JPH07163316A - 高周波による卵料理の調理方法およびその保温容器 - Google Patents

高周波による卵料理の調理方法およびその保温容器

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JPH07163316A
JPH07163316A JP5314931A JP31493193A JPH07163316A JP H07163316 A JPH07163316 A JP H07163316A JP 5314931 A JP5314931 A JP 5314931A JP 31493193 A JP31493193 A JP 31493193A JP H07163316 A JPH07163316 A JP H07163316A
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container
food
heat
heat insulation
heating
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JP5314931A
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Kazumi Hirai
和美 平井
Kenzo Morishita
謙三 森下
Naoko Yamanaka
尚子 山中
Kumiko Noma
久美子 野間
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 茶碗蒸し等の卵料理を、高周波加熱と保温に
より仕上がり良く、短時間で加熱調理する調理方法を提
供する。 【構成】 加熱室21に電波を照射する高周波発生手段
23、29と、加熱室21内に低誘電率材料によって構
成した本体容器34と棚35と蓋37を設け、本体容器
34内の棚35の上に低誘電率材料による食品容器38
と、前記食品容器38の上面を電波反射材料によるカバ
ー40で覆う構成で高周波加熱を行った後、前記食品容
器38を本体保温容器42および保温蓋43内に収納し
保温加熱を行う。 【効果】 食品に照射される電波を規制し、食品をこの
電波による高周波加熱と、蒸気によるスチーム加熱をし
た後、保温用容器内で保温加熱を行うことにより卵料理
を仕上がり良く、短時間で加熱調理できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電波で被加熱物を加熱し
た後、保温容器によって保温加熱する調理方法および保
温容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】茶碗蒸しなどの卵調理は、急激に食品の
温度が上昇すると、巣の発生や破裂を起こすなど、うま
く調理できない。
【0003】このため従来より高周波加熱装置におい
て、卵調理を行うには、食品に電波が直接照射されない
ように、電波遮蔽を行い、加熱室内に置いた水を電波で
加熱し蒸気を発生させて、この蒸気で間接的に食品を加
熱するようにするなど、食品の急激な温度上昇を抑えて
加熱を行っている。
【0004】以下図7、図8とともに従来例について説
明する。図7は従来の高周波加熱装置の断面図である。
加熱室1には上面に高周波発生手段であるマグネトロン
2を設けている。加熱室1内には低誘電率材料によって
構成した容器本体3を設け、容器本体3には、金属によ
って構成した内容器4と蓋5を設ける。内容器4の底部
には、電波を透過せずに蒸気を透過する小孔6を有す
る。内容器4には食品容器7を配置し、食品容器7には
茶碗蒸しなどの卵料理の食品8を入れる。容器本体3の
底面には水9を入れている。
【0005】マグネトロン2からの電波は本体容器3内
の水9を高周波加熱する。内容器4と蓋5は金属によっ
て構成されているので、電波は反射し食品容器7および
食品8には電波は照射されない。容器本体3内の水9は
高周波加熱されることによって沸騰し蒸気を発生する。
この蒸気は小孔6を通って矢印で示すように内容器4内
に入り、食品をスチーム加熱する。
【0006】図8は従来の別の高周波加熱装置の断面図
である。加熱室11には上面にマグネトロン12を設け
ている。加熱室11の底面には低誘電率材料による受け
皿13を設け、食品容器14を載置している。食品容器
14内には茶碗蒸しなどの食品15を入れる。食品容器
14の上面はアルミ箔や金属板などの電波反射材料によ
って構成した蓋16で覆う。
【0007】マグネトロンからの電波は食品15に対し
て、上面は遮蔽され、下方の電波のみが照射され、高周
波加熱される。これによりす立ちや破裂の起こりやすい
上面からの電波を弱くして、急激な加熱を抑え、ゆっく
りと加熱をすることにより調理の出来映えを良くしよう
としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成において、まず図7に示す従来例では、食品は
電波から完全に遮蔽され、高周波加熱はされない。容器
本体内の水だけが高周波加熱され、これによって発生し
た蒸気によって食品を間接的に加熱するものなので、加
熱の効率は悪く、加熱時間が長くかかるという欠点があ
った。
【0009】また図8に示す従来例では、電波の一部は
直接食品に照射されるので、どうしても加熱むらがでや
すい。このむらが出ないようにするためには、電波の出
力を弱くする必要があり、これによっても加熱時間が長
くかかるという欠点があった。 このような従来の方法
では加熱時間は20分〜35分程度かかるのが一般的で
あった。また金属によって構成した内容器4と蓋5との
間に2〜4mm程度のわずかな隙間を設け、全出力の1
/10程度のマイクロ波を食品に照射することも一部実
施されていたが、35分の調理時間が5分程度短縮され
るだけであった。
【0010】そこで、本発明は茶碗蒸しなどの卵料理
を、短時間で加熱調理するとともに、一度に大量に提供
することを第1の目的としている。
【0011】また第2の目的は食品を効率よく保温調理
を行い、しかも移動などの取り扱いが容易な保温容器を
提供することにある。
【0012】さらに第3の目的はより大量の食品の保温
調理を行うことが出来る保温容器を提供することにあ
る。
【0013】そして第4の目的は食品の持ち帰りなど、
持ち運びの容易な保温容器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち加熱室と、前記
加熱室に電波を照射するように結合された高周波発生手
段を備えた高周波加熱装置と、前記加熱室内に低誘電率
材料によって形成した蓋付きの本体容器を収納し、前記
本体容器内に蒸気を発生するための水と、上面に電波反
射材料からなるカバーを有する低誘電率材料からなる食
品容器を挿入し、前記食品容器内の食品を高周波加熱を
行った後、前記食品容器を前記加熱室外に設置した断熱
材料からなる保温容器内に収納し保温加熱を行う卵料理
の調理方法とした。
【0015】また保温容器は断熱材料からなる本体保温
容器と、保温蓋とにより構成し、前記保温容器内には複
数個の食品容器を収納する構成とし、前記本体保温容器
の内面は、前記それぞれの食品容器の底面と側面に略密
着する形状とした。
【0016】さらに保温容器は本体保温容器と保温蓋と
により構成し、前記保温容器内には複数個の食品容器を
収納する構成とし、本体保温容器の底面と保温蓋の上面
にはそれぞれが嵌合するような凹凸部を形成した。
【0017】そして保温容器は断熱材料からなる本体保
温用器と保温蓋とにより構成し、前記保温容器内には食
品容器を略密着して収納する構成とし、前記保温容器に
は持ち運び用の取っ手を設けた。
【0018】
【作用】本発明の高周波加熱と保温による卵料理の調理
方法は、本体容器内の底面に入れた水を、加熱室の電波
が加熱し、本体容器内に蒸気を満たす。本体容器内に載
置した食品容器内の食品は、電波による高周波加熱と、
蒸気によるスチーム加熱の両方により加熱される。食品
容器の上面は電波反射材料によるカバーで覆うので、特
に電波加熱の進みやすい食品の上面の加熱を抑え、均一
な加熱を行う。本体容器内の蒸気は電波を吸収するの
で、電波は直接食品に照射されることなく、減衰した状
態で照射されるので、食品の急激な温度上昇を抑える作
用もある。
【0019】このように食品は高周波と、スチームの両
方で加熱されるので、急激な加熱を抑えながら、しかも
効率よく短時間で加熱できる。
【0020】そして食品は高周波加熱の後、保温容器内
で一定温度を保つことにより加熱が続行される。これに
より食品は、卵の凝固点以上に著しく温度が上昇するこ
とを防ぎながら、均一にしかもゆっくりと卵のゲル化が
進み、美しい光沢を持ち、すだちがなく、口に入れて舌
触りがなめらかな性状のよい卵調理が出来上がる作用を
する。
【0021】また保温容器内には複数個の食品容器を収
納する構成とし、本体保温容器の内面は、それぞれの食
品容器の底面と側面に略密着する形状としたことによ
り、保温容器の断熱性能が良くなるとともに、保温容器
内で食品容器の位置が固定され、移動によって食品がこ
ぼれたりすることを防止する作用をする。
【0022】さらに保温容器内には複数個の食品容器を
収納する構成とし、本体保温容器の底面と保温蓋の上面
にはそれぞれが嵌合するような凹凸部を形成したことに
より、保温容器を多段に積み上げても位置がずれること
を防止し、多数個の保管を容易にする。
【0023】そして保温容器には持ち運び用の取っ手を
設けたことにより、持ち運び中においても加熱調理が進
行できるようにし、時間を有効に活用するとともに、食
品の持ち帰りなどの持ち運びを可能にする。
【0024】
【実施例】以下本発明の一実施例による高周波加熱と保
温による卵料理の調理方法および保温容器について図面
とともに説明する。
【0025】(実施例1)図1は本発明の一実施例によ
る高周波加熱装置の断面図である。図1に示すように、
加熱室21の下部には導波管22を連結して設ける。導
波管22には電波発生手段であるマグネトロン23を設
ける。マグネトロン22からの電波は、導波管22の開
口24から加熱室21内に照射される。電波撹拌羽根2
5はモータ26により回転駆動し、加熱室21内の電波
を均一に撹拌する。27は結晶化ガラスなどの電波透過
性材料によって構成した受け台である。
【0026】加熱室21の上部には導波管28を設け
る。導波管27にはもうひとつの電波発生手段である上
マグネトロン29を設け、上マグネトロン29からの電
波は、導波管28を介して上開口30から加熱室21内
に照射される。電波撹拌羽根31はモータ32により回
転駆動し、加熱室21内の電波を均一にする。加熱室2
1の上部には電波透過性の材料で構成した仕切板33を
設ける。
【0027】受け台27の上面には電波透過性の低誘電
率材料によって構成した本体容器34を載置する。本体
容器34内には、同じく低誘電率材料によって構成した
棚35を設ける。棚35には蒸気を透過する小孔36を
設けている。
【0028】本体容器34の上部には、低誘電率材料に
よる蓋37を設け、本体容器34の上面を覆い、蒸気を
閉じこめる構成である。棚35の上には、陶器などの低
誘電率材料による食品容器38を載置し、その中には茶
碗蒸し、プリンなどの卵料理である食品39を入れる。
食品容器38の上面は、アルミなどの金属材料によって
構成したカバー40をかぶせる。カバー40は食品39
の表面よりも図のように深くかぶっている方がよい出来
映えとなった。本体容器34の底部には、水41または
湯を入れる。
【0029】マグネトロン23、29からの電波は、本
体容器34内の水41を加熱し蒸気を発生するととも
に、一部の電波は食品39を高周波加熱する。
【0030】蒸気は小孔36を通って本体容器34内に
充満し、食品容器38や食品39をスチーム加熱する。
カバー40は食品の上面から直接照射される電波を反射
し、食品の側面や底面から照射されるように規制する。
食品39に照射された電波は、食品を高周波加熱する。
【0031】実施例では加熱室の上下から電波を照射す
る構成を説明したが、加熱室内への電波の給電の仕方
は、加熱の必要に応じていろいろな方法があり、この構
成に限定されるものではない。
【0032】図2は、本発明による保温容器の一実施例
を示す。本体保温容器42は発泡スチロール、発泡ポリ
プロピレンなどの樹脂のように内部に空気層を持ち断熱
性能を有する材料で構成し、内部に収納部を構成する。
本体保温容器42の上面には同じく断熱性の材料で構成
した保温蓋43を設ける。本体保温容器42と保温蓋4
3は密閉良く嵌合し、内部の空気が外へ漏れないような
形状としている。本体保温容器42の内部には、高周波
加熱を行って温度が高くなっている食品39および食品
容器38を収納する。
【0033】本発明による調理方法は、図1に示す高周
波加熱装置により卵料理を高周波加熱を行った後、図2
に示すような保温容器の中で高温を保持することによっ
て加熱調理を完成させる構成の調理方法である。
【0034】図3は、このような本発明による調理方法
を行ったときの食品温度の変化を加熱および保温時間の
経過と共に示したものである。図3において実線は本発
明による調理の状態を示す。食品はまず高周波加熱装置
によりA時点まで加熱する。卵のタンパク質の凝固温度
の関係より、この場合には高周波加熱の途中より電波の
出力を弱くして約80℃になるように出力を制御してい
る。A時点まで高周波加熱をした後、食品容器を取り出
して保温容器の中に収納し保温を行う。保温容器内では
食品は、高周波加熱の後の高温度を一定に保持する。こ
れにより卵のタンパク質は均一に凝固を行いゲル化す
る。B時点で食品を保温容器から取り出したものである
が、調理は保温容器に収納した数分後のC時点で完了し
ている。この時点で取り出しても良いが、すぐに食しな
い場合はそのまま保温を続けておけば、食品はさめるこ
となく温度の高いまま保持されるので、温かい食品を提
供することができる。
【0035】破線は保温容器を使用せず、高周波加熱だ
けで調理を行った状態を示している。この場合はC時点
まで加熱を行い、卵のタンパク質が完全に凝固するまで
高周波加熱装置の中で調理を行っている。その後取り出
し食に供している。
【0036】以下に本発明の具体的な実施例を示す。出
力1400Wの高周波加熱装置で茶碗蒸し4人分を高周
波加熱を行った後、保温容器で保温加熱する調理方法を
行ったところ、高周波加熱の時間が2〜5分、保温時間
は1分以上あれば良好な仕上がりが得られた。前記時間
の幅は本体容器内に入れる水の初期温度、食品の初期温
度、食品の分量、食品容器の形状などの条件の違いによ
るものである。
【0037】また高周波加熱の時間はその後の保温時間
の長さにもよって変わり、保温時間が長い場合は高周波
加熱の時間は短くなった。
【0038】そして本発明の保温容器で、調理とその後
の保温を行ったところ、高周波加熱後の温度が80℃の
とき、1時間後で約75℃、2時間後で約70℃とな
り、この状態でも十分温かい料理が提供できることが判
った。
【0039】このように本発明では短時間で加熱調理で
き、しかも長時間温かい状態を維持できるので、レスト
ラン等で業務用加熱機器として、お客様からの料理の注
文に応じて温かい料理が提供できるという、実用性の高
い効果を発揮できる。
【0040】(実施例2)図4は本発明における他の実
施例における保温容器の断面図である。
【0041】本体保温容器44は発泡スチロール、発泡
ポリプロピレンなどの樹脂のように内部に空気層を持ち
断熱性能を有する材料で構成する。本体保温容器内44
には複数個の食品容器38を収納する構成とし、保温容
器内面45はそれぞれの食品容器38の底面と側面に密
着する構成としている。食品容器38の内部には食品3
9を収納する。本体保温容器44の上面には同じく断熱
性の材料で構成した保温蓋46を設け蓋をする。本体容
器44と保温蓋46は密閉良く嵌合する形状としてい
る。
【0042】さらに本体保温容器44の底面には凹部4
7を設け、保温蓋46の上面には凸部48を設けてい
る。
【0043】(実施例3)図5は保温容器を多数個多段
に設置している状態を示す。多段に設置するときには本
体保温容器44の凹部47と保温蓋46の凸部48が嵌
合する構成としている。これにより多段積みの時の積み
上げの安定性を良くしている。レストラン等で注文が集
中する、昼食時間や夕食時間にはあらかじめ数時間前か
ら作り置きして保温容器で保温して置くような使い方の
場合でも、大量の保温容器がかさばらずに積み上げ収納
しておけるという実用性を発揮する。凹部47および凸
部48は図のような形状だけでなく、お互いに嵌合する
形状であればどんな形状であってもその効果を発揮でき
る。
【0044】(実施例4)図6は本発明における他の実
施例における保温容器の断面図である。断熱材料で構成
した本体保温容器49の内部には、食品39を入れた食
品容器38を収納する。本体保温容器49の上面は断熱
材料で構成した保温蓋50により蓋をする。本体保温容
器49には紐などで構成した持ち運び用の取っ手51を
設ける。高周波加熱した後、加熱途中の食品をこの本体
保温容器49に移しておけば、持ち運び中に加熱が進
み、加熱を完了することができる。取っ手により持ち運
びが楽に出来るとともに、持ち帰り後温かい料理を食べ
られるという効果を発揮できる。
【0045】なお前記実施例においては本体容器内に蒸
気の通過部を有する低誘電率材料によって形成した棚を
用いた場合について述べたが、必ずしも低誘電率材料で
なくてもよく、例えば金属材料であってもよい。
【0046】また実施例では棚を用いた場合について述
べたが、この棚は食品容器の下部が本体容器に入れた水
に浸かるのを防ぐのを目的としたものである。したがっ
て本体容器に凸部を設けたり、食品容器の底部に凸部を
設けたり、あるいは食品容器を中空に保持する等の手段
により前記目的を達成することが出来る。
【0047】さらに、食品容器の下部を水に浸してもよ
いが、調理終了後食品容器の下部の水分をふき取らなけ
ればならない場合はやっかいである。
【0048】また、本体容器及び食品容器を低誘電率材
料を用いた場合について説明したが、ここでいう低誘電
率材料とは高周波が透過可能な材料という意味である。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明の高周波加熱と保温
による卵料理の調理方法によれば、以下の効果が得られ
る。すなはち卵の調理は卵の熱凝固性を利用した調理で
あり、過熱はゲルを凝固させて離漿を起こす傾向があ
る。したがって凝固点以上に著しく加熱しないように、
また凝固点までの温度上昇速度をなるべく小さく、しか
も均一にするように温度管理を行うことが必要である。
本発明によればこのような微妙な加熱条件が必要な卵料
理の調理を上手に仕上げ、性状の良い出来映えを得るこ
とが出来る。以下に効果の詳細を述べる。
【0050】(1)加熱室に電波を照射すると、大部分
の電波は本体容器内の底面にいれた水を直接高周波加熱
する。これにより蒸気を発生し、本体容器内に蒸気を満
たす。また残りの電波は、食品に照射される。これによ
り食品は蒸気によるスチーム加熱と、電波による高周波
加熱の両方により加熱される。高周波加熱された蒸気だ
けによるスチーム加熱に比べて、より効率よく短時間で
加熱調理を行うことができる。加熱室の下面から電波を
加熱室内に照射する構成の場合は、電波は本体容器内の
水を直接高周波加熱するるので、蒸気の発生効果はよく
なりスチーム加熱がより効率よく行われる。
【0051】(2)本体容器内に充満する蒸気は電波を
一部吸収するので、電波は直接食品に照射されることな
く、減衰した状態で照射されるので、食品の急激な温度
上昇を抑える。これにより食品容器内の食品である卵の
温度をむらが無く均一な状態で、仕上がりよく加熱する
ことが出来る。
【0052】(3)食品容器の上面は電波反射材料によ
るカバーで覆うので、特に電波加熱の進みやすい食品の
上面の加熱を抑え、食品の全体を均一に加熱することが
できるようになる。このカバーの働きにより本体容器内
の電波が比較的強くても食品に支障を与えないので、電
波が強くできる分、加熱時間を短くすることにつながっ
ている。
【0053】(4)食品には蒸気が加えられるので、電
波だけによる高周波加熱に比べて、食品の水分が蒸発し
て乾燥してしまうことも防止でき、しっとりとした仕上
がりが得られる。
【0054】(5)そして食品は高周波加熱の後、保温
容器に移すことにより保温容器内で一定温度を保った状
態で加熱が続行される。保温容器内の食品は保温効果と
食品内部の熱移動すなわち、温度の高い部分の熱が温度
の低い部分に移動することにより、食品内部の温度を均
一にする。これにより食品は、卵の凝固点以上に著しく
温度が上昇することを防ぎながら、均一にしかもゆっく
りと卵のゲル化が進み、美しい光沢を持ち、すだちがな
く、口に入れて舌触りがなめらかな性状のよい卵調理が
出来上がる効果を発揮する。
【0055】(6)加熱の仕上げは保温容器内で行うの
で、その分高周波加熱の時間は短くても済み、高周波加
熱装置による時間当たりの加熱できる食品数を多くする
ことが出来、大量の食品を提供でき効率的である。また
高周波加熱の時間が短縮できることは、消費電力が少な
くて済み、省エネルギーで経済的である。これらの効果
はレストランなどで業務用として営業する場合にはきわ
めて有効である。
【0056】(7)加熱の仕上げを保温容器内で行った
後、そのまま保温しておけば温かい料理をそのまま保存
しておくことが出来る。これによりあらかじめ料理を作
り置きしておくことが出来る。レストランやホテルにお
いて時間の余裕のある時間帯に作り置きをしておき、お
客様から集中して注文があったときや、昼食時や夕食時
のように忙しい時間帯においては、保温容器内の食品を
取り出して提供するだけというような作業をすることが
出来る。これによりお客様を待たせることなく温かい料
理をすぐに提供でき、サービスの向上が出来るととも
に、調理作業の平準化が出来、労力の低減が出来楽であ
るばかりでなく、調理人も少なくて済み経営効果も高ま
り経済的である。
【0057】(8)また保温容器内には複数個の食品容
器を収納する構成とし、本体保温容器の内面は、それぞ
れの食品容器の底面と側面に略密着する形状としたこと
により、保温容器の断熱性能が良くなるのでより保温時
の調理をより効率よく行うことが出来るとともに、保温
時間も長くできるので調理作業のオペレーションもより
自由度が増す。また保温容器内で食品容器の位置が固定
され、移動によって食品がこぼれたりすることを防止す
るので扱いが容易となり、これらのことにより調理作業
はより容易となる。
【0058】(9)さらに保温容器内には複数個の食品
容器を収納する構成とし、本体保温容器の底面と保温蓋
の上面にはそれぞれが嵌合するような凹凸部を形成した
ことにより、保温容器を多段に積み上げても位置がずれ
ることを防止し、多数個の保管を容易行うことが出来、
狭いところでも保管が出来るとともに、扱いの作業が楽
に出来ることになる。保管中においても食品は保温容器
内で高温状態で保存でき雑菌の繁殖もなく、また埃など
がつくこともなく衛生的である。
【0059】(10)保温容器には持ち運び用の取っ手
を設けたことにより、高周波加熱の後保温容器に移し持
ち運び中においても加熱調理が進行するので、お客様を
長時間待たせることなく、持ち帰り用の食品が提供でき
時間を有効に活用出来る。食品の持ち帰りなどの持ち運
びを可能とし、どこでも温かい卵料理を食することが出
来るようになる。
【0060】以上のように本発明によれば、なめらかで
美しい光沢を持ち「すだち」がなく、口に入れて舌ざわ
りがなめらかであり、くずしたとき分離する液量が少な
い性状の良いおいしい卵料理を簡単にしかも効率よく提
供できるという実用性の高い効果を発揮できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における高周波加熱装置の断
面図
【図2】本発明の一実施例における保温容器の断面図
【図3】本発明による調理方法を行ったときの食品温度
の変化を加熱および保温時間の経過と共に示す特性図
【図4】本発明の他の実施例における保温容器の断面図
【図5】本発明の一実施例における保温容器を多段に設
置した状態を示す断面図
【図6】本発明の他の実施例における保温容器の断面図
【図7】従来の高周波加熱装置の断面図
【図8】従来の他の高周波加熱装置の断面図
【符号の説明】
21 加熱室 23、29 マグネトロン(高周波発生手段) 34 本体容器 37 蓋 38 食品容器 39 食品 40 カバー 42、44、49 本体保温容器 43、50 保温蓋 47 凹部 48 凸部 51 取っ手
フロントページの続き (72)発明者 野間 久美子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱室と、前記加熱室に電波を照射するよ
    うに結合された高周波発生手段を備えた高周波加熱装置
    と、前記加熱室内に低誘電率材料によって形成した蓋付
    きの本体容器を収納し、前記本体容器内に蒸気を発生す
    るための水と、上面に電波反射材料からなるカバーを有
    する低誘電率材料からなる食品容器を挿入し、前記食品
    容器内の食品を高周波加熱を行った後、前記食品容器を
    前記加熱室外に設置した断熱材料からなる保温容器内に
    収納し保温加熱を行うことを特徴とする高周波による卵
    料理の調理方法。
  2. 【請求項2】保温容器は断熱材料からなる本体保温容器
    と、保温蓋とにより構成し、前記保温容器内には複数個
    の食品容器を収納する構成とし、前記本体保温容器の内
    面は、前記それぞれの食品容器の底面と側面に略密着す
    る形状とした構成の請求項1記載の卵料理の保温容器。
  3. 【請求項3】保温容器は本体保温容器と保温蓋とにより
    構成し、前記保温容器内には複数個の食品容器を収納す
    る構成とし、本体保温容器の底面と保温蓋の上面にはそ
    れぞれが嵌合するような凹凸部を形成した請求項1記載
    の卵料理の保温容器。
  4. 【請求項4】保温容器は断熱材料からなる本体保温用器
    と保温蓋とにより構成し、前記保温容器内には食品容器
    を略密着して収納する構成とし、前記保温容器には持ち
    運び用の取っ手を設けたことを特徴とする請求項1記載
    の卵料理の保温容器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101404928B1 (ko) * 2012-12-13 2014-06-10 김영식 다용도 냄비

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KR101404928B1 (ko) * 2012-12-13 2014-06-10 김영식 다용도 냄비

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