JP3138442U - 湿式廃紙処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃紙を迅速、且つ高効率で溶解解繊と脱水処理を行ない、高価値の繊維ブロックを製造する経済的な湿式廃紙処理装置を提供する。
【解決手段】廃紙供給装置2と圧縮脱水装置6の下方に解繊槽33とスラリー貯留槽35を有する溶解槽3を配設し、解繊槽33には廃紙を解す撹拌装置4を懸垂状態で、そして解繊槽33とスラリー貯留槽35の共有壁面には解繊物スラリーCが通過する金網製の通水口36を配設し、通過した解繊物スラリーCを迅速に圧送する容積形のスラリーポンプ5がスラリー貯留槽に水没して懸垂し、もしくはスラリー貯留槽の外部近傍に配設されている。圧縮脱水装置6は脱水筒とピストンヘッドで構成され、ピストンヘッドがサーボギアモータにより脱水筒内を前進・後退するよう構成されている。脱水筒の他端には繊維ブロックDの排出ゲート7があり、60度正逆回4転で開閉となるようギアモータが配設されている。
【選択図】図1
【解決手段】廃紙供給装置2と圧縮脱水装置6の下方に解繊槽33とスラリー貯留槽35を有する溶解槽3を配設し、解繊槽33には廃紙を解す撹拌装置4を懸垂状態で、そして解繊槽33とスラリー貯留槽35の共有壁面には解繊物スラリーCが通過する金網製の通水口36を配設し、通過した解繊物スラリーCを迅速に圧送する容積形のスラリーポンプ5がスラリー貯留槽に水没して懸垂し、もしくはスラリー貯留槽の外部近傍に配設されている。圧縮脱水装置6は脱水筒とピストンヘッドで構成され、ピストンヘッドがサーボギアモータにより脱水筒内を前進・後退するよう構成されている。脱水筒の他端には繊維ブロックDの排出ゲート7があり、60度正逆回4転で開閉となるようギアモータが配設されている。
【選択図】図1
Description
本考案は、官庁や事業所などから発生する膨大な廃却紙を処理し、有価物として回収するための湿式廃紙処理装置に関するものである。
近年、役所、事業所などから発生する廃書類は貴重な紙資源として回収され再びパルプ原料として利用されるようになってきた。ところが機密書類においては取扱いに特別の注意が必要となり、シュレッダで細かく裁断後、回収業者などへ引渡す方法が行なわれていた。しかしながらこの方法を用いると紙繊維は細かく切断されるため再生紙原料としての品質を著しく損なう問題が生じている。そのため繊維を細断することなく水中で書類を膨潤軟化させて印刷インクを溶解除去しながら解繊し、その後、解繊された繊維のみを分離して固形物(以下、繊維ブロックという)にして回収する湿式廃紙処理装置(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、参照)が提案されている。
上記従来の特開平5−200377号公報記載の廃紙処理装置においては、廃紙供給フィーダが詰まり円滑な廃紙供給ができない、圧縮脱水装置周辺において圧縮分離した水溶液が漏洩して周辺機器を汚し保守清掃に手間が掛かりすぎる、廃紙溶解槽の容量が小さいため膨潤・解繊に充分な滞留時間が取れない、撹拌ブレードの解繊能力が劣る、解繊繊維と水溶液の混合物(以下、解繊物スラリーという)が供給装置のスクリューで滑るため圧縮脱水装置への供給に時間がかかりすぎて処理能力が低下するなどの数々の欠点があった。
また、上記従来の特開平7−185511号公報、および特開平8−117722号公報記載の廃紙処理装置においては、上記従来の特開平5−200377号公報記載の廃紙処理装置の欠点を解決するよう工夫が施されていて廃紙処理の能率は向上しているものの、スクリューフィーダにおける解繊物スラリーの滑りやブレードへの紙繊維の固着、さらにはブレードとスクリューフィーダ筒体の間隙に解繊不十分な廃紙の噛み込みが生じて搬送能力の著しい低下が起こるという欠点が生じていた。
本考案は、これら従来処理装置のかかる数々の問題解決を図るとともに、近年、とくに要求されてきた資源のリサイクル化に大きく貢献する優れた廃紙処理装置を提供するものである。即ち、従来にない特殊な機器構成とすることによって廃紙を迅速、且つ高効率で溶解解繊と脱水処理を行ない、高価値の繊維ブロックを製造するための経済的でコンパクトな湿式廃紙処理装置の提供を目的とするものである。
本考案は、鋭意工夫を行なった結果得られたもので、上記目的を達成するために、第一に、廃紙を溶解槽に所定量ずつ確実に供給する必要のあること、第二に、供給された廃紙を溶解槽の水溶液中にて完全に膨潤・解繊させて良質の解繊物スラリーに変換するに充分な時間と当該解繊物スラリーを一時貯留する必要のあること、第三には、上記解繊物スラリーの所定量を圧縮脱水装置に迅速、且つ確実に圧送する必要のあること、第四には、上記圧縮脱水装置にて解繊物スラリーから水分を迅速に分離して外部に漏洩することなく溶解槽に確実に戻すとともに得られた繊維ブロックを速やかに排出させる必要のあること、そして第五には、廃紙供給―膨潤解繊―解繊物スラリー圧送―脱水固化―繊維ブロック排出という一連の操作を繰り返し安定して長時間行なう必要のあることに着目してなされたものである。
具体的には、湿式廃紙処理装置に係わる考案の一つ目は、上記廃紙供給装置は溶解槽の上方に装置底面を10度程度傾斜させて配設すること、上記廃紙供給装置には廃紙落下シュートを配設すること、A5からA3までのサイズに応じて幅と厚さを調節できる構造の側面板と円滑な給紙が行なわれるよう装着廃紙の背面に適度の押し圧を与える押圧板を配設すること、および一枚ずつ廃紙を供給できるモータ内蔵の給紙ローラと補助ローラを配設することを特定事項とするものである。
また、湿式廃紙処理装置に係わる考案の二つ目は、上記溶解槽は、給紙廃紙と解繊物スラリーの分離水分を確実に受け止めるよう上記供給装置と上記圧縮脱水装置の設置面積に及ぶ広さで上向きに開放した受容口を有して上記両装置の下方に配設されていること、廃紙を膨潤軟化させるに充分な滞留時間となる容積の角形の容器であって一角には角形の解繊槽が配設されていること、そして上記溶解槽には、膨潤軟化した廃紙が上記解繊槽に集積されるよう上記解繊槽に向かって緩やかに傾斜した底面が配設されていることを特定事項とするものである。
また、上記解繊槽の中央部には、膨潤軟化した廃紙を効率的にファイバー状の細かい繊維に解すため、四枚の楔形平板からなる撹拌ブレードを有する撹拌装置が縦方向に懸垂状態で配設されていること、当該撹拌装置の近傍にはプーリ駆動できるようVベルトで連結された電動モータが配設されていることを特定事項とするものである。
また、上記溶解槽の一角には、充分な量の解繊物スラリーを一時的に貯蔵できるよう上記解繊槽と同程度の容積を有し、且つ上記溶解槽および上記解繊槽と壁面を共有する角形のスラリー貯留槽が配設されていること、上記解繊槽との共有壁面には上記解繊物スラリーを速やかに通過させる金網もしくは多孔板で構成された通水口が配設されていること、上記貯留槽の外側一面には上記解繊物スラリーのレベル面を観察できる覗窓が他の外側面には上記解繊物スラリーのレベル制御用フロートスイッチが配設されていること、そして当該スラリー貯留槽の底面にはメンテナンス用のスラリー排出口が配設されていることを特定事項とするものである。
また、湿式廃紙処理装置に係わる考案の三つ目は、上記解繊物スラリーの所定容量を迅速に圧送するためのコ字形ブレードを有する容積形のスラリーポンプは、当該スラリーポンプの吐出口と上記圧縮脱水装置のスラリー導入口を配管接合されて上記スラリー貯留槽内に吸込口を下にして水没するよう懸垂して配設されていること、もしくは上記スラリーポンプは、上記スラリーポンプの吸込口は上記スラリー貯留槽の下部排出口と上記スラリーポンプの吐出口は上記圧縮脱水装置のスラリー導入口とそれぞれ配管接合されて上記スラリー貯留槽の外部近傍に配設されていることを特定事項とするものである。
また、湿式廃紙処理装置に係わる考案の四つ目は、上記圧縮脱水装置は、壁面に多数の通水用の小孔を有する円筒形の脱水筒と当該脱水筒の内壁に沿って貼り付けられた円筒状の濾過布および当該濾過布の内面を摺動しながら往復運動を行なうピストンヘッドで構成されていて上記溶解槽の受容口を跨ぐ架台の上に横向きに配設されていること、また当該ピストンヘッドには通水可能な細孔が軸方向に多数配設されていること、そして上記ピストンヘッドは台形ボールネジを内蔵する円筒管と結合していること、当該円筒管は上記台形ボールネジと噛み合っている台形ネジブロックと一体的に結合していること、さらに上記台形ボールネジは二枚のギアを介して推進力を与えるサーボギアモータと連結していること、そして上記サーボギアモータの正逆回転駆動で上記台形ボールネジは正回転もしくは逆回転し、この回転で上記台形ネジブロックと上記円筒管も前進もしくは後退することとなり連結されている上記ピストンヘッドが上記脱水筒内を前進もしくは後退するよう構成されていることを特定事項とするものである。
また、上記ピストンヘッドの挿入口側の上記脱水筒の頂部には上記解繊物スラリーを送入するスラリー導入口が配設されていること、上記脱水筒の反対側は圧縮脱水された上記繊維ブロックの排出口であることを特定事項とするものである。
また、上記脱水筒の上記排出口には、複数の通水用小孔を有し、且つ当該排出口の開閉蓋および上記ピストンヘッドの圧縮力を受ける受圧板となる排出ゲートが配設されていること、そして上記排出ゲートには60度正転で開状態、60度逆転で閉状態となるギアが、正逆回転するギアモータのギアと噛み合って配設されていることを特定事項とするものである。
また、湿式廃紙処理装置に係わる考案の五つ目は、上記廃紙供給装置、上記撹拌装置、上記スラリーポンプおよび上記圧縮脱水装置の各機器を円滑に作動させるよう、上記解繊槽には廃紙供給量制御用濃度センサーが、上記スラリー貯留槽には上記溶解槽と上記スラリー貯留槽の水位調節用フロートスイッチが、上記スラリーポンプには当該ポンプの稼働時間を制御するタイマーがもしくは圧力センサーが、上記圧縮脱水装置には圧縮圧力を検出する圧力センサーもしくは上記サーボギヤモータの電流値検出器、上記排出ゲートには当該ゲートの開閉検知用および上記解繊ブロック排出検知用のフォトセンサーが、そして廃紙供給―廃紙解繊―解繊物スラリー圧送―脱水固化―繊維ブロック排出という一連の工程を自動的に繰り返し長時間行なうための運転タイマーなどの制御機器が、それぞれ配設されていることを特定事項とするものである。
以上、説明したように、本考案の湿式廃紙処理装置によれば、廃紙を完全に溶解解繊させた良質の解繊物スラリーとすることができ、さらにこのスラリーの迅速、且つ効率的な脱水処理を長時間安定して連続的に行なうことができることから、高価値の繊維ブロックが得られる。
具体的には、廃紙は解繊撹拌槽に設置された濃度センサーの信号を受けて必要量を下方の溶解槽に送られる。ここで充分な滞留時間を経て溶液と接触して膨潤軟化し、下方位置に配設された解繊槽に集積する。この解繊槽の撹拌機の楔形ブレードによって軟化した廃紙は繰返し引き千切られ次第にもとの紙繊維であるファイバー状態に解されて行き、溶液と混合して白色のスラリーとなる。白色のスラリーは適宜、隣接したスラリー貯留槽に金網製隔壁を潜って移動する。その後このスラリーの所定容量は容積形のスラリーポンプによって圧縮脱水装置の脱水筒内に迅速に圧送され、圧縮脱水装置のピストンヘッドで徐々に押され絞られて行く。この間、搾り出されたスラリー中の溶液は脱水筒の濾過布と壁面小孔を通って外部に排出される。この搾り出された分離水は下方溶解槽に落下して回収され再び使用される。一方、脱水筒内の脱水固化した繊維ブロックは、ピストンヘッドで押されて排出ゲートより外部に排出される。これらの一連の操作が繰返し円滑に行なわれることから効率的な廃紙処理となる。
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本考案装置の実施形態に係わる湿式廃紙処理装置の正面図を示したもので、1は本考案実施形態の廃紙処理装置、Aは廃紙、Cはスラリー、Dは繊維ブロク、2は廃紙給紙装置、21はモータ内蔵の給紙ローラ、22は補助ローラ、23a、23bは廃紙幅を左右で調整する側面板、24は装着した廃紙の背面を押す押圧板、25は廃紙供給装置全体を廃紙落下側に10度程度傾斜させる傾斜架台である。また、3は廃紙の溶解槽、31は廃紙供給装置2と溶解槽3の間に配設された落下シュート、33は解繊槽、35は解繊スラリーの貯留槽、36は解繊槽33とスラリー貯留槽35の隔壁部に三角柱状に配設された通水口、37は通水口に取付けられた金網もしくは多孔板、4は解繊槽に配設された撹拌装置、41は楔形の撹拌ブレード、42は撹拌ブレード41を回転させる電動モータ、41a、42aは撹拌ブレード41の軸41e(後述)および電動モータ42の軸に取付けられたプーリ、43は動力伝達用のVベルト、5はスラリー貯留槽35内に水没して取付けられたスラリーポンプ、50はスラリーポンプ5のポンプヘッド、51はスラリーポンプ5を回転させる電動モータ、50a、51aは後述するスラリーポンプ5のコ字型ブレード53の軸54および電動モータ51の軸に取付けられたプーリ、52は動力伝達用のVベルト、56はスラリーポンプの吐出口、57はスラリーポンプの吐出口56と圧縮脱水装置のスラリー導入口60を繋ぐスラリー輸送パイプである。
図2は本考案装置の実施形態に係わる湿式廃紙処理装置1の背面図を示したもので、24は装着した廃紙の背面を押す押圧板、6は圧縮脱水装置、Bは分離水、60はスラリー導入口、61は脱水筒、61aは分離水Bの通水用小孔、62は濾過布、63はピストンヘッド、63aは通水可能な細孔、64は台形ボールネジ、65は円筒管、66は円筒管65と結合した台形ネジブロック、67は正逆回転するサーボギアモータ、64a、67aは台形ボールネジ64およびサーボギアモータ67と連結されたギア、7は脱水筒61の一方を塞ぐよう配設された排出ゲート、70aは複数の通水用細孔、71は排出ゲート7を開閉するギアモータ、8は各機器の動作運転を制御する制御装置である。
図3は本考案装置の実施形態に係わる湿式廃紙処理装置1の左側面図を示したもので、7aは排出ゲート7と一体結合されたギア、71aは排出ゲート7のギア7aと噛合っていてギアモータ71の軸に取付けられたギア、72a、72bはギア7aの60度正逆回転、即ち排出ゲート7の開閉を検出するフォトセンサ、72cは排出ゲート7から繊維ブロックDの排出終了可否を検出するフォトセンサである。
図4は本考案装置の実施形態に係わる湿式廃紙処理装置1の溶解槽3を示したもので、32は廃紙Aおよび分離水Bの受容口、34は10度程度傾斜した底面、38は溶液槽3およびスラリー貯留槽35の液面レベルの覗窓、39はメンテナンス用のスラリー排出口、39aはフロートスイッチである。
図5は本考案装置の実施形態に係わる湿式廃紙処理装置1の撹拌ブレード41を示したもので、41a、41b、41c、41dは4枚の楔形平板、41eは撹拌ブレードの軸である。
図6は本考案装置の実施形態に係わる湿式廃紙処理装置1のスラリーポンプ5のポンプヘッド50を模式的に示したもので、53はコ字型ブレード、54はスラリーポンプ5の回転軸、55はスラリーポンプ5の吸込口、58はスラリーポンプ5のポンプケーシングである。
実施例1
以下、本考案の湿式廃紙処理装置における処理工程と作用効果を図1から図6に基づき説明する。
以下、本考案の湿式廃紙処理装置における処理工程と作用効果を図1から図6に基づき説明する。
廃紙Aはサイズごとに纏められて供給装置2の傾斜架台25にセットされる。ここには最大で3000枚まで装着できる。セットされた廃紙の両側は側面板23aと23bで、背面は押圧板24で固定される。予め溶液槽3には界面活性剤を含む水溶液を所定レベルまで入れておき、ここに廃紙Aを、給紙ローラ21と補助ローラ22を回転させて1枚〜数枚ずつ落下させる。落下した廃紙Aは溶液槽3の溶液中を漂い、界面活性剤の膨潤・軟化作用で膨潤・軟化して、最終的には傾斜底面34を流れて解繊槽33に到りここに集積する。解繊槽33に集積した廃紙Aは、撹拌装置4の撹拌ブレード41によって複雑に混ぜられ千切られて次第に紙素材のファイバー状に解されて行き、溶解した活字インクと共に水溶液と混合して白色の高粘度のスラリーCとなる。このスラリーCの濃度は粘度と強い相関性があるため、粘度を検出して濃度管理を行ない所定の粘度に到達するまで廃紙Aは給紙ローラ21によって断続的に供給される。
解繊された繊維を含むスラリーCは、通水口36の金網37を潜ってスラリーの貯留槽35に入り所定のレベルになるまでたまって行く。このレベルは溶液槽3のレベルと等しくなるようフロートスイッチ39aで制御されており、所定水位以下になれば界面活性剤を含む水溶液が溶液槽3に適宜補給されるように構成されている(この部分の図示省略)。
貯留槽35のスラリーCは、水没したスラリーポンプ5のコ字型ブレード53の高速回転による遠心力によって所定容量ずつ吸込口55から吸い込まれて吐出口56より勢いよく吹出し、スラリー輸送パイプ57を通ってスラリー導入口60より圧縮脱水装置6の脱水筒61の内部に送られる。このとき、圧縮脱水装置6のピストンヘッド63は脱水筒61の挿入口まで後退していて脱水筒61の内部空間は最大容積になっており、脱水筒61の他方は排出ゲート7で塞がれた状態にある。この空間にスラリーCが充満するまでタイマー制御もしくはスラリーポンプ5の電流値を検出して稼働時間を制御しスラリーCの適量圧送を行なう。
脱水筒61へのスラリーCの圧送が終了するとスラリーポンプ5は一時停止し、サーボギアモータ67が稼働し始めてギア67a、64aを介して台形ボールネジ64が正回転する。これによって台形ネジブロック66も回転して円筒管65が前進し始めピストンヘッド63は脱水筒61内を緩やかに摺動しながら前進して脱水筒61内に充満したスラリーCを徐々に圧縮して行く。スラリーCが圧縮されるとスラリー中に含まれた水分は搾り出され、脱水筒61の小孔61a、ピストンヘッド63の細孔63a、および排出ゲート7の細孔70aより排出されて分離水Bとなって溶液槽3の受容口32に落下して再び廃紙Aの溶解に使用される。
スラリーCに含まれる水分の大部分が搾り出されて繊維ブロックDになるとピストンヘッド63に作用する圧力は急激に上昇してくる。と同時にサーボギアモータ67の電流値も増加してくる。これらの値を検出して圧縮脱水操作の終了を判断して、サーボギアモータ67の運転を一時停止してピストンヘッド63の進行を止める。
次に、繊維ブロックDを排出するため、ギアモータ71を駆動して排出ゲート7を60度回転(正転)させ、脱水筒61の他方を開放状態にする。この排出ゲート7の開放状態はフォトセンサ72a、閉の状態はフォトセンサ72bでそれぞれ検知する。完全な開放状態を検知すると上記サーボギアモータ67を再び稼働させてピストンヘッド63を徐々に前進させて、脱水筒61内に残っている繊維ブロックDを外部に押し出す。この後、フォトセンサ72cにより繊維ブロックDの完全排出を検知して、サーボギアモータ67を逆回転させてピストンヘッド63を当初の挿入口の位置まで後退させる。このときの位置はリミットスイッチもしくはタイマーなどで制御することができる。また、この操作と並行してギアモータ71を駆動させ、排出ゲート7を元の閉の状態にする。排出された繊維ブロックDは下方に配置した容器(図示省略)に受取り保管してパルプ原料として再利用する。
ピストンヘッド63の後退を検出後、スラリーポンプ5を再び稼働させてスラリーCを脱水筒61に圧送し、再びサーボギアモータ67を稼働させてピストンヘッド63によりスラリーCの圧縮脱水―繊維ブロックの排出という上述と同様の操作を行なう。これらの一連のバッチ処理操作を所定時間繰返し行なえるよう、シーケンス制御の回路を組み込んだ制御装置とすることで長時間の安定した自動運転が可能となる。
上記実施例において、上記解繊物スラリーの所定容量を迅速に圧送するためのスラリーポンプ5は、ダイアフラム式ポンプおよびピストン式ポンプなどの他の容積形のポンプであってもよいし、スラリー輸送パイプ57の途中にスラリー貯留槽35に繋がる分岐パイプを配設してスラリーCの輸送量を制御してもよい。
実施例2
また次に、本考案装置の他の湿式廃紙処理装置の実施形態について説明する。
また次に、本考案装置の他の湿式廃紙処理装置の実施形態について説明する。
図7は本考案装置の他の実施形態に係わる廃紙処理装置1を示したもので、スラリーポンプ5をスラリー貯留槽35の外部近傍に配設した場合である。351はスラリーポンプ5の吸込口55に連結されたスラリー貯留槽35の下部排出口、57はスラリーポンプ5のスラリー吐出口56とスラリー導入口60を繋ぐスラリー輸送パイプである。こうすることによりスラリーポンプ5のメンテナンスを容易にすることもできる。また、本実施例においても上記実施例1と同様に、スラリーポンプ5は、他の容積形のポンプであってもよいし、スラリー輸送パイプ57の途中にスラリー貯留槽35に繋がる分岐パイプを配設してもよいことは言うまでもない。
1 湿式廃紙処理装置
A 廃紙
B 分離水
C スラリー
D 繊維ブロック
2 廃紙供給装置
3 廃紙溶解槽
33 撹拌解繊槽
35 スラリー貯留槽
4 撹拌装置
42、51 電動モータ
5 スラリーポンプ
50 ポンプヘッド
53 コ字型ブレード
6 圧縮脱水装置
67 サーボギアモータ
7 排出ゲート
71 ギアモータ
8 制御装置
A 廃紙
B 分離水
C スラリー
D 繊維ブロック
2 廃紙供給装置
3 廃紙溶解槽
33 撹拌解繊槽
35 スラリー貯留槽
4 撹拌装置
42、51 電動モータ
5 スラリーポンプ
50 ポンプヘッド
53 コ字型ブレード
6 圧縮脱水装置
67 サーボギアモータ
7 排出ゲート
71 ギアモータ
8 制御装置
Claims (8)
- 廃紙の供給装置、溶解槽、解繊槽、および解繊物スラリーの貯留槽、スラリーポンプ、圧縮脱水装置、そして繊維ブロックの排出ゲートで構成された廃紙処理装置において、上記廃紙供給装置は上記溶液槽の上方に、上記解繊槽、解繊物スラリーの貯留槽およびスラリーポンプは上記溶解槽の一角に、上記圧縮脱水装置と上記排出ゲートは一体化されていて上記供給装置と上記溶液槽の中間位置に、それぞれ配設されていることを特徴とする湿式廃紙処理装置。
- 請求項1記載の湿式廃紙処理装置であって、
上記廃紙供給装置は当該供給装置の底面を10度程度傾斜させ、廃紙落下シュートを介して上記溶解槽と連結され、廃紙サイズの装着幅と厚さを調節できる側面板、および廃紙背面に押し圧を与える押圧板、そしてモータ内蔵の給紙ローラと補助ローラが配設されていることを特徴とする湿式廃紙処理装置。 - 請求項1記載の湿式廃紙処理装置であって、
上記溶解槽は上記供給装置と上記圧縮脱水装置の設置面積に及ぶ広さで上向きに開放した受容口を有する角形の容器であって、当該容器の一角に配設された上記解繊槽に向かって緩やかに傾斜した底面を有することを特徴とする湿式廃紙処理装置。 - 請求項1記載の湿式廃紙処理装置であって、
上記解繊槽内には四枚の楔形平板からなる撹拌ブレードを有する撹拌装置が懸垂して配設されおり、当該解繊槽の外部であって当該撹拌装置の近傍には当該撹拌装置駆動用の電動モータが配設されていることを特徴とする湿式廃紙処理装置。 - 請求項1記載の湿式廃紙処理装置であって、
上記溶解槽の一角には上記溶解槽および上記解繊槽とそれぞれ一壁面を共有する角形のスラリー貯留槽が配設されていて、上記解繊槽との共有壁面には金網もしくは多孔板で構成された適当大きさの通水口が配設されていることを特徴とする湿式廃紙処理装置。 - 請求項1記載の湿式廃紙処理装置であって、
上記スラリーポンプはコ字形ブレードを有する容積形ポンプで、当該ポンプの吐出口が上記圧縮脱水装置のスラリー導入口と配管接合され上記スラリー貯留槽内に水没し懸垂して配設されていること、もしくは当該ポンプの吸込口が上記スラリー貯留槽の下部排出口とそして当該ポンプの吐出口が上記圧縮脱水装置のスラリー導入口とそれぞれ配管接合されて上記スラリー貯留槽の外部近傍に配設されていることを特徴とする湿式廃紙処理装置。 - 請求項1記載の湿式廃紙処理装置であって、
上記圧縮脱水装置は壁面に複数の通水用小孔を有する円筒形の脱水筒と当該脱水筒の内壁に装着した濾過布および当該濾過布の内面を摺動するピストンヘッドで構成されて上記溶解槽の受容口を跨ぐ架台上に配設されていること、そして上記ピストンヘッドは、通水可能な多数の細孔を有し、上記脱水筒内を往復運動するよう構成されて正逆回転駆動するサーボギアモータと連結されていることを特徴とする湿式廃紙処理装置。 - 請求項1記載の湿式廃紙処理装置であって、
上記ピストンヘッドの挿入口側の上記脱水筒の頂部には上記スラリー導入口が配設されており、上記脱水筒の反対側は上記繊維ブロックの排出口であって、複数の通水用小孔を有する上記排出ゲートが配設されていること、そして上記排出ゲートは60度正転逆転するよう構成されてギアモータと連結されていることを特徴とする湿式廃紙処理装置。
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2007
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