JPH07163962A - 廃紙処理装置 - Google Patents

廃紙処理装置

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JPH07163962A
JPH07163962A JP5314627A JP31462793A JPH07163962A JP H07163962 A JPH07163962 A JP H07163962A JP 5314627 A JP5314627 A JP 5314627A JP 31462793 A JP31462793 A JP 31462793A JP H07163962 A JPH07163962 A JP H07163962A
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JP
Japan
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waste paper
defibrated material
tank
drive motor
surfactant solution
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Application number
JP5314627A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kawase
正博 川瀬
Kenji Watanabe
憲二 渡辺
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 除水後の解繊物がブロック化されて廃棄物の
取扱性が良いという従来の利点を損なわず、解繊槽内の
界面活性剤溶液中にてほぐされ、千切られて、小片とな
った廃紙に対する攪拌効果を上げることができる廃紙処
理装置を提供すること。 【構成】 廃紙供給部Aの廃紙フィーダ4より解繊部B
の解繊槽6内に投入された廃紙31を解繊槽6内の界面
活性剤溶液5中にてファイバ状に解繊するために、旋回
流を発生させる攪拌機7を、解繊槽内に位置を異ならせ
て複数設置したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は官庁や事務所などで生ず
る膨大な量の廃紙を湿式法で処分するための処理装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】官庁や事務所などでは毎日膨大な量の廃
紙が生じているが、主として機密保持の点からそのまま
捨て去るわけにもゆかず、担当者はその対策に苦慮して
いるのが実態である。こうした廃紙の処理方法として
は、一般に焼却あるいは書類断截機による細断が行われ
ている。しかし焼却による処理方法は、郊外であればと
もかく、都心では安全と排煙処理の関係から各事務所が
それぞれ小型の焼却炉を備えることには無理がある。ま
た、書類断截機による処理方法は、機密保持の観点から
は有効な処理方法ではあるが、廃紙を乾燥状態で細断す
るため、同時に廃紙の繊維をも切断してしまい、細断後
の廃紙が再生紙の原料となり難い。さらに、細断紙片
は、その細断後の状態が細断前の廃紙の状態より嵩高く
なるため、その廃棄物の保管や運搬等の処理も容易でな
い。
【0003】このような状況を打開するため、本出願人
は、廃紙を界面活性剤溶液中にて攪拌機の回転により発
生する旋回流中で解繊して、解繊物の懸濁水を得た後、
この解繊物懸濁水を圧力容器内に導入してシリンダによ
り圧縮し、除水して、所定の大きさの解繊物ブロックに
成形することにより、処理後の廃棄物の保管や運搬等の
処理が容易で、かつ再生紙の原料として好適で、その回
収率および古紙パルプの生産収率を高めることのできる
廃紙処理装置を開発し、既に提案している(特開平5−
200377号公報)。
【0004】これを図5乃至図7に基づいて更に詳述す
る。図5は従来の廃紙処理装置の全体構成を示す正面断
面図、図6はその左側面断面図、図7はその右側面断面
図である。周知のとおり、従来の廃紙処理装置1は、そ
の本体内の上部から下部にかけて、廃紙供給部A、解繊
部B、解繊物圧縮部C、界面活性剤溶液供給部Dおよび
解繊物回収部Eが配置されて構成されている。
【0005】廃紙供給部Aは、カバー2により隠蔽可能
な廃紙挿入台3と、廃紙挿入台3から後段の解繊部Bへ
廃紙を送り出す廃紙フィーダ4とを有する。
【0006】解繊部Bは、以下のような構成を有する。
すなわち、界面活性剤溶液5が貯留された解繊槽6と、
解繊槽6の底部に配置されて界面活性剤溶液5を攪拌す
る攪拌機7および超音波発振器8と、解繊槽6の下面に
配置されて攪拌機7の回転軸に直結された攪拌機駆動用
モータ9と、解繊槽6内の界面活性剤溶液中にて小片や
ファイバ状に解繊された廃紙の解繊物懸濁水をその液圧
を利用して後段の解繊物圧縮部Cへ導入するための解繊
物懸濁水導入口10と、解繊槽6内の界面活性剤溶液5
の水位を検出するレベルスイッチ11とを有する。
【0007】解繊物圧縮部Cは、以下のような構成を有
する。すなわち、水平配置されて解繊物懸濁水導入口1
0に連通する筒体12と、筒体12内に回動自在に配置
されて図示しないモータによりベルト伝導で駆動され、
解繊物懸濁水導入口10より導入された解繊物懸濁水を
筒体12の先端方向へ搬送するスクリュウコンベヤ13
と、水平配置されて中間部が筒体12の先端に連通し、
両端が開口する圧力容器14と、圧力容器14の中心軸
線上に配置されて圧力容器14の一端側開口よりピスト
ンが挿入された解繊物プレス用シリンダ15と、圧力容
器14の中心軸線上に配置されて押さえ板16からなる
ピストンが圧力容器14の他端側開口を閉塞可能に設定
された解繊物バックアップ用シリンダ17と、圧力容器
14の他端側開口よりも外方でかつ圧力容器14の中心
軸線に直交する方向に配置され、押出し板18からなる
ピストンが圧力容器14の他端側開口面に沿って移動可
能に設定された解繊物押出し用シリンダ19とを有す
る。
【0008】界面活性剤溶液供給部Dは、以下のような
構成を有する。すなわち、補充用の界面活性剤溶液が貯
えられたタンク20と、レベルスイッチ11の検出結果
に基づいてタンク20内の界面活性剤溶液を解繊槽6に
輸送するためのポンプ21および配管22と、オーバフ
ローした界面活性剤溶液あるいは解繊物懸濁水をタンク
20内に戻すドレンパイプ23と、解繊物圧縮部Cの下
方に配置されて圧力容器14等の解繊物圧縮系から漏洩
する界面活性剤溶液あるいは解繊物懸濁水をタンク20
内に戻すドレンパン24とを有する。
【0009】解繊物回収部Eは、解繊物プレス用シリン
ダ15と解繊物バックアップ用シリンダ17との挾圧に
より除水されて解繊物押出し用シリンダ19により押出
され落下する解繊物ブロック25を、下方で受け止める
バケット26を有する。また、本体内の下部には前述し
た解繊物圧縮系の各シリンダに圧油を供給するための油
圧ポンプ27が設置されている。
【0010】次に、前述の構成を有する従来の廃紙処理
装置の動作について図5乃至図7に基づき説明する。ま
た、ここでは予め解繊槽内に設定水位まで界面活性剤溶
液が貯留され、攪拌機の回転により旋回流が発生してい
るものとする。まず、廃紙の処理に当たり、カバー2を
開けて廃紙を挿入台3上に重ねて載置し、カバー2を閉
じる。制御系では、攪拌機駆動用モータ9の負荷電流を
常時チェックし、解繊槽6内の廃紙受入に余裕があるか
否かを攪拌機駆動用モータ9の負荷電流の増減により判
定し、負荷電流が減小すると、フィーダ4を作動させ、
挿入台3上の廃紙を1〜2枚ずつ解繊槽6内に投入させ
る。解繊槽6内に投入された廃紙は、界面活性剤溶液5
の浸透により軟化し、さらに解繊槽6内の攪拌機7によ
り発生する旋回流、および超音波発振器8により発生す
る振動によって攪拌され、ほぐされ、千切られて、小片
やファイバ状に解繊される。
【0011】解繊槽6内の界面活性剤溶液5中にて小片
やファイバ状に解繊された廃紙の解繊物懸濁水は、解繊
槽6の下部の解繊物懸濁水導入口10から筒体12内に
進入し、常時回転しているスクリュウコンベヤ13によ
って筒体12の先端方向へ搬送され、圧力容器14内に
送られる。制御系では、スクリュウコンベヤ13の駆動
モータの負荷電流を常時チェックし、圧力容器14内の
解繊物の量が所定量に達したか否かを駆動モータの負荷
電流の増減により判定し、負荷電流が増大すると、スク
リュウコンベヤ13を停止あるいは減速させる。なお、
スクリュウコンベヤ13の駆動モータの負荷電流の変動
幅が小さく、かつノイズの影響により負荷電流の変動検
出が困難な小形のものでは、前述の圧力容器14内の解
繊物の量が所定量に達したか否かを駆動モータの駆動時
間により判定するようにしたものもある。スクリュウコ
ンベヤ13が停止あるいは減速すると、解繊物プレス用
シリンダ15が作動し、圧力容器14内の解繊物のプレ
スを開始する。圧力容器14内の解繊物は、背面を解繊
物バックアップ用シリンダ17により支持されているた
め、圧力容器14内にて、解繊物プレス用シリンダ15
のピストンと解繊物バックアップ用シリンダ17の押さ
え板16からなるピストンとの挾圧により除水され、こ
れら各ピストンと圧力容器14の内壁とで囲まれた空間
と同形状の解繊物ブロック25に成形される。制御系で
は、プレスすなわち除水が完了したか否かを解繊物プレ
ス用シリンダ15のプレス圧力か経過時間により判定
し、プレス圧力が設定値(例えば1200Kg/c
2 )に達し、あるいはプレス時間が所定時間(例えば
20秒)経過すると、一旦、解繊物プレス用シリンダ1
5の作動を停止させた後、解繊物バックアップ用シリン
ダ17を作動させ、押さえ板16を図5の点線で示す位
置まで後退させる。次いで、解繊物プレス用シリンダ1
5を再び作動させてそのピストンを更に伸長させ、除水
された解繊物ブロック25を圧力容器14の外側に押出
す。
【0012】解繊物プレス用シリンダ15のピストンに
は、圧力容器14内での解繊物のプレス時、解繊物から
除去される界面活性剤溶液を後方に逃がすための排出通
路が周方向複数個所に形成されているが、この排出通路
からはプレス時に解繊物も若干逃げてしまうため、プレ
スにより除水、成形された解繊物ブロック25には前記
排出通路部分がバリとなって残る。このため、プレス後
の解繊物ブロック25を解繊物プレス用シリンダ15に
よって圧力容器14の外側に押出しても、解繊物ブロッ
ク25はバリの部分で圧力容器14に引っ掛かった状態
に置かれる。この解繊物ブロック25のバリを剥離させ
るために設けられたのが解繊物押出し用シリンダ19で
ある。したがって、解繊物ブロック25が圧力容器14
に引っ掛かっている状態で解繊物押出し用シリンダ19
を作動させ、そのピストンである押出し板18を図5の
点線で示す位置まで圧力容器14の他端側開口面に沿っ
て移動させると、解繊物ブロック25は側方より押出し
板18の押圧力を受けて強制的に圧力容器14から引き
剥がされ、バケット26内に落下する。以上の動作を連
続的に繰り返して、解繊物を成型したブロック25を生
成する。
【0013】なお、制御系では、レベルスイッチ11が
検出した解繊槽6内の界面活性剤溶液5の水位が設定水
位より下がれば、ポンプ21を駆動してタンク20内の
界面活性剤溶液を配管22を介して解繊槽6内に補充
し、解繊槽6内に界面活性剤溶液5が常に一定量保持さ
れるように制御する。またオーバフローした界面活性剤
溶液や解繊物懸濁水は、ドレンパイプ23を介してタン
ク20内に戻される。更に圧力容器14等の解繊物圧縮
系から漏洩する界面活性剤溶液や解繊物懸濁水はドレン
パン24で受けてタンク20内に戻される。
【0014】ところで、廃紙を湿式法で処分するものと
しては、前述の装置以外に、廃紙を通常の水中で膨潤さ
せ、膨潤した廃紙をプロペラやスクリュウコンベヤの回
転羽根の剪断力により解繊して、解繊物の懸濁水を得た
後、解繊物懸濁水を金網等からなる解繊物補足容器内に
回収して水切りを行うもの(特開平4−126882号
公報,特開平4−126883号公報)、解繊物懸濁水
をスクリュウコンベヤによる圧縮力を利用してある程度
水切りを行なってから金網等からなる解繊物補足容器内
に回収し、再度水切りを行うもの(特開平4−2636
82号公報,特開平4−263683号公報)、解繊物
懸濁水を金網等からなる解繊物補足容器内に回収してか
ら遠心分離式脱水機による脱水を行うもの(特開平4−
126884号公報,特開平4−272285号公報)
などがある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、解繊槽
6内の界面活性剤溶液中にてほぐされ、千切られて、小
片となった廃紙を、超音波発振器8により発生する振動
によって互いのくっつきを防止しながら、解繊槽6内の
攪拌機7により発生する旋回流によって攪拌する前者の
ものにあっては、解繊槽6内の攪拌機7が単一構成から
なるため、旋回流の方向が規定されてしまい、この旋回
流に乗った小片に対しては攪拌効果を充分に上げること
ができないばかりでなく、旋回流方向と交差する方向に
設定されている攪拌機7の羽根に小片が堆積する傾向に
あった。
【0016】また、解繊物懸濁水を基本的に金網等から
なる解繊物補足容器内に回収して水切りを行う後者のも
のは、いずれも脱水が充分でなく、更に脱水後の解繊物
のブロック化も行なえないので、廃棄物の取扱性上の課
題を残していた。更に、金網等からなる解繊物補足容器
は再使用に当たり、洗浄処理を必要としていた。
【0017】本発明は以上のような課題を解決するため
になされたもので、除水後の解繊物がブロック化されて
廃棄物の取扱性が良いという従来の利点を損なわず、解
繊槽内の界面活性剤溶液中にてほぐされ、千切られて、
小片となった廃紙に対する攪拌効果を上げることができ
る廃紙処理装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る廃紙処理装
置は、下記の構成からなるものである。すなわち、界面
活性剤溶液供給手段より供給された界面活性剤溶液が貯
留された解繊槽内に、廃紙フィーダより廃紙を投入して
前記界面活性剤溶液を浸透させて軟化させ、軟化した廃
紙を解繊槽内に設けられた攪拌機により発生する旋回流
中でファイバ状に解繊し、解繊された廃紙を解繊物圧縮
手段によりブロック状に成形する廃紙処理装置におい
て、攪拌機を解繊槽内に位置を異ならせて複数設置した
ものである。
【0019】また、各攪拌機を、それぞれ独立した駆動
用モータに接続したものである。
【0020】また、各攪拌機の回転モードを一定時間毎
に切換えるとともに、各駆動用モータの負荷電流が減小
した場合、あるいは各駆動用モータの回転数が増大した
場合には、各攪拌機のいずれかを停止させ、かつ所定時
間後には全ての攪拌機を停止させる制御装置を設けたも
のである。
【0021】また、各攪拌機を、動力伝達手段を介して
互いに接続するとともに、その中の1つを単一の駆動用
モータに直接的に接続したものである。
【0022】また、動力伝達手段の動力伝達系内にクラ
ッチを設けたものである。
【0023】また、各攪拌機の回転モードを一定時間毎
に切換えるとともに、駆動用モータの負荷電流が減小し
た場合、あるいは駆動用モータの回転数が増大した場合
には、クラッチによる他の攪拌機への動力伝達を遮断
し、かつ所定時間後には全ての攪拌機を停止させる制御
装置を設けたものである。
【0024】
【作用】本発明において、廃紙フィーダより解繊槽内に
投入された廃紙は、解繊槽内で界面活性剤溶液の浸透に
より軟化し、更に解繊槽内に位置を異ならせて設置した
各攪拌機の回転により発生する複数の旋回流によって攪
拌され、ほぐされ、千切られて、小片やファイバ状に解
繊される。ほぐされ、千切られて、小片となった廃紙
は、各攪拌機により発生する複数の旋回流やこの複数の
旋回流がぶつかりあう部分で発生する複雑な流れによっ
て、多方向より剪断力を受けてほぐされ、効率よくファ
イバ状に解繊される。このように、解繊槽内で界面活性
剤溶液の複雑な流れを発生させることにより、小片を効
率よくファイバ状に解繊することができ、各攪拌機の羽
根への堆積を防止することができる。
【0025】更に、各攪拌機を、それぞれ独立した駆動
用モータに接続する構成によれば、各攪拌機を独立制御
することが可能となり、より複雑な流れを発生させるこ
とができる。
【0026】更にまた、各攪拌機の回転モードを一定時
間毎に切換えるとともに、各駆動用モータの負荷電流が
減小した場合、あるいは各駆動用モータの回転数が増大
した場合には、各攪拌機のいずれかを停止させ、かつ所
定時間後には全ての攪拌機を停止させる制御装置を設け
ることにより、一定時間毎に複雑な流れを発生させるこ
とができて小片の解繊効率を向上させることができ、か
つランニングコストを低く抑えることができる。例えば
攪拌機が2つの場合を例に挙げれば、各攪拌機の回転
を、正ー正→正ー逆→逆ー正→逆ー逆、あるいはこれら
の可変混合等、様々な形態を採用することができる。ま
た、廃紙の紙切れ等により、解繊槽内の解繊物懸濁水の
濃度が薄くなって、各駆動用モータの負荷電流が減小
し、あるいは各駆動用モータの回転数が増大すると、各
攪拌機のうちの一方のみを回転させるとともに、他方を
停止させ、かつ所定時間後には回転している方の攪拌機
も停止させる。これにより、必要以上に電力が消費され
るのを抑制することができる。
【0027】更に、各攪拌機を、動力伝達手段を介して
互いに接続するとともに、その中の1つを単一の駆動用
モータに直接的に接続する構成によれば、駆動用モータ
の数が減った分、コストの削減が図れ、かつ空きスペー
スが生じ、他部材の配置が容易となる。
【0028】更に、動力伝達手段の動力伝達系内にクラ
ッチを設けることにより、単一の駆動用モータにより駆
動される攪拌機の数を調整することができる。
【0029】更にまた、各攪拌機の回転モードを一定時
間毎に切換えるとともに、駆動用モータの負荷電流が減
小した場合、あるいは駆動用モータの回転数が増大した
場合には、クラッチによる他の攪拌機への動力伝達を遮
断し、かつ所定時間後には全ての攪拌機を停止させる制
御装置を設けることにより、単一の駆動用モータにより
駆動される各攪拌機の回転方向を一定時間毎に切換える
ことができて小片の解繊効率を向上させることができ、
かつランニングコストを低く抑えることができる。例え
ば単一の駆動用モータにより駆動される攪拌機が2つの
場合を例に挙げれば、各攪拌機の回転を、正ー正→逆ー
逆、あるいは正ー逆→逆ー正等、様々な形態を採用する
ことができる。また、廃紙の紙切れ等により、解繊槽内
の解繊物懸濁水の濃度が薄くなって、駆動用モータの負
荷電流が減小し、あるいは各駆動用モータの回転数が増
大すると、クラッチによりこのクラッチから先の攪拌機
への動力伝達を遮断し、単一の駆動用モータに直接的に
接続された側の攪拌機のみを回転させ、かつ所定時間後
には回転している方の攪拌機も停止させる。これによ
り、必要以上に電力が消費されるのを抑制することがで
きる。
【0030】
【実施例】
実施例1.以下、図示実施例により本発明を説明する。
図1は本発明の第1の実施例に係る廃紙処理装置の全体
構成を示す正面断面図、図2はその右側面断面図であ
り、各図中、従来に相当する部分には同一符号を付して
ある。本実施例の廃紙処理装置30は、その本体内の上
部から下部にかけて、廃紙供給部A、解繊物圧縮部C、
解繊部B、界面活性剤溶液供給部Dおよび解繊物回収部
Eが配置されて構成されている。つまり、本実施例の廃
紙処理装置30は、解繊部Bの上部に解繊物圧縮部Cが
配置されている。以下の説明では、理解を容易にするた
めに、解繊物圧縮部Cについての説明は解繊部Bの説明
の後に行う。
【0031】まず、廃紙供給部Aは、多数の廃紙31が
重ねられて載置された廃紙挿入台3と、後述の濃度セン
サの検出結果に基づいて廃紙挿入台3から後段の解繊部
Bへ廃紙31を1〜2枚ずつ送り出す廃紙フィーダ4と
を有する。
【0032】解繊部Bは、以下のような構成を有する。
すなわち、界面活性剤溶液5が貯留された解繊槽6と、
解繊槽6の底部に位置を異ならせて配置され、界面活性
剤溶液5を攪拌する一対の攪拌機7A,7Bと、各攪拌
機7A,7Bの解繊槽底部を貫通した各回転軸7a,7
bにそれぞれ取付けられたプーリ32,33と、これら
プーリ32,33に駆動力を伝達するためのベルト3
4、及びプーリ35(プーリ32側への動力伝達系は図
示せず)を介してそれぞれ接続され、各攪拌機7A,7
Bを独立して駆動する一対の攪拌機駆動用モータ9A,
9Bと、解繊槽6内の界面活性剤溶液5中にて小片やフ
ァイバ状に解繊された廃紙の解繊物懸濁水の濃度(粘
度)を検出する濃度センサ36と、解繊槽6内の界面活
性剤溶液5(運転開始後は解繊物懸濁水)の水位を検出
するフロートスイッチ37とを有する。
【0033】この解繊部Bにおいて、濃度センサ36
は、鎖あるいは可撓性のバーからなる作動部36aを備
えたスイッチ等から構成され、作動部36aが、解繊槽
6内の界面活性剤溶液5(運転開始後は解繊物懸濁水)
中に自重により垂下あるいは挿入された状態に設置され
ている。そして、解繊槽6内の各攪拌機7A,7Bによ
り発生する旋回流から受ける荷重(流体摩擦)が大きく
なり、基準値を越えたとき、オンするようになってい
る。すなわち、流体摩擦が小さい場合(解繊物懸濁水の
濃度が薄い場合)は、廃紙供給部Aの廃紙フィーダ4に
対し廃紙31の送り出しを許可し、流体摩擦が大きい場
合(解繊物懸濁水の濃度が濃い場合)は、廃紙供給部A
の廃紙フィーダ4に対し廃紙31の送り出しを停止させ
る。
【0034】解繊物圧縮部Cは、以下のような構成を有
する。すなわち、周壁に水分を逃がすための多数の小孔
38aが形成されて解繊槽6内に立設され、かつ下部の
一側に解繊物懸濁水導入口38bが切り欠き形成される
とともに、上端が水面上に突出する筒体38と、筒体3
8内に回動自在に配置され、かつ軸部39aの下端が解
繊槽底部を貫通するスクリュウコンベヤ39と、スクリ
ュウコンベヤ39の軸部39aの解繊槽底部貫通端に取
付けられたプーリ40と、プーリ40に駆動力を伝達す
るためのベルト41、及びプーリ42を介して接続され
たコンベヤ駆動用モータ43と、解繊部Bの上部、すな
わち解繊槽6内における設定水位よりも高位置に水平配
置されて、中間部が筒体38の上端に連通し、一端が開
口するとともに、この開口端側の上部を除く周壁に水分
を逃がすための多数の小孔44aが形成された解繊物ブ
ロック成形用筒体44と、解繊物ブロック成形用筒体4
4の中心軸線上に配置され、解繊物ブロック成形用筒体
44の他端を閉塞するとともに、この筒体他端よりピス
トンロッド45が挿入された解繊物プレス用シリンダ4
6と、解繊物プレス用シリンダ46のピストンロッド4
5先端に取付けられ、後端側47aが図示しないピスト
ンリングにより解繊物ブロック成形用筒体44の内壁と
の間に気密を保てる直径寸法に設定されるとともに、先
端側47bが解繊物ブロック成形用筒体44の内壁との
間に隙間48が形成される直径寸法に設定された段筒状
のピストン47と、ピストン47の先端に取付けられ、
先端面に断面V字状を呈する放射状の多数の第1の溝4
9aが形成されるとともに、周面に放射状の各第1の溝
49aと隙間48とをそれぞれ連通させる断面V字状の
多数の第2の溝49bが設けられた押圧板49とを有す
る。更に、解繊物ブロック成形用筒体44の一端側開口
よりも外方でかつ圧力容器14の中心軸線に水平面内で
直交する方向に配置された解繊物押出し用シリンダ50
と、解繊物押出し用シリンダ50のピストンロッド51
の先端に取付けられ、かつ解繊物ブロック成形用筒体4
4の一端側開口面に対向する面の反対側の面にピストン
ロッド軸方向に延びる案内溝52aが形成された押出し
ブロック52と、押出しブロック52における解繊物ブ
ロック成形用筒体44の一端側開口面に対向する側の面
に取付けられ、解繊物ブロック成形用筒体44の一端側
開口面との対向面に水平方向に延びる断面V字状の多数
の平行溝53aが設けられた解繊物バックアップ用の押
さえ板53と、押出しブロック52の背面側、つまり押
出しブロック52の案内溝52aが形成されている面側
に配置され、押出しブロック52との対向面に案内溝5
2aに嵌入して押出しブロック52を案内するガイド5
4aが設けられたバックアップ部材54とを有する。更
にまた、解繊物プレス用シリンダ46,解繊物ブロック
成形用筒体44,押さえ板53を備えた押出しブロック
52,およびガイド54aを備えたバックアップ部材5
4を一体化するために、一端をバックアップ部材54の
周縁部に、他端を解繊物プレス用シリンダ46のケーシ
ングに、それぞれ螺合させてかご形に組付けられた複数
のタイロッド55と、多数の小孔56aが形成されて解
繊物ブロック成形用筒体44の一端側開口面の下部エッ
ジのきわに水平配置され、プレス後に解繊物ブロック成
形用筒体44から押出されてきた解繊物ブロックを受け
る受台56と、プレス時に解繊物バックアップ用の押さ
え板53の平行溝53aより排出される水分や、受台5
6に受けた解繊物ブロックを解繊物押出し用シリンダ5
0により後段の解繊物回収部Eに押出す際に解繊物ブロ
ックと共に押出される解繊物の屑を、解繊槽6内に戻す
通路57を形成する壁体58とを有する。
【0035】なお、この解繊物圧縮部Cにおいて、筒体
38の多数の小孔38a、及び解繊物ブロック成形用筒
体44の多数の小孔44aは、いずれもそれぞれの筒体
内面から外面に向けて末広がり状に拡径するテーパ状に
形成されており、これによって筒体38内のスクリュウ
コンベヤ39にて搬送される解繊物懸濁水中の解繊物か
ら分離した水分(界面活性剤溶液)や、解繊物ブロック
成形用筒体44内にて解繊物プレス用シリンダ46によ
り圧縮される解繊物から滲み出た水分(界面活性剤溶
液)を、効率よく解繊槽6内に排出することができる。
つまり、これらの水分中に解繊物が混入しても、各小孔
38a,44aの形状を前記のようにテーパ状とするこ
とにより、混入した解繊物によって各小孔38a,44
aが目詰りするのを防ぐことができる。
【0036】したがって、解繊物圧縮部Cでは、コンベ
ヤ駆動用モータ43の駆動によりスクリュウコンベヤ3
9を回転させると、解繊槽6内の廃紙の解繊物懸濁水
は、解繊物懸濁水導入口38bから筒体38内に進入
し、水分(界面活性剤溶液)を筒体38の各小孔38a
より解繊槽6内へ排出しながら筒体上端方向へ搬送さ
れ、解繊物ブロック成形用筒体44内に送られる。ま
た、解繊物ブロック成形用筒体44の一端側開口面を押
さえ板53により閉塞した状態で、解繊物プレス用シリ
ンダ46を作動させ、ピストンロッド45を伸長させる
と、解繊物ブロック成形用筒体44内の解繊物は、解繊
物ブロック成形用筒体44内にて、解繊物プレス用シリ
ンダ46側の押圧板49とバックアップ部材54側の押
さえ板53との挾圧により除水され、これら押圧板4
9,押さえ板53,および解繊物ブロック成形用筒体4
4の内壁とで囲まれた空間と同形状の解繊物ブロックに
成形される。この解繊物ブロックの成形過程において、
解繊物から除去された水分(界面活性剤溶液)は、一部
が押圧板49先端面の放射状の各第1の溝49aからそ
の周面の各第2の溝49bを通って隙間48内に進入し
た後、解繊物ブロック成形用筒体44の各小孔44aか
ら下方の解繊槽6内に滴下する。また、解繊物から除去
された水分(界面活性剤溶液)の一部は、押さえ板53
の平行溝53aに沿って両側に流れ、平行溝53aの一
方の側(図2の右方向)に流れた水分(界面活性剤溶
液)は直接解繊槽6内へ滴下し、平行溝53aの他方の
側(図2の左方向)に流れた水分(界面活性剤溶液)は
通路57から解繊槽6内へ戻される。更に、押さえ板5
3の壁面をつたって受台56上に漏洩した水分(界面活
性剤溶液)は、受台56の各小孔56aより解繊槽6内
へ滴下する。また、解繊物押出し用シリンダ50を作動
させ、ピストンロッド51を縮退させると、押出しブロ
ック52およびこれと一体の押さえ板53が、その背面
側のガイド54aに案内されて、解繊物ブロック成形用
筒体44の一端側開口面に沿って受台56上を後方(図
2の右方向)へスライドし、解繊物ブロック成形用筒体
44の一端側開口面を解放する。また、ピストンロッド
51が縮退している状態から、つまりプレスにより除
水、成形された解繊物ブロックが解繊物プレス用シリン
ダ46により解繊物ブロック成形用筒体44内から受台
56上に押出されてきた状態から、解繊物押出し用シリ
ンダ50を作動させ、ピストンロッド51を伸長させる
と、押出しブロック52および押さえ板53が、ガイド
54aに案内されて、解繊物ブロック成形用筒体44の
一端側開口面に沿って受台56上を前方(図2の左方
向)へスライドし、解繊物ブロックを後段の解繊物回収
部Eに押出し、同時に解繊物ブロック成形用筒体44の
一端側開口面を閉塞する。この解繊物ブロックを後段の
解繊物回収部Eに押出す過程において、受台56の表面
に付着している界面活性剤溶液の水滴や解繊物の屑も、
押出しブロック52および押さえ板53によって解繊物
ブロックと共に押出されるが、これら水滴や屑は、通路
57すなわち壁体58の上端開口部分を越えることがで
きず、したがって通路57内に落下し、解繊槽6内へ戻
される。
【0037】界面活性剤溶液供給部Dは、以下のような
構成を有する。すなわち、補充用の界面活性剤溶液が貯
えられたタンク20と、解繊槽6内のフロートスイッチ
37の検出結果に基づいてタンク20内より補充用界面
活性剤溶液を解繊槽6に輸送するためのポンプ21およ
び配管60と、オーバフローした界面活性剤溶液あるい
は解繊物懸濁水をタンク20内に戻すドレンパイプ(図
示せず)とを有する。
【0038】したがって、界面活性剤溶液供給部Dで
は、フロートスイッチ37の検出結果に基づきポンプ2
1が作動すると、タンク20,ポンプ21,配管60か
らなる界面活性剤溶液供給系より、解繊槽6内へ補充用
界面活性剤溶液が供給される。また、オーバフローした
界面活性剤溶液あるいは解繊物懸濁水は、ドレンパイプ
によりタンク20内に戻されるようになっているが、こ
のタンク20内への界面活性剤溶液あるいは解繊物懸濁
水の還流は、フロートスイッチ37の故障が発生しない
限り起こり得ないので、通常状態ではタンク20内の補
充用の界面活性剤溶液が汚染されることはない。
【0039】解繊物回収部Eは、解繊物押出し用シリン
ダ50により押出され落下する解繊物ブロックを下方で
受け止めるバケット26を有する。
【0040】なお、廃紙処理装置本体内の底部後方には
制御装置70Aのユニットが配置されている。制御装置
70Aは、フロートスイッチ37の検出結果に基づいて
界面活性剤溶液供給部Dのポンプ21を制御し、濃度セ
ンサ36の検出結果に基づいて廃紙供給部Aの廃紙フィ
ーダ4を制御し、解繊部Bの各攪拌機7A,7Bの回転
モードを、一定時間(例えば15秒)毎に、あるいは各
攪拌機駆動用モータ9A,9Bの負荷電流をみて、もし
くは各攪拌機駆動用モータ9A,9Bの回転数をみて、
切換え制御し、解繊物圧縮部Cのコンベヤ駆動用モータ
43の負荷電流をみて、あるいはコンベヤ駆動用モータ
43の駆動を開始してからの経過時間をみて、スクリュ
ウコンベヤ39を制御し、解繊物圧縮部Cの各シリンダ
46,50の作動タイミングを制御する。これらの動作
はプログラムに従って行われる。なお、ここでは制御装
置70Aのユニットの配置位置を廃紙処理装置本体内の
底部後方として説明したが、制御装置は特に配置位置を
限定する必要がなく、廃紙処理装置本体内の上部でも、
また他の個所でもスペース的に余裕があれば任意の個所
に設置できることは言うまでもない。
【0041】次に、前述の構成を有する本実施例の廃紙
処理装置の動作について図1及び図2に基づき説明す
る。また、ここでは予め解繊槽内に設定水位まで界面活
性剤溶液が貯留され、各攪拌機の回転によって旋回流が
発生しており、解繊物ブロック成形用筒体の一端側開口
面が押さえ板により閉塞されているものとする。まず、
廃紙処理に当たり、廃紙31を廃紙挿入台3上に重ねて
載置する。制御系では、濃度センサ36の検出結果をみ
て、解繊槽6内の界面活性剤溶液5(運転開始後は解繊
物懸濁水)の濃度が薄いと判断すると、廃紙フィーダ4
に対し廃紙31の送り出しを許可する。これにより、フ
ィーダ4が作動し、廃紙挿入台3上の廃紙31を1〜2
枚ずつ解繊槽6内に投入する。解繊槽6内に投入された
廃紙31は、界面活性剤溶液5の浸透により軟化し、さ
らに解繊槽6内の各攪拌機7A,7Bの回転により発生
する2つの旋回流によって攪拌され、ほぐされ、千切ら
れて、小片やファイバ状に解繊される。ほぐされ、千切
られて、小片となった廃紙は、各攪拌機7A,7Bによ
り発生する2つの旋回流やこの2つの旋回流がぶつかり
あう部分で発生する複雑な流れによって、多方向より剪
断力を受けてほぐされ、効率よくファイバ状に解繊され
る。
【0042】また、制御系では各攪拌機7A,7Bの回
転モードを15秒毎に切換える。切換えられる回転モー
ドは、図1で見て左右の攪拌機7A,7Bの関係でいえ
ば、例えば正ー正→正ー逆→逆ー正→逆ー逆、あるいは
これらの可変混合等、様々な形態を採用することができ
る。更に、制御系では時間に関係なく各攪拌機7A,7
Bの回転モードを各攪拌機駆動用モータ9A,9Bの負
荷電流の状態、あるいは各攪拌機駆動用モータ9A,9
Bの回転数の状態によっても切換える。例えば廃紙挿入
台3上の廃紙31の紙切れ等により、解繊槽6内の解繊
物懸濁水の濃度が薄くなって各攪拌機駆動用モータ9
A,9Bの負荷電流が減小し、あるいは各攪拌機駆動用
モータ9A,9Bの回転数が増大すると、各攪拌機7
A,7Bのうちの一方のみを回転させ、他方を停止させ
る。そして、この軽負荷状態が所定時間(例えば5分)
継続すると、この回転している方の攪拌機も停止させ
る。これにより、必要以上に電力が消費されるのを抑制
する。そして、この一方の攪拌機のみの回転の場合で
も、15秒毎に回転方向を切換える。つまり、負荷電流
の変化は、各攪拌機駆動用モータ9A,9Bの回転数の
変化として現れる。一般に、電流変化はノイズを伴うの
で、検出精度を上げるためにはノイズ除去処理が必要と
なる。したがって、各攪拌機駆動用モータ9A,9Bの
回転数の変化を検出することにより、制御を容易にする
ことができる。すなわち、負荷電流が減小すると回転数
は上昇し、負荷電流が増大すると回転数は低下する。こ
の回転数の変化をとらえて、前述の回転モードの切換え
制御を行う。
【0043】解繊槽6内の界面活性剤溶液5中にてファ
イバ状に解繊された廃紙31の解繊物懸濁水は、コンベ
ヤ駆動用モータ43の駆動により回転するスクリュウコ
ンベヤ39の吸引力により、解繊物懸濁水導入口38b
から筒体38内に進入し、水分(界面活性剤溶液)を筒
体38の小孔38aより解繊槽6内へ排出しながら筒体
上端方向へ搬送され、解繊物ブロック成形用筒体44内
に送られる。制御系では、解繊物ブロック成形用筒体4
4内の解繊物の量が所定量に達したか否かをコンベヤ駆
動用モータ43の負荷電流か駆動開始後の経過時間によ
り判定し、負荷電流が増大し、あるいは搬送時間が所定
時間(例えば20秒)経過すると、スクリュウコンベヤ
39を停止させる。
【0044】スクリュウコンベヤ39が停止すると、解
繊物プレス用シリンダ46が作動し、解繊物ブロック成
形用筒体44内の解繊物のプレスを開始する。解繊物ブ
ロック成形用筒体44内の解繊物は、背面をバックアッ
プ部材54側の押さえ板53により支持されているた
め、解繊物ブロック成形用筒体44内にて、解繊物プレ
ス用シリンダ46側の押圧板49とバックアップ部材5
4側の押さえ板53との挾圧により除水され、これら押
圧板49,押さえ板53,および解繊物ブロック成形用
筒体44の内壁とで囲まれた空間と同形状の解繊物ブロ
ックに成形される。この解繊物ブロックの成形過程にお
いて、解繊物から除去された水分(界面活性剤溶液)
は、主に解繊物ブロック成形用筒体44の小孔44aか
ら排出され、下方の解繊槽6内に戻される。制御系で
は、プレスすなわち除水が完了したか否かを解繊物プレ
ス用シリンダ46のプレス圧力か経過時間により判定
し、プレス圧力が設定値(例えば1200Kg/c
2 )に達し、あるいはプレス時間が所定時間(例えば
20秒)経過すると、一旦、解繊物プレス用シリンダ4
6の作動を停止させた後、解繊物押出し用シリンダ50
を作動させて押さえ板53すなわち押出しブロック52
を図2で示す位置まで後退させ、解繊物ブロック成形用
筒体44の一端側開口面を解放させる。次いで、解繊物
プレス用シリンダ46を再び作動させて押圧板49を更
に前進させ、解繊物ブロックを解繊物ブロック成形用筒
体44の外側の受台56上に押出させる。
【0045】解繊物プレス用シリンダ46側の押圧板4
9には、解繊物ブロック成形用筒体44内での解繊物の
プレス時、解繊物から除去された水分(界面活性剤溶
液)を解繊物ブロック成形用筒体44の小孔44aに導
き排出するための第2の溝49bが周面の複数個所に形
成されているが、解繊物は解繊物ブロック成形用筒体4
4内にスクリュウコンベヤ39により搬送される過程に
おいてある程度除水されているため、解繊物ブロック成
形用筒体44内で解繊物から除去された水分中には解繊
物の混入が少なく、したがってプレスにより除水、成形
された解繊物ブロックには押圧板49の第2の溝49b
の形状が転写されず、バリが発生しない。このため、除
水、成形された解繊物ブロックは、解繊物プレス用シリ
ンダ46により解繊物ブロック成形用筒体44内からス
ムーズに押出されて受台56上に移載される。
【0046】解繊物ブロックが受台56上に押出される
と、解繊物押出し用シリンダ50が作動して押出しブロ
ック52およびこれと一体の押さえ板53を前進させ、
受台56上の解繊物ブロックを後段の解繊物回収部Eに
押出し、同時に解繊物ブロック成形用筒体44の一端側
開口面を閉塞する。この解繊物ブロックを後段の解繊物
回収部Eに押出す過程において、受台56の表面に付着
している界面活性剤溶液の水滴や解繊物の屑は解繊物ブ
ロックと共に押出され、通路57内に落下し、解繊槽6
内へ戻される。
【0047】解繊槽6内の解繊物懸濁水は、各攪拌機7
A,7Bにより発生する旋回流によってその水面が常に
波打っており、運転時には正確な水位の検出は難しい。
このため、制御系では、フロートスイッチ37のオン状
態が所定時間継続したとき、水位が下がったと判定し、
ポンプ21を駆動制御するようにしている。
【0048】解繊物押出し用シリンダ50により受台5
6上から押出されて落下する解繊物ブロックは、下方の
バケット26内に回収される。以上の動作を連続的に繰
り返して、廃紙の解繊物を成形した小ブロックを生成す
る。
【0049】このように、本実施例の廃紙処理装置30
は、解繊槽6の底部に位置を異ならせて一対の攪拌機7
A,7Bを配置し、各攪拌機7A,7Bにより2つの旋
回流を発生できるようにしたので、解繊槽6内の界面活
性剤溶液中にてほぐされ、千切られて、小片となった廃
紙に対して、各攪拌機7A,7Bが発生する2つの旋回
流やこの2つの旋回流がぶつかりあう部分で発生する複
雑な流れによる多方向からの剪断力を与えることがで
き、効率よくファイバ状に解繊することができる。ま
た、各攪拌機7A,7Bの回転モードを、一定時間毎
に、あるいは各攪拌機駆動用モータ9A,9Bの負荷電
流の変動をみて、もしくは各攪拌機駆動用モータ9A,
9Bの回転数の変動をみて、切換え制御するようにした
ので、旋回流の方向が規定されず、旋回流方向と交差す
る方向に設定されている各攪拌機7A,7Bの羽根に、
解繊物懸濁水中に残留する小片が堆積するのを防ぐこと
ができる。
【0050】実施例2.図3は本発明の第2の実施例に
係る廃紙処理装置の全体構成を示す正面断面図、図4は
その右側面断面図であり、各図中、実施例1に相当する
部分には同一符号を付してある。この第2の実施例の廃
紙処理装置80は、解繊部Bの各攪拌機7A,7Bを単
一の攪拌機駆動用モータ9Aによって駆動するようにし
た点が前述の実施例1のものと異なっている。これを図
3,図4に基づき更に詳述すると、一方の攪拌機7Aの
解繊槽底部を貫通した回転軸7aには、その貫通端上部
に攪拌機駆動用モータ9A側のプーリ35Aと第1のベ
ルト34Aにより接続される第1のプーリ32が取付け
られるとともに、その貫通端下部にクラッチ81を介し
て第2のプーリ82が取付けられている。第2のプーリ
82は、他方の攪拌機7Bの解繊槽底部を貫通する回転
軸7bの下端に取付けたプーリ33と第2のベルト34
Bによって接続されている。
【0051】また、廃紙処理装置本体内の底部後方には
制御装置70Bのユニットが配置されている。制御装置
70Bは、フロートスイッチ37の検出結果に基づいて
界面活性剤溶液供給部Dのポンプ21を制御し、濃度セ
ンサ36の検出結果に基づいて廃紙供給部Aの廃紙フィ
ーダ4を制御し、解繊部Bの各攪拌機7A,7Bの回転
モードを、一定時間(例えば15秒)毎に切換え制御
し、攪拌機駆動用モータ9Aの負荷電流をみて、あるい
は攪拌機駆動用モータ9Aの回転数をみて、クラッチ8
1の遮断・接続を制御し、解繊物圧縮部Cのコンベヤ駆
動用モータ43の負荷電流をみて、あるいはコンベヤ駆
動用モータ43の駆動を開始してからの経過時間をみ
て、スクリュウコンベヤ39を駆動制御し、解繊物圧縮
部Cの各シリンダ46,50の作動タイミングを制御す
る。これらの動作はプログラムに従って行われる。な
お、ここでも制御装置70Bのユニットの配置位置を廃
紙処理装置本体内の底部後方として説明したが、制御装
置は特に配置位置を限定する必要がなく、廃紙処理装置
本体内の上部でも、また他の個所でもスペース的に余裕
があれば任意の個所に設置できることは言うまでもな
い。それ以外の構成は前述の実施例1と同様である。
【0052】この実施例において、制御系は、各攪拌機
7A,7Bの回転モードを15秒毎に切換える。切換え
られる回転モードは、この実施例の場合、動力伝達手段
にベルト伝導を採用し、第2のベルト34Bを、一方の
攪拌機7Aの第2のプーリ82と他方の攪拌機7Bのプ
ーリ33とに単に掛け回しているだけなので、図3で見
て左右の攪拌機7A,7Bでいえば、正ー正→逆ー逆で
ある。しかし、第2のベルト34Bを、一方の攪拌機7
Aの第2のプーリ82と他方の攪拌機7Bのプーリ33
とにクロスさせて掛け回す、あるいは動力伝達手段に歯
車伝導を採用して、動力が伝達される側の回転方向を反
転させるようにすれば、切換えられる回転モードを正ー
逆→逆ー正とすることも可能である。また、制御系は、
廃紙挿入台3上の廃紙31の紙切れ等により、解繊槽6
内の解繊物懸濁水の濃度が薄くなって、攪拌機駆動用モ
ータ9Aの負荷電流が減小し、あるいは攪拌機駆動用モ
ータ9Aの回転数が増大すると、クラッチ81により第
2のプーリ82への動力の伝達を遮断し、攪拌機7Aの
みを回転させ、攪拌機7Bを停止させる。そして、この
軽負荷状態が所定時間(例えば5分)継続すると、攪拌
機7Aも停止させる。これにより、必要以上に電力が消
費されるのを抑制する。そして、この攪拌機7Aのみの
回転の場合でも、15秒毎に回転方向を切換える。
【0053】このように、この実施例の廃紙処理装置8
0は、各攪拌機7A,7Bを単一の攪拌機駆動用モータ
9Aによって駆動するようにしたので、攪拌機駆動用モ
ータの数が減った分、コストの削減が図れ、かつ空きス
ペースが生じ、他部材の配置が容易となる。
【0054】なお、前述の各実施例では解繊槽6内に攪
拌機を2つ設置したものを例に挙げて説明したが、解繊
槽6内のスペースに余裕がある場合には攪拌機を3つ、
あるいはそれ以上設けてもよく、更に設置部位も解繊槽
6の底部のみに限定するものでなく、一部を側壁に配置
してもよい。このような場合でも、前述の各実施例同様
の作用効果を奏する。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、攪
拌機を解繊槽内に位置を異ならせて複数設置したので、
廃紙フィーダより解繊槽内に投入されて界面活性剤溶液
の浸透により軟化した廃紙を、各攪拌機の回転により発
生する複数の旋回流やこの複数の旋回流がぶつかりあう
部分で発生する複雑な流れによって効率よくファイバ状
に解繊することができ、各攪拌機の羽根への解繊物の堆
積を防止することができる。
【0056】また、本発明によれば、各攪拌機を、それ
ぞれ独立した駆動用モータに接続する構成としたので、
各攪拌機を独立制御することが可能となり、より複雑な
流れを発生させることができる。
【0057】また、本発明によれば、各攪拌機の回転モ
ードを一定時間毎に切換えるとともに、各駆動用モータ
の負荷電流が減小した場合、あるいは各駆動用モータの
回転数が増大した場合には、各攪拌機のいずれかを停止
させ、かつ所定時間後には全ての攪拌機を停止させる制
御装置を設けたので、一定時間毎に複雑な流れを発生さ
せることができて小片の解繊効率を向上させることがで
きるとともに、廃紙の紙切れ等により、解繊槽内の解繊
物懸濁水の濃度が薄くなって、各駆動用モータの負荷電
流が減小し、あるいは各駆動用モータの回転数が増大す
ると、駆動する攪拌機の数を減らし、所定時間後には回
転している方の攪拌機も停止させることができる。これ
により、必要以上に電力が消費されるのを抑制すること
ができ、ランニングコストを低く抑えることができる。
【0058】また、本発明によれば、各攪拌機を、動力
伝達手段を介して互いに接続するとともに、その中の1
つを単一の駆動用モータに直接的に接続する構成とした
ので、駆動用モータの数が減った分、コストの削減が図
れ、かつ空きスペースが生じ、他部材の配置が容易とな
る。
【0059】また、本発明によれば、動力伝達手段の動
力伝達系内にクラッチを設けたので、単一の駆動用モー
タにより駆動される攪拌機の数を調整することができ
る。
【0060】また、本発明によれば、各攪拌機の回転モ
ードを一定時間毎に切換えるとともに、駆動用モータの
負荷電流が減小した場合、あるいは駆動用モータの回転
数が増大した場合には、クラッチによる他の攪拌機への
動力伝達を遮断し、かつ所定時間後には全ての攪拌機を
停止させる制御装置を設けたので、単一の駆動用モータ
により駆動される各攪拌機の回転方向を一定時間毎に切
換えることができて小片の解繊効率を向上させることが
できるとともに、廃紙の紙切れ等により、解繊槽内の解
繊物懸濁水の濃度が薄くなって、駆動用モータの負荷電
流が減小し、あるいは駆動用モータの回転数が増大する
と、クラッチから先の攪拌機への動力伝達を遮断し、単
一の駆動用モータに直接的に接続された側の攪拌機のみ
を回転させ、所定時間後には回転している方の攪拌機も
停止させることができる。これにより、必要以上に電力
が消費されるのを抑制することができ、ランニングコス
トを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る廃紙処理装置の全体
構成を示す正面断面図である。
【図2】第1実施例の廃紙処理装置の右側面断面図であ
る。
【図3】本発明の第2実施例に係る廃紙処理装置の全体
構成を示す正面断面図である。
【図4】第2実施例の廃紙処理装置の右側面断面図であ
る。
【図5】従来の廃紙処理装置の全体構成を示す正面断面
図である。
【図6】従来の廃紙処理装置の左側面断面図である。
【図7】従来の廃紙処理装置の右側面断面図である。
【符号の説明】
A 廃紙供給部 B 解繊部 C 解繊物圧縮部 D 界面活性剤溶液供給部 4 廃紙フィーダ 5 界面活性剤溶液 6 解繊槽 7A,7B 攪拌機 9A,9B 攪拌機駆動用モータ 20 タンク 21 ポンプ(界面活性剤溶液供給手段) 25 解繊物ブロック 30,80 廃紙処理装置 31 廃紙 32,33,35A,82 プーリ(動力伝達手段) 34A,34B ベルト(動力伝達手段) 46 解繊物プレス用シリンダ(解繊物プレス手段) 60 配管(界面活性剤溶液供給手段) 70A,70B 制御装置 81 クラッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤溶液供給手段より供給された
    界面活性剤溶液が貯留された解繊槽内に、廃紙フィーダ
    より廃紙を投入して前記界面活性剤溶液を浸透させて軟
    化させ、軟化した廃紙を解繊槽内に設けられた攪拌機に
    より発生する旋回流中でファイバ状に解繊し、解繊され
    た廃紙を解繊物圧縮手段によりブロック状に成形する廃
    紙処理装置において、 前記攪拌機を解繊槽内に位置を異ならせて複数設置して
    成る廃紙処理装置。
  2. 【請求項2】 各攪拌機を、それぞれ独立した駆動用モ
    ータに接続して成る請求項1記載の廃紙処理装置。
  3. 【請求項3】 各攪拌機の回転モードを一定時間毎に切
    換えるとともに、各駆動用モータの負荷電流が減小した
    場合、あるいは各駆動用モータの回転数が増大した場合
    には、各攪拌機のいずれかを停止させ、かつ所定時間後
    には全ての攪拌機を停止させる制御装置を設けて成る請
    求項2記載の廃紙処理装置。
  4. 【請求項4】 各攪拌機を、動力伝達手段を介して互い
    に接続するとともに、その中の1つを単一の駆動用モー
    タに直接的に接続して成る請求項1記載の廃紙処理装
    置。
  5. 【請求項5】 動力伝達手段は、その動力伝達系内にク
    ラッチを備えて成る請求項4記載の廃紙処理装置。
  6. 【請求項6】 各攪拌機の回転モードを一定時間毎に切
    換えるとともに、駆動用モータの負荷電流が減小した場
    合、あるいは駆動用モータの回転数が増大した場合に
    は、クラッチによる他の攪拌機への動力伝達を遮断し、
    かつ所定時間後には全ての攪拌機を停止させる制御装置
    を設けて成る請求項5記載の廃紙処理装置。
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