JPH07163635A - 医薬液用遮光性軟質容器 - Google Patents

医薬液用遮光性軟質容器

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JPH07163635A
JPH07163635A JP5315043A JP31504393A JPH07163635A JP H07163635 A JPH07163635 A JP H07163635A JP 5315043 A JP5315043 A JP 5315043A JP 31504393 A JP31504393 A JP 31504393A JP H07163635 A JPH07163635 A JP H07163635A
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JP
Japan
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sheet
light
soft
copolymer
transmittance
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Pending
Application number
JP5315043A
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English (en)
Inventor
Yasushi Nakamura
靖 中村
Michiaki Takenaka
理映 竹中
Satoyuki Hojo
智行 北條
Osami Shinonome
修身 東雲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】可視光、紫外線等の光に起因する容器に内包さ
れた医薬用液体の変質を防止する。 【構成】波長域290〜420nmにおける水中透過率
が10%以下で、波長600nmにおける水中透過率が
60%以上の軟質プラスチックシートからなる医薬液用
遮光性軟質容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光によって変質を受けや
すい医薬特にビタミン類を含有する液を貯蔵するのに有
用な遮光性軟質容器に関する。
【0002】
【従来の技術】軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エ
チレン酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレン系コポリ
マーなどの軟質プラスチック製輸液容器が点滴時に通気
針なしでも(いわゆるクローズドシステムで)排液でき
る特徴が生かされて、広く用いられているのは周知の通
りである。
【0003】しかしながら、従来からのガラス製容器に
比して透明性やガスバリアー性が劣るのは否めない。こ
の透明性が特に問題となるのは容器に遮光性が要求され
る時である。即ち、内容液の医薬液を光から保護するに
は容器を着色するのが必須となるが、プラスチック材料
容器では元々の透明性が低いため着色を施すことによっ
て内容物が見にくくなり異物、微粒子などの検査が難し
くなるからである(見やすくするために着色度を下げる
と遮光効果が十分でなく内容物が変質してしまうことは
もちろんである)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は内容医
薬液を光から保護するのに十分な遮断効果と内容液の様
子を肉眼で観察できる透明性を持つ軟質プラスチック容
器を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題は
特定の光透過率変動を示す容器によって実現することを
知り、波長域290〜420nmにおける水中透過率が
10%以下で、波長600nmにおける水中透過率が6
0%以上の軟質プラスチックシートからなることを特徴
とする医薬液用遮光性軟質容器を要旨とする本発明に至
った。
【0006】本発明において用いられる軟質プラスチッ
クシートは曲げ弾性率(JIS K7203)が好まし
くは3,000kg/cm2 、より好ましくは2,50
0kg/cm2 のポリマー又は重合体組成物からなる、
厚さ0.05〜0.6mm、より好ましくは0.1〜
0.5mmのフレキシブルシートがよく、透明性(光透
過率)をも考えると次に示すポリマーまたは重合体組成
物をベース材料として選ぶのが適当である。
【0007】(イ)プロピレン、ブテン−1、ペンテン
−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテ
ン−1などのα−オレフィン類を2〜20モル%程度共
重合した密度0.908〜0.920g/cm3 の線状
低密度ポリエチレン(以下LLDPEと称す)。
【0008】(ロ)酢酸ビニル含量が5〜30重量%で
あるエチレン酢酸ビニルコポリマー(以下EVAと称
す)。
【0009】(ハ)アイソタクチックタイプもしくはシ
ンジオタクチックタイプの結晶性ポリプロピレン又はこ
れらを主成分とする結晶性コポリマー(以下PPと称
す)とアタクチックタイプのアモルファスポリプロピレ
ン又はこれを主成分とするコポリマー(以下APPと称
す)との重合体組成物(PPとAPPとの比率は重量で
30:70〜80:20程度がよい)。
【0010】(ニ)PPとブテン−1及び/又はイソブ
チレンを主成分とするポリブテン系アモルファスポリマ
ー(以下APBと称す)との重合体組成物(PPとAP
Bとの比率は重量で30:70〜60:40程度がよ
い)。
【0011】(ホ)PPとオレフィン系もしくはスチレ
ン系熱可塑性エラストマーとの重合体組成物(PPとエ
ラストマーとの比率は重量で30:70〜80:20程
度がよい)。オレフィン系エラストマーの代表例はプロ
ピレン含量が20〜40重量%のエチレンプロピレンコ
ポリマー(EP)であり、スチレン系エラストマーとし
てはポリスチレンとエチレンプロピレンコポリマーとの
ブロックコポリマー(SEPS)及びポリスチレンとエ
チレンブチレンコポリマーとのブロックコポリマー(S
EBS)がある。
【0012】(ヘ)(ハ)〜(ホ)において、PPの代
わりに結晶性ポリブテン−1(アイソタクチックポリブ
テン−1)を用いたもの。
【0013】なお、軟質ポリ塩化ビニルも柔軟性や透明
性で優れているが、可塑剤、廃棄処理などの問題が懸念
されるので、避けるのが好ましい。
【0014】本発明の容器は上記軟質プラスチックをシ
ートベース材料として構成されているのは前述の通りで
あるが、シートは単層構造だけでなく複層構造のものも
含まれるのは言うまでもなく(複層構造はシートの強
度、耐熱性、ガスバリアー性などの改良を目的として行
われるのが一般である。また、(ハ),(ニ),(ホ)
のような重合体組成物は粘着性がありブロッキングしや
すいので、(ハ)〜(ヘ)の層をPPやLLDPEの層
ではさんだサンドウィッチ構造にすることが薦められ
る。)、場合によってはポリエステルやポリアミドのよ
うな硬質プラスチックに属するものやエチレンビニルア
ルコールコポリマーの如きガスバリアー性ポリマーを本
発明の趣旨を損なわない範囲で複層させることができ
る。
【0015】冒頭に記載した如く、本発明の容器を構成
するシートの特徴は、 波長域290〜420nmにおける水中透過率が10
%以下であること及び波長600nmにおける水中透
過率が60%以上であることである。
【0016】まずの要件は、これより低い透過率の場
合、普通の明るさ(蛍光灯で照明された部屋の中の明る
さ)では容器中の医薬液の様子が肉眼ではよくわから
ず、異物、微粒子などを見逃す可能性が大きいことから
きており(ガラス製の褐色びんでも経験的に知られてい
る)、より好ましい透過率は65%以上である。
【0017】一方、の条件は通常医薬液として扱われ
る物質への光による影響を抑制するための条件である。
特にビタミンA,B2,C,Kなどは光による分解が指
摘されるが、の条件を保つことによって実用的な範囲
で安定である。より好ましいのは上記波長域における水
中透過率が7%以下であることである。
【0018】なお、波長域420〜550nmでの水中
透過率は任意であるが、450nm付近までは水中透過
率が20%以下(より好ましくは15%以下)で、それ
以上の波長域ではできるだけ高い透過率を示すのが遮光
効果と内部観察性をより確かにする点で妥当である。
【0019】,の条件を満たす容器シートは軟質プ
ラスチックや遮光剤(着色剤)の選定、組合せ、シート
の厚さの調節、添加剤の導入量によって適宜選択され
る。ここで特に重要なのは遮光剤の選択であり、安全
性、医薬液への溶出など種々の点から保証されねばなら
ない。
【0020】本発明の容器は通常公知の方法で得られ
る。例えば、遮光剤を含有するポリマーまたは重合体組
成物をTダイあるいはサーキュラーダイを介して押出
し、得られたフラット状のシート、チューブ状のシー
ト、パリソンなどについてサーモフォーミング、ブロ
ー、延伸、裁断、融着などの手法を適宜活用して所定の
形状、形態に加工すればよい。遮光剤は押出し成形以前
の任意の工程で行われ得る。なお、シートが複層の場合
遮光剤は必ずしも(イ)〜(ヘ)で示したような軟質ポ
リマーまたは重合体組成物自体に添加されていることを
要しない。即ち、シートが全体として軟質であればよ
く、「硬質」ポリマー層に添加されていてもよい。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではな
い。
【0022】なおここで使用したシート(フィルム)は
すべて無延伸物である。
【0023】(実施例1〜5、比較例1〜3) (1)シートについて 原料ポリマー:表1に示す各種のLLDPEペレット
及び遮光剤(着色剤)入りLLDPEペレットを用意し
た。
【0024】
【表1】
【0025】2層シートの作製:表1のペレットを用
い、2層用のインフレダイから180℃でチューブ状の
シートを押出し、20℃の水で水冷し、厚さ0.35m
m、折径130mmのインフレシートを6m/分の速度
で押出した。表2にその構成を示すが、遮光剤の量は
(A2 )のペレットと(B1 )もしくは(B2 )のペレ
ットとを所定の割合で混合することによって調整した。
【0026】シートの柔軟性の評価:で得られたシ
ートをダンベル状に裁断し、JISK 7113に準じ
て引張弾性率を測定し、柔軟性の尺度とした。
【0027】シートの水中透過率の測定:で得られ
たシートを用いてバッグ(40×180×130mmの
偏平状の形状で、一方の端部にはゴム栓が装着された高
密度ポリエチレン樹脂製の硬質の筒状の排液ポートが固
着されている)にブドウ糖約15wt/v%とアミノ酸
類約3wt/v%を含む水溶液からなる輸液剤を300
ml内蔵させ、110℃で20分間の高圧蒸気滅菌を施
した。室温まで冷却し、暗所で48時間放置後、シート
を切り取り、島津ダブルビーム型自記分光光度計UV−
300にて波長290〜420nmの領域及び波長60
0nmにおける水中透過率を測定した。表2にその結果
を示す。
【0028】重金属及び溶出物試験:日本薬局方一般
試験法「輸液用プラスチック容器試験法」に準じ、で
得られたシートについて試験を行った。
【0029】遮光製の評価:と同様にして得た輸液
入り容器にゴム栓を通して日本化薬(株)製ネオミラン
マルチ1.5mlを注入配合し、白色蛍光灯で照射(照
度500ルックス)した。照射前、24時間後及び48
時間後のビタミン(A,B2,C,K1 )残存量を高速
液体クロマトグラフィーを用い測定した。その結果を表
3に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】(2)評価結果 シートの柔軟性:実施例1〜5及び比較例1,2のシ
ートの引張弾性率は1,500kg/cm2 前後であ
り、比較例3の場合は1,900kg/cm2 であっ
た。これらはいずれも軟質輸液容器用のシートとして十
分な柔軟性である。
【0033】シートの透明性(内部観察のしやす
さ):表2に示す如く比較例2及び3では600nmで
の水中透過率は60%未満である。比較例2では遮光剤
の濃度が高すぎるためであり、比較例3では主原料であ
るLLDPE(X2 )の透明性が低いことに起因する。
本発明者ら以外の技術者に容器サンプルを見せたとこ
ろ、10名中8名は「内部が見にくい」という意見であ
る。
【0034】一方実施例1〜5、比較例1については、
10名全員が「問題ない程度に内部観察できる」と判断
している。
【0035】シートの安全性:実施例及び比較例いず
れの組成においても、重金属及び溶出物は「輸液用プラ
スチック容器試験法」の規格をクリアーすることが確認
された。
【0036】シートの遮光効果:表3の結果から29
0〜420nmの領域の透過率が10%以下で極めて良
好な遮光効果であり、ビタミンCのような耐光性の乏し
いものの場合でも良好であることがわかる。これに対
し、透過率の高いものでは(比較例1)、ビタミンの著
しい分解が見られ実用化困難である。
【0037】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の軟質容器は適
度の透明性(内部観察のしやすさ)を保ちつつ実用的な
遮光効果を示し、医薬液の保存容器として極めて高い価
値を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東雲 修身 静岡県富士宮市三園平818番地 テルモ株 式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長域290〜420nmにおける水中
    透過率が10%以下で、波長600nmにおける水中透
    過率が60%以上の軟質プラスチックシートからなるこ
    とを特徴とする医薬液用遮光性軟質容器。
JP5315043A 1993-12-15 1993-12-15 医薬液用遮光性軟質容器 Pending JPH07163635A (ja)

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JP (1) JPH07163635A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005247819A (ja) * 2003-09-30 2005-09-15 Rohto Pharmaceut Co Ltd 透明包装体入りトラニラスト含有医薬製剤
JP2011063624A (ja) * 2003-09-30 2011-03-31 Rohto Pharmaceutical Co Ltd 透明包装体入りトラニラスト含有医薬製剤

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