JPH07164261A - ボルトの締付異常検出方法および検出装置 - Google Patents

ボルトの締付異常検出方法および検出装置

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JPH07164261A
JPH07164261A JP34132493A JP34132493A JPH07164261A JP H07164261 A JPH07164261 A JP H07164261A JP 34132493 A JP34132493 A JP 34132493A JP 34132493 A JP34132493 A JP 34132493A JP H07164261 A JPH07164261 A JP H07164261A
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JP
Japan
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bolt
tightening
time
torque
head
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JP34132493A
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English (en)
Inventor
Kyoji Yamaguchi
恭司 山口
Katsunori Takahashi
克典 高橋
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立部品の締結に使用するボルトの締付異常
を検出するにあたり、当該ボルトの長さを簡便にかつ正
確に測定して選別することにより、締結作業の確実性を
維持すると共に生産効率の向上を図ることを目的とす
る。 【構成】 ボルトZを締付るナットランナー2のモータ
3の回転動作を制御するコントローラ7と、ボルトZの
ねじ込みトルクを検出するトルク検出装置6と、コント
ローラ7のモータ3に対する制御動作時間を測定するタ
イマ8とを設けて、ボルトZの座部Z2が被締結物Bに
着座するまでの締付を連続して二度行い、二度目の締付
動作におけるモータ3ないしソケット5の回転開始時間
からボルトZが着座するまでに要した時間を上記タイマ
8が測定して、これをコントローラ7が、適正なボルト
を使用したときの標準時間と比較することにより、当該
ボルトの長さの適正を判定し、締付異常を検出するよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種機械、器具、装置
の組立て部品の締結に用いられるボルトの締付異常検出
方法およびその実施に使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車産業をはじめとする各種機械、器
具、装置の組立工場においては、様々な構成部品を組合
わせて種々の機能、用途に適した完成品を製造する。
【0003】かかる製造工程中において各種部品を締結
するために所謂ネジ要素が一般に用いられる。これらの
ネジ要素には、一対のボルトとナット、雄ネジと雌ネジ
の組合せ等の他に、図1に示すように、被締結物本体A
に被締結物Bを締結する場合、この本体Aには内側に螺
子部X1が設けられたネジ穴Xを形成し、被締結物Bに
は螺子部が設けられていない孔Yを形成して、これらに
例えばテンションボルトZを嵌装して締付ることにより
被締結物本体Aと被締結物Bとの締結を行うものがあ
る。
【0004】この場合、テンションボルトZの軸部Z3
にはボルト頭部Z1から一定の距離をおいて螺子部Z4
が形成され、該螺子部Z4が上記本体Aの螺子部X1と
螺合して締付られることにより該ボルトZが被締結物B
を被締結物本体Aに締結する。
【0005】そして、このテンションボルトZを回転し
て締付る手段としてナットランナー2が普通に用いられ
るが、このナットランナー2は上記テンションボルトZ
の頭部Z1と嵌合するソケット5を備え、該ソケット5
をモータ等の駆動装置3によって回転することにより該
テンションボルトZを締付るものである。ここに、上記
ソケット5は、駆動装置3の回転を効率良くボルトZに
伝え、またボルトZの頭部Z1が被締結物Bに着座して
ねじ込みトルクが増大したときでも嵌合状態が外れて空
回りをしないように、上記頭部Z1のサイズと一致する
凹部が設けられ、通常、正六角形に形成されるものが多
い。
【0006】ところで上記例のように、ボルトの他端に
ナットを嵌め込んで締付るのではなく、被締結物に設け
られたネジ穴にボルトを埋め込む場合には、ボルトの長
さ、正確にはボルトの軸部の長さが適正に設定された通
りでないと種々の不都合が生じる。すなわち、ボルトが
被締結物に設けられたネジ穴に充分に進入して強固に締
付られるように、該ネジ穴はボルト軸部の長さより少し
長く形成されていて、ボルトの軸端がネジ穴底に当接し
ないように設定されている。
【0007】このときに、使用すべきボルトより長い軸
部を有するボルトを誤って用いると、ボルト頭部が着座
する前に軸端がネジ穴底に当接して締結を果たすことが
できない。一方、軸部が短いボルトを用いた場合は、そ
の軸端がネジ穴底に当接することはないが、ボルト頭部
が被締結物に着座して締付が完了したときに螺合した部
分が短いのでボルトが抜け落ち易くなると共に、締結力
が弱くなり荷重が働いたときに被締結物が外れ落ちる虞
がある。
【0008】前者の場合は、作業完了後にボルト頭部が
着座せずに浮いているのが一見して判別できるので、そ
の後の弊害を未然に防止できることもあるが、後者の場
合は、見た目には頭部が被締結物に着座しているので外
部から見分けることは困難である。従って、設定より短
いボルトを用いたときはそのまま放置されてしまうの
で、使用するボルトの選別が重要であるが、肉眼による
仕分け作業では生産性の向上を阻害する。
【0009】かかる問題に対処する目的で、実開昭63
−116276号公報には、任意のねじ込み位置にある
ねじ要素がその着座位置から突出している長さと、該ね
じ要素のビッチとから該ねじ要素が着座するまでに要す
る必要理論回転数を算出し、実際のねじ込み回転数がこ
の必要理論回転数に至るまでにねじ込みトルクが所定値
以上になったときは、締付異常と判定する装置が開示さ
れている。
【0010】これによれば、設定よりも長いねじ要素を
誤って使用した場合には、ボルト頭部が着座するまでに
必要と算出された理論回転数だけ回転する前に該ボルト
がネジ穴底に当接してねじ込みトルクが所定値以上とな
るので締付異常と判定されるが、短いねじ要素を用いた
ときは必ず算出された必要理論回転数だけ回転するので
異常の判定が行われない。また、ねじ要素の突出長さを
正確に測定するためのイメージセンサや回転数演算手段
等の様々な検出装置や演算装置等を別途備えなければな
らず、過大な設備費用を必要とする。
【0011】そこで、ボルト締付手段がボルトを締付る
のに要する時間の長短からそのボルトが設定どうりのも
のであるか否かを判別する方法が簡便であり、普及して
いる。例えば、ナットランナー等のボルト締付手段にね
じ込みトルクを検出するトルク検出手段を設け、ボルト
がネジ穴に設置されてナットランナーが回転し始めてボ
ルトの締付を開始したときから、ボルトの頭部が被締結
物に着座してねじ込みトルクが所定のトルクにまで増大
するときまでの時間(以下、着座必要時間という)を測
定し、これを予め設けられた所定時間と比較するもので
ある。モータの回転数が一定であるので、適正なボルト
を締付た場合の着座必要時間を所定時間(以下、標準時
間という)としておけば、測定された着座必要時間が標
準時間より長いときは誤って長いボルトが使用されたも
のと、また着座必要時間が短いときは短いボルトが使用
されたものと判別できて、容易に締付異常が検出され
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合に上記着座必要時間の終点はトルク検出手段により正
確に測定されるが、その始点は必ずしも実際のボルトの
締付開始時点と一致しない虞がある。すなわち、ナット
ランナーの回転開始時点をボルトの締付開始時点と看做
して、これを着座必要時間の始点とするのであるが、実
際にはナットランナーおよびこれに設けられたソケット
が回転を開始しても、そのときのボルト頭部とソケット
との位置関係によっては、ソケットがボルトの頭部に嵌
合するまでの間はボルト自体の締付が行われないのであ
る。しかも、かかる位置関係はその都度異なるので、予
め補正値を定めることはできず、偶然初めからボルト頭
部とソケットの凹部が一致する場合や、ソケットがボル
トの頭部に嵌合するまでに長時間ソケットだけが空回り
する場合等様々な態様が生じて、測定された着座必要時
間が一定しないこととなる。
【0013】その結果、ソケットが空回りしたときはそ
の分だけ着座必要時間が長く測定されて、ボルトが実際
よりも長いと誤認されてしまうこととなる。特に、設定
より短いボルトが誤って使用されても正常と判定される
ことにもなる。
【0014】そこで本発明は、過大な設備を要すること
なく、使用したボルトの長さおよびその締付異常を常に
正確にかつ簡便に検出することのできるボルトの締付異
常検出方法とそれに使用する検出装置とを提供し、生産
性の向上に寄与することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1に記載の発明(以下、第1発明という)は、部品の締
結に用いられるボルトの締付異常検出方法であって、ボ
ルト頭部に嵌合する嵌合部を回転させることによって該
ボルトを締付るボルト締付手段を用い、該締付手段によ
りボルトの締付を行い、そのねじ込みトルクが所定のト
ルクに達したときに締付動作を停止すると共に、該ボル
トをネジ穴への螺合前の状態にまで戻し、その後、該ボ
ルト頭部と上記嵌合部との嵌合状態を保持したままで再
び上記締付手段によりボルトの締付を実行し、この再締
付時に上記締付手段の嵌合部が回転を開始したときから
該ボルトのねじ込みトルクが所定のトルクに達するまで
の時間を測定すると共に、この時間を標準時間と比較す
ることによりボルトの締付異常を検出することを特徴と
するボルトの締付異常検出方法である。
【0016】そして、本願の請求項2に記載の発明(以
下、第2発明という)は、部品の締結に用いられるボル
トの締付異常検出装置であって、ボルト頭部に嵌合する
嵌合部を有し、該嵌合部を回転させることによって該ボ
ルトを締付るボルト締付手段と、ボルトのねじ込みトル
クを検出するトルク検出手段とが備えられ、ボルトの締
付動作を開始して上記トルク検出手段で検出されるねじ
込みトルクが所定のトルクに達したときに締付動作を停
止すると共に、該ボルトをネジ穴への螺合前の状態にま
で戻し、その後、該ボルト頭部と上記嵌合部との嵌合状
態を保持したままで再び該ボルトの締付を実行するよう
に上記締付手段を制御する制御手段と、この再締付時に
上記締付手段の嵌合部が回転を開始したときから上記ト
ルク検出手段により検出されるねじ込みトルクが所定の
トルクに達するまでの時間を測定する時間測定手段と、
該時間測定手段によって測定された上記時間を標準時間
と比較することによりボルトの締付異常を判定する判定
手段とが設けられていることを特徴とするボルトの締付
異常検出装置である。
【0017】
【作用】上記第1発明および第2発明によれば、ボルト
頭部に嵌合する嵌合部を備え、これを回転することによ
りボルトを嵌合部と一体に回転して、締付を行うボルト
締付手段を用いてボルトの締付動作を二度実行すること
となる。
【0018】すなわち、一度目は、ボルトの締付を開始
し、トルク検出手段で検出される当該ボルトのねじ込み
トルクが所定値にまで増加した時点で、一旦その締付動
作を停止し、次に、この締付られたボルトを一度螺合前
の状態にまで戻すのである。
【0019】そして二度目の締付は、ボルトがこの螺合
前の状態にあり、当該ボルト頭部と上記嵌合部との嵌合
状態を保持したまま、換言すればボルト頭部に嵌合部が
嵌り込んだままの状態から開始することとなる。このと
き、当該ボルトを再び締付るべく上記締付手段の嵌合部
が回転を開始してから、ねじ込みトルクが所定のトルク
に達するまでに要した時間を時間測定手段が測定し、こ
の測定された時間を締付開始時からボルトの頭部が被締
結物に着座するまでの時間、すなわち着座必要時間とし
て適正なボルトの場合における標準時間と比較すること
により、ボルトの長さの異常ないし締付の異常を検出す
るものである。
【0020】つまり、異常検出のための着座必要時間を
測定するのは二度目の締付時であって、すでに一度ボル
トの締付動作を実行した後の当該ボルトの頭部に嵌合部
が嵌合したままの状態を保持して二度目の締付を開始す
るので、着座必要時間の測定当初から締付手段の嵌合部
がボルト頭部に嵌合していることは確実であり、またボ
ルトは螺合前の状態に戻されているので、その結果、上
記二度目の締付時における締付手段の回転開始時点はボ
ルトの締付開始時点と常に一致することとなる。
【0021】従って、測定すべき着座必要時間の始点を
締付手段の回転開始の時点と看做すことができ、締付手
段の回転開始からボルトの着座までの時間より正確な着
座必要時間を測定できることとなり、従来問題であった
嵌合部の空回りによる測定時間のバラつきという問題が
解消されて、ボルトの締付異常を正確に検出することが
できる。
【0022】また、締付け動作の制御や着座必要時間の
測定は、従来使用されている装置類をそのまま用いてい
るので、新たな設備投資を必要とすることなく、簡便に
して常に正確な締付異常の検出が可能となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0024】図1は、ボルトの締付動作中における本発
明の締付異常検出装置1を示すブロック図であって、ボ
ルト締付手段としてのナットランナー2は、モータ3
と、該モータ3の回転駆動を外部に伝達する回転軸4
と、該回転軸4に取り付けられて上記モータ3の回転と
一体となって回転し、締付るべきボルトの頭部に嵌合し
得る凹部を有するソケット5とを含む。そして、上記モ
ータ3が回転駆動することによってソケット5の凹部に
嵌合されたボルトZが回転し、ボルト頭部Z1の座部Z
2が被締結物Bに着座するまで該ボルトZが被締結物本
体Aにねじ込まれて締付られ、これによって被締結物B
と上記本体Aとの締結を行う。
【0025】また、この検出装置1には、上記のように
締付時に回転してねじ込まれるボルトZの回転トルク
(以下、ねじ込みトルクという)を検出するトルク検出
装置6と、該検出装置6からのトルク信号を受けて上記
モータ3の回転動作を時計回りもしくは反時計回りまた
は停止する等、任意に制御するコントローラ7と、該コ
ントローラ7の上記モータ3に対する制御時間を測定す
るタイマー8とが設けられている。
【0026】そして、上記コントローラ7には、ボルト
Zの座部Z2が被締結物Bに着座したときに増大する所
定のねじ込みトルクを予め実験的に求めた値(Tor)
が記憶されていて、該コントローラ7は締付動作中に上
記トルク検出装置6で検出されるねじ込みトルクをこの
所定値(Tor)と常に比較し、その結果に基づいてモ
ータ3の回転動作を制御する。
【0027】また、上記タイマー8は、上記コントロー
ラ7がモータ3に対して行う回転動作の制御時間を測定
し、この測定された時間をコントローラ7が読みとっ
て、これを適正なボルトを使用して予め実験的に求めた
標準時間と比較することにより、当該ボルトの締付異常
を検出する。
【0028】次に、実際のボルト締付動作の時間経過に
従って本発明をさらに詳しく説明する。
【0029】図2は、テンションボルトZを用いてシリ
ンダブロックAにシリンダヘッドBを締結する工程を示
している。ここに、シリンダブロックAには内側に螺子
部X1を有するネジ穴Xが形成され、シリンダヘッドB
には螺子部が設けられていない孔Yが形成されて、締付
前の状態においてテンションボルトZの軸部Z3は上記
シリンダヘッドBの孔Yを貫通し、その前端がシリンダ
ブロックAのネジ穴Xの入口に至り、当初この位置にお
いて当該ボルトZはセットされている。また、このボル
トZは平面断面形が正六角形の頭部Z1と軸部Z3とを
有し、該軸部Z3には、ボルト頭部Z1に設けられた座
部Z2から一定の距離をおいて螺子部Z4が形成され、
該螺子部Z4が上記シリンダブロックAに設けられた螺
子部X1と螺合することにより締付られ、被締結物Aお
よびBの締結を行う。
【0030】テンションボルトZが上記のようにセット
されると、コントローラ7がモータ3を締付方向(図面
上、この実施例では時計回り)に回転し、該モータ3の
回転軸4に取り付けられたソケット5がボルトZを締付
るべく回転を始める(時間t0)と同時に、タイマ8が
時間の測定を開始する。しかしながら、このモータ3な
いしソケット5の回転開始時間t0は、該ソケット5と
ボルト頭部Z1との位置関係によって、換言すればボル
ト頭部Z1の正六角形状と、これに嵌合し得る形状およ
びサイズに形成されたソケット5の凹部との位置ズレに
よって、該ソケット5が上記ボルト頭部Z1に嵌り込ん
で実際にボルトZがソケット5と一体となって回転する
時間(t1)と一致しない。従って、時間t0からt1
までの間はソケット5が空回りしている状態なので、ね
じ込みトルクは0である。
【0031】そして、上記時間t1において、上記ソケ
ット5がボルト頭部Z1と嵌合した時点で初めてテンシ
ョンボルトZはソケット5と一体となって回転を始め、
この時点t1以降は該ボルトZがシリンダブロックAの
ネジ穴Xに進入して締付られることとなり、ねじ込みト
ルクが増大した状態で締付が進行する。
【0032】その後、ボルトZのねじ込みが進んで上記
ボルト頭部Z1の座部Z2がシリンダヘッドBに着座す
ると当該ボルトZの進入が阻害されて、ねじ込みトルク
はさらに増加し、前述の所定値Torにまで達する(t
2)。ここでタイマ8は、上記時間t0からこの着座時
間t2までの測定時間Tfを当該ボルトZの着座必要時
間として上記コントローラ7に出力する。
【0033】従来行われていた締付異常の検出はこの時
点で終了し、上記のモータ3ないしソケット5の回転開
始時間t0をボルトZの締付開始時間と看做して、この
時間t0から、ねじ込みトルクの増加で示されるボルト
頭部Z1が着座した時間t2までに要した時間Tfを着
座必要時間として、前記の標準時間と比較することによ
り判定するものであった。
【0034】しかし上記のように、実際のボルトの締付
は時間t0において開始するのではなく、ソケット5が
ボルト頭部Z1と嵌合した時間t1から始まるので、タ
イマ8が測定した時間Tfは、テンションボルトZが実
際にねじ込まれ始めてから着座するまでに必要とした時
間T0と相違し、正確なボルトZの長さを検出すること
にはならないのである。しかも、ソケット5の回転開始
から該ソケット5がボルト頭部Z1と嵌合するまでの時
間(t0からt1までの時間)は、その時々によって異
なるこれら二つの位置関係によって変化するので測定時
間Tfは一作業毎にバラついて一定の値として検出され
ないと共に、予めこのバラつきの平均時間を求めて補正
値とし、測定された時間を補正算出することも検出精度
の低下を招くこととなり不可能である。そして、このと
き着座必要時間として測定された時間Tfは、ソケット
5がボルト頭部Z1と嵌合する前に空回りしている時間
を余分に測定するので必ず標準時間T0よりも長くな
り、検出値のバラつきの問題と共に、短いボルトが使用
されても適正と判定される不都合が生じる虞もある。
【0035】この実施例では、かかる問題を解消するた
めに次に説明する動作を実施する。
【0036】すなわち、時間t2においてボルトZの着
座によりねじ込みトルクが所定値Torにまで増大した
後、モータ3はさらに回転を続けて一旦ボルトZの仮り
締めを行う。そして、ねじ込みトルクが仮り締め用に予
め設定された所定値まで増加すると、コントローラ7は
モータ3の回転を停止すると共に、今度はボルトZの螺
合を戻す方向(図面上、この実施例では反時計回り)に
モータ3を回転する(t3)。そして、ボルトZとネジ
穴Xとの螺合状態が外れてねじ込みトルクが0になった
ときに、モータ3の回転を停止する(t4)。
【0037】従って、この時間t4におけるボルトZと
ソケット5との状態は、前述の時間t1においてソケッ
ト5がボルト頭部Z1に嵌り込んだときの状態と同じで
あり、上記時間t4においては必ずソケット5がボルト
頭部Z1に嵌合している。
【0038】ここで、上記のソケット5がボルト頭部Z
1に嵌り込んだ状態を保持したままで、コントローラ7
は再びモータ3をボルトZの締付方向に回転して(時間
t5)、上記時間t4において螺合前の状態にまで戻っ
た当該ボルトZを再度締付ると同時に、この二度目の締
付制御信号をタイマ8に出力し、該タイマ8はこの二度
目の締付制御時間の測定を開始する(時間t5)。この
ときは、時間t5において再締付を開始した当初から、
上述のように、ソケット5が必ずボルト頭部Z1に嵌合
しているので、モータ3ないしソケット5の上記回転開
始時間t5は、実際にボルトZが回転を開始して締付ら
れ始める締付開始時間と一致する。
【0039】そして、前述のように、ボルト頭部Z1の
座部Z2がシリンダヘッドBに着座することにより、ね
じ込みトルクが所定値Torにまで達すると(t6)、
上記タイマ8は、この二度目のモータ回転開始時間t5
から着座時間(ねじ込みトルクが所定値Torに到達し
た時間)t6までの測定時間T0を着座必要時間として
コントローラ7に出力し、該コントローラ7はこの着座
必要時間T0を標準時間と比較することにより、当該ボ
ルトZの長さを判定し、締付異常を検出するのである。
このときの着座必要時間T0は、ソケット5の回転開始
時間とボルトZの締付開始時間と完全に一致するので、
実際にボルトZが締付を始めてから着座するまでに要し
た着座必要時間である。
【0040】そして、使用されたボルトZの長さが適正
で、締付異常が検出されない場合は、さらにモータ3の
回転を続行して、ねじ込みトルクが所定の本締用のトル
ク値に達するまで当該ボルトZを締付けて本締めを行
い、ここにおいてシリンダブロックAへのシリンダヘッ
ドBの締結が完了する。一方、上記着座必要時間T0が
標準時間と比べて、ある許容範囲値を超えて長すぎた
り、逆に短すぎたりするときは、使用されたボルトZの
長さが不適正なものと判定され、締付異常が検出され
て、コントローラ7はモータ3の回転を停止すると共
に、外部に対して異常を認知させるためにアラーム信号
を出力する等して、次の本締めを実施しない。
【0041】以上説明したように、この実施例における
締付異常検出装置1は、ボルトZの締付動作を二度行
い、その二度目の締付動作においては当初から必ずソケ
ット5が当該ボルトZの頭部Z1と確実に嵌合している
ので、タイマ8によって測定されるモータ3の回転開始
時間からボルトZの着座時間までの時間は、実際に当該
ボルトZが締付を開始してから着座するまでに要した着
座必要時間として看做すことができ、これを標準時間と
比較することにより、正確にボルトの長さを判定し、な
いしは締付異常の検出精度を高めることができて、生産
性の向上に寄与し得ることとなる。
【0042】さらに具体的に、ボルトの長さの相違によ
って着座必要時間の変化する様子を説明すると、図3に
おいて、適正なボルトを使用したときの着座必要時間
(標準時間)をT0とすると、設定よりも短いボルトを
誤って使用したときは、この標準時間T0よりも短時間
でボルト頭部の座部Z2が被締結物Bに着座するので、
ねじ込みトルクの増加が時間t6よりも前に起こり、コ
ントローラ7はこの短い着座必要時間Tsを標準時間T
0と比較することにより締付異常が検出される。
【0043】また、逆に長いボルトを誤って使用したと
きは、それだけモータ3の回転時間が上記標準時間T0
を超えて延長することになるのであるが、被締結物Aの
ネジ穴Xの底部にボルト軸部Z3が当接することにより
ねじ込みトルクが増加する場合(着座必要時間Tl1)
と、上記ネジ穴Xの長さがボルト軸部Z3の長さよりも
長く形成されているか、もしくは該ネジ穴Xが孔となっ
て被締結物Aを貫いて形成されているとき等は、ボルト
頭部Z1の着座によってねじ込みトルクが増加する場合
(着座必要時間Tl2)とが想定されるが、いずれの場
合においても、ねじ込みトルクの増加が時間t6を過ぎ
て起こるので、コントローラ7はこの長く延長した着座
必要時間Tl1またはTl2を標準時間T0と比較する
ことにより締付異常が検出される。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ボルト締付手段がボルトの締付動作を二度実行し、その
二度目の締付動作においては当初から上記締付手段の嵌
合部が当該ボルトの頭部と嵌合し、ボルトの締付準備が
完了している状態なので、着座必要時間として測定され
る上記締付手段ないしその嵌合部の回転開始時点からね
じ込みトルクが所定のトルクに達する時点までの時間
は、必ず実際に当該ボルトが締付られ始めてから着座す
るまでに要した時間と一致し、この正確な着座必要時間
を適正なボルトの場合における標準時間と比較するの
で、従来問題であった嵌合部の空回りによる測定時間の
バラつきという問題が解消されて正確にボルトの長さを
判定することができると共に、長いボルトを誤って使用
した場合だけでなく、短いボルトを誤用した場合にも締
付異常が検出されることとなり、その結果、ボルトの締
付異常の検出精度の向上を図ることができて、生産性の
向上に寄与することとなる。
【0045】また、締付動作の制御や着座必要時間の測
定は、従来使用されている周知の測定器具や装置類をそ
のまま用いることができるので、新たに過大な設備投資
を必要とすることなく、簡便にして常に正確な締付異常
の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例におけるボルトの締付異常検
出装置を示すブロック図である。
【図2】 上記実施例の検出装置が行う検出動作を示す
タイムチャートである。
【図3】 同じく、上記実施例の検出装置が異常を検出
するときのねじ込みトルクの変化を示すタイムチャート
である。
【符号の説明】
1 締付異常検出装置 2 ナットランナー 3 モータ 5 ソケット 6 トルク検出手段 7 コントローラ 8 タイマ A 被締結物本体 B 被締結物 Z ボルト Z1 ボルト頭部 Z2 座部 Z3 ボルト軸部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品の締結に用いられるボルトの締付異
    常検出方法であって、ボルト頭部に嵌合する嵌合部を回
    転させることによって該ボルトを締付るボルト締付手段
    を用い、該締付手段によりボルトの締付を行い、そのね
    じ込みトルクが所定のトルクに達したときに締付動作を
    停止すると共に、該ボルトをネジ穴への螺合前の状態に
    まで戻し、その後、該ボルト頭部と上記嵌合部との嵌合
    状態を保持したままで再び上記締付手段によりボルトの
    締付を実行し、この再締付時に上記締付手段の嵌合部が
    回転を開始したときから該ボルトのねじ込みトルクが所
    定のトルクに達するまでの時間を測定すると共に、この
    時間を標準時間と比較することによりボルトの締付異常
    を検出することを特徴とするボルトの締付異常検出方
    法。
  2. 【請求項2】 部品の締結に用いられるボルトの締付異
    常検出装置であって、ボルト頭部に嵌合する嵌合部を有
    し、該嵌合部を回転させることによって該ボルトを締付
    るボルト締付手段と、ボルトのねじ込みトルクを検出す
    るトルク検出手段とが備えられ、ボルトの締付動作を開
    始して上記トルク検出手段で検出されるねじ込みトルク
    が所定のトルクに達したときに締付動作を停止すると共
    に、該ボルトをネジ穴への螺合前の状態にまで戻し、そ
    の後、該ボルト頭部と上記嵌合部との嵌合状態を保持し
    たままで再び該ボルトの締付を実行するように上記締付
    手段を制御する制御手段と、この再締付時に上記締付手
    段の嵌合部が回転を開始したときから上記トルク検出手
    段により検出されるねじ込みトルクが所定のトルクに達
    するまでの時間を測定する時間測定手段と、該時間測定
    手段によって測定された上記時間を標準時間と比較する
    ことによりボルトの締付異常を判定する判定手段とが設
    けられていることを特徴とするボルトの締付異常検出装
    置。
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