JPH0716366Y2 - 椅 子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は椅子、特に座った際に背中の中央へ自重による
押出感が得られ、背筋がのびることで心地がよい椅子、
それも主として座椅子に関する。

〔考案の背景〕

従来より、この種の椅子として背当て部の略中央の縦方
向の突出部を形成、特に形成素材を一体的に隆起させた
ものが知られている。しかしながら、この従来の椅子は
突出部が一体化されているため、使用者の体型や体格に
合わせた調整ができず、使用者が体をずらせる等の不合
理があった。

〔考案の目的〕

そこで、本考案は上記した従来の技術の問題点に着目
し、かかる問題点を解決するもので、背当て部に寄りか
かる動作のみで自動的に突出部が動き、背筋に対する刺
激を与えることができ、また、その動きは体型や体格に
関係なくフィットする椅子を提供することを目的として
いる。

〔考案の概要〕

この目的を達成するために本考案に係る椅子は、背当て
部分の略中央に縦方向の突出部を形成し、その突出部の
突出度をハンドルを備えたネジにより調整可能とした椅
子において、前記突出部は、フレームに架設された一対
の橋板と、その橋板に固着された支持板と、その支持板
に固着され、一端にハンドルを設けたネジを挿通させた
受板と、その受板のネジ挿通孔の周囲に備えた四組の蝶
番部と、その蝶番部の頂部に連結された支承板と、その
支承板に備えられた立壁と、その立壁に軸で揺動自在に
備えられた背当て板とより構成されていることを特徴と
している。

〔作用〕

上記した構成としたことによって、背当て部に寄りかか
ることで、突出部が背中の当り具合に応じて揺動し、ま
た体の動きに追従するので、背筋に対して、常に好適の
刺激が与えられ、非常に心地よいものになる。

〔実施例〕

次に、本考案の実施の一例を図面を参照して詳細に説明
する。

第１図は本考案が実施された座椅子１の斜視図であり、
この座椅子１は後述するフレームをスポンジで被包し、
更に、その囲りをカバーで包み込んだものとなってお
り、座部２と、その座部２の後端縁にラチェット機構等
で角度自在に停止させることができる背当て部３とによ
り構成されている。また、座部２の前縁には座った場合
に位置ずれを防止する突起部４が形成され、背当て部３
の略中央には縦方向に背中の中心部分と当接する突出部
５が形成されている。

この突出部５は第２図として示す構造となっている。即
ち、第２図は本考案の要部となる突出部５の斜視図であ
り、図中６・６は上端で連がり背当て部３を形成するパ
イプ状のフレームである。このフレーム６・６間には一
対の鋼板製の橋板７・７が架設され、両端をフレーム６
・６に熔着固定されている。また、この橋板７・７には
各々一対の支持板８・８…が内方へ向けて固着され、そ
の先端にネジ挿通孔9aを設けた受板９が固着されてい
る。さらに、前記したネジ挿通孔9aの周囲には四組の蝶
番部10・10…が配置され、その蝶番部10・10…の頂部に
支承板11が連結されている。この支承板11の略中央には
立壁12が設けられ、その立壁12の頂面には軸13が横架さ
れている。

一方、図中14は背当て板であり、この背当て板14は表面
にポリウレタン等の緩衝材15を貼装した鋼板製のもの
で、その後縁にはブラケット16が形成され、ブラケット
16に穿設された孔に前記軸13の両端が挿通されており、
その軸13を支点として背当て板14は揺動可能なものとな
っている。

また、前記支承板11の裏面にはネジ17がネジ挿通孔9aを
貫通して取付られ、そのネジ17の先端には背当て部３の
後面へ露出するハンドル18が装着されている。このハン
ドル18を回転させることがネジ17が前後方向へ移動し、
前記蝶番10・10…をパンタグラフ状に作動させて背当て
板14（突出部５）の背当て部３における突出度を調整す
ることができる。

即ち、上記した実施例によると、突出部５が形成されて
いる背当て部３に寄りかかると、背中の中央部分の一個
所が背当て板14の上端、あるいは下端を押し、逆端部が
せり出すこととなり、そのシーソー動作によって、背骨
近辺への刺激が与えられ、非常に心地のよいものとなっ
ている。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案に係る椅子によると、背当て部
に形成された突出部が可動状態となっているため、寄り
かかった際の背筋への刺激が体の動きに追従し、背筋が
のび、非常に心地よく、疲労をとりさることができるも
のとなっている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した座椅子の斜視図、第２図は同
突出部の構造を示す斜視図である。 １…座椅子、３…背当て部、５…突出部 ６…フレーム、７…橋板、10…蝶番部 11…支承板、13…軸、14…背当て板 17…ネジ、18…ハンドル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】背当て部分の略中央に縦方向の突出部を形
   成し、その突出部の突出度をハンドルを備えたネジによ
   り調整可能とした椅子において、前記突出部は、フレー
   ムに架設された一対の橋板と、その橋板に固着された支
   持板と、その支持板に固着され、一端にハンドルを設け
   たネジを挿通させた受板と、その受板のネジ挿通孔の周
   囲に備えた四組の蝶番部と、その蝶番部の頂部に連結さ
   れた支承板と、その支承板に備えられた立壁と、その立
   壁に軸で揺動自在に備えられた背当て板とより構成され
   ていることを特徴とする椅子。