JPH07163303A - 食品添加物及びその製造方法 - Google Patents

食品添加物及びその製造方法

Info

Publication number
JPH07163303A
JPH07163303A JP5314700A JP31470093A JPH07163303A JP H07163303 A JPH07163303 A JP H07163303A JP 5314700 A JP5314700 A JP 5314700A JP 31470093 A JP31470093 A JP 31470093A JP H07163303 A JPH07163303 A JP H07163303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
buckwheat
globulin
aqueous solution
food additive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5314700A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kawakami
晃 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takano Co Ltd
Original Assignee
Takano Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takano Co Ltd filed Critical Takano Co Ltd
Priority to JP5314700A priority Critical patent/JPH07163303A/ja
Publication of JPH07163303A publication Critical patent/JPH07163303A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ソバ種子等のリジン成分に富む植物種子から
抽出された植物性タンパク質を主成分とし、且つ安全に
摂取し得る食品添加物の製造方法を提供する。 【構成】 植物性タンパク質を主成分とする食品添加物
を植物種子から製造する際に、該植物種子としてソバ種
子を使用し、前記ソバ種子の粉末をヘキサン等の溶媒に
よって脱脂した後、無機塩水によって抽出してグロブリ
ン成分及びアルブミン成分を含有する水溶液を得、次い
で、前記水溶液から等電点沈殿法によってグロブリン成
分を主成分とする沈殿物を沈殿させることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品添加物及びその製造
方法に関し、更に詳細には植物性タンパク質を主成分と
する食品添加物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンパク質は栄養素として人体に不可欠
である。特に、植物性タンパク質の摂取は、動物性タン
パク質の摂取に比較して成人病発症という欠点が少ない
ため、大豆タンパク質や小麦グルテン等は単離され食品
に利用されている。ところで、植物性タンパク質の一種
であるソバタンパク質も、必須アミノ酸の含有量が高
く、特に、リジン成分が高含有量であることが知られて
いる。かかるソバタンパク質を含むソバ種子は、従来、
種子粉末を製麺又は湯中に溶いて蕎麦掻等として食され
ている。この様な従来のソバ種子の食法は、ソバ中に含
まれている難水溶性植物繊維やタンニン質のため、タン
パク質の消化吸収率が低いという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来のソバ種子
の食法の欠点を解消し、タンパク質の消化吸収率を高め
るため、ソバ中の難水溶性植物繊維やタンニン質を除去
すべく、ソバ種子中のソバタンパク質を抽出することが
考えられる。しかしながら、ソバタンパク質は、アレル
ギーの原因となるアレルゲンタンパク質が含まれてお
り、ソバアレルギー患者は摂取することができない。一
方、ソバタンパク質は、成人病予防等の観点から摂取す
べき植物性タンパク質であるため、アレルギー患者でも
安全に摂取できるように、アレルゲンタンパク質を除い
た食品添加物が望まれている。そこで、本発明の目的
は、ソバ種子等のリジン成分に富む植物種子から抽出さ
れた植物性タンパク質を主成分とし、且つ安全に摂取し
得る食品添加物及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成すべく検討した結果、ソバ種子の粉末を塩水抽出し
て得られた水溶液の温度及びpH値を調節し、等電点沈
殿法によって得られた沈殿物は、主成分がグロブリン成
分から成る植物性タンパク質であって、アレルゲンタン
パク質が実質的に除去されていることを見出し、本発明
に到達した。すなわち、本発明の第1の発明は、植物性
タンパク質を主成分とする食品添加物において、該食品
添加物がソバ種子等のリジン成分に富む植物種子から抽
出されたグロブリン成分を主成分とすると共に、前記グ
ロブリン成分よりも水溶性に富むアレルゲンタンパク質
が実質的に非含有であることを特徴とする食品添加物で
ある。
【0005】また、本発明の第2の発明は、植物性タン
パク質を主成分とする食品添加物を、ソバ種子等のリジ
ン成分に富む植物種子から製造する際に、該植物種子の
粉末を無機塩水抽出してグロブリン成分及びアルブミン
成分を含有する水溶液を得た後、前記水溶液から等電点
沈殿法によってグロブリン成分を主成分とする沈殿物を
沈殿させることを特徴とする食品添加物の製造方法にあ
る。更に、本発明の第3の発明は、植物性タンパク質を
主成分とする食品添加物を植物種子から製造する際に、
該植物種子としてソバ種子を使用し、前記ソバ種子の粉
末をヘキサン等の溶媒によって脱脂した後、無機塩水に
よって抽出してグロブリン成分及びアルブミン成分を含
有する水溶液を得、次いで、前記水溶液を温度0〜20
℃で且つpH値3.8〜5に調整し、グロブリン成分を
主成分とする沈殿物を沈殿させることを特徴とする食品
添加物の製造方法にある。
【0006】
【作用】ソバアレルギー等のアレルギーを惹起するアレ
ルゲンタンパク質の分子量は約8000程度であって、
電気泳動法等の分析によれば、アルブミン成分中にアレ
ルゲンタンパク質が確認された。このため、分離工程に
おいて、グロブリン成分を沈殿せしめ且つアルブミン成
分を溶解分離させることができれば、アレルゲンタンパ
ク質はアルブミン成分が溶解している溶液側に移動す
る。この点、本発明においては、特定範囲のpH値・温
度に水溶液を調整してグロブリン成分のみを沈殿させる
等電点沈殿法を使用するため、アレルゲンタンパク質等
が実質的に除去されたグロブリン成分から成る食品添加
物を得ることができるのである。更に、かかる食品添加
物の主成分であるグロブリン成分は、ソバ種子等のリジ
ン成分に富む植物種子から抽出されてものであるため、
最終的に得られる食品添加物はリジン成分に富むもので
ある。就中、ソバ種子粉末から抽出された水溶液の温度
・pH値を調整し、等電点沈殿法を利用することによっ
て、安価に且つ容易にリジン成分に富むグロブリン成分
を主成分とする食品添加物を得ることができる。
【0007】
【発明の構成】本発明の食品添加物は、ソバ種子等のリ
ジン成分に富む植物種子から抽出されたグロブリン成分
を主成分とするものである。本発明において言う、リジ
ン成分に富む植物種子として、ソバ種子を代表的に挙げ
ることができる。かかるソバ種子としては、普通ソバ(F
agopyrum esculuntum)や苦ソバ(Fagopyrum tataricum)
を使用することができる。この「苦ソバ」とは、別名ダ
ッタンソバと呼ばれ、アジアの一部地域で食されている
が、特有の強い苦味のために本邦では食されていない。
但し、「普通ソバ」と「苦ソバ」とのタンパク質分布に
ついて、電気泳動法によって分析したところ、両者のタ
ンパク質分布の差異は殆どなく、本発明の食品添加物の
原料として「苦ソバ」を充分に使用し得る。
【0008】また、「グロブリン成分」とは、水に不溶
性で且つ塩含有溶液に溶解する単純タンパク質の総称で
あって、等電点近傍で塩含有溶液に不溶となる。一方、
「アルブミン成分」とは、水に溶けやすい単純タンパク
質の総称である。本発明の食品添加物の主成分であるグ
ロブリン成分は、体内で生合成できない必須アミノ酸で
あるリジン成分に富む植物種子から抽出されたものであ
るため、リジン成分に富むものである。更に、グロブリ
ン成分よりも水溶性に富むアレルゲンタンパク質は、沈
殿分離の際に、グロブリン成分から分離され易いため、
リジン成分等の必須アミノ酸成分の含有バランスが良好
で且つ安全な植物タンパク質が得られるのである。
【0009】かかる本発明の食品添加物は、ソバ種子等
のリジン成分に富む植物種子の粉末を無機塩水抽出して
グロブリン成分及びアルブミン成分を含有する水溶液を
得た後、この水溶液から等電点沈殿法によってグロブリ
ン成分を主成分とする沈殿物を沈殿させることによって
得ることができる。この様な本発明の食品添加物の製造
方法を、原料としてソバ種子粉末を使用した場合につい
て、図1を用いて説明する。図1は、かかる製造方法の
工程を図示したものであり、原料としてのソバ種子粉末
は、ソバを脱穀した後に微細粉砕されたものが好適であ
る。
【0010】このソバ種子粉末に、後述する無機塩水抽
出を直ちに施すと、悪臭成分等も一緒に抽出され易いた
め、ヘキサンやアセトン等の有機溶媒によって脱脂する
ことが好ましい。かかる脱脂は、ソバ種子粉末1重量部
当たり、5〜10倍(重量部)の有機溶媒を加え、12
〜24時間の攪拌を行い、沈殿物を濾過してから風乾す
ることによって行うことができる。尚、脱脂までの工程
での操作は、目的物であるグロブリン成分が40〜45
℃の温度で変質して溶解度が変化する傾向にあるため、
30℃以下の温度で行うことが好ましい。
【0011】この様に脱脂が施されたソバ種子粉末に
は、無機塩水抽出を施し、グロブリン成分及びアルブミ
ン成分が溶解された水溶液を分離する。この際に使用す
る無機塩水としては、クエン酸やリン酸等の無機塩を含
有する緩衝液を使用してもよいが、好適には塩化ナトリ
ウム水溶液を使用する。かかる無機塩の濃度は、0.5
〜3重量%とすることが好ましい。また、無機塩水抽出
は、温度0〜50℃(好ましくは20〜40℃)におい
て、温度に応じた任意の抽出時間とすることができる。
この場合、30〜40℃の高温領域においては、24時
間或いはそれ以上の長時間の抽出では、目的物であるグ
ロブリン成分の変質沈降を起こして収率が低下する傾向
があるため、抽出時間を0.5〜2時間程度とすること
が好ましい。一方、0〜20℃の低温領域においては、
抽出速度が低下する傾向にあるため、抽出時間を2時間
以上とすることが好ましい。
【0012】無機塩水抽出の完了後、グロブリン成分及
びアルブミン成分を含有する水溶液と、無機塩水に非溶
解の沈殿物とを速やかに固液分離する。この固液分離
は、遠心分離を使用することができるが、室温よりも高
い温度で無機塩水抽出を行った場合、抽出液の冷却によ
って目的物であるグロブリン成分が析出して収率が低下
し易い傾向にあるため、抽出液を所定温度に保持し易い
濾過が好ましい。尚、抽出液を所定温度に保持して濾過
を行うならば、圧搾濾過であっても常圧濾過であっても
よい。
【0013】無機塩水抽出して得られた水溶液は、等電
点沈殿法によってグロブリン成分のみを沈殿させる。こ
の等電点沈殿法は、タンパク質が溶解されている水溶液
の温度・pH値を調整することによって行うことができ
る。ソバ種子粉末から抽出して得られた水溶液では、温
度0〜20℃で且つpH値3.8〜5の範囲でグロブリ
ン成分のみを沈殿させることができる。かかるpH値の
調整は、クエン酸等の有機酸や塩酸等の鉱酸を使用する
ことができ、放置時間は10〜60分とすることが好ま
しい。この様にして得られた茶白色の沈殿物は、グロブ
リン成分を主成分とするものであり、一方、アレルゲン
タンパク質を含むアルブミン成分は溶解状態にある。こ
のため、沈殿物を濾過等により分離した後、減圧乾燥す
ることによって、グロブリン成分を主成分とすると共
に、実質的にアレルゲンタンパク質が非含有の食品添加
物を得ることができる。尚、原料の植物種子粉末とし
て、「苦ソバ」の種子粉末を使用しても、等電点沈殿法
によって得られた沈殿物は、「苦ソバ」特有の苦味を呈
しない。
【0014】ところで、一般的に、タンパク質の析出分
離法としては、硫酸アンモニウムによる飽和沈殿法が知
られている。かかる飽和沈殿法は、グロブリン成分の実
験的な抽出法に使用されているに過ぎず、食品添加物等
に使用するタンパク質成分の工業的な抽出法としては不
適当である。沈殿物の脱塩工程が煩雑になるため、得ら
れる食品添加物がコスト高となるからである。この点、
本発明において採用する等電点沈殿法によれば、煩雑な
脱塩工程を必要とせず、得られる食品添加物の製造コス
トの低下を図ることができる。
【0015】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳細に説明す
る。 実施例1 (1)ソバ種子粉末を使用し、アレルゲンタンパク質の
挙動を調査するため、硫酸アンモニウムによる飽和沈殿
法によって、アルブミン成分とグロブリン成分とに分離
した。この際、アセトン脱脂した普通ソバ(Fagopyrum e
sculuntum)の粉末1重量部当たり、食塩水(1重量%)
10重量部を添加し、温度4℃に維持しつつ24時間攪
拌して抽出を施した。抽出を施した混合物を遠心分離し
て得られた抽出液に、硫酸アンモニウム767gを加え
て1000mlの溶液とし、温度4℃に維持して2時間
放置した後、遠心分離して沈澱物を分離した。次いで、
この沈澱物を純水に懸濁し、分画分子量6000の透析
膜を用いて、温度4℃で24時間純水に対して透析し
た。その後、透析物を遠心分離して得られた上澄液を凍
結乾燥して透析アルブミン成分とし、遠心分離して得ら
れた沈殿物を凍結乾燥して透析グロブリン成分とした。 (2)これら透析アルブミン成分と透析グロブリン成分
とを使用し、Laemmli 等の方法(U.K.Laemmli,Naturc. 2
27,680 (1976))に従って、ラウリル硫酸ナトリウム−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動法によって分子量分布を
測定した。その結果、分子量が約8000近傍であるこ
とが知られているソバのアレルゲンタンパク質は、透析
アルブミン中にのみ分布し、透析グロブリン中には痕跡
程度であった。 (3)上述した(1)で使用した普通ソバ(Fagopyrum e
sculuntum)の粉末に代えて、苦ソバ(Fagopyrum tataric
um) の粉末を使用する他は、実施例1と同様にして透析
アルブミン成分と透析グロブリン成分とを分離し、電気
泳動法によって分子量分布を測定した。その結果、普通
ソバと苦ソバとのタンパク質分布に差異は殆どなく、且
つ透析グロブリン成分には苦ソバ特有の苦味が殆どない
ため、苦ソバも普通ソバと同様に原料として使用できる
ことが判明した。
【0016】実施例2 ソバタンパク質の等電点は、下記の要領で測定した。 (1)タンパク質の溶解度の測定法 抽出液中のタンパク質濃度の測定は、Lowry(O.H.Lowry
et al.,J.Biol,Chem.193,265(1951)) 等の方法を応用し
たBCA法(P.K.Smith et al Anal.Biochem.150,76(19
85)) により行った。すなわち、タンパク質濃度に比例
する562nmの吸光度を測定し、検量線法によってタ
ンパク質濃度を決定した。具体的には、pH値2.1〜
8.0の緩衝液をリン酸水素2ナトリウムとクエン酸と
の任意混合により調製し、測定系に0.5重量%となる
ように塩化ナトリウムを溶解した。この溶液0.9ml
に2g蛋白/mlに調製したソバアルブミン溶液及びグ
ロブリン溶液0.1ml加えて攪拌混合した後に放置
し、遠心分離した上澄液0.1mlを採取してタンパク
質濃度の測定を行った。タンパク質溶解度は、溶液pH
値が7のときの上澄液中のタンパク質濃度C7と任意の
溶液pH値のときの上澄液中のタンパク質濃度Cs とを
各々測定し、下記式によって算出した。 タンパク質溶解度(%)=(Cs /C7 )×100
【0017】(2)等電点の測定 実施例1で得た普通ソバ及び苦ソバの各々の透析アルブ
ミン成分と透析グロブリン成分とを使用し、ソバタンパ
ク質の等電点を測定した。 pH値について 透析アルブミン成分と透析グロブリン成分との各々に、
1重量部当たり食塩水(1重量%)10重量部を添加し
て攪拌溶解した後、塩酸を添加して溶液pH値を調整す
ると共に、溶液温度を4℃に維持しつつ2時間放置し
た。得られた結果を図2に示す。図2から明らかな様
に、普通ソバ及び苦ソバのアルブミン成分では、特定の
沈澱域が得られず回収率(=溶解度の差)は最大で15
%と低く、等電点沈澱法でアルブミン質は沈澱しない。
一方、グロブリン成分では、pH値3.8〜5.0の間
に特徴的な沈澱域が観測され、この間に溶液pH値を調
製することによって、グロブリン成分を最大80%回収
できる。尚、沈殿前のタンパク質濃度、静置時間等は等
電域及び回収率に大きな影響を及ぼさなかった。
【0018】温度について 透析アルブミン成分及び透析グロブリン成分の各々に、
1重量部当たり食塩水(1重量%)10重量部を添加し
て攪拌溶解した後、塩酸を添加して溶液pH値を4.5
に調整して等電点範囲内とすると共に、溶液を一定温度
に維持して2時間放置した。この放置温度を変更して得
られた結果を図3に示す。図3から明らかな様に、等電
点範囲内においても、グロブリン成分は温度による影響
を顕著に受け、溶液温度が45℃付近に到達したとき、
グロブリン成分は完全に可溶化する。かかる結果から、
ソバ粉末からの抽出は、30〜50℃、特に40〜45
℃で行うことが好まし。また、等電点近傍でグロブリン
成分のみを沈殿させる場合には、溶液温度を0〜20℃
とすることが好ましい。尚、溶液温度を50℃を越える
温度とすれば、グロブリン成分の溶解度は再び減少する
が、グロブリン成分が変性され易くなるため好ましくな
い。
【0019】実施例3 実施例2の結果に基づき、等電点沈殿法によってソバ種
子からグロブリン成分の抽出を試みた。先ず、アセトン
脱脂した普通ソバ(Fagopyrum esculuntum)の粉末10g
を食塩水(1重量%)20mlに加えた後、混合物を温度
45℃に維持しつつ1時間攪拌して抽出を施した。抽出
を施した混合物を遠心分離して得られた上澄液に塩酸を
加えてpH値が4.5の溶液とすると共に、溶液温度を
4℃に保持して20分間放置した。その後、溶液中に生
成した沈殿物を遠心分離して単離し、単離された沈殿物
を凍結乾燥した。更に、単離された沈殿物を実施例1と
同様にして電気泳動法によって分析した結果、実施例1
で得た透析グロブリンと略同等の分子量分布を示すと共
に、アレルゲンタンパク質は痕跡程度であった。
【0020】
【発明の効果】本発明の食品添加物は、リジン成分等の
必須アミノ酸をバランスよく含有するタンパク質を主成
分とするものであるため、栄養価が高く且つ成人病を気
にせずに植物性タンパク質を補給できる。しかも、グロ
ブリン成分よりも水溶性に富むアレルゲンタンパク質が
実質的に除去されているため、アレルギー患者でも安全
に食することが可能である。また、本発明の食品添加物
は、ソバ種子等の植物種子から等電点沈降法によって得
たものであり、何等の化学反応処理をしておらず、化学
的な後処理を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食品添加物の製造方法を説明する
ための工程図である。
【図2】普通ソバ及び苦ソバの各々のアルブミン成分及
びグロブリン成分の溶解度と溶液pH値との関係を示し
たグラフである。
【図3】普通ソバ及び苦ソバの各々のアルブミン成分及
びグロブリン成分の等電点内での溶解度と温度の関係を
示したグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物性タンパク質を主成分とする食品添
    加物において、該食品添加物がソバ種子等のリジン成分
    に富む植物種子から抽出されたグロブリン成分を主成分
    とすると共に、前記グロブリン成分よりも水溶性に富む
    アレルゲンタンパク質が実質的に非含有であることを特
    徴とする食品添加物。
  2. 【請求項2】 植物性タンパク質を主成分とする食品添
    加物を、ソバ種子等のリジン成分に富む植物種子から製
    造する際に、 該植物種子の粉末を無機塩水抽出してグロブリン成分及
    びアルブミン成分を含有する水溶液を得た後、 前記水溶液から等電点沈殿法によってグロブリン成分を
    主成分とする沈殿物を沈殿させることを特徴とする食品
    添加物の製造方法。
  3. 【請求項3】 植物性タンパク質を主成分とする食品添
    加物を植物種子から製造する際に、 該植物種子としてソバ種子を使用し、前記ソバ種子の粉
    末をヘキサン等の溶媒によって脱脂した後、無機塩水に
    よって抽出してグロブリン成分及びアルブミン成分を含
    有する水溶液を得、 次いで、前記水溶液を温度0〜20℃で且つpH値3.
    8〜5に調整し、グロブリン成分を主成分とする沈殿物
    を沈殿させることを特徴とする食品添加物の製造方法。
JP5314700A 1993-12-15 1993-12-15 食品添加物及びその製造方法 Pending JPH07163303A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5314700A JPH07163303A (ja) 1993-12-15 1993-12-15 食品添加物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5314700A JPH07163303A (ja) 1993-12-15 1993-12-15 食品添加物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07163303A true JPH07163303A (ja) 1995-06-27

Family

ID=18056502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5314700A Pending JPH07163303A (ja) 1993-12-15 1993-12-15 食品添加物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07163303A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003238432A (ja) * 2002-02-15 2003-08-27 Fancl Corp ヒアルロン酸蓄積促進剤
JP2005500074A (ja) * 2001-08-30 2005-01-06 カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ 女性/妊婦用の薬草由来の栄養補助製剤およびその調製方法
JP2009065964A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Cj Cheiljedang Corp 米糠タンパク質抽出物の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005500074A (ja) * 2001-08-30 2005-01-06 カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ 女性/妊婦用の薬草由来の栄養補助製剤およびその調製方法
JP2003238432A (ja) * 2002-02-15 2003-08-27 Fancl Corp ヒアルロン酸蓄積促進剤
JP4542300B2 (ja) * 2002-02-15 2010-09-08 株式会社ファンケル ヒアルロン酸蓄積促進剤
JP2009065964A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Cj Cheiljedang Corp 米糠タンパク質抽出物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101199965B1 (ko) 카놀라 단백질 분리물의 제조 및 수중생물배양에의 용도
US20190307149A1 (en) Process for making a soluble rapeseed protein isolate
EP1920662A1 (en) Native potato protein isolates
JP6073554B2 (ja) 水抽出を使用した大豆タンパク質製品(「s803」)の調製
US10327456B2 (en) pH adjusted soy protein isolate and uses
JPH0669345B2 (ja) 低フイチン酸塩大豆タンパク質アイソレ−トを製造する方法
JP7241071B2 (ja) 改良された栄養価を有するエンドウマメタンパク質組成物
TWI758235B (zh) 豆類蛋白質產品(「yp810」)的製備
JP7011060B2 (ja) ジャガイモタンパク質由来繊維状構造及びそれを含む食料品
RU2635375C2 (ru) ПРОДУКТ ИЗ БЕЛКА БОБОВЫХ КУЛЬТУР С ДОВЕДЕННЫМ pH
US11013243B2 (en) Canola protein product with low phytic acid content (“C702”)
JP2012531215A (ja) 塩化カルシウム抽出を使用する大豆タンパク質単離物の調製(「s703」)
JP2018148932A (ja) ヘンプからの可溶性タンパク質製品(「h701」)の製造
IE45421B1 (en) Proteinaceous foodstuff
US7838633B2 (en) Method for production of fractionated soybean protein material
JPH07163303A (ja) 食品添加物及びその製造方法
EP0027514B1 (en) Antitumor substance and its production
JP3586976B2 (ja) 分画大豆蛋白の製造法及びこれを用いた食品
NZ519433A (en) A calcium absorption enhancing agent and a method for producing it
KR102513225B1 (ko) 풍부한 필수아미노산을 함유하는 완두콩 대체육 및 그의 제조방법
JP3863965B2 (ja) 卵黄低分子ペプチド
JP3417461B2 (ja) 大豆蛋白分解物、その製造法及びその利用食品
JP7169558B2 (ja) 分離植物性蛋白の製造法
JP7001188B1 (ja) 分離植物性蛋白の製造法
JP2000312561A (ja) 塩溶解性の優れた大豆蛋白