としてグリセリンやジグリセリンを用いた場合には,
上記塗工・流延した粘着剤溶液を乾燥させると粘着剤層
が形成される。軟化剤として塩化マグネシウム−水を用
いた場合には,適当な粘着性を有する程度にまで乾燥さ
せるか,完全に乾燥させて水分やアルコールを除去した
後,適当な湿度の雰囲気中に放置して水分を吸収させて
粘着性を発現させる。完全に乾燥したものを製品とし,
使用時に水で湿らせて粘着性を発現させることもでき
る。粘着剤層を形成するには,粘着剤溶液を剥離紙上に
流延・乾燥した後,導電性基材表面に転写してもよい.
粘着剤層の厚みは100〜400μmである。このように比較
的薄い層であっても充分な粘着性が得られる。粘着剤層
が形成された導電性基材は,例えば,剥離紙を当てたま
ま打抜加工に供され,所望の形状の粘着電極が得られ
る。導電性基材を所望の形状に調製してからこれに粘着
剤層を形成してもよい。
第1図および第2図に示すように,本発明の粘着電極1
は,例えば,円盤状の電極板11と,この電極板11の片面
に設けた導電性粘着剤層12とを有する。電極板11はプラ
スチック製シート111と金属箔112とのラミネート体でな
る。導電性粘着剤層12の表面(被測定者の皮膚表面に接
触する側)にはシリコーンなどを薄く塗布・キュアー処
理した剥離紙13が張りつけられる。この剥離紙13は導電
性粘着剤層12を保護するものであり,該電極を皮膚に取
りつけるときに剥離される。電極板111の一部には外側
方に突出する突起部110が設けられる。突起部110には粘
着剤層が設けられておらず,第3図に示すように,この
突起部110に導線31を介して心電計などの医療用電気機
器3に電気的に接続される。突起部110への導線の接続
はクリップ32などを介して行われる。電極を皮膚表面に
貼付したときに突起部を折り返しやすくするために電極
板11には切り込み線113が設けられている。電極板とし
ては,金属箔を用いることもできる。このような電極と
しては,ラミネート電極板11の代わりに金属箔を用いた
こと以外は,第1図および第2図と同様の構造をもつ電
極が用いられうる。
(作用) 本発明によれば,このように,導電性と粘着性とに優れ
た粘着剤が得られる。粘着剤の導電性や粘着性の度合
は,使用するポリマーの組成や軟化剤の量で調整するこ
とができ,所望の粘着剤が容易に得られる。この粘着剤
では,主成分である主ポリマーの側鎖の置換アミノ基
と,カルボキシル基含有ポリマー中のカルボキシル基と
が結合し,4級塩を形成する。そのため,主ポリマーとカ
ルボキシル基含有ポリマーとの間に弱い架橋(擬架橋)
が形成される。擬架橋は通常の架橋と異なり分子同士の
結合力が弱いためポリマーの溶媒に対する溶解性は低下
せず,そのため粘着剤はアルコールなどの溶媒中にゲル
化,凝集,沈澱などを起こすことなく安定に存在しう
る。従って,粘着剤溶液の塗工・流延などの操作が容易
になされ得,精度よく粘着電極を作製することができ
る。他方,粘着剤溶液を乾燥して得られる粘着剤層で
は,通常の架橋化合物に近い物性が発現される。そのた
め,外気からの水分の吸収量が低く,水分を吸収した場
合も変形するほど膨潤したり,吸収した水分によって溶
解することが抑制される。つまり,粘着剤は水と親和性
を有し,かつ耐湿性に優れる。擬架橋により導電性や粘
着性が低下することもない。擬架橋の度合は,主ポリマ
ーの置換アミノ基密度,カルボキシル基含有ポリマーの
カルボキシル基密度,主ポリマーとカルボキシル基含有
ポリマーとの混合比率などを適宜調整することにより変
化させることができるため,所望の度合の耐湿性が得ら
れる。上記各ポリマーおよびそれを用いた粘着剤の調製
も容易であるため安価に導電性粘着剤およびそれを用い
た粘着電極が得られる。
本発明の粘着剤の層を電極板表面に設けた粘着電極は導
電性に優れるため,例えば,心電計などの測定機器に利
用すると良好な測定感度が得られる。粘着剤は耐湿性を
有するため,例えば夏季高発汗時における長時間にわた
る心電モニタリングや保育器中の乳児の心電モニタリン
グを行うときに好適に利用されうる。本発明の粘着電極
を用いると,高湿度のために粘着剤が膨潤もしくは溶解
して電極が皮膚表面から剥がれることがない。例えば50
℃,85%RHの条件下で,48時間にわたる使用が可能であ
る。擬架橋により粘着剤の凝集力が高いため,凝集破壊
によるいわゆる糊残り現象を生じることがない。
腐食防止剤の加えられた粘着剤は金属を腐食しないた
め,電極を長時間保存しても電極板が腐食を受けて導電
性が変化することがなく,また,粘着剤自体の導電性が
変化することもない。粘着剤は皮膚刺激性がないため電
極を長時間皮膚表面に貼付してもかぶれが生じにくい。
(実施例) 本発明を実施例につき説明する。
実施例1 (A)粘着剤の調製:(メタ)アクリルアミド誘導体
(第1共重合成分)として3(メタクリルアミド)プロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライド52重量部,第2
共重合成分としてジメチルアミノメチルアクリルアミド
8重量部および第3共重合成分としてアクリル酸ブチル
40重量部を用い,エチルアルコールを主成分とする溶媒
(エチルアルコール−水−酢酸エチル混液)中,アゾビ
スイソブチロニトリルを触媒として重合反応を行い,主
ポリマーを調製した。本実施例,後述の実施例2〜6お
よび比較例1〜6で得られた主ポリマーを含む反応液
は,いずれもポリマー濃度が22〜38%の粘稠な溶液であ
った。得られたポリマーは,いずれも乾燥状態では非粘
着性で硬くややもろい樹脂状であった。
得られた主ポリマーを含む反応溶液のポリマー成分100
重量部あたりカルボキシル基含有ポリマーとしてポリア
クリル酸2.7重量部および軟化剤としてジグリセリン55
重量部を加えて粘着剤溶液を得た。
(B)試験片の調製:厚さ70μmの錫箔表面に(A)項
で得られた粘着剤溶液を流延・乾燥し,約200μmの厚
みの粘着剤層を形成した。粘着剤層表面にPET製剥離紙
(表面シリコーン処理)を密着させ,直径36mmの円形ダ
イスで打抜き,試験片を得た。
(C)粘着剤の粘着力評価:(B)項で得られた試験片
を用い,ASTM−D−2979−71(1982)によるプローブタ
ック試験法により粘着力の評価を行なった(20℃,65%R
H)。ただし,プローブ直径は8mm,プローブ移動速度は
上下共10mm/秒,プローブ接触時間は1秒,そしてプロ
ーブ接触荷重は50gである。その結果,および後述の実
施例2〜6,比較例1〜6の結果をあわせて表1に示す。
(D)粘着剤の導電性評価:(B)項で使用したものと
同一素材の錫箔基板を2cm×2cmの方形で切断し,これを
上部電極とした。別に(B)項で得られた新たな試験片
を準備し、これを下部電極とした。下部電極の粘着剤層
表面のほぼ中央部に上部電極を密着させ,上部電極およ
び下部電極にそれぞれ導線を接続し,粘着剤層を介して
10Hz,10mVの正弦波電圧を印加した。そのときの電気抵
抗値を1cm2あたりの数値に換算しこれをインピーダン
スとした。上記測定は20℃,65%RHで行った。その結果
を表1に示す。実施例2〜6および比較例1〜6の結果
もあわせて表1に示す。
(E)粘着剤の耐湿度性評価:(B)項で得られた試験
片を粘着剤層が垂直状態となるように吊し,40℃,85%RH
の雰囲気下に放置した。4,8,12,24,36,48および72時間
後に粘着剤層の状態を目視観察した。その結果を表2に
示す。表2においてA〜Eの評価は次の基準により行な
った。
A:調製直後の粘着剤層と変わりのない状態である。
B:粘着剤層がわずかに吸水・膨潤する。指触圧試験を行
うと粘着剤皮膜が非常に軟らかいため凝集破壊により指
先に付着して糸引き現象の起こる寸前の状態である。
C:粘着剤層が吸水・膨潤し,指触圧試験を行うと指面に
粘着剤の一部が付着し,粘着剤層の凝集破壊が起こる。
D:粘着剤層が吸水により流下寸前あるいは一部流下した
状態である。
E:粘着剤層が吸水により溶解し完全に流下してしまった
状態である。
実施例2 実施例1(A)項と同様の方法で主ポリマー溶液を調製
した。これにカルボキシル基含有ポリマーおよび軟化剤
に加えて腐食防止剤としてリン酸水素二ナトリウムを0.
5重量部の割合で添加し,粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を用い,実施例1(B)項に準じて試験
片の調製を行い,実施例1(C)〜(E)項と同様の方
法で粘着剤の各性能評価を行なった。その結果を表1お
よび表2に示す。
実施例3 第1共重合成分として3(メタクリルアミド)プロピル
トリメチルアンモニウムクロライド40重量部,第2共重
合成分としてジエチルアミノメチルアクリルアミド10重
量部,そして第3共重合成分としてアクリル酸2−ヒド
ロキシプロピル50重量部を用い,実施例1(A)項と同
様の方法で主ポリマーを調製した。
この溶液のポリマー成分100重量部に対してカルボキシ
ル基含有ポリマーとしてポリメタクリル酸4.4重量部,
軟化剤としてMgCl2・6H2O30重量部,そして腐食防止剤
としてヒドロキノン0.5重量部を加えて粘着剤溶液を調
製した。この粘着剤溶液を用い,実施例1(B)項に準
じて試験片の調製を行った。ただし,粘着剤溶液を錫箔
表面に流延・乾燥後,35〜40℃,75〜80%RHの雰囲気下に
水分の吸収により充分な粘着性が得られるまで放置し
た。これを用いて実施例1(C)〜(E)項と同様の方
法で粘着剤の各性能評価を行なった。その結果を表1お
よび表2に示す。
実施例4 第1共重合成分として3(アクリルアミド)イソペンチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド35重量部,第2共
重合成分としてジメチルアミノメチルメタクリルアミド
18重量部および第3共重合成分としてアクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル47重量部を用い,実施例1(A)項と同
様の方法で主ポリマーを調製した。
この溶液のポリマー成分100重量部に対して,カルボキ
シル基含有ポリマーとしてアクリル酸35重量部およびア
クリル酸ブチル65重量部からなる共重合体10.4重量部,
軟化剤としてジグリセリン45重量部,そして腐食防止剤
としてリン酸水素二ナトリウム0.5重量部を加えて粘着
剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を用い,実施例1
(B)項に準じて試験片の調製を行なった。得られた試
験片を用い,実施例1(C)〜(E)項と同様の方法で
粘着剤の各種評価を行なった。その結果を表1および表
2に示す。
実施例5 第1共重合成分として2(メタクリルオキシ)エチルト
リメチルアンモニウムクロライド62重量部,第2共重合
成分としてジメチルアミノエチルアクリレート6重量
部,第3共重合成分として酢酸ビニル15重量部およびビ
ニルピロリドン17重量部を用い,実施例1(A)項と同
様の方法で主ポリマーを調製した。
この溶液のポリマー成分100重量部に対してカルボキシ
ル基含有ポリマーとしてカルボキシルビニルポリマー
(化粧品原料基準に準拠)4.6重量部,軟化剤としてジ
グリセリン65重量部,そして腐食防止剤としてリン酸水
素二ナトリウム0.5重量部を加えて粘着剤溶液を調製し
た。この粘着剤溶液を用い,実施例1と同様に試験片に
調製を行い,実施例1(C)〜(E)項と同様の方法で
粘着剤の各性能評価を行なった。その結果を表1および
表2に示す。
実施例6 第1共重合成分として3(メタクリルアミド)プロピル
トリメチルアンモニウムクロライド35重量部および3
(メタクリルオキシ)2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロライド15重量部,第2共重合成分と
してジエチルアミノエチルメタクリレート13重量部,第
3共重合成分としてジアセトンアクリルアミド15重量部
およびテトラヒドロフルフリルアクリレート22重量部を
用い,実施例1(A)項と同様の方法で主ポリマーを調
製した。この溶液のポリマー成分100重量部に対してカ
ルボキシル基含有ポリマーとして無水マレイン酸−メチ
ルビニルエーテル共重合体(モル比1:1;GANTREZ−AN−1
19;G.A.F.Corp.製)5.5重量部,軟化剤としてジグリセ
リン25重量部およびMgCl2・6H2O20重量部,そして腐食
防止剤としてリン酸水素二ナトリウム0.3重量部および
ヒドロキノン0.2重量部を加えて粘着剤溶液を調製し
た。この粘着剤溶液を用い,実施例3と同様に試験片の
調製を行い,実施例1(C)〜(E)項と同様の方法で
粘着剤の各性能評価を行った。その結果を表1および表
2に示す。
比較例1 粘着剤成分としてカルボキシル基含有ポリマーを加え
ず,ジグリセリンの量を50重量部としたこと以外は実施
例1と同様である。
比較例2 粘着剤成分としてカルボキシル基含有ポリマーを加え
ず,ジグリセリンの量を50重量部としたこと以外は実施
例2と同様である。
比較例3 粘着剤成分としてカルボキシル基含有ポリマーを加え
ず,MgCl2・6H2Oの量を25重量部としたこと以外は実施
例3と同様である。
比較例4 粘着剤成分としてカルボキシル基含有ポリマーを加え
ず,ジグリセリンの量を40重量部としたこと以外の実施
例4と同様である。
比較例5 粘着剤成分としてカルボキシル基含有ポリマーを加え
ず,ジグリセリンの量を60重量部としたこと以外は実施
例5と同様である。
比較例6 粘着剤成分としてカルボキシル基含有ポリマーを加え
ず,ジグリセリンの量を20重量部としたこと以外は実施
例6と同様である。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,導電性と粘着性とに優れ
た粘着剤が得られる。このような粘着剤の層を電極板表
面に設けた本発明の粘着電極は,皮膚への粘着性に優
れ,かつ優れた導電性を有するため,例えば,心電計な
どの医療用測定機器に利用すると良好な測定感度が得ら
れる。粘着剤は比較的親水性が高いにもかかわらず水分
を吸収して過度に膨潤したり吸収した水分に溶解するこ
とがないため、例えば、この粘着剤を利用した粘着電極
を高温多湿の条件下で長時間にわたって使用することも
可能である。腐食防止剤の加えられた粘着剤は金属を腐
食しないため,粘着電極を長時間保存することが可能で
ある。粘着剤の皮膚刺激性もないため,電極を長時間皮
膚表面に貼付してもかぶれが生じにくい。このような粘
着電極は心電計,筋電計,脳波計,低周波治療器などの
医療用電気機器に広く利用され得る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ本発明の医療用粘着電極
の一例を示す平面図および側面図,そして第3図は粘着
電極の使用状態を示す説明図である。 1…粘着電極,11…電極板,12…粘着剤層,110…突起部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】置換アンモニオ基と置換アミノ基とを有
    し,水および/もしくはアルコールに可溶な主ポリマ
    ー;分子内にカルボキシル基を有し,水および/もしく
    はアルコールに可溶なカルボキシル基含有ポリマー;お
    よび軟化剤を含有する医療用導電性粘着剤。
  2. 【請求項2】前記主ポリマーが, 置換アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリルアミド
    基とアミド結合により結合した化学構造の(メタ)アク
    リルアミド誘導体,および/もしくは 置換アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリルオキシ
    基とエステル結合により結合した化学構造の(メタ)ア
    クリル酸エステル誘導体, を共重合成分とする共重合体である特許請求の範囲第1
    項に記載の粘着剤。
  3. 【請求項3】前記主ポリマー中の置換アミノ基と前記カ
    ルボキシル基含有ポリマー中のカルボキシル基との比率
    が化学量論的に0.05:1〜1:0.05の範囲にある特許請求の
    範囲第1項に記載の粘着剤。
  4. 【請求項4】前記軟化剤が,グリセリン,ジグリセリ
    ン,水および塩化マグネシウムのうちの少なくとも1種
    である特許請求の範囲第1項に記載の粘着剤。
  5. 【請求項5】導電性粘着剤層が電極板の少なくとも一部
    に設けられた医療用粘着電極であって, 該粘着剤は,置換アンモニオ基と置換アミノ基とを有
    し,水および/もしくはアルコールに可溶な主ポリマ
    ー;分子内にカルボキシル基を有し,水および/もしく
    はアルコールに可溶なカルボキシル基含有ポリマー;お
    よび軟化剤を含有する, 医療用粘着電極。
  6. 【請求項6】前記主ポリマーの置換アンモニオ基が, 置換アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリルアミド
    基とアミド結合により結合した化学構造の(メタ)アク
    リルアミド誘導体,および/もしくは 置換アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリルオキシ
    基とエステル結合により結合した化学構造の(メタ)ア
    クリル酸エステル誘導体, に由来する特許請求の範囲第5項に記載の医療用粘着電
    極。
  7. 【請求項7】前記主ポリマー中の置換アミノ基と前記カ
    ルボキシル基含有ポリマー中のカルボキシル基との比率
    が化学量論的に0.05:1〜1:0.05の範囲にある特許請求の
    範囲第5項に記載の医療用粘着電極。
  8. 【請求項8】前記軟化剤が,グリセリン,ジグリセリ
    ン,水および塩化マグネシウムのうちの少なくとも1種
    である特許請求の範囲第5項に記載の医療用粘着電極。
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