JPH07164719A - リインク式カラーリボンカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】迅速かつ確実に各色インク補給量を個別的に調
節できるようにする。 【構成】各インク含浸体（１１Ｙ，１１Ｍ，１１Ｃ，１
１Ｂ）をカセットケース１の外部より選択的に押圧して
対応するインク供給部（１５Ｙ，１５Ｍ，１５Ｃ，１５
Ｂ）から従動ギヤ６側へ転写される色インク量を増大可
能なインク補給量調節機構２０を設けた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラー印字に使用され
るリインク式カラーリボンカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】リインク式のカラーリボンカセットのイ
ンクリボンを印字ヘッドに対してシフトしてリボン位置
の切替を行いカラー印字するカラープリンタが知られて
いる。かかるカラープリンタに使用されるリインク式カ
ラーリボンカセットの従来構成を図３および図４に示
す。

【０００３】これらの図において、１はカセットケース
で、プリンタのキャリア５１に着脱可能に装着されてい
る。カセットケース１は、リボン収容室２およびアーム
部３を有しており、リボン収容室２内には、リボン送り
回転体（リボン駆動ギヤ４，従動ギヤ６），インクリボ
ン９およびインク補給機構１０等が収容されている。

【０００４】インクリボン９は、無端細布状で全長が比
較的短く（例えば、１８０ｃｍ）に形成されており、複
数色（例えば、イエロー，マゼンタ，シアン，ブラッ
ク）の各バンド部分（９Ｙ，９Ｍ，９Ｃ，９Ｂ）を有す
るものとされている。

【０００５】また、リボン送り回転体は、インクリボン
９を循環走行させる手段で、ギヤホルダ５に回転支持さ
れプリンタ側から駆動力を伝達されるリボン駆動ギヤ４
と，ギヤホルダ７に回転支持されバネ８の弾性力により
インクリボン９をリボン駆動ギヤ４に押し付ける従動ギ
ヤ６とから構成されている。

【０００６】上記したリボン駆動ギヤ４が所定方向に回
転されると、インクリボン９は循環走行し、当該リボン
９の所定バンド部分（例えば、９Ｙ）が図４に示す印字
ヘッド５２のドットピンによって叩かれて、プラテン５
３に送られてきた用紙上に文字等が所定色（イエロー）
で印字される。上記したインクリボン走行動作等をカラ
ーリボンカセットをシフトする都度行うことによりカラ
ー印字する。

【０００７】また、インク補給機構１０は、カセットケ
ース１に内蔵されており、図３に示す如く、複数個（例
えば、４個）のインク含浸体（１１Ｙ，１１Ｍ，１１
Ｃ，１１Ｂ）および各インク供給部（ここでは、ウレタ
ン製のウイック１５Ｙ，１５Ｍ，１５Ｃ，１５Ｂ）なら
びに転写ローラ（この例では、従動ギヤ６）から構成さ
れている。

【０００８】各インク含浸体（１１Ｙ等）およびウイッ
ク（１５Ｙ等）は、それぞれ積層されたインクカートリ
ッジ（１３Ｙ，１３Ｍ，１３Ｃ，１３Ｂ）に収容されて
いる。各インク含浸体（１１Ｙ，１１Ｍ，１１Ｃ，１１
Ｂ）は、ウレタン製とされており、それぞれ対応する色
インク（イエロー，マゼンタ，シアン，ブラック）を含
浸している。また、従動ギヤ６の周面には、軸心方向に
沿って色インク被転写部（６Ｙ，６Ｍ，６Ｃ，６Ｂ）が
インクリボン９の各バンド（９Ｙ，９Ｍ，９Ｃ，９Ｂ）
部分に対応して区画形成されている。

【０００９】各インクカートリッジ（１３Ｙ等）は、各
ウィック（１５Ｙ等）が従動ギヤ６の各対応する色イン
ク被転写部（１６Ｙ等）と所定圧力で接触するように配
設されている。これにより、従動ギヤ６の各色インク被
転写部（１６Ｙ等）へ各色インクが転写され、さらにこ
の転写された各色インクは、インクリボン６の対応する
各バンド（９Ｙ等）部分へ補給される。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したリ
インク式カラーリボンカセットでは、メーカーサイドで
各色の印字数の比率を事前に予測し、それに応じて各イ
ンクタンク含浸体（１１Ｙ，１１Ｍ，１１Ｃ，１１Ｂ）
に含浸させる色インク量を設定している。例えば、イエ
ロー，マゼンダ，シアン，ブラックの印字数の比率を
１：１：１：３と予測した場合には、インク量を１：
１：１：３としている。

【００１１】しかし、実際には、ユーザーサイドでどの
色を多く使用するかは全く異なるため、ある特定の色イ
ンクだけが過剰に使用されて薄くなり印字不良が発生し
たりすることがある。そのため、他の色インクが残って
いるにもかかわらず、新品と交換せざるを得ない事態が
生じることがある。

【００１２】そこで、かかる不都合を解消する一方策と
して、メーカーで各色インク含浸量の比率を種々変えた
カセットを多種類生産することが考えられる。しかし、
これでは生産効率の低下を招くとともに、ユーザーは使
用状況に応じて多種類のカセットを用意しなければなら
ず、取扱いに不便である。

【００１３】本発明の目的は、上記事情に鑑み、迅速か
つ容易に各色インク補給量を個別的に調節することがで
きる取扱容易なリインク式カラーリボンカセットを提供
することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明に係るリインク式
カラーリボンカセットは、複数種類の色インクを色別に
含浸する複数個のインク含浸体を有し、各インク含浸体
からの色インクをインク供給部を介して転写ローラの対
応部分へ転写してインクリボン側へ補給するインク補給
機構をカセットケースに内蔵したリインク式カラーリボ
ンカセットにおいて、前記各インク含浸体を前記カセッ
トケースの外部より選択的に押圧して対応するインク供
給部から前記転写ローラ側へ転写される色インク量を増
大可能なインク補給量調節機構を設けたことを特徴とす
る。

【００１５】

【作用】上記構成による本発明では、ある特定の色イン
クの補給量を多くしたい場合には、当該色インクを含浸
するインク含浸体をインク補給量調節機構を用いてカセ
ットケースの外部から押圧する。すると、このインク含
浸体の内圧が上昇し、インク供給部を介して転写ローラ
側へ転写されるインク量が増大される。

【００１６】このように、カセットケースの外部から特
定色インクの補給量を迅速かつ容易に調節することがで
き、色インクの含浸量比率が異なる多種類のカセットを
備える必要がなくなり取扱性が大幅に向上される。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本リインク式カラーリボンカセットは、図１およ
び図２に示す如く、基本的構成（カセットケース１，リ
ボン駆動ギア４，従動ギア６，インクリボン９，インク
補給機構１０等）が従来例（図３）と同様とされてお
り、インク補給量調節機構２０を設け、各インク含浸体
（１１Ｙ，１１Ｍ，１１Ｃ，１１Ｂ）を個別的に押圧し
て各色インク補給量を調節可能な構成とされている。な
お、従来例（図３）と共通する構成要素については同一
の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。

【００１８】まず、インク補給量調節機構２０は、各イ
ンク含浸体（１１Ｙ，１１Ｍ，１１Ｃ，１１Ｂ）をカセ
ットケース１の外部より選択的に押圧して対応するイン
ク供給部（本実施例では、ウイック１５Ｙ，１５Ｍ，１
５Ｃ，１５Ｂ）から転写ローラ（従動ギア６）側へ転写
される色インク量を増大可能に形成されている。

【００１９】本実施例では、インク補給量調節機構２０
は、インク含浸体（１１Ｙ，１１Ｍ，１１Ｃ，１１Ｂ）
と同数（すなわち、４個）の調節ピン（２１Ｙ，２１
Ｍ，２１Ｃ，２１Ｂ）から構成されている。各調節ピン
（２１Ｙ，２１Ｍ，２１Ｃ，２１Ｂ）は、それぞれ対応
する各インク含浸体（１１Ｙ，１１Ｍ，１１Ｃ，１１
Ｂ）を側方より押圧可能なるようにカセットケース１の
側端面１ａに取付けられている。

【００２０】より具体的には、各調節ピン（２１Ｙ，２
１Ｍ，２１Ｃ，２１Ｂ）は、図１および図２に示す如
く、各インクカートリッジ（１３Ｙ，１３Ｍ，１３Ｃ，
１３Ｂ）の側壁に貫通穿設された各開口部１４および当
該各開口部１４と対向するようにカセットケース１の側
端面１ａに貫通穿設された各丸孔２５を通して、各イン
ク含浸体（１１Ｙ，１１Ｍ，１１Ｃ，１１Ｂ）側面を押
圧可能に形成されている。

【００２１】また、各調節ピン（２１Ｙ，２１Ｍ，２１
Ｃ，２１Ｂ）は、各丸孔２５と所定のはめあい公差をも
って摺動可能かつ各インクカートリッジ（１３Ｙ，１３
Ｍ，１３Ｃ，１３Ｂ）の開口部１４を通過可能に形成さ
れている。

【００２２】特に、本実施例では、各インクカートリッ
ジ（１３Ｙ等）に加える押圧力を段階的に増大できるよ
うに、各調節ピン（２１Ｙ等）には複数のストッパ２３
が設けられている。各ストッパ２３は、各調節ピン（２
１Ｙ等）の周面に軸心方向に所定間隔で設けられてお
り、当該各調節ピン（２１Ｙ等）の挿入動作を許容しか
つ後退不能とするように断面直角三角形状に形成されて
いる。

【００２３】したがって、各調節ピン（２１Ｙ等）の挿
入量を各ストッパ２３間隔で段階的に増大させることが
できる。その結果、各インク含浸体（１１Ｙ等）に加わ
る押圧力を段階的に増大させてインクリボン９への色イ
ンク補給量を微調節することができる。

【００２４】次に、この実施例の作用について説明す
る。ある特定の色インク（例えば、イエロー）の補給量
を他の色インクに比べて多くしたい場合には、当該色イ
ンク（イエロー）を含浸するインク含浸体（１１Ｙ）を
調節ピン（２１Ｙ）を用いてカセットケース１の外部か
ら押圧する。すると、このインク含浸体（１１Ｙ）の内
圧が上昇し、ウイック（１５Ｙ）を介して従動ギア６の
色インク被転写部（１６Ｙ）へ転写される色インク量が
増大される。なお、この際、調節ピン（２１Ｙ）の挿入
量を変えることにより、転写インク量を微調節できる。

【００２５】これにより、インクリボン９のバンド（９
Ｙ）部分への色インク補給量が他のバンド（９Ｍ等）に
比べて多くなる。

【００２６】しかして、この実施例によれば、各インク
含浸体（１１Ｙ，１１Ｍ，１１Ｃ，１１Ｂ）をカセット
ケース１の外部より選択的に押圧して対応するインク供
給部（１１Ｙ，１１Ｍ，１１Ｃ，１１Ｂ）から従動ギア
６側へ転写される色インク量を増大可能なインク補給量
調節機構２０を設けた構成としたので、迅速かつ容易に
各色インク補給量を個別的に調節することができ、色イ
ンクの含浸量比率が異なる多種類のカセットを備える必
要がなくなり取扱性が大幅に向上される。

【００２７】また、インク補給量調節機構２０を４個の
調節ピン（２１Ｙ，２１Ｍ，２１Ｃ，２１Ｂ）より構成
したので、構成を簡素化することができコスト高となら
ない。

【００２８】また、各調節ピン（２１Ｙ等）に設けられ
た各ストッパ２３により各インク含浸体（１１Ｙ等）に
加える押圧力を段階的に増大させることができ、各色イ
ンク補給量を微調節することができる。

【００２９】さらに、インク補給量調節機構２０によっ
て各インク含浸体（１１Ｙ，１１Ｍ，１１Ｃ，１１Ｂ）
を押圧することにより、従来インクリボン９側へ補給し
きれずに当該各含浸体（１１Ｙ等）に残留してしまった
色インク量を減少することができる。その結果、カラー
リボンカセットの寿命を伸ばすことができる。

【００３０】なお、上記実施例においては、構成簡素化
を図るために、各調節ピン（２１Ｙ等）を各インク含浸
体（１１Ｙ等）の押圧力を増大のみ可能に構成したが、
例えばカセットケース１の側壁面１ａに調節ピン（２１
Ｙ等）を所定挿入位置において係止・係止解除可能なロ
ック機構（図示省略）を設けることにより、押圧力を増
大・減少（消滅も含む）可能に形成することもできる。

【００３１】また、転写ローラとして従動ギア６を選定
したが、リボン駆動ギア４でもよい。また、両ギア４，
６以外のギアで当該各ギア４，６のいずれか一方と接触
するものを転写ローラとしてもよい。

【００３２】

【発明の効果】以上本発明によれば、各インク含浸体を
カセットケースの外部より選択的に押圧して対応するイ
ンク供給部から転写ローラ側へ転写される色インク量を
増大可能なインク補給量調節機構を設けた構成としたの
で、迅速かつ確実に各色インク補給量を個別的に調節す
ることができ取扱容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を説明するための分解斜視図で
ある。

【図２】同じく、カセットケースの内部構成を説明する
ための図である。

【図３】リインク式カラーリボンカセットの従来構成を
説明するための分解斜視図である。

【図４】同じく、外観斜視図である。

【符号の説明】

１ カセットケース ６ 従動ギヤ（転写ローラ） ９ インクリボン １０ インク補給機構 ２０ インク補給量調節機構

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数種類の色インクを色別に含浸する複
   数個のインク含浸体を有し、各インク含浸体からの色イ
   ンクをインク供給部を介して転写ローラの対応部分へ転
   写してインクリボン側へ補給するインク補給機構をカセ
   ットケースに内蔵したリインク式カラーリボンカセット
   において、 前記各インク含浸体を前記カセットケースの外部より選
   択的に押圧して対応するインク供給部から前記転写ロー
   ラ側へ転写される色インク量を増大可能なインク補給量
   調節機構を設けたことを特徴とするリインク式カラーリ
   ボンカセット。